JP2020047696A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた放熱性を有する半導体装置を提供すること。【解決手段】主面及び放熱面を有するヒートブロックと、ヒートブロックの主面に接合材を介して積層された半導体素子と、接合材及び半導体素子を封止し、かつヒートブロックの主面の少なくとも一部を封止する第一の封止樹脂硬化物と、ヒートブロックの放熱面を露出させた状態で、ヒートブロック及び第一の封止樹脂硬化物を封止する第二の封止樹脂硬化物と、を備え、第一の封止樹脂硬化物の熱伝導率が、第二の封止樹脂硬化物の熱伝導率より高い、半導体装置。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関する。本発明は、特に半導体素子とリードフレームとが接合材により接合され、さらに封止樹脂硬化物により封止されてなる半導体装置に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車、電鉄、分散電源等では、インバーターにパワー半導体が多く使われている。パワー半導体が組み込まれた半導体装置として、ヒートシンクと、半導体素子(パワー半導体チップ)やワイヤ等を含む基板全体を封止するモールド樹脂とを備える半導体装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−165281号公報
パワー半導体や、200℃以上での高温動作が可能なワイドバンドギャップ半導体を用いる場合、その高いパワー密度により生じる半導体装置内部の熱に対処する必要がある。しかしながら、例えば特許文献1に記載の技術では、装置内部で生じた熱を外部へ放出するヒートシンクが設けられてはいるものの、ヒートシンクに至るまでの放熱経路が充分に設計されているとは言えない。なお、放熱が不充分であると、各部材が熱による機械的応力に曝されることになり、部材間剥離が生じる虞がある。また、装置内部に熱が籠ることにより、半導体装置の周囲に配置される、半導体装置と比較して耐熱性に劣る制御回路基板等に影響を与える虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた放熱性を有する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、主面及び放熱面を有するヒートブロックと、ヒートブロックの主面に接合材を介して積層された半導体素子と、接合材及び半導体素子を封止し、かつヒートブロックの主面の少なくとも一部を封止する第一の封止樹脂硬化物と、ヒートブロックの放熱面を露出させた状態で、ヒートブロック及び第一の封止樹脂硬化物を封止する第二の封止樹脂硬化物と、を備え、第一の封止樹脂硬化物の熱伝導率が、第二の封止樹脂硬化物の熱伝導率より高い、半導体装置を提供する。
本発明は、第一の封止樹脂硬化物と第二の封止樹脂硬化物との界面に、ガス収容部をさらに備えることができる。
本発明において、第一の封止樹脂硬化物及び第二の封止樹脂硬化物は、エポキシ樹脂及び無機フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物であってもよい。
本発明において、無機フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体の50〜95質量%とすることができる。
本発明において、接合材は金属粒子を含むペーストの焼結体であってもよい。
本発明において、半導体素子はワイドバンドギャップ半導体であってもよい。
本発明において、第一の封止樹脂硬化物及び第二の封止樹脂硬化物は、トランスファー成形体であってもよい。
本発明において、第一の封止樹脂硬化物の熱伝導率は1W/m・K以上であってもよい。
本発明によれば、優れた放熱性を有する半導体装置を提供することができる。本発明は、半導体素子としてパワー半導体やワイドバンドギャップ半導体を用いた場合に、特に優れた放熱性を発揮する。
一実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。 他の実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体装置は、主面及び放熱面を有するヒートブロックと、ヒートブロックの主面に接合材を介して積層された半導体素子と、接合材及び半導体素子を封止し、かつヒートブロックの主面の少なくとも一部を封止する第一の封止樹脂硬化物と、ヒートブロックの放熱面を露出させた状態で、ヒートブロック及び第一の封止樹脂硬化物を封止する第二の封止樹脂硬化物と、を備える。以下、図1及び図2を用いて、より具体的な態様について説明する。なお、図中にて主面とは、半導体素子の積層方向において上面側に存在する面である。
図1は一実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。図1に示す半導体装置10は、アウターリード2a,2b、及びヒートブロック2cを備えるリードフレームと、ヒートブロック2cの主面に接合材3を介して積層された半導体素子1と、これらリードフレーム、接合材3及び半導体素子1全体を封止する封止樹脂硬化物4とを備えている。封止樹脂硬化物4は、接合材3(接合材3の側面)及び半導体素子1(半導体素子1の側面及び主面)を封止し、かつヒートブロック2cの主面の少なくとも一部を封止する第一の封止樹脂硬化物4aと、ヒートブロック2cの放熱面を露出させた状態で、ヒートブロック2cの側面及び第一の封止樹脂硬化物4aを封止する第二の封止樹脂硬化物4bと、を備えている。アウターリード2bの内端はヒートブロック2cの主面と固着されている。アウターリード2aの内端とヒートブロック2cの主面との間には第一の封止樹脂硬化物4aが介在している。ヒートブロック2cの裏面(積層方向において主面と対向する面)の放熱面は、封止樹脂硬化物4により封止されず外部に露出している。また、アウターリード2a,2bの外端は第二の封止樹脂硬化物4bにより封止されず、第二の封止樹脂硬化物4bから外部に突出している。
ヒートブロック2cの主面と、半導体素子1の裏面電極(図示せず)とは、接合材3により接合されている。また、半導体素子1の主面の表面電極(図示せず)と、アウターリード2aとは、金属配線5によって電気的に接続されている。
半導体素子1としては、シリコン(Si)の他、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)等のワイドバンドギャップ半導体が挙げられる。また、半導体素子1としては、整流素子やInsulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)、Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect−Transistor(MOSFET)のようなパワー半導体素子が挙げられる。
アウターリード2a,2b、及びヒートブロック2cは、Cu等の金属材料を用いて形成されている。これらの部材の表面には、酸化防止性や、封止樹脂硬化物4及び接合材3との接着力向上を目的として、NiやAg等のめっきが施されていてもよい。めっきの種類は、各部材との接着性の観点から適宜選択することができる。また、複数のめっきが施されていてもよく、例えば、全面にNiめっきを施した上で、さらに接合材3との接合部分にAgめっきが施されていてもよい。
接合材3ははんだであってもよく、あるいは金属粒子を含むペーストの焼結体(焼結接合材)であってもよい。接合材3の厚さは、例えば0.01〜0.5mmとすることができる。金属粒子の体積平均粒子径は0.01μm以上10μm以下であってもよく、0.01μm以上5μm以下であってもよく、0.05μm以上3μm以下であってもよい。金属粒子の形状は、特に限定されるものではない。
なお、ペーストは、より詳細には金属粒子及び分散媒を含む。金属粒子としては、銅、銀、亜鉛等の金属粒子が挙げられる。分散媒としては、例えば、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α−テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH)等の一価及び多価アルコール類;エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;炭素数1〜18のアルキル基を有するメルカプタン類;炭素数5〜7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類が挙げられる。炭素数1〜18のアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、i−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、i−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン及びドデシルメルカプタンが挙げられる。炭素数5〜7のシクロアルキル基を有するメルカプタン類としては、例えば、シクロペンチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン及びシクロヘプチルメルカプタンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
ペーストは、金属粒子の分散安定性及び耐酸化性の観点から、表面処理剤を含んでいてもよい。表面処理剤としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p−フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理剤等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
ペーストには、必要に応じて、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加してもよい。
ペーストは、金属粒子及び任意の添加剤を分散媒に混合して調製することができる。各成分の混合後に撹拌処理を行ってもよい。また、ペーストに対し分級操作を行い、金属粒子の粒径を調整してもよい。
金属配線5(配線材)は、ワイヤボンディングやリボンボンディング等によって設けることができる。ワイヤやリボンの素材としてはAlやCu等の金属が通常用いられるが、半導体素子1に損傷を与えずに接続できるものであれば特に限定されない。なお、金属配線5を介さずに、各部材の接合をはんだ等の接合材によって行ってもよい。
第一の封止樹脂硬化物4aの熱伝導率は、第二の封止樹脂硬化物4bの熱伝導率より高い。第一の封止樹脂硬化物4aの熱伝導率は、半導体素子1から生じる熱を速やかにヒートブロック2cに伝えるという観点から、1W/m・K以上とすることができ、2W/m・K以上であってもよい。当該熱伝導率の上限は特に制限されないが、使用する樹脂自体の物性の観点から5W/m・K程度とすることができる。また、第二の封止樹脂硬化物4bの熱伝導率は、半導体素子1から生じる熱が外部に伝わることを抑制するという観点から、1W/m・K未満とすることができ、0.9W/m・K以下であってもよく、0.8W/m・K以下であってもよい。当該熱伝導率の下限は特に制限されないが、使用する樹脂自体の物性の観点から0.5W/m・K程度とすることができる。
第二の封止樹脂硬化物4bのさらに外部には、第二の封止樹脂硬化物4bを封止する第三、第四等の封止樹脂硬化物(図示せず)が設けられていてもよい。封止樹脂硬化物の熱伝導率は、外側に行くほど低くなっていてもよい。
封止樹脂硬化物4は、エポキシ樹脂と無機フィラーとを含有する熱硬化性樹脂組成物(封止樹脂組成物)の硬化物とすることができる。封止樹脂硬化物4は、後述のとおり熱硬化性樹脂組成物をトランスファーモールドすることによって形成することができる。すなわち、封止樹脂硬化物4は、トランスファー成形体であってもよい。これにより、回路部材を保持し、高温動作でも接続信頼性を得易くなる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ジヒドロキシベンゼンノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、ジシクロペンタジエン型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、ヒダントイン型、イソシアヌレート型、トリスフェノールメタン型のエポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機フィラーとしては、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウム及び亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等から構成される微粉末を用いることができる。
上記のとおり、第一の封止樹脂硬化物4aの熱伝導率は、第二の封止樹脂硬化物4bの熱伝導率より高い。そのため、第一の封止樹脂硬化物4aは高い熱伝導性を発揮するよう、また第二の封止樹脂硬化物4bは第一の封止樹脂硬化物4aよりも低い熱伝導性(断熱性)を発揮するよう、無機フィラーの種類及び量を適宜調整することができる。例えば、第一の封止樹脂硬化物4aに含ませる無機フィラーの素材としては、熱伝導率の高いアルミナや窒化ホウ素が挙げられ、第二の封止樹脂硬化物4bに含ませる無機フィラーの素材としてはシリカが挙げられる。
無機フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物全体の50〜95質量%とすることができる。含有量が50質量%未満では、望ましい物性を得ることが困難となる傾向がみられ、95質量%を超えると組成物の流動性が低下し、成形性が低下する傾向がみられる。この観点から、当該含有量は55〜90質量%であってもよく、60〜85質量%であってもよい。
なお、第一の封止樹脂硬化物4aに含まれる無機フィラーの量は、第二の封止樹脂硬化物4bに含まれる無機フィラーの量よりも多くすることができる。このとき、第二の封止樹脂硬化物4b中の無機フィラーの含有量に対する、第一の封止樹脂硬化物4a中の無機フィラーの含有量の比(第一の封止樹脂硬化物4a中の無機フィラーの含有量/第二の封止樹脂硬化物4b中の無機フィラーの含有量)は、1超とすることができる。当該比の上限は、封止樹脂の硬化性や放熱性が損なわれない範囲において適宜設定することが可能であり、特に制限されない。
熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と無機フィラーに加えて、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、離型剤、密着性付与剤、酸化防止剤、着色剤等を必要に応じて含んでいてもよい。
硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものである。硬化剤としては特に限定されるものではなく、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般や酸無水物等が挙げられる。硬化剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルとから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン型フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型ナフトールノボラック樹脂等のジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂、ナフタレンジオールアラルキル樹脂等を用いることができる。
硬化剤促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2―フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;これらのホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体;などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
難燃剤としては、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機若しくは無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤としては、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
密着性付与剤としては、特に限定するものではなく各種シランカップリング剤を用いることができ、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止材、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等が挙げられる。
図2は他の実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。図2に示す半導体装置20は、第一の封止樹脂硬化物4aと第二の封止樹脂硬化物4bとの界面に、ガス収容部6をさらに備える点において、図1に示す半導体装置10と異なる。
ガス収容部6は、第一の封止樹脂硬化物4aと第二の封止樹脂硬化物4bとの界面の全面に形成されていてもよく、界面の少なくとも一部に形成されていてもよい。すなわち、ガス収容部6は、当該界面に連続的に設けられていてもよく、断続的に設けられていてもよい。ガス収容部6の厚さは100μm以下とすることができ、80μm以下であってもよい。ガス収容部6は空気を含むことができるが、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガスを単独で含んでいてもよい。ガス収容部6はガス層ということもでき、また主として空気を含む場合には空気層ということもできる。
第二の封止樹脂硬化物4bを封止する第三、第四等の封止樹脂硬化物(図示せず)が設けられている場合、各硬化物間にもガス収容部が存在していてもよい。
次に半導体装置の動作について説明する。一般に、半導体装置を起動させると、整流素子等の半導体素子に電流が流れ、熱が発生する。発生した熱は、温度勾配を駆動力としてヒートブロックから外部へ放出されるが、放熱量と発熱量とがバランスするまで半導体装置内の温度は上昇する。このとき、半導体素子の温度は200℃程度まで上昇することがある。一方、半導体装置を停止すると、半導体素子へ電流が供給されなくなるため温度が低下する。このような温度の上昇と下降(温度サイクル)を繰り返すと、特に線膨張係数の異なるヒートブロックと、封止樹脂硬化物との界面で応力が発生する。発生した熱が速やかに放出されない場合、温度サイクル条件が過酷になるため、生じた応力に起因する界面剥離を起こす虞がある。また、発熱量の大きい半導体素子はある程度の高温に晒されたとしても動作が可能である。しかし、長期間にわたって安定して動作するためには、半導体素子から生じた熱は速やかに外部に放出されることが重要である。
さらに、このような半導体装置の周囲には、半導体装置と比較して耐熱性に劣る制御回路基板等が配置される。なお、制御回路基板等に実装される部品としては、シリコンを主体としたICまたはLSI等が想定される。制御回路基板等の正常な動作のため、制御回路基板等には発熱量が大きい部品は実装されていない。そのため、制御回路基板自体の作動により、例えば100℃を超える高温が生じる虞はない。しかしながら、半導体装置の温度が過度に上昇すると、半導体装置からの熱が制御回路基板等の動作に影響を与える虞がある。
このような従来技術に対し、本実施形態の半導体装置10では、高熱伝導性である第一の封止樹脂硬化物4aが半導体素子1及びヒートブロック2cの両者に接している。そのため、半導体素子1で発生した熱がメインの放熱経路である接合材3だけでなく、第一の封止樹脂硬化物4aをも介してヒートブロック2cに伝わり、そしてヒートブロック2cの放熱面から外部へ熱が速やかに放出される。これにより、界面剥離を抑制することができる。また、第一の封止樹脂硬化物4aの周囲は、低熱伝導性である第二の封止樹脂硬化物4bにより封止されている。そのため、放熱面以外の、設計上意図しない方向への伝熱を抑制することができ、周囲の制御回路基板等が高温に曝されることを抑制することができる。第一の封止樹脂硬化物4aと第二の封止樹脂硬化物4bとの界面に、ガス収容部6が設けられている場合は、ガス収容部6が断熱層として機能するため、このような伝熱をさらに抑制することができる。
<半導体装置の製造方法>
上述した半導体装置について、その製造方法の一例を以下に説明する。先ず、ヒートブロック2cの主面に、半導体素子1を接合材3を介して接合する。そして、半導体素子1の主面の表面電極と、アウターリード2aとを、ワイヤボンディングにより電気的に接続する。次に、ヒートブロック2cの放熱面を下にしてトランスファーモールド用の下金型の上に載せ、リードフレームの周縁部を上金型と下金型とで挟み込むように型締めすることで回路部の位置を固定し、第一の封止樹脂を金型内に注入する。第一の封止樹脂を硬化させることで、ヒートブロック2cの放熱面とアウターリード2a,2bの端部が露出した状態で、半導体素子1、接合材3及び金属配線5が第一の封止樹脂硬化物4aによって封止される。
第一の封止樹脂硬化物4aを形成した後、再度ヒートブロック2cの放熱面を下にしてトランスファーモールド用の下金型の上に載せ、リードフレームの周縁部を上金型と下金型とで挟み込むように型締めすることで第一の封止樹脂硬化物4aの位置を固定し、第二の封止樹脂を金型内に注入する。第二の封止樹脂を硬化させることで、ヒートブロック2cの放熱面とアウターリード2a,2bの端部が露出した状態で、第一の封止樹脂硬化物4aが第二の封止樹脂硬化物4bによって封止される。
ガス収容部6を形成する場合は、例えば異なる種類の封止樹脂を個別にトランスファーモールドすればよい。また、封止環境を調整することで、ガス収容部6に含まれるガスを変えることができる。
第二の封止樹脂硬化物4bの形成後、封止樹脂硬化物4からはみ出たリードフレームの不要な部分を切除し、アウターリード2a,2bを所定の形に成形することで、半導体装置10又は20が完成する。
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。
[実施例1]
(はんだ接合工程)
厚さ4μmのNiめっきが形成されたCuリードフレームを用意した。Cuリードフレームの一部のヒートブロック(縦24mm×横19mm×厚さ3mm)上に、はんだのシート(95質量%Pb−3.5質量%Sn−1.5質量%Ag、縦10mm×横5mm×厚さ100μm)を載置し、はんだのシートの上に、半導体素子であるSiCショットキーバリアダイオードチップ(縦8.23mm×横4mm×厚さ0.4mm、陽極最表面:Al、陰極最表面:Ni)を、陰極側とはんだシートとが接触するように重ねた。
ギ酸リフロー炉にてはんだを溶融させた。まず、サンプルを炉内のヒーター上に設置し、炉内を13Paまで真空排気した。次に、ギ酸容器に窒素を導入し、バブリングさせながら、ギ酸容器から炉内にギ酸ガスを飽和させた窒素を8L/minで導入した。炉内圧力が80000Paに達した後に、ギ酸ガスを飽和させた窒素の導入を停止し、炉内圧力が80000Paを維持するように、真空排気量を調整した。ヒーターを15℃/minで室温から220℃まで昇温させた。その後、220℃を15分間保持した後、排気を開始し、13Pa以下に真空排気した。その後、窒素を炉内に10L/minで導入し、炉内圧力を80000Paに維持しながら350℃まで昇温させた。その後、20℃/minで350℃から50℃までヒーターを降温させた。その後、サンプルを炉内から取り出し、はんだ接合工程を完了した。
(ワイヤボンディング工程)
SiCショットキーバリアダイオードチップの陽極面(リードフレームとの接合面とは反対側の面)と、+側アウターリードを直径400μmのAlワイヤ、6本によって接続した。なお、ワイヤボンダーによって、超音波を加えながらAlワイヤをSiCショットキーバリアダイオードチップのAl陽極に押し付けることでAlワイヤの接続を行った。
(封止樹脂Aの調製)
エポキシ樹脂として、三菱化学株式会社(旧ジャパンエポキシレジン株式会社)製トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(1032H60)を100質量部、硬化剤として新日鐵化学株式会社(旧東都化成株式会社)製フェノール樹脂(SN−395)を65質量部、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製、AO−60)を5質量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物を2質量部、無機フィラーとして平均粒径(D50)3.5μm、の窒化ホウ素を1023質量部、カップリング剤としてエポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を11質量部、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100」)を2.6質量部、離型剤としてカルナバワックス(株式会社セラリカNODA製)を1質量部、を秤量し、これらを混練温度80℃、混練時間15分の条件でロール混練を行うことによって封止樹脂Aを調製した。
(封止樹脂Bの調製)
エポキシ樹脂として、三菱化学株式会社(旧ジャパンエポキシレジン株式会社)製トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂(1032H60)を100質量部、硬化剤として新日鐵化学株式会社(旧東都化成株式会社)製フェノール樹脂(SN−375)を59質量部、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(ADEKA社製、AO−60)を5質量部、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物を2質量部、無機フィラーとして平均粒径(D50)17.5μmの球状溶融シリカを1023質量部、カップリング剤としてエポキシシラン(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を11質量部、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100」)を2.6質量部、離型剤としてカルナバワックス(株式会社セラリカNODA製)を1質量部、秤量し、これらを混練温度80℃、混練時間15分の条件でロール混練を行うことによって封止樹脂Bを調製した。
(第一のパッケージ封止工程)
ワイヤボンディング後のサンプルにおいて、SiCショットキーバリアダイオードチップとAlワイヤの表面の全てと、ヒートブロックとアウターリードの一部分を封止樹脂Aによって封止した。封止にはトンラスファーモールド装置を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化加熱時間90秒にて、封止を行った。
(第二のパッケージ封止工程)
第一のパッケージ封止工程後のサンプルにおいて、封止樹脂Aと、ヒートブロックとアウターリードの一部分を封止樹脂Bによって封止した。封止にはトンラスファーモールド装置を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化加熱時間90秒にて、封止を行った。その後、封止後のサンプルを200℃のオーブンにて6時間加熱することで封止樹脂の硬化を完了した。最後にアウターリードを切断し、封止樹脂硬化物の外形が縦50mm×横30mm×厚さ9mmであるSiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した(以下、単に「パッケージ」ということがある。)。なお、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−5000)により観察したところ、実施例1のパッケージは、封止樹脂硬化物AとBとの界面にガス収容部(空気層)を有していた。
(封止樹脂硬化物の熱伝導率の評価)
長さ80mm×幅10mm×厚さ3mmの試験片を成形する金型を用いて、封止にはトンラスファーモールド装置を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化加熱時間90秒にて、封止樹脂硬化物の試験片を成形し、さらに200℃で6時間アフターキュアした。得られた試験片の熱拡散率を、熱拡散率測定装置(NETZSCH社製、LFA447)を用いてレーザーフラッシュ法により測定した。得られた熱拡散率と、別途、示差走査熱量測定(DSC)により測定した試験片の比熱及び比重との積から、硬化物の熱伝導率を求めた。
(パッケージの熱抵抗評価)
25℃の冷却水によって温度調節された銅製冷却ブロック(縦100mm×横100mm×厚さ20mm)に、放熱シート(信越化学工業株式会社製、TC−100TXS、熱伝導率5W/m・K、縦60mm×横40mm×厚さ1mm)を貼り、その上に、SiCショットキーバリアダイオードパッケージのヒートブロックの露出面を放熱シートに接するように、SiCショットキーバリアダイオードパッケージを設置した。+側アウターリードから−側アウターリードに電流IONを80A通電させ、1.1秒後に通電を停止した。その時に+側アウターリードと−側アウターリードの両側に発生する電圧をオシロスコープにて測定した。通電時間中の電圧を平均し、順方向電圧VONとして評価した。また、IONの通電直前と通電直後に微小電流ICを0.5A通電し、+側アウターリードと−側アウターリードの両側に発生する微小電圧Vjをオシロスコープにて測定した。Vjの温度依存性を用いて、通電開始の10ミリ秒前のVjから最低ジャンクション温度Tjminを求め、通電停止から0.5ミリ秒後のVjから最低ジャンクション温度Tjmaxを求めた。TjmaxからTjminを差し引いた温度差ΔTjによってVONを除算し、熱抵抗RTを求めた。得られた熱抵抗について、比較例2の熱抵抗を基準(100%)としたときのパーセンテージを表1に示す。
(パッケージの表面温度評価)
SiCショットキーバリアダイオードパッケージの上面(チップ真上)にK型熱電対を取り付け、パッケージの表面温度を評価した。パッケージの表面温度を表1に示す。
[実施例2]
(金属ペーストの調製)
DPMA(ダイセル工業株式会社製、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート)12質量部と、MTPH(日本テルペン化学株式会社製、イソボルニルシクロヘキサノール)12質量部、ステアリン酸0.88質量部をらいかい機にて10分間混練し、液状成分を得た。この液状成分に、鱗片状銀粒子(福田金属箔粉工業株式会社製、AgC−239)88質量部を加えてらいかい機にて15分間混練し、銀粒子接着剤組成物(銀粒子を含有するペースト)を得た。
(銀粒子接着剤組成物層の形成)
厚さ4mmのAgめっきが形成されたCuリードフレームの一部のヒートブロック(縦24mm×横19mm×厚さ3mm)上に、ギャップ100μmのメタルマスクを設置し、焼結銀ペースト(銀粒子接着剤組成物)を縦10mm×横5mmの範囲にスクリーン印刷した。ついで、焼結銀ペーストをスクリーン印刷したCuリードフレームを160℃のホットプレート上で180秒間加熱し、銀粒子接着剤組成物層を形成した。
(銀粒子接着剤組成物層による接合工程)
SiCショットキーバリアダイオードチップ(縦8.23mm×横4mm×厚さ0.4mm、陽極最表面:Al、陰極最表面:Ag)を、陰極側と銀粒子接着剤組成物層とが接触するように重ねて、圧着用サンプルを用意した。300℃に加熱されたステンレス製ステージとステンレス製ヘッドによって、圧着用サンプルを10MPaで90秒間加圧し、チップをヒートブロックに接合した。この接合材を「焼結銀」と呼ぶ。なお、加圧の際にチップのヒートブロックとの接合面とは反対側の面とステンレス製ヘッドとの間にカーボンシート(厚さ3mm)を挟み、チップを保護した。
次いで、表1に従い、実施例1と同様にしてワイヤボンディング工程〜第二のパッケージ封止工程を行い、SiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した。さらに実施例1と同様にして、パッケージの熱抵抗評価と表面温度評価を行った。結果を表1に示す。なお、実施例2のパッケージは、封止樹脂硬化物AとBとの界面にガス収容部(空気層)を有していた。
[比較例1]
実施例1と同様にしてはんだ接合工程〜ワイヤボンディング工程を行い、ワイヤボンディングされたサンプルを準備した。このサンプルに対し、以下のパッケージ封止工程を行った。
(パッケージ封止工程)
SiCショットキーバリアダイオードチップとAlワイヤの表面の全てと、ヒートブロックとアウターリードの一部分を封止樹脂Aによって封止した。封止にはトンラスファーモールド装置を用いて、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化加熱時間90秒にて、封止を行った。その後、封止後のサンプルを200℃のオーブンにて6時間加熱することで封止樹脂の硬化を完了した。最後にアウターリードを切断し、封止樹脂硬化物の外形が縦50mm×横30mm×厚さ9mmであるSiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した。
さらに実施例1と同様にして、パッケージの熱抵抗評価と表面温度評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
封止樹脂Aの代わりに封止樹脂Bを使用した以外は、比較例1と同様にしてSiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した。さらに実施例1と同様にして、パッケージの熱抵抗評価と表面温度評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
第一及び第二のパッケージ封止工程の代わりに、比較例1のパッケージ封止工程を実施したこと以外は、実施例2と同様にしてSiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した。さらに実施例1と同様にして、パッケージの熱抵抗評価と表面温度評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
封止樹脂Aの代わりに封止樹脂Bを使用した以外は、比較例3と同様にしてSiCショットキーバリアダイオードパッケージを作製した。さらに実施例1と同様にして、パッケージの熱抵抗評価と表面温度評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2020047696
表1より、実施例のパッケージでは、ヒートブロックと反対面のパッケージの表面温度を上昇させることなく、パッケージの熱抵抗を従来(比較例2)の85%以下に抑制することができた。
本発明により、高温環境下での信頼性に優れた半導体装置を提供することができる。例えばパワー半導体素子を用いた場合、本発明の半導体装置は、ディスクリートパッケージ、パワーモジュールと呼ばれるパッケージとして利用することができる。
10,20…半導体装置、1…半導体素子、2a,2b…アウターリード、2c…ヒートブロック、3…接合材、4…封止樹脂硬化物、4a…第一の封止樹脂硬化物、4b…第二の封止樹脂硬化物、5…金属配線、6…ガス収容部。

Claims (8)

  1. 主面及び放熱面を有するヒートブロックと、
    前記ヒートブロックの主面に接合材を介して積層された半導体素子と、
    前記接合材及び前記半導体素子を封止し、かつ前記ヒートブロックの主面の少なくとも一部を封止する第一の封止樹脂硬化物と、
    前記ヒートブロックの放熱面を露出させた状態で、前記ヒートブロック及び前記第一の封止樹脂硬化物を封止する第二の封止樹脂硬化物と、を備え、
    前記第一の封止樹脂硬化物の熱伝導率が、前記第二の封止樹脂硬化物の熱伝導率より高い、半導体装置。
  2. 前記第一の封止樹脂硬化物と前記第二の封止樹脂硬化物との界面に、ガス収容部をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第一の封止樹脂硬化物及び前記第二の封止樹脂硬化物が、エポキシ樹脂及び無機フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項1又は2に記載の半導体装置。
  4. 前記無機フィラーの含有量が、前記熱硬化性樹脂組成物全体の50〜95質量%である、請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記接合材が金属粒子を含むペーストの焼結体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記半導体素子がワイドバンドギャップ半導体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記第一の封止樹脂硬化物及び前記第二の封止樹脂硬化物が、トランスファー成形体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記第一の封止樹脂硬化物の熱伝導率が1W/m・K以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
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