JP2023093107A - 樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法 Download PDF

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Chika Uchiyama
光昭 襖田
Mitsuaki Fusumada
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Daiki FURUIKE
真志 白神
Masashi Shirakami
貴大 齋藤
Takahiro Saito
周平 根来
Shuhei Negoro
和也 上村
Kazuya Kamimura
健 齋藤
Takeshi Saito
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Abstract

【課題】高いガラス転移温度と良好な靭性を両立しうる樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる電子部品装置、及びこの樹脂組成物を用いる電子部品装置の製造方法の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、を含有し、硬化物のガラス転移温度が150℃以上であり、前記硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法に関する。
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物は、半導体パッケージ等の電子部品装置において電子部品装置の周囲を保護する封止材として広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2021-027315号公報
電子部品装置は一般に、基板上に配置された電子部品の周囲を封止材としての樹脂組成物で覆い、樹脂組成物を加熱硬化して形成される。
電子部品装置の構造の多様化、製造コスト低減などに対応するために、電子部品装置に占める封止材の体積割合を低減することが検討されている。
しかしながら、封止材の体積割合を小さくすると、加熱による体積膨張に起因する基板の反りが生じやすくなる。基板の反りを抑制する手段の一つとして、封止材のガラス転移温度を高め、加熱温度での封止材の弾性率を高い状態に維持することが考えられるが、封止材のガラス転移温度を高くすると靭性が低下して脆くなるおそれがある。
本開示は、高いガラス転移温度と良好な靭性を両立しうる樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる電子部品装置、及びこの樹脂組成物を用いる電子部品装置の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、を含有し、硬化物のガラス転移温度が150℃以上であり、前記硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない、樹脂組成物。
<2>硬化物の下記式で示される応力インデックスが37,000以上である、<1>に記載の樹脂組成物。
応力インデックス=ΔT1×25℃での曲げ弾性率×CTE1+ΔT2×260℃での曲げ弾性率×CTE2
式中、ΔT1は硬化物のガラス転移温度から25を差し引いた値であり、ΔT2は260から硬化物のガラス転移温度を差し引いた値である。
<3>前記エポキシ樹脂がトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記硬化剤がトリフェニルメタン型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフタレンアラルキル型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>~<3>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<5>電子部品装置全体に占める封止材の体積割合が50%以下である電子部品装置の封止材として用いるための、<1>~<4>のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
<6>支持部材と、前記支持部材上に配置された素子と、前記素子の周囲に配置された<1>~<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
<7>素子を支持部材上に配置する工程と、前記素子を<1>~<5>のいずれか1項に記載の樹脂組成物で封止する工程と、を含む電子部品装置の製造方法。
本開示によれば、高いガラス転移温度と良好な靭性を両立しうる樹脂組成物、この樹脂組成物を用いて得られる電子部品装置、及びこの樹脂組成物を用いる電子部品装置の製造方法が提供される。
反りの評価に用いたパッケージの配置を示す図である。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
<樹脂組成物>
本開示の樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、を含有し、硬化物のガラス転移温度が150℃以上であり、前記硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない、樹脂組成物である。
本開示の樹脂組成物は、硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない。硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない樹脂組成物は、硬化物のガラス転移温度が高くても硬化物の靭性が良好に維持される。したがって、電子部品装置の封止材として用いたときに、封止材の破損等を抑制できる。
硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない樹脂組成物の硬化物の靭性が良好に維持される理由は必ずしも明らかではないが、下記のように推測される。
樹脂組成物に含まれる硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含む場合、樹脂組成物の原料を混合した際にエポキシ樹脂の一部が硬化促進剤の一部と反応してポリマーネットワークを形成する。このため、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物中に、エポキシ樹脂と硬化促進剤との反応により形成されるポリマーネットワークと、エポキシ樹脂と硬化剤との反応により形成されるポリマーネットワークという異なるネットワークが混在する。
樹脂組成物に含まれる硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない場合、エポキシ樹脂と硬化促進剤とが反応してポリマーネットワークを形成することがない。このため、エポキシ樹脂と硬化剤との反応によるポリマーネットワークのみが硬化物中に形成される。その結果、硬化物の樹脂構造が緻密になり、良好な靭性が維持されると考えられる。
本開示において「硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない」とは、樹脂組成物に含まれる硬化促進剤のすべてがエポキシ基と反応する官能基を含まないことを意味する。
本開示の樹脂組成物は、硬化物のガラス転移温度が150℃以上である。硬化物のガラス転移温度が150℃以上であると、樹脂組成物を電子部品装置の封止材として用いたときに、加熱による体積膨張に起因する基板の反りが効果的に抑制される。
基板の反りを抑制する観点からは、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は160℃以上であることがより好ましく、170℃以上であることがさらに好ましく、180℃以上であることが特に好ましい。
良好な靭性を維持する観点からは、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は230℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましく、210℃以下であることがさらに好ましい。
本開示において、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は実施例に記載した方法で測定される。
基板の反りを抑制する観点からは、樹脂組成物のCTE1(ガラス領域での線膨張係数)は8ppm/℃以上であることが好ましく、10ppm/℃以上であることがより好ましく、12ppm/℃以上であることがさらに好ましい。
パッケージの信頼性の観点からは、樹脂組成物のCTE1は21ppm/℃以下であることが好ましく、19ppm/℃以下であることがより好ましく、17ppm/℃以下であることがさらに好ましい。
基板の反りを抑制する観点からは、樹脂組成物のCTE2(ゴム領域での線膨張係数)は35ppm/℃以上であることが好ましく、45ppm/℃以上であることがより好ましく、50ppm/℃以上であることがさらに好ましい。
パッケージの信頼性の観点からは、樹脂組成物のCTE2は75ppm/℃以下であることが好ましく、70ppm/℃以下であることがより好ましく、65ppm/℃以下であることがさらに好ましい。
本開示において、樹脂組成物の硬化物のCTE1及びCTE2は実施例に記載した方法で測定される。
基板の反りを抑制する観点からは、樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率は14GPa以上であることが好ましく、15GPa以上であることがより好ましく、17GPa以上であることがさらに好ましい。
パッケージの信頼性の観点からは、樹脂組成物の硬化物の25℃における曲げ弾性率は26GPa以下であることが好ましく、24GPa以下であることがより好ましく、20GPa以下であることがさらに好ましい。
基板の反りを制御する観点からは、樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ弾性率は0.4GPa以上であることが好ましく、0.7GPa以上であることがより好ましく、1.0GPa以上であることがさらに好ましい。
パッケージの信頼性の観点からは、樹脂組成物の硬化物の260℃における曲げ弾性率は2.5GPa以下であることが好ましく、2.0GPa以下であることがより好ましく、1.5GPa以下であることがさらに好ましい。
本開示において、樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率は実施例に記載した方法で測定される。
基板の反りを抑制する観点からは、樹脂組成物の硬化物の応力インデックスは37,000以上であることが好ましく、39,000以上であることがより好ましく、40,000以上であることがさらに好ましい。
パッケージの信頼性の観点からは、樹脂組成物の硬化物の応力インデックスは59,000以下であることが好ましく、57,000以下であることがより好ましく、56,000以下であることがさらに好ましい。
本開示において、樹脂組成物の硬化物の応力インデックスは下記式で計算される値である。
応力インデックス=ΔT1×25℃での曲げ弾性率×CTE1+ΔT2×260℃での曲げ弾性率×CTE2
式中、ΔT1は硬化物のガラス転移温度から25を差し引いた値であり、ΔT2は260から硬化物のガラス転移温度を差し引いた値である。
硬化物の応力インデックスの値が大きい樹脂組成物を電子部品装置の封止材として用いると、基板の反りが抑制される傾向にある。この理由は、下記のように推測される。
封止材としての硬化物の応力インデックスの値が小さいと、その内部応力に起因して基板をSmile反り(周囲が盛り上がる反り)の方向に引っ張る力が小さく、基板のCry反り(中央が盛り上がる反り)を相殺する力が充分に働かない。硬化物の応力インデックスの値が37,000以上であると、封止材の内部応力が充分に大きく、基板をSmile反りの方向に引っ張る力によって基板のCry反りが相殺される。その結果、基板の反りが抑制される。
以下、樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂として具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂;上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物とを酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2-(3,4-エポキシ)シクロヘキシル-5,5-スピロ(3,4-エポキシ)シクロヘキサン-m-ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ナフタレン環含有フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるナフタレン型エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;フェノールアラルキ型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるアラルキル型エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはアクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化物のガラス転移温度を高める観点からは、エポキシ樹脂としてはトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量(分子量/エポキシ基数)は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性及び電気的信頼等の各種特性バランスの観点からは、100g/eq~1000g/eqであることが好ましく、150g/eq~500g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂が固体である場合、その軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは40℃~180℃であることが好ましく、樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点からは50℃~130℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂の融点又は軟化点は、示差走査熱量測定(DSC)又はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有率は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%~50質量%であることが好ましく、2質量%~30質量%であることがより好ましい。
(硬化剤)
樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤の種類は特に限定されず、樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。硬化剤としては、フェノール硬化剤、アミン硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤、活性エステル化合物等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール硬化剤として具体的には、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノールアラルキル型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフトールアラルキル型フェノール樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンとから共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化物のガラス転移温度を高める観点からは、硬化剤としてはトリフェニルメタン型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフタレンアラルキル型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂が好ましい。
硬化剤が固体である場合、その軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは、40℃~180℃であることが好ましく、樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点からは、50℃~130℃であることがより好ましい。
硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
エポキシ樹脂と硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中の官能基数に対する硬化剤中の官能基数の比(硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中の官能基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える観点からは、0.5~2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6~1.3の範囲に設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8~1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、エポキシ基と反応する官能基を含まないものであれば特に制限されず、エポキシ樹脂又は硬化剤の種類、樹脂組成物の所望の特性等に応じて選択できる。硬化促進剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示において「エポキシ基と反応する官能基を含まない硬化促進剤」とは、活性水素を持つ1級又は2級アミノ基、フェノール水酸基等のエポキシ基と反応する性質を持つ官能基を含まない硬化促進剤を意味する。
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7のような活性水素を持たない3級アミンであっても加水分解によって1級アミノ基を生じる化合物は「エポキシ基と反応する官能基を含まない硬化促進剤」に該当しない。
エポキシ基と反応する官能基を含まない硬化促進剤としては、エポキシ基と反応する官能基を含まないリン原子含有化合物、エポキシ基と反応する官能基を含まない窒素原子含有化合物等が挙げられる。
エポキシ基と反応する官能基を含まないリン原子含有化合物としては、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラ-n-ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、リフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
エポキシ基と反応する官能基を含まない窒素原子含有化合物としては、ベンジルジメチルアミン、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール等が挙げられる。
樹脂組成物に含まれる硬化促進剤の量は、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~15質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、短時間で良好に硬化する傾向にある。硬化促進剤の量が樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であると、硬化速度が速すぎず良好な成形品が得られる傾向にある。
(充填材)
樹脂組成物は、充填材を含んでもよい。充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
無機充填材の中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカ等のシリカが好ましく、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の形態としては粉末、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
樹脂組成物に含まれる充填材の体積平均粒子径は、充填性の観点から、15μm以下であることが好ましく、1μm~12μmであることが好ましく、2μm~10μmであることがより好ましい。
樹脂組成物に含まれる充填材の最大粒子径は、充填性の観点から、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
本開示において充填材の体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(例えば、株式会社堀場製作所、LA920)を用いて得られる体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径(D50)である。
充填材が樹脂組成物に含まれた状態である場合、熱分解、溶解等の方法で樹脂組成物に含まれる樹脂成分を除去してから体積平均粒子径を測定してもよい。
樹脂組成物に含まれる充填材の含有率は、特に制限されず、流動性及び強度の観点からは、樹脂組成物全体の30体積%~90体積%であることが好ましく、35体積%~80体積%であることがより好ましく、50体積%~80体積%であることがさらに好ましい。充填材の含有率が樹脂組成物全体の30体積%以上であると、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の特性がより向上する傾向にある。充填材の含有率が樹脂組成物全体の90体積%以下であると、樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤、シリコーンオイル、シリコーン粒子等の各種添加剤を含んでもよい。樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(カップリング剤)
樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。樹脂成分と無機充填材との接着性を高める観点からは、樹脂組成物はカップリング剤を含むことが好ましい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、ジシラザン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部~10質量部であることが好ましく、0.1質量部~8質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して10質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。樹脂組成物は、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1-X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.1質量部~30質量部であることが好ましく、1質量部~10質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して0.01質量部~10質量部が好ましく、0.1質量部~5質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。10質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、樹脂成分100質量部(エポキシ樹脂と硬化剤の合計量)に対して1質量部~30質量部であることが好ましく、2質量部~20質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(シリコーン粒子)
樹脂組成物は、シリコーン粒子を含んでもよい。シリコーン粒子はコアシェル構造を持つものであってもよい。コアシェル構造を持つシリコーン粒子としては、シリコーンゴム粒子の表面をシリコーン樹脂で被覆したもの(シリコーン系コアシェルゴム粒子)等が挙げられる。
シリコーン粒子の体積平均粒子径は、100nm~10μmの範囲内であってもよい。
(樹脂組成物の調製方法)
樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に攪拌及び混合し、予め70℃~140℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルーダー等で混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。
樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
<電子部品装置>
本開示の電子部品装置は、支持部材と、前記支持部材上に配置された素子と、前記素子の周囲に配置された上述した樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載して得られた素子部を樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、リードフレーム上に素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング、バンプ等で接続した後、樹脂組成物を用いてトランスファ成形等によって封止した構造を有するDIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した素子を樹脂組成物で封止した構造を有するTCP(Tape Carrier Package);支持部材上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した素子を、樹脂組成物で封止した構造を有するCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール等;裏面に配線板接続用の端子を形成した支持部材の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と支持部材に形成された配線とを接続した後、樹脂組成物で素子を封止した構造を有するBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント配線板においても樹脂組成物を好適に使用することができる。
本開示の樹脂組成物は、電子部品装置全体に占める封止材の体積割合が小さい(例えば、封止材の体積割合が50%以下である)電子部品装置の封止材として用いた場合であっても基板の反りが効果的に抑制される。
<電子部品装置の製造方法>
本開示の電子部品装置の製造方法は、素子を支持部材上に配置する工程と、前記素子を本開示の樹脂組成物で封止する工程と、を含む。
上記各工程を実施する方法は特に制限されず、一般的な手法により行うことができる。また、電子部品装置の製造に使用する支持部材及び素子の種類は特に制限されず、電子部品装置の製造に一般的に用いられる支持部材及び素子を使用できる。
本開示の樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の調製>
下記に示す成分を表1に示す配合割合(単位:質量部)で混合し、実施例と比較例の樹脂組成物を調製した。
・エポキシ樹脂1:エポキシ当量169g/eq、軟化点60℃のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂エポキシ樹脂
・エポキシ樹脂2:エポキシ当量272g/eq、軟化点58℃のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂
・硬化剤1:水酸基当量104g/eq、軟化点85℃のトリフェニルメタン型フェノール樹脂
・硬化剤2:水酸基当量203g/eq、軟化点67℃のビフェニルアラルキル型フェノール樹脂
・硬化促進剤1:テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート
・硬化促進剤2:2-エチル-4-メチルイミダゾール
・硬化促進剤3:トリブチルホスフィンと1,4-ベンゾキノンとの付加物
・カップリング剤1:N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
・カップリング剤2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・着色剤:カーボンブラック
・シリコーン粒子:シリコーン系コアシェルゴム粒子(体積平均粒子径100nm~300nm)
・充填材:シリカ粒子、体積平均粒子径6.9μm
・充填材:シリカ粒子、体積平均粒子径0.5μm
<樹脂組成物の性能評価>
(1)ガラス転移温度及びCTE
金型温度175℃、成形時間150秒で樹脂組成物を注入成形し、20mm×4mm×4mmの試験片を得た。理学電機製の熱機械分析装置(TAS-1000S)を用いて、昇温速度5℃/minの条件で試験片の長手方向の寸法の変化(線膨張係数)の測定を行った。
得られた熱膨張曲線の屈曲点に相当する温度をガラス転移温度Tg(℃)とした。
熱膨張曲線上の50℃と70℃における2点を結ぶ直線の傾きをTg以下(ガラス領域)の熱膨張率(CTE1)とし、熱膨張曲線上の220℃と230℃における2点を結ぶ直線の傾きをTg以上(ゴム領域)の熱膨張率(CTE2)とした。
(2)静的破壊靭性試験(K1C試験)
金型温度175℃、成形時間150秒で樹脂組成物を注入成形し、80mm×10mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を175℃、5時間で後硬化した後、試験片の中央部に1.75mmのノッチと0.1mmのクラックを入れた。試験片のノッチとクラックを入れた側を下にし、TENSILON(A&D社製)を用い、スパン(支点間距離)を64mmとして、JIS-K-6911に準拠した3点支持型曲げ試験を行った。
測定で得られた試験片の破断時の最大荷重(F、単位:N)と、実測で得られた試験片の幅(W、単位:m)、厚み(T、単位:m)、ノッチサイズとクラックサイズの合計(a、単位:m)、スパン(S、単位:m)をそれぞれ以下の式に代入して、K1Cの値を求め、得られた値を単位:MPam0.5に変換した。TENSILONのヘッドスピードは2.0mm/minとし、25℃の条件で行った。
Figure 2023093107000001
(3)曲げ弾性率
金型温度175℃、成形時間150秒で樹脂組成物を注入成形し、80mm×10mm×4mmの試験片を得た。得られた試験片を175℃、5時間で後硬化した後、TENSILON(A&D社製)を用い、スパン(支点間距離)を64mmとして、JIS-K-6911に準拠した3点支持型曲げ試験を行い、曲げ弾性率E(GPa)を下記式に従って求め、得られた値を単位:GPaに変換した。TENSILONのヘッドスピードは3.0mm/minとし、測定温度は25℃、260℃の条件でそれぞれ行った。
下記式中、Pはロードセルの値(N)、yは変位量(mm)、lはスパン=64mm、wは試験片幅=10mm、hは試験片厚さ=4mmである。
Figure 2023093107000002
(4)基板の反り
実施例4及び実施例5で調製した樹脂組成物を用いて、下記の方法により基板の反りを評価した。
厚みが0.11mmの基板の上に、縦4列、横16列の64個のパッケージを図1に示すように配置し、175℃で150秒のモールド、175℃で5時間の後硬化、及び最高温度260℃でのリフローをこの順に実施した。
各パッケージは、基板の上にダイアタッチフィルム、半導体チップ、ダイアタッチフィルム、半導体チップの順に積層し、その周囲を樹脂組成物で封止して作製した。
各パッケージの封止部の厚みは0.69mm、半導体チップのサイズは12mm×10mm×0.18mm、ダイアタッチフィルムの厚みは0.12mmであった。
基板上に形成されたパッケージを個片化した後、図1の斜線で示した位置の16個のパッケージについて、測定装置(Thermoire、Akrometrix製)を用いて反りの状態を評価した。
具体的には、パッケージの基板側が下を向いた状態で恒温槽に入れ、高温槽内の温度を30℃→260℃→30℃→260℃→30℃の順に変化させた後にCCDカメラを用いてパッケージの真上から撮影したモアレ画像を解析した。
パッケージの中央が盛り上がった状態をCry反り、パッケージの中央が窪んだ状態をSmile反りとして、Cry反りの量(μm)を正の値、Smile反りの量(μm)を負の値として測定した。
実施例4及び実施例5のいずれも16個のパッケージの平均値が60μm以下であり、基板の反りが有効に抑制されていた。
硬化物の応力インデックスが37,000より小さい比較例4は、16個のパッケージの平均値が60μmよりも大きく、基板の反りが充分に抑制されていなかった。
Figure 2023093107000003
表1に示すように、硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない実施例の樹脂組成物は、硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基としてアミノ基を含む比較例1及び比較例3、並びに硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基としてフェノール性水酸基を含む比較例2と比較して、硬化物のガラス転移温度が高くても良好な靭性が維持される。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、硬化促進剤と、を含有し、硬化物のガラス転移温度が150℃以上であり、前記硬化促進剤がエポキシ基と反応する官能基を含まない、樹脂組成物。
  2. 硬化物の下記式で示される応力インデックスが37,000以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
    応力インデックス=ΔT1×25℃での曲げ弾性率×CTE1+ΔT2×260℃での曲げ弾性率×CTE2
    式中、ΔT1は硬化物のガラス転移温度から25を差し引いた値であり、ΔT2は260から硬化物のガラス転移温度を差し引いた値である。
  3. 前記エポキシ樹脂がトリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記硬化剤がトリフェニルメタン型フェノール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、ナフタレンアラルキル型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 電子部品装置全体に占める封止材の体積割合が50%以下である電子部品装置の封止材として用いるための、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 支持部材と、前記支持部材上に配置された素子と、前記素子の周囲に配置された請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と、を備える電子部品装置。
  7. 素子を支持部材上に配置する工程と、前記素子を請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物で封止する工程と、を含む電子部品装置の製造方法。
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