JPH08104796A - 半導体封止用樹脂組成物及び該組成物で封止された半導体装置 - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物及び該組成物で封止された半導体装置

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JPH08104796A
JPH08104796A JP24112394A JP24112394A JPH08104796A JP H08104796 A JPH08104796 A JP H08104796A JP 24112394 A JP24112394 A JP 24112394A JP 24112394 A JP24112394 A JP 24112394A JP H08104796 A JPH08104796 A JP H08104796A
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JP
Japan
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silica
average particle
resin composition
fused
particle diameter
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JP24112394A
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English (en)
Inventor
Toru Koyama
小山  徹
Hirokazu Takasaki
寛和 高崎
Shigeo Amagi
滋夫 天城
Akio Nishikawa
昭夫 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形作業性に優れ、かつ熱膨張係数をLSI
素子並みに小さくした半導体封止用樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 半導体封止用樹脂組成物は、平均粒径3〜5
0μmの溶融球状シリカ(A)に、この溶融球状シリカの
1/10〜1/100の粒径の球状シリカ(B)を、B/
(A+B)の比率が1〜9重量%となるように付着させ
たシリカ系充填剤を、樹脂組成物の全重量に対して75
〜90重量%含有する。 【効果】 細粒の球状シリカBがコロの役目をしてダイ
ラタント性を低下させ、樹脂組成物のトランスファー成
型時の樹脂組成物の粘度を低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成型作業性に優れた半
導体封止用樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた樹脂封
止型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、IC、LSI等の半導体
装置の外装(パッケージング)は、金属、ガラス、セラ
ミックス等を用いるハ−メチック封止品とエポキシ樹脂
を主流とする樹脂封止品の2種類がある。前者は気密性
には優れているが非常に高価である。一方、後者は大量
生産によって極めて安価に製造できるうえ、近年、素子
の製造技術や封止用成型材料の信頼性が著しく向上した
ことにより、現在では、後者の樹脂封止品がパッケージ
ングの主流となっている。
【0003】最近、半導体素子の高集積化や高機能化の
進歩が極めて著しく、それに伴って、チップサイズの大
型化、配線の微細化並びに多層化等が進んでいる。一
方、パッケージングについてみると実装の高密度化や自
動化の為に、パッケージサイズは小型薄型化する方向に
進み、又、パッケージの形状も従来のDILP(Dual in Lin
e Package)からFPP(Flat Plastic Package)、SOP(Small
Outline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrie
r)等ピン挿入実装型から面付実装型に移行している。こ
のような集積度の向上、パッケージサイズあるいは形
状、実装方式等の変遷に伴い、素子が微細化し、パッケ
ージの封止樹脂層は薄肉化の傾向を益々強めている。そ
の為、封止品に熱的ストレスが加わると半導体装置を封
止する樹脂、フレーム、チップ等の熱膨張係数の違いに
よって熱応力が生じ、その為に封止樹脂にクラックが発
生したり、あるいは逆にチップやチップ表面に形成され
ているパッシベーション膜にクラックが生じたり、チッ
プ表面の配線の切断、短絡、位置ずれ等が生じ易くな
り、素子特性変動や信頼性低下が問題となっている。こ
の問題は、パッケージの実装方式がピン挿入実装型から
面付実装型に移行し、実装時にパッケージが曝される温
度が従来より高くなっていることによって更に重大とな
ってきている。
【0004】樹脂封止半導体に発生する熱応力は、上述
のように各構成材料の熱膨張係数の違いによって発生す
る為、各構成材料の熱膨張係数を一致させれば、即ち、
最も熱膨張係数の大きい封止樹脂の熱膨張係数を小さく
すれば、熱応力の大幅な低減が可能となる。一般に、半
導体用封止用樹脂組成物には、熱膨張係数の低減を目的
に、樹脂より熱膨張係数が小さい無機質充填剤が配合さ
れている。該樹脂組成物の硬化物の熱膨張率αと充填剤
の添加量V(体積含有率)との間には一般に次式に示す
関係が成立つ。
【0005】
【数1】
【0006】従って、熱膨張係数を小さくするには充填
剤の配合量を更に増せば良い。充填剤を添加した樹脂組
成物の粘度については種々の関係式が提案されている
が、次のMooneyの粘度式が実験式と良く対応している。
【0007】
【数2】
【0008】しかし、上述のMooneyの粘度式(2)から分
かるように、充填剤の配合量を増やすと即ち、φを大き
くすると、樹脂組成物の粘度が著しく上昇し、流動性が
低下する為、封止作業が困難になる。
【0009】そのため、充填剤の粒度分布を詳細に検討
して、特開昭53−123457号公報に記載されてい
るように特定の粒度分布を有する無機充填剤を用い、上
述のMooneyの粘度式(2)の充填剤の群がり係数λを小さ
くして、樹脂組成物の粘度上昇や流動性低下をあまり起
こさずに充填剤の配合量を増す方法が提案された。即
ち、粒度分布の異なる充填剤を適度に混合し、次のRosi
n-Rammlerの式(3)のn値をできるだけ小さくし、粒度
分布を広くし、充填剤を細密充填化することにより充填
剤の群がり係数λを小さく方法である。
【0010】
【数3】
【0011】しかし、このような手法を用いても、現在
樹脂封止型半導体の主流となっているフェノール硬化型
エポキシ樹脂系組成物においてはベース樹脂自体の粘度
が高いために、充填剤量を飛躍的に増して熱膨張係数の
大幅な低減を図るには限界があった。その理由として
は、大きな原石を機械的に粉砕して製造された角ばった
充填剤が使用されてきたため、充填剤のかさばりによっ
て前述のMooneyの粘度式(2)の充填剤の形状係数Kが大
きく、樹脂組成物の粘度上昇や流動性の低下が起こり易
かった為と推定されている。その対策として、特公昭6
0−26505号公報等に記載されているように球形の
充填剤を用い、Mooneyの粘度式(2)の充填剤の形状係数
Kを小さくする方法が提案された。更に、Mooneyの粘度
式(2)の充填剤の群がり係数λを小さくする為、特開昭
58−138740号、特開昭59−22955号、特
開昭62−39641号、特開昭63108021号、
特開昭63−128020号、特開昭63−12802
1号、特開昭64−11355号、特開平1−2661
52号、特開平2−209949号、特開平2−247
236号、特開平2−261856号、特開平3−17
4434号、特開平3−174450号、特開平3−7
5570号の各公報等に記載されているように特定の粒
度分布を有する球状の無機充填剤を用い、粗粒子の空隙
を埋めるため、特定の微粒子を添加し、無機充填剤を細
密充填化することで、樹脂組成物の粘度上昇や流動性低
下をあまり起こさずに充填剤の配合量を増す方法が提案
された。しかし、このようなMooneyの粘度式(2)の充
填剤の形状係数K、充填剤の群がり係数λを検討するこ
とにより、樹脂組成物の流動性を向上させようとする手
法は限界があった。
【0012】そこで、特開昭64−1771号、特開平
2−228354号、特開平4−345640号の各公
報に記載されているように、大粒径粒子に小粒径粒子を
添加すると、小粒径粒子は大粒径粒子の間隙に存在して
細密充填化すると共に、樹脂組成物中で大粒径粒子相互
の滑り性を増大させ流動性を増す方法が提案された。し
かし、小粒径粒子が平均粒径1〜100nmの超微粒子
で、それを添加すると逆に成型時の流動性が低下した
り、小粒径粒子が破砕シリカであり、成型時の流動性改
善が不十分であったり、大粒径粒子が破砕シリカを含ん
でいるため、成型時に断線があったりして、それを用い
た半導体素子は信頼性があまり良くなかった。一方、特
開平3−247635号公報、特開平4−15262号
公報に記載されているように、球状大粒径シリカに球状
小粒径シリカを添加する方法が提案された。このような
手法を用いても、まだ流動性の改善が不十分であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】その為、熱応力の発生
が少ない半導体封止用樹脂組成物及びそれを用いた樹脂
封止型半導体装置の開発が強く望まれていた。
【0014】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは成型作業性が
良く、しかも熱膨張係数が小さい半導体封止用樹脂組成
物及び当該樹脂組成物を用いた信頼性の優れた樹脂封止
型半導体装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】特開平4−345640
号公報に記載されているように高圧コイル注型用熱硬化
性樹脂組成物において、(A)平均粒径0.1〜0.9μ
mの球状シリカを、(B)平均粒径3〜24μmの結晶
質シリカ(但し、最大粒径60μm以下)に、A/(A
+B)の比率が1〜7重量%となるように付着させたシ
リカ系充填剤をもちいると、ずり速度の小さいときはA
を加えないときより粘度が上昇し、逆にずり速度の大き
いときはAを加えないときより粘度が下がり、流動性が
向上することが提案された。同時に、特開平4−345
640号公報には(B)の結晶質シリカの代りに非晶質
である溶融シリカを用い、(A)の平均粒径0.1〜0.
9μmの球状シリカを添加してもずり速度の大小にかか
わらず、Aを加えないときより粘度が上昇し、流動性が
低下すると記載されている。一方、球状フィラを使用し
た半導体封止用樹脂組成物は、フィラの添加量が少ない
場合、トランスファ成型する際、流動性が良い為バリの
発生が多く、金型のキャビテーからリードフレームには
み出してバリ取りを必要とする等著しく作業性を低下さ
せる原因となっていた。その為、特開昭62−3964
1号公報に記載されているように平均粒径3〜5μmの
溶融シリカに平均粒径0.01〜0.5μmの微細な球
状溶融シリカを添加し、バリを無くす方法が提案されて
いる。その発明では、スパイラルフロー等に示される成
型時の流動性の低下が大きい欠点があった。更に、特開
昭63−128020号公報には前記(3)式における
定数nを小さくすると充填剤中の微粒子成分が増加し、
振動を与えるとゾル化し放置でゲルとなるチクソトロピ
ック性が著しく増加し、粘度上昇と流動性の低下が起こ
ると記載されている。
【0016】しかし、本発明者等は特開平4−3456
40号公報では、(A)の平均粒径0.1〜0.9μm
の球状充填剤が、粗粒の充填剤の表面に付着してコロの
役目をしてズリ速度が大きいときに流動性が向上したと
推定して更に検討を加えた。その結果、「平均粒径3〜
50μmの溶融球状シリカに、該溶融球状シリカの1/
10〜1/100の粒径の球状シリカを付着させると、
球状シリカの添加量が多くなるに従い、B型粘度計で測
定する様な低ズリ速度において、見かけの粘度は従来か
ら言われているように増加する。しかし、ズリ速度が大
きいとき、即ち、高シェア状態の成型時に見かけの粘度
は球状シリカを添加しないときより低くなり、流動性が
増加する。」ことが分かり、本発明に至った。又、付着
する球状充填剤の平均粒径が小さいと、微粒子間に働く
ファンデルワールス力の影響が大きくなりすぎ、かえっ
て粘度が上昇する傾向にある。逆に、付着する球状充填
剤の平均粒径が大きすぎると、その添加効果が少なくな
る傾向にある。付着粒子の量が少ないと流動性向上効果
が無く、逆に多いと流動性が悪くなる傾向にある。恐ら
く、付着した球状充填剤が粗粒充填剤のコロの役目を果
たして、ズリ速度が大きいときに流動性が向上したと思
われる。
【0017】本発明を概説すれば、本発明の第一の発明
は、半導体封止用樹脂組成物に関する発明であって、シ
リカ系充填剤を添加した半導体封止用樹脂組成物におい
て、該シリカ系充填剤が、平均粒径3〜50μmの溶融
球状シリカ(A)に、該溶融球状シリカの1/10〜1
/100の粒径の球状シリカ(B)を、B/(A+B)
の比率が1〜9重量%となるように付着させてなり、こ
の溶融シリカ系充填剤を該組成物の全重量に対して75
〜90重量%含有させたことを特徴とする。
【0018】本発明の第二の発明は、樹脂封止型半導体
装置に関する発明であって、シリカ系充填剤を添加した
半導体封止用樹脂組成物により封止された半導体装置に
おいて、該シリカ系充填剤が、平均粒径3〜50μmの
溶融球状シリカ(A)に、該溶融球状シリカの1/10
〜1/100の粒径の球状シリカ(B)を、B/(A+
B)の比率が1〜9重量%となるように付着させてなる
溶融シリカ系充填剤を該組成物の全重量に対して80〜
91%含有させたことを特徴とする。
【0019】本発明の第三の発明は、半導体封止用樹脂
組成物に用いる充填剤に関する発明であって、該充填剤
は、平均粒径3〜50μmの溶融球状シリカ(A)に該
溶融球状シリカの1/10〜1/100の粒径の球状シ
リカ(B)を、B/(A+B)の比率が1〜9重量%と
なるように付着させてなることを特徴とする。
【0020】本発明にかかる非晶質の溶融シリカは、予
め所定の粒度分布に粉砕した溶融シリカや所定の粒度分
布にした球状シリカ、例えば、特開昭59−59737
号公報に記載されているように、予め所定の粒度分布に
粉砕した溶融シリカをプロパン、ブタン、アセチレン、
水素等の可燃性ガスを原料とする溶射装置から発生させ
た高温火炎中に一定量ずつ供給して溶融し、冷却するこ
とによって得られるシリカ等がある。必要に応じて、充
填剤として、結晶質シリカ、アルミナ、水和アルミナ、
水和マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウ
ム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ウオ
ラストナイト(ケイ灰石),マイクロドール、パーライ
ト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、炭化珪素ウイ
スカー、チタン酸カリウムウイスカー、重炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維粉等を混合しても良い。また、強度を増
すために、粉末と繊維状のものを混ぜても良い。充填剤
は樹脂組成物の硬化物の熱膨張率が1.3×10~5de
g~1以下となる量を添加することが好ましい。一般に、
充填剤の添加量としては、全組成物の80〜91重量
%、特に80〜88重量%が本発明の目的を達成する上
で好ましい。
【0021】本発明に用いられる半導体封止用樹脂組成
物は、半導体封止に用いられる溶融シリカ充填樹脂組成
物であれば特に制限は無い。そのような樹脂組成物とし
ては、例えば、現在、半導体封止用成型材料として一般
に用いられているエポキシ樹脂組成物であって、エポキ
シ樹脂、硬化剤、硬化触媒、充填剤、可撓化剤、カップ
リング剤、着色剤、難燃剤、離型剤などを配合した熱硬
化性樹脂組成物である。又、ポリフェニレンスルフィッ
ド、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂に充填剤、可
撓化剤、カップリング剤、着色剤、難燃剤、離型剤など
を配合した性樹脂組成物でも良い。
【0022】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、半導体封止材料に用いられているエポキシ基を2個
以上有する多官能エポキシ樹脂であれば特に制限はな
い。そのようなエポキシ樹脂としては、たとえば、フェ
ノール、クレゾール、キシレノール等の1官能性フェノ
ール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールAF、ビスフェノールAD、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ノナデカン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエ
ーテル等の2官能性フェノール類、トリス(p−ヒドロ
キシフェニル)メタン、1,1,3−トリス(p−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、トリス(p−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン等の3官能性フェノール類、テトラキス
(p−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラキス(p−
ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラキス(p−ヒドロ
キシフェニル)プロパンの3官能性フェノール類の1種
あるいは2種以上のフェノール類とホルムアルデヒドと
の反応性生物とエピクロルヒドリンとの反応によって得
られる多官能エポキシ樹脂がある。これにノボラック型
以外のエポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールAFのジグリシジルエーテル、
ビスフェノールADのジグリシジルエーテル、水添化ビ
スフェノールAのジグリシジルエーテル、2,2−(4
−ヒドロキシフェニル)ノナデカンのジグリシジルエー
テル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロピル)ジ
フェニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシ
レート、4−(1,2−エポキシプロピル)−1,2−
エポキシシクロヘキサン、2−(3,4−エポキシ)シ
クロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)−
シクロヘキサン−m−ジオキサン、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル−4−エポキシ−6−
メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ブタジエン変
性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、チオール
変性エポキシ樹脂、ジエチレングリコールのジグリシジ
ルエーテル、トリエチレングリコールのジグリシジルエ
ーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテ
ル、1,4−ブタンジオ−ルのジグリシジルエーテル、
ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、ビス
フェノールAとプロピレンオキサイド付加物のジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールAとエチレンオキサイド
付加物のジグリシジルエーテル等の2官能性エポキシ樹
脂、トリス[p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェ
ニル]メタン、1,1,3−トリス[p−(2,3−エ
ポキシプロポキシ)フェニル]ブタン等の3官能性エポ
キシ樹脂等がある。また、テトラグリシジルジアミノジ
フェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノー
ル、トリグリシジル−m−アミノフェノール、ジグリシ
ジルアミン、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミ
ン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン
等のグリシジルアミン等の多官能エポキシ樹脂、(a)
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(b)ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、(c)ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、(d)トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)アルカン、(e)テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)アルカンの少なくとも二種類以上
の多価フェノールの混合物とエピクロルヒドリンとを反
応させて得られる多官能エポキシ樹脂も添加できる。
又、必要に応じて前記多官能エポキシ樹脂に低粘度化す
るためにブチルグリシジルエーテル、スチレンオキサイ
ド、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル等の1官能性エポキシ樹脂を添加しても良い。し
かし、一般に1官能性エポキシ樹脂は粘度を下げる効果
はあるものの、耐熱性も低下するので少量に抑えるべき
である。
【0023】本発明に用いられる硬化剤とは、一般的な
エポキシ樹脂の硬化剤で有れば特に制限は無い。そのよ
うな化合物としては、フェノールノボラックやクレゾー
ルノボラック、キシレノールノボラック、ビスフェノー
ルAノボラック、ビスフェノールFノボラック等のノボ
ラック樹脂、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸無水物、メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナジック酸無
水物、メチルナジック酸無水物、ドデシル無水コハク
酸、無水コハク酸、オクタデシル無水コハク酸、無水マ
レイン酸エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリ
テート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテ
ート)などの酸無水物等がある。このうち、特に、耐熱
性の観点からノボラック型樹脂が有用である。
【0024】本発明の半導体封止用樹脂組成物にモノマ
レイミド、ビスマレイミドを含む樹脂組成物を添加して
も良い。このうち、粘度と耐熱性の観点から、ビスマレ
イミドあるいは/又はモノマレイミド添加酸無水物硬化
エポキシ樹脂組成物、アリルフェノール硬化マレイミド
系樹脂組成物が好ましい。
【0025】又、本発明の熱硬化性樹脂組成物に耐クラ
ック性を向上させるため、可撓化剤を添加しても良い。
そのような可撓化剤としては、柔軟性、強靱性、密着性
を付与する可撓性付与剤であれば特に制限はない。例え
ば、そのような可撓化剤としては、アルキル基、アミノ
基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、ピリミジン
基等の官能基を末端あるいは側鎖に有するポリジメチル
シロキサン系シリコーン重合体、ブタジエン系重合体、
リノレイン酸ダイマーのジグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピ
レングリコールのジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエー
テル、ウレタン変性エポキシ樹脂、ポリブタジエン変性
エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、水酸基末端ポリエステル等のポリオー
ル、ポリブタジエン、ビスフェノールAのアルキレンオ
キサイド付加物、ポリチオール、ウレタンプレポリマ
ー、ポリカルボキシル化合物、フェノキシ樹脂、ポリカ
プロラクトン等がある。このうち、シリコーン重合体フ
ェノキシ樹脂が高耐熱高靱性低熱膨張性の観点から好ま
しい。尚、可撓化剤を添加すると、耐熱性が低下する傾
向にあるので必要最小限に留めるべきである。
【0026】本発明に用いられる硬化触媒としては、多
官能エポキシ樹脂の反応を加速させる働きが有れば、特
に制限は無い。そのような化合物としては、例えば、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルブタ
ンジアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、
ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノペンタノー
ル、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−
メチルモルフォリン等のアミン類、又、セチルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムアイオ
ダイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシル
トリメチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルジメチ
ルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメ
チルテトラデシルアンモニウムブロマイド、アリルドデ
シルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルジメ
チルステアリルアンモニウムブロマイド、ステアリルト
リメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテ
トラデシルアンモニウムアセチレート等の第4級アンモ
ニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール、2−メチル−4−エチルイミダゾー
ル、1−ブチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノ
エチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−アジン−2
−メチルイミダゾール、1−アジン−2−ウンデシルイ
ミダゾール等のイミダゾール類、、アミンやイミダゾー
ル類のマイクロカプルアミンやイミダゾール類とオクタ
ン酸亜鉛やコバルト等との金属塩、1,8−ジアザ−ビ
シクロ(5.4.0)−ウンデセン−7、N−メチル−
ピペラジン、テトラメチルブチルグアニジン、トリエチ
ルアンモニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−
4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,
8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)−ウンデセン−7
−テトラフェニルボレート等のアミンテトラフェニルボ
レート、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホ
ニウムテトラフェニルボレート、アルミニウムトリアル
キルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルア
セトアセテート、アルミニウムアルコラート、アルミニ
ウムアシレート、ソジウムアルコラート、三フッ化ホウ
素、三フッ化ホウ素とアミンまたはイミダゾールとの醋
塩、HAsF6のジフェニルヨウドニウム塩、脂肪族ス
ルフォニウム塩、モノカルボン酸アルキルエステルとヒ
ドラジン類及びモノエポキシ化合物とを反応させて得ら
れるアミンイミド、オクチル酸やナフテン酸のコバル
ト、マンガン、鉄などの金属石鹸などが挙げられる。こ
のうち、第4級アンモニウム塩、アミンやイミダゾール
類とオクタン酸亜鉛やコバルト等との金属塩、アミンテ
トラフェニルボレート、三フッ化ホウ素とアミンまたは
イミダゾールとの醋塩、HAsF6のジフェニルヨウド
ニウム塩、脂肪族スルフォニウム塩、アミンイミド、ア
ミンやイミダゾール類のマイクロカプルなどが常温で比
較的安定で、高温にすると反応が容易に起きる、即ち、
潜在性を有する潜在性硬化触媒であることから特に有用
である。このような硬化触媒は、多官能エポキシ樹脂に
対して、通常0.1〜10重量%添加するのが一般的で
ある。
【0027】更に、硬化後、充填剤と樹脂の界面からの
クラックや水分の浸透を避けるために、エポキシ樹脂と
充填剤の濡れを良くする界面活性剤が必要となる。界面
活性剤も粘度に大きな影響を及ぼす。
【0028】本発明に用いられる界面活性剤としては、
熱硬化性樹脂組成物と充填剤の濡れを良くし、低粘度
化、耐クラック性と耐湿性を向上させるものであれば特
に制限はない。例えば、そのような界面活性剤として
は、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等
のシラン系界面活性剤、イソプロピルイソステアロイル
チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルメタクリロイルイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリドデシルチタネート、イソプ
ロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプ
ロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、
イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロ
ピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、イソプロピルトリス(n−アミノエチル−アミノエ
チル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジ
ドデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシ
ル)ホスファイトチタネート、ジイソステアロイルエチ
レンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)エチレンチタネート等のチタネート系界面活性剤、
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等
のアルミニウム系界面活性剤、あるいは、ジルコニウム
系界面活性剤等がある。このうち、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイ
ルチタネート、エチルアセトアセテートアルミニウムジ
イソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセト
アセテート)が好ましい。前記界面活性剤を2種類以上
を混ぜても良い。特に、低粘度化と耐クラック性向上の
ために、イソプロピルイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリオクタノイルチタネートなどの一官能性
の界面活性剤と、耐湿性と機械強度向上のために、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の
多官能の界面活性剤を併用することが特に好ましい。ま
た、界面活性剤は予め充填剤に処理しても、あるいは、
後から樹脂組成物に加えても良い。その両方を併用して
も良い。熱硬化性樹脂組成物と充填剤の濡れを良くする
観点からは、充填剤に予め処理するか、充填剤に予め処
理したうえに後から樹脂組成物に加える方が好ましい。
しかし、コスト、及び作業性の観点からは、後から樹脂
組成物に加える、いわゆる、インテグラル法が好まし
い。界面活性剤の好ましい添加量は(充填剤の比表面積
(m2/gr)×充填剤の重量(gr))/界面活性剤
の被覆面積(m2/gr)で計算することができる。
【0029】本発明に用いられる着色剤としては、カー
ボンブラック、ベンガラ、コバルトブルー等の一般に用
いられるものを使うことができる。
【0030】本発明に用いられる難燃剤としては、ブロ
ム化エポキシ樹脂等のハロゲン化エポキシ樹脂、リン化
合物、三酸化アンチモン等の一般に用いられる難燃剤を
使うことができる。
【0031】本発明に用いられる離型剤としては、ヘキ
ストワックス、カルバナワックス等のワックス類、ステ
アリン酸等の脂肪酸やその金属塩等の一般に用いられる
ものを使うことができる。
【0032】
【作用】本発明の樹脂組成物が、溶融シリカを高充填し
たのにかかわらず、高流動性で作業性に優れているの
は、平均粒径3〜50μmの粗粒溶融シリカに、該溶融
シリカの1/10〜1/100の粒径の微粒の球状シリ
カを付着させ、高シェアのトランスファー成型作業時に
コロの役目をさせ、液体を含む固体粉末が急激な圧力を
受けたときに流動性が低下するダイラタント性の発現を
低下させ、トランスファー成型時の粘度を低くしたこと
による。
【0033】又、本発明の樹脂封止型半導体素子の信頼
性が優れているのは樹脂組成物のトランスファー成型時
の粘度を低くすることにより、フィラを高充填にし、熱
膨張係数をLSI素子並みに小さくしたことによる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0035】〔実施例1〜18〕表1〜4に、実施例1
〜18および比較例1〜8の半導体封止用樹脂組成物の
組成を示す。各樹脂組成物は、樹脂としてのo−クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂と、難燃剤としてのブロ
ム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂と、樹脂硬化
剤であるフェノールノボラックと、樹脂の反応を加速さ
せる硬化触媒としてのテトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレートと、難燃剤である三酸化アンチモ
ンと、樹脂と無機質の充填剤との間の濡れ性を良くする
界面活性剤であるエポキシシランと、離型剤であるヘキ
ストワックスと、着色剤であるカーボンブラックと、そ
れにシリカ系充填剤とからなる。
【0036】なお、表1〜4に示す充填剤等の略号は下
記のとおりである。
【0037】A0:平均粒径23.3μm球状溶融シリ
カ A1:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て1重量%付着 A2:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て3重量%付着 A3:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て5重量%付着 A4:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て7重量%付着 A5:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て9重量%付着 A6:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て11重量%付着 A7:A0の3/100の径の球状シリカをA0に対し
て13重量%付着 A8:A0の8/1000の径の球状シリカをA0に対
して7重量%付着 A9:A0の1/100の径の球状シリカをA0に対し
て7重量%付着 A10:A0の5/100の径の球状シリカをA0に対
して7重量%付着 A11:A0の8/100の径の球状シリカをA0に対
して7重量%付着 A12:A0の10/100の径の球状シリカをA0に
対して7重量%付着 A13:A0の15/100の径の球状シリカをA0に
対して7重量%付着 B1:平均粒径3μmの溶融シリカに平均粒径0.2μ
mの球状シリカ7重量%を付着 B2:平均粒径5.3μmの溶融シリカに平均粒径0.
3μmの球状シリカ7重量%を付着 B3:平均粒径10.2μmの溶融シリカに平均粒径
0.3μmの球状シリカ7重量%を付着 B4:平均粒径30.1μmの溶融シリカに平均粒径
0.6μmの球状シリカ7重量%を付着 B5:平均粒径50.5μmの溶融シリカに平均粒径
0.8μmの球状シリカを7重量%付着 B6:平均粒径30.1μmの球状シリカに平均粒径
0.6μmの球状シリカを付着 B7:平均粒径50.5μmの球状シリカに平均粒径
0.8μmの球状シリカ7重量%を付着 D1:平均粒径10μmの球状シリカ D2:平均粒径10μmの破砕溶融シリカ D3:平均粒径1μmの単分散(標準偏差1.05)球
状シリカ D4:平均粒径0.3μmの単分散標準偏差1.05)
球状シリカ D5:平均粒径7μmの球状シリカ D6:平均粒径7μmの破砕溶融シリカ
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表1〜4に示す配合の樹脂組成物(配合量
は重量部)を約80℃に加熱した二軸ロールで約10分
間混練した。得られた各組成物について180℃におけ
るゲル化時間をJISA−K5909の熱板法により、
180℃における最低溶融粘度を高化式フローテスター
により、組成物の流動性の尺度としてスパイラルフロー
をEMMI-1-66に準じ、金型温度180℃、成型圧
力70kg/cm2、成型時間1.5分で測定した。これ
らの混練した樹脂組成物をφ10×100mmの丸棒を
トランスファー成型し、180℃/6時間の2次硬化を
行った後、ASTM−C696−44に準じ、熱膨張係
数を測定し、その変曲点からガラス転移温度を求めた。
又、図2に示すような金属(SUS)製円筒8の周囲に樹
脂1をモールドした際の金属円筒8に加わる熱応力を金
属円筒8の内側に貼付たストレインゲージ6によって測
定した。金属円筒8の温度は熱電対7により測定した。
【0043】更に、シリコンウエハの表面にアルミニウ
ムのジグザグ配線を有する半導体素子に封止し、この封
止品について冷熱サイクル試験(−60℃/30分⇔1
80℃/30分)を行い、封止層の耐クラック性並びに
リード〜金属〜アルミニウム配線間の接続信頼性(抵抗
値が50%以上変化した場合を不良と判定)を評価し
た。これらの結果を纏めて表1〜4に示す。
【0044】実施例1〜18の半導体封止用樹脂組成物
を用いて、図1に示すような半導体装置を製作した。冷
熱サイクル試験(−60℃/30分⇔180℃/30
分)を行い、樹脂封止層1の耐クラック性並びにリード
4〜金ワイヤ3〜チップ2間の配線の接続信頼性(抵抗
値が50%以上変化した場合を不良と判定)を評価し
た。いずれも1000∞の熱衝撃を加えても樹脂封止層
にクラックは発生しなかった。また、リード4〜金ワイ
ヤ3〜チップ2間の配線の接続不良は発生せず、信頼性
が極めて優れていた。
【0045】実施例1〜6、比較例2は、比較例1の平
均粒径23.3μmの球状シリカに、平均粒径0.699
μmの球状シリカ(3/100の径)をそれぞれ1,3,
5,7,9,11,13重量部付着させたシリカ系充填
剤を用いたものである。比較例1の充填剤に平均粒径
0.699μmの球状シリカを付着させると、9重量部
で、高ズリ速度における最低溶融粘度が極低を示し、ス
パイラルフローが極大となって流動性が増加する。その
結果、平均粒径0.699μmの球状シリカが無添加の
比較例1および13重量部の比較例2と異なり、実施例
1〜6の1〜11重量部の添加範囲の半導体装置の耐ク
ラック性、接続信頼性が増加する。
【0046】実施例4,7〜11、比較例3は、比較例
1の平均粒径23.3μmの球状シリカに、その8/1
000〜15/100の径の球状シリカを7重量部付着
させたシリカ系充填剤を用いたものである。特に3/1
00〜8/100の系の球状シリカを付着させたシリカ
系充填剤が高ズリ速度における最低溶融粘度が極低を示
し、スパイラルフローが極大となって流動性が増加す
る。8/1000〜10/100の範囲の径の球状シリ
カを付着させたシリカ系充填剤を用いた半導体装置の耐
クラック性、接続信頼性が良好である。
【0047】実施例12〜18は、平均粒径3〜50μ
mの溶融球状シリカに該溶融シリカの1/10〜1/1
00の球状シリカを7重量%付着させたシリカ系充填剤
の添加量を80.0〜90.9重量%まで変化させたもの
である。いずれも、スパイラルフローが大きく、半導体
装置の耐クラック性、接続信頼性も良好である。
【0048】比較例4,6,7は、単分散球状シリカを
添加したものである。比較例5は平均粒径7nmの球状
シリカを付着させた例である。比較例8は微粒の球状シ
リカを添加しない充填剤の例である。
【0049】また表1〜4から、粗粒溶融シリカに、該
溶融シリカの1/10〜1/100の粒径の微粒の球状
シリカを付着させると、最低溶融粘度が低くなり、スパ
イラルフローが大きくなることがわかる。その為、同じ
スパイラルフロー、即ち、同じ成型性に保つときは、フ
ィラを高充填し、熱膨張係数を低減させて熱応力を低減
できる。その為、冷熱サイクル試験により、熱衝撃を加
えた場合の樹脂封止層の耐クラック性やリード〜金属〜
アルミニウム配線間の接続信頼性が極めて優れているこ
とが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明の粗粒溶融シリカに、該溶融シリ
カの1/10〜1/100の粒径の微粒の球状シリカを
付着させたシリカ系充填剤を用いた半導体封止用樹脂組
成物は、微粒の球状シリカがコロの役割を果たして高シ
ェアであるスパイラルフローが大きくなり、成型性が良
好である。その為、フィラを高充填でき、硬化収縮率、
熱膨張率が小さくなるため、その成型品の寸法精度が向
上するという効果がある。 又、本発明の樹脂組成物を
半導体の樹脂封止に用いた場合、その成型作業性に優れ
ていると共に、該樹脂が耐クラック性に優れているこ
と、収縮率が小さいことに基づき、配線の位置ずれを防
ぎ、素子の層間絶縁膜の破損を防止する点で、得られた
半導体装置の信頼性が向上するという顕著な効果が認め
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体封止用樹脂組成物で封止した半
導体装置を示す図である。
【図2】樹脂組成物の熱応力測定装置の断面概略図であ
る。
【符号の説明】
1 樹脂 2 チップ 3 金ワイア 4 リードフレーム 6 ストレインゲージ 7 熱電対 8 鋼(SUS)製円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 昭夫 茨城県日立市幸町一丁目20番2号 株式会 社日立製作所知的所有権本部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜50μmの溶融シリ
    カに、該溶融シリカの1/10〜1/100の平均粒径
    の球状シリカを付着させてなるシリカ系充填剤を、全重
    量の80〜91%含有することを特徴とする半導体封止
    用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜50μmの溶融シリ
    カに該溶融シリカの1/10〜1/100の平均粒径の
    球状シリカを付着させてなるシリカ系充填剤を、全重量
    の80〜88%含有することを特徴とする半導体封止用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜30μmの溶融シリ
    カ(A)に該溶融シリカの1/10〜1/100の平均
    粒径の球状シリカ(B)を重量比でB/(A+B)が1
    〜9%となるように付着させてなるシリカ系充填剤を、
    全重量の80〜91%含有することを特徴とする半導体
    封止用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜30μmの溶融破砕
    シリカ(A)に該溶融破砕シリカの1/10〜1/10
    0の平均粒径の球状シリカ(B)を重量比でB/(A+
    B)が1〜9%となるように付着させてなるシリカ系充
    填剤を、全重量の80〜91%含有することを特徴とす
    る半導体封止用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜30μmの溶融球状
    シリカ(A)に該溶融シリカの1/10〜1/100の
    平均粒径の球状シリカ(B)を重量比でB/(A+B)
    が1〜9%となるように付着させたシリカ系充填剤を、
    全重量の80〜91%含有することを特徴とする半導体
    封止用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物において、平均粒径3〜30μmの溶融球状
    シリカ(A)に該溶融シリカの1/10〜1/100の
    平均粒径の球状シリカ(B)を重量比でB/(A+B)
    が1〜9%となるように付着させたシリカ系充填剤を、
    全重量の80〜88%含有することを特徴とする半導体
    封止用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物により封止された半導体装置において、該樹
    脂組成物が、平均粒径3〜50μmの溶融シリカに該溶
    融シリカの1/10〜1/100の平均粒径の球状シリ
    カを付着させてなるシリカ系充填剤を、該樹脂組成物の
    全重量の80〜91%含有することを特徴とする半導体
    装置。
  8. 【請求項8】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物により封止された半導体装置において、該樹
    脂組成物が、平均粒径3〜50μmの溶融球状シリカに
    該溶融球状シリカの1/10〜1/100の平均粒径の
    球状シリカを付着させてなるシリカ系充填剤を、該樹脂
    組成物の全重量の80〜88%含有することを特徴とす
    る半導体装置。
  9. 【請求項9】 シリカ系充填剤を添加した半導体封止用
    樹脂組成物により封止された半導体装置において、該樹
    脂組成物が、平均粒径3〜30μmの溶融球状シリカ
    (A)に該溶融球状シリカの1/10〜1/100の平
    均粒径の球状シリカ(B)を重量比でB/(A+B)が
    1〜9%となるように付着させてなるシリカ系充填剤
    を、該樹脂組成物の全重量の80〜91%含有すること
    を特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 平均粒径3〜50μmの溶融シリカ
    に、該溶融シリカの1/10〜1/100の平均粒径の
    球状シリカを付着させてなることを特徴とするシリカ系
    充填剤。
  11. 【請求項11】 平均粒径3〜50μmの溶融シリカ
    (A)に、該溶融シリカの1/10〜1/100の平均
    粒径の球状シリカ(B)を、重量比でB/(A+B)が
    1〜9%となるように付着させてなること特徴とするシ
    リカ系充填剤。
  12. 【請求項12】 平均粒径3〜50μmの溶融球状シリ
    カ(A)に、該溶融球状シリカの1/10〜1/100
    の平均粒径の球状シリカ(B)を、重量比でB/(A+
    B)が1〜9%となるように付着させてなることを特徴
    とするシリカ系充填剤。
  13. 【請求項13】 平均粒径3〜30μmの溶融球状シリ
    カ(A)に、該溶融球状シリカの1/10〜1/100
    の平均粒径の球状シリカ(B)を、重量比でB/(A+
    B)が1〜9%となるように付着させてなることを特徴
    とするシリカ系充填剤。
  14. 【請求項14】 平均粒径3〜30μmの溶融破砕シリ
    カ(A)に該溶融破砕シリカの1/10〜1/100の
    平均粒径の球状シリカ(B)を、重量比でB/(A+
    B)が1〜9%となるように付着させてなることを特徴
    とするシリカ系充填剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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