以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態に係る風呂装置が適用される風呂システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る風呂システムは、遠隔操作機能を有している。本願明細書において、遠隔操作機能とは、携帯端末などの通信端末から通信網を経由して風呂装置100に運転指令を与えることにより、風呂装置100を遠隔操作する機能を含む。
図1を参照して、風呂装置100は、給湯器10と、リモートコントローラ20,30とを備える。給湯器10は、ガス等の燃料燃焼式またはヒートポンプ式で構成され、温水を供給する。給湯器10からの温水は、図示しない給湯配管を経由して、図示しない浴槽、シャワー、カランおよび浴室暖房乾燥機等へ供給される。
給湯器10に対する運転指令は、リモートコントローラ20,30によって入力される。リモートコントローラ20は通信線21によって給湯器10と接続されている。リモートコントローラ30は通信線31によって給湯器10と接続されている。通信線21,31には、たとえば2心通信線が用いられる。なお、給湯器10およびリモートコントローラ20,30間の通信は、公知のいかなる規格に従ったものであってもよく、また、有線であっても無線であってもよい。
リモートコントローラ20は、浴室の外部であって、例えば、台所の壁面に配設される。以下では、リモートコントローラ20を「台所リモコン20」とも称する。台所リモコン20は、給湯器10の運転を入り切りするための運転スイッチ22と、操作スイッチ23と、表示部25と、音声出力部24とを含む。
運転スイッチ22および操作スイッチ23は、代表的には、プッシュボタンまたはタッチボタンによって構成することができる。表示部25は、代表的には、液晶パネルによって構成することができ、画面に触れることによって操作が可能なタッチパネルとして構成してもよい。音声出力部24は、代表的にはスピーカによって構成することができる。台所リモコン20は「第2リモコン」の一実施例に対応する。
リモートコントローラ30は、浴室の壁面に配設される。以下では、リモートコントローラ30を「浴室リモコン30」とも称する。浴室リモコン30は、運転スイッチ32と、操作スイッチ33と、表示部35と、音声出力部34とを含む。
運転スイッチ32および操作スイッチ33は、代表的には、プッシュボタンまたはタッチボタンによって構成することができる。表示部35は、代表的には、液晶パネルによって構成することができ、画面に触れることによって操作が可能なタッチパネルとして構成してもよい。音声出力部34は、代表的にはスピーカによって構成することができる。浴室リモコン30は「第1リモコン」の一実施例に対応する。
台所リモコン20は、無線通信による通信経路51によってルータ40と通信可能に構成されている。ルータ40は、ネットワーク45(インターネット)を経由してサーバ50とアクセス可能に構成されている。したがって、台所リモコン20は、ルータ40を経由して、サーバ50との間で双方向に通信することができる。
携帯端末41Aは、無線通信による通信経路52Aによってサーバ50とアクセス可能に構成されている。携帯端末41Aは、代表的には、スマートフォンを用いることができる。携帯端末41Aとしてスマートフォンを用いる場合、基地局53を経由してネットワーク45に接続することによって、サーバ50にアクセスすることができる。これにより、携帯端末41Aは、サーバ50およびルータ40を経由して、台所リモコン20との間で双方向に通信することができる。
ルータ40は、さらに、無線通信による通信経路52Bを経由して携帯端末41Bとアクセス可能に構成されている。携帯端末41Bは、代表的には、スマートフォンを用いることができる。携帯端末41Bは、ルータ40を経由して、台所リモコン20との間で双方向に通信することができる。
なお、台所リモコン20ではなく、浴室リモコン30または給湯器10が通信経路によってルータ40と通信可能に構成してもよい。その場合、浴室リモコン30または給湯器10が、サーバ50およびルータ40を経由して、携帯端末41Aと通信することができる。また、浴室リモコン30または給湯器10が、ルータ40を経由して、携帯端末41Bと通信することができる。
本実施の形態に係る風呂装置100は、後述するように、携帯端末41Aまたは41Bから通信網を経由して風呂装置100に運転指令を与えることにより、給湯器10を遠隔操作することができるように構成される。携帯端末41Aは、表示部と操作部が一体となったタッチパネル44Aと、音声出力部43Aと含む。携帯端末41Bは、タッチパネル44Bと、音声出力部43Bと含む。携帯端末41A,41Bは「通信端末」の一実施例に対応する。携帯端末41Aは「第1通信端末」の一実施例に対応し、携帯端末41Bは「第2通信端末」の一実施例に対応する。
図2は、本実施の形態に係る風呂装置100の概略構成を示す図である。
図2を参照して、本実施の形態に係る風呂装置100は、給湯器10を備える。風呂装置用浴槽(以下、単に「浴槽」と称す)62は、浴室60に設置され、かつ人M(入浴者)が入浴するための浴槽である。本実施の形態の給湯器10は、浴槽62に湯水64を供給可能なものである。
給湯器10は、筐体1、バーナ2、ファン3、熱交換器4、給水配管5、給湯配管6、混合弁7、循環路8、温度センサ9,17、ポンプ16、水位センサ11、コントローラ12、二方注湯弁13、および電気配線14を備える。
筐体1は、筐体1内外に連通するように設けられ、燃焼ガスを排気するための排気口1aを有している。筐体1は、バーナ2、ファン3、熱交換器4、給水配管5、給湯配管6、混合弁7、温度センサ9、ポンプ16、水位センサ11、コントローラ12および、二方注湯弁13を収容可能に構成されている。また、筐体1は、循環路8の一部を収容可能に構成されている。
バーナ2は、図示しない燃料供給系から燃料ガスの供給を受けて燃焼動作するように構成される。バーナ2は、燃焼ガスを熱交換器4に供給する。バーナ2は、給湯用のバーナ2aと、追焚用のバーナ2bとを有する。
熱交換器4は、給湯用の熱交換器4aと、追焚用の熱交換器4bとを有する。熱交換器4a,4bは、それぞれ、給湯器10の高さ方向においてバーナ2a,2bよりも上方に配置されている。熱交換器4a,4bは、排気口1aの近傍に配置されている。
熱交換器4aは、バーナ2aによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4bは、バーナ2bによって供給された燃焼ガスの熱を回収する。熱交換器4a,4bの各々は、バーナ2の燃焼ガスの顕熱(燃焼熱)により入水を熱交換によって加熱する、一次熱交換器と、バーナ2からの燃焼排ガスの潜熱によって通流された水を熱交換によって加熱する、二次熱交換器とを含んでいてもよい。
熱交換器4aの一方端に給水配管5が接続されており、他方端に給湯配管6が接続されている。給水配管5は、入水口5aから熱交換器4aに水道水等を給水する。給湯配管6は、熱交換器4aから出湯口6aに熱交換器4で加熱された湯水を給湯する。これにより、給水配管5から給水された水道水等は、熱交換器4aによって所定温度(たとえば、ユーザによる設定温度)まで加熱されて給湯配管6から出湯される。給湯配管6に出湯された湯は、台所や浴室60等の給湯栓(図示せず)または戻り配管8aなどの所定の給湯箇所に給湯される。なお、給水配管5と給湯配管6とは混合弁7に接続されている。
温度センサ17は、給湯配管6に設けられ、混合弁7からの水が混合された後の出湯温度(給湯温度)を検知する。温度センサ17は、たとえばサーミスタである。
ファン3は、バーナ2に燃焼用の空気を供給する。ファン3は、バーナ2aに燃焼用の空気を供給するファン3aと、バーナ2bに燃焼用の空気を供給するファン3bとを有する。ファン3a,3bの各々は、羽根と、羽根を回転させるためのモータとを有しており、モータに電流が印加されることにより羽根が回転して燃焼用の空気を供給するように構成されている。ファン3a,3bは、それぞれ、給湯器10の高さ方向においてバーナ2a,2bの下方に配置されている。ファン3a,3bは1つのファンで構成することもできる。
循環路8は、浴槽62に接続された状態で浴槽62の湯水64を循環するためのものであり、戻り配管8aおよび往き配管8bを有する。戻り配管8aは熱交換器4bの入力側と接続されており、往き配管8bは熱交換器4bの出力側と接続されている。
戻り配管8aは、浴槽62から熱交換器4bに湯水64を供給する。往き配管8bは、熱交換器4bから浴槽62に、熱交換器4bで暖められた湯水64を供給する。これにより、浴槽62から熱交換器4bに供給された湯水64は、熱交換器4bを通流する際に燃焼ガスによって加熱されて再び浴槽62に供給される。
戻り配管8aには、温度センサ9、ポンプ16および水位センサ11が接続されている。戻り配管8aと給湯配管6とは二方注湯弁13に接続されている。二方注湯弁13は、給湯配管6から湯水を戻り配管8aに供給するように構成されている。二方注湯弁13を開くことにより、給湯配管6から戻り配管8aを経由して、所定温度に加熱された湯が浴槽62に導入される。
温度センサ9は、循環路8内の湯水64の温度を検知することによって、浴槽62内の湯水64の温度(風呂温度)を検知する。温度センサ9は、たとえばサーミスタである。
ポンプ16は、浴槽62および循環路8に湯水を循環させる。ポンプ16が作動すると、浴槽62からの湯水64は、戻り配管8a、熱交換器4bおよび往き配管8bを経由して、浴槽62へ至る経路を循環する。これにより、浴槽62と熱交換器4bとの間に湯水64を循環させる追焚循環回路が形成される。
水位センサ11は、循環路8を循環する湯水64の水圧に基づいて、浴槽62の湯水64の水位を検知する。水位センサ11は、たとえば圧力センサである。本実施の形態では、水位センサ11は、人Mが浴槽62に入ったこと(入浴したこと)を検知するための入浴センサを兼ね備えている。
コントローラ12は、台所リモコン20および浴室リモコン30からのユーザの入力設定操作に基づき、風呂装置100がユーザ指示に従って運転されるように、給湯器10の動作を制御する。たとえば、コントローラ12は、マイクロコンピュータおよびメモリを含んで構成することができる。
コントローラ12は、バーナ2a,2b、ファン3a,3b、温度センサ9,17、ポンプ16、水位センサ11、二方注湯弁13、および電気配線14と電気的に接続されている。電気配線14は、図示しない電源に接続されることにより、コントローラ12に電力を供給するように構成されている。コントローラ12は、浴室リモコン30および台所リモコン20と通信可能に接続されている。
浴室リモコン30は、浴室60の壁面に設置されている。浴室リモコン30の表示部35は、浴槽62の湯水64の設定水位および設定温度を表示することができる。操作スイッチ33は、浴槽62の湯水64の水位および温度に関する設定操作を受け付けることができる。
台所リモコン20は、浴室60の外部(例えば、台所の壁面)に設置されている。台所リモコン20の表示部25は、設定給湯温度および浴槽62の湯水64の設定温度などを表示することができる。操作スイッチ23は、給湯器10の運転に関する設定操作を受け付けることができる。
人検知センサ36は、浴室60の内部に設置されており、浴室60内の人Mの存在の有無を検知するように構成されている。人検知センサ36は、たとえば焦電型赤外線センサである。焦電型赤外線センサは、物体の動作等によって視野内に熱エネルギーの変化が生じたときに検知信号を発生する。このため、浴室60内で人Mが動くと、これに応じて検知信号が発生される。人検知センサ36は、浴室リモコン30のケースに内蔵されて、ケースに設けられた開口部から浴室60内を視野内に収めるように配置される。人検知センサ36は、焦電型赤外線センサに限定されず、たとえば、電波センサおよび超音波センサであってもよい。
また、人検知センサ36は、たとえば、浴室60の天井に設置された浴室暖房機(図示せず)のケースに設けられてもよい。あるいは、人検知センサ36は、たとえば、浴室60の照明のスイッチのように、入室時に人Mが操作するスイッチであってもよい。
図3は、本実施の形態に係る風呂装置100の制御構成を説明するための機能ブロック図である。図3を参照して、給湯器10は、コントローラ12および通信部18を有する。コントローラ12は、マイクロコンピュータ、メモリおよび図示しないCPU(Central Processing Unit)および入出力インターフェイスを内蔵する。
コントローラ12は、台所リモコン20および浴室リモコン30へ入力されたユーザ指令に従って、給湯器10の動作を制御する。代表的には、コントローラ12によって、給湯器10からの給湯温度が制御される。
コントローラ12はタイマ128を有する。タイマ128は、人Mが浴槽62に入っている時間(以下、「入浴時間」とも称する)を計測するためのものである。通信部18は、通信線21,31を用いた通信機能を有する。
台所リモコン20は、運転スイッチ22および操作スイッチ23と、表示部25と、音声出力部24と、制御部26と、通信部27,28とを有する。制御部26は、マイクロコンピュータおよびメモリを含んで構成することができる。通信部28は、通信線21を用いた通信機能を有する。通信部27は、たとえば、無線LAN(Local Area Network)モジュールにより構成され、ルータ40を経由した通信経路51によってサーバ50にアクセスすることが可能である。
浴室リモコン30は、運転スイッチ32および操作スイッチ33と、表示部35と、音声出力部34と、人検知センサ36と、制御部37と、通信部38とを有する。制御部37は、マイクロコンピュータおよびメモリを含んで構成することができる。通信部38は、通信線31を用いた通信機能を有する。したがって、給湯器10、台所リモコン20および浴室リモコン30の各々は、通信部18,28,38および通信線21,31を用いて、互いに双方向に通信することができる。
上記構成において、給湯器10のコントローラ12は、浴室リモコン30に内蔵される人検知センサ36から送信される検知信号を、通信部38、通信線31および通信部18を経由して受信する。コントローラ12は、人検知センサ36から送信される検知信号に基づいて、浴室60内に人Mが在室しているか、あるいは不在であるかを判定する。たとえば、人検知センサ36が焦電型赤外線センサである場合には、コントローラ12は、周囲の温度状況から熱エネルギーの変化があったときに浴室60に人Mが入室したものと判定する。また、コントローラ12は、所定時間継続して熱エネルギーの変化がない場合に浴室60から人Mが退室したものと判定する。
コントローラ12は、また、水位センサ11から送信される検知信号に基づいて、人Mが浴槽62に入ったか(入浴したか)、あるいは、人Mが浴槽62から出たか(退浴したか)を判定する。具体的には、コントローラ12は、水位センサ11の検知信号から算出される単位時間当たりの浴槽62の水位の上昇または低下の変化量が基準値を超えるか否かに基づいて、浴槽62への人Mの入浴および退浴を判定する。
コントローラ12は、また、温度センサ9により検知される戻り配管8aを流れる湯水64の温度に基づいて、浴槽62の湯水64の温度(風呂温度)を判定する。コントローラ12は、これらの判定結果に基づいて、二方注湯弁13、バーナ2a,2b、ファン3a,3bおよびポンプ16の動作を制御する。具体的には、浴槽62への注湯運転時には、コントローラ12は、水位センサ11の検知信号により判定される浴槽62の水位が設定水位になるように二方注湯弁13を動作させて給湯配管6から湯水64を浴槽62に供給する。また、追い焚き運転時には、コントローラ12は、温度センサ9の検知信号から判定される風呂温度が設定温度になるようにバーナ2b、ファン3bおよびポンプ16を動作させて湯水64を加熱する。コントローラ12は、湯水64の温度が設定温度に達した後、バーナ2a、ファン3aおよびポンプ16を停止させる。
コントローラ12は、タイマ128を用いて、人Mが浴槽62に入っている時間(入浴時間)を計測する。具体的には、コントローラ12は、人検知センサ36に基づいて人Mの入室が判定された後、水位センサ11に基づいて人Mの入浴が判定された場合、タイマ128の計測を開始させる。コントローラ12は、タイマ128の計測中において、水位センサ11に基づいて人Mの退浴が判定された時には、タイマ128の計測を中断する。このとき、コントローラ12は、タイマ128の計測を中断するとともに、中断時点でのタイマ128の計測値を保持する。さらに、コントローラ12は、タイマ128の計測を中断した後、人検知センサ36に基づいて人Mの退室が判定されると、タイマ128の計測を終了するとともに、中断時点でのタイマ128の計測値を保持する。一方、タイマ128の計測を中断した後、水位センサ11に基づいて人Mの入浴が判定されると、コントローラ12は、中断時点での計測値からタイマ128の計測を再開する。
コントローラ12は、タイマ128により計測された入浴時間を示す情報(以下、「入浴時間情報」とも称す)を、通信部18から通信線21および通信部28を経由して、台所リモコン20の制御部26に向けて送信する。台所リモコン20の制御部26は、コントローラ12から受信した入浴時間情報を、通信部27からルータ40を経由してサーバ50にアップロードすることができる。
台所リモコン20において、制御部26は、コントローラ12から受信した入浴時間を、予め設定された第1の基準時間と比較し、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する。なお、「第1の基準時間」は、風呂装置100の出荷時においてデフォルト値が設定されていてもよい。風呂装置100のユーザは、台所リモコン20および浴室リモコン30を用いて、第1の基準時間をデフォルト値から任意の時間に設定変更することができる。
なお、図3の例では、コントローラ12に内蔵されるタイマ128を用いて入浴時間を計測しているが、浴室リモコン30または台所リモコン20に内蔵されるタイマ(図示せず)を用いて入浴時間を計測する構成としてもよい。
また、図3の例では、台所リモコン20の制御部26が入浴時間の超過を判定する構成となっているが、給湯器10のコントローラ12または浴室リモコン30の制御部37が入浴時間の超過を判定してもよい。
携帯端末41Aは、タッチパネル44Aと、音声出力部43Aと、制御部46Aと、通信部47Aとを有する。携帯端末41Bは、タッチパネル44Bと、音声出力部43Bと、制御部46Bと、通信部47Bとを有する。制御部46A,46Bは、マイクロコンピュータおよびメモリを含んで構成することができる。通信部47A,47Bは、たとえば、無線WAN(Wide Area Network)モジュールまたは無線LAN(Local Area Network)モジュールにより構成される。
携帯端末41Aは、サーバ50へのアクセス機能を有する。したがって、携帯端末41Aは、通信経路52A、基地局53、ネットワーク45、サーバ50、ルータ40および通信経路51および通信部27を用いて、台所リモコン20と双方向に通信することができる。たとえば、携帯端末41Aは、サーバ50にアクセスすることによって、サーバ50に蓄積されている入浴時間情報を取得することができる。
携帯端末41Bは、ルータ40を経由した通信経路52B,51および通信部27を用いて、台所リモコン20と双方向に通信することができる。したがって、携帯端末41Bは、台所リモコン20から入浴時間情報を取得することができる。携帯端末41A,41Bは、取得した情報を画面に表示させることができる。携帯端末41Bは、通信経路52B、ルータ40、ネットワーク45を用いて、サーバ50と双方向に通信することができる。携帯端末41Bは、サーバ50にアクセスすることによって、サーバ50に蓄積されている入浴時間情報を取得することができる。
携帯端末41A,41Bは、さらに、操作指令を受け付けることができる。この操作指令には、後述するように、浴室60内の人Mの安否を確認するための安否確認指令が含まれる。これによると、携帯端末41A,41Bのユーザは外出先などの宅外から、浴室60内の人Mの安否を確認することができる。
携帯端末41Aへ入力されたユーザ指令は、サーバ50にアップロードされる。台所リモコン20は、サーバ50からユーザ指令をダウンロードすると、そのユーザ指令を浴室リモコン30に転送することができる。
携帯端末41Bへ入力されたユーザ指令は、ルータ40を経由して台所リモコン20に伝送される。台所リモコン20は、受信したユーザ指令を浴室リモコン30にも転送することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る風呂装置100は、給湯器10(コントローラ12)、台所リモコン20、浴室リモコン30および携帯端末41A,41Bの間で双方向に通信可能に構成されている。そこで、本実施の形態では、この通信機能を利用して、浴室60内の人Mの入浴時間が第1の基準時間を超過した場合において、人Mの安否を確認する安否確認機能を実現する。
以下、図4から図9を用いて、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能について説明する。本実施の形態において、安否確認機能とは、浴室60外に居るユーザが浴室60内の人Mの安否を確認する機能であって、台所リモコン20または携帯端末41A,41Bを用いて実現することができる。実施の形態1では、安否確認機能の第1の実施態様として、台所リモコン20を用いて浴室60内の人Mの安否を確認する構成について説明する。
図4は、台所リモコン20がユーザの安否確認要求を受け付けた場合における安否確認機能を説明するためのシーケンス図である。図4を参照して、給湯器10のコントローラ12は、浴室60への人Mの入室が判定され、かつ、人Mの入浴が判定されると、タイマ128により入浴時間を計測する(P01)。タイマ128により計測された入浴時間(入浴時間情報)は、浴室リモコン30および台所リモコン20へ送信される(P02)。
台所リモコン20(制御部26)は、受信した入浴時間を第1の基準時間と比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P03)。入浴時間が第1の基準時間を超過している場合、台所リモコン20は、安否確認機能が有効であるか無効であるかを判定する(P04)。
ユーザは、台所リモコン20、浴室リモコン30または携帯端末41A,41Bを操作することにより、安否確認機能の有効/無効を設定することができる。安否確認機能が有効に設定されている場合、台所リモコン20は、安否確認を要求するユーザ操作を受け付け可能な状態となる。一方、安否確認機能が無効に設定されている場合、台所リモコン20は、安否確認を要求するユーザ操作を受け付け不能な状態となる。
なお、浴室リモコン30で安否確認機能が無効に設定された場合には、台所リモコン20の安否確認機能が自動的に無効に設定される。したがって、浴室60内の人Mが浴室リモコン30にて安否確認機能を無効に設定する操作を行なった場合には、入浴時間が第1の基準時間を超過しても、台所リモコン20において安否確認は実行されない。
安否確認機能が有効である場合、台所リモコン20は、ユーザに対して、安否確認の要否を問い合わせる(P05)。例えば、台所リモコン20は、ユーザに安否確認の要否を選択させるための操作画面を表示部25に表示させる。図5に台所リモコン20の表示画面の一例を示す。図5の例では、操作画面には、入浴時間が第1の基準時間を超過したことを示すメッセージと、安否確認の要否を問い合わせるメッセージとが表示されている。
図5の例では、ユーザは、台所リモコン20の操作スイッチ23Aを操作することで安否確認を要求することができ、操作スイッチ23Bを操作することで安否確認を要求しないことができる。なお、表示部25にタッチパネルが用いられる場合には、操作スイッチ23A,23Bを、タッチパネル上にソフトウェア処理によって表示されるソフトウェアスイッチとすることが可能である。
このようにユーザに安否確認の要否を問い合わせることで、例えば、浴室60内に人が不在であるにもかかわらず、誤って入浴時間が計測された場合や、浴室60内の人Mが無事であることが明らかである場合など、安否確認の必要がないと判断される場合には、安否確認を行なわないようにすることができる。
なお、安否確認の要否の問合せには、図5に示す画面表示とともに、音声出力部24からの音声出力を用いることができる。例えば、音声出力部24は、警告音を発するとともに、上記メッセージを音声で読み上げることができる。また、図5の画面表示とともに、あるいは図5の画面表示に代えて、台所リモコン20に設置されたランプを点灯させるなど他の視覚に訴える手段を用いてもよい。これによると、安否確認が必要とされている状況であることを迅速にユーザに気付かせることができる。また、ユーザによる安否確認の要否の選択は、上述した操作に代えて、台所リモコン20に設けられた音声入力部を用いて音声応答により行なってもよい。
図4に戻って、台所リモコン20は、安否確認を要求するユーザ操作を受け付けると(P06)、人Mの安否を確認するための安否確認指令を生成し、生成した安否確認指令を浴室リモコン30へ送信する(P07)。
浴室リモコン30は、安否確認指令を受信すると、人Mに対して安否情報の応答を促す報知を行なう(P08)。例えば、浴室リモコン30は、安否応答を促すための操作画面を表示部35に表示させる。図6に浴室リモコン30の表示画面の一例を示す。図6の例では、操作画面には、ユーザから安否確認が要求されていることを示すメッセージと、安否確認に応答するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。
図6の例では、人Mは、浴室リモコン30の操作スイッチ33Bを操作することで、安否確認に応答することができる。なお当該安否確認の応答は、操作スイッチ33に限定されず、たとえば運転スイッチ32を用いてもよい。また、表示部35にタッチパネルが用いられる場合には、操作スイッチ33Bをソフトウェアスイッチとすることが可能である。
なお、安否応答の問合せには、図6に示す画面表示とともに、音声出力部34からの音声出力を用いることができる。例えば、音声出力部34は、警告音を発するとともに、上記メッセージを音声で読み上げることができる。また、図6の画面表示とともに、あるいは図6の画面表示に代えて、浴室リモコン30に設置されたランプを点灯させるなど他の視覚に訴える手段を用いてもよい。安否応答が必要とされている状況であることを迅速に人Mに気付かせることができる。また、人Mによる安否応答は、上述した操作に代えて、浴室リモコン30に設けられた音声入力部を用いて音声応答により行なってもよい。
このように浴室リモコン30を操作して安否確認に応答することで、人Mは自身が無事であることを浴室60外のユーザに対して知らせることができる。あるいは、安否確認に対する応答が無いことで、人Mの体調に何等かの異変が生じているために応答不能な状況であることを浴室60外のユーザに対して知らせることができる。
なお、図6の例では、安否確認要求があり、人Mの安否情報の応答を促す報知を行なう構成としたが、図6の操作画面を、現在の状況を入力するための操作や救助を求めるための操作などを受け付けるように構成してもよい。
安否確認指令を送信した後(P07)、台所リモコン20では、図7に示すように、安否確認の実行中であることを示すメッセージが表示部25に表示される。このメッセージは、台所リモコン20が人Mの安否応答を受信するまでの時間、または安否確認指令を送信してから第2の基準時間が経過するまでの時間、表示される。これによると、ユーザは、安否確認の要求が浴室60内の人Mに正常に届いており、人Mからの安否応答待ちの状況であることを知ることができる。
なお、ユーザは、安否応答待ちの状況において、安否確認を中断することができる。図7の例では、ユーザは、台所リモコン20の操作スイッチ23Aを操作することで、安否確認を中断することができる。なお、表示部25にタッチパネルが用いられる場合には、操作スイッチ23Aをソフトスイッチとすることが可能である。
これによると、浴室60内に人が不在であるにもかかわらず、誤って入浴時間が計測された場合など、安否確認の要求の誤りにユーザが気付いたときに、安否確認を中断することができる。あるいは、安否応答待ちの間に人Mの無事が確認できたときに、安否確認を中断することができる。
図4に戻って、浴室リモコン30は、人Mによる安否応答を受け付けると(P09)、安否応答を台所リモコン20に送信する(P10)。台所リモコン20は、浴室リモコン30から安否応答を受信すると、受信した安否応答に基づいた安否情報を報知する(P11)。図8に台所リモコン20の表示画面の一例を示す。図8の例では、台所リモコン20の表示部25には、安否応答が確認できたことを示すメッセージと、安否確認を終了するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。
図8の例では、ユーザは、台所リモコン20の操作スイッチ23Aを操作することで、安否確認を終了することができる。なお、表示部25にタッチパネルが用いられる場合には、操作スイッチ23Aをソフトウェアスイッチとすることが可能である。なお、安否情報の報知には、図8に示す画面表示とともに、音声出力部24からの音声出力を用いることができる。
ここで、浴室リモコン30からの安否応答を受信できない場合、すなわち人Mからの安否応答が無い場合には、台所リモコン20は、安否情報として、安否応答が無い旨を報知する。具体的には、台所リモコン20は、安否確認指令を送信した時点(P07)から第2の基準時間内に安否応答を受信できない場合、安否応答が無い旨を報知する。図9に台所リモコン20の表示画面の一例を示す。図9の例では、台所リモコン20の表示部25には、安否応答が確認できなかったことを示すメッセージと、安否確認を終了するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。
図9の例では、ユーザは、台所リモコン20の操作スイッチ23Aを操作することで、安否確認を終了することができる。なお、表示部25にタッチパネルが用いられる場合には、操作スイッチ23Aをソフトウェアスイッチとすることが可能である。
なお、台所リモコン20における安否確認機能の有効/無効は、浴室リモコン30においても設定することができる。図10は、安否確認機能の設定を説明するためのシーケンス図である。
図10を参照して、給湯器10のコントローラ12は、浴室60への人Mの入室が判定され、かつ、人Mの入浴が判定されると、タイマ128により入浴時間を計測する(P01)。タイマ128により計測された入浴時間(入浴時間情報)は、浴室リモコン30および台所リモコン20へ送信される(P02)。
台所リモコン20(制御部26)は、受信した入浴時間を第1の基準時間と比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P03)。
このとき、浴室60内の浴室リモコン30において安否確認機能が無効に設定されたものとする(P21)。例えば、人Mが安否確認を必要としないために、浴室リモコン30に対して安否確認機能を無効にする操作を行なった場合が想定される。
浴室リモコン30にて安否確認機能が無効に設定されたという情報は、台所リモコン20にも伝送される(P22)。台所リモコン20は、この情報を受信すると、安否確認機能を自動的に無効に設定するとともに(P23)、安否確認機能が無効に設定された旨を報知する(P24)。これによると、入浴時間が第1の基準時間を超過した場合であっても、台所リモコン20では、安否確認の要求の問合せが行なわれない。したがって、台所リモコン20の表示部25には、ユーザに安否確認の要否を選択させるための操作画面(図5参照)が表示されず、ユーザの安否確認の要求を受け付け不能な状態となる。
次に、実施の形態1に係る安否確認機能を実現するための風呂装置100の動作について説明する。
図11は、台所リモコン20にて実行される安否確認機能に関連する動作を説明するためのフローチャートである。図11のフローチャートは、台所リモコン20の制御部26において所定のタイミングで実行される。
図11を参照して、制御部26は、ステップ(以下、ステップをSと略す)01にて、給湯器10のコントローラ12から、タイマ128により計測された入浴時間情報を受信する。制御部26は、S02にて、入浴時間と第1の基準時間とを比較し、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する。入浴時間が第1の基準時間以下である場合(S02のNO判定時)、制御部26は処理を終了する。
入浴時間が第1の基準時間を超過している場合(S02のYES判定時)には、制御部26は、S03にて、安否確認機能が有効に設定されているか否かを判定する。安否確認機能が無効に設定されていれば(S03のNO判定時)、制御部26は処理を終了する。
一方、安否確認機能が有効に設定されている場合(S03のYES判定時)には、制御部26は、S04に進み、ユーザに対して、入浴時間の超過を報知するとともに、安否確認の要求を問い合わせる。例えば、制御部26は、台所リモコン20の表示部25に、安否確認の要否を選択させるための操作画面(図5参照)を表示させる。
制御部26は、S05にて、ユーザが安否確認を要求したか否かを判定する。例えば、制御部26は、図5の操作画面に対するユーザ操作に基づいて、安否確認の要求の有無を判定する。ユーザが安否確認を要求しなければ(S05のNO判定時)、制御部26は処理を終了する。
一方、ユーザが安否確認を要求していれば(S05のYES判定時)、制御部26は、S06にて、浴室リモコン30に対して安否確認指令を送信する。安否確認指令の送信後、制御部26は、浴室リモコン30からの安否応答待ちの状態となる。制御部26は、S07にて、安否確認を中断するための操作がなされたか否かを判定する。安否確認を中断する操作がなされた場合(S07のYES判定時)は、制御部26は処理を終了する。
一方、安否確認を中断する操作がなされていなければ(S07のNO判定時)、制御部26は、S08に進み、浴室リモコン30から安否応答を受信したか否かを判定する。安否応答が受信されていれば(S08のYES判定時)、制御部26は、S10にて、安否応答に基づく安否情報をユーザに対して報知する。例えば、制御部26は、台所リモコン20の表示部25に、安否応答が確認できたことを報知する画面(図8参照)を表示させる。
これに対して、浴室リモコン30からの安否応答が受信されない場合(S08のNO判定時)、制御部26は、S09にて、S06にて安否確認指令を送信してからの経過時間(以下、安否確認時間とも称する)が第2の基準時間を超過したか否かを判定する。安否確認時間が第2の基準時間以下である場合(S09のNO判定時)、制御部26は処理をS07に戻す。
一方、安否確認時間が第2の基準時間を超過している場合(S09のYES判定時)には、制御部26は、S10にて、安否情報として、安否応答が無いことを報知する。例えば、制御部26は、台所リモコン20の表示部25に、安否応答が確認できなかったことを報知する画面(図9参照)を表示させる。
制御部26は、安否情報を報知すると(S10)、S11にて、安否確認を終了するためのユーザ操作を受け付けたか否かを判定する。安否確認を終了するための操作を受け付けていない場合(S11のNO判定時)、制御部26は処理をS10に戻す。一方、安否確認を終了するための操作を受け付けると(S11のYES判定時)、制御部26は、S12にて、安否確認を終了する。
図12は、浴室リモコン30にて実行される安否確認機能に関連する動作を説明するためのフローチャートである。図12のフローチャートは、浴室リモコン30の制御部37において実行される。
図12を参照して、制御部37は、S21にて、台所リモコン20からの安否確認指令を受信したか否かを判定する。安否確認指令を受信していなければ(S21のNO判定時)、制御部37は処理を終了する。
一方、安否確認指令を受信した場合(S21のYES判定時)には、制御部37は、S22に進み、浴室60内の人Mに対して安否情報の応答を促す報知を行なう。例えば、制御部37は、浴室リモコン30の表示部35に、安否情報に応答させるための操作画面(図6参照)を表示させる。
制御部37は、S23にて、人Mによる安否応答を受け付けたか否かを判定する。安否応答を受け付けると(S23のYES判定時)、制御部37は、S24に進み、安否応答を台所リモコン20へ送信する。
一方、安否応答が受信されない場合(S23のNO判定時)、制御部37は、S25にて、安否応答の受付時間が第2の基準時間を経過したか否かを判定する。安否応答の受付時間が第2の基準時間以下である場合(S25のNO判定時)、制御部37は処理をS22に戻す。一方、安否応答の受付時間が第2の基準時間を超過した場合(S25のYES判定時)には、制御部37は処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能の第1の実施態様によれば、浴室60内の人Mの入浴時間が第1の基準時間を超過した場合には、浴室60外のユーザは、台所リモコン20を用いて人Mの安否を確認することができる。第1の実施態様によれば、入浴時間の超過を報知するように構成された従来技術と比較して、人Mによる浴室リモコン30の操作に基づいて人Mの安否を確認することができるため、ユーザは、浴室60に出向かなくても、人Mの安否を簡便かつ適切に確認することができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能の第2の実施態様として、携帯端末41Aまたは41Bを用いて浴室60内の人Mの安否を確認する構成について説明する。以下の説明では、宅外のユーザが携帯端末41Aを用いて人Mの安否を確認する場合を想定するが、宅内のユーザが携帯端末41Bを用いて人Mの安否を確認する場合も同様の処理が可能である。
第2の実施態様では、携帯端末41Aを用いて安否を確認するときには、浴室リモコン30に加えて、台所リモコン20からも安否応答を行なうことが可能に構成される。これによると、後述するように、宅内で浴室60外に居る別のユーザも、台所リモコン20を用いて人Mの安否応答を行なうことが可能となる。したがって、宅外のユーザにとっても迅速な安否確認が可能となる。
図13は、携帯端末41Aがユーザの安否確認要求を受け付けた場合における安否確認機能を説明するためのシーケンス図である。なお、図13のシーケンス図において、図4のシーケンス図と共通する処理には同一の符号が付されている。
図13を参照して、給湯器10のコントローラ12は、浴室60への人Mの入室が判定され、かつ、人Mの入浴が判定されると、タイマ128により入浴時間を計測する(P01)。タイマ128により計測された入浴時間(入浴時間情報)は、浴室リモコン30、台所リモコン20に送信されるとともに、サーバ50を経由して携帯端末41Aへ送信される(P02)。
携帯端末41A(制御部46A)は、受信した入浴時間を第1の基準時間と比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P43)。携帯端末41Aのユーザは、第1の基準時間をデフォルト値から任意の時間に設定変更することができる。入浴時間が第1の基準時間を超過している場合、携帯端末41Aは、安否確認機能が有効であるか無効であるかを判定する(P44)。
安否確認機能が有効である場合、携帯端末41Aは、ユーザに対して、安否確認の要否を問い合わせる(P45)。例えば、携帯端末41Aは、ユーザに安否確認の要否を選択させるための操作画面をタッチパネル44Aに表示させる。図14(a)に携帯端末41Aの表示画面の一例を示す。図14(a)の例では、操作画面には、入浴時間が第1の基準時間を超過したことを示すメッセージと、安否確認の要否を問い合わせるメッセージとが表示されている。
図14(a)の例では、ユーザは、「はい」と表示された操作ボタン(ソフトウェアスイッチ)をタッチ操作することで安否確認を要求することができ、「いいえ」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで安否確認を要求しないことができる。なお、安否確認の要否の問合せには、図14(a)に示す画面表示とともに、音声出力部43Aからの音声出力を用いることができる。また、ユーザによる安否確認の要否の選択は、上述した操作に代えて、携帯端末41Aに設けられた音声入力部を用いて音声応答により行なってもよい。
なお、携帯端末41Aにおける入浴時間超過の判定(P43)および安否確認要求の問合せ(P45)は、台所リモコン20における入浴時間超過の判定(P03)および安否確認要求の問合せ(P05)と並行して行なわれる。これにより、宅内および宅外の複数のユーザに対して、入浴時間が超過しており、人Mの安否確認が必要とされている状況であることを広く知らせることができる。
図13に戻って、携帯端末41Aは、安否確認を要求するユーザ操作を受け付けると(P46)、安否確認指令を生成し、生成した安否確認指令をサーバ50を経由して台所リモコン20および浴室リモコン30へ送信する(P47)。
浴室リモコン30は、安否確認指令を受信すると、人Mに対して安否情報の応答を促す報知を行なう(P08)。これに並行して、台所リモコン20は、安否確認指令を受信すると、宅内のユーザに対して安否情報の応答を促す報知を行なう(P08A)。例えば、台所リモコン20および浴室リモコン30は、安否応答を促すための操作画面(図6参照)を、それぞれ対応する表示部25,35に表示させる。なお、安否情報の応答の問合せには、図6に示す画面表示とともに、対応する音声出力部24,34からの音声出力を用いることができる。
台所リモコン20または浴室リモコン30において安否確認に応答することで、浴室20内の人Mが無事であることを携帯端末41Aのユーザに対して知らせることができる。あるいは、安否確認に対する応答が無いことで、人Mの体調に何等かの異変が生じているために応答不能な状況であることを携帯端末41Aのユーザに対して知らせることができる。
安否確認指令を送信した後(P47)、携帯端末41Aでは、図14(b)に示すように、安否確認の実行中であることを示すメッセージがタッチパネル44Aに表示される。このメッセージは、携帯端末41Aが安否応答を受信するまでの時間、または安否確認指令を送信してから第2の基準時間が経過するまでの時間、表示される。これによると、ユーザは、安否確認の要求が浴室60内の人Mに正常に届いており、人Mからの安否応答待ちの状況であることを知ることができる。
なお、携帯端末41Aのユーザは、安否応答待ちの状況において、安否確認を中断させることができる。図14(b)の例では、ユーザは、「中断する」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで、安否確認を中断させることができる。これによると、安否確認の要求の誤りにユーザが気付いたときに、安否確認を中断することができる。あるいは、安否応答待ちの間に人Mの無事が確認できたときに、安否確認を中断することができる。
図13に戻って、浴室リモコン30は、人Mによる安否応答を受け付けると(P09)、安否応答を台所リモコン20および携帯端末41Aに送信する(P50)。台所リモコン20は、浴室リモコン30から安否応答を受信すると、受信した安否応答に基づいた安否情報を報知する(P11)。携帯端末41Aも同様に、安否応答を受信すると、受信した安否応答に基づいた安否情報を報知する(P51)。図14(c)に携帯端末41Aの表示画面の一例を示す。図14(c)の例では、携帯端末41Aのタッチパネル44Aには、安否応答が確認できたことを示すメッセージと、安否確認を終了するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。ユーザは、「終了する」と表示された操作ボタン(ソフトウェアスイッチ)をタッチ操作することで、安否確認を終了することができる。安否情報の報知には、図14(c)に示す画面表示とともに、音声出力部43Aからの音声出力を用いることができる。
これに対して、浴室リモコン30および台所リモコン20のいずれからも安否応答を受信できない場合、すなわち人Mからの安否応答が無い場合には、携帯端末41Aは、安否情報として、安否応答が無い旨を報知する。具体的には、携帯端末41Aは、安否確認指令を送信した時点(P47)から第2の基準時間内に安否応答を受信できない場合、安否応答が無い旨を報知する。図14(d)に携帯端末41Aの表示画面の一例を示す。図14(d)の例では、携帯端末41Aのタッチパネル44Aには、安否応答が確認できなかったことを示すメッセージと、安否確認を終了するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。ユーザは、「終了する」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで、安否確認を終了することができる。
なお、台所リモコン20および携帯端末41A,41Bにおける安否確認機能の有効/無効は、浴室リモコン30、台所リモコン20および携帯端末41A,41Bの各々で設定することができる。図15は、携帯端末41Aによる安否確認機能の設定を説明するためのシーケンス図である。
図15を参照して、給湯器10のコントローラ12は、浴室60への人Mの入室が判定され、かつ、人Mの入浴が判定されると、タイマ128により入浴時間を計測する(P01)。タイマ128により計測された入浴時間(入浴時間情報)は、浴室リモコン30および台所リモコン20へ送信される(P02)。
台所リモコン20(制御部26)は、受信した入浴時間を第1の基準時間と比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P03)。携帯端末41A(制御部46A)も同様に、入浴時間と第1の基準時間とを比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P43)。
このとき、携帯端末41Aにおいて、安否確認機能が無効に設定されたものとする(P21A)。例えば、安否確認の対象となる人が宅内に不在であって安否確認を必要としないために、宅外のユーザが携帯端末41Aに対して安否確認機能を無効にする操作を行なった場合が想定される。なお、安否確認機能の無効は、入浴前などに予め設定するなど、任意のタイミングで設定することができる。
携帯端末41Aにて安否確認機能が無効に設定されたという情報は、台所リモコン20および浴室リモコン30に伝送される(P22A)。台所リモコン20は、この情報を受信すると、安否確認機能を自動的に無効に設定するとともに(P23)、安否確認機能が無効に設定された旨を報知する(P24)。浴室リモコン30は、安否確認機能が無効に設定された旨を報知する(P24A)。これによると、入浴時間が第1の基準時間を超過した場合であっても、携帯端末41Aおよび台所リモコン20では、安否確認の要求の問合せが行なわれないため、ユーザの安否確認の要求を受け付け不能な状態となる。
なお、実施の形態2に係る安否確認機能において、携帯端末41Aにて実行される安否確認機能に関連する動作は、図11に示したフローチャートを援用して説明することができる。また、携帯端末41Aにて安否確認が実行された場合の台所リモコン20にて実行される安否確認機能に関連する動作は、図12に示したフローチャートを援用して説明することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能の第2の実施態様によれば、浴室60内の人Mの入浴時間が第1の基準時間を超過した場合には、浴室60外のユーザは、携帯端末41A,41Bを用いて人Mの安否を確認することができる。第2の実施の態様によれば、入浴時間の超過を報知するように構成された従来技術と比較して、人Mによる浴室リモコン30の操作に基づいて人Mの安否を確認することができるため、ユーザは、浴室60に出向かなくても、人Mの安否を簡便かつ適切に確認することができる。
第2の実施態様では、さらに、別のユーザによる台所リモコン20の操作に基づいても人Mの安否を確認することができるため、携帯端末41A,41Bのユーザは人Mの安否を迅速に確認することができる。
ここで、第2の実施態様によれば、本実施の形態に係る風呂装置100を、例えば、一人暮らしをする高齢者の安否確認を、高齢者と別居する近親者が日常的に行なうためにも活用することができる。具体的には、近親者が自身の携帯端末41Aに対して安否確認を要求するための操作を行なうと、高齢者が居住する宅内に設置されている台所リモコン20および浴室リモコン30から高齢者に対して安否応答を促す報知が行なわれる。高齢者は、台所リモコン20または浴室リモコン30を用いて安否情報を応答することで、自身が無事であることを近親者に知らせることができる。あるいは、安否情報の応答が無い場合には、近親者は、高齢者に異変が生じている可能性があると判断して、高齢者の異変に対処することができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能の第3の実施態様として、携帯端末41Aを用いて浴室60内の人Mの安否を確認する構成について説明する。第3の実施態様は、上述した第2の実施態様と比較して、宅内のユーザが携帯端末41Bを用いて人Mの安否応答を行なうことができる点が異なる。これによると、宅内で浴室60外に居る別のユーザは、台所リモコン20および携帯端末41Bのいずれかを用いて、人Mの安否応答を行なうことが可能となる。したがって、宅内のユーザにとって利便性が高められるとともに、迅速な安否確認が可能となる。
図16は、携帯端末41Aがユーザの安否確認要求を受け付けた場合における安否確認機能を説明するためのシーケンス図である。なお、図16のシーケンス図において、図4および図13のシーケンス図と共通する処理には同一の符号が付されている。
図16を参照して、給湯器10のコントローラ12は、浴室60への人Mの入室が判定され、かつ、人Mの入浴が判定されると、タイマ128により入浴時間を計測する(P01)。タイマ128により計測された入浴時間(入浴時間情報)は、浴室リモコン30、台所リモコン20に送信される。入浴時間情報は、さらに、ルータ40を経由して携帯端末41Bへ送信されるとともに、サーバ50を経由して携帯端末41Aへ送信される(P02)。
携帯端末41A(制御部46A)および携帯端末41B(制御部46B)の各々は、受信した入浴時間を第1の基準時間と比較して、入浴時間が第1の基準時間を超過しているか否かを判定する(P43,P43A)。入浴時間が第1の基準時間を超過している場合、携帯端末41A,41Bは、安否確認機能が有効であるか無効であるかを判定する(P44,P44A)。
安否確認機能が有効である場合、携帯端末41A,41Bは、ユーザに対して、安否確認の要否を問い合わせる(P45,P45A)。例えば、携帯端末41A,41Bは、ユーザに安否確認の要否を選択させるための操作画面(図14(a)参照)を対応するタッチパネル44A,44Bにそれぞれ表示させる。
なお、携帯端末41A,41Bにおける入浴時間超過の判定(P43,P43A)および安否確認要求の問合せ(P45,P45A)は、台所リモコン20における入浴時間超過の判定(P03)および安否確認要求の問合せ(P05)と並行して行なわれる。これにより、宅内および宅外の複数のユーザに対して、入浴時間が超過しており、人Mの安否確認が必要とされている状況であることを広く知らせることができる。
図16に戻って、携帯端末41Aは、安否確認を要求するユーザ操作を受け付けると(P46)、安否確認指令を生成し、生成した安否確認指令をサーバ50を経由して台所リモコン20および浴室リモコン30へ送信する(P47)。安否確認指令はさらに、ルータ40を経由して携帯端末41Bへ送信される。
浴室リモコン30は、安否確認指令を受信すると、人Mに対して安否情報の応答を促す報知を行なう(P08)。これに並行して、台所リモコン20および携帯端末41Bは、安否確認指令を受信すると、宅内のユーザに対して安否情報の応答を促す報知を行なう(P08A,P08B)。例えば、携帯端末41Bは、安否応答を促すための操作画面をタッチパネル44Bに表示させる。図17に携帯端末41Bの表示画面の一例を示す。図17の例では、操作画面には、ユーザから安否確認が要求されていることを示すメッセージと、安否確認に応答するか否かを問い合わせるメッセージとが表示されている。図17の例では、ユーザは、「応答する」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで安否確認に応答することができる。なお、安否情報の応答の問合せには、図17に示す画面表示とともに、音声出力部43Bからの音声出力を用いることができる。また、ユーザによる安否応答は、上述した操作に代えて、携帯端末41Bに設けられた音声入力部を用いて音声応答により行なってもよい。
台所リモコン20、浴室リモコン30および携帯端末41Bのいずれかにおいて安否確認に応答することで、浴室20内の人Mが無事であることを携帯端末41Aのユーザに対して知らせることができる。あるいは、安否確認に対する応答が無いことで、人Mの体調に何等かの異変が生じているために応答不能な状況であることを携帯端末41Aのユーザに対して知らせることができる。
安否確認指令を送信した後(P47)、携帯端末41Aのタッチパネル44Aには、安否確認の実行中であることを示すメッセージが表示される(図14(b)参照)。ユーザは、安否応答待ちの状況において、「中断する」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで、安否確認を中断させることができる。
図16に戻って、携帯端末41Bは、ユーザによる安否応答を受け付けると(P49)、安否応答を台所リモコン20および携帯端末41Aに送信する(P50)。台所リモコン20は、携帯端末41Bから安否応答を受信すると、受信した安否応答に基づいた安否情報を報知する(P11)。携帯端末41Aも同様に、安否応答を受信すると、図14(c)に示すように、受信した安否応答に基づいた安否情報を報知する(P51)。安否情報の報知には、図14(c)に示す画面表示とともに、音声出力部43Aからの音声出力を用いることができる。
これに対して、浴室リモコン30、台所リモコン20および携帯端末41Bのいずれからも安否応答を受信できない場合、すなわち人Mからの安否応答が無い場合には、携帯端末41Aは、安否情報として、安否応答が無い旨を報知する(図14(d)参照)。ユーザは、「終了する」と表示された操作ボタンをタッチ操作することで、安否確認を終了することができる。
なお、台所リモコン20および携帯端末41A,41Bにおける安否確認機能の有効/無効は、浴室リモコン30、台所リモコン20および携帯端末41A,41Bの各々で設定することができる。
なお、実施の形態3に係る安否確認機能において、携帯端末41Aにて実行される安否確認機能に関連する動作は、図11に示したフローチャートを援用して説明することができる。また、携帯端末41Aにて安否確認が実行された場合の携帯端末41Bおよび台所リモコン20にて実行される安否確認機能に関連する動作は、図12に示したフローチャートを援用して説明することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る風呂装置100が実現する安否確認機能の第3の実施態様によれば、浴室60内の人Mの入浴時間が第1の基準時間を超過した場合には、浴室60外のユーザは、携帯端末41A,41Bを用いて人Mの安否を確認することができる。第3の実施態様によれば、入浴時間の超過を報知するように構成された従来技術と比較して、浴室リモコン30の操作に基づいて人Mの安否を確認することができるため、ユーザは、浴室60に出向かなくても、人Mの安否を簡便かつ適切に確認することができる。
第3の実施態様では、さらに、台所リモコン20または宅内の携帯端末41Bの操作に基づいて人Mの安否を確認することができるため、宅外のユーザは人Mの安否を迅速に確認することができる。また、宅内のユーザは、台所付近に居ない場合であっても携帯端末41Bを用いて安否情報を応答することができるため、宅内のユーザの利便性が高められるとともに、迅速な安否確認を行なうことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。