JP2020045720A - 構造材の接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造材どうしの接合部分における、耐火性能を向上させることができる構造材の接合構造を提供すること。【解決手段】本発明の構造材の接合構造1は、第1構造材10の側面に、第2構造材20が垂直に接合された構造材の接合構造であって、第1構造材10は、その横断面の第1方向Xにおける芯部11の両側に、第1方向Xに直交する第2方向Yをラミナ4の積層方向とする第1ラミナ積層体12からなる第1耐火被覆層13b,13dを有し、該横断面の第2方向Yにおける芯部11の片側に、第2耐火被覆層13cを有しており、第2構造材20が接合されている側面d1を形成する特定第1ラミナ積層体12dは、前記直交方向Yと平行な一方向において、第2構造材20の端縁20aの位置より延出する延出部14を有し、該延出部14を構成するラミナ4は、何れも、木表5側が該延出部14の延出方向の外方を向いたラミナである。【選択図】図1

Description

本発明は、構造材の接合構造に関する。
木材は、火災時に外部から加熱されると表面が燃えて炭化層が形成される。この炭化層が木材の表面に均一に形成されると木材内部への熱の侵入が抑制され、木材内部の構造的な劣化が抑制される。この特性を利用し、柱や梁等に使用する木材を太くし、燃焼後の木材の内部に長期荷重を支持し得る健全な断面が確保されるように、木材の表面に、燃えて炭化層を形成すべき所定の厚みの燃えしろを設ける技術が知られている。このような燃えしろを設けた構造材等を主要構造部に用いて、木造建築物を準耐火建築物とすることも行われている。
木材や木材と他の材料との複合材の表面に燃えしろを設けた耐火材の部材どうしを接合する技術は種々提案されており、例えば、特許文献1には、燃えしろ層の内側に位置する燃え止まり層を構成する燃え止まり部材が露出する凹部を柱に設け、該凹部に梁を当接させて、柱と梁を接合する構造材の接合構造が提案されている。また、特許文献2及び特許文献3には、柱芯材と梁芯材とをつないで、柱に梁を接合する連結板を、燃え止まり層によって取り囲む接合構造が提案されている。
特開2008−014036号公報 特開2012−219560号公報 特開2012−219559号公報
特許文献1の接合構造は柱に凹部を形成するための工程が別途必要であり、特許文献2及び特許文献3の接合構造は鋼板によって形成された連結板を必須の構成とするものであり、製造工程が複雑となり製造コストが高くなる。
本発明の目的は、簡易な構成により、構造材どうしの接合部分における耐火性能を向上させることができる構造材の接合構造を提供することにある。
本発明は、第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、角材であり、芯部の周囲の三方又は四方が、複数のラミナが積層された構成を有するラミナ積層体に囲まれた構成を有しており、第1構造材は、その横断面の第1方向における前記芯部の両側に、第1方向に直交する第2方向を前記ラミナの積層方向とする第1ラミナ積層体からなる第1耐火被覆層を有し、該横断面の第2方向における前記芯部の片側又は両側に、第1方向又は第2方向をラミナの積層方向とする第2ラミナ積層体からなる第2耐火被覆層を有しており、第2構造材は、第1耐火被覆層に沿う側面に接合されており、該側面に沿う第1耐火被覆層を形成する特定第1ラミナ積層体は、前記直交方向と平行な一方向において、該一方向における第2構造材の端縁の位置より延出する延出部を有し、該延出部を構成するラミナは、何れも、木表及び木裏を有し、該木表側が該延出部の延出方向の外方を向いたラミナである、構造材の接合構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の構造材の接合構造は、構造材どうしの接合部分における、耐火性能を向上させることができる。
図1(a)は、本発明の第1実施形態の構造材の接合構造を示す斜視図であり、図1(b)は、当該接合構造を第1構造材の軸方向から見た平面図である。 図2(a)は、本発明の第1実施形態の構造材の接合構造に係る第1構造材の横断面図であり、図2(b)は、当該第1構造材の構成の説明図である。 図3(a)〜(d)は、ラミナの軸方向(長手方向)に直交する横断面を示す図である。 図4は、本発明の第2実施形態の構造材の接合構造を示す斜視図である。 図5(a)は、本発明の第2実施形態の構造材の接合構造に係る第1構造材の横断面図であり、図5(b)は、当該第1構造材の構成の説明図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の構造材の接合構造1は、第1構造材10の側面に、第2構造材20が垂直に接合された構造材の接合構造1である。
第1構造材10は、木造建築物の梁として使用される構造用の角材であり、図1及び図2に示すように、軸方向Z1(長手方向)に沿って延びる4側面a1〜d1を備えている。より具体的には、第1構造材10は、軸方向Z1に直交する横断面形状が四角形状(より詳細には長方形状)を有し、前記4側面a1〜d1として、使用時に、鉛直方向Yの上側に配される上面a1、下側に配される下面c1、上下面間に配される2側面b1,d1を備えている。第1構造材10は、第1方向Xと第1方向Xに直交する第2方向Yとを有している。第1実施形態では、横断面における水平方向に沿う方向が第1方向Xであり、鉛直方向に沿う方向が第2方向Yである。
第1構造材10について更に詳述すると、第1構造材10は、芯部11を有しており、第1構造材10の軸方向Z1に沿って延びる4側面のうちの少なくとも3側面に沿って、複数のラミナ4が積層された構成を有するラミナ積層体12が形成されている。より具体的には、軸方向Z1に沿って延びる4側面a1〜d1のうちの3側面b1〜d1に沿ってラミナ積層体12が形成されている。第1実施形態では、第1構造材10の芯部11は、横断面の中心からラミナ積層体12が形成されていない側面a1に亘って存在する。
第1構造材10の芯部11は、荷重支持部として機能するものであり、単独で、固定荷重、積載荷重等の長期に生ずる荷重(長期荷重)に対して構造耐力上安全であるようにその断面設計がなされている。斯かる断面設計は公知である。荷重支持部である芯部11の横断面形状は四角形状であり、第1構造材10の横断面における、芯部11の第1方向Xの長さ及び第2方向Yの長さは、梁の形状、或いは大きさ等によって適宜に変更することができる。第1実施形態では、芯部11は、図2に示すように、第2方向Yに複数本のラミナ4を積層接着したラミナ積層体16を第1方向Xに並べて配して横断面形状を四角形状としている。
第1実施形態では、ラミナ積層体12は、後述する第1耐火被覆層13b,13d及び後述する第2耐火被覆層13cを構成する。第1耐火被覆層13b,13d及び第2耐火被覆層13cは、燃えしろ層として機能するものであり、その厚みLb〜Ldは、公知の燃えしろ設計に基づいて設定することができる。燃えしろ設計は、長期構造耐力や地震時等の短期構造耐力に対して必要な断面に、所定の燃えしろ分を足す設計手法であり、防耐火性能上の非損傷性(火災加熱を受けても建物を支える荷重に耐えたまま、崩壊しない性能)を荷重支持部である芯部11により確保した上で、その周囲に、要求される耐火性能に応じた厚みの燃えしろ層を設ける設計である。例えば、1時間の準耐火性能に対しては45mmの木材被覆を設ける燃えしろ設計が行われている。
第1構造材10は、その横断面の第1方向Xにおける芯部11の両側に、第1耐火被覆層13b,13dを有している。第1耐火被覆層13b,13dは、第1方向Xに直交する第2方向Yをラミナ4の積層方向とする第1ラミナ積層体12b,12dから構成されている。また、第1構造材10は、第2方向における芯部11の片側に、第2耐火被覆層13cを有している。第2耐火被覆層13cは、第1方向Xをラミナ4の積層方向とする第2ラミナ積層体12cから構成されている。
第1耐火被覆層13b,13dを構成する第1ラミナ積層体12b,12dは、ラミナ4の積層方向である第2方向Yにおける全体が、木表どうしの積層面を有しないように複数本のラミナ4が積層接着されたラミナの積層構造を有している。
そのため、第1構造材10の第1耐火被覆層13b,13dからなる一対の側面b1,d1が、火災時の火炎に晒された場合に、該側面b1,d1に形成される炭化層に、ラミナ4の木表どうしの積層面に沿って大きな割れが生じることや、そのような割れに起因して炭化層の一部が欠落することも抑制され、第1構造材10の側面b1,d1付近に、熱伝導の抑制効果又は酸素遮断効果に優れた密な炭化層が形成される。それにより、第1構造材10は、燃えしろ層が、難燃薬剤を配合しなくても燃えどまり機能を有し、優れた耐火性能を有するものとなっている。
第1実施形態では、第1ラミナ積層体12b,12dは、第2方向Yにおいて芯部11と同位置に存在する部分と該部分から延出する部分とを有し、第2方向における第1構造材10の両端間に亘っている。第2ラミナ積層体12cは、第1ラミナ積層体12b,12dどうしの間の全域に亘っている。
第1実施形態では、第1耐火被覆層13dに沿う側面d1に第2構造材20が接合されている。第2構造材20は、第1構造材10と同様に、木造建築物の梁として使用される構造用の角材であり、図1に示すように、軸方向Z2(長手方向)に沿って延びる4側面a2〜d2を備えている。より具体的には、軸方向Z2に直交する横断面形状が四角形状(より詳細には長方形状)を有し、前記4側面a2〜d2として、使用時に、鉛直方向Yの上側に配される上面a2、下側に配される下面c2、上下面間に配される2側面b2,d2を備えている。
第2構造材20について更に詳述すると、第2構造材20は、芯部21を有しており、第2構造材20の軸方向Z2に沿って延びる4側面のうちの少なくとも3側面に沿って、複数のラミナ4が積層された構成を有するラミナ積層体22が形成されている。より具体的には、軸方向Z2に沿って延びる4側面a2〜d2のうちの3側面b2〜d2に沿ってラミナ積層体22が形成されている。第1実施形態では、第2構造材20の芯部21は、横断面の中心からラミナ積層体22が形成されていない側面a2に亘って存在している。第2構造材20のラミナ積層体22は、ラミナの積層方向における全体が、木表どうしの積層面を有しないように複数本のラミナが積層接着されたラミナの積層構造を有している。
尚、第1実施形態では、第2構造材20の芯部21は、第1構造材10の芯部11と同様に、荷重支持部として機能するものである。また第2構造材20の芯部21は、第2方向Yに複数本のラミナを積層接着したラミナ積層体を第1方向Xに並べて配して横断面形状を四角形状とすることができる。
第2構造材20のラミナ積層体22は、第1構造材10の第1及び第2耐火被覆層13b〜13dを構成するラミナ積層体12と同様に、燃えしろ層として機能するものである。
第1実施形態の第1構造材10及び第2構造材20において、ラミナ積層体12,22を構成するラミナ4は全て、木表5及び木裏6を有するラミナである。図3は、ラミナの軸方向(長手方向)に直交する横断面を示す図であり、図3(a)及び図3(b)に示すラミナ4は、木表5及び木裏6を有するラミナである。ラミナの木表5は、幅が広い相対向する2面のうちの原木の樹芯7から遠い方の面であり、ラミナの木裏6は、当該2面のうち原木の樹芯7に近い方の面である。図3(c)及び図3(d)に示すラミナ4は、幅が広い相対向する2面に木表5及び木裏6の区別のないラミナであり、ラミナ積層体12,22に含まれていても良いラミナの例である。構造材製造上の品質管理の観点から、燃えしろ層として機能するラミナ積層体12,22は、積層されたラミナの3分の2以上が、木表5と木裏6の区別のあるラミナであることが好ましく、4分の3以上が、木表5と木裏6の区別のあるラミナであることがより好ましく、第1構造材10及び第2構造材20のように、ラミナ積層体12,22を構成する全てのラミナが、木表5と木裏6の区別のあるラミナであることが更に好ましい。なお、第1構造材10及び第2構造材20は、ラミナ積層体12,22及び芯部11,21を構成する全てのラミナが、木表5と木裏6の区別のあるラミナであるラミナとなっている。また、図3中、符号7は、原木の樹芯7の位置を示し、符号41は年輪を示している。
なお、本発明者らは、燃えしろ層を、ラミナの積層体から構成しつつも高い耐火性能を有する耐火木製構造材を開発するべく、ラミナの有する年輪の状態を変化させた集成材の耐火性能について研究した結果、ラミナ積層体を、横断面の周方向に沿う方向が積層方向となるように配して燃えしろ層を設けた集成材を火炎に晒すと、その燃えしろ層の燃焼により形成される炭化層に、ラミナの年輪(より詳細には年輪の早材部)に沿って割れが生じ、該割れに沿った燃焼が、耐火木製構造材の内部に進行しやすいことを知見した。斯かる知見に基づき、構造材どうしの接合部分において、ラミナ積層体を構成するラミナの向きを所定の向きとすることで、該接合部分の耐火性能を向上させることができることを見出した。
第1実施形態では、第2構造材20は、図1に示すように、第1構造材10が有する一対の第1耐火被覆層13b,13dのうち、一方の第1耐火被覆層13dに沿う側面d1に接合されている。本明細書では、第2構造材20が接合している第1耐火被覆層13dを形成する第1ラミナ積層体12dを「特定第1ラミナ積層体12d」と称する。第1構造材10における特定第1ラミナ積層体12dは、第2方向Yと平行な一方向Y1において、該一方向Y1における第2構造材20の端縁20aの位置より延出する延出部14を有している。延出部14を構成するラミナ4eは、何れも、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いている。
第2構造材20が接合している第1耐火被覆層13dを形成する特定第1ラミナ積層体12dの延出部14が、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いているラミナ4eから構成されていることにより、火災が発生し、特定第1ラミナ積層体12dの延出部14が火炎に晒されてラミナ4の年輪に沿うように燃焼が進行したとしても、燃焼が進行する主たる進行方向は第2構造材20から離れる方向となり易いため、第2構造材20における第1構造材10側の木口面に回り込むように燃焼が進行することを防ぐことが可能になる。これにより、第1実施形態の接合構造によれば、構造の複雑化を抑制しながら、構造材どうしの接合部分における耐火性能を向上させることができる。
尚、第1実施形態では、第2方向Yと平行な一方向Yは、鉛直方向の下方である。
第1実施形態では、特定第1ラミナ積層体12dは、木裏6どうしの積層面8を1箇所のみ有している。これに代えて、特定第1ラミナ積層体12dを構成する全てのラミナ4の木表5が、ラミナの積層方向Yにおいて同一方向を向いていることも好ましい。木裏6どうしの積層面8を一か所のみ有する実施形態は、木裏6どうしの積層面8を一カ所も設けない実施形態に比べて、第1構造材10全体としての反りを抑制する観点から好ましい。
また、同様の観点から、木裏6どうしの積層面8は、図1に示す第1実施形態のように、特定第1ラミナ積層体12dのラミナの積層方向Yにおける、芯部11と同じ位置に位置する部分に存することが好ましい。例えば、木裏6どうしの積層面8は、第1構造材10を、特定第1ラミナ積層体12dを形成するラミナ積層体13のラミナの積層方向Yと同方向に3等分して3領域に区分したときに、中央の領域に存在することが好ましい。
第1実施形態では、特定第1ラミナ積層体12dの木裏6どうしの積層面8は、特定第1ラミナ積層体12dのラミナの積層方向Yにおける、芯部11と同じ位置に位置する部分に存しており、特定第1ラミナ積層体12dは、第2構造材20の芯部21よりも第2方向Yと平行な一方向Y1の外側に位置するラミナ4の全てが、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いたラミナ4となっている。つまり、特定第1ラミナ積層体12dは、第2構造材20の芯部21のY1方向の端縁21aの位置よりも、Y1方向の外側に位置するラミナ4の全てが、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いたラミナ4となっている。
このような構成により、火災が発生し、特定第1ラミナ積層体12dが火炎に晒されてラミナ4の年輪に沿うように燃焼が進行したとしても、燃焼が進行する主たる進行方向は第2構造材20の芯部21から離れる方向となり易いため、第2構造材20の芯部21における第1構造材10側の木口面に回り込むように燃焼が進行することを防ぐことが可能になる。これにより、第1実施形態の構造材の接合構造によれば、構造材どうしの接合部分における耐火性能を一層効果的に向上させることができる。
第1実施形態の第1構造材10及び第2構造材20のラミナ積層体12,22を構成するラミナ4は、同一樹種の木材から構成されたものである。ただし、ラミナ4は、単一樹種に由来のもののみを用いても良いし、複数の樹種から得られたものを併用することもできる。ラミナ4の原料とする木材の樹種としては、任意のものを用いることができ、例えば、針葉樹であれば、カラマツ、ベイマツ、グイマツ、ツガ等、広葉樹であれば、ケヤキ、くり、ミズナラ、タモ等を用いることができる。また、個々のラミナ4は、第1構造材10及び第2構造材20の長手方向(軸方向Z1,Z2に同じ)と同方向に長い形状を有している。個々のラミナ4は、第1構造材10及び第2構造材20の長手方向の全長に亘って連続する一枚の挽き板等であっても良いが、ラミナの全部又は一部は、複数の挽き板等をフィンガージョイント等の接合方法で長手方向に継いだものであっても良い。
また第1構造材10及び第2構造材20のラミナ積層体12,22を構成するラミナ4の厚みは、好ましくは50mm以下、より好ましくは35mm以下、更に好ましくは20mm以下である。ラミナ4の厚みの下限は、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上である。またラミナ4の幅は、厚み以上であり、好ましくは厚みの2倍以上50倍以下、より好ましくは厚みの3倍以上10倍以下である。
第1実施形態の第1構造材10、第2構造材20及び芯部11におけるラミナ積層体12,22,16は、それぞれに含まれるラミナどうし間が、接着剤により接合された状態で積層されており、且つ隣り合うラミナ積層体どうし間も、接着剤により接合されている。
ラミナどうし間又はラミナ積層体どうし間を接合する接着剤としては、集成材の製造に従来用いられている各種公知の接着剤を用いることができ、例えば、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、メラミンユリア樹脂接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。これらのなかでも、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤が好ましい。
第1構造材10及び第2構造材20は、例えば、ラミナ間に接着剤を配して積層加圧して、各ラミナ積層体を製造した後、それらのラミナ積層体間に接着剤を配してラミナ積層体を積層加圧することにより製造することができるが、それに制限されるものではなく、それぞれ、任意の手順により製造することができる。
第2構造材20を、第1構造材10の第1耐火被覆層13dに沿う側面d1に接合するには、例えば、第1耐火被覆層13dを構成する特定第1ラミナ積層体12dに切り欠き部を形成し、該切り欠き部に、第2構造材20の一部を挿入し、第2構造材20を第1構造材10の側面d1に接合すればよい。また、特定第1ラミナ積層体12dに、第2構造材の一部を挿入するための切り欠き部を形成せずに、釘や金具等を用いて第2構造材20を第1構造材10の側面d1に接合することもできる。
図4に、本発明の第2実施形態の構造材の接合構造1Aを示す。第2実施形態の構造材の接合構造1Aについて、特に説明しない点は、第1実施形態の構造材の接合構造1と同様であり、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第2実施形態では、第1構造材10Aは、木造建築物の柱として使用される構造用の角材となっている。第1構造材10Aは軸方向Z1が鉛直方向に沿う方向となっている。第1構造材10Aは、第1実施形態と同様に、図4に示すように、軸方向Z1(長手方向)に沿って延びる4側面a1〜d1を備えている。第1構造材10は、軸方向Z2に直交する横断面における、第1方向Xと第1方向Xに直交する第2方向Yとを有している。
第1構造材10Aについて詳述すると、第1構造材10Aは、図4及び図5に示すように、芯部11Aを有しており、軸方向Z2に沿って延びる4側面a1〜d1に沿ってラミナ積層体12が形成されている。第2実施形態では、ラミナ積層体12は、第1構造材10Aの横断面の第1方向Xにおける芯部11Aの両側に位置する第1耐火被覆層13b,13d及び、第2方向Yの両側に位置する第2耐火被覆層13a,13cを構成している。第2耐火被覆層13aは、第1耐火被覆層13b,13d及び第2耐火被覆層13cと同様に、燃えしろ層として機能するものであり、その厚みLaは、第1耐火被覆層13b,13d及び第2耐火被覆層13cと同様に、公知の燃えしろ設計に基づいて設定することができる。
第2実施形態の第1構造材10Aにおいても、第1実施形態と同様に、第1耐火被覆層13b,13dは、第1方向Xに直交する第2方向Yをラミナ4の積層方向とする第1ラミナ積層体12b,12dから構成されている。第1構造材10Aの第2耐火被覆層13a,13cは、第1方向Xをラミナ4の積層方向とする第2ラミナ積層体12a,12cから構成されている。第1構造材10Aの第1耐火被覆層13dに沿う側面d1に第2構造材20が接合されている。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2構造材20が接合している第1耐火被覆層13dを形成する第1ラミナ積層体12dである特定第1ラミナ積層体12dは、第2方向Yと平行な一方向Y1において、該一方向Y1における第2構造材20の端縁20aの位置より延出する延出部14を有しており、延出部14を構成するラミナ4は、何れも、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いている。また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2構造材20の芯部21よりも第2方向Yと平行な一方向Y1の外側に位置するラミナ4の全てが、木表5側が延出部14の延出方向Y1の外方を向いたラミナ4となっている。これらの構成を有することにより、第1構造材10Aが柱材である第2実施形態の構造材の接合構造1Aにおいても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明における第1及び第2構造材は、燃えしろ層を有する3側面又は4側面のいずれにおいても、少なくとも1時間の耐火性能を有していることが好ましい。例えば、芯部11,11A,21の周囲の三方又は四方を囲む燃えしろ層を形成するラミナ積層体12,22の厚みは、耐火性能の向上、特に燃えどまり機能の向上の観点から、50mm以上が好ましく、60mm以上がより好ましく、70mm以上が更に好ましい。また、同様の観点から、芯部11,11A,21の周囲の三方又は四方を囲む燃えしろ層を形成するラミナ積層体12,22は、それぞれ、ISO834標準加熱曲線で1時間加熱後、5時間放冷したときに、第1又は第2構造材の3側面又は4側面を形成する表面からの深さが70mmの位置、好ましくは60mmの位置、さらに好ましくは50mmの位置に燃焼が到達しない燃えどまり性能を有していることが好ましい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、斯かる実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、第1及び第2実施形態では、第2構造材20は第1構造材10,10Aの第1方向Xの片側の側面d1にのみ接合されているが、第2構造材20は第1構造材10,10Aの第1方向Xの両側の側面b1,d1に接合されていてもよい。第2構造材20を第1構造材10,10Aの第1方向Xの両側の側面b1,d1に接合する場合は、第2構造材20が接合している両側の側面b1,d1を構成している第1ラミナ積層体12b,12dを、上述の特定第1ラミナ積層体と同様の構成とすればよい。
また、第1及び第2実施形態では、第2ラミナ積層体12a,12cは第1方向Xをラミナ4の積層方向としているが、第2方向Yをラミナ4の積層方向としてもよい。
また、第1及び第2実施形態では、芯部11,11Aを、その周囲に位置する第1ラミナ積層体12b,12dと同様に、第1方向Yをラミナ4の積層方向とするラミナ積層体から構成しているが、芯部11,11Aを、無垢材、木表どうしの積層面を有しないラミナ積層体、木表どうしの積層面を有するラミナ積層体、第1耐火被覆層13b,13dの第1ラミナ積層体12b,12dのラミナの積層方向と直交する方向をラミナの積層方向としたラミナ積層体等から構成することもできる。
また、本発明における第1構造材及び第2構造材は、横断面形状が長方形状の柱材であっても良く、横断面形状が正方形状の梁材であっても良い。
1,1A 構造材の接合構造
10,10A 第1構造材
11 第1構造材の芯部
12b,12d 第1ラミナ積層体
12a,12c 第2ラミナ積層体
13b,13d 第1耐火被覆層
13a,13c 第2耐火被覆層
14 延出部
20 第2構造材
20a 第2構造材の端縁
21 第2構造材の芯部
22 第2構造材のラミナ積層体
4 ラミナ
5 木表
6 木裏

Claims (7)

  1. 第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、
    第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、角材であり、芯部の周囲の三方又は四方が、複数のラミナが積層された構成を有するラミナ積層体に囲まれた構成を有しており、
    第1構造材は、その横断面の第1方向における前記芯部の両側に、第1方向に直交する第2方向を前記ラミナの積層方向とする第1ラミナ積層体からなる第1耐火被覆層を有し、該横断面の第2方向における前記芯部の片側又は両側に、第1方向又は第2方向をラミナの積層方向とする第2ラミナ積層体からなる第2耐火被覆層を有しており、
    第2構造材は、第1耐火被覆層に沿う側面に接合されており、該側面に沿う第1耐火被覆層を形成する特定第1ラミナ積層体は、前記直交方向と平行な一方向において、該一方向における第2構造材の端縁の位置より延出する延出部を有し、該延出部を構成するラミナは、何れも、木表及び木裏を有し、該木表側が該延出部の延出方向の外方を向いたラミナである、構造材の接合構造。
  2. 前記特定第1ラミナ積層体は、第2構造材の前記芯部よりも前記一方向の外側に位置するラミナの全てが、木表及び木裏を有し、該木表側が該延出部の延出方向の外方を向いたラミナである、請求項1に記載の構造材の接合構造。
  3. 前記特定第1ラミナ積層体は、木表及び木裏を有する複数のラミナが、該木表どうしの積層面を有しないように積層接着された構造を有する、請求項1又は2に記載の構造材の接合構造。
  4. 前記特定第1ラミナ積層体に、第2構造材の一部が挿入される切り欠き部が形成されていない、請求項1〜3の何れか1項に記載の構造材の接合構造。
  5. 特定第1ラミナ積層体に切り欠き部が形成され、第2構造材は、該切り欠き部に一部が挿入された状態に接合されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の構造材の接合構造。
  6. 第1構造材及び第2構造材が木造建築物の梁であり、
    第1構造材の横断面の第1方向が水平方向に沿う方向、第1構造材の第2方向が鉛直方向に沿う方向、前記延出部の延出方向である前記一方向が該鉛直方向の下方に向かう方向である、請求項1〜5の何れか1項に記載の構造材の接合構造。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の構造材の接合構造を有する建物。
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