JP6913575B2 - 耐火木製構造材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火木製構造材に関する。
木材は、火災時に外部から加熱されると表面が燃えて炭化層が形成される、この炭化層が木材の表面に均一に形成されると木材内部への熱の侵入が抑制され、木材内部の構造的な劣化が抑制される。この特性を利用し、柱や梁等に使用する木材を太くし、燃焼後の木材の内部に長期荷重を支持し得る健全な断面が確保されるように、木材の表面に、燃えて炭化層を形成すべき所定の厚みの燃えしろを設ける技術が知られている。このような燃えしろを設けた構造材等を主要構造部に用いて、木造建築物を準耐火建築物とすることも行われている。
木材や木材と他の材料との複合材の表面に燃えしろを設けて、耐火材の部材を得る技術は種々提案されており、例えば、特許文献1には、長期荷重を支持するに足る木材等からなる荷重支持層の外側に、不燃材にしてかつ断熱層を有する断熱材を有した燃えしろ層を設け、さらにその外側に、所定の燃えしろ厚さを有する木材からなる燃えしろ層を設けた構造材が提案されている。また、特許文献2には、荷重支持層の外側に、難燃薬剤を注入した木材からなる難燃薬剤注入層を設け、その外側に難燃薬剤を含まない表層を備えた耐火集成材が提案されている。
特開2005−36457号公報 特開2008−31743号公報
特許文献1の構造材のように、木材と不燃材等の異種材料を組み合わせた構造材や、特許文献2の耐火集成材のように、難燃薬剤を用いたものは、製造工程が複雑となり製造コストが高くなる。
本発明の目的は、燃えどまり性能を発現し、耐火性能に優れ、製造も容易な耐火木製構造材を提供することにある。
本発明は、角材であり、荷重支持部を有し、長手方向に沿って延びる4つの側面のうちの少なくとも3側面に沿って燃えしろ層が形成されている、耐火木製構造材であって、
前記耐火木製構造材の横断面の一方向における前記荷重支持部を挟む両側それぞれに、該一方向と直交する方向をラミナの積層方向とする第1ラミナ積層部を有し、該一方向と直交する方向における一端又は両端に、該一方向をラミナの積層方向とする第2ラミナ積層部を有しており、第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部は、それぞれを構成するラミナが、木表どうしの接着面を有しないように積層されており、第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部により、前記荷重支持部の3方又は4方を囲む燃えしろ層が形成されている、耐火木製構造材を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の耐火木製構造材は、燃えどまり性能を発現し、耐火性能に優れ、製造も容易である。
図1(a)は、本発明の第1実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1(b)は、当該耐火木製構造材の構成の説明図である。 図2(a)は、本発明の第2実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1相当図であり、図2(b)は、当該耐火構造材の構成の説明図である。 図3(a)〜図3(d)は、ラミナの軸方向(長手方向)に直交する横断面を示す図である。 図4は、本発明の第3実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1相当図である。 図5は、本発明の第4実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1相当図である。 図6は、本発明の第5実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1相当図である。 図7は、本発明の第6実施形態の耐火木製構造材を示す横断面図であり、図1相当図である。 図8は、実施例1及び比較例1の燃焼試験の結果を示すグラフである。 図9は、実施例1及び比較例1の燃焼試験の結果を示す写真である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態の耐火木製構造材1は、木造建築物の柱として使用される構造用の角材であり、図1(a)に示すように、軸方向(長手方向)に沿って延びる4側面a〜dを備えている。より具体的には、軸方向に直交する横断面形状が四角形状(より詳細には正方形状)を有し、使用時には、軸方向を鉛直方向として使用される。
本発明の第2実施形態の耐火木製構造材1Aは、木造建築物の梁として使用される構造用の角材であり、図2(a)に示すように、軸方向(長手方向)に沿って延びる4側面a1〜d1を備えている。より具体的には、軸方向に直交する横断面形状が四角形状(より詳細には長方形状)を有し、前記4側面a1〜d1として、使用時に、鉛直方向の上側に配される上面a1、下側に配される下面c1、上下面間に配される2側面b1,d1を備えている。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aは、図1(a)及び図2(a)に示すように、長期荷重を支持する荷重支持部11と該荷重支持部11の周囲に配された燃えしろ層12と有している。
第1及び第2実施形態における荷重支持部11は、単独で、固定荷重、積載荷重等の長期に生ずる荷重(長期荷重)に対して構造耐力上安全であるようにその断面設計がなされており、斯かる断面設計は公知である。荷重支持部11の横断面形状は四角形状であり、該横断面形状における一方向Yの長さ及び該一方向Yに直交する方向Xの長さは、柱や梁の形状、或いは大きさ等によって適宜に変更することができる。図1及び図2に示す荷重支持部11は、一方向Yと直交する方向Xに複数本のラミナ2を積層接着した積層体を一方向Yに並べて配して横断面形状を四角形状としている。
第1実施形態の耐火木製構造材1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、軸方向(長手方向)に沿う4側面a〜dのうちの4側面a〜dに沿う燃えしろ層12a〜12dを有し、耐火木製構造材1の横断面における、断面四角形状の荷重支持部11の4方を燃えしろ層12で囲んでいる。そして、その燃えしろ層12は、複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ積層部13,14から構成されている。また、耐火木製構造材1の横断面の一方向Yにおいて荷重支持部11を挟んでその両側に位置する一対の第1燃えしろ層12b,12dが、それぞれ、該一方向Yと直交する方向Xをラミナの積層方向とする一対の第1ラミナ積層部13,13から形成されている。該各第1ラミナ積層部13は、ラミナ2の積層方向Xの両端間に亘っており、両端間における全体が、木表どうしの積層面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナの積層構造を有している。
そのため、耐火木製構造材1の一対の第1ラミナ積層部13,13からなる一対の側面b,dが、火災時の火炎に晒された場合に、該側面b,dに形成される炭化層に、ラミナ2の木表どうしの積層面に沿って大きな割れが生じることや、そのような割れに起因して炭化層の一部が欠落することも抑制され、耐火木製構造材1の側面b,d付近に、熱伝導の抑制効果又は酸素遮断効果に優れた密な炭化層が形成される。それにより、耐火木製構造材1は、燃えしろ層が、難燃薬剤を配合しなくても燃えどまり機能を有し、優れた耐火性能を有するものとなっている。
なお、本発明者らは、燃えしろ層を、ラミナ積層部から構成しつつも高い耐火性能を有する耐火木製構造材を開発するべく、ラミナの積層状態を変化させた集成材からなる構造材の耐火性能をついて研究した結果、ラミナ積層部からなる燃えしろ層を設けた集成材を火炎に晒すと、その燃えしろ層の燃焼により生じる炭化層に、ラミナの木表どうしの積層面に沿って大きな割れが生じ、該割れに沿って燃焼が、耐火木製構造材の内部に進行しやすいこと、及びその割れの部分の燃焼が、燃えどまりを妨げる要因となっていることを知見し、斯かる知見に基づき更に研究を重ねて、本発明を完成させた。炭化層の割れは、急激な乾燥によって生じた割れが燃焼によりさらに拡大されたものである。
第1実施形態の耐火木製構造材1は、前述したように、使用時に水平方向に沿う断面となる横断面の中央部に荷重支持部11を有し、その横断面における、断面四角形状の荷重支持部11の4方を燃えしろ層12が囲んでいる。なお、本発明でいう「4方を囲む」とは、一方向Yと直交する方向において荷重支持部11と同位置に存在する部分(後述の第1部分)と、一方向Yにおいて、荷重支持部11と同位置に存在する部分(後述の第2部分)とに、燃えしろ層12が存在していれば良いが、図1に示すように、燃えしろ層12b,12d又は燃えしろ層12a,12cが、荷重支持部11と同位置に存在する部分から延出する部分13eを有し、木表どうしの接着面を有しないように積層されたラミナ積層部からなる燃えしろ層が、耐火木製構造材1の4側面に亘って連続して形成されていることが好ましい。
耐火木製構造材1について更に説明すると、燃えしろ層12は、図1(a)及び図1(b)に示すように、前述した一対の第1燃えしろ層12b,12dと、一対の該第1燃えしろ層12b,12dのラミナの積層方向Xと同方向において荷重支持部11を挟んでいる一対の第2燃えしろ層12a,12cを有している。第1燃えしろ層12b,12dは前述した一対の第1ラミナ積層部13,13により形成され、一対の第2燃えしろ層12a,12cは一対の第2ラミナ積層部14,14により形成されている。該各第2ラミナ積層部14は、第1ラミナ積層部13,13どうしの間の全域に亘って、該一方向Yをラミナ2の積層方向として配置されている。各第2ラミナ積層部14は、ラミナ2の積層方向における全体が、木表3どうしの接着面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ2の積層構造を有している。そして、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14,14が、その横断面における荷重支持部11の4方を囲み且つ4側面に亘って連続する燃えしろ層12を構成している。
耐火木製構造材1の燃えしろ層12は、耐火木製構造材1の4側面a〜dのいずれにおいても、少なくとも1時間の耐火性を有している。より具体的には、耐火木製構造材1は、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14,14からなる耐火木製構造材1の4側面a〜dを形成する燃えしろ層12a〜12dが、ISO834標準加熱曲線で1時間加熱後、5時間放冷したときに、前記側面からの深さ90mmの位置に燃焼が到達しない燃えどまり性能を有している。
荷重支持部11の周囲に設定する燃えしろ層の厚みLa〜Ldは、耐火性能の向上、特に燃えどまり機能が得られるようにする観点から、50mm以上が好ましく、70mm以上がより好ましく、90mm以上が更に好ましい。
第2実施形態の耐火木製構造材1Aは、図2(a)及び図2(b)に示すように、軸方向(長手方向)に沿う4側面a1〜d1のうちの3側面b1〜d1に沿う燃えしろ層12b〜12dを有し、耐火木製構造材1Aの横断面における、断面四角形状の荷重支持部11の3方を燃えしろ層12が囲んでいる。そして、その燃えしろ層12は、複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ積層部13,14から構成されている。また、耐火木製構造材1の横断面の一方向Yにおいて荷重支持部11を挟んでその両側に位置する一対の第1燃えしろ層12b,12dが、それぞれ、該一方向Yと直交する方向Xをラミナの積層方向とする一対の第1ラミナ積層部13,13から形成されている。該各第1ラミナ積層部13は、ラミナ2の積層方向Xの両端間に亘っており、両端間における全体が、木表どうしの積層面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナの積層構造を有している。
そのため、耐火木製構造材1の一対の第1ラミナ積層部13,13からなる一対の側面b1,d1が、火災時の火炎に晒された場合に、該側面b1,d1に形成される炭化層に、ラミナ2の木表どうしの積層面に沿って大きな割れが生じることや、そのような割れに起因して炭化層の一部が欠落することも抑制され、耐火木製構造材1Aの側面b1,d1付近に、熱伝導の抑制効果又は酸素遮断効果に優れた密な炭化層が形成される。それにより、耐火木製構造材1Aは、難燃薬剤を配合しなくても燃えどまり機能を有し、優れた耐火性能を有するものとなっている。
第2実施形態の耐火木製構造材1Aは、前述したように、使用時に水平方向に沿う断面となる横断面の中央部に荷重支持部11を有し、その横断面における、断面四角形状の荷重支持部11の3方を燃えしろ層12が囲んでいる。なお、本発明でいう「3方を囲む」とは、一方向Yと直交する方向において荷重支持部11と同位置に存在する部分(後述の第1部分)と、一方向Yにおいて、荷重支持部11と同位置に存在する部分(後述の第2部分)とに、燃えしろ層12が存在していれば良いが、図2に示すように、燃えしろ層12b,12d又は燃えしろ層12cが、荷重支持部11と同位置に存在する部分から延出する部分13eを有し、木表どうしの接着面を有しないように積層されたラミナ積層部からなる燃えしろ層が、耐火木製構造材1の3側面に亘って連続して形成されていることが好ましい。
耐火木製構造材1Aについて更に説明すると、燃えしろ層12は、図2(a)及び図2(b)に示すように、前述した一対の第1燃えしろ層12b,12dと、一対の該第1燃えしろ層12b,12dのラミナの積層方向Xと同方向において荷重支持部11の下側を被覆する第2燃えしろ層12cを有している。第1燃えしろ層12b,12dは前述した一対の第1ラミナ積層部13,13により形成され、第2燃えしろ層12cは第2ラミナ積層部14により形成されている。該第2ラミナ積層部14は、第1ラミナ積層部13,13どうしの間の全域に亘って、該一方向Yをラミナ2の積層方向として配置されている。第2ラミナ積層部14は、ラミナ2の積層方向における全体が、木表3どうしの接着面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ2の積層構造を有している。そして、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14が、その横断面における荷重支持部11の3方を囲み且つ3側面に亘って連続する燃えしろ層12を有している。
耐火木製構造材1Aの燃えしろ層12は、耐火木製構造材1Aの3側面b1〜d1のいずれにおいても、少なくとも1時間の耐火性を有している。より具体的には、耐火木製構造材1は、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14からなる耐火木製構造材1の3側面b1〜d1を形成する燃えしろ層12b〜12dが、ISO834標準加熱曲線で1時間加熱後、5時間放冷したときに、前記側面からの深さ90mmの位置に燃焼が到達しない燃えどまり性能を有している。
荷重支持部11の周囲に設定する燃えしろ層の厚みLb〜Ldは、耐火性能の向上、特に燃えどまり機能が得られるようにする観点から、50mm以上が好ましく、70mm以上がより好ましく、90mm以上が更に好ましい。また、下部燃えしろ層12cの厚みLcは、側部燃えしろ層12b,12dの厚みLb,Ldよりも厚いことが、熱の伝わりやすい角の部分を材積を抑えながら被覆できる点から好ましい。
第2実施形態の耐火木製構造材1Aは、梁用の構造材であり、使用時に上面aには、耐火性能を有する床が載ることにより、荷重支持部11が被覆されるため、荷重支持部11の上側を被覆する燃えしろ層は設けていない。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aにおいて、一対の第1燃えしろ層12b,12dを形成する一対の第1ラミナ積層部13,13は、構成するラミナ2の全てが木表3、準木表3s及び木裏4を有するラミナである。
図3は、ラミナの軸方向(長手方向)に直交する横断面を示す図であり、図3(a)に示すラミナ2は、木表3、木裏4及び一対の準木表3s,3sを有するラミナである。図3(a)に示すラミナ2の木裏4は、該ラミナ2の矩形状断面の一方の長辺を形成する面であって、原木の樹芯5に最も近い方の面である。該ラミナ2の木表3は、該ラミナ2の矩形断面の相対向する他方の長辺を形成する面であって、原木の樹芯5から遠い方の面である。該ラミナ2の一対の準木表3s,3sは、樹芯5が長辺の範囲内P1に位置する場合の両短辺を形成し、該ラミナ2の矩形断面の相対向する一対の短辺を形成する面である。図3(b)に示すラミナ2は、木表3、木裏4及び準木表3sを有するラミナである。図3(b)に示すラミナ2の木裏4及び木表3は、図3(a)に示すラミナ2の木裏4及び木表3と同様である。図3(b)に示すラミナ2の準木表3sは、樹芯5が長辺の範囲外P2に位置する場合の短辺を形成し、樹芯5から遠い方の短辺を形成する面である。
図3(c)及び図3(d)に示すラミナ2は、矩形断面の相対向する一対の長辺を形成する2面に木表3及び木裏4の区別のないラミナであり、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13に含まれていても良いラミナである。耐火木製構造材1,1A製造上の品質管理の観点から、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13は、積層されたラミナの3分の2以上が、木表3及び木裏4の区別のあるラミナ2であることが好ましく、4分の3以上が、木表3及び木裏4の区別のあるラミナ2であることが好ましく、耐火木製構造材1,1Aのように、第1ラミナ積層部13を構成する全てのラミナ2が、木表3と木裏4の区別のあるラミナ2であることが更に好ましい。なお、耐火木製構造材1,1Aは、燃えしろ層12及び荷重支持部11を構成する全てのラミナ2が、木表3、準木表3s及び木裏4の区別のあるラミナとなっている。また、図3中、符号5は、原木の樹芯5の位置を示し、符号21は年輪を示している。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aのように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13が、そのラミナ2の積層方向Xにおいて、荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)と、該部分13sから延出する部分13e(第2部分)とを有する場合〔図1(a)及び図2(a)参照〕、少なくとも、荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)に位置するラミナが、木表3どうしの積層面を有しないように積層されている必要がある。木表3どうしの積層面が、荷重支持部11と同位置に存在する部分13sにあると、燃えしろ層12が燃焼したときに、木表3どうしの積層面に沿って隙間が生じ、燃えしろ層12が燃えどまり機能を発現しにくくなる。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aのように、第1ラミナ積層部13が、ラミナ2の積層方向Xに、荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)と該部分13sから延出する部分13e(第2部分)とを有する場合、耐火性能や第1燃えしろ層12の燃えどまり機能を向上させる観点から、該第1ラミナ積層部13は、荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)に位置する全てのラミナ2と、該部分13sから延出する部分13e(第2部分)に位置する全てのラミナ2とが、木表どうしの積層面を有しないように積層接着されていることが好ましい。第1ラミナ積層部13は、ラミナ2の積層方向Xの両端間に亘って、木表3どうしの積層面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ2の積層構造を有していることが好ましい。
同様の観点から、第2ラミナ積層部14は、荷重支持部11と同位置に存在する部分14に位置する全てのラミナ2が、木表3どうしの積層面を有しないように積層されていることが好ましい。すなわち、第2ラミナ積層部14は、第1ラミナ積層部13どうしの間の全域に亘って、木表3どうしの積層面を有しないように複数本のラミナ2が積層接着されたラミナ2の積層構造を有していることが好ましい。
本発明の耐火木製構造材において、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14,14は、木表3どうしの積層面を有しないように4本以上のラミナが積層接着されたラミナ積層部であることが好ましい。ここでいう「4本以上のラミナ」は、前記の延出する部分13eのラミナを含めて、積層されたラミナの本数が4本以上であれば良い。
第1燃えしろ層12b,12dを形成する各第1ラミナ積層部13は、荷重支持部11と同位置に存在する部分13sに位置するラミナ2が、好ましくは2〜100本、より好ましくは3〜75本、更に好ましくは4〜50本である。また、第1燃えしろ層12b,12dを形成する各第1ラミナ積層部13は、延出する部分13eのラミナ2を含めた積層本数が、好ましくは4〜114本、より好ましくは5〜89本、更に好ましくは6〜64本である。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aは、図1(a)及び図2(a)に示すように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13が、構成するラミナ2の全てが木表3、準木表3s及び木裏4を有するラミナ2であり、木裏4どうしの積層面6を一か所のみ有している。また第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aは、第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14が、構成するラミナ2の全てが木表3、準木表3s及び木裏4を有するラミナ2であり、木裏4どうしの積層面6を一か所のみ有している。これに代えて、図6に示す第5実施形態の耐火木製構造材1Dのように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13、及び第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14を構成する全てのラミナ2が、木表3、準木表3s及び木裏4を有するラミナであり、全てのラミナ2の木表3が、ラミナ2の積層方向Xにおいて同一方向を向いていることも好ましい。
木裏4どうしの積層面6を一か所に有する実施形態は、木裏4どうしの積層面6を一カ所も設けない実施形態に比べて、耐火木製構造材全体としての反りを抑制する観点から好ましい。
また、同様の観点から、木裏4どうしの積層面6は、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13のラミナ2の積層方向Xにおける、荷重支持部11と同じ位置に位置する部分に存することが好ましい。例えば、木裏4どうしの積層面6は、耐火木製構造材1,1Aを、第1燃えしろ層12b、12dを形成する第1ラミナ積層部13,13のラミナ2の積層方向Xと同方向に3等分して3領域に区分したときに、中央の領域に存在することが好ましい。
第1実施形態の耐火木製構造材1は、その完成状態において、一対の第2燃えしろ層12a,12cを形成する一対の第2ラミナ積層部14,14が方向Xにおいて荷重支持部11を挟んだ状態で配され、一対の第1燃えしろ層12b,12dを形成する一対の第1ラミナ積層部13,13が、一方向Yにおいて荷重支持部11及び一対の第2ラミナ積層部14,14を挟んだ状態で配された構成を有している。4本以上のラミナ、好ましくは4本上の同数のラミナが積層接着された一対の第1ラミナ積層部13,13(図示例では12本)、及び一対の第2ラミナ積層部14,14(図示例では6本)によって、荷重支持部11の周囲に配された燃えしろ層12の全体が形成されている。
第2実施形態の耐火木製構造材1Aも、その完成状態において、前述した第2燃えしろ層12cを形成する第2ラミナ積層部14が方向Xにおいて荷重支持部11の下方に配され、一対の第1燃えしろ層12b,12dを形成する一対の第1ラミナ積層部13,13が、一方向Yにおいて荷重支持部11及び一対の第2ラミナ積層部14,14を挟んだ状態で配された構成を有している。4本以上のラミナ、好ましくは4本上の同数のラミナが積層接着された一対の第1ラミナ積層部13,13(図示例では12本)、及び第2ラミナ積層部14(図示例では6本)によって、荷重支持部11の周囲に配された燃えしろ層12の全体が形成されている。
荷重支持部11及び燃えしろ層12の全体を、第1燃えしろ層12b,12dを形成する一対の第1ラミナ積層部13,13、第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14及び荷重支持部11dから構成することにより、荷重支持部11及び燃えしろ層12に必要な部材の種類を減らすことができ、簡易な製造工程により効率よく製造することができる。
第1実施形態の耐火木製構造材1を構成するラミナ2は、同一樹種の木材から構成されたものである。第2実施形態の耐火木製構造材1Aを構成するラミナ2も、同一樹種の木材から構成されたものである。ただし、ラミナ2は、単一樹種に由来のもののみを用いても良いし、複数の樹種から得られたものを併用することもできる。ラミナ2の原料とする木材の樹種としては、任意のものを用いることができ、例えば、針葉樹であれば、カラマツ、ベイマツ、ダフリカカラマツ、グイマツ、ツガ等、広葉樹であれば、ケヤキ、くり、ミズナラ、タモ等を用いることができる。また、個々のラミナ2は、耐火木製構造材1,1Aの長手方向(軸方向に同じ)と同方向に長い形状を有している。個々のラミナ2は、耐火木製構造材1,1Aの長手方向の全長に亘って連続する一枚の挽き板等であっても良いが、ラミナ2の全部又は一部は、複数の挽き板等をフィンガージョイント等の接合方法で長手方向に継いだものであっても良い。
第1実施形態の耐火木製構造材1におけるラミナ積層部13,14、及び第2実施形態の耐火木製構造材1Aにおけるラミナ積層部13,14は、それぞれに含まれるラミナどうし間が、接着剤により接合された状態で積層されており、且つラミナ積層部13,14どうし間も、接着剤により接合されている。
ラミナ2どうし間又はラミナ積層部13,14どうし間を接合する接着剤としては、集成材の製造に従来用いられている各種公知の接着剤を用いることができ、例えば、水性高分子−イソシアネート系接着剤、レゾルシノール樹脂接着剤、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤、メラミン樹脂接着剤、メラミンユリア樹脂接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等が挙げられる。これらのなかでも、レゾルシノール樹脂接着剤又はレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤が好ましい。
第1及び第2実施形態の耐火木製構造材1,1Aは、例えば、ラミナ間に接着剤を配して積層加圧して、図1(b)又は図2(b)に示す各ラミナ積層部13,14を製造した後、それらのラミナ積層部13,14間に接着剤を配してラミナ積層部13,14を積層加圧することにより製造することができるが、それに制限されるものではなく、それぞれ、任意の手順により製造することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は、斯かる実施形態に制限されず適宜変更可能である。
例えば、図4に示す耐火木製構造材1Bのように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13の木裏4どうしの積層面6を、ラミナ2の積層方向Xにおいて荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)と、該部分13sから延出する部分13e(第2部分)との境界に配してもよい。
また、図5に示す耐火木製構造材1Cのように、第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14に木裏4どうしの積層面6を設けず、全てのラミナ2の木表3が、ラミナ2の積層方向Xにおいて同一方向を向くように配してもよい。
また、図6に示す耐火木製構造材1Dのように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13及び第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14に木裏4どうしの積層面6を設けず、これら全てのラミナ2の木表が同一方向を向くように配してもよい。具体的には、第1ラミナ積層部13,13及び第2ラミナ積層部14,14をそのラミナ2の積層方向Xにおいて、荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)と、該部分13sから延出する部分13e(第2部分)とからなる同一のラミナ積層部で構成し、横断面の中心を中心に、これらを回転対称となるように、配してもよい。また、図6に示すように、木表3どうしの接着面、及び木表3と準木表3sとの接着面が露出しないように配してもよい。ここでいう露出とは、接着剤により接着されているラミナ2どうしの対向面の端部が側面a〜dに位置していれば該露出に該当する。この場合、前記接着剤が前記側面a〜dの位置まで存在していてもよいし、側面a〜dの位置まで達していなくてもよい。
また、図7に示す耐火木製構造材1Eのように、第1燃えしろ層12b,12dを形成する第1ラミナ積層部13,13の木裏4どうしの積層面6を、ラミナ2の積層方向Xにおいて荷重支持部11と同位置に存在する部分13s(第1部分)と該部分13sから延出する部分13e(第2部分)との境界に配し、且つ第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14に木裏4どうしの積層面6を設けず、ラミナ2の木表3がラミナ2の積層方向において同一方向を向くように配してもよい。
尚、図4〜図7には、第1実施形態の耐火木製構造材1と同様の構成要素に、第1実施形態と同様の符号を付した。
また、荷重支持部11を、第1ラミナ積層部13及び第2ラミナ積層部14と同様のラミナ積層部を有する構成するのに代えて、無垢材や、木表どうしの積層面を有するラミナ積層部、第1燃えしろ層12b,12dの第1ラミナ積層部13,13のラミナ積層方向と直交する方向をラミナ2の積層方向としたラミナ積層部等から構成することもできる。
また、本発明の耐火木製構造材は、横断面形状が長方形状の柱材であっても良く、横断面形状が正方形状の梁材であっても良い。
本発明の耐火木製構造材において、一対の第1ラミナ積層部13,13は、ラミナ2の積層方向Xの両端に位置するラミナが、図1、図2、図4、図5及び図7に示すように、木表側が外側を向いたラミナであることが好ましい。また、一対の第2ラミナ積層部14,14を、一方向Yの両端に亘って配して荷重支持部11の3方又は4方を囲み且つ該荷重支持部の3側面又は4側面に亘って連続する燃えしろ層を形成してもよい。
(実施例1)
カラマツから得られたラミナ2(密度:0.53g/cm±10%、含水率8〜10%)を用いて、図5に示す断面構成を有する柱材である耐火木製構造材を得た。ラミナ間の接着には、レゾルシノール・フェノール樹脂接着剤を用いた。
製造した耐火木製構造材は、断面寸法が350mm×350mm、荷重支持部の寸法が170mm×170mm、燃えしろ層12の厚みLa〜Ldが90mm、長さが1.5mであった。第1燃えしろ層12b,12dを構成する2つの第1ラミナ積層部13,13は、図5に示すように、木裏4どうしの積層面6を、ラミナ2の積層方向Xにおいて荷重支持部11と同位置に存在する部分に1か所有し、且つ木表3どうしの接着面を有しないものであった。また第2燃えしろ層12a,12cを形成する第2ラミナ積層部14,14は、木裏4どうしの積層面6を設けず、ラミナ2の木表3がラミナ2の積層方向において同一方向を向いていた。尚、上記以外の構成及び好ましい寸法等は、上述した実施形態と同一であった。
(比較例1)
実施例1に用いたラミナと同一のラミナを、木裏4の向きが交互に逆向きとなるように積層接着してラミナ積層部を製造し、それらを用いる以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1の耐火木製構造材を製造した。比較例1の耐火木製構造材は、断面寸法が350mm×350mm、荷重支持部の寸法が170mm×170mm、燃えしろ層12の厚みLa〜Ldが90mm、長さが1.5mであった。第1燃えしろ層を構成する2つのラミナ積層部13,13は、ラミナが木裏4の向きが交互に逆向きとなるように積層されており、ラミナの積層方向Xの両端に位置するラミナは木表3側が外側を向いていた。
(評価)
(燃焼試験)
実施例1及び比較例1で得られた耐火木製構造材を、直立状態として試験炉内に配置し、4側面のそれぞれに対して、通常の火災を想定したISO834標準加熱により1時間加熱を行い、加熱終了後5時間の炉内放冷を行った。
その際、ラミナの積層方向Xの端に位置する側面a、及びラミナの積層方向Xに直交する方向Yの端に位置する側面dから荷重支持部11の中心に向かう深さが、30mm、60mm、90mmとなる各位置における温度変化を計測し、各深さにおける温度の経時的変化を記録した。側面a及び側面dのいずれについても、90mmの深さは、荷重支持部11と燃えしろ層12との境界である。また温度変化の計測は、実施例1の耐火木製構造材では、側面dについては、木裏4どうしの接着面を構成する層(以下、木裏−木裏接着層f1ともいう)において行い、側面aについては、木裏4と準木表3sとの接着面を構成する層(以下、木裏−準木表接着層f2ともいう)及び木表3と準木表3sとの接着面を構成する層(以下、木表−準木表接着層f3ともいう)について行った。比較例1では、側面dについて荷重支持部11と同位置に存在する部分13sの木表どうしの接着面を構成する層(以下、木表−木表接着層ともいう)において行った。
結果を図8に示す。
比較例1は、図8(d)に示すように、木表−木表接着層において、深さ30mmの温度が最大500℃を超え放冷中も高い温度を維持しているのに対して、実施例1においては、図8(a)に示すように、木裏−木裏接着層f1において、深さ30mmの温度を最大で300℃以下に抑えることができ、放冷中も低い温度を維持し深さ60mm、90mmの温度上昇も抑制できていることがわかる。また、実施例1は、図8(b)及び図8(c)に示すように、木裏−準木表接着層f2及び木表−準木表接着層f3において、最大500℃以下で、比較例1の木表−木表接着層に比べて低い温度に抑えることができている。実施例1の木裏−準木裏接着層f2及び木表−準木表接着層f3は、比較例1の温度測定点よりも熱の影響を受けやすい角部に近い位置であるため、内部温度が高く推移しているが、それでも深さ30mmでの最大温度が比較例1よりも低い値を示している。
このことから、比較例1の耐火木製構造材においては、燃焼継続に十分な温度を燃えしろ層内部に生じており、炭化層の割れ方で酸素が供給される状況になると放冷中も燃焼が継続し、そのまま放置すると燃焼が90mm以上の荷重支持層に到達する可能性があることが判る。
これに対して、実施例1の耐火木製構造材においては、燃焼継続に十分な温度を燃えしろ層内部に生じておらず、炭化層の割れ方で酸素の供給がより少ない状況であれば、放冷中に燃焼が継続しないことが判る。
5時間の炉内放冷後の試験体の側面dの写真を図9に示す。
比較例1の試験体は、図9(a)に示すように、側面dに生じた炭化層に、大きな割れが生じており、その割れの内部で燃焼が継続していることが確認された。また、大きな割れは、ラミナの木表3どうしの積層面(木表−木表接着層)付近に生じており、その割れの内部で、燃焼が継続していることが確認された。また、炭化層に生じた大きな割れの付近で、炭化層の一部が脱落していることも確認された。
これに対して、実施例1の試験体の側面dにおいては、図9(b)に、側面dに生じた炭化層に、大きな割れが生じず、密な炭化層が形成されていた。
これらの結果から、本発明の実施例である耐火木製構造材によれば、燃えしろ層に、難燃薬剤を使用しなくても、燃えどまり性能を発現し、高い耐火性能が得られることが判る。
1,1A〜1E 耐火木製構造材
11 荷重支持部
12 燃えしろ層
12b,12d 第1燃えしろ層
12a,12c 第2燃えしろ層
2 ラミナ
3 木表
3s 準木表
4 木裏
6 木裏どうしの積層面
13 第1ラミナ積層部
13s 荷重支持部と同位置に存在する部分(第1部分)
13e 延出する部分(第2部分)
14 第2ラミナ積層部
a〜d 側面

Claims (5)

  1. 角材であり、荷重支持部を有し、長手方向に沿って延びる4つの側面のうちの少なくとも3側面に沿って燃えしろ層が形成されている、耐火木製構造材であって、
    前記耐火木製構造材の横断面の一方向における前記荷重支持部を挟む両側それぞれに、該一方向と直交する方向をラミナの積層方向とする第1ラミナ積層部を有し、該一方向と直交する方向における一端又は両端に、該一方向をラミナの積層方向とする第2ラミナ積層部を有しており、
    第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部は、それぞれを構成するラミナが、木表どうしの接着面を有しないように積層されており、
    第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部により、前記荷重支持部の3方又は4方を囲む燃えしろ層が形成されている、耐火木製構造材。
  2. 前記燃えしろ層は、前記3側面又は4側面に亘って連続している、請求項1に記載の耐火木製構造材。
  3. 第1ラミナ積層部は、それぞれ、前記一方向と直交する方向の両端間に亘っており、第2ラミナ積層部は、第1ラミナ積層部どうし間の全域に亘っている、請求項1又は2に記載の耐火木製構造材。
  4. 第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部を構成するラミナは、該ラミナの矩形状断面の一方の長辺を形成する面であって樹芯に最も近い面を木裏、他方の長辺を形成する面を木表、及び樹芯が長辺の長さ範囲に位置する場合の両短辺を形成する面又は該樹芯が長辺の長さ範囲外に位置する場合の樹芯から遠い方の短辺を形成する面を準木表としたときに、
    前記3側面に、前記木表どうしの接着面、及び前記木表と前記準木表との接着面が露出していない、請求項1に記載の耐火木製構造材。
  5. 第1ラミナ積層部及び第2ラミナ積層部を構成するラミナは、いずれも、前記木表、前記木裏及び一対の前記準木表を有するラミナである、請求項4に記載の耐火木製構造材。
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