JP6714997B2 - 木質部材 - Google Patents

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Description

本発明は、木質部材に関する。
木質心部と、木質心部を被覆する燃え止まり層と、燃え止まり層を被覆する燃え代層とを備える木質部材がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−36457号公報
ところで、例えば、雨に濡れる屋外や、屋内であっても例えば植物園等の多湿環境下で木質部材を使用する場合は、木質部材の表面が腐朽する可能性がある。
この対策として、木質部材の表面に保護層を設け、木質部材の腐朽を抑制することが考えられる。
しかしながら、保護層に亀裂やひび等が入ると、これらの亀裂等から保護層内へ雨水等が浸透し、木質部材内部が腐朽する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、木質部材の腐朽を抑制することを目的とする。
第1態様に係る木質部材は、木質部と、前記木質部を被覆する保護層と、を備え、前記木質部と前記保護層の境界部、及び前記保護層の少なくとも一方に、排水路が形成される。
第1態様に係る木質部材によれば、保護層によって木質部が被覆される。これにより、木質部が雨水等に直接濡れることが抑制される。したがって、木質部の腐朽が抑制される。
また、木質部と保護層の境界部、及び保護層の少なくとも一方には、排水路が形成される。これにより、亀裂等から保護層内へ浸透した雨水等を、排水路を介して木質部材の外部へ排水することができる。したがって、木質部の腐朽をさらに抑制することができる。
第2態様に係る木質部材は、第1態様に係る木質部材において、前記保護層は、防腐加工木材で形成される。
第2態様に係る木質部材によれば、保護層が防腐加工木材によって形成される。これにより、保護層の腐朽が抑制される。また、保護層を防腐加工木材によって形成することにより、木質部材の木材としての外観を維持することができる。
このように本発明では、保護層の腐朽を抑制しつつ、木質部材の木材としての外観を維持することができる。
第3態様に係る木質部材は、第1態様又は第2態様に係る木質部材において、前記木質部は、木質心部と、前記木質心部を被覆する燃え止まり層と、前記燃え止まり層を被覆する木質の燃え代層と、を有する。
第3態様に係る木質部材によれば、木質部は、木質心部と、木質心部を被覆する燃え止まり層と、燃え止まり層を被覆する燃え代層とを有する。このように木質心部を燃え止まり層及び燃え代層によって被覆することにより、木質部材の耐火性能が向上する。
また、燃え代層は、保護層によって被覆される。したがって、燃え代層、燃え止まり層、及び木質心部の腐朽が抑制される。
さらに、燃え代層と保護層との境界部、及び保護層の少なくも一方には、排水路が形成される。これにより、亀裂等から保護層内へ浸透した雨水等を、排水路を介して木質部材の外部へ排水することができる。したがって、燃え代層、燃え止まり層、及び木質心部の腐朽を抑制することができる。
以上説明したように、本発明に係る木質部材によれば、木質部材の腐朽を抑制することができる。
第1実施形態に係る木質柱を示す横断面図である。 図1の一部拡大図である。 図1に示される木質柱の柱脚部を示す縦断面図である。 第2実施形態に係る木質梁を示す横断面図である。 第2実施形態に係る木質梁の変形例を示す図4に相当する横断面図である。 第2実施形態に係る木質床版を示す横断面図である。 第1実施形態に係る木質柱の変形例を示す図2に相当する横断面図である。
先ず、第1実施形態について説明する。
(木質部材及び木質部)
図1には、第1実施形態に係る木質柱10が示されている。木質部材としての木質柱10には、耐火構造が適用されている。この木質柱10は、木質部12と、木質部12を被覆する保護層40とを有している。木質部12は、荷重を支持する木質心部14と、木質心部14を耐火被覆する耐火被覆層20とを有している。
(木質心部)
木質心部14は、木質柱10の材軸方向に沿って延びるとともに、横断面形状が矩形状(本実施形態では略正方形)に形成されている。この木質心部14は、角柱状や板状の複数の木材を接着剤等によって一体化させた集成材によって形成されている。また、木質心部14は、木質柱10が負担する荷重(長期荷重及び短期荷重)を支持可能に形成されている。
(耐火被覆層)
耐火被覆層20は、木質心部14の外側に設けられた燃え止まり層22と、燃え止まり層22の外側に設けられた燃え代層30とを有している。燃え止まり層22は、木質心部14を囲む筒状に形成されており、木質心部14の側面14Sを略全面に亘って被覆している。
(燃え止まり層)
燃え止まり層22は、火災時における燃え代層30の燃焼を停止(自然鎮火)させ、木質心部14の燃焼を抑制する層とされる。具体的には、燃え止まり層22は、木質心部14よりも熱容量が大きい高熱容量層(熱容量型)とされている。この燃え止まり層22は、木質心部14の側面14Sに交互に配列された複数の木質材24及びモルタル硬化体(モルタル板)26を有している。これらの木質材24及びモルタル硬化体26は、横断面形状が矩形状に形成されており、長手方向を木質柱10の材軸方向として配置されている。
木質材24は、集成材や無垢材で形成されており、木質心部14の側面14Sに接着剤等によって接合されている。一方、モルタル硬化体26は、硬化したモルタルで形成されており、木質材24よりも熱容量が大きくなっている。この木質材24とモルタル硬化体26とを交互に配置することにより、燃え止まり層22全体の熱容量が、木質心部14及び燃え代層30の熱容量よりも大きくなっている。
(燃え代層)
燃え止まり層22の外側には、木質の燃え代層30が設けられている。燃え代層30は、燃え止まり層22を囲む筒状に形成されており、燃え止まり層22の側面22Sを略全面に亘って被覆している。この燃え代層30は、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、木質心部14への火災熱の浸入を抑制する層とされる。
具体的には、燃え代層30は、集成材によって形成されている。この燃え代層30は、燃え止まり層22の木質材24の外面に接着剤等によって接合されている。なお、燃え代層30の厚み(層厚)は、木質柱10に求められる要求耐火性能(耐火時間)や、燃え代層30を形成する木材の燃焼速度及び遮熱性能に応じて適宜設定されている。
(保護層)
燃え代層30の外側には、木質部12を保護する木質の保護層40が設けられている。保護層40は、燃え代層30を囲む筒状に形成されており、燃え代層30の側面30Sを略全面に亘って被覆している。つまり、保護層40は、木質部12の側面12Sを略全面(略全周)に亘って被覆している。この保護層40は、接着剤等によって燃え代層30の側面30Sに接合されている。木質部12の側面12Sは、木質部12の外面を形成している。
保護層40は、木質部12の腐朽を抑制する層とされる。具体的には、保護層40は、複数の防腐加工木材を接着剤等によって一体化した集成材によって形成されている。ここで、防腐加工木材とは、例えば、加圧式保護処理木材や、表面に木材保護塗料が塗布された木材のように、防腐加工(防腐処理)が施された木材を意味する。また、加圧式保護処理木材とは、加圧式処理により防腐用の薬剤が内部に注入された木材である。さらに、木材保護塗料は、木材の表面に塗布され、当該木材を防腐する塗料であり、例えば、キシラデコール(登録商標)等が挙げられる。
(排水路)
図2に示されるように、保護層40と燃え代層30との境界部には、複数の排水路42,44が形成されている。これらの排水路42,44は、矩形状の孔とされており、木質柱10の材軸方向に沿って延びるとともに、木質柱10の周方向に間隔を空けて配置されている。また、各排水路42,44は、保護層40の内面40Aに形成された溝部42G,44Gの開口を燃え代層30の側面30Sによって閉塞することにより形成されている。なお、排水路42,44の形状は、矩形状に限らず、円形状等であっても良い。
ここで、排水路42は、燃え止まり層22の木質材24の外側に配置されており、燃え代層30を挟んで木質材24と対向している。この排水路42の幅W1は、木質材24の幅W2以上とされている(W1≧W2)。なお、本実施形態では、排水路42の幅W1と、木質材24の幅W2とが同じとされている。これにより、二点鎖線で示されるように、木質材24の外側の保護層40に亀裂Vが入った場合に、当該亀裂Vの進展が排水路42で止まり、矢印Xで示されるように、燃え代層30及び木質材24を介して木質心部14に進展しないようになっている。
一方、排水路44は、燃え止まり層22のモルタル硬化体26の外側に配置されており、燃え代層30を挟んでモルタル硬化体26と対向している。この排水路44の幅W3は、排水路42の幅W1よりも狭くされている(W3<W1)。なお、排水路42,44の幅W1,W3は、適宜変更可能であり、その大小関係も適宜変更可能である。また、排水路42,44の配置も適宜変更可能である。さらに、排水路42,44一方を省略することも可能である。
また、図3には、木質柱10の柱脚部の一例が示されている。この図3に示されるように、木質柱10は、鉄筋コンクリート造の支持部材50上に立てられている。また、排水路42は、木質柱10の下面10Lに達している。つまり、木質柱10の下面10Lには、排水路42の排水口42Kが形成されている。これと同様に、排水路44(図2参照)は、木質柱10の下面10Lに達している。つまり、木質柱10の下面10Lには、排水路44の図示しない排水口が形成されている。
これにより、木質柱10内に浸透した雨水等は、矢印aで示されるように、排水路42に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された排水口42Kから木質柱10の外部へ排水される。これと同様に、木質柱10内に浸透した雨水等は、排水路44(図2参照)に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された図示しない排水口から木質柱10の外部へ排水される。
また、燃え止まり層22のモルタル硬化体26と、その周囲の木質材24、木質心部14、及び燃え代層30との間には、製造上のクリアランス(隙間)又はモルタル硬化体26の製造誤差等によって僅かな隙間が形成される。この隙間も排水路(以下、「硬化体排水路」という)46として機能する。この硬化体排水路46は、木質柱10の下面10Lに達している。つまり、木質柱10の下面10Lには、硬化体排水路46の排水口46Kが形成されている。これにより、木質柱10内に浸透した雨水等は、矢印bで示されるように、硬化体排水路46に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された排水口46Kから排水される。
支持部材50は、木質柱10の木質心部14を支持する支持部50Aと、支持部50Aの外周に設けられ、木質柱10の燃え止まり層22、燃え代層30、及び保護層40の下に配置される排水回収部50Bとを有している。排水回収部50Bは、各排水路42,44,46の排水口42K,46Kと対向しており、これらの排水口42K,46Kから排水された雨水等を回収可能になっている。
また、支持部材50には、排水回収部50Bから支持部材50の側面50Sへ延びる外側通水路52及び内側通水路54が形成されている。外側通水路52は、排水路42,44と対応して形成されている。一方、内側通水路54は、硬化体排水路46と対応して形成されている。そして、排水回収部50Bで回収された雨水等は、外側通水路52及び内側通水路54を介して支持部材50の側面50Sから所定の場所へ排水されるようになっている。なお、外側通水路52及び内側通水路54を省略し、排水回収部50Bに外周部へ向かって下方へ傾斜する排水勾配を付け、排水回収部50Bから支持部材50の側面50S側へ雨水等を排水しても良い。また、木質柱10の柱脚部の構成及び支持構造は、適宜変更可能である。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
図2に示されるように、木質柱10における木質部12の側面12Sは、保護層40によって被覆されている。これにより、木質部12の側面12Sが雨水等に直接濡れたり、凍結したりすることが抑制される。したがって、木質部12の腐朽が抑制される。さらに、保護層40によって、木質部12の側面12Sに対する日射が遮られる。したがって、日射(紫外線)による木質部12の側面12Sの変色や劣化も抑制される。
また、保護層40は、防腐加工木材によって形成されている。これにより、保護層40が木質部12よりも腐朽し難くなっている。したがって、保護層40の腐朽が抑制される。また、保護層40を防腐加工木材によって形成することにより、木質柱10の木材としての外観(美観)を維持することができる。
このように本実施形態では、保護層40の腐朽を抑制しつつ、木質柱10の木材としての外観(美観)を維持することができる。
ここで、例えば、図2に二点鎖線で示されるように、保護層40に亀裂Vが入ると、当該亀裂Vから保護層40内に雨水等が浸透する。この雨水等が木質柱10の内部に滞留すると、木質柱10の内部が腐朽する可能性がある。
この対策として本実施形態では、木質部12と保護層40の境界部に、複数の排水路42,44が形成されている。図3に示されるように、排水路42は、木質柱10の材軸方向に沿って延びており、木質柱10の下面10Lに達している。これにより、矢印aで示されるように、亀裂Vから保護層40内に浸透した雨水等は、排水路42に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された排水口42Kから木質柱10の外部へ排水される。これと同様に、排水路42(図2参照)は、木質柱10の材軸方向に沿って延びており、木質柱10の下面10Lに達している。これにより、亀裂Vから保護層40内に浸透した雨水等は、排水路44に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された図示しない排水口から木質柱10の外部へ排水される。したがって、木質部12の腐朽が抑制される。
また、燃え止まり層22に達した雨水等は、矢印bで示されるように、硬化体排水路46に沿って下方へ流れ、木質柱10の下面10Lに形成された排水口46Kから木質柱10の外部へ排水される。したがって、木質部12の腐朽がさらに抑制される。
また、保護層40の内側に浸透した雨水等は、保護層40と木質部12との境界部に沿って流れ易い。したがって、木質部12と保護層40の境界部に複数の排水路42,44を形成することにより、保護層40の内側に浸透した雨水等を効率的に木質柱10の外部へ排水することができる。
さらに、複数の排水路42,44は、木質柱10の周方向に間隔を空けて配列されている。これにより、木質柱10の全周に亘って、雨水等による木質部12の腐朽を抑制することができる。
ここで、保護層40に入った亀裂Vが、矢印Xで示されるように、燃え代層30及び燃え止まり層22の木質材24を介して木質心部14に進展すると、荷重を支持する木質心部14に雨水等が浸透する可能性がある。
これに対して本実施形態では、木質材24の外側に排水路42が配置されている。これにより、木質材24の外側の保護層40に亀裂Vが入っても、当該亀裂Vの進展が排水路42で止められる。したがって、亀裂Vが木質心部14に進展することが抑制されるため、木質心部14の腐朽が抑制される。
また、木質柱10には、耐火構造が適用されている。具体的には、木質柱10の木質心部14は、耐火被覆層20としての燃え止まり層22及び燃え代層30によって耐火被覆されている。また、耐火被覆層20は、保護層40によって被覆されている。
したがって、火災時には、先ず、保護層40が燃焼する。次に、燃え代層30が徐々に燃焼する。この燃え代層30に燃焼に伴って、燃え止まり層22の周囲に炭化層(断熱層)が形成される。この炭化層によって、木質心部14へ伝達される火災熱が低減される。
また、燃え代層30に伝達された火災熱は、当該燃え代層30よりも熱容量が大きい燃え止まり層22によって吸収(吸熱)される。これにより、燃え代層30の燃焼速度(炭化速度)が減速される。さらに、燃え止まり層22によって、燃え代層30の燃焼を停止(自然鎮火)させることができる。したがって、木質心部14の燃焼が抑制されるため、火災時や火災終了後であっても木質心部14に荷重を支持させることができる。
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には同符号を付して説明を省略する。
(木質部材及び木質部)
図4には、第2実施形態に係る木質梁60が示されている。木質部材としての木質梁60には、耐火構造が適用されている。具体的には、木質梁60は、木質部62と、木質部62を被覆する保護層40とを有している。木質部62は、荷重を支持する木質心部64と、木質心部64を耐火被覆する耐火被覆層20とを有している。
(木質心部)
木質心部64は、木質梁60の材軸方向に沿って延びるとともに、横断面形状が矩形状(本実施形態では略長方形)に形成されている。この木質心部64は、集成材によって形成されるとともに、木質梁60が負担する荷重(長期荷重及び短期荷重)を支持可能に形成されている。
(耐火被覆層)
耐火被覆層20は、木質心部64の外側に設けられた燃え止まり層22と、燃え止まり層22の外側に設けられた燃え代層30とを有している。燃え止まり層22及び燃え止まり層22の横断面形状は、上側が開口されたU字状に形成されている。この燃え止まり層22は、木質心部64の下面64L及び両側の側面64Sを被覆している。また、燃え代層30は、燃え止まり層22の下面22L及び両側の側面22Sを被覆している。なお、木質心部64の上面64Uは、図示しないコンクリートスラブ等の耐火材料によって被覆される。
(保護層)
燃え代層30の外側には、木質部62を保護する木質の保護層40が設けられている。保護層40の横断面形状は、上側が開口されたU字状に形成されている。この保護層40は、燃え代層30の下面30L及び両側の側面30Sを略全面に亘って被覆している。つまり、保護層40は、木質部62の下面62L及び両側の側面62Sを略全面に亘って被覆している。なお、木質部62の下面62L及び側面62Sは、木質部62の外面を形成している。
(排水路)
保護層40と燃え代層30との境界部には、複数の排水路66,68が形成されている。これらの排水路66,68は、木質梁60の材軸方向に沿って延びるとともに、木質梁60の周方向に間隔を空けて配置されている。各排水路66,68の下面66L,68Lには、例えば、木質梁60の材軸方向の一端側から他端側へ向かって、又は木質梁60の材軸方向の中央部から一端側へ向かって下方へ傾斜する排水勾配が付けられている。また、各排水路66,68は、木質梁60の図示しない端面に達している。これにより、図示しない亀裂等から保護層40内に浸透した雨水等は、排水路66,68に沿って流れ、木質梁60の端面から排水される。なお、排水路66は、第1実施形態の排水路42(図2参照)と同様に、燃え止まり層22の木質材24の外側に配置されている。
次に、第2実施形態の作用について説明する。
図4に示されるように、木質梁60の木質部62と保護層40の境界部には、木質梁60の材軸方向に沿って延びる複数の排水路66,68が形成されている。これにより、保護層40内に浸透した雨水等は、排水路66,68に沿って流れ、木質梁60の図示しない端面から木質梁60の外部へ排水される。したがって、上記第1実施形態と同様に、木質部62の腐朽を抑制することができる。
なお、本実施形態では、排水路66,68が木質梁60の材軸方向に延びているが、本実施形態はこれに限らない。例えば、図5に示されるように、排水路69は、保護層40と燃え代層30との境界部に沿って上下方向に延びるように形成することも可能である。この排水路69は、木質梁60の材軸方向に間隔を空けて複数形成されている。また、各排水路69は、保護層40の下面40Lに達している。つまり、保護層40の下面40Lには、排水路69の排水口69Kが形成されている。これにより、木質梁60内に浸透した雨水等は、矢印cで示されるように、排水路69に沿って下方へ流れ、保護層40の下面40Lに形成された排水口69Kから木質梁60の外部へ排水される。
また、木質梁60には、当該木質梁60の材軸方向に延びる排水路(横排水路)66,68(図4参照)と、上下方向に延びる排水路(縦排水路)69(図5参照)とを形成することも可能である。この場合、排水路66,68と排水路69とを適宜接続することにより、保護層40内に浸透した雨水等を効率的に排水することができる。さらに、木質梁60の保護層40に、上下方向に延びる排水路を形成することも可能である。
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同じ構成の部材には同符号を付して説明を省略する。
(木質部材及び木質部)
図6には、第3実施形態に係る木質床版70が示されている。木質部材としての木質床版70には、耐火構造が適用されている。具体的には、木質床版70は、木質部72と、木質部72の上面72Uを被覆する保護層40とを有している。木質部72は、荷重を支持する木質心部74と、木質心部74を耐火被覆する耐火被覆層20とを有している。
(木質心部)
木質心部74は、木質床版70の面内方向に延びる面材状に形成されている。この木質心部74は、集成材によって形成されている。また、木質心部74は、木質床版70が負担する荷重を支持可能に形成されている。この木質心部74の上面74U及び下側の下面74Lは、耐火被覆層20によってそれぞれ被覆されている。
(耐火被覆層)
耐火被覆層20は、木質心部74の外側に設けられた燃え止まり層22と、燃え止まり層22の外側に設けられた燃え代層30とを有している。燃え止まり層22及び燃え代層30は、木質床版70の面内方向に延びる面材状に形成されている。この燃え止まり層22は、木質心部74の上面74U及び下面74Lをそれぞれ被覆している。また、燃え代層30は、上側の燃え止まり層22の上面22U及び下側の燃え止まり層22の下面22Lをそれぞれ被覆している。
(保護層)
上側の燃え代層30の外側には、木質部72を保護する木質の保護層40が設けられている。保護層40は、木質床版70の面内方向に延びる面材状に形成されている。この保護層40は、上側の燃え代層30の上面30Uを略全面に亘って被覆している。つまり、保護層40は、木質部72の上面72Uを略全面に亘って被覆している。なお、木質部72の上面72Uは、木質部72の外面を形成している。
(排水路)
保護層40と燃え代層30との境界部には、複数の排水路76,78が形成されている。これらの排水路76,78は、木質床版70の面内方向に延びるとともに、互いに略平行して配置されている。また、各排水路76,78の下面76L,78Lには、例えば、木質床版70の一端側から他端側へ向かって、又は木質床版70の中央部から外周部へ向かって下方へ傾斜する排水勾配が付けられている。また、各排水路76,78は、木質床版70の図示しない端面に達している。これにより、木質床版70内に浸透した雨水等は、排水路76,78に沿って流れ、木質床版70の端面から排水される。なお、排水路76は、第1実施形態の排水路42(図2参照)と同様に、燃え止まり層22の木質材24の外側に配置されている。
次に、第3実施形態の作用について説明する。
図6に示されるように、木質床版70の木質部72と保護層40の境界部には、木質床版70の面内方向に延びる複数の排水路76,78が形成されている。これにより、保護層40内に浸透した雨水等は、排水路76,78に沿って流れ、木質床版70の図示しない端面から木質床版70の外部へ排水される。したがって、上記第1実施形態と同様に、木質部72の腐朽を抑制することができる。
なお、本実施形態では、木質部72の上側に保護層40を設けたが、保護層40は、木質部72の上側及び下側の少なくとも一方に設けることができる。つまり、保護層40は、木質床版70の厚み方向の少なくとも一方側に設けることができる。
また、例えば、図7に示される木質床版70を90度回転させ、木質壁材とすることも可能である。この場合も、木質壁材の厚み方向の少なくとも一方側に、保護層40を設けることができる。
次に、上記第1〜第3実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、上記第1実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は、上記第2,第3実施形態にも適宜適用可能である。
上記第1実施形態では、図2に示されるように、保護層40の内面40Aに形成された溝部42G,44Gの開口を燃え代層30の側面30Sによって閉塞することにより排水路42,44を形成したが、上記第1実施形態はこれに限らない。例えば、図7に示されるように、燃え代層30の側面30Sに形成された溝部48Gの開口を保護層40の内面40Aによって閉塞することにより、木質部12と保護層40の境界部に排水路48を形成することも可能である。なお、排水路48は、排水路42と同様に、燃え止まり層22の木質材24の外側に配置されている。
また、図示を省略するが、例えば、保護層40の内面40A及び燃え代層30の側面30Sの両方に溝部を形成し、これらの溝部を組み合わせることにより、木質部12と保護層40の境界部に排水路を形成することも可能である。
さらに、図7に示されるように、保護層40の内部に排水路49を形成することも可能である。つまり、排水路は、木質部12と保護層40の境界部、及び保護層40の少なくとも一方に形成することができる。また、木質柱10には、各種の排水路42,44,48,49を適宜組み合わせて形成することも可能である。
また、上記第1実施形態では、保護層40が防腐加工木材で形成されるが、保護層40は、防腐加工が施されていない木材によって形成することも可能である。この場合、保護層40が腐朽する可能性があるが、保護層40が腐朽した場合には、例えば、保護層40を張り替える(交換する)ことも可能である。
また、保護層40に、燃え代層としての機能を兼ねさせることも可能である。この場合、燃え代層30の厚み(層厚)を薄くすることができる。さらに、保護層40は、木材に限らず、例えば、石こうボードやけい酸カルシウムボード等の耐火ボードで形成しても良いし、仕上げ材や化粧材で形成しても良い。
また、上記第1実施形態では、木質心部14及び燃え代層30が集成材によって形成されるが、上記第1実施形態はこれに限らない。木質心部14及び燃え代層30は、例えば、合板や無垢材によって形成しても良い。また、木質心部14及び燃え代層30は、例えば、米松、唐松、檜、杉、あすなろ等の一般の木造建築に用いられる木材(以下、「一般木材」とする)で形成することができる。このことは、燃え止まり層22の木質材24についても同様である。
また、上記第1実施形態では、燃え止まり層22が木質材24及びモルタル硬化体26によって形成されるが、木質材24は適宜省略可能である。さらに、上記第1実施形態では、セメント系硬化体としてのモルタル硬化体26を用いた例を示したが、これに限らない。セメント系硬化体としては、例えば、グラウト硬化体やコンクリート硬化体を用いても良い。また、燃え止まり層22は、セメント系硬化体に限らず、不燃性の材料で形成しても良い。
さらに、燃え止まり層22は、火災熱の浸入を抑えて燃え止まり効果を発揮可能な層であれば良く、例えば、難燃性を有する難燃性層(難燃性型)や熱の吸収が可能な吸熱性層(吸熱性型)であっても良い。難燃性層としては、木材に難燃薬剤を注入して不燃化処理した難燃薬剤注入層が挙げられる。また、吸熱性層としては、一般木材よりも熱容量が大きな材料、一般木材よりも断熱性が高い材料、又は一般木材よりも熱慣性が高い材料によって形成しても良いし、これらの材料と一般木材とを組み合わせて形成しても良い。さらに、難燃性層と、吸熱性層とを組み合わせて(例えば、難燃性層と、吸熱性層とを交互に配置して)燃え止まり層22等を形成しても良い。
なお、一般木材よりも熱容量が大きな材料としては、モルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント、石膏等の無機質材料、各種の金属材料などが挙げられる。また、一般木材よりも断熱性が高い材料としては、けい酸カルシウム板、ロックウール、セラミックウール、グラスウールなどが挙げられる。一般木材よりも熱慣性が高い材料としては、セランガンバツ、ジャラ、ボンゴシ等の木材が挙げられる。
また、上記第1実施形態では、耐火被覆層20を燃え止まり層22及び燃え代層30の二層構造にした例を示したが、これに限らない。例えば、燃え止まり層22を省略し、耐火被覆層20を燃え代層30のみで構成しても良いし、燃え代層30を省略し、耐火被覆層20を燃え止まり層22のみで構成しても良い。なお、燃え代層30を省略した場合は、燃え止まり層22が保護層40によって被覆される。
また、上記第1実施形態では、木質柱10に耐火構造が適用されているが、上記第1実施形態はこれに限らない。例えば、耐火被覆層20を省略し、木質部としての木質心部14を保護層40によって被覆しても良い。また、荷重を負担しない木質部を保護層40によって被覆することも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 木質柱(木質部材)
12 木質部
14 木質心部
22 燃え止まり層
30 燃え代層
40 保護層
42 排水路
44 排水路
48 排水路
49 排水路
60 木質梁(木質部材)
62 木質部
64 木質心部
66 排水路
68 排水路
69 排水路
70 木質床版(木質部材)
72 木質部
74 木質心部
76 排水路
78 排水路

Claims (2)

  1. 木質心部と、前記木質心部を被覆する燃え止まり層と、を有する木質部と、
    前記木質部を被覆する保護層と、
    を備え、
    前記燃え止まり層は、横断面視にて、前記木質心部の周囲に交互に配置されるセメント系硬化体及び木質材を有し、
    前記木質部と前記保護層の境界部には、前記木質材と対向するとともに、幅が該木質材の幅以上とされた排水路が形成される、
    木質部材。
  2. 前記保護層は、防腐加工木材で形成される、
    請求項1に記載の木質部材。
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