JP5492932B2 - 構造材及び建築物 - Google Patents

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本発明は、少なくとも2種類の部材にて構成された構造材及びこの構造材を用いた建築物に関する。
少なくとも2種類以上の部材にて構成された構造材としては、荷重を支持する荷重支持層の外側に、熱慣性が高い燃え止まり層を設け、燃え止まり層の外側に、燃え止まり層よりより熱慣性を低くした木材からなる燃えしろ層を備えた構造材が知られている。このような構造材は、燃えしろ層の熱慣性を小さくし熱量を低減することにより温度上昇を抑制し、燃えしろ層より内側の層の着火温度に至らせないようにしている。また、燃えしろ層は比較的密度が小さいため炭化しやすく、また、炭化した木材はさらに密度が小さくなるので燃え止まり層へ伝わる熱量をさらに抑制する効果がある。
特開2005−48585号公報
しかしながら、炭化した燃えしろ層は、密度が小さいため燃焼した際に剥落しやすいため、燃え止まり層の外側の層が無くなってしまうため耐火性能が低下する。また、燃焼して炭化後の密度が小さい部材は暖められ易く火が着き易くなるので、一旦炭になったとしても暖められると再び燃焼し始めてしまう畏れがあり、十分な耐火性能が得られないという課題があった。
本発明は、以上の課題を解決するものであり、その目的は、より高い耐火性能を備えた構造材及びこの構造材を用いた建築物を提供するものである。
前記目的を達成するため、本発明に係る構造材は、長期荷重を支持するに足りる木材からなる荷重支持部と、前記荷重支持部よりも外側にて外部に露出する外周部と、前記荷重支持部よりも外側の隅角部にて、外部に露出しない位置に配置された補強部材と、を備え、
前記補強部材は、前記外周部の部材より炭化後の密度が高い部材、前記外周部の部材よりも熱容量が大きい高熱容量材、難燃処理木材、または不燃材にして断熱性を有する断熱材からなり、前記補強部材は、前記隅角部のみに設けられており、前記外周部は、炭化後の密度が141kg/m 以上となる部材にて構成されており、前記荷重支持部は、炭化後の密度が141kg/m より低い部材にて構成されていることを特徴とする。
上記の構造材が、柱、梁、又は壁等の建築構造材の全部又は一部として用いられていることとしてもよい
本発明によれば、より高い耐火性能を備えた構造材及びこの構造材を用いた建築物を提供することが可能である。
本実施形態に係る構造材の断面図である。 本実施形態に係る構造材の構成を説明するための斜視図である。 唐松及び米松と杉との炭化後の密度を比較したグラフである。 杉の平版の一面加熱実験の結果を示すグラフである。 米松の平版の一面加熱実験の結果を示すグラフである。 本実施形態に係る複合構造材の構成及び製造方法の一例を説明するための図である。 補強部材の配置が相違する変形例を示す図である。 図8(a)は、断面が正方形の補強部材を備えた例を示す図であり、図8(b)は、荷重支持部の角部の2面に当接するように補強部材を備えた例を示す図であり、図8(c)は、板状の補強部材を備えた例を示す図である。 スラブと壁とに当接される梁として用いられた複合構造材を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る構造材は、2種類の部材にて構成された構造材としての複合構造材であり、例えば、建築物の柱や梁として用いられる。
図1は、本実施形態に係る構造材の断面図である。図2は、本実施形態に係る構造材の構成を説明するための斜視図である。
複合構造材1は、断面が矩形状をなす棒状の角材でなる単材が、断面において縦横にそれぞれ集成されて正方形状に形成されている。また、複合構造材1は、米松、唐松などの炭化後の密度が141kg/m以上となる基準部材と、基準部材より炭化後の密度が高い部材、高熱容量材、難燃処理木材または不燃材にして断熱性を有する断熱材からなる補強部材14とで構成されている。本実施形態では、基準部材として米松が用いられ、補強部材として米松より炭化後の密度が高いジャラが用いられている。基準部材として米松、補強部材としてジャラを用いた理由については後述する。
複合構造材1は、当該複合構造材1における軸方向の長期荷重の全部又は一部を支持する断面積を有するように、角材に製材された米松の単材が複数集成され接着剤を介して接着された荷重支持部10と、荷重支持部10と同様の米松からなる単材が複数集成され接着剤を介して接着され荷重支持部10より外側にて外部に露出する外周部12とが基準部材にて構成されている。図1では、荷重支持部10を太線の一点鎖線にて囲み、その外側の部位であって補強部材14を除く部位が外周部12に相当する。
本実施形態における補強部材14は、断面が正方形状をなす角材状の単材であり、荷重支持部10より外側の隅角部であって、外部に露出しない位置に配置されている。本実施形態の補強部材14は、外周部12と荷重支持部10との境界部分に配置され、基準部材と接着剤を介して接着されている。なお、各単材を接着する接着剤としては、例えば耐火性能の高いレゾルシノール樹脂接着剤を用いることが望ましい。
次に、基準部材として米松、補強部材14としてジャラを用いた理由について説明する。
発明者は、唐松及び米松が杉より高い耐火性能を有することから、唐松及び米松と杉との炭化後の密度の相違に注目した。そして、唐松及び米松と杉に75kW/mの加熱を30分間与えた時の密度の変化を記録した。図3は、唐松及び米松と杉との炭化後の密度を比較したグラフである。尚、図3の「炭化後の密度」は、炭化前の体積に対する炭化後の重量の割合、すなわち、(炭化後の重量/炭化前の体積)にて示される値である。
図示するように、加熱する前の唐松及び米松の密度(気乾密度)は、杉の気乾密度の約1.3倍であったが、30分経過すると杉の炭化後の密度は唐松及び米松の炭化後の密度の半分以下に低下している。この結果から、炭化後の密度が耐火性能(燃え止まり性能)に大きく影響していると考えた。
次に、炭化後の密度が相違する米松と杉とで加熱後の温度変化を比較した。
米松及び杉の集成材(厚さ110mm)の平版をそれぞれ用い、炉内において平版の一方の面を火炎にて75分間加熱した後、炉内に放置して平版表面及び平版内の温度の変化を測定した(平版の一面加熱実験)。図4は、杉の平版の一面加熱実験の結果を示すグラフである。図5は、米松の平版の一面加熱実験の結果を示すグラフである。また、表1は、樹種ごとの炭化後の密度(炭化層密度)の測定値を示す表である。ここで規定する「炭化後の密度」とは、炭化後の体積に対する炭化後の重量の割合、すなわち、(炭化後の重量/炭化後の体積)にて示される値であり、図3に示す「炭化後の密度」とは相違する。
Figure 0005492932
図示するように、米松は加熱終了直後から表面及び内部温度が急激に下がりはじめ、加熱開始から約110分後には燃え止まりが確認された。一方、杉は、米松に比べ表面及び内部温度が下がり難く、加熱開始から約6時間経った後でも表面温度が約400℃あり、燃え止まりを確認することはできなかった。この結果と表1に基づき、炭化後の密度が141kg/m以上の部材であれば、燃え止まることを認識し、構造材の外周部に炭化後の密度が141kg/m以上の部材を用いることにより耐火性能が向上すると判断した。
さらに発明者は、米松の集成材を用い、隅角部を2方向から加熱して燃え止まるか否かを検証した。このとき、断面が600mm四方の米松の集成材を用い、1時間加熱した後、炉内に3時間放置後消火した場合と、2時間加熱した後、炉内に6時間放置した後消火した場合とで燃焼状況を比較した。その結果、一方からの加熱を受けた平面部はほとんど燃え残っているが、二方向から加熱された隅角部においては、米松であっても時間とともに残存部が平面部より少なくなることを認識した。このため、隅角部に米松より炭化後の密度が高い部材を配置して耐火性能を高めることとした。
図6は、本実施形態に係る複合構造材の構成及び製造方法の一例を説明するための図である。
本実施形態に係る複合構造材1は、大きく4つの集成材31、32、33、34にて構成されている。図6において、4つの集成材31、32、33、34は、左から順に第1集成材31、第2集成材32、第3集成材33、第4集成材34と呼ぶこととする。本実施形態の複合構造材1は、図6に示すように、基準部材にて形成された単材(以下、基準単材という)と補強部材14にて形成された単材(以下、補強単材という)とが所定の位置に配置され接着剤にて接着されて集成材31、32、33、34が形成されている。このとき、各集成材31、32、33、34は、各々所定方向に14本の矩形材が連ねられて配置されている。ここで、各集成材31、32、33、34の所定方向に連ねられる各部位を矩形材30と呼ぶこととする。すなわち、矩形材30は単材単体の場合と複数の単材が所定方向及び所定方向と交差する方向に接合されている場合とがある。
第1集成材31と第4集成材34との、所定方向における両端から2番目の矩形材31a、34aは、交差方向の幅が第1集成材31及び第4集成材34の幅の半分の基準単材と補強単材とで構成されている。基準単材と補強単材とで構成された4つの矩形材31a、34aは、いずれも基準単材が複合構造材1の外面側に位置するように配置されている。
本実施形態の複合構造材1は、各集成材31、33、33、34における各矩形材30、31a、34aの所定方向の長さが等しく形成され、矩形材30の所定方向の長さを基準長さとして構成されている。第1集成材31と第4集成材34との交差方向の長さは基準長さの2倍であり、第1集成材31と第4集成材34との、所定方向における両端から2番目の矩形材31a、34aを構成する基準単材と補強単材との断面は、四辺が基準長さの正方形である。
また、第2集成材32と第3集成材33の所定方向と交差する方向の長さは、基準長さの5倍であり、形成される複合構造材1は、断面の四辺がいずれも基準長さの14倍の正方形である。
本実施形態に係る複合構造材1を製造する際には、まず、米松でなる基準単材及びジャラでなる補強単材を適宜な位置に配置し接着剤にて接着して、第1〜第4集成材31、32、33、34を形成する。この状態で、第1集成材31の所定方向における両端から2番目の矩形材31aの第2集成材32側及び第4集成材34の所定方向における両端から2番目の矩形材34aの第3集成材33側に補強部材14が設けられている。
次に、形成した第1〜第4集成材31、32、33、34を接着剤にて接着して複合構造材1を形成する。このように、形成することにより荷重支持部10と外周部12とが米松にて形成された構造材の隅角部に補強部材14としてジャラを配置することが可能である。
また、補強部材14がモルタルの場合には、まず、基準単材のみを接着剤にて接着して、補強部材14を除いた第1〜第4集成材を形成する。このとき第1集成材31及び第4集成材34の所定方向における両端から2番目の矩形材31a、34aに相当する位置には、内方側に凹部が形成されている。次に、第1集成材31及び第4集成材34の凹部にモルタルでなる補強部材14を嵌合して第1〜第4集成材31、32、33、34を形成し、形成した第1〜第4集成材31、32、33、34を接着剤にて接着して複合構造材1を形成する。但し、複合構造材1の製造方法は、これらに限らず、集成材の数、及び、単材のサイズ、数等は補強部材14のサイズ、位置等に基づいて適宜変更可能である。
本実施形態の複合構造材1によれば、外周部12に炭化後の密度が141kg/m以上となる米松が設けられており、外周部12が燃焼して炭化した後の密度が比較的高いので、再び燃焼しにくい。このため、炭化後の密度が低い部材にて外周部12が覆われた構造材より高い耐火性能を備えることが可能である。
また、矩形状をなす複合構造材1の断面における隅角部に、外周部12の米松より炭化後の密度が高いジャラが補強部材14として設けられているので、隅角部の耐火性能を向上させることが可能である。例えば、複合構造材1の隅角部に2方向から火炎や熱が加えられたとしても、隅角部に設けられたジャラでなる補強部材14により燃焼しにくいので、隅角部が他の部位より極端に早く燃焼することを防止することが可能であり、より高い耐火性能を備えた複合構造材1を提供することが可能である。
また、補強部材14としてのジャラは、長期荷重を支持するための荷重支持部10より外側に配置されているので、ジャラにより燃焼が抑制され荷重支持部10が燃焼することを抑えることが可能である。たとえ複合構造材1の隅角部に2方向から火炎や熱が加えられたとしても隅角部では荷重支持部10より先に補強部材14が燃焼し始めるので、隅角部だけ先に荷重支持部10が燃焼し始めることを防止することが可能である。
さらに、ジャラは外部に露出しない位置に配置されているので、ジャラの周囲には外周部12の米松が存在する。このため、ジャラの周囲から燃焼し始めてジャラのみを残しその内側だけが燃焼してしまうことを避けることが可能である。すなわち、ジャラだけが燃え残り、荷重支持部10が燃焼してしまうことを抑えることが可能である。また、ジャラが外周部12と荷重支持部10との境界部分に配置されていることにより、ジャラの外周側は炭化後の密度が141kg/m以上となる外周部12により燃焼しにくいので、ジャラの内側に設けられた荷重支持部10が燃焼することを抑制することが可能である。さらに、2方向から火炎や熱が加えられた場合には燃焼しやすくなる隅角部の外周部12と荷重支持部10との境界部分には補強部材14が配置されているので、隅角部も燃焼しにくい構造とすることが可能である。このため、外周部12と補強部材14との内側の領域、すなわち荷重支持部10がより燃焼しにくい複合構造材1を提供することが可能である。
また本実施形態の複合構造材1は、補強部材14を除く、外周部12及びその内側の荷重支持部10が炭化後の密度が141kg/m以上の部材にて構成されているので、複合構造材1の内部まで燃えにくい構造であり、さらに隅角部においても燃えにくい構造としているので、より高い耐火性能を備えた複合構造材1を提供することが可能である。
上記実施形態の複合構造材1は、基準部材として米松を用いた例について説明したが、これに限らず、表1に示すような炭化後の密度が141kg/m以上の、例えば、唐松、ピーラー、ホワイトオーク、ジャラ、セランガンバツ等でも構わない。
また、上記実施形態の複合構造材1は、補強部材14として米松より炭化後の密度が高いジャラを用いた例について説明したが、補強部材14はこれに限るものではない。
表1に示すように、樹種により炭化層密度は相違するので、炭化層密度が141kg/m以上の樹種の中から相対的に低いものを基準部材とし、高いものを補強部材14としてもよい。また、補強部材14としては、例えば、基準部材より熱容量(熱吸収量)が大きな高熱容量材、不燃材にしてかつ断熱性を有する断熱材、難燃処理木材を用いても良い。ここで高熱容量材としては、例えば、モルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント等の無機質材料、各種の金属材料の他、中空矩形断面の金属製のパイプ内に無機材料、液体金属、水、無機水和塩、消石灰等の蓄熱材料を充填して一体化したもの等が挙げられる。また、不燃材にしてかつ断熱性を有する断熱材としては、例えば、珪酸カルシウム板、ロックウール、グラスウール等が挙げられる。
上記実施形態においては、外周部12及び荷重支持部10、すなわち、補強部材14を除く部位が炭化後の密度が141kg/m以上の部材にて形成した例について説明したが、外周部12の内側は炭化後の密度が141kg/mより低い部材、例えば杉等であってもよい。火災等によりまず火炎に晒されるのは複合構造材1の外周部12なので、複合構造材1が燃焼しても外周部12にて燃え止まるため、外周部12の内側であれば、炭化後の密度が141kg/mより低い部材であっても高い耐火性能を備えた複合構造材1を実現することが可能である。また、炭化後の密度が141kg/m以上の部材は比較的高価であるが、外周部12を炭化後の密度が141kg/m以上の部材とし、その内側を炭化後の密度が141kg/mより低い部材とすることによりコストを抑え、かつ、高い耐火性能を備えた複合構造材1を提供することが可能である。また、炭化後の密度が141kg/m以上の部材は重量が大きくなるが、外周部12を炭化後の密度が141kg/m以上の部材とし、その内側を炭化後の密度が141kg/mより低い部材とすることにより軽量化を図ることが可能であり、運搬性及び施工性が良く、高い耐火性能を備えた複合構造材を提供することが可能である。
図7は、補強部材の配置が相違する変形例を示す図である。上記実施形態では複合構造材1の隅角部に断面が正方形の補強部材14を配置した例を示したが、図7(a)に示すように、複合構造材1の隅角部に荷重支持部10の角部の2面に当接するように配置しても良く、また、複合構造材1の隅角部のみならず、図7(b)に示すように荷重支持部10を囲むように全周に補強部材14を配置しても良い。
また、上記実施形態の複合構造材1が、例えばコンクリートの壁16やスラブ18等に接している面を有する柱や梁の場合には、補強部材14は必ずしも4つの隅角部すべてに設ける必要はない。図8は、上面がスラブに当接される梁として用いられた複合構造材を示す断面図である。図8(a)は、断面が正方形の補強部材を備えた例を示す図であり、図8(b)は、荷重支持部の角部の2面に当接するように補強部材を備えた例を示す図であり、図8(c)は、板状の補強部材を備えた例を示す図である。図9は、スラブと壁とに当接される梁として用いられた複合構造材を示す断面図である。図8(a)〜図8(c)に示すように、複合構造材1がコンクリートのスラブ18に接している面を有する梁として用いられる場合には、例えばスラブ18に当接されていない面側の隅角部に補強部材14が備えられていればよい。また、図9に示すように梁の2つの面がコンクリートの壁16やスラブ18に当接されている場合には、壁16やスラブ18に当接されていない隅角部のみに補強部材14が備えられていればよい。
また、図示はしないが、複合構造材1がコンクリートの壁16に接している面を有する柱として用いられる場合には、壁16に当接されていない面側の隅角部に補強部材14が備えられていればよい。
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
なお、以下の事項も開示されている
少なくとも2種類の部材にて構成され、外部に露出する外周部には、炭化後の密度が141kg/m 以上となる部材が設けられていることを特徴とする構造材
このような構造材によれば、炭化後の密度が141kg/m 以上となる部材が設けられた外周部は、燃焼して炭化した後の密度が比較的高いので、再び燃焼しにくい。このため、炭化後の密度が低い部材にて外周部が覆われた構造材より高い耐火性能を備えることが可能である。尚、ここで規定する「炭化後の密度」とは、炭化後の体積に対する炭化後の重量の割合、すなわち、(炭化後の重量/炭化後の体積)にて示される値である
かかる構造材であって、断面が矩形状をなし、前記矩形状の隅角部に前記外周部の部材より炭化後の密度が高い部材、高熱容量材、難燃処理木材または不燃材にして断熱性を有する断熱材からなる補強部材が設けられていることが望ましい
このような構造材によれば、矩形状をなす構造材の断面における隅角部に外周部の部材より炭化後の密度が高い部材、高熱容量材、難燃処理木材または不燃材にして断熱性を有する断熱材からなる補強部材が設けられているので、隅角部の耐火性能を向上させることが可能である。例えば、構造材の隅角部に2方向から火炎や熱が加えられたとしても、隅角部に設けられた補強部材により構造材は燃焼しにくいので、隅角部が他の部位より極端に早く燃焼することを防止することが可能であり、より高い耐火性能を備えた構造材を提供することが可能である
かかる構造材であって、前記補強部材は、長期荷重を支持するに足りる木材からなる荷重支持部より外側に配置されていることが望ましい
このような構造材によれば、荷重支持部より外側に補強部材が配置されているので、補強部材により燃焼が抑制され、荷重支持部が燃焼することを抑えることが可能である。たとえ構造材の隅角部に2方向から火炎や熱が加えられたとしても、隅角部では荷重支持部より先に補強部材が燃焼し始めるので、隅角部だけ先に荷重支持部が燃焼し始めることを防止することが可能である
かかる構造材であって、前記補強部材は、外部に露出しない位置に配置されていることが望ましい
このような構造材によれば、補強部材の脇から燃焼し始めて、補強部材を残してその内側が先に燃焼してしまうことを避けることが可能である
かかる構造材であって、前記補強部材は、外周部と荷重支持部との境界部分に配置されていることが望ましい
このような構造材によれば、外周部は炭化後の密度が141kg/m 以上となる部材により燃焼しにくいので、その内側に設けられた荷重支持部が燃焼することを抑制することが可能である。さらに、2方向から火炎や熱が加えられた場合には燃焼しやすくなる隅角部の外周部と荷重支持部との境界部分には補強部材が配置されているので、隅角部も燃焼しにくい構造とすることが可能である。このため、外周部と補強部材との内側の領域、すなわち荷重支持部がより燃焼しにくい構造材を提供することが可能である
かかる構造材であって、前記外周部の内側は、炭化後の密度が141kg/m より低い部材であることが望ましい
このような構造材によれば、外周部の内側が炭化後の密度が141kg/m より低い部材であっても耐火性の高い構造材を実現することが可能である。また、炭化後の密度が141kg/m 以上の部材は比較的高価であるが、外周部を炭化後の密度が141kg/m 以上の部材とし、その内側を炭化後の密度が141kg/m より低い部材とすることによりコストを抑え、かつ、高い耐火性能を備えた構造材を提供することが可能である。また、炭化後の密度が141kg/m 以上の部材は重量が大きいが、外周部を炭化後の密度が141kg/m 以上の部材とし、その内側を炭化後の密度が141kg/m より低い部材とすることにより軽量化を図りつつ、高い耐火性能を備えた構造材を提供することが可能である
かかる構造材であって、前記補強部材を除く部位は同一の部材にて構成されていてもよい
このような構造材によれば、補強部材を除く、構造材の外周部及びその内側の荷重支持部が炭化後の密度が141kg/m 以上の部材にて構成されているので、構造材の内部まで燃えにくい構造であり、さらに隅角部においても燃えにくい構造としているので、より高い耐火性能を備えた構造部材を提供することが可能である。また、補強部材以外は同一の部材という簡単な構成なので、製造性を向上させることが可能である
また、上記構造材が、柱、梁、又は壁等の建築構造材の全部又は一部として用いられていることを特徴とする建築物
このような建築物によれば、柱、梁、又は壁等の建築構造材の全部又は一部として、上記構造材が用いられているので、柱、梁、又は壁等が燃え難く、耐火性に優れた建築物を提供することが可能である
1 複合構造材、10 荷重支持部、12 外周部、
14 補強部材、16 壁、18 スラブ、
30 矩形材、31 第1集成材、31a 矩形材、
32 第2集成材、33 第3集成材、
34 第4集成材、34a 矩形材

Claims (2)

  1. 長期荷重を支持するに足りる木材からなる荷重支持部と、
    前記荷重支持部よりも外側にて外部に露出する外周部と、
    前記荷重支持部よりも外側の隅角部にて、外部に露出しない位置に配置された補強部材と、を備え、
    前記補強部材は、前記外周部の部材より炭化後の密度が高い部材、前記外周部の部材よりも熱容量が大きい高熱容量材、難燃処理木材、または不燃材にして断熱性を有する断熱材からなり、
    前記補強部材は、前記隅角部のみに設けられており、
    前記外周部は、炭化後の密度が141kg/m 以上となる部材にて構成されており、
    前記荷重支持部は、炭化後の密度が141kg/m より低い部材にて構成されていることを特徴とする構造材。
  2. 請求項1に記載の構造材が、柱、梁、又は壁等の建築構造材の全部又は一部として用いられていることを特徴とする建築物。
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