JP6391001B2 - 耐火集成材 - Google Patents

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本発明は、荷重を支持するための集成材からなる芯材と、この芯材の外側に設けられる燃え止まり層とを備える耐火集成材に関するものである。
木材は一般に、多くの長所を持っている。主なものとして、調湿性、衝撃安全性、断熱性、心身不調の低減、香りによるリラックス効果、わくわく感の向上、子供たちの情緒安定性の向上等があげられる。また、鉄骨といった既存の部材と比較し、トータルとしてのCOの削減にも効果があり、有効利用が急務となっている。特に、間伐材などから製造した単板を利用した集成材は、構造的な性能も一様になり易く、比較的安定した供給も可能であり、活用が一段と増すものと考えられる。
一方、こうした集成材をはじめとする木材の最大の弱点が燃えてしまうことである。このため、壁・床・柱・梁等の木造部材は、燃え代分を見込んで燃え代設計が従来行われてきた。また、火災に面していない裏面の温度上昇を抑えるためにも、部材の厚みを増す方法は有効となる。しかし、その分、大きくなる部材は、コスト高、重量増、室の有効面積の低減を誘発する方向にあった。
さらに、1時間やそれ以上の耐火の性能として、燃え止まることが要求されるようになり、基準が一段と厳しいものとなった。このため、木造部材の厚みを増すだけでは対応が難しい。そこで、例えば図11に示すように、燃え代層3の部分を厚くした上で芯材である荷重支持層1との間に、モルタル層からなる燃え止まり層2を入れた方式(例えば、特許文献1を参照)や、図12に示すように、燃え代層3と芯材である荷重支持層1との間に、同じ石膏ボード4を幾重にも重ねて入れた方式(例えば、特許文献2を参照)などが提案されるようになり、燃え止まりが確保できるようになってきている。
特許第4857034号公報 特許第4359275号公報
しかしながら、図11、図12のような方式によっても、部材が大きくなることは避けられず、コスト高、重量増、室の有効面積の低減等の問題を解決することはできない。このため、耐火性能を高めることにより、部材のスリム化を図ることができて、コスト高、重量増、室の有効面積の低減等の問題を解決することのできる耐火集成材の開発が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、部材のスリム化を図ることのできる耐火集成材を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る耐火集成材は、荷重を支持する集成材からなる芯材と、芯材の外側に設けられ、断熱性を有し、不燃木材からなる第1燃え止まり層と、第1燃え止まり層の目地に接する部分に設けられ、加熱により増厚して断熱性を発現する目地部材とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の耐火集成材は、上述した発明において、芯材の外側に設けられ、吸熱性および断熱性を有する無機質材料からなる第2燃え止まり層をさらに備え、第2燃え止まり層は、第1燃え止まり層の内側に設けられ、目地部材は、第1燃え止まり層の目地に接する第2燃え止まり層に設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る他の耐火集成材は、上述した発明において、第1燃え止まり層の外側に設けられる仕上げ材をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他の耐火集成材は、上述した発明において、目地部材を、シート状または液状のもので構成したことを特徴とする。
本発明に係る耐火集成材によれば、荷重を支持する集成材からなる芯材と、芯材の外側に設けられ、断熱性を有し、不燃木材からなる第1燃え止まり層と、第1燃え止まり層の目地に接する部分に設けられ、加熱により増厚して断熱性を発現する目地部材とを備える。ここで、第1燃え止まり層は、耐火性を有する被覆層ということができ、内側の芯材への燃焼の進行を遅らせる機能を有する。また、目地部材は、不燃木材からなる第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等により第1燃え止まり層の目地に生じることがある隙間を埋める機能を有する。目地部材によって、第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間が塞がれ、第1燃え止まり層の断熱性能が維持される結果、第1燃え止まり層の層厚を薄くしても、火災時の断熱性を確保することができ、例えば、少なくとも1時間耐火の性能を確保可能である。また、燃え止まり層の厚さを薄くできるので、同じ断面積の芯材を有する耐火仕様の部材において、部材全体の断面積を小さくできる。したがって、本発明によれば、所定の耐火性能を有しつつ、部材のスリム化が図られた耐火集成材を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、芯材の外側に設けられ、吸熱性および断熱性を有する無機質材料からなる第2燃え止まり層をさらに備え、第2燃え止まり層は、第1燃え止まり層の内側に設けられ、目地部材は、第1燃え止まり層の目地に接する第2燃え止まり層に設けられるので、第2燃え止まり層に目地部材を設けた場合でも、第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間を埋めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、第1燃え止まり層の外側に設けられる仕上げ材をさらに備えるので、第1燃え止まり層の外側に仕上げ材を設けた場合であっても、目地部材によって第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間を埋めることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、目地部材を、シート状または液状のもので構成したので、目地部材を第1燃え止まり層の目地に接する部分に設ける際に、第1燃え止まり層の目地に接する部分への貼付または塗布などにより容易に施工することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1を示す概略断面図である。 図2は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1を示す概略斜視断面図である。 図3は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1の作用を説明する側断面図である。 図4は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1の作用を説明する側断面図である。 図5は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1の作用を説明する側断面図である。 図6は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態2を示す概略断面図である。 図7は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態2を示す概略斜視断面図である。 図8は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態2の変形例を示す概略断面図である。 図9は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態1の変形例を示す概略断面図である。 図10は、本発明に係る耐火集成材の実施の形態2の変形例を示す概略断面図である。 図11は、従来の特許文献1に記載されている部材の一例を示す断面図である。 図12は、従来の特許文献2に記載されている部材の一例を示す断面図である。
以下に、本発明に係る耐火集成材の実施の形態(実施の形態1、2)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施の形態1]
まず、本発明の実施の形態1について図1〜図5を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、本実施の形態1に係る耐火集成材10は、芯材12と、第2燃え止まり層14と、第1燃え止まり層16と、仕上げ材18と、目地部材20とを備えるものである。
芯材12は、荷重を支持する集成材(木材)からなる。芯材12としては、例えばスギやカラマツ等からなる一般的な集成材を用いて構成することができる。
第2燃え止まり層14は、耐火性を有する被覆層であり、芯材12の外側に設けられ、吸熱性および断熱性を有する無機質材料からなるものである。この第2燃え止まり層14は、火災時においては、外側の第1燃え止まり層16が火災によりその機能を失った後であっても、隣接する内側の芯材12への熱の伝達を防止し、芯材12を炭化や燃焼させない機能を持っており、芯材12への熱伝導を抑制する作用を発揮する。第2燃え止まり層14をなす無機質材料としては、強化石膏ボード、石膏ボード、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)等のボード状の材料を用いることができる。また、その厚さは、用途に応じて適宜調整可能である。厚くすると、熱伝導を抑制する効果は向上する。これらのボードは、重ねて所定の厚さにしてもよい。ここで、強化石膏ボード、石膏ボード、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)等の材料は、極めて安価に入手できるとともに、高い断熱性と吸熱性とを有することから、第2燃え止まり層14として好適である。
第1燃え止まり層16は、耐火性を有する被覆層であり、第2燃え止まり層14の外側に設けられるものである。この第1燃え止まり層16は、火災時においては、その断熱性により隣接する内側の第2燃え止まり層14への燃焼の進行を遅らせる機能を持ち、第2燃え止まり層14への熱伝導を抑制する作用を発揮する。この第1燃え止まり層16としては、燃えにくい不燃性の材料、例えば木材にホウ酸等の薬剤を含浸させて不燃処理した不燃木材を用いることができる。また、第1燃え止まり層16の厚さは用途に応じて適宜調整可能であるが、例えば15mm〜45mm程度とするのが好ましく、30mm程度とするのがより好ましい。
このように、上記の燃え止まり層14、16は、耐火性を有する被覆層ということができ、外側の第1燃え止まり層16は内側の第2燃え止まり層14への燃焼の進行を遅らせる機能を持っている。また、内側の第2燃え止まり層14は、外側の第1燃え止まり層16が火災により上記機能を失った後に、芯材12への熱の伝達を防止し、芯材12を炭化や燃焼させない機能を持つものである。
仕上げ材18は、木材からなり、第1燃え止まり層16の外側に木質感を付与するために設けられる。したがって、耐火集成材10の外表面18aは、この仕上げ材18によって木質感や木目調の外観を呈している。仕上げ材18は、木材や集成材等の木質材料であることが望ましいが、クロス材等の建築用仕上げ材を用いてもよい。仕上げ材18の厚さは、例えば3mm〜30mm程度とすることが好ましいが、もちろん、これよりも薄くして、燃え代としてほとんど機能しないように構成しても構わない。
目地部材20は、第1燃え止まり層16の横目地22(目地)に接する部分に設けられ、加熱により増厚して断熱性を発現するものである。この目地部材20は、不燃木材からなる第1燃え止まり層16の熱収縮や崩落等により第1燃え止まり層16の横目地22に生じることがある隙間を埋める機能を有する。この目地部材20によって、第1燃え止まり層16の熱収縮や崩落等による横目地22の隙間が塞がれ、第1燃え止まり層16の断熱性能が維持される結果、第1燃え止まり層16の層厚を薄くしても、火災時の断熱性を確保することができ、例えば、少なくとも1時間耐火の性能を確保可能である。
この目地部材20の作用について図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、目地部材20がなく、熱収縮や崩落等により上下間の第1燃え止まり層16の横目地22に隙間24が生じた場合の耐火集成材の側断面図、図4は、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分に、あらかじめ目地部材20を設けた場合の加熱前の耐火集成材の側断面図、図5は、加熱後の耐火集成材の側断面図である。いずれの図も仕上げ材18の図示を省略している。
図3に示すように、仮に目地部材20がない場合には、熱収縮や崩落等により第1燃え止まり層16の横目地22に上下方向の隙間24が生じる。この隙間24は、例えば20mm程度の高さになることがある。この隙間24によって、第1燃え止まり層16および第2燃え止まり層14の断熱性が低下し、芯材12に炭化を発生させるような事態が生じることがある。このような事態を未然に防止するため、例えば、第2燃え止まり層14の厚みを増すなどの対策をとることがある。しかしながら、このような対策では、部材断面積の増大を招くこととなる。そこで、図4に示すように、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分を切削すること等によって形成した凹部などに、本発明の目地部材20を設ける。加熱時には、図5に示すように、目地部材20は増厚して熱収縮や崩落等による隙間を埋めるように作用することから、目地部材20は隙間の発生を防止して第1燃え止まり層16の断熱性能を維持することや、スリム化が図られた部材の大きさを維持することに寄与する。
目地部材20は、熱を受けると発泡して著しく厚みを増し、断熱性を発現するシート状または液状の発泡性断熱材で構成することができる。こうすることで、目地部材20を第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分に設ける際に、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分への貼付または塗布などにより容易に施工することができる。なお、シート状または液状の目地部材20を、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分に例えば1〜5mm程度埋め込むようにして施工してもよい。
目地部材20は、図4および図5の左上部分に示すように、横目地22で突き合わせ配置した上下の第1燃え止まり層16の対向する上下端部にそれぞれ設けてもよい。また、図4および図5の左下部分に示すように、横目地22で突き合わせ配置した上下の第1燃え止まり層16のうち下側の第1燃え止まり層16の上端部のみに設けてもよい。つまり、上下の第1燃え止まり層16のいずれか一方の上端部または下端部に設けてもよい。このようにしても、熱収縮や崩落等による隙間を埋めることができる。
また、目地部材20は、図4および図5の右上部分に示すように、第1燃え止まり層16の外側に仕上げ材18がなく、第1燃え止まり層16の外表面が仕上げ材としての機能を兼ねる場合には、第1燃え止まり層16の内側(芯材12に近い側)に部分的に設けてもよい。このようにすると、目地部材20は第1燃え止まり層16の外表面から見えなくなる。また、図4および図5の右下部分に示すように、第1燃え止まり層16ではなく、第1燃え止まり層16に接面する第2燃え止まり層14の外表面の一部を切削等して凹部を作り、この凹部に目地部材20を設けてもよい。この場合、熱収縮や崩落等時に想定される隙間の高さに対応したシート状のものや液状のものを埋め込み設置してもよい。このようにしても、熱収縮や崩落等による隙間を埋めることができる。
このように、本実施の形態1の耐火集成材10によれば、燃え止まり層が、第2燃え止まり層14と第1燃え止まり層16とによる機能・材料の異なる2層からなり、第1燃え止まり層16の目地に接する部分には目地部材20が設けられる。この構成によれば、目地部材20によって、第1燃え止まり層16の目地の開き(隙間)の発生が防止され、第1燃え止まり層16の断熱性能が維持される結果、第2燃え止まり層14および第1燃え止まり層16の層厚を薄くしても、火災時の断熱性を確保することができ、例えば、少なくとも1時間耐火の性能を確保可能である。また、燃え止まり層全体の厚さを薄くできるので、同じ断面積の芯材を有する耐火仕様の部材において、部材全体の断面積を小さくできる。したがって、本実施の形態1によれば、所定の耐火性能を有しつつ、部材のスリム化が図られた耐火集成材を提供することができる。
さらに、本実施の形態1によれば、耐火集成材の断面積に占める芯材による木材部分の面積を大きくすることができるので、同じ断面積の耐火仕様の部材において、特に構造上重要な芯材部分に木材を多く使用できる。しかも、本実施の形態1の耐火集成材は、現場で加工が可能であるとともに、施工性が良く、木質感が損なわれない。この耐火集成材を用いれば、木造架構の自由度を高めることができる。また、外側に設ける第1燃え止まり層16として、無機質の不燃木材を使用できるため、耐候性がよい。また、第2燃え止まり層14として、低コストで調達可能な強化石膏ボード、石膏ボード、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)等を使用できるため、製作コストを安価に抑えることができる。したがって、本実施の形態1によれば、部材のスリム化を図ることができて、コスト高、重量増、構造材の断面積、室の有効面積の低減といった問題を解決することが可能である。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について図6および図7を参照しながら説明する。
図6および図7に示すように、本実施の形態2に係る耐火集成材100は、芯材12と、芯材12の外側に設けた第1燃え止まり層16と、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分に設けた目地部材20とを備えるものである。芯材12、目地部材20は、上記の実施の形態1で説明したものと同様のものであることから、これらについての詳細な説明は省略する。
本実施の形態2の第1燃え止まり層16は、耐火性を有する被覆層であり、断熱性を有し、耐火集成材100に木目調の外観や木質感を付与する仕上げ材としての機能も兼ねている。したがって、耐火集成材100の外表面16aはこの第1燃え止まり層16によって木目調の外観を呈している。必要に応じて、この外側に仕上げ材を設けてもよい。この第1燃え止まり層16としては、外面側が木目調の外観や木質感を呈するような燃えにくい不燃性の材料、例えば木材にホウ酸等の薬剤を含浸させて不燃処理した不燃木材を用いることができる。
第1燃え止まり層16は、耐火性を有する被覆層ということができ、内側の芯材12への燃焼の進行を遅らせる機能を持っている。このように、本実施の形態2の耐火集成材100によれば、第1燃え止まり層16と、第1燃え止まり層16の横目地22に接する部分に設けた目地部材20とからなる。この構成によれば、目地部材20によって、熱収縮や崩落等時の第1燃え止まり層16の横目地22における開き(隙間)の発生が防止され、第1燃え止まり層16の断熱性能が維持される結果、第1燃え止まり層16の層厚を薄くしても、火災時の断熱性を確保することができ、例えば、少なくとも1時間耐火の性能を確保可能である。また、燃え止まり層全体の厚さを薄くできるので、同じ断面積の芯材を有する耐火仕様の部材において、部材全体の断面積を小さくできる。したがって、本実施の形態2によれば、所定の耐火性能を有しつつ、部材のスリム化が図られた耐火集成材を提供することができる。
さらに、本実施の形態2によれば、耐火集成材の断面積に占める芯材による木材部分の面積を大きくすることができるので、同じ断面積の耐火仕様の部材において、特に構造上重要な芯材部分に木材を多く使用できる。しかも、本実施の形態2の耐火集成材は、現場で加工が可能であるとともに、施工性が良く、木質感が損なわれない。この耐火集成材を用いれば、木造架構の自由度を高めることができる。また、外側に設ける第1燃え止まり層16として、無機質の不燃木材を使用できるため、耐候性がよい。したがって、本実施の形態2によれば、部材のスリム化を図ることができて、重量増、構造材の断面積、室の有効面積の低減といった問題を解決することが可能である。
上記の実施の形態2において、図8に示すように、第1燃え止まり層16の外側にさらに仕上げ材18を設けることにより耐火集成材101を構成してもよい。このようにしても、上記の実施の形態2と同一の作用効果を奏することができる。
なお、上記の実施の形態1および2では、独立柱を想定した場合の耐火集成材の構成について説明したが、本発明はこれに限るものではない。つまり本発明に係る耐火集成材を、耐火性能を有する他の平面部材、例えば鉄筋コンクリート製スラブや防火壁等に接する形態で使用してもよい。この場合、すなわち梁や壁付き柱として使用する場合には、例えば図9および図10に示すように、床スラブまたは壁である平面部材28に接する部分の燃え止まり層および目地部材20は省略することもできる。
以上説明したように、本発明に係る耐火集成材によれば、荷重を支持する集成材からなる芯材と、芯材の外側に設けられ、断熱性を有し、不燃木材からなる第1燃え止まり層と、第1燃え止まり層の目地に接する部分に設けられ、加熱により増厚して断熱性を発現する目地部材とを備える。ここで、第1燃え止まり層は、耐火性を有する被覆層ということができ、内側の芯材への燃焼の進行を遅らせる機能を有する。また、目地部材は、不燃木材からなる第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等により第1燃え止まり層の目地に生じることがある隙間を埋める機能を有する。目地部材によって、第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間が塞がれ、第1燃え止まり層の断熱性能が維持される結果、第1燃え止まり層の層厚を薄くしても、火災時の断熱性を確保することができ、例えば、少なくとも1時間耐火の性能を確保可能である。また、燃え止まり層の厚さを薄くできるので、同じ断面積の芯材を有する耐火仕様の部材において、部材全体の断面積を小さくできる。したがって、本発明によれば、所定の耐火性能を有しつつ、部材のスリム化が図られた耐火集成材を提供することができる。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、芯材の外側に設けられ、吸熱性および断熱性を有する無機質材料からなる第2燃え止まり層をさらに備え、第2燃え止まり層は、第1燃え止まり層の内側に設けられ、目地部材は、第1燃え止まり層の目地に接する第2燃え止まり層に設けられるので、第2燃え止まり層に目地部材を設けた場合でも、第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間を埋めることができる。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、第1燃え止まり層の外側に設けられる仕上げ材をさらに備えるので、第1燃え止まり層の外側に仕上げ材を設けた場合であっても、目地部材によって第1燃え止まり層の熱収縮や崩落等による目地の隙間を埋めることができる。
また、本発明に係る他の耐火集成材によれば、目地部材を、シート状または液状のもので構成したので、目地部材を第1燃え止まり層の目地に接する部分に設ける際に、第1燃え止まり層の目地に接する部分への貼付または塗布などにより容易に施工することができる。
以上のように、本発明に係る耐火集成材は、荷重を支持するための集成材からなる芯材と、この芯材の外側に設けられる燃え止まり層とを備える耐火集成材に有用であり、特に、部材のスリム化を図るのに適している。
10,100,101 耐火集成材
12 芯材
14 第2燃え止まり層
16 第1燃え止まり層
18 仕上げ材
18a,16a 外表面
20 目地部材
22 横目地(目地)
24 隙間
28 平面部材(床スラブまたは壁)

Claims (3)

  1. 荷重を支持する集成材からなる芯材と、
    芯材の外側に設けられ、断熱性を有し、不燃木材からなる第1燃え止まり層と、
    第1燃え止まり層の目地に接する部分に設けられ、加熱により増厚して断熱性を発現する目地部材とを備えることを特徴とする耐火集成材。
  2. 芯材の外側に設けられ、吸熱性および断熱性を有する無機質材料からなる第2燃え止まり層をさらに備え、
    第2燃え止まり層は、第1燃え止まり層の内側に設けられ、
    目地部材は、第1燃え止まり層の目地に接する第2燃え止まり層に設けられることを特徴とする請求項1に記載の耐火集成材。
  3. 第1燃え止まり層の外側に設けられる仕上げ材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の耐火集成材。
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