JP2024065013A - 耐火被覆材、及び、これを適用した木造構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐火被覆材、及び、これを適用した木造構造体に関する。
木材は、大気中の二酸化炭素が固定された材料とみることができるため、近年、カーボンニュートラルの観点から注目を浴び、建築物の構造材に積極利用する機運が高まっている。建築物の構造材に木材を用いる場合、耐火性能が求められる。例えば、床材の場合は上層4層までは1時間耐火、それより下層は2時間耐火が求められる。壁材の場合は、階数によらず、非耐力壁の場合は1時間耐火、耐力壁の場合は2時間耐火が求められる。
耐火性能を付与するために、不燃性の石膏ボード等を用いたり(例えば特許文献1)、難燃処理薬剤を含浸させた木材を用いたり(例えば非特許文献1)する例がある。
原田寿郎ら、「難燃処理木質パネルで被覆したCLT床の2時間耐火加熱試験結果」、日本建築学会大会学術講演梗概集、2018年9月、273~274頁
しかしながら、不燃性材料(石膏、モルタル等)は一般に重量が重く、取扱いに難がある。他方、木材に難燃処理薬剤を含浸させることは、手間や経済的負担が大きい。これらの事情に鑑み、本発明は、従来の耐火被覆材よりも軽く、製造が容易な耐火被覆材を提供することを目的とする。また、これを適用した木造構造体を提供することを目的とする。
本発明は、木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、耐火対象物への適用時に耐火対象物側へ向けられる木材層と、木材層の面のうち耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、を備え、木材層を構成する木材の密度が400kg/m3以上であり、発泡性耐火層の厚さが0.3mm以上である、耐火被覆材を提供する。
ここで、発泡性耐火層の厚さは1.6mm以上であってもよい。
また、本発明は、木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、耐火対象物への適用時に耐火対象物側へ向けられる木材層と、木材層の面のうち耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、を備え、木材層を構成する木材の密度が400kg/m3未満であり、発泡性耐火層の厚さが0.6mm以上である、耐火被覆材を提供する。
ここで、発泡性耐火層の厚さは1.6mm以上であってもよい。
以上に示した耐火被覆材は、火災の熱によって発泡性耐火層が発泡して膨張し、断熱効果を発揮する。加熱され続けると木材層が燃えて炭化し、木材層の内部において、炭化が耐火対象物側へ徐々に広がっていくが、厚さ方向の全てが燃えることはなく、火災の鎮火後しばらくして木材層の内部で燃え止まる。木材層を構成する木材の密度と発泡性耐火層の厚さとを上記の関係を満たすようにすることで、1時間耐火、又は、2時間耐火の性能が発揮される。
ここで、発泡性耐火層は火災時に体積が膨張して機能するので、平時の厚さを薄くすることができる。また、木材は密度が大きいほど燃えにくい傾向があるので、木材層を密度が大きい木材で構成した場合は木材層の厚さを薄くすることができる。他方、木材層を密度が小さい木材で構成した場合は比較的燃えやすいので木材層の厚さを厚くする必要があるが、木材の密度が小さいために全体の重量はたいして重くならない。そして、この耐火被覆材は構成が単純であるので、製造が容易である。
この耐火被覆材は、発泡性耐火層上に化粧板を備えていてもよい。耐火被覆材が化粧板を備えていると、平時には表面の美観が発揮され、火災時には炭化して、炎が発泡性耐火層に到達するまでの防火壁として機能する。
この耐火被覆材において、発泡性耐火層は、シート状に成形されたものであり、発泡性耐火層は、粘着材料又は接着材料で木材層に積層されるとともに、木材層を貫通しない長さを有する固定部材を発泡性耐火層側から打ち込むことにより木材層に固定されていてもよい。
また、本発明は、木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、耐火対象物への適用時に耐火対象物側へ向けられる木材層と、木材層の面のうち耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、発泡性耐火層の木材層とは反対側の面に設けられた化粧板と、を備え、木材層及び化粧板を構成する木材の密度がいずれも400kg/m3以上であり、発泡性耐火層の厚さが0.3mm以上である、耐火被覆材を提供する。
ここで、発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上であり、化粧板の厚さが35mm以下であってもよい。
また、本発明は、木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、耐火対象物への適用時に耐火対象物側へ向けられる木材層と、木材層の面のうち耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、発泡性耐火層の木材層とは反対側の面に設けられた化粧板と、を備え、木材層及び化粧板を構成する木材の密度がいずれも400kg/m3未満であり、木材層の厚さが35mm以上であり、発泡性耐火層の厚さが0.6mm以上である、耐火被覆材。
ここで、木材層の厚さが55mm以上であり、発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上であってもよい。
以上に示した耐火被覆材は、上記と同様の作用により、1時間耐火、又は、2時間耐火の性能が発揮される。また、化粧板を備えていることにより、熱が発泡性耐火層に到達するまでの時間を延長させることができる。
この耐火被覆材では、化粧板の側から、木材層にまで到達する固定部材が打ち込まれていてもよい。化粧板を木材層に固定するために、固定部材を打ち込むことがある。固定部材の熱伝導性が高い場合、固定部材が熱橋となり、木材層、更には耐火対象物が焦げる原因となる。したがって、固定部材を打ち込む際は化粧板の側から打ち込むことが好ましい。
この耐火被覆材において、木材層は内部が難燃処理されていなくてもよい。
また、本発明は、木造の耐火対象物と、この耐火対象物に対して上記の耐火被覆材が適用されてなる木造構造体を提供する。
本発明によれば、従来の耐火被覆材よりも軽く、製造が容易な耐火被覆材を提供することができる。また、これを適用した木造構造体を提供することができる。
本発明は、火災時に木造の耐火対象物が燃えないようにするために、当該耐火対象物を被覆する耐火被覆材である。木造の耐火対象物としては、例えば建築物の躯体を構成する直交集成板(CLT)が挙げられる。躯体がCLTで構成された建築物の内部で火災が発生したとき、炭化が躯体まで到達しないように対策を施すことは、建築物の倒壊を防止するために重要である。
耐火被覆材としては、所望の耐火性能を発揮することのほか、重量が軽く、製造が容易であることが望ましい。本発明は、これを達成するべく完成されたものである。以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
<第一の実施形態>
図1に示されているとおり、本実施形態の耐火被覆材1(1A,1B)は、平板状をなす木材層2と、木材層2の片面に設けられた発泡性耐火層3とを備えている。耐火被覆材1を床、壁、天井、柱又は梁に設置するときは、図2に示されているとおり、木造の耐火対象物(例えばCLT)4を被覆するべく、木材層2側を耐火対象物4側へ向ける。このとき、耐火対象物4が露出しないように、耐火対象物4の延在幅全てにわたって複数枚の耐火被覆材1を隙間なく設置する。このようにして、耐火対象物4が耐火被覆材1で覆われた木造構造体10が構成される。
図1に示されているとおり、本実施形態の耐火被覆材1(1A,1B)は、平板状をなす木材層2と、木材層2の片面に設けられた発泡性耐火層3とを備えている。耐火被覆材1を床、壁、天井、柱又は梁に設置するときは、図2に示されているとおり、木造の耐火対象物(例えばCLT)4を被覆するべく、木材層2側を耐火対象物4側へ向ける。このとき、耐火対象物4が露出しないように、耐火対象物4の延在幅全てにわたって複数枚の耐火被覆材1を隙間なく設置する。このようにして、耐火対象物4が耐火被覆材1で覆われた木造構造体10が構成される。
木材層2は、内部で炭化の進行が止まる燃え止まり層として機能する層であり、火災中でもその厚さ方向に全てが燃え尽くされることがない厚さに設計される。一般に、木材は密度が大きいほうが熱伝導が遅く、燃えにくい。木材層2を構成する木材は、密度が400kg/m3以上であることが好ましく、450kg/m3以上であることがより好ましく、480kg/m3以上であることが更に好ましい。上限値としては、600kg/m3、580kg/m3、550kg/m3が挙げられる。このような密度を有する木材としては、カラマツ、ヒノキ、モミ、ヒバ、ホワイトパイン、エゾマツ、クスノキ、アカマツ等が挙げられる。資源の豊富さ、及び、市場価格の面から、カラマツが好適である。
木材層2を構成する木材は、密度が400kg/m3未満であってもよい。この密度は、390kg/m3未満であってもよく、380kg/m3未満であってもよい。密度の下限値としては、250kg/m3、270kg/m3、290kg/m3が挙げられる。このような密度を有する木材としては、スギ、キリ、クロマツ等が挙げられる。密度が小さい木材を選択した場合は、密度が大きい木材を選択した場合と比べて木材層2を厚くする必要がある。資源の豊富さ、及び、市場価格の面から、スギが好適である。
木材層2は、図1(A)に示されているとおり、一つの無垢材からなっていてもよい。また、木材層2は複数の層からなっていてもよい。また、図1(B)に示されているとおり、木材層2は、無垢材である角材2aを複数本寄せ集めて互いに接着剤で接着し、全体として平板状としたものであってもよい。また、複数種の木材を組み合わせて構成してもよい。複数種の木材を組み合わせて構成した場合、上記の密度については木材層2全体としての重量と体積とから計算したものとする。
木材層2は、その内部を難燃処理する必要はない。例えば従来、木材をインサイジング処理して難燃処理薬剤を木材全体に含浸させることで難燃性を高める方法があるが、本実施形態での木材層2は、そのような処理を必要としない。
発泡性耐火層3は、発泡性を有する耐火剤を含んで構成された層である。耐火剤としては、ポリリン酸アンモニウムが挙げられる。
発泡性耐火層3の形成方法としては、例えば耐火剤が固体である場合、耐火剤を樹脂に分散させて塗布液を調製し、これを木材層2に塗布する方法が挙げられる。樹脂を硬化させる方法としては、風乾、加熱、紫外線照射等が挙げられる。この方法により、木材層2の片面に直接接する発泡性耐火層3を積層することができる。
また、発泡性耐火層3は、あらかじめシート状に成形したものを木材層2に積層して形成させてもよい。シート状に成形する場合も、耐火剤を樹脂に分散させた液を調製することが好ましく、これを所定の空間に流し込んでシート状に成形することができる。シート状の発泡性耐火層3を木材層2に積層する方法としては、シートの裏に粘着材料又は接着材料からなる層を設けて木材層2に貼り合わせる方法、シート側からビス等の固定部材を打ち込むことで木材層2に固定する方法、及び、これらを併用する方法が挙げられる。なお、固定部材を打ち込む際は、耐火対象物まで到達しないよう、木材層2の厚さよりも短い長さ(木材層2を貫通しない長さ)を有する固定部材を用いることが好ましい。この方法により、木材層2の片面に、他の耐火層を介することなく発泡性耐火層3を積層することができる。
発泡性耐火層3の厚さは、要求される耐火時間と、木材層2を構成する木材の密度との兼ね合いで決める。例えば、1時間耐火を要する場合、かつ、木材層2を構成する木材の密度が400kg/m3以上である場合は、発泡性耐火層3の厚さは0.3mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは0.4mm以上であってもよく、0.6mm以上であってもよい。この上限値としては、2.5mmであってもよく、2.0mmであってもよく、1.5mmであってもよい。また例えば、1時間耐火を要する場合、かつ、木材層2を構成する木材の密度が400kg/m3未満である場合は、発泡性耐火層3の厚さは0.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは0.7mm以上であってもよく、0.8mm以上であってもよい。この上限値としては、3.0mmであってもよく、2.5mmであってもよく、2.0mmであってもよい。
また例えば、2時間耐火を要する場合、かつ、木材層2を構成する木材の密度が400kg/m3以上である場合は、発泡性耐火層3の厚さは1.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは1.8mm以上であってもよく、2.0mm以上であってもよい。この上限値としては、3.5mmであってもよく、3.0mmであってもよく、2.5mmであってもよい。また例えば、2時間耐火を要する場合、かつ、木材層2を構成する木材の密度が400kg/m3未満である場合は、発泡性耐火層3の厚さは1.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは1.8mm以上であってもよく、2.0mm以上であってもよい。この上限値としては、4.5mmであってもよく、3.5mmであってもよく、3.0mmであってもよい。
木材層2の厚さは、発泡性耐火層3の厚さと、要求される耐火時間と、木材の密度との兼ね合いで決める。例えば、木材の密度が400kg/m3以上であって、1時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。また例えば、木材の密度が400kg/m3未満であって、1時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。いずれの場合も、木材層2の厚さの下限値としては、20mm、30mm、40mm、45mm、50mmが挙げられる。
また例えば、木材の密度が400kg/m3以上であって、2時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。また例えば、木材の密度が400kg/m3未満であって、2時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは130mm以下であってもよく、120mm以下であってもよく、110mm以下であってもよく、100mm以下であってもよく、90mm以下であってもよい。いずれの場合も、木材層2の厚さの下限値としては、20mm、30mm、40mm、45mm、50mmが挙げられる。
<第二の実施形態>
図3に示されているとおり、耐火被覆材1(1C)は、発泡性耐火層3上に化粧板5を備えていてもよい。化粧板5は木製であり、木材の種類としては木材層2と同様のものであってよい。化粧板5の厚さは、後述するとおり、使用する木材の種類や要求される耐火時間によって異なる。発泡性耐火層3が塗布液を木材層2に塗布する方法で形成されている場合は、その接着性を利用して化粧板5を接着させることができる。発泡性耐火層3がシート状に成形されたものである場合は、化粧板5側からビス等の固定部材を打ち込むことで固定することが好ましい。この固定処理は、発泡性耐火層3の接着性を利用して化粧板5を接着した場合でも行うことができる。固定部材を打ち込む固定をする場合、火災時に固定部材が熱橋となることを防止するべく、化粧板5を座彫りしたうえで固定部材を打ち込み、固定部材の頭を露出させないように木栓をすることが好ましい。
図3に示されているとおり、耐火被覆材1(1C)は、発泡性耐火層3上に化粧板5を備えていてもよい。化粧板5は木製であり、木材の種類としては木材層2と同様のものであってよい。化粧板5の厚さは、後述するとおり、使用する木材の種類や要求される耐火時間によって異なる。発泡性耐火層3が塗布液を木材層2に塗布する方法で形成されている場合は、その接着性を利用して化粧板5を接着させることができる。発泡性耐火層3がシート状に成形されたものである場合は、化粧板5側からビス等の固定部材を打ち込むことで固定することが好ましい。この固定処理は、発泡性耐火層3の接着性を利用して化粧板5を接着した場合でも行うことができる。固定部材を打ち込む固定をする場合、火災時に固定部材が熱橋となることを防止するべく、化粧板5を座彫りしたうえで固定部材を打ち込み、固定部材の頭を露出させないように木栓をすることが好ましい。
耐火被覆材が化粧板を備える態様について、より詳細に説明する。図4に示されているとおり、化粧板5を備える耐火被覆材1D~1Fは、いずれも木材層2と、発泡性耐火層3と、化粧板5とを、この順に備えている。ここで、木材層2と化粧板5は同種の木材で構成されている。つまり、耐火被覆材1D~1Fはいずれも、発泡性耐火層3が同種の二枚の板(木材層2と化粧板5)で挟まれた格好になっている。耐火対象物への適用時には木材層2側が耐火対象物側へ向けられ、化粧板5側が火災時に炎を受ける加熱面となる。
耐火被覆材1D~1Fは互いに全厚が同一で、三層の厚さが耐火被覆材1D~1F間で異なっている態様を示している。図4(A)に示されている耐火被覆材1Dは、木材層2が厚く、化粧板5が薄い態様である。耐火被覆材1Dは、化粧板5の側から、木材層2にまで到達する固定部材6が打ち込まれることで化粧板5が木材層2に固定されている。固定部材6は端部に鍔のように広がる平らな頭を有しており、頭が化粧板5の表面に露出している。図4(B)に示されている耐火被覆材1Eは、耐火被覆材1Dと比べて化粧板5が少し厚くなった態様である。耐火被覆材1Eは、固定部材6が打ち込まれる箇所で化粧板5が座彫りされており、座彫りの内部に固定部材6の頭が収まっている。固定部材6の頭が化粧板5の表面に露出しないように、座彫り部分は木栓7で塞がれている。図4(C)に示されている耐火被覆材1Fは、木材層2が薄く、化粧板5が厚い態様である。耐火被覆材1Fは、木材層2の側から、化粧板5にまで到達する固定部材6が打ち込まれている。固定部材6の頭は木材層2の表面に露出している。耐火被覆材1Fは、耐火対象物4への適用時には固定部材6が耐火対象物4に接触することになる。
木材層2及び化粧板5を構成する木材の種類や密度は、第一の実施形態における木材層2を構成する木材の種類や密度と同様であってよい。
発泡性耐火層3の厚さは、要求される耐火時間と、木材層2及び化粧板5を構成する木材の密度との兼ね合いで決める。例えば、1時間耐火を要する場合、かつ、木材層2及び化粧板5を構成する木材の密度が400kg/m3以上である場合は、発泡性耐火層3の厚さは0.3mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは0.4mm以上であってもよく、0.6mm以上であってもよい。この上限値としては、2.5mmであってもよく、2.0mmであってもよく、1.5mmであってもよい。また例えば、1時間耐火を要する場合、かつ、木材層2及び化粧板5を構成する木材の密度が400kg/m3未満である場合は、発泡性耐火層3の厚さは0.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは0.7mm以上であってもよく、0.8mm以上であってもよい。この上限値としては、3.0mmであってもよく、2.5mmであってもよく、2.0mmであってもよい。
また例えば、2時間耐火を要する場合、かつ、木材層2及び化粧板5を構成する木材の密度が400kg/m3以上である場合は、発泡性耐火層3の厚さは1.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは1.8mm以上であってもよく、2.0mm以上であってもよい。この上限値としては、3.5mmであってもよく、3.0mmであってもよく、2.5mmであってもよい。また例えば、2時間耐火を要する場合、かつ、木材層2及び化粧板5を構成する木材の密度が400kg/m3未満である場合は、発泡性耐火層3の厚さは1.6mm以上を要する。このとき、発泡性耐火層3の厚さは1.8mm以上であってもよく、2.0mm以上であってもよい。この上限値としては、4.5mmであってもよく、3.5mmであってもよく、3.0mmであってもよい。
木材層2の厚さは、発泡性耐火層3の厚さと、要求される耐火時間と、木材の密度との兼ね合いで決める。例えば、木材の密度が400kg/m3以上であって、1時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。木材層2の厚さの下限値としては、15mm、25mm、35mm、45mm、50mmが挙げられる。また、化粧板5の厚さは60mm以下であってもよく、55mm以下であってもよく、50mm以下であってもよく、45mm以下であってもよい。化粧板5の厚さの下限値としては、5mm、15mm、30mmが挙げられる。
また例えば、木材の密度が400kg/m3未満であって、1時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。木材層2の厚さの下限値としては、35mm、40mm、45mmが挙げられる。また、化粧板5の厚さは60mm以下であってもよく、55mm以下であってもよく、50mm以下であってもよく、45mm以下であってもよい。化粧板5の厚さの下限値としては、5mm、15mm、20mm、30mmが挙げられる。
また例えば、木材の密度が400kg/m3以上であって、2時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは90mm以下であってもよく、80mm以下であってもよく、70mm以下であってもよく、60mm以下であってもよく、50mm以下であってもよい。木材層2の厚さの下限値としては、15mm、20mm、25mm、35mm、45mmが挙げられる。また、化粧板5の厚さは35mm以下であってもよく、30mm以下であってもよく、25mm以下であってもよい。化粧板5の厚さの下限値としては、10mm、15mm、20mm、25mmが挙げられる。
また例えば、木材の密度が400kg/m3未満であって、2時間耐火を要する場合、発泡性耐火層3の厚さが上記の関係を満たしていれば、木材層2の厚さは130mm以下であってもよく、120mm以下であってもよく、110mm以下であってもよく、100mm以下であってもよく、90mm以下であってもよい。木材層2の厚さの下限値としては、55mm、65mm、75mmが挙げられる。また、化粧板5の厚さは40mm以下であってもよく、35mm以下であってもよく、30mm以下であってもよい。化粧板5の厚さの下限値としては、10mm、15mm、20mm、25mmが挙げられる。
<適用>
耐火被覆材1は、木造の耐火対象物4に対してレゾルシノール樹脂等の接着剤で取り付けることで適用される。こうして得られる木造構造体10は、所望の耐火性能を有したものとなる。
耐火被覆材1は、木造の耐火対象物4に対してレゾルシノール樹脂等の接着剤で取り付けることで適用される。こうして得られる木造構造体10は、所望の耐火性能を有したものとなる。
<効果>
以上に説明した耐火被覆材1は、火災の熱によって発泡性耐火層3が発泡して膨張し、断熱効果を発揮する。ここで、隣り合う耐火被覆材1,1同士の継ぎ目に多少の隙間があったとしても、発泡性耐火層の膨張によって当該隙間が埋められ断熱効果が発揮される。加熱され続けると木材層2が燃えて炭化し、木材層2の内部において、炭化が耐火対象物4側へ徐々に広がっていくが、厚さ方向の全てが燃えることはなく、火災の鎮火後しばらくして木材層2の内部で燃え止まる。木材層2を構成する木材の密度と発泡性耐火層3の厚さとを上記の関係を満たすようにすることで、1時間耐火、又は、2時間耐火の性能が発揮される。
以上に説明した耐火被覆材1は、火災の熱によって発泡性耐火層3が発泡して膨張し、断熱効果を発揮する。ここで、隣り合う耐火被覆材1,1同士の継ぎ目に多少の隙間があったとしても、発泡性耐火層の膨張によって当該隙間が埋められ断熱効果が発揮される。加熱され続けると木材層2が燃えて炭化し、木材層2の内部において、炭化が耐火対象物4側へ徐々に広がっていくが、厚さ方向の全てが燃えることはなく、火災の鎮火後しばらくして木材層2の内部で燃え止まる。木材層2を構成する木材の密度と発泡性耐火層3の厚さとを上記の関係を満たすようにすることで、1時間耐火、又は、2時間耐火の性能が発揮される。
ここで、発泡性耐火層3は火災時に体積が膨張して機能するので、平時の厚さを薄くすることができる。また、木材は密度が大きいほど燃えにくい傾向があるので、木材層2を密度が大きい木材で構成した場合は木材層2の厚さを薄くすることができる。他方、木材層2を密度が小さい木材で構成した場合は比較的燃えやすいので木材層2の厚さを比較的厚くする必要があるが、木材の密度が小さいために全体の重量はたいして重くならない。
そして、この耐火被覆材1は、燃え止まり層として鋼板や石膏、モルタル等の不燃性材料を有しておらず構成が単純であり、作製時に石膏やモルタルを用いる場合のような湿式工法を必要としないので、製造が容易である。また、主材料が木材であるので耐火被覆材1全体が軽く、工場でプレキャストしたものを施工現場へ搬入することが容易で、耐火対象物4への取り付けも容易である。
また、耐火被覆材1は、木材層2の内部を難燃処理する必要がない。従来、例えば木材をインサイジング処理して難燃処理薬剤を木材全体に含浸させる難燃化方法があるが、工数と経済的コスト面での負担が大きかった。本実施形態の耐火被覆材1では木材層2の内部の難燃処理が不要であるので、これらの負担が軽減されている。
耐火被覆材1が化粧板5を備えている場合は、平時には表面の美観が発揮され、火災時には炎が発泡性耐火層3に到達するまでの防火壁として機能する。すなわち、化粧板5が燃えて炭化し、この炭が高い断熱効果を発揮する。
また、耐火被覆材1が化粧板5を備えている場合、平時には高い審美性を発揮することができ、火災時には熱が発泡性耐火層に到達するまでの時間を延長させることができる。また、耐火被覆材1D,1E(図3(A),(B))のように化粧板5の側から固定部材6が打ち込まれていると、火災時に固定部材が熱橋となったとしても、その影響が裏面に出ることが防止され、耐火対象物4を保護することができる。耐火被覆材1Eでは特に、化粧板5を座彫りした部分に固定部材6が打ち込まれ、その頭が表面に露出しないように木栓7がされているので、固定部材6が熱橋になるまでの時間を延長させることができる。そして、固定部材6が化粧板5側にあると、化粧板5のみが燃えたにとどまる場合は、火災後に化粧板5を新品と交換する際に交換しやすい。
また、木材は大気中の二酸化炭素が固定された材料とみることができるため、耐火被覆材1を用いること、更には建築物の建築時に耐火被覆材1を用いる効果が高い木製の躯体を採用する機運が高まることは、カーボンニュートラルの観点から好適である。
火災の鎮火後は、耐火被覆材1の内部で燃え止まっており、耐火対象物4が燃えていない状態となっている。建築物の場合、躯体が燃えていなければ構造が健全であるので、耐火被覆材1を新品と交換することで、建築物を従前のとおりに利用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では耐火被覆材の形状が平板状である態様を示したが、耐火被覆材の形状は曲面を有する形状であってもよい。
また例えば、上記実施形態では耐火被覆材を耐火対象物とは別部材として用意し、その木材層の内部で燃え止まるように設計したが、木材による燃え止まりに必要な厚さを考慮して、耐火対象物自体をあらかじめ太くするように設計してもよい。この場合、火災時に耐火対象物が燃えるが、構造の維持には問題がない程度である。火災後は炭になった部分を削って取り除く。
また、第二の実施形態では木材層2と化粧板5が同種の木材から構成された態様を示したが、これらは互いに別種の木材から構成されていてもよい。
以下、実験例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実験例に限定されるものではない。
耐火被覆材の耐火試験を行い、その耐火性能を検証した。用いた材料は以下のとおりである。
(1)木材
・カラマツ(密度:459~512kg/m3)
・スギ(密度:356~373kg/m3)
(2)発泡性耐火剤
・ポリリン酸アンモニウム
(1)木材
・カラマツ(密度:459~512kg/m3)
・スギ(密度:356~373kg/m3)
(2)発泡性耐火剤
・ポリリン酸アンモニウム
<化粧板を備えない耐火被覆材>
(実験例1)
広さが640mm×640mm、厚さが50mmの木材層を構成するべく、寸法が50mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:494kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。木材層の片面に、図5に示したとおり、中央地点とその周辺四地点S1~S5(中央地点からの距離をいずれも150mmとした。)の併せて五地点に熱電対を設けた。床材の下階からの加熱を想定し、熱電対を設けた面を上側へ向け、下側の面からISO-834曲線に従ってガスバーナーで加熱した。熱電対で温度の経時変化を確認しながら1時間加熱した。ガスバーナーの火を止めた後、熱電対で測定される温度がピークを過ぎたことを確認できるまで木材層を静置した。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例1)
広さが640mm×640mm、厚さが50mmの木材層を構成するべく、寸法が50mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:494kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。木材層の片面に、図5に示したとおり、中央地点とその周辺四地点S1~S5(中央地点からの距離をいずれも150mmとした。)の併せて五地点に熱電対を設けた。床材の下階からの加熱を想定し、熱電対を設けた面を上側へ向け、下側の面からISO-834曲線に従ってガスバーナーで加熱した。熱電対で温度の経時変化を確認しながら1時間加熱した。ガスバーナーの火を止めた後、熱電対で測定される温度がピークを過ぎたことを確認できるまで木材層を静置した。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例2)
密度が492kg/m3のカラマツの角材を用いて実験例1と同様にして平板状の木材層を構成した。樹脂に分散させたポリリン酸アンモニウムを木材層の片面に0.5mm厚となるように塗布した。これを乾燥させて発泡性耐火層を形成し、耐火被覆材を完成させた。床材の下階からの加熱を想定し、熱電対を設けた面を上側へ向け、下側の面からISO-834曲線に従ってガスバーナーで加熱した。熱電対で温度の経時変化を確認しながら1時間加熱した。ガスバーナーの火を止めた後、熱電対で測定される温度がピークを過ぎたことを確認できるまで木材層を静置した。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
密度が492kg/m3のカラマツの角材を用いて実験例1と同様にして平板状の木材層を構成した。樹脂に分散させたポリリン酸アンモニウムを木材層の片面に0.5mm厚となるように塗布した。これを乾燥させて発泡性耐火層を形成し、耐火被覆材を完成させた。床材の下階からの加熱を想定し、熱電対を設けた面を上側へ向け、下側の面からISO-834曲線に従ってガスバーナーで加熱した。熱電対で温度の経時変化を確認しながら1時間加熱した。ガスバーナーの火を止めた後、熱電対で測定される温度がピークを過ぎたことを確認できるまで木材層を静置した。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例3)
密度が367kg/m3のスギの角材を用いたこと以外は実験例2と同様にして試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
密度が367kg/m3のスギの角材を用いたこと以外は実験例2と同様にして試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例4)
密度が488kg/m3のカラマツの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとしたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
密度が488kg/m3のカラマツの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとしたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
(実験例5)
密度が362kg/m3のスギの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとしたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
密度が362kg/m3のスギの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとしたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
(実験例6)
密度が580kg/m3で寸法が60mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを1.5mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
密度が580kg/m3で寸法が60mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを1.5mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例7)
密度が512kg/m3のカラマツの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
密度が512kg/m3のカラマツの角材を用いたこと、及び、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
(実験例8)
密度が373kg/m3で寸法が100mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
密度が373kg/m3で寸法が100mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとしたこと、及び、加熱時間を2時間としたこと以外は実験例2と同様にして耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。
(結果)
実験例1~8の結果を表1に示した。表1中、熱電対で測定した五地点の温度は、それぞれ独立に、加熱中とその後の静置時間に記録した温度のなかで最も高い温度を示している。地点1~5は、それぞれ図5のS1~S5に対応する地点である。これらの温度は、加熱中よりもその後の静置時間において記録した場合もあった。表1中、「燃えた厚さ」は試験前の木材層の全厚から燃え残った部分の厚さを引いた値である(但し、発泡性耐火層の厚さは無視している)。
・判定
「○」:熱電対による測定値が、木材の一般的な燃焼温度とされる260℃に達しなかったこと、及び、目視観察で非加熱面の炭化が見られなかった(燃え抜けた箇所がなかった)ことの両方を満たした。
「×」:上記「○」の判定基準の少なくとも一方を満たさなかった。
実験例1~8の結果を表1に示した。表1中、熱電対で測定した五地点の温度は、それぞれ独立に、加熱中とその後の静置時間に記録した温度のなかで最も高い温度を示している。地点1~5は、それぞれ図5のS1~S5に対応する地点である。これらの温度は、加熱中よりもその後の静置時間において記録した場合もあった。表1中、「燃えた厚さ」は試験前の木材層の全厚から燃え残った部分の厚さを引いた値である(但し、発泡性耐火層の厚さは無視している)。
・判定
「○」:熱電対による測定値が、木材の一般的な燃焼温度とされる260℃に達しなかったこと、及び、目視観察で非加熱面の炭化が見られなかった(燃え抜けた箇所がなかった)ことの両方を満たした。
「×」:上記「○」の判定基準の少なくとも一方を満たさなかった。
発泡性耐火層を形成しなかった実験例1、及び、発泡性耐火層の厚さと木材層の密度が所定の関係を満たしていない実験例3及び実験例6では、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。これらに対し、発泡性耐火層の厚さと木材層の密度が所定の関係を満たしている実験例2,4,5,7,8では、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。またこのとき、熱電対での計測温度は木材の火災危険温度(炭化温度)である260℃に達しなかったことが確認された。
<化粧板を備える耐火被覆材>
(実験例9)
広さが640mm×640mm、厚さが40mmの木材層を構成するべく、寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:479kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。樹脂に分散させたポリリン酸アンモニウムを木材層の片面に0.5mm厚となるように塗布した。これを乾燥させて発泡性耐火層を形成した。更に、広さが640mm×640mm、厚さが10mmの化粧板を構成するべく、寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:479kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。これを上記の発泡性耐火層に対面させ、化粧板側から長さ2.8cmのビスを打って固定した。これにより耐火被覆材を完成させた。
(実験例9)
広さが640mm×640mm、厚さが40mmの木材層を構成するべく、寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:479kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。樹脂に分散させたポリリン酸アンモニウムを木材層の片面に0.5mm厚となるように塗布した。これを乾燥させて発泡性耐火層を形成した。更に、広さが640mm×640mm、厚さが10mmの化粧板を構成するべく、寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツ(密度:479kg/m3)の角材を22本用意し、互いに接着剤で貼り合わせて平板状の木材層を構成した(ただし、両端の木材は全体幅を640mmとするためにカットした)。これを上記の発泡性耐火層に対面させ、化粧板側から長さ2.8cmのビスを打って固定した。これにより耐火被覆材を完成させた。
木材層の片面に、図5に示したとおり、中央地点とその周辺四地点S1~S5(中央地点からの距離をいずれも150mmとした。)の併せて五地点に熱電対を設けた。床材の下階からの加熱を想定し、熱電対を設けた面を上側へ向け、下側の面(化粧板側)からISO-834曲線に従ってガスバーナーで加熱した。熱電対で温度の経時変化を確認しながら1時間加熱した。ガスバーナーの火を止めた後、熱電対で測定される温度がピークを過ぎたことを確認できるまで木材層を静置した。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例10)
木材層として密度が459kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が459kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が459kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が459kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例11)
木材層として密度が487kg/m3で寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が487kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として木材層の側からビスを打ったこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が487kg/m3で寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が487kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として木材層の側からビスを打ったこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例12)
木材層として密度が363kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が363kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
木材層として密度が363kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が363kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを1.0mmとたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例13)
木材層として密度が362kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が362kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例12と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が362kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が362kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例12と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例14)
木材層として密度が371kg/m3で寸法が50mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が371kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例12と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が371kg/m3で寸法が50mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が371kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例12と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例15)
木材層として密度が477kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が477kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が477kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が477kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、発泡性耐火層の厚さを2.0mmとたこと、化粧板の固定方法として化粧板を座彫りしてビスを打って木栓をしたこと以外は実験例9と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例16)
木材層として密度が470kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が470kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が470kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が470kg/m3で寸法が20mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例17)
木材層として密度が488kg/m3で寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が488kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として木材層の側からビスを打ったこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
木材層として密度が488kg/m3で寸法が10mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板として密度が488kg/m3で寸法が40mm×30mm×640mmであるカラマツの角材を用いたこと、化粧板の固定方法として木材層の側からビスを打ったこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例18)
木材層として密度が363kg/m3で寸法が50mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が363kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
木材層として密度が363kg/m3で寸法が50mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が363kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例15と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生した。
(実験例19)
木材層として密度が357kg/m3で寸法が60mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が357kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例18と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が357kg/m3で寸法が60mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が357kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例18と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(実験例20)
木材層として密度が356kg/m3で寸法が70mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が356kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例18と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
木材層として密度が356kg/m3で寸法が70mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと、化粧板として密度が356kg/m3で寸法が30mm×30mm×640mmであるスギの角材を用いたこと以外は実験例18と同様にして、耐火被覆材を作製し、試験を行った。その結果、木材層が厚さ方向に全て燃えた地点が発生しなかった。その後、木材層の燃え残り部分の厚さを定規で測定した。
(結果)
実験例9~20の結果を表2に示した。表2中、「燃えた厚さ」は試験前の耐火被覆材の全厚から燃え残った部分の厚さを引いた値である(但し、発泡性耐火層の厚さは無視している)。
・判定
「○」:熱電対による測定値が、木材の一般的な燃焼温度とされる260℃に達しなかったこと、及び、目視観察で非加熱面の炭化が見られなかった(燃え抜けた箇所がなかった)ことの両方を満たした。
「×」:上記「○」の判定基準の少なくとも一方を満たさなかった。
実験例9~20の結果を表2に示した。表2中、「燃えた厚さ」は試験前の耐火被覆材の全厚から燃え残った部分の厚さを引いた値である(但し、発泡性耐火層の厚さは無視している)。
・判定
「○」:熱電対による測定値が、木材の一般的な燃焼温度とされる260℃に達しなかったこと、及び、目視観察で非加熱面の炭化が見られなかった(燃え抜けた箇所がなかった)ことの両方を満たした。
「×」:上記「○」の判定基準の少なくとも一方を満たさなかった。
実験例9と実験例10との比較から、1時間耐火ではビスの頭が加熱面に露出していても露出していなくても、これによる影響は見られなかった。また、実験例9~11の比較から、ビスを打つ方向の違いによる影響は見られなかった。この理由として、加熱面側から打ったビスは、ビスの先端位置よりも炭化の到達位置が深くなっており、ビスが熱橋となることで生じ得る影響が埋もれてしまったこと、及び、非加熱面側から固定したビスは、ビス先端に炭化が到達するまで時間があったことに加え、ビスが熱橋となることで影響が生じる時間が短かったことが考えられる。
実験例15~17の比較から、2時間耐火では化粧板の厚さには限度があることが分かった。化粧板が厚い実験例17では、発泡性耐火層の発泡が妨げられたと考えられる。また、実験例17では、非加熱面側からビスを打ったところ、ビスを打った箇所が裏面まで炭化していた。この要因として、炭化がビスの先端に到達したときにビスが熱橋となり、裏面にまで継続的に熱伝導を引き起こし、ビスの周囲で局所的に炭化が進行したと考えられる。
スギを用いた場合は、1時間耐火、2時間耐火のいずれでも、カラマツを用いた場合よりも木材層の厚さを厚くする必要があることが分かった。
本発明は、木造建築物に適用可能である。
1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)…耐火被覆材、2…木材層、2a…角材、3…発泡性耐火層、4…耐火対象物、5…化粧板、6…固定部材、7…木栓、10…木造構造体、S1,S2,S3,S4,S5…地点。
Claims (13)
- 木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、
前記耐火対象物への適用時に前記耐火対象物側へ向けられる木材層と、
前記木材層の面のうち前記耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、を備え、
前記木材層を構成する木材の密度が400kg/m3以上であり、
前記発泡性耐火層の厚さが0.3mm以上である、耐火被覆材。 - 前記発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上である、請求項1記載の耐火被覆材。
- 木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、
前記耐火対象物への適用時に前記耐火対象物側へ向けられる木材層と、
前記木材層の面のうち前記耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、を備え、
前記木材層を構成する木材の密度が400kg/m3未満であり、
前記発泡性耐火層の厚さが0.6mm以上である、耐火被覆材。 - 前記発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上である、請求項3記載の耐火被覆材。
- 前記発泡性耐火層上に化粧板を備える、請求項1~4のいずれか一項記載の耐火被覆材。
- 前記発泡性耐火層は、シート状に成形されたものであり、
前記発泡性耐火層は、粘着材料又は接着材料で前記木材層に積層されるとともに、前記木材層を貫通しない長さを有する固定部材を前記発泡性耐火層側から打ち込むことにより前記木材層に固定されている、請求項1~4のいずれか一項記載の耐火被覆材。 - 木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、
前記耐火対象物への適用時に前記耐火対象物側へ向けられる木材層と、
前記木材層の面のうち前記耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、
前記発泡性耐火層の前記木材層とは反対側の面に設けられた化粧板と、を備え、
前記木材層及び前記化粧板を構成する木材の密度がいずれも400kg/m3以上であり、
前記発泡性耐火層の厚さが0.3mm以上である、耐火被覆材。 - 前記発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上であり、
前記化粧板の厚さが35mm以下である、請求項7記載の耐火被覆材。 - 木造の耐火対象物を被覆するための耐火被覆材であって、
前記耐火対象物への適用時に前記耐火対象物側へ向けられる木材層と、
前記木材層の面のうち前記耐火対象物側へ向けられる面とは反対側の面に設けられた発泡性耐火層と、
前記発泡性耐火層の前記木材層とは反対側の面に設けられた化粧板と、を備え、
前記木材層及び前記化粧板を構成する木材の密度がいずれも400kg/m3未満であり、
前記木材層の厚さが35mm以上であり、
前記発泡性耐火層の厚さが0.6mm以上である、耐火被覆材。 - 前記木材層の厚さが55mm以上であり、
前記発泡性耐火層の厚さが1.6mm以上である、請求項9記載の耐火被覆材。 - 前記化粧板の側から、前記木材層にまで到達する固定部材が打ち込まれている、請求項7~10のいずれか一項記載の耐火被覆材。
- 前記木材層は、内部が難燃処理されていない、請求項1~4,7~10のいずれか一項記載の耐火被覆材。
- 木造の耐火対象物と、前記耐火対象物に対して請求項1~4,7~10のいずれか一項記載の耐火被覆材が適用されてなる、木造構造体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022172578 | 2022-10-27 |
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JP2023163251A Pending JP2024065013A (ja) | 2022-10-27 | 2023-09-26 | 耐火被覆材、及び、これを適用した木造構造体 |
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