JP6832403B2 - 構造部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火性を有する木質の構造部材に関する。
近年、耐火性を有する木質の構造部材が、建物を構成する柱や梁等の部材として用いられている。例えば、特許文献1には、木材で構成された表面層と、表面層の内側に設けられた難燃薬剤注入層と、難燃薬剤注入層の内側に設けられた未処理層とを有して構成された耐火集成材が開示されている。
このような、耐火性を有する木質の構造部材に、設備配管やダクト等を通すための貫通孔を設けた場合、火災時にこの貫通孔から進入する火炎や熱によって、荷重支持部としての未処理層の温度が燃焼温度に達して未処理層が燃焼し、構造部材の耐火性が低下してしまうことが懸念される。
特開2008−31743号公報
本発明は係る事実を考慮し、貫通孔を設けることによる木質の構造部材の耐火性の低下を低減することを課題とする。
第1態様の発明は、荷重支持部と前記荷重支持部の周囲に設けられた耐火被覆部とを備えた木質部材と、前記荷重支持部を貫通すると共に角孔に形成された貫通孔と、前記貫通孔の内周面を覆うように配置されると共に石膏ボードにより構成された耐火層と、前記耐火層の内側に設けられると共に熱発泡性耐火シートによって形成され、前記耐火層の耐火性を向上させる耐火補強層と、を有する構造部材である。
第1態様の発明では、火災時において、貫通孔へ進入した火炎や熱の荷重支持部への進入が、耐火補強層により耐火性が向上された耐火層によって抑えられ、荷重支持部の温度上昇を低減して荷重支持部を燃焼させずに燃え止まらせることができる。すなわち、貫通孔を設けることによる木質の構造部材の耐火性の低下を低減できる。
第1態様の発明において、前記耐火補強層は、前記耐火層の内側に設けられた熱発泡性耐火シートによって形成されている。
態様の発明では、火災時に、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層が加熱されて発泡し、耐火補強層の体積が大きくなる。これにより、高い断熱性の耐火補強層によって、耐火層の耐火性を向上させることができる。また、火災時に、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層が加熱されて発泡し、貫通孔内に拡がる。これにより、貫通孔への火炎や熱の進入が抑制される。
第1態様の発明において、前記耐火層は、前記貫通孔の内周面を覆うように配置された石膏ボードによって形成されている。
態様の発明では、耐火性に優れた石膏ボードによって耐火層を形成することができる。
本発明は上記構成としたので、貫通孔を設けることによる木質の構造部材の耐火性の低下を低減することができる。
本発明の実施形態に係る梁を示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係る梁を示す正面断面図である。 図2のA−A断面図である。 本発明の実施形態に係る耐火部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る梁の施工方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る梁の施工方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る梁の施工方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る梁の施工方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る耐火補強層が発泡した状況を示す側面図である。 本発明の実施形態に係る梁示す正面断面図である。 図10のB−B断面図である。 本発明の実施形態に係る梁のバリエーションを示す正面断面図である。 本発明の実施形態に係る耐火補強層が発泡した状況を示す側面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態の構造部材について説明する。
図1の正面断面図、図2の正面断面図、及び図2のA−A断面図である図3に示すように、構造部材としての梁10は、木質部材としての梁本体12と、荷重を支持する荷重支持部としての木製の梁心材14を貫通する円孔からなる貫通孔16と、貫通孔16の内周面18を覆うように設けられた耐火層20と、耐火層20の内側に設けられて耐火層20の耐火性を向上させる耐火補強層22とを有して構成されている。図1には、貫通孔16が形成されていない部分の梁10の断面が示され、図2には、貫通孔16が形成されている部分の梁10の断面が示されている。
梁本体12は、梁心材14と、梁心材14の側面と下面とを取り囲むことにより梁心材14の周囲に設けられた耐火被覆部24とを備えている。耐火被覆部24は、梁心材14の側面と下面とを取り囲むことにより梁心材14の周囲に設けられた燃え止まり層26と、燃え止まり層26の側面と下面とを取り囲むことにより燃え止まり層26の周囲に設けられた木製の燃え代層28とによって構成されている。燃え止まり層26は、熱吸収性を有する層となっている。
梁心材14は、鉄筋コンクリートによって形成された床版30を支持し、床版30は、燃え代層28、燃え止まり層26、及び梁心材14の上面を覆っている。
燃え止まり層26は、米松、唐松、檜、杉、あすなろ等の一般の木造建築に用いられる木材(以下、「一般木材」とする)によって形成された板部材32と、モルタルによって形成された板状のモルタルバー34とを交互に配置することにより形成されている。
図2に示すように、耐火補強層22は、貫通孔16の内側に設けられた硬質塩化ビニール管からなる形状保持部材36の内周面に熱発泡性耐火シートを保持することにより円筒状に形成されている。熱発泡性耐火シートは、形状保持部材36の内周面に、1回巻きにして設けてもよいし、複数回巻きにして複数重ねて設けてもよい。熱発泡性耐火シートは、熱が加えられることにより体積が大きくなって高い断熱性が得られ、これによって燃え止まり効果を発揮するシート材である。形状保持部材36の内周面と熱発泡性耐火シート、及び熱発泡性耐火シート同士は、粘着剤や接着剤により貼り付けられている。すなわち、耐火補強層22は、耐火層20の内側に設けられた熱発泡性耐火シートによって形成されている。
耐火層20は、硬化したモルタルにより円筒状に形成されており、貫通孔16の内周面18と、形状保持部材36の外周面との間に配置されるとともに、梁心材14に設けられている。耐火層20及び形状保持部材36は、燃え止まり層26の内側に配置されている。
梁本体12は、燃え代層28、燃え止まり層26、及び梁心材14を貫通する円孔からなる貫通孔38を有しており、耐火補強層22の内周面が貫通孔38の内周面の一部となっている。また、耐火層20、形状保持部材36、及び耐火補強層22は、貫通孔38の周囲に設けられている。貫通孔38は、スプリンクラー配管やダクトなどの設備配管等を通して配置するために設けられている。
図2及び図3に示すように、貫通孔16の小口には、モルタルにより形成されモルタルバー34よりも薄い板状部材40が、耐火層20及び形状保持部材36の端面を覆うように設けられている。板状部材40は、燃え止まり層26の一部を構成している。また、板状部材40には、貫通孔42が形成されており、この貫通孔42の内周面には、耐火補強層22と同じ構成の耐火補強層44が、耐火補強層22の端面を覆うように設けられている。
次に、梁10の施工手順の一例を説明する。まず、図4の斜視図に示すように、耐火部材50を製作する。耐火部材50は、耐火層20と、耐火層20の内周面に設けられた形状保持部材36と、形状保持部材36の内周面に設けられた耐火補強層22とを有して構成されている。耐火部材50は、例えば、形状保持部材36の内周面に耐火補強層22を取り付け、形状保持部材36の外周にモルタルを打設して耐火層20を形成することによって製作することができる。
次に、図5の斜視図に示すように、梁心材14に形成された貫通孔16に耐火部材50を挿入して貫通孔16内に取り付ける。
次に、図6の斜視図に示すように、木ネジ(不図示)等の固定部材により、梁心材14の外周面(側面及び下面)にモルタルバー34を取り付ける。
次に、図7の斜視図に示すように、耐火部材50の端面に難燃性の耐火シール材(不図示)を設け、形状保持部材36の中空部と、板状部材40に形成された貫通孔42とを連通させるようにして、板状部材40を梁心材14の外周面(側面)に配置する。
次に、図8の斜視図に示すように、木ネジ等の固定部材56により、板状部材40の外周部を梁心材14に固定する。この状態において、耐火部材50の端面と、板状部材40の内面54との間の隙間が耐火シール材により完全に塞がれる。
このように、板状部材40をモルタルバー34よりも薄くし、耐火部材50の端面と、板状部材40の内面54との間を耐火シール材で塞ぐことにより、貫通孔38に進入した火炎や熱が、耐火部材50の端面と板状部材40の内面54との間の隙間から梁心材14へ進入するのを抑制するとともに、モルタルバー34の外面と板状部材40の外面を面一にすることができる。
次に、図8に示す梁心材14の側面にモルタルバー34及び板状部材40が設けられた壁面58に、板部材32及び燃え代層28を取り付ける。これにより、板部材32とモルタルバー34が交互に配置されて燃え止まり層26が形成され、燃え止まり層26の外側に燃え代層28が配置されて、梁10が構成される。
次に、本発明の実施形態の構造部材の作用と効果について説明する。
本実施形態の梁10では、図1及び図2に示すように、火災が発生したときに火炎が燃え代層28に着火し、燃え代層28が燃焼する。そして、燃焼した燃え代層28は炭化する。よって、燃え代層28の外側から梁心材14への熱伝達が、炭化した燃え代層28によって抑えられる。また、燃え代層28の外側から梁心材14への火炎や熱の進入が、燃え止まり層26によって抑えられる。
これらにより、火災時及び火災終了後における梁心材14の温度上昇を抑えることができ、梁心材14を燃焼させずに燃え止まらせることができる。
また、本実施形態の梁10では、図2に示すように、火災時において、貫通孔38(貫通孔16)へ進入した火炎や熱の梁心材14への進入が、耐火補強層22により耐火性が向上された耐火層20によって抑えられ、梁心材14の温度上昇を低減して梁心材14を燃焼させずに燃え止まらせることができる。すなわち、貫通孔38(貫通孔16)を設けることによる木質の梁10の耐火性の低下を低減できる。
さらに、本実施形態の梁10では、図2に示すように、火災時に、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層22が加熱されて発泡し、耐火補強層22の体積が大きくなる。これにより、高い断熱性の耐火補強層22によって、耐火層20の耐火性を向上させることができる。
また、火災時に、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層22が加熱されて発泡し、貫通孔38(貫通孔16)内に拡がる。これにより、貫通孔38(貫通孔16)への火炎や熱の進入が抑制される。また、火災が発生していないときには、耐火補強層22が薄い状態にあるので貫通孔38内に大きな開口を確保することができ、火災時には、耐火補強層22が発泡して高い断熱性を発揮することができる。
梁10では、形状保持部材36の内側に耐火補強層22が設けられているので、耐火補強層22の発泡が形状保持部材36に邪魔されることなく行われ、これによって、耐火補強層22を早いタイミングで大きく膨らませることができる。例えば、図9の側面図に示すように、火災時において貫通孔38の全てを塞ぐように耐火補強層22を膨らませることができる。
また、本実施形態の梁10では、図2に示すように、形状保持部材36の内周面に熱発泡性耐火シートを設けて耐火補強層22を形成することによって、貫通孔38(貫通孔16)のさまざまな大きさや形状に対応した耐火補強層22を形成することができる。例えば、200mm程度の径の貫通孔38に対応した耐火補強層22を形成できるので、スプリンクラー配管等の設備配管はもとより、ダクト等の設備配管を貫通孔38へ通して配置することができる。
また、熱発泡性耐火シートを複数重ね合わせて耐火補強層22を形成することにより、さまざまな厚さの耐火補強層22を形成することができ、必要とする耐火性を有する耐火補強層22を形成することができる。
さらに、耐火層20は、モルタルによって形成することにより、貫通孔38(貫通孔16)の大きさに合わせてさまざまな大きさや形状のものを形成できる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図1及び図2に示すように、燃え代層28及び梁心材14を木製とした例を示したが、燃え代層28及び梁心材14は、木材によって形成されていればよい。例えば、燃え代層28及び梁心材14は、一般木材によって形成してもよいし、これらの一般木材を板状や角柱状の単材に加工し、この単材を複数集成して一体化することによって形成してもよい。
また、本実施形態では、燃え止まり層26を、熱吸収性を有する層とした例を示したが、燃え止まり層26は、火炎及び熱の進入を抑えて燃え止まり効果を発揮できる層であればよい。例えば、燃え止まり層26は、難燃性を有する層や熱の吸収が可能な層であればよい。
難燃性を有する層としては、木材に難燃薬剤を注入して不燃化処理した難燃薬剤注入層が挙げられる。難燃薬剤注入層に、熱吸収性を持たせることもできる。熱の吸収が可能な層は、一般木材よりも熱容量が大きな材料、一般木材よりも断熱性が高い材料、又は一般木材よりも熱慣性が高い材料によって形成してもよいし、これらの材料と一般木材とを組み合わせて形成してもよい。また、難燃性を有する層と、熱の吸収が可能な層とを組み合わせて(例えば、難燃性を有する層と、熱の吸収が可能な層とを交互に配置して)燃え止まり層26を形成してもよい。
一般木材よりも熱容量が大きな材料としては、モルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント、石膏等の無機質材料、各種の金属材料などが挙げられる。一般木材よりも断熱性が高い材料としては、珪酸カルシウム板、ロックウール、グラスウールなどが挙げられる。一般木材よりも熱慣性が高い材料としては、セランガンバツ、ジャラ、ボンゴシ等の木材が挙げられる。
さらに、本実施形態では、図1及び図2に示すように、木質部材としての梁本体12を、荷重支持部としての梁心材14、燃え止まり層26、及び燃え代層28を有して構成された3層構造の部材とした例を示したが、木質部材は、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた防火被覆部とを有していればよく、2層や4層以上の構造の部材であってもよい。また、防火被覆部は、火災時に荷重支持部を燃焼させずに燃え止まらせることができるものであればよい。
例えば、木質部材は、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた燃え止まり層のみを有して構成される2層構造の部材であってもよい。また、木質部材は、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた燃え代層のみを有して構成される2層構造の部材であってもよい。この場合、燃え止まり効果を発揮できる燃え代層の厚さ(例えば、40mm程度)を確保できれば、荷重支持部と燃え代層とは、異なる材料によって形成してもよいし、同じ材料によって形成してもよい。すなわち、木質部材を1本の木材によって構成し、この木質部材の表層を燃え代層としてもよい。また、例えば、木質部材は、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた石膏ボードとを有して構成される部材であってもよいし、荷重支持部と、この荷重支持部の周囲に設けられた石膏ボードと、この石膏ボードの周囲に設けられた熱発泡性材を有して構成される部材であってもよい。熱発泡性材は、熱が加えられることにより体積が大きくなって高い断熱性が得られ、これによって燃え止まり効果を発揮する材料である。さらに、例えば、これらの木質部材の周囲に、化粧合板や化粧ボード等の仕上げ材を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図2に示すように、耐火層20をモルタルによって形成した例を示したが、耐火層20は、所定の時間、燃え止まる材料によって形成されていればよい。耐火層20は、難燃性材料によって形成するのが好ましい。例えば、耐火層20を、先に挙げた燃え止まり層26の形成を可能とする材料により形成してもよい。耐火層20を、熱吸収性を有する層とすれば、貫通孔38(貫通孔16)へ進入した熱を吸収することにより燃え止まり効果を向上させることができる。
また、例えば、耐火層20を耐火塗料としてもよい。すなわち、梁心材14に形成された貫通孔16の内周面18に耐火塗料を塗布することによって耐火層20を形成してもよい。また、耐火層20を繊維補強モルタル(合成樹脂や鋼繊維などを混合して補強されたモルタル)によって形成してもよい。
さらに、例えば、図10の正面断面図、及び図10のB−B断面図である図11に示す構造部材としての梁62のように、耐火層20を石膏ボードによって形成してもよい。この例では、貫通孔16は、正方形の開口を有する角孔となっており、貫通孔16の内周面を覆うように配置された石膏ボードによって耐火層20が形成されている。耐火層20の内周面には、耐火補強層22が設けられている。
このように、耐火層20を石膏ボードによって形成すれば、耐火性に優れた石膏ボードによって耐火層20を形成することができる。また、形状保持部材が不要になる。
さらに、石膏ボードの大きさや形状を変えることで、さまざまな貫通孔の孔サイズや形状に対応した耐火層を形成することができる。また、石膏ボードの厚さを変えたり、石膏ボードを重ねて配置することにより、さまざまな厚さの耐火層を形成することができる。
また、石膏ボードを重ね合わせて設け、外側に配置される石膏ボードを耐火層、内側に配置される石膏ボードを耐火補強層としてもよい。さらに、厚さの厚い石膏ボードを用いて、外側の石膏ボードの部分を耐火層、内側の石膏ボードの部分を耐火補強層としてもよい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、耐火補強層22を熱発泡性耐火シートによって形成した例を示したが、耐火補強層22は、耐火層20の耐火性を向上させることができるものであればよい。耐火補強層22は、難燃性材料によって形成するのが好ましい。例えば、耐火補強層22を、先に挙げた燃え止まり層26の形成を可能とする材料によって形成することができる。耐火補強層22を、熱吸収性を有する層とすれば、貫通孔38(貫通孔16)へ進入した熱を吸収することにより耐火層20の耐火性を向上させることができる。
また、例えば、耐火補強層22を熱発泡性耐火塗料や耐火塗料としてもよい。すなわち、耐火層20の内周面に熱発泡性耐火塗料や耐火塗料を塗布することによって耐火補強層22を形成してもよい。また、耐火補強層22を繊維補強モルタル(合成樹脂や鋼繊維などを混合して補強されたモルタル)によって形成してもよい。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、形状保持部材36を硬質塩化ビニール管とした例を示したが、形状保持部材36は、熱発泡性耐火シートを保持して耐火補強層22を形成できるものであればよい。例えば、形状保持部材36は、紙ボイド、鋼管、モルタルや石膏により形成された円筒状部材としてもよい。形状保持部材36は、硬化性と難燃性を併せ持つ材料とするのが好ましい。
また、本実施形態では、耐火層20の内周面に形状保持部材36を設け、形状保持部材36の内周面に耐火補強層22を設けた例を示したが、図12の正面断面図に示す構造部材としての梁64のように、形状保持部材36の外周面に耐火補強層22を設けるようにしてもよい。
この場合、耐火補強層22は、形状保持部材36の外周面に熱発泡性耐火シートを保持することにより円筒状に形成する。熱発泡性耐火シートは、形状保持部材36の外周面に、1回巻きにして設けてもよいし、複数回巻きにして複数重ねて設けてもよい。形状保持部材36の外周面と熱発泡性耐火シート、及び熱発泡性耐火シート同士は、粘着剤や接着剤により貼り付ける。形状保持部材36は、火災時に燃焼する材料(例えば、ボイド材)によって形成する。
また、耐火補強層22の外周面に、防水性アルミ箔シートを設けるようにしてもよい。このようにすれば、貫通孔16の内周面と耐火補強層22の外周面との間にモルタルを充填することによって耐火層20を形成する場合に、モルタル充填時の水分が、耐火補強層22を構成する熱発泡性耐火シートに浸透するのを防ぐことができる。
図12の梁64では、火災時において形状保持部材36が焼失した後に、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層22が加熱されて発泡し、耐火補強層22の体積が大きくなる。又は、火災時において形状保持部材36が焼失しているときに、熱発泡性耐火シートによって形成された耐火補強層22が加熱されて発泡し、形状保持部材36を突き破って耐火補強層22の体積が大きくなる。例えば、図13の側面図に示すように、火災時において貫通孔38を塞ぐように耐火補強層22を膨らませることができる。これにより、高い断熱性の耐火補強層22によって、耐火層20の耐火性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、図2及び図3に示すように、貫通孔16、38を円孔とした例を示したが、角孔等の他の形状の貫通孔に対しても、本実施形態を適用することができる。
また、本実施形態では、図1及び図2示すように、燃え止まり層26が、梁心材14の側面と下面とを取り囲むように配置され、燃え代層28が、燃え止まり層26の側面と下面とを取り囲むように配置されている例を示したが、燃え止まり層26は、梁心材14の外周全てを取り囲むように配置してもよいし、燃え代層28は、梁心材14の外周全てを取り囲むように配置された燃え止まり層26の外周全てを取り囲むように配置してもよい。
さらに、本実施形態では、構造部材を梁10とした例を示したが、本実施形態の構造部材は、梁、壁、梁や壁以外の構造部材全般に適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10、62、64 梁(構造部材)
12 梁本体(木質部材)
14 梁心材(荷重支持部)
16 貫通孔
20 耐火層
22 耐火補強層
24 耐火被覆部

Claims (1)

  1. 荷重支持部と前記荷重支持部の周囲に設けられた耐火被覆部とを備えた木質部材と、
    前記荷重支持部を貫通すると共に角孔に形成された貫通孔と、
    石膏ボードによって形成されるとともに、前記貫通孔の内周面を沿った筒状に形成され、該内周面を覆う耐火層と、
    前記耐火層の内周面に設けられると共に熱発泡性耐火シートによって形成され、前記耐火層の耐火性を向上させる耐火補強層と、
    を有する構造部材。
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