JP6592959B2 - 耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造および耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法 - Google Patents

耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造および耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法 Download PDF

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本発明は、耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造および耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法に関する。
耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造として、荷重を支持する柱心材と、柱心材の外周を取り囲む燃え止まり層と、燃え止まり層の外周を取り囲む燃えしろ層とを備えた柱と、梁心材の梁長方向に沿って形成された縦溝に、荷重を支持する梁心材と、梁心材の側面と下面とを取り囲む燃え止まり層と、燃え止まり層の側面と下面とを取り囲む燃えしろ層とを備えた梁とを、連結板を介して接合する柱梁接合構造が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この柱梁接合構造では、柱の燃え止まり層の側面から柱心材の中心に向かって形成された縦溝と、梁の端面に、梁心材の梁長方向に沿って形成された縦溝とに連結板が挿入されてドリフトピンにて梁と接合されています。
特開2012−219560号公報
上記のような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造は、柱や梁に連結板を挿入するための縦溝を設けなければならない。特に、梁のような長尺の部材の小口に正確な溝を形成しなければならないので、作業が煩雑であり、また多くの時間を費やさなければならないという課題がある。
本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、施工が容易な耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造および耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法を提供することにある。
かかる目的を達成するための本発明の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造は、
耐火構造材でなる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記耐火構造材柱は、荷重を支持するための、木質材からなる柱荷重支持層、
前記柱荷重支持層の外側に配置される柱燃え止まり層、及び、
前記柱燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる柱燃えしろ層、を有し、
前記耐火構造材梁と接合される上端部には、前記柱燃え止まり層及び前記柱燃えしろ層とが設けられずに前記柱荷重支持層が露出する露出部を有し、
前記耐火構造材梁は、互いに対向する木質板材でなる一対の梁端板部と、前記一対の梁端板部の間に設けられ木質板材でなる梁内側木質部とが綴り材により一体化された梁荷重支持層と、
前記梁荷重支持層の外側に配置される梁燃え止まり層と、
前記梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる梁燃えしろ層と、を有し、
前記梁荷重支持層の、前記耐火構造材柱と接合される先端部は、前記梁内側木質部の両側にて各々隣接する前記梁端板部と前記梁内側木質部とのうちの一方の、他方と対向する対向面に前記他方の対向面から離れる方向に凹設された2つの梁凹部を有しており、
前記耐火構造材梁に設けられた前記梁燃え止まり層のうちの、前記梁荷重支持層よりも下側に設けられた部分は、前記梁凹部と連続する部位を有さず、
前記露出部に対面させて当接される基板部と、前記基板部と交差する方向に突出する2つの突出板部とを有する鋼製の接合金具の前記基板部が前記露出部に固定され、前記柱燃えしろ層より外側に突出する前記2つの突出板部が、前記2つの梁凹部に各々挿入され、前記2つの突出板部を貫通する接合綴り材が前記一対の梁端板部間に亘って貫入されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造である。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、耐火構造材柱に固定された鋼製の接合金具の、柱燃えしろ層より外側に突出する2つの突出板部が、耐火構造材梁が有する2つの梁凹部に挿入されており、2つの突出板部を貫通する接合綴り材が一対の梁端板部間に亘って貫入されているので、2つの突出板部により梁内側木質部を挟持して耐火構造材柱と耐火構造材梁とを強固に接合することが可能である。また、耐火構造材梁の梁荷重支持層は、木質板材でなる一対の梁端板部と木質板材でなる梁内側木質部とが綴り材により一体化されて形成されているので、容易に形成することが可能である。また、耐火構造材柱と耐火構造材梁とを接合するために、耐火構造材柱に設けられた接合金具の突出板部が挿入される2つの梁凹部は、隣接する梁端板部と梁内側木質部とのうちの一方の、他方と対向する対向面に他方の対向面から離れる方向に凹設されているので、梁凹部を端板部又は内側木質部の側面に形成することが可能である。このため、長尺の梁の小口に溝を形成するよりも容易に正確な梁凹部を形成することが可能である。また、予め形成された梁凹部に鋼板を配置して接合綴り材を貫入するだけなので、容易に施工することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記接合金具の前記基板部は、前記柱荷重支持層を挟んで反対側に設けられる鋼製の裏板部材及び前記柱荷重支持層とともにボルトが貫通されており、
前記接合金具は、前記ボルトにナットが締め付けられることにより前記裏板部材とともに前記柱荷重支持層を挟持して固定されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、接合金具は柱荷重支持層を挟んで両側に配置される接合金具の基板部と裏板部材を貫通するボルトにナットを締め込んで固定するので、強固にかつ確実に固定することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記接合金具は、前記柱荷重支持層を挟んで当該柱荷重支持層の両側にそれぞれ設けられ、各々の前記接合金具の前記基板部と前記柱荷重支持層とに貫通されたボルトにナットが締め付けられることにより2つの前記接合金具の前記基板部により前記柱荷重支持層を挟持して固定され
前記2つの接合金具が備える前記突出板部には、各々互いに異なる耐火構造材梁が接合されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、柱荷重支持層を挟んで両側に設けられた接合金具の各基板部と柱荷重支持層とに貫通されたボルトにナットが締め付けられて固定された接合金具の突出板部に各々互いに異なる耐火構造材梁が接合されているので、裏板部材等の別の部材を用いること無く、2本の耐火構造材梁を耐火構造材柱に効率良く接合することが可能である。また、2つの接合金具は、基板部により柱荷重支持層を挟持して固定されているので、耐火構造材柱に強固に接合することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記耐火構造材柱の柱荷重支持層は、互いに対向する前記木質板材でなる一対の柱端板部と、前記一対の前記柱端板部の間に設けられ前記木質板材でなる柱内側木質部とが綴り材により一体化され、前記耐火構造材柱の小口から突出する突出部を有し、
前記耐火構造材柱は、当該耐火構造材柱の上に配置され、
荷重を支持し、互いに対向する前記木質板材でなる一対の上柱端板部と、前記一対の上柱端板部の間に設けられ前記木質板材でなる上柱内側木質部とが綴り材により一体化された上柱荷重支持層、
前記上柱荷重支持層の外側に配置される上柱燃え止まり層、及び、
前記上柱燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる上柱燃えしろ層、を有する上耐火構造材柱と接合され、
前記上耐火構造材柱は、前記耐火構造材柱と互いに小口を合わせて重ねられたときに、前記突出部が挿入されて、前記柱内側木質部と前記上柱内側木質部とが当接される挿入凹部を有し、
前記突出部が前記挿入凹部に挿入された状態で、前記一対の柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の前記柱端板部と前記柱内側木質部との間及び前記一対の上柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の前記上柱端板部と前記上柱内側木質部との間に、前記耐火構造材柱と前記上耐火構造材柱との間に亘って形成される空隙部に配置され、前記耐火構造材柱の前記小口より突出された前記柱内側木質部とともに前記突出部をなす鋼板を有し、
前記耐火構造材柱は、前記ボルトが前記鋼板を貫通し、
前記上耐火構造材柱は、前記鋼板を貫通する接合綴り材が前記一対の上柱端板部間に亘って貫入されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、上下に位置する耐火構造材柱と上耐火構造材柱とを接合するために、耐火構造材柱と上耐火構造材柱との間に亘って鋼板が挿入される空隙部は、一対の柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の柱端板部と柱内側木質部との間及び一対の上柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の上柱端板部と上柱内側木質部との間に、柱端板部、柱内側木質部、上柱端板部及び上柱内側木質部のいずれかの側面に凹設されているので、長尺の柱の小口に溝を形成するよりも容易に正確な空隙部を形成することが可能である。また、予め形成さえた空隙部に鋼板を配置して接合綴り材を貫入するだけなので、容易に施工することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記鋼板は、前記耐火構造材柱の上端部から、当該鋼板の面に沿って側方に延出された梁接合部を有し、
前記梁接合部に、
互いに対向する前記木質板材でなる一対の他の梁端板部と、前記一対の他の梁端板部の間に設けられ前記木質板材でなる他の梁内側木質部とが綴り材により一体化された他の梁荷重支持層と、
前記他の梁荷重支持層の外側に配置される他の梁燃え止まり層と、
前記他の梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる他の梁燃えしろ層と、を有する前記耐火構造材でなる他の耐火構造材梁が接合されていることが望ましい。
このような接合構耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、耐火構造材柱と上耐火構造材とを接合するための鋼板に設けられた、鋼板の面に沿って側方に延出された梁接合部に他の耐火構造材梁を接合するので、他の耐火構造材梁を接合するための部材を増やすこと無く他の耐火構造材梁を容易に接合することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記他の耐火構造材梁は、一対の前記他の端板部と前記他の内側木質部との間に備えられ前記梁接合部が挿入される鋼板挿入部を備え、
前記一対の他の端板部間に亘り前記梁接合部を貫通する接合綴り材により接合されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、他の耐火構造材梁に設けられた鋼板挿入部に梁接合部を挿入して接合綴り材を貫入するだけで容易に短時間で他の耐火構造材梁を接合することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記耐火構造材梁及び前記他の耐火構造材梁の上にスラブが形成されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、耐火構造材梁及び他の耐火構造材梁に支持されるスラブを形成することが可能である。また、耐火構造材梁及び他の耐火構造材梁の上面がスラブに覆われるので、より高い耐火性を備えることが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記耐火構造材梁の前記梁燃え止まり層には前記接合綴り材が挿通される燃え止まり層挿通孔が形成されており、
前記燃え止まり層挿通孔には、燃え止まり機能を有する部材が封入されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、梁燃え止まり層は、接合綴り材が挿通される燃え止まり層挿通孔にも燃え止まり機能を有する部材が封入されているので、梁荷重支持層全体を隙間無く梁燃え止まり層で囲うことが可能である。このため、より耐火性の高い耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を実現することが可能である。
かかる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
前記耐火構造材梁の前記梁燃えしろ層には前記接合綴り材が挿通される燃えしろ層挿通孔が形成されており、
前記燃えしろ層挿通孔には、前記梁燃えしろ層と同じ材質の部材が封入されていることが望ましい。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造によれば、梁燃えしろ層は、接合綴り材が挿通される燃えしろ層挿通孔にも梁燃えしろ層と同じ材質の部材が挿入されているので、梁燃え止まり層全体を隙間無く、単一の材質でなる梁燃えしろ層により囲うことが可能である。
また、 耐火構造材でなる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法であって、
荷重を支持するための、木質材からなる柱荷重支持層の第一側面に、基板部と、前記基板部と交差する方向に突出する2つの突出板部とを有する鋼製の接合金具の前記基板部を対面させて当接し、前記第一側面と前記柱荷重支持層を挟んで反対側に位置する第二側面に配置した裏板部材、前記基板部及び前記柱荷重支持層にボルトを貫通させて接合金具を固定し、前記接合金具が固定されている部位を除き、前記裏板部材が固定されている部位の外側を覆うとともに前記柱荷重支持層の外側に燃え止まり層を形成し、前記燃え止まり層の外側に燃えしろ層を形成して耐火構造材柱を形成する柱形成ステップと、
木質板材でなり対向する一対の梁端板部及び前記一対の梁端板部の間に設けられる梁内側木質部のうちの一方の、他方と対向する対向面に前記他方の対向面から離れる方向に凹設された梁凹部を、前記梁内側木質部の両側に位置するように各々形成し、前記一対の梁端板部と前記梁内側木質部とを積層し綴り材を貫入することにより一体化して荷重を支持するための梁荷重支持層を形成し、
前記梁荷重支持層の外側に配置される梁燃え止まり層と、
前記梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる梁燃えしろ層と、を形成して前記耐火構造材梁を形成する梁形成ステップと、
前記2つの突出板部を各々の前記梁凹部に挿入して、前記2つの突出板部を貫通する接合綴り材を前記一対の梁端板部の間に亘らせて貫入する接合ステップと、
を有し、
前記耐火構造材梁に設けられた前記梁燃え止まり層のうちの、前記梁荷重支持層よりも下側に設けられた部分は、前記梁凹部と連続する部位を有さないことを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法である。
このような耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法によれば、耐火構造材梁の梁荷重支持層は、木質板材でなる一対の梁端板部と木質板材でなる梁内側木質部とを綴り材により一体化するので、接着して乾燥するような時間を必要とせず、短時間に形成することが可能である。また、耐火構造材柱と耐火構造材梁とを接合するために、耐火構造材柱に設けられ接合金具の2つの突出板部が挿入される2つの梁凹部を、いずれも隣接する梁端板部と梁内側木質部とのうちの一方の、他方と対向する対向面に他方の対向面から離れる方向に凹設して形成するので、梁凹部を端板部又は内側木質部の側面に形成することが可能である。このため、長尺の梁の小口に溝を形成するよりも容易に正確な梁凹部を形成することが可能である。また、予め形成された梁凹部及び挿入凹部に鋼板を配置して接合綴り材を貫入するだけなので、容易に施工することが可能である。
本発明によれば、施工が容易な耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造および耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法を提供することが可能である。
本発明にかかる耐火構造材の一実施形態を示す図である。 本実施形態の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示す斜視図である。 耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示し積層方向に沿って破断した縦断面図である。 耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示し積層方向と直交する方向に沿って破断した縦断面図である。 耐火構造材柱の正面と裏面とに耐火構造材梁を接合する接合構造を示す斜視図である。 耐火構造材柱の正面と裏面とに耐火構造材梁を接合する接合構造を示す縦断面図である。 本実施形態の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法を示す図である。
以下、本発明にかかる一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、耐火構造材梁と耐火構造材柱をなす本発明にかかる耐火構造材について説明する。
図1は、本発明にかかる耐火構造材の一実施形態を示す図である。本実施形態の耐火構造材1は、芯部をなし荷重を支持するための、木質材からなる荷重支持層2と、荷重支持層2の外側に配置される耐火材からなる燃え止まり層3と、燃え止まり層3の外側に配置される木質材からなる燃えしろ層4と、を備えている。
荷重支持層2は、断面略矩形状をなし、製材、集成材、LVL等の板状をなす木質板材としての木質ブロック21を複数積層し、積層されている積層方向に綴り材としてのビス5が貫入されて一体化されている。以下の説明においては、荷重支持層2を形成し、積層された複数の木質ブロック21のうちの、積層方向において両端に位置する2枚の木質ブロック21をそれぞれ端板部21aと称し、一対の端板部21aの間に位置する1枚以上の木質ブロック21を内側木質部21bと称する。すなわち、荷重支持層2は、一対の端板部21a間に亘るビス5により一対の端板部21aと内側木質部21bとが接合されて一体化されている。ここで、内側木質部21bを構成する木質ブロック21は、1枚でも、複数積層されていても構わない。
燃え止まり層3は、荷重支持層2の外周面を覆うように各々の面に耐火材としての石膏ボードがビスにより取り付けられている。ここで、燃え止まり層3を形成する部材は石膏ボードに限らず、例えば、高熱容量材であるモルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント等の無機質材料、各種の金属材料の他、中空矩形断面の金属製のパイプ内に無機材料、液体金属、水、無機水和塩、消石灰等の蓄熱材料を充填して一体化したもの等であったり、断熱材である不燃木材、難燃処理材、珪酸カルシウム板、ロックウール、グラスウール等であったり、熱慣性の大きい木材であるセランガンバツ、ジャラ、ボンゴシ等であっても構わない。
燃えしろ層4は、荷重支持層2と同様のひき板や単板(LVL)等からなる単材を複数集成した木質材が燃え止まり層3の外周面を覆うように各々の面に接着剤により取り付けられている。
本実施形態の耐火構造材1によれば、荷重支持層2が、積層された複数の木質ブロック21にビス5が貫入されて一体化されて形成されているので、荷重支持層2を製造するために複数の木質ブロック21同士を接着する必要がない。このため、専用の設備は必要とせず、安価で短時間で製造可能な、製造性に優れた耐火構造材1を提供することが可能である。
図2は、耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示す斜視図である。図3は、耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示し柱荷重支持層の積層方向に沿って破断した縦断面図である。図4は、耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を示し柱荷重支持層の積層方向と直交する方向に沿って破断した縦断面図である。
本耐火構造材1を梁及び柱として用いたときの耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を、耐火構造材柱の直行する2つの側面に耐火構造材梁が接合され、また耐火構造材柱を上下に接合している耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を例に挙げて説明する。以下の説明においては、下側の柱をなす耐火構造材柱を下耐火構造材柱6、上側の柱をなす耐火構造材柱を上耐火構造材柱7、耐火構造材柱が有する荷重支持層の木質ブロック21の積層方向に接合される梁を第一耐火構造材梁8、第一耐火構造材梁8と直交する他の耐火構造材梁を第二耐火構造材梁9として説明する。また、下耐火構造材柱6、上耐火構造材柱7、第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9を構成する端板部、内側木質部、荷重支持層、燃え止まり層及び燃えしろ層等の部位、部材には、下耐火構造材柱6、上耐火構造材柱7、第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9と対応付けて、各名称の前に「下」「上」「第一」「第二」を付して説明する。例えば、下耐火構造材柱6を構成する端板部は下柱端板部62a、上耐火構造材柱7を構成する端板部は上柱端板部72a、第一耐火構造材梁8を構成する端板部は第一梁端板部82a、第二耐火構造材梁9を構成する端板部は第二梁端板部92aと称して説明する。
本実施形態の耐火構造材柱6と耐火構造材梁8、9との接合構造では、下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とは鋼製の接合金具10を用いて接合されており、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7及び第二耐火構造材梁9とは、2枚の鋼板11を用いて接合されている。
下耐火構造材柱6、上耐火構造材柱7、第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9はいずれも耐火構造材1を製造する工程において、互いに接合可能な形状に形成されている。
下耐火構造材柱6は、その長手方向において、下柱燃えしろ層64、下柱燃え止まり層63、一対の下柱端板部62aより下柱内側木質部62bが上方に突出するように形成され、一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとの間から下柱端板部62aより突出している下柱内側木質部62bの木質突出部62dに沿うように、上耐火構造材柱7及び第二耐火構造材梁9と下耐火構造材柱6とを接合するための2枚の鋼板11が配置されている。
下耐火構造材柱6の、下柱内側木質部62bと隣接する一対の下柱端板部62aには各々、下柱内側木質部62bと対向する対向面に下柱内側木質部62bから離れる方向に凹設させて、鋼板11が配置される下柱凹部62cが形成されている。すなわち、鋼板11は、一対の下柱端板部62aに形成された下柱凹部62cにより形成される一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとの間の空隙部13に挿入されて一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとの間に挟まれ下柱内側木質部62bの先端まで設けられている。ここで、木質突出部62dと鋼板11において上方に突出している部位が、下耐火構造材柱6の突出部6aに相当する。
また、鋼板11には、下耐火構造材柱6の一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとの間に配置される部位から水平方向における一方側に鋼板11の面に沿って延出され、下柱燃えしろ層64より側方に延出され、第二耐火構造材梁9が接合される梁接合部11aが設けられている。鋼板11の一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとの間に挟まれている部位、一対の下柱端板部62a及び下柱内側木質部62bには、後述する接合金具10を固定するためのボルト14が貫通する複数のボルト貫通孔6bが設けられている。また、鋼板11の突出している部位及び木質突出部62dには、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合するための接合綴り材としてのドリフトピン15が貫通される複数のピン貫通孔62e、11bが設けられている。更に、鋼板11の梁接合部11aには下耐火構造材柱6と第二耐火構造材梁9とを接合するためのドリフトピン15が貫通される複数のピン貫通孔11bが設けられている。
下耐火構造材柱6における下柱荷重支持層62の木質ブロック21が積層されている積層方向と直交する面をなす側面(以下、正面という)6cには、積層方向に沿って配置される第一耐火構造材梁8を接合するための鋼製の接合金具10が設けられている。この接合金具10は、下耐火構造材柱6において接合金具10が配置される正面6cと反対側の側面(以下、裏面という)6dに設けられた鋼板製の裏板部材16と下柱荷重支持層62を挟持するようにボルト14とナット17により固定されている。
接合金具10は、下柱荷重支持層62の正面6cと対面させて当接される鋼板製の基板部10aと、基板部10aと略直交する方向に突出する鋼板製の2枚の突出板部10bとが溶接されて形成されている。本実施形態において、接合金具10が有する2枚の突出板部10bの間隔は、第一耐火構造材梁8の第一梁内側木質部82bの厚みと等しく設定されている。すなわち、下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを接合したときには、2枚の突出板部10bの間に第一梁内側木質部82bが位置するように構成されている。
基板部10aには、一対の下柱端板部62a及び下柱内側木質部62bを積層方向に貫通するボルト14が貫通する複数のボルト貫通孔10cが設けられている。2枚の突出板部10bには、下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを接合するためのドリフトピン15が貫通される複数のピン貫通孔10dが設けられている。接合金具10が下耐火構造材柱6に固定されたときに突出板部10bの下柱燃えしろ層64から突出する部位と、下耐火構造材柱6の側方に延出された梁接合部11aの下柱燃えしろ層64から突出する部位とを同形状にすることにより、第一耐火構造材梁8と第二耐火構造材梁9との端部を同形状とすることが可能である。
裏板部材16は、接合金具10の基板部10aとほぼ同じ大きさをなし、基板部10aと同様に、接合金具10を固定するためのボルト14が貫通する複数のボルト貫通孔16aが設けられている。この裏板部材16は、下柱荷重支持層62の裏面側に位置する下柱端板部62aの外周側の面に正面6c側に窪ませて形成された外周凹部62fに配置されており、接合金具10を固定するボルト14が締め込まれたときにボルト14の頭部が裏面6d側の下柱燃え止まり層63と干渉しないように外周凹部62fが形成されている。このため、下柱荷重支持層62の外側に設けられている下柱燃え止まり層63及び下柱燃えしろ層64は、接合金具10の基板部10aが当接される部位、梁接合部11aが突出する部位、対向する梁接合部11a間及びそれらの上方には設けられていない。また、裏板部材16が当接される部位には、下燃え止まり層63及び下柱燃えしろ層64は、裏板部材16およびボルト14の頭部を覆うように設けられている。ここで、接合金具10の基板部10aが当接される部位が露出部に相当する。
耐火構造材1でなる第一耐火構造材梁8は、下耐火構造材柱6と接合される端部に設けられ、第一梁内側木質部82bと隣接する一対の第一梁端板部82aに各々、第一梁内側木質部82bと対向する対向面に第一梁内側木質部82bから離れる方向に凹設されて、接合金具10の突出板部10bが挿入される第一梁凹部82cが形成されている。第一梁凹部82cは、当該第一梁凹部82cに嵌合される接合金具10の突出板部10bが第一梁内側木質部82bを挟んで両側にそれぞれ設けられている。
耐火構造材1でなる第二耐火構造材梁9は、下耐火構造材柱6と接合される端部に設けられ、第二梁内側木質部92bと隣接する一対の第二梁端板部92aに各々、第二梁内側木質部92bと対向する対向面に第二梁内側木質部92bから離れる方向に凹設されて、鋼板11の梁接合部11aが挿入される鋼板挿入部としての第二梁凹部92cが形成されている。第二梁凹部92cは、当該第二梁凹部92cに嵌合される鋼板11の梁接合部11aが第二梁内側木質部92bを挟んで両側にそれぞれ設けられている。
すなわち、本実施形態においては、第一耐火構造材梁8と第二耐火構造材梁9とは、長さは相違するが、下耐火構造材柱6と接合される端部の形状は同一である。
第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9の上には、コンクリートが打設されてコンクリートスラブ18が形成される。コンクリートスラブ18の下面18aは第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9の各荷重支持層82、92の上面、第一及び第二梁燃え止まり層83、93の上端及び第一及び第二梁燃えしろ層84、94の上端に当接して覆われている。
上耐火構造材柱7の下端部には、鋼板11が取り付けられた下耐火構造材柱6の上方に突出している木質突出部62dと下柱内側木質部62bに沿って突出している鋼板11とが挿入される挿入凹部7aが形成されている。
挿入凹部7aは、上耐火構造材柱7が、下耐火構造材柱6の上に配置されたときに、下耐火構造材柱6の下柱内側木質部62bの上面が上耐火構造材柱7の上柱内側木質部72bの下面に当接されるように上柱内側木質部72bが一対の上柱端板部72aより短く形成されている。また、一対の上柱端板部72aには、互いに対向する上柱内側木質部72b側の対向面に互いに離れる方向に凹設させて、鋼板11が配置される上柱凹部72cが形成されている。
上耐火構造材柱7が、下耐火構造材柱6の上に配置された状態では、下柱凹部62cと上柱凹部72cとが繋がって形成される空隙部13に鋼板11が、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とに亘るように配置され、梁接合部11aが下耐火構造材柱6の下柱燃えしろ層64より外側に突出している。下柱凹部62cと上柱凹部72cに鋼板11が収容された部位には、鋼板11を貫通する複数のドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔62e、7bが設けられており、各ピン貫通孔62e、7bに、一対の上柱端板部72aに亘るようにドリフトピン15が貫入されていることにより下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とが接合されている。
そして、第一耐火構造材梁8が下耐火構造材柱6の正面6cに当接されて第一耐火構造材梁8の第一梁凹部82cに挿入された接合金具10の突出板部10bを貫通し、第一耐火構造材梁8の一対の第一梁端板部82aに亘るドリフトピン15が貫入されて第一耐火構造材梁8と下耐火構造材柱6とが接合されている。また、第二耐火構造材梁9が下耐火構造材柱6の側面に当接されて第二耐火構造材梁9の第二梁凹部92cに挿入された鋼板11の梁接合部11aを貫通し、第二耐火構造材梁9の一対の第二梁端板部92aに亘るドリフトピン15が貫入されて第二耐火構造材梁9と下耐火構造材柱6とが接合されている。また、上耐火構造材柱7が下耐火構造材柱6の上に載置され、挿入凹部7aに突出部6aが挿入されて上耐火構造材柱7の上柱凹部72cに挿入された鋼板11を貫通し、上耐火構造材柱7の一対の上柱端板部72aに亘るドリフトピン15が貫入されて上耐火構造材柱7と下耐火構造材柱6とが接合されている。
また、第一梁燃え止まり層83、第二梁燃え止まり層93、上柱燃え止まり層73にそれぞれ設けられ、ドリフトピン15が挿通される燃え止まり層挿通孔3aに、各燃え止まり層83、93、73と同じ材質の封入部材3bがそれぞれ封入され、第一梁燃えしろ層84、第二梁燃えしろ層94、上柱燃えしろ層74にそれぞれ設けられ、ドリフトピン15が挿通される燃えしろ層挿通孔4aに、各燃えしろ層84、94、74と同じ材質の封入部材4bがそれぞれ封入されている。
本実施形態によれば、下耐火構造材柱6に固定された鋼製の接合金具10の、下柱燃えしろ層64より外側に突出する2つの突出板部10bが、第一耐火構造材梁8が有する2つの第一梁凹部82cに挿入されて2つの突出板部10bを貫通するドリフトピン15が一対の第一梁端板部82a間に亘って貫入されているので、2つの突出板部10bにより第一梁内側木質部82bを挟持して下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを強固に接合することが可能である。
本実施形態の下柱荷重支持層62、上柱荷重支持層72、第一梁荷重支持層82及び第二梁荷重支持層92は、木質ブロック21が積層されてビス5により一体化されて形成されているので、容易に形成することが可能である。また、下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを接合するために、下耐火構造材柱6に設けられた接合金具10の突出板部10bが挿入される第一梁凹部82cは、第一梁端板部82aの第一梁内側木質部82bと対向する対向面に第一梁内側木質部82bの対向面から離れる方向に凹設されているので、第一梁凹部82cを第一梁端板部82aの側面に形成することが可能である。また、下耐火構造材柱6と第二耐火構造材梁9とを接合するために、下耐火構造材柱6から側方に延出された鋼板11の梁接合部11aが挿入される第二梁凹部92cは、第二梁端板部92aの第二梁内側木質部92bと対向する対向面に第二梁内側木質部92bの対向面から離れる方向に凹設されているので、第二梁凹部92cを第二梁端板部92aの側面に形成することが可能である。また、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合するために、下耐火構造材柱6から上方に突出された鋼板11の突出している部位が挿入される上柱凹部72cは、上柱端板部72aの上柱内側木質部72bと対向する対向面に上柱内側木質部72bの対向面から離れる方向に凹設されているので、上柱凹部72cを上柱端板部72aの側面に形成することが可能である。このため、長尺の柱の小口に溝を形成するよりも容易に正確な上柱凹部72cを形成することが可能である。また、予め形成された第一梁凹部82c、第二梁凹部92c及び上柱凹部72cに鋼板11または接合金具10の突出板部10bを配置してドリフトピン15を貫入するだけなので、容易に施工することが可能である。
また、接合金具10は下柱荷重支持層62を挟んで正面6c側に配置される接合金具10の基板部10aと裏面6d側に配置される裏板部材16とを貫通するボルト14にナット17を締め込んで固定されているので、強固にかつ確実に固定することが可能である。
また、第一梁燃え止まり層83、第二梁燃え止まり層93、上柱燃え止まり層73にそれぞれ設けられた燃え止まり層挿通孔3aには、各燃え止まり層83、93、73と同じ材質の封入部材3bがそれぞれ封入されているので、第一梁荷重支持層82全体、第二梁荷重支持層92全体、及び、上柱荷重支持層72全体を隙間無く第一梁燃え止まり層83、第二梁燃え止まり層93、上柱燃え止まり層73で囲うことが可能である。このため、より耐火性の高い耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造を実現することが可能である。
また、第一梁燃えしろ層84、第二梁燃えしろ層94、上柱燃えしろ層74にそれぞれ設けられ、ドリフトピン15が挿通される燃えしろ層挿通孔4aには、各燃えしろ層84、94、74と同じ材質の封入部材4bがそれぞれ封入されているので、第一梁燃え止まり層83全体、第二梁燃え止まり層93全体、及び、上柱燃え止まり層73全体を隙間無く、単一の材質でなる第一梁燃えしろ層84、第二梁燃えしろ層94、上柱燃えしろ層74で囲うことが可能である。
また、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合するための鋼板11が、第二耐火構造材梁9を接合するための梁接合部11aを備えているので、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合するばかりでなく、他の部材を追加することなく第二耐火構造材梁9をも容易に接合することが可能である。
また、第一耐火構造材梁8に設けられた第一梁凹部82cに突出板部10bを挿入してドリフトピン15を貫入するだけで、また、第二耐火構造材梁9に設けられた第二梁凹部92cに梁接合部11aを挿入してドリフトピン15を貫入するだけで、容易に短時間で第一耐火構造材梁8及び第二耐火構造材梁9と下耐火構造材柱6とを接合することが可能である。
また、第一及び第二耐火構造材梁8、9に支持させてコンクリートスラブ18が形成されているので、第一及び第二耐火構造材梁8、9の上面がコンクリートスラブ18に覆われる。このため、より高い耐火性を備えることが可能である。
上記実施形態においては、下耐火構造材柱6の正面6c側に第一耐火構造材梁8を接合するための接合金具10を裏面6d側に設けた裏板部材16とともに貫通するボルト14とナット17で下柱荷重支持層62を挟んで締め付けることにより接合する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、図5、図6に示すように、下耐火構造材柱6の正面6c側と裏面6d側とにそれぞれ接合金具10を備えて、2本の耐火構造材梁8を接合する場合には、2つの接合金具10の互いに他の接合金具10の基板部10aを各々裏板部材としてボルト14とナット17により固定し、2つの接合金具10が備える突出板部10bに各々互いに異なる耐火構造材梁8を接合しても良い。この場合には、裏板部材を用いること無く、2本の耐火構造材梁8を下耐火構造材柱6に効率良く接合することが可能である。
次に本実施形態の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法について説明する。
図7は、耐火構造材梁と耐火構造材柱との接合方法を示す図である。
下耐火構造材柱6に第一耐火構造材梁8および第二耐火構造材梁9との接合は、接合金具10と梁接合部11aが設けられた2枚の鋼板11とが設けられ、突出部6aが形成された下耐火構造材柱6を形成する柱形成ステップS1と、接合金具10の突出板部10bまたは梁接合部11aが挿入される第一または第二梁凹部82c、92cを備えた第一及び第二耐火構造材梁8、9を形成する梁形成ステップS2と、下耐火構造材柱6と第一及び第二耐火構造材梁8、9とを接合する梁接合ステップS4と、を有している。本実施形態の場合には、上耐火構造材柱7が下耐火構造材柱6に接合されており、第一及び第二耐火構造材梁8、9上にコンクリートスラブ18が設けられているので、上耐火構造材柱を形成する上柱形成ステップS3と、スラブ形成ステップS5と、下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合する柱接合ステップS6と、を有している。
柱形成ステップS1では、まず下柱荷重支持層62を形成する複数の木質ブロック21のうちの積層方向において両端に配置されて一対の下柱端板部62aをなす木質ブロック21の、内側に配置される下柱内側木質部62bをなす木質ブロック21と対向する対向面に鋼板11を配置するための下柱凹部62cとを形成する。このとき、鋼板11の厚みより僅かに薄く、下柱端板部62aの下柱内側木質部62b側の面を、上端から鋼板11を挿入する長さに相当する分だけ切除する。
また、下耐火構造材柱6の裏面6d側に配置される下柱端板部62aに接合金具10を固定するために設けられる裏板部材16が挿入される外周凹部62fを形成する。外周凹部62fは、当該外周凹部62fと下耐火構造材柱6の下柱燃え止まり層63の厚みとが、裏板部材16の厚みと接合金具10を固定するボルト14の頭部の厚みよりも僅かに大きくなるように形成されている。
更に、一対の下柱端板部62aと下柱内側木質部62bとに、接合金具10を固定するボルト14が貫通するボルト貫通孔6bを形成し、下柱内側木質部62bの木質突出部62dには、上耐火構造材柱7と接合するためのドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔7bを形成する。
次に、下柱内側木質部62bの両側に下柱端板部62aを配置して積層し、下柱凹部62cを避けてビス5により下柱内側木質部62bと下柱端板部62aとを一体化して下柱荷重支持層62を形成する。
次に、下柱荷重支持層62の下柱凹部62cに、その半分が先端側に突出するように鋼板11を挿入する。尚、鋼板11はドリフトピン15を貫入する際に配置しても構わない。鋼板11には、接合金具10を固定するためにボルト14が貫通するボルト貫通孔11cと、第二耐火構造材梁9を固定するためのドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔11bと上耐火構造材柱7を固定するためのドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔11bとが設けられている。
次に、下柱荷重支持層62の正面6cに接合金具10の基板部10aを当接させ、裏面6dに設けられた外周凹部62fに裏板部材16を当接させて配置し、一対の下柱端板部62a、下柱内側木質部62b、2枚の鋼板11、基板部10aおよび裏板部材16に設けられたボルト貫通孔にボルト14を裏面6d側から貫通させ正面6c側からナット17を螺合して締め付けて2枚の鋼板11とともに接合金具10を下柱荷重支持層62に固定する。
次に、下柱荷重支持層62の外周面には、接合金具10が当接されている部位と、梁接合部11aが突出する部位と、対向する梁接合部11a間及びそれらの上方とを除いて、石膏ボードをビスにより固定して下柱燃え止まり層63を形成する。
次に、下柱燃え止まり層63の外側に木質材を接着して下柱燃えしろ層64を形成する。このとき、下柱燃え止まり層63と同様に、接合金具10が当接されている部位と、梁接合部11aが突出する部位と、対向する梁接合部11a間及びそれらの上方とには、木質材を配置しない。
梁形成ステップS2では、第一耐火構造材梁8と第二耐火構造材梁9とを形成するが、形成方法は同じなので、ここでは第一耐火構造材梁8を例に挙げて説明する。
第一耐火構造材梁8は、まず、第一梁荷重支持層82を形成する複数の木質ブロック21のうちの積層方向において両端に配置されて一対の第一梁端板部82aをなす木質ブロック21の、第一梁内側木質部82bをなす木質ブロック21と対向する対向面に接合金具10の突出板部10bを挿入するための第一梁凹部82cを形成する。このとき、一対の第一梁端板部82aと第一梁内側木質部82bとには、ドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔(不図示)を形成しておく。
次に、第一梁内側木質部82bを一対の第一梁端板部82aの間に介在させて一対の第一梁端板部82aと第一梁内側木質部82bとを積層し、第一梁凹部82cを避けてビス5により第一梁内側木質部82bと一対の第一梁端板部82aとを一体化して第一梁荷重支持層82を形成する。
次に、第一梁荷重支持層82の両側面と下面とに石膏ボードをビスにより固定して第一梁燃え止まり層83を形成する。このとき、側面の石膏ボードと下面の石膏ボードとの間に隙間が生じないように、すなわち側面の石膏ボードと下面の石膏ボードとが互いに当接して石膏ボードが両側面と下面とにわたるように配置する。
次に、第一梁燃え止まり層83の両側面と下面とに木質材を接着して第一梁燃えしろ層84を形成する。このとき、側面の木質材と下面の木質材との間に隙間が生じないように、すなわち側面の木質材と下面の木質材とが互いに当接して木質材が両側面と下面とにわたるように配置する。
上柱形成ステップS3では、上柱荷重支持層72を形成する複数の木質ブロック21のうちの積層方向において両端に配置される一対の上柱端板部72aをなす木質ブロック21の、内側に配置される上柱内側木質部72bをなす木質ブロック21と対向する対向面に鋼板11を配置するための上柱凹部72cを形成する。このとき、上柱端板部72aの上柱内側木質部72b側の面を、先端部分であって下耐火構造材柱6が接合される面側に挿入される鋼板11の長さに相当する分だけ切除する。
次に、上柱内側木質部72bの両側に上柱端板部72aを配置して積層し、上柱凹部72cを避けてビス5により上柱内側木質部72bと上柱端板部72aとを一体化して上柱荷重支持層72を形成する。このとき、上柱内側木質部72bの下端が、上柱端板部72a、上柱燃え止まり層73および上柱燃えしろ層74の下端より、下耐火構造材柱6の突出部6aの高さ分だけ高くなるように配置する。
次に、上柱荷重支持層72の外側に石膏ボードをビスにより固定して上柱燃え止まり層73を形成し、上柱燃え止まり層73の外側に木質材を接着して上柱燃えしろ層74を形成する。このように形成された上耐火構造材柱7の下端部には、下耐火構造材柱6の突出部6aが挿入される挿入凹部7aが形成される。また、上柱燃えしろ層74が備えられた上耐火構造材柱7には、積層方向に貫通しドリフトピン15が貫入されるピン貫通孔7bを形成しておく。
梁接合ステップS4では、梁形成ステップS2において形成した第一耐火構造材梁8と第二耐火構造材梁9とが施工現場に搬入され、下耐火構造材柱6が立てられた後に、下耐火構造材柱6に設けられた接合金具10の突出板部10bが、第一耐火構造材梁8の第一梁凹部82cに挿入されるように第一耐火構造材梁8の端部を下耐火構造材柱6の正面6cに当接させ、一対の第一梁端板部82a間に亘るようにドリフトピン15を貫入して下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを接合する。また、立てられた下耐火構造材柱6に設けられた鋼板11の梁接合部11aが、第二耐火構造材梁9の第二梁凹部92cに挿入されるように第二耐火構造材梁9の端部を下耐火構造材柱6の側面に当接させ、一対の第二梁端板部92a間に亘るようにドリフトピン15を貫入して下耐火構造材柱6と第二耐火構造材梁9とを接合する。
スラブ形成ステップS5では、第一耐火構造材梁8と第二耐火構造材梁9とを含み複数設けられている耐火構造材梁の間にコンクリートスラブ18を形成するための型(不図示)を配設するとともに、耐火構造材梁上に耐火構造材梁の長手方向及び長手方向と略直交する方向に鉄筋を配筋する。次に、配設した型にコンクリートを打設してコンクリートスラブ18を形成する。このとき、各耐火構造材梁8、9の上部がコンクリートスラブ18により覆われることにより、各耐火構造材梁8、9の各荷重支持層82、92が、第一または第二梁燃え止まり層83、93、第一または第二梁燃えしろ層84、94がコンクリートスラブ18により覆われる。
柱接合ステップS6では、下耐火構造材柱6の突出部6aを上耐火構造材柱7の挿入凹部7aに挿入し、ピン貫通孔7bにドリフトピン15を貫入して下耐火構造材柱6と上耐火構造材柱7とを接合する。
最後に、第一耐火構造材梁8、第二耐火構造材梁9および上耐火構造材柱7の各燃え止まり層83、93、73及び燃えしろ層84、94、74に設けられ、ドリフトピン15が挿通される燃え止まり層挿通孔3aに各燃え止まり層83、93、73と同じ材質の封入部材3bを封入し、燃えしろ層挿通孔4aに、燃えしろ層84、94、74と同じ材質の封入部材4bを封入する。
本実施形態の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法によれば、下耐火構造材柱6、上耐火構造材柱7、第一及び第二耐火構造材梁8、9の各梁荷重支持層62、72、82、92は、木質ブロック21でなる一対の各端板部62a、72a、82a、92aと木質ブロック21でなる各内側木質部62b、72b、82b、92bとをビス5により一体化するので、接着して乾燥するような時間を必要とせず、短時間に形成することが可能である。また、下耐火構造材柱6と第一耐火構造材梁8とを接合するために、下耐火構造材柱6に設けられ接合金具10の突出板部10bが挿入される第一梁凹部82cは、第一梁端板部82aの、第一梁内側木質部82bと対向する対向面に第一梁内側木質部82bの対向面から離れる方向に各々凹設して形成するので、第一梁凹部82cを第一梁端板部82aの側面に形成することが可能である。また、下耐火構造材柱6と第二耐火構造材梁9とを接合するために、下耐火構造材柱6に設けられ鋼板11の梁接合部11aが挿入される第二梁凹部92cは、第二梁端板部92aの、第二梁内側木質部92bと対向する対向面に第二梁内側木質部92bの対向面から離れる方向に各々凹設して形成するので、第二梁凹部92cを第二梁端板部92aの側面に形成することが可能である。このため、長尺の梁の小口に溝を形成するよりも容易に正確な2つの梁凹部を形成することが可能である。また、予め形成さえた第一梁凹部82cに突出板部10bを挿入し、第二梁凹部92c及び挿入凹部7aに鋼板11を配置してドリフトピン15を貫入するだけなので、容易に施工することが可能である。
上記実施形態においては、突出板部10bが挿入される第一梁凹部82cを一対の第一梁端板部82aに形成し、鋼板11が挿入される第二梁凹部92c及び挿入凹部7aを第二梁端板部92aおよび上柱端板部72aに形成した例について説明したが、いずれも対面する端板部と内側木質部とのいずれか一方に設けられていれば構わない。
また、上記実施形態においては、各燃え止まり層83、93、73に形成されている燃え止まり層挿通孔3aに、各燃え止まり層83、93、73と同じ材質の封入部材3bを封入した例について説明したが、燃え止まり層挿通孔3aには、燃え止まり機能を有する部材が封入されていれば、各燃え止まり層83、93、73と同じ材質の部材でなくとも構わない。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
1 耐火構造材
2 荷重支持層
3 燃え止まり層
4 燃えしろ層
5 ビス(綴り材)
6 下耐火構造材柱
6a 突出部
6b ボルト貫通孔
6c 正面
7 上耐火構造材柱
7a 挿入凹部
8 第一耐火構造材梁
9 第二耐火構造材梁
10 接合金具
10a 基板部
10b 突出板部
10c ボルト貫通孔
10d ピン貫通孔
11 鋼板
11a 梁接合部
11b ピン貫通孔
11c ボルト貫通孔
13 空隙部
14 ボルト
15 ドリフトピン(接合綴り材)
16 裏板部材
16a ボルト貫通孔
17 ナット
18 コンクリートスラブ
18a 下面
21 木質ブロック(木質板材)
21a 端板部
21b 内側木質部
62 下柱荷重支持層
62a 下柱端板部
62b 下柱内側木質部
62c 下柱凹部
62d 木質突出部
62e ピン貫通孔
62f 外周凹部
63 下柱燃え止まり層
64 下柱燃えしろ層
72 上荷重支持層
72a 上柱端板部
72b 上柱内側木質部
72c 上柱凹部
82 第一梁荷重支持層
82a 第一梁端板部
82b 第一梁内側木質部
82c 第一梁凹部
83 第一梁燃え止まり層
84 第一梁燃えしろ層
92 第二梁荷重支持層
92a 第二梁端板部
92b 第二梁内側木質部
92c 第二梁凹部(鋼板挿入部)
93 第二梁燃え止まり層
94 第二梁燃えしろ層

Claims (10)

  1. 耐火構造材でなる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記耐火構造材柱は、荷重を支持するための、木質材からなる柱荷重支持層、
    前記柱荷重支持層の外側に配置される柱燃え止まり層、及び、
    前記柱燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる柱燃えしろ層、を有し、
    前記耐火構造材梁と接合される上端部には、前記柱燃え止まり層及び前記柱燃えしろ層とが設けられずに前記柱荷重支持層が露出する露出部を有し、
    前記耐火構造材梁は、互いに対向する木質板材でなる一対の梁端板部と、前記一対の梁端板部の間に設けられ木質板材でなる梁内側木質部とが綴り材により一体化された梁荷重支持層と、
    前記梁荷重支持層の外側に配置される梁燃え止まり層と、
    前記梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる梁燃えしろ層と、を有し、
    前記梁荷重支持層の、前記耐火構造材柱と接合される先端部は、前記梁内側木質部の両側にて各々隣接する前記梁端板部と前記梁内側木質部とのうちの一方の、他方と対向する対向面に前記他方の対向面から離れる方向に凹設された2つの梁凹部を有しており、
    前記耐火構造材梁に設けられた前記梁燃え止まり層のうちの、前記梁荷重支持層よりも下側に設けられた部分は、前記梁凹部と連続する部位を有さず、
    前記露出部に対面させて当接される基板部と、前記基板部と交差する方向に突出する2つの突出板部とを有する鋼製の接合金具の前記基板部が前記露出部に固定され、前記柱燃えしろ層より外側に突出する前記2つの突出板部が、前記2つの梁凹部に各々挿入され、前記2つの突出板部を貫通する接合綴り材が前記一対の梁端板部間に亘って貫入されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  2. 請求項1に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記接合金具の前記基板部は、前記柱荷重支持層を挟んで反対側に設けられる鋼製の裏板部材及び前記柱荷重支持層とともにボルトが貫通されており、
    前記接合金具は、前記ボルトにナットが締め付けられることにより前記裏板部材とともに前記柱荷重支持層を挟持して固定されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  3. 請求項1に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記接合金具は、前記柱荷重支持層を挟んで当該柱荷重支持層の両側にそれぞれ設けられ、各々の前記接合金具の前記基板部と前記柱荷重支持層とに貫通されたボルトにナットが締め付けられることにより2つの前記接合金具の前記基板部により前記柱荷重支持層を挟持して固定され
    前記2つの接合金具が備える前記突出板部には、各々互いに異なる耐火構造材梁が接合されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  4. 請求項2に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記耐火構造材柱の前記柱荷重支持層は、互いに対向する前記木質板材でなる一対の柱端板部と、前記一対の柱端板部の間に設けられ前記木質板材でなる柱内側木質部とが綴り材により一体化され、前記耐火構造材柱の小口から突出する突出部を有し、
    前記耐火構造材柱は、
    当該耐火構造材柱の上に配置され、荷重を支持して互いに対向する前記木質板材でなる一対の上柱端板部と、前記一対の上柱端板部の間に設けられ前記木質板材でなる上柱内側木質部とが綴り材により一体化された上柱荷重支持層、
    前記上柱荷重支持層の外側に配置される上柱燃え止まり層、及び、
    前記上柱燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる上柱燃えしろ層、を有する上耐火構造材柱と接合され、
    前記上耐火構造材柱は、前記耐火構造材柱と互いに小口を合わせて重ねられたときに、前記突出部が挿入されて、前記柱内側木質部と前記上柱内側木質部とが当接される挿入凹部を有し、
    前記突出部が前記挿入凹部に挿入された状態で、前記一対の柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の前記柱端板部と前記柱内側木質部との間及び前記一対の上柱端板部のうちの少なくともいずれか一方の前記上柱端板部と前記上柱内側木質部との間に、前記耐火構造材柱と前記上耐火構造材柱との間に亘って形成される空隙部に配置され、前記耐火構造材柱の前記小口より突出された前記柱内側木質部とともに前記突出部をなす鋼板を有し、
    前記耐火構造材柱は、前記ボルトが前記鋼板を貫通し、
    前記上耐火構造材柱は、前記鋼板を貫通する接合綴り材が前記一対の上柱端板部間に亘って貫入されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  5. 請求項4に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記鋼板は、前記耐火構造材柱の上端部から、当該鋼板の面に沿って側方に延出された梁接合部を有し、
    前記梁接合部に、
    互いに対向する前記木質板材でなる一対の他の梁端板部と、前記一対の他の梁端板部の間に設けられ前記木質板材でなる他の梁内側木質部とが綴り材により一体化された他の梁荷重支持層と、
    前記他の梁荷重支持層の外側に配置される他の梁燃え止まり層と、
    前記他の梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる他の梁燃えしろ層と、を有する前記耐火構造材でなる他の耐火構造材梁が接合されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  6. 請求項5に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記他の耐火構造材梁は、一対の前記他の端板部と前記他の内側木質部との間に備えられ前記梁接合部が挿入される鋼板挿入部を備え、
    前記一対の他の端板部間に亘り前記梁接合部を貫通する接合綴り材により接合されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  7. 請求項5または請求項6に記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記耐火構造材梁及び前記他の耐火構造材梁の上にスラブが形成されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記耐火構造材梁の前記梁燃え止まり層には前記接合綴り材が挿通される燃え止まり層挿通孔が形成されており、
    前記燃え止まり挿通孔には、燃え止まり機能を有する部材が封入されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造であって、
    前記耐火構造材梁の前記梁燃えしろ層には前記接合綴り材が挿通される燃えしろ層挿通孔が形成されており、
    前記燃えしろ層挿通孔には、前記梁燃えしろ層と同じ材質の部材が封入されていることを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合構造。
  10. 耐火構造材でなる耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法であって、
    荷重を支持するための、木質材からなる柱荷重支持層の第一側面に、基板部と、前記基板部と交差する方向に突出する2つの突出板部とを有する鋼製の接合金具の前記基板部を対面させて当接し、前記第一側面と前記柱荷重支持層を挟んで反対側に位置する第二側面に配置した裏板部材、前記基板部及び前記柱荷重支持層にボルトを貫通させて接合金具を固定し、前記接合金具が固定されている部位を除き、前記裏板部材が固定されている部位の外側を覆うとともに前記柱荷重支持層の外側に燃え止まり層を形成し、前記燃え止まり層の外側に燃えしろ層を形成して耐火構造材柱を形成する柱形成ステップと、
    木質板材でなり対向する一対の梁端板部及び前記一対の梁端板部の間に設けられる梁内側木質部のうちの一方の、他方と対向する対向面に前記他方の対向面から離れる方向に凹設された梁凹部を、前記梁内側木質部の両側に位置するように各々形成し、前記一対の梁端板部と前記梁内側木質部とを積層し綴り材を貫入することにより一体化して荷重を支持するための梁荷重支持層を形成し、
    前記梁荷重支持層の外側に配置される梁燃え止まり層と、
    前記梁燃え止まり層の外側に配置される木質材からなる梁燃えしろ層と、を形成して前記耐火構造材梁を形成する梁形成ステップと、
    前記2つの突出板部を各々の前記梁凹部に挿入して、前記2つの突出板部を貫通する接合綴り材を前記一対の梁端板部の間に亘らせて貫入する接合ステップと、
    を有し、
    前記耐火構造材梁に設けられた前記梁燃え止まり層のうちの、前記梁荷重支持層よりも下側に設けられた部分は、前記梁凹部と連続する部位を有さないことを特徴とする耐火構造材柱と耐火構造材梁との接合方法。
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