JP2020044702A - 積層多孔フィルム - Google Patents

積層多孔フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2020044702A
JP2020044702A JP2018174474A JP2018174474A JP2020044702A JP 2020044702 A JP2020044702 A JP 2020044702A JP 2018174474 A JP2018174474 A JP 2018174474A JP 2018174474 A JP2018174474 A JP 2018174474A JP 2020044702 A JP2020044702 A JP 2020044702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
resin
porous film
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018174474A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7215034B2 (ja
Inventor
昌幸 瀬尾
Masayuki Seo
昌幸 瀬尾
友幸 根本
Tomoyuki Nemoto
友幸 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2018174474A priority Critical patent/JP7215034B2/ja
Publication of JP2020044702A publication Critical patent/JP2020044702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7215034B2 publication Critical patent/JP7215034B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Thermal Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

【課題】 断熱性に優れ、かつ、延伸ムラが少なく外観に優れ、液体や粒子等の異物質の侵入を抑制することで断熱性の低下がない、積層多孔フィルムを提供すること。【解決手段】 オレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、かつ、オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/g、結晶化温度(Tc)が110℃以上である層(II)を有する、空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である積層多孔フィルム。【選択図】 なし

Description

本出願は、積層多孔フィルムに関するものである。
多孔質部材を利用した断熱材は、温度変化が大きな影響を及ぼす精密機器や家電製品、各種車輌の内装や住宅の壁や天井等、様々な製品に広く適用されている。近年、スマートフォンやタブレット端末をはじめとするモバイル電子機器や、体への装着を前提としたウェアラブル電子機器にて、発熱に伴う使用者、及び内部部品への影響が問題となっており、限られた設置スペースにて高い断熱効果を有する断熱材が強く求められている。
従来、断熱材として、ウレタン樹脂をフロンガスで発泡させたウレタンフォームや、フロンガスに代わる発泡ガスとして、炭化水素を用いた断熱材が使用されているが、これら断熱材は高い断熱性を有する一方で、薄膜化が困難であるため、設置スペースが十分に確保できる用途に使用が限られている。
薄膜化と断熱性を両立する手法として、ガラス繊維を用いたガラスマット(特許文献1)、繊維中にキセロゲル及び/またはエアロゲル粒子を分散させた断熱材(特許文献2、3)、プロピレン系樹脂を延伸することにより多孔化させた断熱材(特許文献4)がある。
このような断熱材は、薄膜化が容易であり、複雑な形状にも追随しやすいため、各種車輌の内装やモバイル電子機器、ウェアラブル電子機器のような限られたスペースにおいても、使用しやすい。
しかしながら、上記の断熱材を他の部材と組み合わせて使用する際、断熱シート加工時に溶剤からなる接着剤または粘着剤を塗布した場合、多孔構造内部に液体や粒子等の異物質が染込んでしまい、均一な接着性への懸念、並びに多孔構造内の空孔を埋めてしまい、断熱性が低下する虞がある。
一方、特許文献5には、無多孔層、並びに、プロピレン系樹脂及びエラストマーからなる多孔層より構成される積層断熱シートが開示されている。このシートの表裏層は無多孔層であるので、液体や粒子等の異物質が染み込む虞は軽減されると考えられる。しかし、各種車輌の内装やモバイル電子機器、ウェアラブル電子機器のような限られたスペースで使用する際には薄くて高性能な断熱材が求められるが、より外観が良好で、高い断熱性を有する断熱材が求められている。
熱伝導は一般に、材料伝熱と空孔伝熱の和で表され、断熱性能を上げるには、材料伝熱及び空孔伝熱をそれぞれ下げる必要がある。よって、多孔体において断熱性能を上げるには、空孔率を高くして材料伝熱を下げ、かつ、孔径を小さくして空孔伝熱を下げることが有効である。しかし、多孔体においては、一般に孔径を小さくすると空孔率が低くなるため、これらを両立することは困難とされている。
特開2005−009566号公報 特開2014−237910号公報 国際公開第2016/121372号パンフレット 特開2007−56253号公報 特開2016−117249号公報
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、薄膜であっても断熱性に優れ、かつ、延伸ムラが少なく外観に優れ、フィルム内に液体や粒子等の異物質が入り込むことがないためフィルム断熱性の低下がない、積層多孔フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記従来技術の課題を解決し得る延伸多孔フィルムを得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、 オレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、かつ、オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gである層(II)を有する、空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である積層多孔フィルムによって解決される。
本発明の積層多孔フィルムは、薄膜であっても十分な断熱性を有し、さらに延伸ムラも少ないため外観に優れている。また、液体や粒子等の異物質が入り込むことがないため断熱性の低下がない。さらに、本発明の積層多孔フィルムは製造の際に、延伸に伴う多孔化により多孔層を形成すれば、ガス等の発泡剤を用いる必要がないため、環境適合性が高い。また、発泡剤を用いていないとすれば、薄膜化が容易であり、各種車輌の内装や電子機器のような限られた設置スペース内にも利用が可能である。
以下、本発明を詳しく説明する。ただし、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
1.積層多孔フィルム
本発明の実施形態の一例に係る積層多孔フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある)は、オレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、かつ、オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/g、結晶化温度(Tc)が110℃以上である層(II)を有する、空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である積層多孔フィルムである。
(1)空孔率
本フィルムの空孔率は多孔構造を規定する為の重要な要素であり、本フィルムにおける多孔層の空間部分の割合を示す数値である。一般に空孔率が高いほど、優れた断熱性を有することが知られており、本フィルムにおいては、本フィルムの空孔率が55%以上であり、好ましくは57%以上、より好ましくは60%以上である。空孔率が55%以上であれば、優れた断熱性を有する積層多孔フィルムとすることができる。
また上限については特に定めないが通常は75%以下である。
空孔率の測定方法は以下のとおりである。
本フィルムの実質量W1を測定するとともに、試料を構成する樹脂組成物の密度に基づいて空孔率が0%の場合の質量W0を計算する。これらの値から下記式に基づいて空孔率を算出する。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
(2)厚み
本フィルムの厚みは特に制限されるものではないが、1μm以上300μm以下であることが好ましい。下限については、10μm以上がより好ましく、20μm以上がさらに好ましい。一方で上限としては、200μm以下がより好ましく、150μm以下が特に好ましい。厚みが1μm以上であれば、多孔層に充分な空気層を有し、断熱性を確保できる。また、厚みが300μm以下であれば、設置場所が狭い限られたスペースに使用する用途に対しても、使用が容易である。
(3)透気度
本フィルムの透気度は、1000秒/dL以上であることが好ましく、5000秒/dL以上であることがより好ましく、10000秒/dL以上であることが特に好ましい。積層多孔フィルムの透気度を1000秒/dL以上とすることで、、多孔層(I)部分への液体や粒子等の異物質の侵入を防ぐことができ、本フィルムの断熱性低下を抑制することができる。
後に説明するように層(II)を有することにより上記の範囲の透気度を有するフィルムとすることが容易となる。
透気度は積層多孔フィルムの厚み方向の空気の通り抜け難さを表し、具体的には100mlの空気が当該積層多孔フィルムを通過するのに必要な秒数で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方が積層多孔フィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方が当該積層多孔フィルムの厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは積層多孔フィルムの厚み方向の孔のつながり度合いである。透気度(秒/100ml)は、JISP8117に準拠して測定でき、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
(4)熱伝導率
熱伝導率は断熱材を規定する為の重要な要素であり、本フィルムにおける断熱性能の指標の一つである。本フィルムにおいては、熱伝導率が0.025(W/mK)以下であることが好ましく、より好ましくは0.023(W/mK)以下、更に好ましくは0.021(W/mK)以下である。熱伝導率が0.025(W/mK)以下であれば、優れた断熱性を有する積層多孔フィルムとなる。
上記の空孔率をみたすフィルムであれば、上記の範囲の熱伝導率を有するフィルムとすることが容易となる。
ここで熱伝導率の測定方法は以下のとおりである。
フィルムを10mm角に切り出して厚みをマイクロメータで測定した後、グラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製、型式:LFA447 nanoflash)を用いて熱拡散率を評価する。この値を寸法および質量から計算したかさ密度、および、示差走査型熱量計(Perkin Elmer製DSC Pyris1)で測定した比熱との積から熱伝導率を求める。
上記した厚みも考慮すると、本フィルムの厚みは1μm以上300μm以下であり、熱伝導率が0.025W/(m・K)以下であることが好ましい。
本発明の積層多孔フィルムは、多孔層(I)を有し、かつ、層(II)を有する積層構造である。一方の最外層が層(II)であることにより、液体や粒子等の異物質にて多孔層(I)の孔構造を塞ぐことがないため断熱性の低下を抑えられるので、本フィルムを部材として用いる際に加工性に優れたものとなる。
本フィルムの層構成は特に制限されるものではなく、プロピレン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)と、プロピレン系樹脂(B)を主成分とする層(II)を有する2層構成だけでなく、3層、4層、5層、それ以上の多層構成であっても構わない。いずれの層構成であっても、多孔層(I)を有し、かつ、層(II)を有していれば、断熱性に優れ、層(II)が存在する側のフィルム表面に液体や粒子等の異物質が付着した際にも断熱性の低下を抑えられるので、部材として用いる際に加工性にも優れたフィルムとなる。
特に、(II)/(I)/(II)のように、多孔層(I)を中間層、層(II)を表裏層に有することで、多孔層(I)を疑似的な独立孔とできるため、液体の染込みを生じず、気体の対流を妨げる断熱性に優れた積層多孔フィルムとなる。
本発明の積層多孔フィルムの、それぞれの層の厚みの割合(積層比)については特に、制限されるものではない。
本発明の積層多孔フィルムにおける多孔層(I)と層(II)との厚み比は、用途、目的に応じて適宜調整することができる。本発明の効果を得る観点からは、多孔層(I)と層(II)との厚み比[(I):(II)]は、好ましくは、1:1〜1:0.025、より好ましくは、1:0.5〜1:0.05である。多孔層(I)と層(II)との厚み比が上記範囲にある場合、断熱性と機械特性とのバランスが良好であり、断熱フィルムとしての使用に特に適する。なお、多孔層(I)が2層以上ある場合、「多孔層(I)の厚み」とは、複数の多孔層(I)の合計の厚みをいう。層(II)についても同じである。
積層多孔フィルムにおける多孔層(I)と層(II)の厚みおよび厚み比の調整は、延伸前の無孔膜状物の厚みや、延伸条件などを調整することにより制御できる。
積層多孔フィルムに対して、多孔層(I)の厚みは50%以上97%以下が好ましい。55%以上96%以下がより好ましく、60%以上95%以下がさらに好ましい。積層多孔フィルム中の多孔層(I)層の厚みは、5〜290μmであるのが好ましく、10μm〜280μmであるのがより好ましい。多孔層(I)の厚み割合、及び、フィルム中の厚みがこの範囲であれば、本フィルムは優れた断熱性を有することができる。
積層多孔フィルムに対して、前記層(II)の厚みは1〜20%以下であることが好ましい。0.1%以上20%以下がより好ましく、0.5%以上15%以下がさらに好ましく、1%以上10%以下が特に好ましい。積層多孔フィルム中の層(II)の厚みは、1〜100μmであるのが好ましく、2〜50μmであるのがより好ましい。層(II)の厚み割合、及び、フィルム中の厚みがこの範囲内であれば、層(II)を有することで液体や粒子等の異物質の侵入を抑制し、内部の多孔構造に由来する空孔が維持され、断熱性の低下を生じない。
ここで、多孔層(I)及び層(II)が複数配される場合は、各層の合計厚みを用いて算出する。
本フィルムは上記構成を備えていればよいから、他の層をさらに備えていてもよい。
以下、本フィルムを構成する多孔層(I)及び層(II)について説明する。その後、製造方法としての本フィルムの成形方法について説明する。
2.多孔層(I)
本発明の積層多孔フィルムを構成する多孔層(I)は、オレフィン系樹脂(A)を主成分とする。以下、多孔層を構成するそれぞれの成分について説明する。
(1)オレフィン系樹脂(A)
多孔層(I)を構成するオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。この中でも延伸時の多孔化を鑑みると、引張試験時の降伏応力が立ちにくく、延伸ムラをより低減できる観点から後述するプロピレン系樹脂が好適に使用される。
プロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどのα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、機械的強度の観点からホモポリプロピレンがより好適に使用される。
また、プロピレン系樹脂は、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率が80〜99%であることが好ましく、より好ましくは83〜98%、さらに好ましくは85〜97%である。アイソタクチックペンタッド分率が80%以上であれば、機械的強度が良好である。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルでさらに規則性の高い樹脂が開発された場合においてはこの限りではない。アイソタクチックペンタッド分率とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al.(Macromol.8,687(1975))に準拠する。
また、プロピレン系樹脂は、分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnが1.5〜10.0であることが好ましい。より好ましくは2.0〜8.0、さらに好ましくは2.0〜6.0である。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnを1.5以上とすることで、十分な押出成形性が得られ、工業的に大量生産が可能である。一方、Mw/Mnを10.0以下とすることで、十分な機械的強度を確保することができる。Mw/MnはGPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)法によって測定される。
また、プロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、MFRは0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。MFRを0.5g/10分以上とすることで、成形加工時において十分な溶融粘度を有し、高い生産性を確保することができる。一方、MFRを15g/10分以下とすることで、十分な強度を確保することができる。なお、MFRはJIS K7210−1(2014年)に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、プロピレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等が挙げられる。
多孔層(I)を構成するプロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」「WINTEC」「WAYMAX」(日本ポリプロ社製)、「バーシファイ」「ノティオ」「タフマーXR」(三井化学社製)、「ゼラス」「サーモラン」(三菱化学社製)、「住友ノーブレン」「タフセレン」(住友化学社製)、「プライムポリプロ」「プライム TPO」(プライムポリマー社製)、「Adflex」「Adsyl」「HMS−PP(PF814)」(サンアロマー社製)、「インスパイア」(ダウケミカル)など市販されている商品を使用できる。
多孔層(I)は、例えば、結晶形態の一つであるβ晶を多く含むプロピレン系樹脂(A)を主成分とする樹脂組成物からなる無孔膜状物を延伸することで得られる。β晶を利用した多孔構造形成は、延伸過程においてプロピレン系樹脂中のβ晶が、α晶に転移する過程で多孔化が生じるため、多孔構造は緻密であり、従来公知である無機フィラーや非相溶性有機物の添加による多孔化と比較し、粒径や分散径に依存しないことから、多孔構造の調製に有利である。
前記多孔層(I)のβ晶活性は、延伸前の無孔膜状物においてプロピレン系樹脂がβ晶を生成していたことを示す一指標と捉えることができる。延伸前の無孔膜状物中のプロピレン系樹脂がβ晶を生成していれば、その後延伸を施すことで微細かつ均一な孔が多く形成されるため、機械特性に優れ、微細かつ均一な孔形成により優れた断熱性を得ることができる。
前記多孔層(I)のβ晶活性の有無は、示差走査型熱量計を用いて、多孔層(I)の示差熱分析を行い、プロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度が検出されるか否かで判断される。具体的には、示差走査型熱量計で積層多孔フィルムを25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で昇温後1分間保持し、次に240℃から25℃まで冷却速度10℃/分で降温後1分間保持し、さらに25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で再昇温させた際に、再昇温時にプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度(Tmβ)が検出された場合、β晶活性を有すると判断される。
前記β晶活性の有無は、特定の熱処理を施した積層多孔フィルムのX線回折測定により得られる回折プロファイルでも判断することができる。詳細には、プロピレン系樹脂の結晶融解ピーク温度を超える温度である170〜190℃の熱処理を施し、徐冷してβ晶を生成・成長させた積層多孔性フィルムの多孔層(II)についてX線回折測定を行い、プロピレン系樹脂のβ晶の(300)面に由来する回折ピークが2θ=16.0°〜16.5°の範囲に検出された場合、β晶活性があると判断される。プロピレン系樹脂のβ晶構造とX線回折測定に関する詳細は、Macromol.Chem.187,643−652(1986)、Prog.Polym.Sci.Vol.16,361−404(1991)、Macromol.Symp.89,499−511(1995)、Macromol.Chem.75,134(1964)、及びこれらの文献中に挙げられた参考文献を参照することができる。
前述した多孔層(I)のβ晶活性を得る方法としては、前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物中にプロピレン系樹脂のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、特許第3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したプロピレン系樹脂を添加する方法、及び前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物中にβ晶核剤を添加する方法などが挙げられる。中でも、前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物にβ晶核剤を添加してβ晶活性を得ることが特に好ましい。β晶核剤を添加することで、より均質に効率的にプロピレン系樹脂のβ晶の生成を促進させることができ、β晶活性を有する多孔層(I)を備えた積層多孔フィルムを得ることができる。
多孔層(I)はオレフィン系樹脂(A)を主成分とし、具体的には50質量%以上、好ましくは70〜99.9999質量%、より好ましくは80〜99.999質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%である。
2−2.β晶核剤
多孔層(I)は微細な多孔質構造を得るために、前記β晶活性を有することが好ましく、中でも、β晶核剤を含むことが好ましい。本発明で用いるβ晶核剤としては以下に示すものが挙げられるが、プロピレン系樹脂のβ晶の生成、成長を増加させるものであれば特に限定されず、また2種類以上を混合して用いてもよい。
β晶核剤としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。
これらの中でも、アミド化合物、テトラオキサスピロ化合物、及びキナクリドン類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
市販されているβ晶核剤の具体例としては、新日本理化社製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
多孔層(I)中のβ晶核剤の含有量は、β晶核剤の種類またはプロピレン系樹脂の組成などにより適宜調整することができるが、多孔層(I)中のオレフィン系樹脂(A)100質量部に対し0.0001〜5.0質量部が好ましく、0.001〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜1.0質量部がさらに好ましい。0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にオレフィン系樹脂のβ晶を生成成長させ、十分なβ晶活性が確保でき、積層多孔フィルムとした際にも十分なβ晶活性が確保でき、所望の断熱性が得られる。一方、5.0質量部以下の添加であれば、経済的にも有利になるほか、フィルム表面へのβ晶核剤のブリードなどがなく好ましい。
3.層(II)
本発明の積層多孔フィルムにおける層(II)は、その表面に溶剤等の液体を滴下した際に染込みを生じない層である。このような層(II)であることにより、液体や粒子等の異物質の入り込むこみを抑制し、内部の多孔構造に由来する空孔が維持され、断熱性の低下を生じない。
オレフィン系樹脂(B)を主成分とする層(II)は、示差走査型熱量測定(DSC)における結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gであることが重要である。下限には15J/g以上であることが好ましく、20J/g以上であることがさらに好ましい。一方、上限は、前記樹脂組成物の主成分としてなる前記プロピレン系樹脂(B)単体でのΔHmにもよるが、85J/g以下が好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましい。
前記層(II)のΔHmを、上記範囲に選択することが、本発明における最も重要な点である。層(II)中の結晶成分量が、重要な因子となる為である。
具体的には、層(II)のΔHmが10J/g以上の場合、高い弾性率を有する結晶成分が多くなるため、フィルム製造の際に高温キャストロールからの剥離が容易になる。また、高温キャストロールで製膜を行うことで、多孔層(I)の結晶成分が多くなるため、延伸工程の際に多孔形成が効率よく行え、空孔率の増加に寄与する。
一方で、層(II)のΔHmが90J/g以下の場合、層(II)の弾性率が低下するため、孔構造形成のためにフィルムを延伸する際において、多孔層(I)の変形に追随することで、層(II)において多孔構造形成を抑制し、フィルムが透気性を有することを防ぐことができる。
前記層(II)のΔHmは、積層多孔フィルムについてそのままDSC測定を行うと、前記層(II)に由来するΔHmが正確に見積もれないおそれがある。そのため、本発明の層(II)部分のみを剥離しΔHmを測定する。剥離が困難である場合は、DSC測定によって積層体全体における前記層(II)に由来するΔHmを算出するとともに、積層体全体における前記多孔層の積層比を算出し、以下の計算式より、本発明の規定するΔHmを算出することができる。なお、積層比の算出は、特に限定されるものではないが、光学顕微鏡、電子顕微鏡等による断面観察により算出することができる。
本発明の規定するΔHm(J/g) = 積層体全体における前記層(II)に由来するΔHm(J/g)/積層体全体における前記多孔層(I)の積層比(%)/100(%)
示差走査型熱量計で層(II)を30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温後、1分間保持し、更に30℃から上記高温保持温度まで加熱速度10℃/分で再昇温させた際に、前記層(II)に由来する結晶融解ピーク面積から結晶融解エンタルピー(ΔHm)を算出する。このとき、上記高温保持温度は、層(II)を構成するオレフィン系樹脂(B)の結晶融解ピーク温度Tmに対し、Tm+20℃以上、かつ、Tm+100℃以下の範囲において、任意に選択できる。
なお、本発明の規定するΔHmは、上記再昇温過程において、半結晶性樹脂にみられるような冷結晶化が生じる場合においても、再昇温過程で生じる結晶融解ピークから算出されたΔHmを適用する。すなわち、再昇温過程において生じる冷結晶化における発熱ピーク面積から算出される結晶化エンタルピー(ΔHc)を、再昇温過程で得られるΔHmからの差し引くことは行わない。
オレフィン系樹脂(B)を主成分とする層(II)は、示差走査型熱量測定(DSC)における結晶化温度(Tc)が110℃以上であることが重要である。下限には115℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。一方、上限は、前記樹脂組成物の主成分としてなる前記プロピレン系樹脂(B)単体でのTcにもよるが、145℃以下が好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。
前記層(II)のTcを、上記範囲に選択することが、本発明における重要な点である。層(II)中の結晶成分量が、重要な因子となる為である。
具体的には、層(II)のTcが110℃以上の場合、結晶化温度が高いため結晶化開始温度が高まり、高い弾性率を有する結晶成分が増大することで高温キャストロールからの剥離が行いやすく、剥離時にシート外観ムラが生じるのを防ぐことができる。一方で、層(II)のTcが145℃以下の場合、過度に高い結晶成分へ延伸時に応力集中した際に生じる多孔構造形成を抑制でき、無多孔層を得ることができる。
示差走査型熱量計で層(II)を30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温した際の降温過程での結晶化ピーク温度から結晶化温度(Tc)を算出する。このとき、二つ以上の結晶化ピーク温度が現れる際には、より低い温度のピークを結晶化温度(Tc)とし、上記高温保持温度は、層(II)を構成するオレフィン系樹脂(B)の結晶融解ピーク温度Tmに対し、Tm+20℃以上、かつ、Tm+100℃以下の範囲において、任意に選択できる。
本発明におけるオレフィン系樹脂(B)は、上記オレフィン系樹脂(A)で記載したプロピレン系樹脂であることが好ましい。
その中でも、層(II)の結晶融解エンタルピー(ΔHm)を10〜90J/g、結晶化温度(Tc)を110℃以上にすることがしやすいという理由より、ホモプロピレン系樹脂であることが好ましい。ホモプロピレン系樹脂に対してエラストマーを添加することにより、結晶成分を低下させることで、結晶融解エンタルピー(ΔHm)を10〜90J/g、結晶化温度(Tc)を110℃以上にすることがしやすくなる。また、延伸時のボイド形成を軽減し、好適に使用することができる。さらには、多孔層への液体や粒子等の異物質の入り込みを抑制することができ、断熱性の低下を防ぐことができる。
層(II)はオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、具体的には50質量%以上、好ましくは60〜99.9999質量%、より好ましくは70〜99.999質量%、さらに好ましくは80〜99.99質量%である。
本フィルムを構成する各層は、その性質を損なわない程度に添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、結晶核剤、着色剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、滑剤、難燃剤、エラストマーなどの各種添加剤が適宜含まれていてもよい。またその性質を損なわない程度に他の樹脂組成物が含まれていても良い。
4.積層多孔フィルムの製造方法
本発明の積層多孔フィルムの製造方法について説明するが、以下の説明は、本発明の積層多孔フィルムを製造する方法の一例であり、本発明の積層多孔フィルムはかかる製造方法により製造される積層多孔フィルムに限定されるものではない。
本発明の実施形態の一例に係る積層多孔フィルムの製造方法(以下、本フィルム製造方法)と称することがある)は、オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gであり、結晶化温度(Tc)が110℃以上である層(II)を有する積層体を延伸することを特徴とする、積層多孔フィルムの製造方法である。
本フィルム製造方法は上記工程を備えていればよいから、他の工程や処理をさらに備えていてもよい。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、オレフィン系樹脂(A)、オレフィン系樹脂(B)、及び、β晶核剤以外の成分、例えばプロピレン重合体(A)以外の他の樹脂を混合することを許容することができる。
他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また、本発明においては、前述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般的に配合される添加剤を適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性および多孔フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、着色剤などの添加剤が挙げられる。
混錬する際、用いる機械を特に限定するものではない。例えば単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機など、公知の押出機を用いることができる。また、設備構造および必要性に応じて、ベント口に減圧機を接続し、水分や分低分子量物質を除去してもよい。
以下、製膜工程、延伸工程について順次説明する。
(1)製膜工程
材料樹脂を加熱溶融する方法として、例えばTダイ法、インフレーション法などを挙げることができ、中でもTダイ法を採用するのが好ましい。実用的には、Tダイから材料樹脂を溶融押出してキャストロールによりキャスト成形するのが好ましい。
フィルム状に製膜する具体的方法として、Tダイ法を採用する場合、Tダイからそれぞれ押出されたシート状の溶融樹脂を積層し、回転するキャストロール(チルロール、キャストドラム)上に密着させながら引き取りシート状物に成形する方法を挙げることができる。
キャストロールにフィルム状物を密着させるために、タッチロール、エアナイフ、電気密着装置などをキャストロールに付けてもよい。
混練物を冷却しながらフィルムに成形する際、キャストロールの温度は100℃以上が好ましい。より好ましくは110℃以上で、更に好ましくは120℃以上である。本発明では多孔層(I)中のプロピレン系樹脂の結晶部分と非晶部分での延伸工程時による開孔によっても、空孔率の増加が可能であるため、キャストロールの温度を100℃以上とし、高い結晶化度の積層無孔膜状物を得ることが好ましい。また、キャストロール温度の上限は140℃以下が好ましい。より好ましくは135℃以下で、更に好ましくは130℃以下である。キャストロールの温度を140℃以下とすることで、フィルム製膜時にキャストロールからの剥離が容易である。
得られる未延伸フィルムにおいて、両端部を除いた有効部分の厚みは50μm〜1000μmであるのが好ましく、中でも80μm以上或いは800μm以下、その中でも100μm以上或いは600μm以下であるのがさらに好ましい。
未延伸フィルム厚さが50μm以上であれば、フィルムが薄すぎるために延伸時に破断を起こすのを防ぐことができ、未延伸フィルムの厚さが1000μm以下であれば、フィルムが剛直になり過ぎて延伸を行い難くなるのを防ぐことができる。
本発明の積層多孔フィルムの原反での層構成に関しては、上記の層構成のみだけでなく、他の層を組み合わせた構成であってもよい。
(2)延伸工程
ついで、得られた無孔膜状物を一軸延伸あるいは二軸延伸を行う。一軸延伸は縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。本発明の目的である層(II)を有する積層多孔フィルムを作製する場合には、各延伸工程で延伸条件を選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましい。なお、膜状物の流れ方向(MD)への延伸を「縦延伸」といい、流れ方向に対して垂直方向(TD)への延伸を「横延伸」という。
逐次二軸延伸を用いる場合、延伸温度は用いる樹脂組成物の組成、結晶融解ピーク温度、結晶化度等によって適時選択する必要があるが、多孔構造の制御が比較的容易であり、機械強度や収縮率など他の諸物性とのバランスがとりやすい。
縦延伸温度は、好ましくは60〜140℃であり、より好ましくは80〜120℃である。縦延伸温度を140℃以下とすることで、主成分であるプロピレン系樹脂の融点以下で破断なく延伸が可能となるため好ましい。一方で、60℃以上とすることで、延伸時の破断が抑制できるため、好ましい。
縦延伸倍率は、任意に選択できるが、一軸延伸あたりの延伸倍率は1.1〜10倍が好ましく、より好ましくは1.5〜8.0倍であり、さらに好ましくは1.5〜6.0倍である。一軸延伸あたりの延伸倍率が1.1倍以上とすることで白化が進行して、延伸による多孔化が十分に生じる。また、10倍以下とすることで、空孔の変形は抑制され、十分に白化した積層多孔フィルムを得ることができる。
横延伸温度は、好ましくは100〜160℃であり、より好ましくは110〜150℃である。前記横延伸温度が規定された範囲内であることによって、縦延伸時に生じた空孔が拡大されて多孔層の空孔率を増加することができ、十分な断熱性を有することができる。
横延伸倍率は、任意に選択できるが、好ましくは1.1〜10倍であり、より好ましくは1.5〜9.0倍、更に好ましくは1.5〜8.0倍である。規定した横延伸倍率で延伸することによって、縦延伸時に生じた空孔を変形することなく、十分な空孔率を有することができる。
さらに、本発明の積層多孔フィルムには、本発明を損なわない範囲で必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面加工、更にはミシン目加工などを施すことができ、用途に応じて本発明の積層多孔フィルムを数枚重ねることも可能である。
5.用途
本発明の積層多孔フィルムは、他部材と組み合わせることにより、各種部材への断熱性付与が容易に可能であり、特に各種車輌の内装部材やモバイル電子機器の部材として利用される。
本発明における積層多孔フィルムの片面に塗布する粘着剤の組成物に用いられるベースポリマー(もしくはベースエラストマー)としては、天然ゴム、合成イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、SBSを水添したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレントリブロック共重合体(SEBS)、SIを水添したスチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、SISを水添したスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等を主体とするゴム系粘着剤、2−エチルヘキシルアクリレートまたはブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルなどを主体として共重合させたアクリル系粘着剤などから適宜選択される。
前記粘着剤は、さらに高い粘着力を得るために、上記粘着剤に対して、脂環族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、エステル系樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、オレフィン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、およびこれらの変性樹脂又は水素添加された樹脂等を主体とする粘着付与剤、液状イソプレン、液状ブタジエン、液状ブタジエン・イソプレン、液状スチレン・ブタジエン、液状スチレン・イソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、液状テルペン、液状ロジン、パラフィン系オイル等を主体とする可塑剤、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、アンモニウム塩系架橋剤等を主体とする架橋剤を添加しても良い。これら他成分は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
粘着剤調製時の溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素系溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の積層多孔フィルムについてさらに詳しく説明するが、本発明は何ら制限を受けるものではない。
<多孔層(I)>
(オレフィン系樹脂(A))
・A−1;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA、MFR:2.4g/10分[230℃、2.16kg荷重]、Mw/Mn=3.2、日本ポリプロ社製)
(β晶核剤)
・C−1:3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
(酸化防止剤)
・D−1;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトとテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールとの1:1混合物(IRGANOX−B225、BASF社製)
<層(II)>
(オレフィン系樹脂(B))
・B−1;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA、MFR:2.4g/10分[230℃、2.16kg荷重]、日本ポリプロ社製)
・B−2;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY4、MFR:5.0g/10分、[230℃、2.16kg荷重]、日本ポリプロ社製)
・B−3;ランダムポリプロピレン(プライムTPO F3910、MFR:4.5g/10分、プライムポリマー社製)
(エラストマー)
・E−1;α−オレフィンコポリマー(タフマーPN3560、MFR:6.0g/10分[230℃、2.16kg荷重]、三井化学社製)
・E−2;α−オレフィンコポリマー(ダイナロン1320P、MFR:3.5g/10分[230℃、2.16kg荷重]、JSR社製)
(実施例1)
オレフィン系樹脂(A−1)100質量部、β晶核剤(C−1)0.2質量部、酸化防止剤(D−1)0.1質量部を混合して、二軸押出機にて280℃で溶融押出することで混合物1を得た。オレフィン系樹脂(B−1)70質量部、エラストマー(E−1)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物2を得た。リップ開度1mmのTダイで表裏層側押出機に前記混合物2、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は縦延伸機を用いて、105℃に設定したロール間において、ドロー比65%を3段(縦延伸倍率4.5倍)掛けて縦延伸を行った。縦延伸後のフィルムは、フィルムテンター設備(京都機械社製)にて、予熱温度150℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度150℃で横方向に3.5倍延伸した後、155℃で熱処理を行い、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムの評価結果を表1に纏める。
(実施例2)
オレフィン系樹脂(B−1)70質量部、エラストマー(E−2)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物3を得た。リップ開度1mmのTダイで表裏層側押出機に前記混合物3、中層側押出機に前記合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法で縦延伸、横延伸を行い、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムの評価結果を表1に纏める。
(実施例3)
オレフィン系樹脂(B−2)70質量部、エラストマー(E−1)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物4を得た。リップ開度1mmのTダイで表裏層側押出機に前記混合物4、中層側押出機に前記合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法で縦延伸、横延伸を行い、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムの評価結果を表1に纏める。
(比較例1)
リップ開度1mmのTダイで表裏層側押出機にオレフィン系樹脂(B−1)、中層側押出機に前記合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法で縦延伸、横延伸を行い、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムの評価結果を表1に纏める。
(比較例2〜4)
リップ開度1mmのTダイで表裏層側押出機にオレフィン系樹脂(B−3)、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法で縦延伸、横延伸を行い、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムの評価結果を表1に纏める。
実施例および比較例で得られたフィルムに関して、フィルム厚み、空孔率、結晶化温度(Tc)、結晶融解エンタルピー(ΔHm)、透気度、熱伝導率、外観ムラについて以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
1/1000mmのダイアルゲージを用いて無作為に10点測定して、その平均値を厚みとした。
(2)空孔率
測定試料の実質量W1を測定し、樹脂組成物の密度に基づいて空孔率が0%の場合の質量W0を計算し、これらの値から下記式に基づいて空孔率を算出した。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
(3)結晶化温度(Tc)、結晶融解エンタルピー(ΔHm)
積層多孔フィルムの層(II)のDSC測定を行った。30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温後、1分間保持し、更に30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で再昇温させた。このとき降温した際の結晶化ピーク温度を結晶化温度(Tc)とし、再昇温過程における該結晶融解ピーク面積から結晶融解エンタルピー(ΔHm)を算出した。
(4)25℃での透気度
25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定した。測定機器として、デジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
(5)熱伝導率
測定試料を10mm角に切り出して厚みをマイクロメータで測定した後、グラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製、型式:LFA447 nanoflash)を用いて熱拡散率を評価した。この値を寸法、質量から計算した、かさ密度、示差走査型熱量計(Perkin Elmer製DSC Pyris1)で測定した比熱との積から熱伝導率を求めた。
(6)外観ムラ
未延伸フィルムと延伸フィルムについて、フィルム最表面で生じる割れや樹脂の流動ムラに代表される外観ムラを目視及び走査型電子顕微鏡(SEM)(「株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 S−4500」)にて評価した。一般に未延伸状態のフィルムにて外観ムラを生じている場合、延伸後のフィルムについても同様の外観ムラを生じる。
○:フィルム全面にて表面が均一で、外観ムラを生じていない。
△:フィルムの一部分にて表面が不均一で、外観ムラを生じている。
×:フィルム全面にて表面が不均一で、外観ムラを生じている
表1に実施例、比較例に関する評価結果を示した。
Figure 2020044702
実施例より本願が規定する結晶化温度(Tc)、結晶融解エンタルピー(ΔHm)を満たす層(II)であれば外観ムラなく、良好な断熱性を示した。一方で比較例1より、層(II)を構成する樹脂の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が90J/g以上の場合、延伸時に層(II)が割れてしまい、連通性を示した。また、比較例2〜4の結晶化温度(Tc)が110℃以下の場合、一部で外観ムラを生じてしまい、均一なシート採取に難があった。
本発明の積層多孔フィルムは、温度変化が大きな影響を及ぼす精密機器や家電製品、各種車輌の内装や住宅の壁や天井等、様々な製品に幅広く利用が期待でき、なかでも、薄膜化が可能なことから、設置スペースが限られる各種車輌の内装や電子機器分野にて、その利用が大いに期待できる。

Claims (5)

  1. オレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、かつ、オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/g、結晶化温度(Tc)が110℃以上である層(II)を有する、空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である積層多孔フィルム。
  2. 積層多孔フィルムに対して、前記層(II)の厚みが1〜20%以下である請求項1に記載の積層多孔フィルム。
  3. 前記多孔層(I)を中間層、前記層(II)を表裏面に有する請求項1または2に記載の積層多孔フィルム。
  4. フィルムの厚みが1μm以上300μm以下であり、熱伝導率が0.025W/(m・K)以下である請求項1〜3のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
  5. オレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gであり、結晶化温度(Tc)が110℃以上である層(II)を有する積層体を延伸することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法。
JP2018174474A 2018-09-19 2018-09-19 積層多孔フィルム Active JP7215034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018174474A JP7215034B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 積層多孔フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018174474A JP7215034B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 積層多孔フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020044702A true JP2020044702A (ja) 2020-03-26
JP7215034B2 JP7215034B2 (ja) 2023-01-31

Family

ID=69900374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018174474A Active JP7215034B2 (ja) 2018-09-19 2018-09-19 積層多孔フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7215034B2 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192889A (ja) * 2004-12-14 2006-07-27 Toray Ind Inc 二軸配向白色ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた感熱転写記録用受容シート
JP2007056253A (ja) * 2005-07-28 2007-03-08 Toray Ind Inc 断熱パネル用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた車輌用断熱パネル
WO2007132826A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Toray Industries, Inc. 二軸配向白色ポリプロピレンフィルム、反射板および感熱転写記録用受容シート
JP2009235232A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Toray Ind Inc 多孔性ポリプロピレンフィルム
JP2014084389A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた包装容器
US20160082621A1 (en) * 2014-09-23 2016-03-24 Dart Container Corporation Insulated container and methods of making and assembling
JP2016117249A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 三菱樹脂株式会社 積層断熱シート
JP2016216743A (ja) * 2015-02-03 2016-12-22 ダイヤプラスフィルム株式会社 ポリオレフィン系化粧シート用フィルム
JP2017074794A (ja) * 2017-01-18 2017-04-20 三菱樹脂株式会社 積層断熱シート
JP2018144490A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 三菱ケミカル株式会社 積層フィルム、画像表示装置用積層体及び画像表示装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192889A (ja) * 2004-12-14 2006-07-27 Toray Ind Inc 二軸配向白色ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた感熱転写記録用受容シート
JP2007056253A (ja) * 2005-07-28 2007-03-08 Toray Ind Inc 断熱パネル用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた車輌用断熱パネル
WO2007132826A1 (ja) * 2006-05-16 2007-11-22 Toray Industries, Inc. 二軸配向白色ポリプロピレンフィルム、反射板および感熱転写記録用受容シート
JP2009235232A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Toray Ind Inc 多孔性ポリプロピレンフィルム
JP2014084389A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた包装容器
US20160082621A1 (en) * 2014-09-23 2016-03-24 Dart Container Corporation Insulated container and methods of making and assembling
JP2016117249A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 三菱樹脂株式会社 積層断熱シート
JP2016216743A (ja) * 2015-02-03 2016-12-22 ダイヤプラスフィルム株式会社 ポリオレフィン系化粧シート用フィルム
JP2017074794A (ja) * 2017-01-18 2017-04-20 三菱樹脂株式会社 積層断熱シート
JP2018144490A (ja) * 2017-03-02 2018-09-20 三菱ケミカル株式会社 積層フィルム、画像表示装置用積層体及び画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7215034B2 (ja) 2023-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5567535B2 (ja) 多孔性ポリプロピレンフィルム
US10633498B2 (en) Method for manufacturing microporous film and microporous film
KR20140038509A (ko) 수지 조성물 및 이형 필름
JP7283033B2 (ja) 積層フィルム、画像表示装置用積層体及び画像表示装置
JP6682942B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂多孔性フィルム及びその製造方法
JP6500699B2 (ja) 延伸フィルム
JP6384128B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂多孔性フィルムの製造方法
JP7215034B2 (ja) 積層多孔フィルム
JP2006114746A (ja) ポリオレフィン樹脂製電気二重層キャパシタ用セパレータ
JP6561857B2 (ja) 延伸フィルム
JP2020158762A (ja) 圧電フィルム
JP6617426B2 (ja) 気体透過性フィルム
KR101624334B1 (ko) 단열재 보호필름 및 그 제조방법
JP6672633B2 (ja) 反射シート及び反射板
JP2021137723A (ja) エレクトレット及びエレクトレットフィルタ並びにエレクトレットフィルムの製造方法
JP2020131545A (ja) 積層圧電フィルム、圧電素子、および積層圧電フィルムの製造方法
JP7172498B2 (ja) 多孔フィルム
JP7480550B2 (ja) 多孔フィルム
JP7135709B2 (ja) 多孔フィルム
JP2022157234A (ja) 樹脂シート及び樹脂シートの製造方法
JP2022159245A (ja) 樹脂シート及び樹脂シートの製造方法
WO2021132521A1 (ja) 多孔性断熱フィルム及びその製造方法
WO2024005115A1 (ja) 多孔フィルム
JP2021158214A (ja) 圧電シート
JP2016094493A (ja) 透湿防水フィルムおよび透湿防水シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220720

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7215034

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151