JP2020131545A - 積層圧電フィルム、圧電素子、および積層圧電フィルムの製造方法 - Google Patents

積層圧電フィルム、圧電素子、および積層圧電フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷性、導電材の焼結性に優れ、かつ、良好な圧電特性を有する積層圧電フィルムの提供。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10J/g〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層圧電フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、圧電フィルムに関するもので、印刷性、層間密着性に優れ、かつ、良好な圧電特性を有するため、特にアクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に好適に用いることができる。
多孔性樹脂フィルムを用いたエレクトレットは、優れた圧電効果を示すことが知られており、アクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサー等に広く用いられているが、優れた圧電性を有するエレクトレットとするためには、電荷注入の際により高い電圧でフィルムを分極処理することにより、より多くの電荷を注入することが必要になる。空孔部にガスを導入することで発泡倍率を高くしている多孔性樹脂フィルムは、フィルム表面の均一性に劣り、印加電圧を上げてゆくと局所的な放電集中が発生してしまい、多孔性樹脂フィルムの絶縁耐性を超えてフィルムが部分的に破壊されてしまう問題点があった(特許文献1)。
このような課題に対し、ポリプロピレン系樹脂のβ晶を利用した微多孔膜を用いたエレクトレットが提案されている。β晶を利用した微多孔膜は多孔構造の均一性が高く、絶縁耐性が高いため、高電圧で分極処理することができ、得られたエレクトレットは優れた圧電性を有することが報告されている。(特許文献2)
特表平10−504853号公報 特開2017−055114号公報
近年プリンタブルエレクトロニクスの発展により、印刷により簡便にデバイスを生産する技術が確立してきており、このような圧電フィルム上に銀ナノインク等の導電材を印刷し回路を印刷する手法が試みられている。しかし、従来の方法によって得られるエレクトレットは比表面積が大きい多孔体であるため、導電材を印刷した際に滲みが生じる、あるいは、エレクトレットが導電材を吸着し、焼結を阻害し、導電性が得られないという問題が明らかになってきた。
本発明が解決しようとする課題は、印刷性、導電材の焼結性に優れ、かつ、良好な圧電特性を有する積層圧電フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、かかる課題を解決することに着目し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10J/g〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層圧電フィルム。
[2] 前記保護層(II)の結晶化温度(Tc)が110℃以上である[1]に記載の積層圧電フィルム。
[3] 圧電定数が1pC/N以上10000pC/N以下である[1]または[2]に記載の積層圧電フィルム。
[4] 空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[5] 積層圧電フィルムに厚みに対して、前記保護層(II)の厚みが1%〜20%である[1]〜[4]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[6] β活性を有する[1]〜[5]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[7] 前記多孔層(I)に中間層、前記保護層(II)に表層を有する3層の層構成である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[8] 厚みが1μm以上1000μm以下である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[9] 前記保護層(II)の表面に導電材が積層された[1]〜[8]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
[10] [1]〜[9]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルムを備えた圧電素子。
[11] ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10J/g〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層無孔膜状物を延伸して得られる積層フィルムに帯電処理を行う、積層圧電フィルムの製造方法。
本発明が提案する積層圧電フィルムは印刷性、導電材の焼結性に優れ、かつ良好な圧電特性を有する。この積層フィルムを備えた圧電センサーは、アクチュエーター、発振器、ソナー、振動発電、センサーに好適に用いることができる。
層間密着性の評価方法を示したものである。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
1.積層圧電フィルム
本発明の積層圧電フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある。)は、ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層圧電フィルムである。
以下、本フィルムの特性について説明する。
(1)圧電定数
本フィルムの圧電定数d33は1pC/N以上10000pC/N以下が好ましく、3pC/N以上8000pC/N以下がより好ましく、5pC/N以上5000pC/N以下がさらに好ましい。1pC/N以上であることで、センサーとして使用した場合に十分な感度を得ることができる。一方で10000pC/N以下であることで、センサーやアクチュエーターとして組み込んだ際の火花放電のリスクを低減することができる。
なお、本発明の積層圧電フィルムの圧電定数は後述の方法で測定される。
(2)空孔率
本フィルムの空孔率は多孔構造を規定する為の重要な要素であり、本フィルムにおける多孔層の空間部分の割合を示す数値である。一般に空孔率が高いほど、エレクトレットとした際に優れた圧電性を有することが知られており、本フィルムの空孔率は通常55%以上であり、好ましくは57%以上、より好ましくは60%以上である。空孔率が55%以上であれば、優れた圧電性を有する積層圧電フィルムとすることができる。
また上限については特に定めないが通常75%以下、好ましくは70%以下である。
空孔率の測定方法は以下のとおりである。
本フィルム測定試料の実質量W1を測定するとともにし、試料を構成する樹脂組成物の密度に基づいて空孔率が0%の場合の質量W0を計算し、これらの値から下記式に基づいて空孔率を算出する。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100。
(3)透気度
本フィルムの透気度は、1000秒/dL以上であることが好ましく、5000秒/dL以上であることがより好ましく、10000秒/dL以上であることが特に好ましい。積層圧電フィルムの透気度を1000秒/dL以上とすることで、後の印刷加工プロセスの際に、多孔層(I)部分への液体や粒子等の異物質の侵入・拡散を防ぐことができ、本フィルムの印刷特性を担保することができる。後に説明するように保護層(II)を有することにより上記の範囲の透気度を有するフィルムとすることが容易となる。
透気度は積層圧電フィルムの厚み方向の空気の通り抜け難さを表し、具体的には100mlの空気が当該積層圧電フィルムを通過するのに必要な秒数で表現されている。そのため、数値が小さい方が通り抜け易く、数値が大きい方が通り抜け難いことを意味する。すなわち、その数値が小さい方が積層圧電フィルムの厚み方向の連通性が良いことを意味し、その数値が大きい方が当該積層圧電フィルムの厚み方向の連通性が悪いことを意味する。連通性とは積層圧電フィルムの厚み方向の孔のつながり度合いである。透気度(秒/dL)は、JISP8117に準拠して測定でき、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
(4)厚み
本フィルムの厚みは特に制限されるものではないが、1μm以上1000μm以下であることが好ましい。下限については、10μm以上がより好ましく、20μm以上がさらにより好ましい。一方で上限としては、800μm以下が好ましく、600μm以下がより好ましく、500μm以下が特に好ましい。厚みが10μm以上であれば、多孔層に充分な電荷を注入することができ、圧電性を確保できる。また、厚みが1000μm以下であれば、ロールtoロールで搬送・捲回することができ、後の加工が容易である。
(5)層間密着性
本フィルムは、積層フィルムでありながら層間密着性に優れる。層間密着性は引き剥がし強度により測定することができる。多孔層(I)と保護層(II)との剥離強度は1.0N/cm以上であることが好ましい。より好ましくは1.2N/cm以上、更に好ましくは1.5N/cm以上である。上限については特に制限は無いが実質的に100N/cm以下が好ましい。剥離強度が1.0N/cm以上であることで、実用時における電極の脱落・サイクル劣化を抑制することができるという効果がある。
剥離強度は後述の測定方法により測定される。
本発明の積層圧電フィルムは、多孔層(I)を有し、かつ、保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層構造である。少なくとも片面の表層が保護層(II)であることにより、印刷工程において導電材として用いる導電インクが多孔層(I)の孔構造に侵入することがないため、滲みの発生やインクの吸着を抑えられるので、本フィルムを部材として用いる際に印刷性や導電材の焼結性に優れた積層圧電フィルムとなる。
本発明の積層圧電フィルムの層構成は特に制限されるものではなく、ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)と、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とする保護層(II)を有する2層構成だけでなく、3層、4層、5層、それ以上の多層構成であっても構わない。いずれの層構成であっても、多孔層(I)を有し、かつ、保護層(II)を少なくとも片面の表層として有していれば、保護層(II)が存在する側のフィルム表面に導電材を印刷した際にも、導電材の多孔層(I)への侵入を抑えられるので、印刷性に優れた積層圧電フィルムとなる。
特に、(II)/(I)/(II)のように、多孔層(I)を中間層、保護層(II)を表層に有する、すなわち、中間層に多孔層を、表層に保護層を配置する3層の層構成であることで、保護層(II)によって多孔層(I)を疑似的な独立孔とできるため、外部からの異物の侵入を生じにくく、印刷性だけでなく安定性にも優れた積層圧電フィルムとなる。
また本発明の積層圧電フィルムは、上記層構成を備えていれば、他の層をさらに備えていてもよい。
本発明の積層圧電フィルムにおける多孔層(I)と保護層(II)の厚みおよび厚み割合は、用途、目的に応じて適宜調整することができ、延伸前の無孔膜状物の厚みや延伸条件などを調整することにより制御できる。
本発明の積層圧電フィルムの各層の厚みおよび厚み割合は、特に制限されるものではないが、積層圧電フィルムに対して、その総厚みに対する多孔層(I)の厚みは、80%〜99%が好ましい。また、85%以上99%以下がより好ましく、90%以上99%以下がさらに好ましい。積層圧電フィルム中の多孔層(I)の厚みは、1μm〜990μmであるのが好ましく、5μm〜990μmであるのがより好ましい。多孔層(I)の厚み割合、及び、フィルム中の厚みがこの範囲であれば、本フィルムは優れた圧電性を有することができる。
積層圧電フィルムに対して、前記保護層(II)の厚みは1%〜20%であることが好ましい。1%以上15%以下がより好ましく、1%以上10%以下がさらにより好ましい。積層圧電フィルム中の保護層(II)の厚みは、1μm〜200μmであるのが好ましく、1μm〜100μmであるのがより好ましい。保護層(II)の厚み割合、及び、フィルム中の厚みがこの範囲内であれば、保護層(II)を有することで導電材などの塗布物の侵入を抑制し、内部の多孔構造に由来する空孔が維持され、導電材の焼結性の低下を生じない。
ここで、多孔層(I)及び保護層(II)が複数層有する場合は、各層の合計厚みを用いて算出する。
以下、本フィルムを構成する多孔層(I)及び保護層(II)について説明する。その後、製造方法としての本フィルムの成形方法について説明する。
2.多孔層(I)
本発明の積層圧電フィルムを構成する多孔層(I)は、ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする。
以下、多孔層を構成するそれぞれの成分について説明する。
2−1.ポリオレフィン系樹脂(A)
多孔層(I)を構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。この中でも延伸時の多孔化を鑑みると、引張試験時の降伏応力が立ちにくく、延伸ムラをより低減できる観点から後述するポリプロピレン系樹脂が好適に使用される。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンもしくは1−デセンなどのα−オレフィンとのランダム共重合体またはブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、機械的強度の観点からホモポリプロピレンがより好適に使用される。
また、ポリプロピレン系樹脂は、立体規則性を示すアイソタクチックペンタッド分率が80〜99%であることが好ましく、より好ましくは83〜98%、さらに好ましくは85〜97%である。アイソタクチックペンタッド分率が80%以上であれば、機械的強度が良好である。一方、アイソタクチックペンタッド分率の上限については現時点において工業的に得られる上限値で規定しているが、将来的に工業レベルでさらに規則性の高い樹脂が開発された場合においてはこの限りではない。アイソタクチックペンタッド分率とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al.(Macromol.8,687(1975))に準拠する。
また、ポリプロピレン系樹脂は、分子量分布を示すパラメータであるMw/Mnが1.5〜10.0であることが好ましい。より好ましくは2.0〜8.0、さらに好ましくは2.0〜6.0である。Mw/Mnが小さいほど分子量分布が狭いことを意味するが、Mw/Mnを1.5以上とすることで、十分な押出成形性が得られ、工業的に大量生産が可能である。一方、Mw/Mnを10.0以下とすることで、十分な機械的強度を確保することができる。Mw/MnはGPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)法によって測定される。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に制限されるものではないが、通常、MFRは0.5〜15g/10分であることが好ましく、1.0〜10g/10分であることがより好ましい。MFRを0.5g/10分以上とすることで、成形加工時において十分な溶融粘度を有し、高い生産性を確保することができる。一方、MFRを15g/10分以下とすることで、十分な強度を確保することができる。なお、MFRはJIS K7210−1(2014年)に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、ポリプロピレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた重合方法等が挙げられる。
多孔層(I)を構成するポリプロピレン系樹脂としては、例えば、商品名「ノバテックPP」「WINTEC」「WAYMAX」(日本ポリプロ社製)、「バーシファイ」「ノティオ」「タフマーXR」(三井化学社製)、「ゼラス」「サーモラン」(三菱化学社製)、「住友ノーブレン」「タフセレン」(住友化学社製)、「プライムポリプロ」「プライム TPO」(プライムポリマー社製)、「Adflex」「Adsyl」「HMS−PP(PF814)」(サンアロマー社製)、「インスパイア」(ダウケミカル)など市販されている商品を使用できる。
多孔層(I)は、結晶形態の一つであるβ晶を多く含むポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる無孔膜状物を延伸することで得られることが好ましい。β晶を利用した多孔構造形成は、延伸過程においてポリプロピレン系樹脂中のβ晶が、α晶に転移する過程で多孔化が生じるため、多孔構造は緻密であり、従来公知である無機フィラーや非相溶性有機物の添加による多孔化と比較し、粒径や分散径に依存しないことから、多孔構造の調製に有利である。
前記多孔層(I)のβ晶活性は、延伸前の無孔膜状物においてポリプロピレン系樹脂がβ晶を生成していたことを示す一指標と捉えることができる。延伸前の無孔膜状物中のポリプロピレン系樹脂がβ晶を生成していれば、その後延伸を施すことで微細かつ均一な孔が多く形成されるため、機械特性に優れ、微細かつ均一な孔形成により優れた断熱性を得ることができる。
前記多孔層(I)のβ晶活性の有無は、示差走査型熱量計を用いて、多孔層(I)の示差熱分析を行い、ポリプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度が検出されるか否かで判断される。具体的には、示差走査型熱量計で積層圧電フィルムを25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で昇温後1分間保持し、次に240℃から25℃まで冷却速度10℃/分で降温後1分間保持し、さらに25℃から240℃まで加熱速度10℃/分で再昇温させた際に、再昇温時にポリプロピレン系樹脂のβ晶に由来する結晶融解ピーク温度(Tmβ)が検出された場合、β晶活性を有すると判断される。
前記β晶活性の有無は、特定の熱処理を施した積層圧電フィルムのX線回折測定により得られる回折プロファイルでも判断することができる。詳細には、ポリプロピレン系樹脂の結晶融解ピーク温度を超える温度である170〜190℃の熱処理を施し、徐冷してβ晶を生成・成長させた積層圧電フィルムの多孔層(I)についてX線回折測定を行い、プロピレン系樹脂のβ晶の(300)面に由来する回折ピークが2θ=16.0°〜16.5°の範囲に検出された場合、β晶活性があると判断される。ポリプロピレン系樹脂のβ晶構造とX線回折測定に関する詳細は、Macromol.Chem.187,643−652(1986)、Prog.Polym.Sci.Vol.16,361−404(1991)、Macromol.Symp.89,499−511(1995)、Macromol.Chem.75,134(1964)、及びこれらの文献中に挙げられた参考文献を参照することができる。
前述した多孔層(I)のβ晶活性を得る方法としては、前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物中にポリプロピレン系樹脂のα晶の生成を促進させる物質を添加しない方法や、特許第3739481号公報に記載されているように過酸化ラジカルを発生させる処理を施したポリプロピレン系樹脂を添加する方法、及び前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物中にβ晶核剤を添加する方法などが挙げられる。中でも、前記多孔層(I)を構成する樹脂組成物にβ晶核剤を添加してβ晶活性を得ることが特に好ましい。β晶核剤を添加することで、より均質に効率的にポリプロピレン系樹脂のβ晶の生成を促進させることができ、β晶活性を有する多孔層(I)を備えた積層圧電フィルムを得ることができる。
多孔層(I)はポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とし、具体的にその含有量は50質量%以上、好ましくは70〜99.9999質量%、より好ましくは80〜99.999質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%である。
2−2.β晶核剤
多孔層(I)は微細な多孔質構造を得るために、前記β晶活性を有することが好ましく、中でも、β晶核剤を含むことが好ましい。本発明で用いるβ晶核剤としては以下に示すものが挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂のβ晶の生成、成長を増加させるものであれば特に限定されず、また2種類以上を混合して用いてもよい。
β晶核剤としては、例えば、アミド化合物;テトラオキサスピロ化合物;キナクリドン類;ナノスケールのサイズを有する酸化鉄;1,2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、安息香酸マグネシウムもしくはコハク酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどに代表されるカルボン酸のアルカリもしくはアルカリ土類金属塩;ベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはナフタレンスルホン酸ナトリウムなどに代表される芳香族スルホン酸化合物;二もしくは三塩基カルボン酸のジもしくはトリエステル類;フタロシアニンブルーなどに代表されるフタロシアニン系顔料;有機二塩基酸である成分Aと周期表第2族金属の酸化物、水酸化物もしくは塩である成分Bとからなる二成分系化合物;環状リン化合物とマグネシウム化合物からなる組成物などが挙げられる。
これらの中でも、アミド化合物、テトラオキサスピロ化合物、及びキナクリドン類からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
市販されているβ晶核剤の具体例としては、新日本理化社製β晶核剤「エヌジェスターNU−100」、β晶核剤の添加されたプロピレン系樹脂の具体例としては、Aristech社製ポリプロピレン「Bepol B−022SP」、Borealis社製ポリプロピレン「Beta(β)−PP BE60−7032」、mayzo社製ポリプロピレン「BNX BETAPP−LN」などが挙げられる。
多孔層(I)中のβ晶核剤の含有量は、β晶核剤の種類またはポリプロピレン系樹脂の組成などにより適宜調整することができるが、多孔層(I)中のポリオレフィン系樹脂(A)100質量部に対し0.0001〜5.0質量部が好ましく、0.001〜3.0質量部がより好ましく、0.01〜1.0質量部がさらに好ましい。0.0001質量部以上であれば、製造時において十分にポリオレフィン系樹脂のβ晶を生成成長させ、十分なβ晶活性が確保でき、積層圧電フィルムとした際にも十分なβ晶活性が確保でき、帯電処理することで所望の圧電性を有する積層圧電フィルムが得られる。一方、5.0質量部以下の添加であれば、経済的にも有利になるほか、フィルム表面へのβ晶核剤のブリードなどがなく好ましい。
3.保護層(II)
本発明の積層圧電フィルムにおける保護層(II)は、その表面に導電材として導電インク等の液体を滴下した際に染込みを生じない層である。このような保護層(II)であることにより、滲みを抑制し、内部の多孔構造によって導電インクが吸着されるのを防ぎ、焼結性の低下を生じない。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂(B)は、上記ポリオレフィン系樹脂(A)で記載したポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、特に多孔構造を生じにくいという観点より、ランダムプロピレン系樹脂であることが好ましい。保護層(II)を構成するポリプロピレン系樹脂としてランダムプロピレン系樹脂を選択することで、ホモプロピレン系樹脂、またはブロックプロピレン系樹脂などを選択した際に生じる延伸時のボイド(空孔)形成を、生じにくくすることができる。
ポリオレフィン系樹脂(B)として、ホモプロピレン系樹脂を使用する場合、ホモプロピレン系樹脂に対してエラストマーを添加することにより、結晶成分を低下させることで、延伸時のボイド形成を軽減し、好適に使用することができる。また、後工程で電極を印刷する際に、導電材として用いる導電インクが多孔層(I)への入りこみを抑制することができ、印刷性・焼結性を向上することができる。
エラストマーの種類は特に限定されず、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーなどが挙げられる。中でも、ポリオレフィン系樹脂(B)と相溶性の観点からオレフィン系エラストマーが好ましい。
オレフィン系エラストマーは、2種類または3種類以上のオレフィンと共重合しうるポリエンを少なくとも1種加えた弾性共重合体であり、オレフィンとしてはエチレンもしくはプロピレン等のα−オレフィン等が使用され、ポリエンとしては1,4−ヘキサジエン、環状ジエン、ノルボルネン等が使用される。好ましいオレフィン系エラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられる。
スチレン系エラストマーは、ハードセグメントとして、スチレンもしくはメチルスチレンなどのスチレン誘導体、インデンまたはビニルナフタレン等を用い、ソフトセグメントとしてポリブタジエンもしくはポリイソプレンなどの共役ジエン系ポリマー、またはエチレン/ブチレン共重合体、エチレン/プロピレン共重合体もしくはポリイソブテンなどのエラストマーを用いたスチレン系エラストマーが挙げられる。
保護層(II)はポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、具体的にはその含有量は50質量%以上、好ましくは60〜99.9999質量%、より好ましくは70〜99.999質量%、さらに好ましくは80〜99.99質量%である。
ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とする保護層(II)は、示差走査型熱量測定(DSC)における結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10〜90J/gであることが重要である。下限は、15J/g以上であることが好ましく、20J/g以上であることがさらに好ましい。一方、上限は、前記樹脂組成物の主成分としてなる前記プロピレン系樹脂単体でのΔHmにもよるが、85J/g以下が好ましく、80J/g以下であることがさらに好ましい。
前記保護層(II)のΔHmを、上記範囲に選択することが、本発明における最も重要な点である。保護層(II)中の結晶成分量が、重要な因子となる為である。
具体的には、ΔHmが10J/g以上の場合、高い弾性率を有する結晶成分が多くなるため、フィルム製造の際に高温キャストロールからの剥離が容易になる。また、高温キャストロールで製膜を行うことで、多孔層(I)の結晶成分が多くなるため、延伸工程の際に多孔形成が効率よく行え、空孔率の増加に寄与する。
一方で、保護層(II)のΔHmが90J/g以下の場合、保護層(II)の弾性率が低下するため、孔構造形成のためにフィルムを延伸する際において、多孔層(I)の変形に追随することで、保護層(II)において多孔構造形成を抑制し、フィルムが透気性を有することを防ぐことができる。
前記保護層(II)のΔHmが10〜90J/gであるためには、ポリオレフィン樹脂(B)としてランダム共重合体もしくはブロック共重合体を用いたり、ポリオレフィン樹脂(B)にさらにエラストマーを添加したりすることによって満たすことができる。
前記保護層(II)のΔHmは、積層圧電フィルムについてそのままDSC測定を行うと、前記保護層(II)に由来するΔHmが正確に見積もれないおそれがある。そのため、本発明の保護層(II)部分のみを剥離し、ΔHmを測定する。剥離が困難である場合は、DSC測定によって積層圧電フィルム全体における前記保護層(II)に由来するΔHmを算出するとともに、積層圧電フィルム全体における前記多孔層の積層比を算出し、以下の計算式より、本発明の規定するΔHmを算出することができる。なお、積層比の算出は、特に限定されるものではないが、光学顕微鏡、電子顕微鏡等による断面観察により算出することができる。
ΔHm(J/g)=積層圧電フィルム全体における前記保護層(II)に由来するΔHm(J/g)/積層圧電フィルム全体における前記多孔層(I)の積層比(%)/100(%)
示差走査型熱量計で保護層(II)を30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温後、1分間保持し、更に30℃から上記高温保持温度まで加熱速度10℃/分で再昇温させた際に、前記保護層(II)に由来する結晶融解ピーク面積から結晶融解エンタルピー(ΔHm)を算出する。このとき、上記高温保持温度は、保護層(II)を構成する用いるポリオレフィン系樹脂(B)の結晶融解ピーク温度Tmに対し、Tm+20℃以上、かつ、Tm+100℃以下の範囲において、任意に選択できる。
なお、本発明の規定するΔHmは、上記再昇温過程において、半結晶性樹脂にみられるような冷結晶化が生じる場合においても、再昇温過程で生じる結晶融解ピークから算出されたΔHmを適用する。すなわち、再昇温過程において生じる冷結晶化における発熱ピーク面積から算出される結晶化エンタルピー(ΔHc)を、再昇温過程で得られるΔHmからの差し引くことは行わない。
ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とする保護層(II)は、示差走査型熱量測定(DSC)における結晶化温度(Tc)が110℃以上であることが好ましい。下限には115℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましい。一方、上限は、前記樹脂組成物の主成分としてなる前記ポリオレフィン系樹脂(B)単体でのTcにもよるが、145℃以下が好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。
前記保護層(II)の結晶化温度(Tc)が110℃以上とするためには、ポリオレフィン系樹脂(B)の結晶成分量を調整することによって満たすことができる。
具体的には、保護層(II)のTcが110℃以上の場合、結晶化温度が高いため、結晶化開始温度が高まり、高い弾性率を有する結晶成分が増大することで、高温のキャストロールからの剥離が行いやすく、剥離時に膜状物の外観ムラが生じるのを防ぐことができる。一方で、保護層(II)のTcが145℃以下の場合、延伸時に過度に高い結晶成分へ応力が集中した際に生じる多孔構造形成を抑制でき、無多孔層を得ることができる。
示差走査型熱量計で保護層(II)を30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温した際の降温過程での結晶化ピーク温度から結晶化温度(Tc)を算出する。このとき、二つ以上の結晶化ピーク温度が現れる際には、より低い温度のピークを結晶化温度(Tc)とし、上記高温保持温度は、保護層(II)を構成するポリオレフィン系樹脂(B)の結晶融解ピーク温度Tmに対し、Tm+20℃以上、かつ、Tm+100℃以下の範囲において、任意に選択できる。
本フィルムを構成する各層は、その性質を損なわない程度に添加剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、結晶核剤、着色剤、帯電防止剤、加水分解防止剤、滑剤、難燃剤、エラストマーなどの各種添加剤が適宜含まれていてもよい。またその性質を損なわない程度に他の樹脂組成物が含まれていても良い。
4.積層多孔フィルムの製造方法
本発明の積層圧電フィルムの前駆体となる積層多孔フィルムの製造方法について説明するが、以下の説明は、本発明の積層圧電フィルムを製造する方法の一例であり、本発明の積層圧電フィルムはかかる製造方法により製造される積層多孔フィルムに限定されるものではない。
本フィルム製造方法は上記工程を備えていればよいから、他の工程や処理をさらに備えていてもよい。
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリオレフィン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)、及び、β晶核剤(C)以外の成分、例えばプロピレン重合体以外の他の樹脂を混合することを許容することができる。
他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また、本発明においては、前述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、一般的に配合される添加剤を適宜添加できる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性および圧電フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、着色剤などの添加剤が挙げられる。
混錬する際、用いる機械を特に限定するものではない。例えば単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機など、公知の押出機を用いることができる。また、設備構造および必要性に応じて、ベント口に減圧機を接続し、水分や分低分子量物質を除去してもよい。
以下、製膜工程、延伸工程、帯電処理について順次説明する。
(1)製膜工程
材料樹脂を加熱溶融する方法として、例えばTダイ法、インフレーション法などを挙げることができ、中でもTダイ法を採用するのが好ましい。実用的には、Tダイから材料樹脂を溶融押出して、キャストロールにより積層無孔膜状物を製膜するのが好ましい。
中でも、ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)の材料樹脂と、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とする保護層(II)の材料原料とを、共押出法によって溶融押出された積層無孔膜状物をキャストロールによって製膜するのがより好ましい。
積層無孔膜状物を製膜する具体的方法として、Tダイ法を採用する場合、Tダイからそれぞれ押出されたシート状の溶融樹脂を共押出法によって積層し、回転するキャストロール(チルロール、キャストドラム)上に密着させながら引き取り、積層無孔膜状物に成形する方法を挙げることができる。
キャストロールに積層無孔膜状物を密着させるために、タッチロール、エアナイフ、電気密着装置などをキャストロールに付けてもよい。混練物を冷却しながらフィルムに成形する際、キャストロールの温度は100℃以上が好ましい。より好ましくは110℃以上で、更に好ましくは120℃以上である。本発明では多孔層(I)中のポリオレフィン系樹脂(A)の結晶部分と非晶部分での延伸工程時による開孔によっても、空孔率の増加が可能であるため、キャストロールの温度を100℃以上とし、高い結晶化度の積層無孔膜状物を得ることが好ましい。また、キャストロール温度の上限は140℃以下が好ましい。より好ましくは135℃以下で、更に好ましくは130℃以下である。キャストロールの温度を140℃以下とすることで、フィルム製膜時にキャストロールからの剥離が容易である。
得られる積層無孔膜状物において、両端部を除いた有効部分の厚みは50μm〜1000μmであるのが好ましく、中でも80μm以上或いは800μm以下、その中でも100μm以上或いは600μm以下であるのがさらに好ましい。
積層無孔膜状物の厚みが50μm以上であれば、厚みが薄すぎるために延伸時に破断を起こすのを防ぐことができ、積層無孔膜状物の厚みが1000μm以下であれば、フィルムが剛直になり過ぎて延伸を行い難くなるのを防ぐことができる。
本発明の積層圧電フィルムの積層無孔膜状物の層構成に関しては、上記の層構成のみだけでなく、他の層を組み合わせた構成であってもよい。
(2)延伸工程
ついで、得られた積層無孔膜状物を一軸延伸あるいは二軸延伸を行う。一軸延伸は縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。本発明の目的である保護層(II)を有する積層圧電フィルムを作製する場合には、各延伸工程で延伸条件を選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましい。なお、膜状物の流れ方向(MD)への延伸を「縦延伸」といい、流れ方向に対して垂直方向(TD)への延伸を「横延伸」という。
逐次二軸延伸を用いる場合、延伸温度は用いる樹脂組成物の組成、結晶融解ピーク温度、結晶化度等によって適時選択する必要があるが、多孔構造の制御が比較的容易であり、機械強度や収縮率など他の諸物性とのバランスがとりやすい。
縦延伸温度は、好ましくは60〜140℃であり、より好ましくは80〜120℃である。縦延伸温度を140℃以下とすることで、主成分であるポリプロピレン系樹脂の融点以下で破断なく延伸が可能となるため好ましい。一方で、60℃以上とすることで、延伸時の破断が抑制できるため、好ましい。
縦延伸倍率は、任意に選択できるが、一軸延伸あたりの延伸倍率は1.1〜10倍が好ましく、より好ましくは1.5〜8.0倍であり、さらに好ましくは1.5〜6.0倍である。一軸延伸あたりの延伸倍率が1.1倍以上とすることで白化が進行して、延伸による多孔化が十分に生じる。また、10倍以下とすることで、空孔の変形は抑制され、十分に白化した積層多孔フィルムを得ることができる。
横延伸温度は、好ましくは100〜160℃であり、より好ましくは110〜150℃である。前記横延伸温度が規定された範囲内であることによって、縦延伸時に生じた空孔が拡大されて多孔層の空孔率を増加することができ、十分な断熱性を有することができる。
横延伸倍率は、任意に選択できるが、好ましくは1.1〜10倍であり、より好ましくは1.5〜9.0倍、更に好ましくは1.5〜8.0倍である。規定した横延伸倍率で延伸することによって、縦延伸時に生じた空孔を変形することなく、十分な空孔率を有することができる。
(3)帯電処理
ついで、得られた積層多孔フィルムに帯電処理を行なうことで本発明の積層圧電フィルムを得ることができる。帯電処理は連続式であってもよいし、バッチ式であってもよい。帯電処理を行なう際の電極は、フィルムの表裏に針状電極、ワイヤー電極、ロール状電極、板状電極などの電極間にフィルムを通し、電極間に電界を印加する方式でも良いし、フィルムの表裏に直接、塗布や蒸着により電極を形成した後に、電界を印加する方式でも良い。印加する電界としては好ましくは0.1MV/m以上10MV/m以下、より好ましくは0.2MV/m以上8MV/m以下、さらに好ましくは0.3MV/m以上6MV/m以下である。0.1MV/m以上であることで優れた圧電性を有することができる。10MV/m以下であることで、帯電処理時の絶縁破壊を低減するという効果がある。
さらに、本発明の積層圧電フィルムには、本発明を損なわない範囲で必要に応じてコロナ処理、プラズマ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面加工、更にはミシン目加工などを施すことができ、用途に応じて本発明の積層圧電フィルムを数枚重ねることも可能である。
<圧電素子>
本発明の積層圧電フィルムは、リード線の実装や絶縁膜の形成を施すことで、本フィルムを備えた圧電素子とすることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の積層圧電フィルムについてさらに詳しく説明するが、本発明は何ら制限を受けるものではない。
<多孔層(I)>
(ポリオレフィン系樹脂(A))
・A−1;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA、MFR:2.4g/10分[230℃、2.16kg荷重]、Mw/Mn=3.2、日本ポリプロ社製)
(β晶核剤)
・C−1:3,9−ビス[4−(N−シクロヘキシルカルバモイル)フェニル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
(酸化防止剤)
・D−1;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトとテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペンタエリスリトールとの1:1混合物(IRGANOX−B225、BASF社製)
<保護層(II)>
(ポリオレフィン系樹脂(B))
・B−1;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY6HA、MFR:2.4g/10分[230℃、2.16kg荷重]、日本ポリプロ社製)
・B−2;ホモポリプロピレン(ノバテックPP FY4、MFR:5.0g/10分、[230℃、2.16kg荷重]、日本ポリプロ社製)
(エラストマー)
・E−1;オレフィン系エラストマー(タフマーPN3560、MFR:6.0g/10分[230℃、2.16kg荷重]、三井化学社製)
・E−2;スチレン系エラストマー(ダイナロン1320P、MFR:3.5g/10分[230℃、2.16kg荷重]、JSR社製、スチレン含量:10%)
(実施例1)
ポリオレフィン系樹脂(A−1)100質量部、β晶核剤(C−1)0.2質量部、酸化防止剤(D−1)0.1質量部を混合して、二軸押出機にて280℃で溶融押出することで混合物1を得た。ポリオレフィン系樹脂(B−1)70質量部、エラストマー(E−1)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物2を得た。
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機に前記混合物2、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて、厚み比が1/6/1である積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は縦延伸機を用いて、105℃に設定したロール間において、ドロー比65%を3段(縦延伸倍率4.5倍)掛けて縦延伸を行なった。縦延伸後のフィルムは、フィルムテンター設備(京都機械社製)にて、予熱温度150℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度150℃で横方向に3.5倍延伸した後、155℃で熱処理を行ない、積層多孔フィルムを得た。得られた積層多孔フィルムをアース板に乗せ、針状電極を使用し、電極間距離20mmで10kVの電圧をかけ帯電処理を行なうことで、積層圧電フィルムを得た。得られた積層圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
(実施例2)
ポリオレフィン系樹脂(B−1)70質量部、エラストマー(E−2)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物3を得た。
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機に混合物3、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行った以外は、実施例1と同様の方法で積層圧電フィルムを得た。得られた積層圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
(実施例3)
ポリオレフィン系樹脂(B−2)70質量部、エラストマー(E−1)30質量部を混合して、二軸押出機にて230℃で溶融押出することで混合物4を得た。
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機に前記混合物4、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて、厚み比が1/10/1である積層無孔膜状物を得た。その後、積層無孔膜状物は実施例1と同様の方法で積層圧電フィルムを得た。得られた積層圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
(比較例1)
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機にポリオレフィン系樹脂(B−1)、中層側押出機に前記混合物1を用いて成形を行った以外は、実施例1と同様の方法で積層圧電フィルムを得た。得られた積層圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
(比較例2)
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機、中層側押出機ともに前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて事実上単層の無孔膜状物を得た。その後、無孔膜状物は実施例1と同様の方法で圧電フィルムを得た。得られた圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
(比較例3)
リップ開度1mmのTダイで表層側押出機、中層側押出機ともに前記混合物1を用いて成形を行い、キャストロールに導かれて事実上単層の無孔膜状物を得た。その後、無孔膜状物は実施例1と同様の方法で単層の多孔フィルムを得た。この多孔フィルムの両面に厚み10μmのOPPフィルム2枚を粘着剤で貼り合わせ、実施例1と同様の帯電処理を行うことで積層圧電フィルムを得た。得られた積層圧電フィルムの評価結果は表1に示した。
実施例および比較例で得られたフィルムに関して、フィルム厚み、空孔率、結晶化温度(Tc)、結晶融解エンタルピー(ΔHm)、透気度、焼結性、層間密着性、外観ムラについて以下の方法で測定した。
(1)フィルム厚み
1/1000mmのダイアルゲージを用いて無作為に10点測定して、その平均値を厚みとした。
(2)空孔率
測定試料の実質量W1を測定し、樹脂組成物の密度に基づいて空孔率が0%の場合の質量W0を計算し、これらの値から下記式に基づいて空孔率を算出した。
空孔率(%)={(W0−W1)/W0}×100
(3)結晶化温度(Tc)、結晶融解エンタルピー(ΔHm)
積層圧電フィルムの保護層(II)のDSC測定を行った。30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で昇温後、1分間保持し、次に高温保持温度から30℃まで冷却速度10℃/分で降温後、1分間保持し、更に30℃から高温保持温度まで加熱速度10℃/分で再昇温させた。このとき降温した際の結晶化ピーク温度を結晶化温度(Tc)とし、再昇温過程における該結晶融解ピーク面積から結晶融解エンタルピー(ΔHm)を算出した。
(4)25℃での透気度
25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定した。測定機器として、デジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
(5)圧電特性
積層圧電フィルムは50mm×50mmの寸法に切出し、ピエゾメーター(リードテクノ社製)にて厚み方向の圧電定数(d33)を5回測定し、その平均値を下記の基準で評価した。なお、ピエゾメーターの端子をφ5mm円筒状とし、クランプ荷重を1N、動荷重を1.2Nとし、測定を行った。
○:圧電定数が20pC/N以上である。
△:圧電定数が10pC/N以上20pC/N未満である。(実用範囲内)
×:圧電定数が10pC/N未満である。
(6)焼結性
導電インクとして銀ナノインク(ハリマ化成社製:NPS−JL)を使用して、積層圧電フィルム上にインクジェットプリンタ(富士フィルム社製:DMP−2850)を使用して5mm×80mmの寸法で導線を印刷し、熱固定枠に固定し、120℃で1時間焼成し、フィルム上の導線部の任意の50mm間の部分の電気抵抗を測定した。その電気抵抗値を下記の基準で評価した。
○:電気抵抗が1kΩ未満である。
×:電気抵抗が1kΩ以上である。
(7)層間密着性
積層圧電フィルムの両面にセロハンテープ(ニチバン社製、JIS Z1522)を図1の形状となるよう貼り、次に、引張試験機(インテスコ社製、インテスコIM−20ST)の下部チャックと上部チャックにそれぞれのテープを固定し、試験速度300mm/分にて引き剥がし、以下の基準で層間密着性を評価した。
○:積層圧電フィルムから一方のテープだけ全てが引き剥がされる。
×:積層圧電フィルムがどちらのテープにも付着している
(8)外観ムラ
積層圧電フィルム表面で生じる割れや樹脂の流動ムラに代表される外観ムラを目視及び走査型電子顕微鏡(SEM)(「株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 S−4500」)にて評価した。
○:積層圧電フィルム全面にて表面が均一で、外観ムラが生じていない。
×:積層圧電フィルム全面にて表面が不均一で、外観ムラが生じている。
Figure 2020131545
実施例より本願が規定する結晶融解エンタルピー(ΔHm)を満たす保護層(II)であれば外観ムラがなく、良好な圧電性および焼結性を示した。
一方、比較例1のように、保護層(II)を構成する樹脂の結晶融解エンタルピー(ΔHm)が90J/gを超える場合、延伸時に保護層(II)が割れてしまい、外観ムラが生じた。比較例2では、全層が多孔層であるため、焼結性が不十分であった。比較例3の
ように結晶融解エンタルピー(ΔHm)が90J/gを超えた保護層(II)と、多孔層(I)とを接着剤で貼り合わせた場合、外観ムラは改善されたものの、多孔層(I)と保護層(II)との層間密着性が十分でなかった。
1 セロハンテープ
2 積層圧電フィルム

Claims (11)

  1. ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10J/g〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層圧電フィルム。
  2. 前記保護層(II)の結晶化温度(Tc)が110℃以上である請求項1に記載の積層圧電フィルム。
  3. 圧電定数が1pC/N以上10000pC/N以下である請求項1または2に記載の積層圧電フィルム。
  4. 空孔率が55%以上、透気度が1000秒/dL以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  5. 積層圧電フィルムに厚みに対して、前記保護層(II)の厚みが1%〜20%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  6. β活性を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  7. 前記多孔層(I)に中間層、前記保護層(II)に表層を有する3層の層構成である請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  8. 厚みが1μm以上1000μm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  9. 前記保護層(II)の表面に導電材が積層された[1]〜[8]のいずれか1項に記載の積層圧電フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層圧電フィルムを備えた圧電素子。
  11. ポリオレフィン系樹脂(A)を主成分とする多孔層(I)を有し、ポリオレフィン系樹脂(B)を主成分とし、結晶融解エンタルピー(ΔHm)が10J/g〜90J/gである保護層(II)を少なくとも片面の表層として有する積層無孔膜状物を延伸して得られる積層フィルムに帯電処理を行う、積層圧電フィルムの製造方法。
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