以下、図面を参照して、本発明の結束機の実施の形態としての鉄筋結束機の一例について説明する。
<第1の実施の形態の鉄筋結束機の例>
図1は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図、図2は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す側面図、図3は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の要部を示す側面図である。
第1の実施の形態の鉄筋結束機1Aは、ワイヤWが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容する収容部2と、収容部2に収容されたワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送る送り部3を備える。また、鉄筋結束機1Aは、送り部3で送られるワイヤWに巻き癖を付ける規制部4と、規制部4で巻き癖が付けられるワイヤWを案内するガイド部5を備える。更に、鉄筋結束機1Aは、ワイヤWを切断する切断部6と、ワイヤWを捩る捩り部7と、切断部6及び捩り部7等を駆動する駆動部8を備える。
鉄筋結束機1Aは、本体部10の一方の側にガイド部5が設けられる。本実施の形態では、ガイド部5が設けられる側を前と定義する。鉄筋結束機1Aは、本体部10にハンドル部10hが突出する形態で設けられ、ハンドル部10hの前側に、鉄筋結束機1Aを作動させる操作を受けるトリガ10tが設けられる。
収容部2は、ワイヤリール20の着脱及び支持が可能に構成される。送り部3は、送り部材としての一対の送りギア30を備える。送り部3は、ワイヤWが一対の送りギア30の間に挟持された状態で、送りギア30を図示しないモータが回転させることで、ワイヤWを送る。送り部3は、送りギア30の回転方向に応じて、ワイヤWを矢印Fで示す正方向と、矢印Rで示す逆方向の両方に送ることが可能である。
切断部6は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、送り部3の下流側に設けられる。切断部6は、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61を備える。また、切断部6は、駆動部8の動きを可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。
固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aを備える。可動刃部61は、固定刃部60を支点とした回転動作で、固定刃部60の開口60aを通るワイヤWを切断する。
規制部4は、送り部3で送られるワイヤWの送り方向に沿った複数個所、本例では少なくとも3か所でワイヤWに接する第1〜第3の規制部材を備えることで、図3に破線で示すワイヤWの送り経路Wfに沿うような巻き癖をワイヤWに付ける。
規制部4は、第1の規制部材が上述した固定刃部60で構成される。また、規制部4は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、固定刃部60の下流側に、第2の規制部材として規制部材42を備え、規制部材42の下流側に、第3の規制部材として規制部材43を備える。規制部材42及び規制部材43は、円柱状の部材で構成され、外周面にワイヤWが接する。
規制部4は、螺旋状となるワイヤWの送り経路Wfに合わせて、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43が曲線上に配置される。固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aがワイヤWの送り経路Wf上に設けられる。また、規制部材42は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の内側に設けられる。更に、規制部材43は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の外側に設けられる。
これにより、送り部3で送られるワイヤWが、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43に接しながら通過することで、ワイヤWの送り経路Wfに沿うように、ワイヤWに巻き癖が付けられる。
規制部4は、駆動部8の動きを規制部材42に伝達する伝達機構44を備える。規制部材42は、送り部3でワイヤWを正方向に送りワイヤWに巻き癖を付ける動作では、ワイヤWが接する位置に移動し、ワイヤWを逆方向に送り鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作では、ワイヤWと接しない位置に移動可能に構成される。
図4A、図4Bは、ガイド部の一例を示す側面図、図5は、ガイド部及びコンタクト部材の一例を示す斜視図、図6A、図6Bは、コンタクト部材の一例を示す側面図であり、次に、一対のガイドを作動させる構成及び作用効果について説明する。
ガイド部5は、規制部4の規制部材43が設けられ、ワイヤWを案内する第1のガイド51と、規制部4及び第1のガイド51で巻き癖が付けられたワイヤWを捩り部7に案内する第2のガイド52を備える。
第1のガイド51は、本体部10の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す第1の方向に延びる。第1のガイド51は、図3に示すように、送り部3で送られるワイヤWが摺接するガイド面51gを有した溝部51hを備える。第1のガイド51において、本体部10に取り付けられる側を基端側、本体部10から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、規制部材42が第1のガイド51の基端側に設けられ、規制部材43が第1のガイド51の先端側に設けられる。第1のガイド51は、基端側が本体部10の金属部分にネジ等によって固定されている。ここで、固定とは、厳密な意味での固定ではなく、第1のガイド51が本体部10に対してがたつく等、多少動くことも含む意味である。第1のガイド51のガイド面51gと、規制部材42の外周面との間には、ワイヤWが通過可能な隙間が形成される。規制部材43は、外周面の一部が第1のガイド51のガイド面51gに突出する。
第2のガイド52は、本体部10の前側の端部に取り付けられる。第2のガイド52は、第1の方向と直交し、かつ、ハンドル部10hの延びる方向に沿った矢印A2に示す第2の方向に、第1のガイド51と対向して設けられる。第1のガイド51と第2のガイド52との間は、第2の方向に沿って所定の間隔が空けられ、第1のガイド51と第2のガイド52との間に、図4A、図4Bに示すように鉄筋Sが挿抜される挿抜口53が形成される。
第2のガイド52は、図5に示すように、第1の方向及び第2の方向と直交する矢印A3に示す第3の方向に沿って対向する一対のサイドガイド52aを備える。第2のガイド52において、本体部10に取り付けられる側を基端側、本体部10から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、一対のサイドガイド52aは、先端側から基端側に向けて間隔が狭くなる。一対のサイドガイド52aは、基端側が、ワイヤWが通ることが可能な間隔で対向する。
第2のガイド52は、基端側が軸52bに支持されて本体部10に取り付けられる。軸52bの軸線は、第3の方向に沿った方向である。第2のガイド52は、軸52bを支点として本体部10に対して回動可能である。第2のガイド52は、先端側の端部52cが、矢印A2で示す第2の方向に第2のガイド52と対向する第1のガイド51の端部51cに対して近づく方向及び離れる方向に移動可能である。第1のガイド51の端部51cには、溝部51hの端部P2が露出する。
第2のガイド52は、軸52bを支点とした回動で、図4Aに実線で示すように、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの距離が第1の距離L1である第1の位置と、図4Aに二点鎖線で示し、図4Bに実線で示すように、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの距離が、第1の距離L1より短い第2の距離L2である第2の位置との間を移動する。
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間が開いた状態である。第2のガイド52は、第1の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が広がり、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、サイドガイド52aが、図4A、図4Bに破線で示すワイヤWの送り経路Wfに位置する。第2のガイド52は、第1の位置にある状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が、第2のガイド52が第2の位置にある場合より広くなるのであれば、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置していても良いし、図4Aに実線で示すように、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfより外側に位置していても良い。
第2のガイド52は、第1の位置へ移動する方向へ、捩じりコイルバネ等で構成される付勢部材54により付勢され、第1の位置へ移動した状態が保持される。
鉄筋結束機1Aは、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に挿入された鉄筋Sが当接することで鉄筋Sを検知し、第2のガイド52を作動させるコンタクト部材9Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、本体部10の前側の端部を覆うカバー部11を備える。
カバー部11は、本体部10の前側の端部から第3の方向に沿った本体部10の左右両側にかけて取り付けられる。カバー部11は、金属の板材等で構成され、第1のガイド51の基端側と第2のガイド52の基端側との間で、本体部10の前側の端部の一部または全部と、本体部10の前側の左右両側の一部を覆う形状である。本体部10が樹脂で構成されるのに対し、カバー部11が金属で構成されることで、コンタクト部材9A及び鉄筋Sが金属で構成されるカバー部11に当接しても磨耗を低減することができる。
コンタクト部材9Aはガイド移動部の一例で、軸90Aに回動可能に支持されることでカバー部11を介して本体部10に取り付けられる。コンタクト部材9Aは、屈曲した形状で、軸90Aに対して一方の側に、鉄筋Sに当接させる当接部91Aが設けられ、軸90Aに対して他方の側に、第2のガイド52とつながる連結部92Aが設けられる。具体的には、第2の方向において、軸90Aに対して一方の側に当接部91Aが設けられ、他方の側に連結部92Aが設けられる。
コンタクト部材9Aは、第1のガイド51と第2のガイド52との間の中間付近に軸90Aが設けられる。また、コンタクト部材9Aは、第1のガイド51と第2のガイド52との間で、軸90Aで支持される部位近傍から第1のガイド51側に、一対の当接部91Aが設けられる。当接部91Aは、鉄筋Sを結束したワイヤWが通ることが可能な間隔を空けて、図3に示す第1のガイド51の溝部51hを通るワイヤWの送り経路Wfを含む図5に示す仮想面Dmに対し、第3の方向に沿った両側に設けられる。当接部91Aは、第1のガイド51の左右両側まで延びる。
更に、コンタクト部材9Aは、軸90Aで支持される部位から第2のガイド52側に連結部92Aが設けられ、第2のガイド52において第1のガイド51と対向する側と反対側の部位に接する変位部93Aが、連結部92Aの先端側に設けられる。
コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点として本体部10に対して回動し、図6Aに示すように、当接部91Aがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図6Bに示すように、当接部91Aがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。
コンタクト部材9Aは、図6Bに示す作動位置に移動した状態では、当接部91Aが、軸90Aから矢印A2で示す第2の方向に沿って、第1のガイド51が設けられた方向に延びる形状である。よって、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で、当接部91Aが軸90Aを中心とした円弧に沿って、矢印A1に示す第1の方向に沿って移動する。第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを挿入する動作では、鉄筋結束機1Aは、矢印A1で示す第1の方向に移動する。この鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により、コンタクト部材9Aは、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押され、作動位置に移動する。これにより、軸90Aを支点とした回動で当接部91Aが移動する方向が、鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により鉄筋Sが当接部91Aを押す力の方向と沿った方向になる。また、図6Bに示す作動位置に移動した状態では、コンタクト部材9Aは、連結部92Aが、軸90Aから当接部91Aに対して前方に傾斜して、第2のガイド52が設けられた方向に延びる形状である。よって、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で、変位部93Aが軸90Aを中心とした円弧に沿って、矢印A2に示す第2の方向に沿って移動する。これにより、コンタクト部材9Aは、付勢部材54に付勢されて、第2のガイド52が第1の位置にある状態では、変位部93Aが第2のガイド52によって第1のガイド51から離れる方向に押される。このため、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で待機位置に移動し、当接部91Aがカバー部11から突出する。なお、本例では、コンタクト部材9Aは、第2のガイド52を付勢する付勢部材54の力で移動する構成としたが、コンタクト部材9Aを付勢する他の付勢部材を備える構成としても良い。
コンタクト部材9Aは、当接部91Aが鉄筋Sに押し付けられると、当接部91Aが第1の方向に沿って移動する。これにより、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点に回動し、作動位置に移動する。コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回動で、変位部93Aが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Aが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。このように、当接部91Aに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Aに鉄筋Sが当接し、変位部93Aが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。コンタクト部材9Aと第2のガイド52を別部品で構成したことで、当接部91Aから軸90Aまでの距離、変位部93Aから軸90Aまでの距離、第2のガイド52の軸53bとコンタクト部材9Aの変位部93Aが接する部位までの距離等に応じて所謂倍力機構を実現できる。これにより、コンタクト部材9Aの動作量と、第2のガイド52の動作量を最適化できる。
図7は、第2のガイドを検知する出力部の一例を示す側面図であり、次に、各図を参照して第1の出力部12Aの詳細を説明する。鉄筋結束機1Aは、第2のガイド52が第2の位置に移動したことを検知して、所定の出力を行う第1の出力部12Aを備える。第1の出力部12Aは、例えば、可動子120の変位により出力が変化する構成である。本例では、コンタクト部材9Aが待機位置に移動することで、第2のガイド52が第1の位置に移動すると、第2のガイド52が可動子120から離れる方向に移動する。このように、第2のガイド52が第1の位置に移動した状態での第1の出力部12Aの出力をオフとする。これに対し、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、第2のガイド52が第2の位置に移動すると、第2のガイド52が可動子120を押す方向に移動する。このように、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態での第1の出力部12Aの出力をオンとする。
次に、各図を参照して、捩り部7及び駆動部8について説明する。捩り部7は、ワイヤWが係合する係合部70と、係合部70を作動させる作動部71を備える。係合部70は、作動部71の動作で回転することで、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる。
駆動部8は、捩り部7等を駆動する捩りモータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81と、減速機81を介して捩りモータ80に駆動されて回転する回転軸82と、切断部6及び規制部材42に駆動力を伝達する移動部材83とを備える。捩り部7と駆動部8は、回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心が同軸上に配置される。回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心を軸線Axと称す。
係合部70は、送り部3で切断部6に送られたワイヤWが通る第1の通路と、規制部4で巻き癖が付けられ、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWが通る第2の通路が形成される。
駆動部8は、回転軸82の回転動作で、回転軸82の軸方向に沿って作動部71を移動させる。作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、係合部70は、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWの先端側を保持する。
駆動部8は、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動する動作と連動して、移動部材83が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。更に、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構62で可動刃部61に伝達され、可動刃部61が作動してワイヤWが切断される。
駆動部8は、回転軸82の軸方向に沿って移動させた作動部71を、回転軸82の回転動作で回転させる。作動部71は、回転軸82の軸回りに回転することで、係合部70でワイヤWを捩じる。
図8は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の機能ブロック図である。鉄筋結束機1Aは、コンタクト部材9Aが鉄筋Sに押し付けられる動作で作動する第1の出力部12Aと、トリガ10tの操作で作動する第2の出力部13の出力を制御部100Aで検知する。制御部100Aは、第1の出力部12Aと、第2の出力部13の出力に従い、送りギア30を駆動する送りモータ31と、捩り部7等を駆動する捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
次に、鉄筋結束機1Aにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作について説明する。作業者は、鉄筋結束機1Aのハンドル部10hを手で持ち、2本の鉄筋Sの交差箇所にガイド部5の位置を合わせ、挿抜口53に鉄筋Sを入れる。
鉄筋結束機1Aは、挿抜口53に鉄筋Sが入れられていない状態では、図6Aに示すように、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が広がる。これにより、挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
作業者は、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける。
コンタクト部材9Aは、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、鉄筋結束機1Aが移動する方向に沿った力を受けて当接部91Aが押される。これにより、コンタクト部材9Aは、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Aを支点に回動し、図6Bに示すように、作動位置に移動する。
交差した2本の鉄筋Sが挿抜口53に入れられると、一方の鉄筋Sは、第1のガイド51の一方の側部に位置し、他方の鉄筋Sは、第1のガイド51の他方の側部に位置する。これに対し、コンタクト部材9Aは、一対の当接部91Aが、第1のガイド51と第2のガイド52との間から、第1のガイド51の左右両側に延びる。これにより、挿抜口53に入れられた鉄筋Sが、確実に当接部91Aに当接し、コンタクト部材9Aを作動位置に移動させることができる。また、コンタクト部材9Aの当接部91Aは、軸90Aを支点とした回動動作で、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動する。これにより、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、当接部91Aを押すことができ、コンタクト部材9Aを作動させるため、鉄筋結束機1Aを別の方向に移動させる必要がない。
コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回動で、変位部93Aが第1のガイド51に近づく方向へ第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。
第2のガイド52が第2の位置に移動すると、第1の出力部12Aの出力がオンになり、制御部100Aは、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知する。
作業者は、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付けた状態で、トリガ10tを操作する。トリガ10tが操作されることで、第2の出力部13の出力がオンになり、制御部100Aは、第2の出力部13の出力がオンになったことを検知する。
制御部100Aは、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知している状態で、第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作の一例について説明すると、送りモータ31が正方向に回転し、送りギア30が正方向に回転することで、ワイヤWが矢印Fに示す正方向に送られる。送り部3で正方向に送られるワイヤWは、規制部4を構成する第1の規制部材である固定刃部60と、第2の規制部材である規制部材42を通る。規制部材42を通過したワイヤWは、第1のガイド51のガイド面51gに接することで、第3の規制部材である規制部材43に案内される。
これにより、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、固定刃部60、規制部材42、規制部材43と、第1のガイド51のガイド面51gに接することで円弧状に曲げられる。そして、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、円弧状の外周方向から固定刃部60と規制部材43が接し、固定刃部60と規制部材43との間で、円弧状の内周方向から規制部材42が接することで、略円を描く巻き癖が付けられる。
第1のガイド51の端部51cと、第2のガイド52の端部52cの間は、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態で、所定の間隔が空く。但し、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、一対のサイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置しており、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、上述したように規制部4で巻き癖が付けられるので、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内される。
第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内されるワイヤWは、送り部3で正方向に送られることにより、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aで捩り部7の係合部70に案内される。そして、制御部100Aは、ワイヤWの先端部が所定の位置まで送られたと判断すると、送りモータ31の駆動を停止する。これにより、ワイヤWが鉄筋Sの周囲でらせん状に巻かれる。なお、第2のガイド52が第2の位置に移動しておらず、第1の出力部12Aの出力がオフの状態では、制御部100AはワイヤWの送りを行わない。これにより、ワイヤWが捩り部7の係合部70に係合されず、送り不良が発生することが抑制される。つまり、第2のガイド52が第2の位置にあると、ワイヤWは捩り部7の係合部70に案内されることが可能になる。
制御部100Aは、ワイヤWの正方向への送りを停止した後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、作動部71により係合部70を作動させ、係合部70でワイヤWの先端側を保持する。
制御部100Aは、係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止し、送りモータ31を逆方向に回転させる。係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させると、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。
送りモータ31が逆方向に回転すると、送りギア30が逆方向に回転し、ワイヤWが矢印Rに示す逆方向に送られる。ワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
制御部100Aは、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるまで、送りモータ31を逆方向に回転させたと判断すると、送りモータ31の回転を停止させた後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、移動部材83により伝達機構62を介して可動刃部61が作動し、ワイヤWが切断される。
ワイヤWが切断された後、捩りモータ80の正方向の回転を継続することで係合部70を回転させ、ワイヤWを捩じる。
制御部100Aは、ワイヤWを捩じるまで、捩りモータ80を正方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80を逆方向に回転させる。捩りモータ80を逆方向に回転させることで、係合部70を初期位置に復帰させ、ワイヤWの保持を解除する。これにより、鉄筋Sを結束したワイヤWを係合部70から抜くことが可能になる。
制御部100Aは、係合部70等を初期位置に復帰させるまで、捩りモータ80を逆方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止させる。
作業者は、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる。鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、コンタクト部材9Aの当接部91Aを押す力が掛からなくなると、付勢部材54の力で、第2のガイド52が第2の位置から第1の位置に移動する。
第2のガイド52が第1の位置に移動すると、コンタクト部材9Aは、変位部93Aが第1のガイド51から離れる方向に押され、軸90Aを支点とした回動で待機位置に移動し、当接部91Aがカバー部11から突出する。
作業者が、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が広がる。これにより、挿抜口53から鉄筋Sを抜くことがより容易になる。
図9A及び図9Bは、ガイド移動部の変形例を示す側面図である。変形例のガイド移動部は、鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Bと、第2のガイド52とつながる連結部92Bが、一体ではなく別々の部品で構成される。また、コンタクト部材9Bが直線に沿って移動する。
コンタクト部材9Bは、複数本の軸94Bに支持されて本体部10の側部に取り付けられる。コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿って延びる形状で、第1の方向に沿った先端部に、挿抜口53に面して当接部91Bが設けられ、矢印A2で示す第2の方向に沿った一方の部位に、連結部92Bを作動させる作動部95Bが設けられる。作動部95Bは、第1の方向に沿って凹凸が形成されたカム面で構成される。当接部91Bは、鉄筋Sを結束したワイヤWが通ることが可能な間隔を空けて、第3の方向に沿った両側に設けられる。当接部91Bは、第1のガイド51の左右両側まで延びる。当接部91Bは、第2のガイド52の左右両側まで延びる構成でも良い。
コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿った長孔96Bが設けられ、長孔96Bに軸94Bが入れられる。これにより、コンタクト部材9Bは、本体部10に対して矢印A1で示す第1の方向に移動可能で、図9Aに示すように、当接部91Bがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図9Bに示すように、当接部91Bがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。
コンタクト部材9Bは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。
連結部92Bは、軸90Bに支持されてカバー部11に取り付けられる。連結部92Bは、軸90Bを挟んで一方の側に、コンタクト部材9Bの作動部95Bに摺接可能な被作動部97Bが設けられ、軸90Bを挟んで他方の側に、第2のガイド52において第1のガイド51と対向する側と反対側の部位に接する変位部93Bが設けられる。
コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Bは、第2のガイド52を付勢する付勢部材54とは別の図示しない付勢部材により当接部91Bがカバー部11から突出する方向に付勢され、図9Aに示す待機位置に移動する。また、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、連結部92Bは、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い被作動部97Bが移動し、変位部93Bが第1のガイド51から離れる方向に、軸90Bを支点として回動可能となる。これにより、第2のガイド52が付勢部材54に付勢されて第1の位置に移動する。第2のガイド52の位置は、図7で説明した第1の出力部12Aで検知され、第2のガイド52が第1の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオフとなる。
コンタクト部材9Bは、当接部91Bに鉄筋Sが押し付けられると、矢印A1で示す第1の方向に沿って作動位置に移動する。コンタクト部材9Bが作動位置に移動すると、連結部92Bの被作動部97Bが、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い移動し、軸90Bを支点とした連結部92Bの回動で、変位部93Bが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Bが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオンとなる。このように、当接部91Bに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Bに鉄筋Sが当接し、変位部93Bが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、第2のガイド52が第2の位置に移動し、第1の出力部12Aの出力がオンになっていることを検知した状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿った長孔96Bが設けられ、長孔96Bに軸94Bが入れられることで、第1の方向に沿って直線上を移動する。第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを挿入する動作では、鉄筋結束機1Aは、矢印A1で示す第1の方向に移動する。この鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により、コンタクト部材9Bは、当接部91Bが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押される。これにより、コンタクト部材9Bが移動する方向が、鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により鉄筋Sが当接部91Bを押す力の方向と沿った方向になる。これに対し、コンタクト部材9Bと連結部92Bを独立した部品とすることで、連結部92Bは、軸90Bを支点とした回動で、第2のガイド52を移動させることができる。これにより、鉄筋Sに押されて作動するコンタクト部材9Bの移動方向と、第2のガイド52を移動させるための連結部92Bの移動方向を、それぞれ最適化できる。
図10A、図10Bは、ガイド部の変形例を示す側面図である。図10Aでは、第2のガイド52は、矢印A2で示す第2の方向に沿って延びる長孔55が設けられ、本体部10に設けた軸56に長孔55が入れられる。これにより、第2のガイド52は、本体部10に対して矢印A2で示す第2の方向に沿って直線上を移動可能で、図10Aに二点鎖線で示す第1の位置と、図10Aに実線で示す第2の位置との間を移動する。
第2のガイド52は、第1の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が広がり、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
鉄筋Sが挿抜口53に入れられ、所定の状態となると、図示しないガイド移動部により、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの距離が、第2のガイド52が第1の位置に移動した状態より狭くなる。
図10Bでは、第1のガイド51と第2のガイド52のどちらか一方、あるいは、第1のガイド51と第2のガイド52の両方が、互いに離れる方向及び近づく方向に移動可能な構成である。
第1のガイド51と第2のガイド52のどちらか一方、あるいは、第1のガイド51と第2のガイド52の両方が、図10Bに二点鎖線で示す第1の位置にある状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの間隔が広がり、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
鉄筋Sが挿抜口53に入れられ、所定の状態となると、図示しないガイド移動部により、第1のガイド51と第2のガイド52のどちらか一方、あるいは、第1のガイド51と第2のガイド52の両方が第1の位置から第2の位置に移動する。第1のガイド51と第2のガイド52のどちらか一方、あるいは、第1のガイド51と第2のガイド52の両方が第2の位置に移動した状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51の端部51cとの距離が、第1のガイド51と第2のガイド52のどちらか一方、あるいは、第1のガイド51と第2のガイド52の両方が第1の位置に移動した状態より狭くなる。
図11A、図11Bは、ガイド部の他の変形例を示す側面図である。図11A、図11Bでは、第2のガイド52は、第1の位置から第2の位置へ移動する方向へ、捩じりコイルバネ等で構成される図示しない付勢部材により付勢される。
コンタクト部材9Cは、軸90Cで支持される部位から第2のガイド52側に連結部92Cが設けられ、第2のガイド52に設けた被変位部57に、第1のガイド51と対向する側から接する変位部93Cが連結部92Cに設けられる。
コンタクト部材9Cは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。ここで、コンタクト部材9Cを待機位置へ移動させる方向へ図示しない付勢部材で付勢する力の方が、第2のガイド52を第1の位置から第2の位置へ移動させる方向へ図示しない付勢部材で付勢する力より大きく構成される。これにより、コンタクト部材9Cが待機位置へ移動した状態で保持され、かつ、第2のガイド52が第1の位置へ移動した状態で保持される。
コンタクト部材9Cの当接部91Cに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Cは、図示しない付勢部材により当接部91Cがカバー部11から突出する方向に付勢され、図11Aに示す待機位置に移動する。また、コンタクト部材9Cが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Cの変位部93Cが第1のガイド51から離れる方向に移動する。これにより、第2のガイド52の被変位部57がコンタクト部材9Cの変位部93Cに押され、第2のガイド52が第1の位置に移動する。第2のガイド52の位置は、図7で説明した第1の出力部12Aで検知され、第2のガイド52が第1の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオフとなる。
コンタクト部材9Cは、当接部91Cが鉄筋Sに押し付けられると、当接部91Cが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Cを支点に回転し、作動位置に移動する。コンタクト部材9Cが作動位置に移動すると、軸90Cを支点とした連結部92Cの回転で、変位部93Cが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、第2のガイド52が図示しない付勢部材に付勢されて第2の位置に移動する。第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオンとなる。このように、当接部91Cに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Cに鉄筋Sが当接し、変位部93Cが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Cが作動位置に移動することで、第2のガイド52が第2の位置に移動し、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知した状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
図12A、図12Bは、第2のガイドを検知する出力部の変形例を示す側面図である。図12A、図12Bでは、非接触のセンサにより第1の出力部12Bが構成される例で、本例では、ホール素子を使用したセンサで第1の出力部12Bが構成される。
第2のガイド52は、軸52bを支点とした回転で移動する検出子58を備え、図12Aに示すように、第2のガイド52が第1の位置に移動すると、検出子58が第1の出力部12Bの検出位置の外に移動する。また、図12Bに示すように、第2のガイド52が第2の位置に移動すると、検出子58が第1の出力部12Bの検出位置に移動する。
図6Aに示すように、コンタクト部材9Aが待機位置に移動することで、第2のガイド52が第1の位置に移動すると、検出子58が第1の出力部12Bの検出位置の外に移動する。このように、第2のガイド52の検出子58が第1の出力部12Bの検出位置の外に移動した状態での第1の出力部12Bの出力をオフとする。これに対し、図6Bに示すように、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、第2のガイド52が第2の位置に移動すると、検出子58が第1の出力部12Bの検出位置に移動する。このように、第2のガイド52の検出子58が第1の出力部12Bの検出位置に移動した状態での第1の出力部12Bの出力をオンとする。
図8に示す制御部100Aは、第2のガイド52が第2の位置に移動することで、第1の出力部12Bの出力がオンになったことを検知している状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、第2のガイド52が第2の位置に移動することで、第1の出力部12Bの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
非接触のセンサにより第1の出力部12Bが構成されることで、ゴミ等の影響による誤検知を低減することができる。
図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、図15Bは、コンタクト部材を検知する出力部の変形例を示す側面図である。図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、図15Bでは、コンタクト部材が作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断する。
図13A、図13Bは、図6A、図6Bで説明したように、軸52bを支点とした回転動作で、第2のガイド52が第1の位置と第2の位置に移動する構成で、かつ、第2のガイド52が、第2の位置から第1の位置へ移動する方向へ付勢部材54により付勢されて、第1の位置へ移動した状態が保持される構成である。このような構成において、コンタクト部材9Aが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。なお、本例では、コンタクト部材9Aは、第2のガイド52を付勢する付勢部材54の力で移動する構成としたが、コンタクト部材9Aを付勢する他の付勢部材を備える構成としても良い。
第1の出力部14Aは、図7で説明した第1の出力部12Aと同様の構成で良く、例えば、可動子140の変位により出力が変化する構成である。本例では、図13Aに示すように、コンタクト部材9Aが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Aの当接部91Aが可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、図13Bに示すように、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Aの当接部91Aが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Aが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
コンタクト部材9Aは、図13Aに示すように、第2のガイド52が第1の位置にある状態では、変位部93Aが第1のガイド51から離れる方向に押され、軸90Aを支点とした回転で待機位置に移動する。コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオフとなる。
コンタクト部材9Aは、当接部91Aが鉄筋Sに押し付けられると、図13Bに示すように、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Aを支点に回転し、作動位置に移動する。コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオンとなる。また、コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回転で、変位部93Aが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Aが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。従って、コンタクト部材9Aが作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断できる。このように、当接部91Aに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Aに鉄筋Sが当接し、変位部93Aが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知した状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
図14A、図14Bは、図9A、図9Bで説明したように、鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Bと、第2のガイド52とつながる連結部92Bが、一体ではなく別々の部品で構成され、かつ、コンタクト部材9Bが直線に沿って移動する構成である。このような構成において、コンタクト部材9Bが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。
図14Aに示すように、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Bが第1の出力部14Aの可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Bが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、図14Bに示すように、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Bが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Bが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Bは、図示しない付勢部材により当接部91Bがカバー部11から突出する方向に付勢され、図14Aに示す待機位置に移動する。コンタクト部材9Bが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオフとなる。また、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、連結部92Bは、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い被作動部97Bが移動し、変位部93Bが第1のガイド51から離れる方向に、軸90Bを支点として回転可能となる。これにより、第2のガイド52が第1の位置に移動する。
コンタクト部材9Bは、当接部91Bに鉄筋Sが押し付けられると、図14Bに示すように、矢印A1で示す第1の方向に沿って作動位置に移動する。コンタクト部材9Bが作動位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオンとなる。また、コンタクト部材9Bが作動位置に移動すると、連結部92Bの被作動部97Bが、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い移動し、軸90Bを支点とした連結部92Bの回転で、変位部93Bが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Bが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。従って、コンタクト部材9Bが作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断できる。このように、当接部91Bに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Bに鉄筋Sが当接し、変位部93Bが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになっていることを検知した状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
図15A、図15Bは、図11A、図11Bで説明したように、軸52bを支点とした回転動作で、第2のガイド52が第1の位置と第2の位置に移動する構成で、かつ、第2のガイド52が、第1の位置から第2の位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢されて、第2の位置へ移動した状態が保持される構成である。このような構成において、コンタクト部材9Cが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。ここで、コンタクト部材9Cを待機位置へ移動させる方向へ図示しない付勢部材で付勢する力の方が、第2のガイド52を第1の位置から第2の位置へ移動させる方向へ図示しない付勢部材で付勢する力より大きく構成される。これにより、コンタクト部材9Cが待機位置へ移動した状態で保持され、かつ、第2のガイド52が第1の位置へ移動した状態で保持される。
図15Aに示すように、コンタクト部材9Cが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Cの当接部91Cが第1の出力部14Aの可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Cが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、図15Bに示すように、コンタクト部材9Cが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Cの当接部91Cが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Cが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
コンタクト部材9Cの当接部91Cに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Cは、図示しない付勢部材により当接部91Cがカバー部11から突出する方向に付勢され、図15Aに示すように待機位置に移動する。コンタクト部材9Cが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオフとなる。また、コンタクト部材9Cが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Cの変位部93Cが第1のガイド51から離れる方向に移動する。これにより、第2のガイド52の被変位部57がコンタクト部材9Cの変位部93Cに押され、第2のガイド52が第1の位置に移動する。
コンタクト部材9Cは、当接部91Cが鉄筋Sに押し付けられると、当接部91Cが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Cを支点に回転し、図15Bに示すように作動位置に移動する。コンタクト部材9Cが作動位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオンとなる。また、コンタクト部材9Cが作動位置に移動すると、軸90Cを支点とした連結部92Cの回転で、変位部93Cが第1のガイド51に近づく方向へ移動する。これにより、第2のガイド52が第2の位置に移動する。従って、コンタクト部材9Cが作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断できる。このように、当接部91Cに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Cに鉄筋Sが当接し、変位部93Cが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Cが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Cが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
なお、図13A、図13B、図14A、図14B、図15A、図15Bにおいて、コンタクト部材が作動位置に移動したことを検知する出力部を、図12A、図12Bで説明した非接触のセンサにより構成しても良い。
<第2の実施の形態の鉄筋結束機の例>
図16は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す側面図、図17は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す上面図、図18は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の全体構成の一例を示す斜視図である。
第2の実施の形態の鉄筋結束機1Bは、第1の本体部301と、第2の本体部302と、第1の本体部301と第2の本体部302を連結する長尺状の連結部303を備える。第1の本体部301は、操作者が把持可能な一対のグリップ部304L、304Rを有したハンドル部304hを備える。
図19は、ハンドル部の一例を示す斜視図である。ハンドル部304hは、主に右手で把持されるグリップ部304Rに操作部304tを備える。操作部304tは、例えば、図示しない軸を支点に回動可能にグリップ部304Rに取り付けられ、グリップ部304Rの表面から突出する。操作部304tは、作業者によりグリップ部304Rと共に把持されることで、グリップ部304Rに対して回動することによって作動する。
図20は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の一例を示す側面図、図21は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の内部構成の要部を示す側面図である。
第2の本体部302は、ワイヤWが巻かれたワイヤリール20を回転可能に収容する収容部2と、収容部2に収容されたワイヤリール20に巻かれたワイヤWを送る送り部3を備える。また、第2の本体部302は、送り部3で送られるワイヤWに巻き癖を付ける規制部4と、規制部4で巻き癖が付けられるワイヤWを案内するガイド部5を備える。更に、第2の本体部302は、ワイヤWを切断する切断部6と、ワイヤWを捩る捩り部7と、切断部6及び捩り部7等を駆動する駆動部8を備える。
鉄筋結束機1Bは、第2の本体部302の一方の側にガイド部5が設けられる。本実施の形態では、ガイド部5が設けられる側を前と定義する。鉄筋結束機1Bは、第1の本体部301と第2の本体部302が連結部303で連結されることで、連結部303を備えていない鉄筋結束機と比較して、ガイド部5とハンドル部304hとの間が延伸した形態となる。
収容部2は、ワイヤリール20の着脱及び支持が可能に構成される。送り部3は、送り部材としての一対の送りギア30を備える。送り部3は、ワイヤWが一対の送りギア30の間に挟持された状態で、送りギア30を図示しないモータが回転させることで、ワイヤWを送る。送り部3は、送りギア30の回転方向に応じて、ワイヤWを矢印Fで示す正方向と、矢印Rで示す逆方向の両方に送ることが可能である。
切断部6は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、送り部3の下流側に設けられる。切断部6は、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61を備える。また、切断部6は、駆動部8の動きを可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。
固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aを備える。可動刃部61は、固定刃部60を支点とした回転動作で、固定刃部60の開口60aを通るワイヤWを切断する。
規制部4は、送り部3で送られるワイヤWの送り方向に沿った複数個所、本例では少なくとも3か所でワイヤWに接する第1〜第3の規制部材を備えることで、図21に破線で示すワイヤWの送り経路Wfに沿うような巻き癖をワイヤWに付ける。
規制部4は、第1の規制部材が上述した固定刃部60で構成される。また、規制部4は、矢印Fで示すワイヤWの正方向への送りに対し、固定刃部60の下流側に、第2の規制部材として規制部材42を備え、規制部材42の下流側に、第3の規制部材として規制部材43を備える。規制部材42及び規制部材43は、円柱状の部材で構成され、外周面にワイヤWが接する。
規制部4は、螺旋状となるワイヤWの送り経路Wfに合わせて、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43が曲線上に配置される。固定刃部60は、ワイヤWが通る開口60aがワイヤWの送り経路Wf上に設けられる。また、規制部材42は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の内側に設けられる。更に、規制部材43は、ワイヤWの送り経路Wfに対し、径方向の外側に設けられる。
これにより、送り部3で送られるワイヤWが、固定刃部60、規制部材42及び規制部材43に接しながら通過することで、ワイヤWの送り経路Wfに沿うように、ワイヤWに巻き癖が付けられる。
規制部4は、駆動部8の動きを規制部材42に伝達する伝達機構44を備える。規制部材42は、送り部3でワイヤWを正方向に送りワイヤWに巻き癖を付ける動作では、ワイヤWが接する位置に移動し、ワイヤWを逆方向に送り鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作では、ワイヤWと接しない位置に移動可能に構成される。
図22A、図22Bは、ガイド部の一例を示す側面図、図23は、ガイド部及びコンタクト部材の一例を示す斜視図、図24A、図24Bは、コンタクト部材の一例を示す側面図であり、次に、一対のガイドを作動させる構成及び作用効果について説明する。
ガイド部5Bは、規制部4の規制部材43が設けられ、ワイヤWを案内する第1のガイド51Bと、規制部4及び第1のガイド51Bで巻き癖が付けられたワイヤWを捩り部7に案内する第2のガイド52を備える。
第1のガイド51Bは、第2の本体部302の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す第1の方向に延びる。第1のガイド51Bは、図21に示すように、送り部3で送られるワイヤWが摺接するガイド面51gを有した溝部51hを備える。第1のガイド51Bにおいて、第2の本体部302に取り付けられる側を基端側、第2の本体部302から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、規制部材42が第1のガイド51Bの基端側に設けられ、規制部材43が第1のガイド51Bの先端側に設けられる。第1のガイド51Bは、基端側が第2の本体部302の金属部分にネジ等によって固定されている。ここで、固定とは、厳密な意味での固定ではなく、多少動くことも含む意味である。第1のガイド51Bのガイド面51gと、規制部材42の外周面との間には、ワイヤWが通過可能な隙間が形成される。規制部材43は、外周面の一部が第1のガイド51Bのガイド面51gに突出する。
第2のガイド52は、第2の本体部302の前側の端部に取り付けられる。第2のガイド52は、第1の方向と直交する矢印A2に示す第2の方向に、第1のガイド51Bと対向して設けられる。第1のガイド51Bと第2のガイド52との間は、第2の方向に沿って所定の間隔が空けられ、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間に、図22A、図22Bに示すように鉄筋Sが挿抜される挿抜口53が形成される。
ガイド部5Bは、鉄筋Sを挿抜口53に誘導する誘導部59を備える。誘導部59は、第1のガイド51Bの先端側に設けられ、誘導部59の先端側から基端側に向けて、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間隔が近づく面を設けて構成される、具体的には、誘導部59は、図21に示すように、第1のガイド51Bの先端P1から、第1のガイド51Bの先端側における溝部51hの端部P2の近傍に向けて、矢印A1で示す第1の方向に対し、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間隔が近づく方向に傾斜する傾斜面で構成される。
第2のガイド52は、図23に示すように、第1の方向及び第2の方向と直交する矢印A3に示す第3の方向に沿って対向する一対のサイドガイド52aを備える。第2のガイド52において、第2の本体部302に取り付けられる側を基端側、第2の本体部302から第1の方向に延びる側を先端側としたとき、一対のサイドガイド52aは、先端側から基端側に向けて間隔が狭くなる。一対のサイドガイド52aは、基端側が、ワイヤWが通ることが可能な間隔で対向する。
第2のガイド52は、基端側が軸52bに支持されて第2の本体部302に取り付けられる。軸52bの軸線は、第3の方向に沿った方向である。第2のガイド52は、軸52bを支点として第2の本体部302に対して回動可能である。第2のガイド52は、先端側の端部52cが、矢印A2で示す第2の方向に第2のガイド52と対向する第1のガイド51の端部51cに対して近づく方向及び離れる方向に移動可能である。第1のガイド51の端部51cには、溝部51hの端部P2が露出する。
第2のガイド52は、軸52bを支点とした回動で、図22Aに実線で示すように、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの距離が第1の距離L1である第1の位置と、図22Aに二点鎖線で示し、図22Bに実線で示すように、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの距離が、第1の距離L1より短い第2の距離L2である第2の位置との間を移動する。
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間が開いた状態である。第2のガイド52は、第1の位置にある状態で、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間隔が広がり、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
第2のガイド52は、第2の位置にある状態で、サイドガイド52aが、図22A、図22Bに破線で示すワイヤWの送り経路Wfに位置する。第2のガイド52は、第1の位置にある状態では、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間隔が、第2のガイド52が第2の位置にある場合より広くなるのであれば、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置していても良いし、図22Aに実線で示すように、サイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfより外側に位置していても良い。
第2のガイド52は、第1の位置へ移動する方向へ、捩じりコイルバネ等で構成される付勢部材54により付勢され、第1の位置へ移動した状態が保持される。
鉄筋結束機1Bは、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に挿入された鉄筋Sが当接することで第2のガイド52を作動させるコンタクト部材9Aを備える。また、鉄筋結束機1Bは、第2の本体部302の前側の端部を覆うカバー部11を備える。
カバー部11は、第2の本体部302の前側の端部から第3の方向に沿った第2の本体部302の左右両側にかけて取り付けられる。カバー部11は、金属の板材等で構成され、第1のガイド51Bの基端側と第2のガイド52の基端側との間で、第2の本体部302の前側の端部の一部または全部と、第2の本体部302の前側の左右両側の一部を覆う形状である。第2の本体部302が樹脂で構成されるのに対し、カバー部11が金属で構成されることで、コンタクト部材9A及び鉄筋Sがカバー部11に当接しても、カバー部11の磨耗を低減することができる。
コンタクト部材9Aはガイド移動部の一例で、軸90Aに回動可能に支持されることでカバー部11を介して第2の本体部302に取り付けられる。コンタクト部材9Aは、屈曲した形状で、軸90Aに対して一方の側に、鉄筋Sに当接させる当接部91Aが設けられ、軸90Aに対して他方の側に、第2のガイド52とつながる連結部92Aが設けられる。具体的には、第2の方向において、軸90Aに対して一方の側に当接部91Aが設けられ、他方の側に連結部92Aが設けられる。
コンタクト部材9Aは、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間の中間付近に軸90Aが設けられる。また、コンタクト部材9Aは、軸90Aで支持される部位近傍から第1のガイド51B側に、鉄筋Sを結束したワイヤWが通ることが可能な間隔を空けて、矢印A3で示す第3の方向に一対の当接部91Aが設けられる。当接部91Aは、第1のガイド51Bの左右両側まで延びる。
更に、コンタクト部材9Aは、軸90Aで支持される部位から第2のガイド52側に連結部92Aが設けられ、第2のガイド52において第1のガイド51Bと対向する側と反対側の部位に接する変位部93Aが、連結部92Aの先端側に設けられる。
コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点として第2の本体部302に対して回動し、図24Aに示すように、当接部91Aがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図24Bに示すように、当接部91Aがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。
コンタクト部材9Aは、図24Bに示す作動位置に移動した状態では、当接部91Aが、軸90Aから矢印A2で示す第2の方向に沿って、第1のガイド51Bが設けられた方向に延びる形状である。よって、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で、当接部91Aが軸90Aを中心とした円弧に沿って、矢印A1に示す第1の方向に沿って移動する。第1のガイド51Bと第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを挿入する動作では、鉄筋結束機1Bは、矢印A1で示す第1の方向に移動する。この鉄筋結束機1Bと鉄筋Sとの相対的な移動により、コンタクト部材9Aは、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押され、作動位置に移動する。これにより、軸90Aを支点とした回動で当接部91Aが移動する方向が、鉄筋結束機1Bと鉄筋Sとの相対的な移動により鉄筋Sが当接部91Aを押す力の方向と沿った方向になる。また、図24Bに示す作動位置に移動した状態では、コンタクト部材9Aは、連結部92Aが、軸90Aから当接部91Aに対して前方に傾斜して、第2のガイド52が設けられた方向に延びる形状である。よって、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で、変位部93Aが軸90Aを中心とした円弧に沿って、矢印A2に示す第2の方向に沿って移動する。これにより、コンタクト部材9Aは、付勢部材54に付勢されて、第2のガイド52が第1の位置にある状態では、変位部93Aが第2のガイド52によって第1のガイド51から離れる方向に押される。このため、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点とした回動で待機位置に移動し、当接部91Aがカバー部11から突出する。なお、本例では、コンタクト部材9Aは、第2のガイド52を付勢する付勢部材54の力で移動する構成としたが、コンタクト部材9Aを付勢する他の付勢部材を備える構成としても良い。
コンタクト部材9Aは、当接部91Aが鉄筋Sに押し付けられると、当接部91Aが第1の方向に沿って移動する。これにより、コンタクト部材9Aは、軸90Aを支点に回動し、作動位置に移動する。コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回動で、変位部93Aが第1のガイド51Bに近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Aが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。このように、当接部91Aに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Aに鉄筋Sが当接し、変位部93Aが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
鉄筋結束機1Bは、図7で説明した構成と同等の構成で、第2のガイド52が第2の位置に移動したことを検知する第1の出力部12Aを備える。なお、図12A、図12Bで説明した構成と同等の構成で、非接触のセンサにより、第2のガイド52が第2の位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備えても良い。
次に、各図を参照して、捩り部7及び駆動部8について説明する。捩り部7は、ワイヤWが係合する係合部70と、係合部70を作動させる作動部71を備える。係合部70は、作動部71の動作で回転することで、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる。
駆動部8は、捩り部7等を駆動する捩りモータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81と、減速機81を介して捩りモータ80に駆動されて回転する回転軸82と、切断部6及び規制部材42に駆動力を伝達する移動部材83とを備える。捩り部7と駆動部8は、回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心が同軸上に配置される。回転軸82と、作動部71及び係合部70の回転中心を軸線Axと称す。
係合部70は、送り部3で切断部6に送られたワイヤWが通る第1の通路と、規制部4で巻き癖が付けられ、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWが通る第2の通路が形成される。
駆動部8は、回転軸82の回転動作で、回転軸82の軸方向に沿って作動部71を移動させる。作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、係合部70は、ガイド部5で捩り部7に案内されたワイヤWの先端側を保持する。
駆動部8は、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動する動作と連動して、移動部材83が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。更に、作動部71が回転軸82の軸方向に沿って移動することで、移動部材83の動きが伝達機構62で可動刃部61に伝達され、可動刃部61が作動してワイヤWが切断される。
駆動部8は、回転軸82の軸方向に沿って移動させた作動部71を、回転軸82の回転動作で回転させる。作動部71は、回転軸82の軸回りに回転することで、係合部70でワイヤWを捩じる。
図25は、第2の実施の形態の鉄筋結束機の機能ブロック図である。鉄筋結束機1Bは、コンタクト部材9Aが鉄筋Sに押し付けられる動作で作動する第1の出力部12Aと、操作部304tの操作で作動する第2の出力部15の出力を制御部100Bで検知する。制御部100Bは、第1の出力部12Aと、第2の出力部15の出力に従い、送りギア30を駆動する送りモータ31と、捩り部7等を駆動する捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。
次に、鉄筋結束機1Bにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作について説明する。作業者は、鉄筋結束機1Bのハンドル部304hを両手で把持する。すなわち、作業者は、右手でハンドル部304hのグリップ部304Rを把持し、左手でハンドル部304hのグリップ部304Lを把持する。
作業者により操作部304tがグリップ部304Rと共に把持されると、操作部304tがグリップ部304Rに対して回動することによって作動する。操作部304tが作動すると、第2の出力部15の出力がオンになり、制御部100Aは、第2の出力部15の出力がオンになったことを検知する。
作業者は、鉄筋結束機1Bのハンドル部304hを両手で把持し、2本の鉄筋Sの交差箇所にガイド部5Bの位置を合わせ、挿抜口53に鉄筋Sを入れる。
鉄筋結束機1Bは、作業者の足元の鉄筋Sを結束するため、ガイド部5Bを下に向け、作業者が立った状態で使用される。第2のガイド52が第2の位置に移動している状態では、第2のガイド52が第2の位置に移動している状態と比較して、矢印A2で示す第2の方向に沿った挿抜口53の間隔が狭い。このため、鉄筋Sの挿入時に、第2のガイド52が第2の位置に移動している従来の結束機では、鉄筋Sを挿抜口53に入れにくい。そこで、鉄筋結束機1Bは、挿抜口53に鉄筋Sが入れられていない状態では、図24Aに示すように、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間隔が広がる。また、鉄筋結束機1Bは、第1のガイド51Bの先端側に、鉄筋Sを挿抜口53に誘導する形状の誘導部59が設けられる。これにより、作業者は、鉄筋Sを誘導部59に当て、鉄筋Sの上を誘導部59が滑るように移動させることができるため、挿抜口53に鉄筋Sを入れることがより容易になる。
作業者は、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Bを移動させる動作で、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける。
コンタクト部材9Aは、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、鉄筋結束機1Bが移動する方向に沿った力を受けて当接部91Aが押される。これにより、コンタクト部材9Aは、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Aを支点に回動し、図24Bに示すように、作動位置に移動する。
交差した2本の鉄筋Sが挿抜口53に入れられると、一方の鉄筋Sは、第1のガイド51の一方の側部に位置し、他方の鉄筋Sは、第1のガイド51Bの他方の側部に位置する。これに対し、コンタクト部材9Aは、一対の当接部91Aが、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間から、第1のガイド51Bの左右両側に延びる。これにより、挿抜口53に入れられた鉄筋Sが、確実に当接部91Aに当接し、コンタクト部材9Aを作動位置に移動させることができる。また、コンタクト部材9Aの当接部91Aは、軸90Aを支点とした回動動作で、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動する。これにより、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Aを移動させる動作で、当接部91Aを押すことができ、コンタクト部材8Aを作動させるため、鉄筋結束機1Aを別の方向に移動させる必要がない。
コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回動で、変位部93Aが第1のガイド51Bに近づく方向へ第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。
第2のガイド52が第2の位置に移動すると、第1の出力部12Aの出力がオンになり、制御部100Bは、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知する。
制御部100Aは、第2の出力部15の出力がオンになったことを検知した状態で、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知している状態で、作業者によりグリップ部304Rが把持されることで操作部304tが作動し、第2の出力部15の出力がオンになると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。なお、操作部304t、第2の出力部15を備えず、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作の一例について説明すると、送りモータ31が正方向に回転し、送りギア30が正方向に回転することで、ワイヤWが矢印Fに示す正方向に送られる。送り部3で正方向に送られるワイヤWは、規制部4を構成する第1の規制部材である固定刃部60と、第2の規制部材である規制部材42を通る。規制部材42を通過したワイヤWは、第1のガイド51Bのガイド面51gに接することで、第3の規制部材である規制部材43に案内される。
これにより、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、固定刃部60、規制部材42、規制部材43と、第1のガイド51Bのガイド面51gに接することで円弧状に曲げられる。そして、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、円弧状の外周方向から固定刃部60と規制部材43が接し、固定刃部60と規制部材43との間で、円弧状の内周方向から規制部材42が接することで、略円を描く巻き癖が付けられる。
第1のガイド51Bの端部51cと、第2のガイド52の端部52cの間は、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態で、所定の間隔が空く。但し、第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、一対のサイドガイド52aがワイヤWの送り経路Wfに位置しており、送り部3で正方向に送られるワイヤWは、上述したように規制部4で巻き癖が付けられるので、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内される。
第2のガイド52の一対のサイドガイド52aの間に案内されるワイヤWは、送り部3で正方向に送られることにより、第2のガイド52の一対のサイドガイド52aで捩り部7の係合部70に案内される。そして、制御部100Bは、ワイヤWの先端部が所定の位置まで送られたと判断すると、送りモータ31の駆動を停止する。これにより、ワイヤWが鉄筋Sの周囲でらせん状に巻かれる。なお、第2のガイド52が第2の位置に移動しておらず、第1の出力部12Aの出力がオフの状態では、制御部100AはワイヤWの送りを行わない。これにより、ワイヤWが捩り部7の係合部70に係合されず、送り不良が発生することが抑制される。つまり、第2のガイド52が第2の位置にあると、ワイヤWは捩り部7の係合部70に案内されることが可能になる。
制御部100Bは、ワイヤWの正方向への送りを停止した後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、作動部71により係合部70を作動させ、係合部70でワイヤWの先端側を保持する。
制御部100Bは、係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止し、送りモータ31を逆方向に回転させる。係合部70でワイヤWを保持するまで、捩りモータ80を回転させると、移動部材83の動きが伝達機構44で規制部材42に伝達され、規制部材42がワイヤと接しない位置に移動する。
送りモータ31が逆方向に回転すると、送りギア30が逆方向に回転し、ワイヤWが矢印Rに示す逆方向に送られる。ワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤWは鉄筋Sに密着されるようにして巻き付けられる。
制御部100Bは、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるまで、送りモータ31を逆方向に回転させたと判断すると、送りモータ31の回転を停止させた後、捩りモータ80を正方向に回転させる。捩りモータ80を正方向に回転させることで、移動部材83により伝達機構62を介して可動刃部61が作動し、ワイヤWが切断される。
ワイヤWが切断された後、捩りモータ80の正方向の回転を継続することで係合部70を回転させ、ワイヤWを捩じる。
制御部100Bは、ワイヤWを捩じるまで、捩りモータ80を正方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80を逆方向に回転させる。捩りモータ80を逆方向に回転させることで、係合部70を初期位置に復帰させ、ワイヤWの保持を解除する。これにより、鉄筋Sを結束したワイヤWを係合部70から抜くことが可能になる。
制御部100Bは、係合部70等を初期位置に復帰させるまで、捩りモータ80を逆方向に回転させたと判断すると、捩りモータ80の回転を停止させる。
作業者は、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Bを移動させる。鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Bを移動させる動作で、コンタクト部材9Aの当接部91Aを押す力が掛からなくなると、付勢部材54の力で、第2のガイド52が第2の位置から第1の位置に移動する。
第2のガイド52が第1の位置に移動すると、コンタクト部材9Aは、変位部93Aが第1のガイド51Bから離れる方向に押され、軸90Aを支点とした回動で待機位置に移動し、当接部91Aがカバー部11から突出する。
作業者が、ワイヤWで結束された鉄筋Sを挿抜口53から抜く方向へ鉄筋結束機1Bを移動させる動作で、第2のガイド52が第1の位置に移動し、第2のガイド52の端部52cと、第1のガイド51Bの端部51cとの間隔が広がる。これにより、挿抜口53から鉄筋Sを抜くことや、次の結束箇所への移動がより容易になる。
図26A及び図26Bは、ガイド移動部の変形例を示す側面図である。変形例のガイド移動部は、鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Bと、第2のガイド52とつながる連結部92Bが、一体ではなく別々の部品で構成される。また、コンタクト部材9Bが直線に沿って移動する。
コンタクト部材9Bは、複数本の軸94Bに支持されて第2の本体部302の側部に取り付けられる。コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿って延びる形状で、第1の方向に沿った先端部に、挿抜口53に面して当接部91Bが設けられ、矢印A2で示す第2の方向に沿った一方の部位に、連結部92Bを作動させる作動部95Bが設けられる。作動部95Bは、第1の方向に沿って凹凸が形成されたカム面で構成される。
コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿った長孔96Bが設けられ、長孔96Bに軸94Bが入れられる。これにより、コンタクト部材9Bは、第2の本体部302に対して矢印Aで示す第1の方向に移動可能で、図26Aに示すように、当接部91Bがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図26Bに示すように、当接部91Bがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。
コンタクト部材9Bは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。
連結部92Bは、軸90Bに支持されてカバー部11に取り付けられる。連結部92Bは、軸90Bを挟んで一方の側に、コンタクト部材9Bの作動部95Bに摺接可能な被作動部97Bが設けられ、軸90Bを挟んで他方の側に、第2のガイド52において第1のガイド51Bと対向する側と反対側の部位に接する変位部93Bが設けられる。
コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Bは、第2のガイド52を付勢する付勢部材54とは別の図示しない付勢部材により当接部91Bがカバー部11から突出する方向に付勢され、図26Aに示す待機位置に移動する。また、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、連結部92Bは、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い被作動部97Bが移動し、変位部93Bが第1のガイド51Bから離れる方向に、軸90Bを支点として回転可能となる。これにより、第2のガイド52が付勢部材54に付勢されて第1の位置に移動する。第2のガイド52の位置は、図7で説明した第1の出力部12Aで検知され、第2のガイド52が第1の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオフとなる。
コンタクト部材9Bは、当接部91Bに鉄筋Sが押し付けられると、矢印A1で示す第1の方向に沿って作動位置に移動する。コンタクト部材9Bが作動位置に移動すると、連結部92Bの被作動部97Bが、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い移動し、軸90Bを支点とした連結部92Bの回転で、変位部93Bが第1のガイド51Bに近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Bが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。第2のガイド52が第2の位置に移動した状態では、第1の出力部12Aの出力がオンとなる。第2のガイド52の位置は、図12A、図12Bで説明した第1の出力部12Bで検知しても良い。このように、当接部91Bに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Bに鉄筋Sが当接し、変位部93Bが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図25に示す制御部100Bは、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知した状態で、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、第2のガイド52が第2の位置に移動し、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知している状態で、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。なお、操作部304t、第2の出力部15を備えず、コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部12Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
コンタクト部材9Bは、矢印A1で示す第1の方向に沿った長孔96Bが設けられ、長孔96Bに軸94Bが入れられることで、第1の方向に沿って直線上を移動する。第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sを挿入する動作では、鉄筋結束機1Aは、矢印A1で示す第1の方向に移動する。この鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により、コンタクト部材9Bは、当接部91Bが矢印A1で示す第1の方向に沿った力で押される。これにより、コンタクト部材9Bが移動する方向が、鉄筋結束機1Aと鉄筋Sとの相対的な移動により鉄筋Sが当接部91Bを押す力の方向と沿った方向になる。これに対し、コンタクト部材9Bと連結部92Bを独立した部品とすることで、連結部92Bは、軸90Bを支点とした回動で、第2のガイド52を移動させることができる。これにより、鉄筋Sに押されて作動するコンタクト部材9Bの移動方向と、第2のガイド52を移動させるための連結部92Bの移動方向を、それぞれ最適化できる。
図27A、図27B、図28A、図28Bは、コンタクト部材を検知する出力部の変形例を示す側面図である。図27A、図27B、図28A、図28Bでは、コンタクト部材が作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断する。
図27A、図27Bは、図24A、図24Bで説明したように、軸52bを支点とした回転動作で、第2のガイド52が第1の位置と第2の位置に移動する構成で、かつ、第2のガイド52が、第2の位置から第1の位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢されて、第1の位置へ移動した状態が保持される構成である。このような構成において、コンタクト部材9Aが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。なお、本例では、コンタクト部材9Aは、第2のガイド52を付勢する図示しない付勢部材の力で移動する構成としたが、コンタクト部材9Aを付勢する他の付勢部材を備える構成としても良い。
第1の出力部14Aは、図7で説明した第1の出力部12Aと同様の構成で良く、例えば、可動子140の変位により出力が変化する構成である。本例では、図27Aに示すように、コンタクト部材9Aが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Aの当接部91Aが可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、図27Bに示すように、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Aの当接部91Aが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Aが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
コンタクト部材9Aは、図27Aに示すように、第2のガイド52が第1の位置にある状態では、変位部93Aが第1のガイド51Bから離れる方向に押され、軸90Aを支点とした回転で待機位置に移動する。コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオフとなる。
コンタクト部材9Aは、当接部91Aが鉄筋Sに押し付けられると、図27Bに示すように、当接部91Aが矢印A1で示す第1の方向に沿って移動することで軸90Aを支点に回転し、作動位置に移動する。コンタクト部材9Aが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオンとなる。また、コンタクト部材9Aが作動位置に移動すると、軸90Aを支点とした連結部92Aの回転で、変位部93Aが第1のガイド51Bに近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Aが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。従って、コンタクト部材9Aが作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断できる。このように、当接部91Aに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Aに鉄筋Sが当接し、変位部93Aが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図25に示す制御部100Bは、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知した状態で、コンタクト部材9Aが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。なお、操作部304t、第2の出力部15を備えず、コンタクト部材9Aの当接部91Aに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
図28A、図28Bは、図26A、図26Bで説明したように、鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Bと、第2のガイド52とつながる連結部92Bが、一体ではなく別々の部品で構成され、かつ、コンタクト部材9Bが直線に沿って移動する構成である。このような構成において、コンタクト部材9Bが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。
図28Aに示すように、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Bが第1の出力部14Aの可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Bが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、図28Bに示すように、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Bが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Bが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sが当接していない状態では、コンタクト部材9Bは、図示しない付勢部材により当接部91Bがカバー部11から突出する方向に付勢され、図28Aに示す待機位置に移動する。コンタクト部材9Bが待機位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオフとなる。また、コンタクト部材9Bが待機位置に移動すると、連結部92Bは、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い被作動部97Bが移動し、変位部93Bが第1のガイド51Bから離れる方向に、軸90Bを支点として回転可能となる。これにより、第2のガイド52が図示しない他の付勢部材により付勢され第1の位置に移動する。
コンタクト部材9Bは、当接部91Bに鉄筋Sが押し付けられると、図28Bに示すように、矢印A1で示す第1の方向に沿って作動位置に移動する。コンタクト部材9Bが作動位置に移動した状態では、第1の出力部14Aの出力がオンとなる。また、コンタクト部材9Bが作動位置に移動すると、連結部92Bの被作動部97Bが、コンタクト部材9Bの作動部95Bの凹凸形状に従い移動し、軸90Bを支点とした連結部92Bの回転で、変位部93Bが第1のガイド51Bに近づく方向へ移動する。これにより、変位部93Bが第2のガイド52を押し、第2のガイド52が第2の位置に移動する。従って、コンタクト部材9Bが作動位置に移動したことを検知することで、第2のガイド52が第2の位置に移動したと判断できる。このように、当接部91Bに鉄筋Sが当接したこと、当接部91Bに鉄筋Sが当接し、変位部93Bが移動したことにより、第2のガイド52が第1の位置から第2の位置に移動する。
図25に示す制御部100Bは、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知した状態で、コンタクト部材9Bが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。なお、操作部304t、第2の出力部15を備えず、コンタクト部材9Bの当接部91Bに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
<第3の実施の形態の鉄筋結束機の例>
図29は第3の実施の形態の鉄筋結束機の機能ブロック図である。鉄筋結束機1Cは、鉄筋Sを検知する検知部101を備える。検知部101は、圧電素子等の接触式のセンサ、画像センサ等の非接触式のセンサ等で構成され、図1等に示す第1のガイド51または第1のガイド51Bと、第2のガイド52との間の挿抜口53に鉄筋Sが入れられたことを検知する。
制御部100Cは、検知部101の出力から挿抜口53に鉄筋Sが入れられたことを検知すると、ガイド開閉モータ102を制御して、第2のガイド52を第1の位置から第2の位置に移動させる。
なお、制御部100Cは、第2のガイド52が第2の位置に移動したことを検知すると、送りギア30を駆動する送りモータ31と、捩り部7等を駆動する捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作が実行可能となる。
<第4の実施の形態の鉄筋結束機の例>
図30A、図30B、図31A、図31B、図32A、図32Bは、第4の実施の形態の鉄筋結束機の要部を示す側面図である。
第4の実施の形態の鉄筋結束機は、コンタクト部材と第2のガイドが連動しない構成である。図30A、図30Bに示す鉄筋結束機1Dは、ワイヤを案内するガイド部5を備える。ガイド部5は、第1のガイド51と第2のガイド52を備える。第1のガイド51及び第2のガイド52は、本体部10の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す第1の方向に延びる。第2のガイド52は、第1の方向と直交する矢印A2で示す第2の方向に、第1のガイド51と対向して設けられる。第2のガイド52は、図示しない軸を支点とした回転で、第1のガイド51に対して近づく方向と離れる方向に移動可能に構成されていても良い。
鉄筋結束機1Dは、第1のガイド51と第2のガイド52との間の挿抜口53に挿入された鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Dを備える。コンタクト部材9Dは、軸90Dに回動可能に支持されることでカバー部11を介して本体部10に取り付けられる。コンタクト部材9Dは、軸90Dに対して一方の側に、鉄筋Sを当接する当接部91Dが設けられる。コンタクト部材9Dは、当接部91Dが、軸90Dから矢印A2で示す第2の方向に沿って、第1のガイド51が設けられた方向に延びる。
コンタクト部材9Dは、第1のガイド51と第2のガイド52との間の中間付近に軸90Dが設けられる。また、コンタクト部材9Dは、第1のガイド51と第2のガイド52との間で、軸90Dで支持される部位近傍から第1のガイド51側に、一対の当接部91Dが設けられる。当接部91Dは、鉄筋Sを結束したワイヤWが通ることが可能な間隔を空けて、第3の方向に沿った両側に設けられる。当接部91Dは、第1のガイド51の左右両側まで延びる。
コンタクト部材9Dは、軸90Dを支点として本体部10に対して回転し、図30Aに示すように、当接部91Dがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図30Bに示すように、当接部91Dがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。コンタクト部材9Dは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。
交差した2本の鉄筋Sが挿抜口53に入れられると、一方の鉄筋Sは、第1のガイド51の一方の側部に位置し、他方の鉄筋Sは、第1のガイド51の他方の側部に位置する。コンタクト部材の一対の当接部が、第1のガイドと第2のガイドとの間に設けられているが、第1のガイドの左右両側にまで延びていない構成では、鉄筋を当接させることが可能な当接部の面積が小さくなり、鉄筋を当接部に確実に当接させにくい場合がある。
これに対し、コンタクト部材9Dは、一対の当接部91Dが、第1のガイド51と第2のガイド52との間から、第1のガイド51の左右両側に延びる。これにより、挿抜口53に入れられた鉄筋Sが、確実に当接部91Dに当接し、コンタクト部材9Dを作動位置に移動させることができる。また、コンタクト部材9Dの当接部91Dは、軸90Dを支点とした回動動作で、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動する。これにより、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Dを移動させる動作で、当接部91Dを押すことができ、コンタクト部材9Dを作動させるため、鉄筋結束機1Dを別の方向に移動させる必要がない。
鉄筋結束機1Dは、コンタクト部材9Dが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。第1の出力部14Aは、例えば、可動子140の変位により出力が変化する構成である。本例では、図30Aに示すように、コンタクト部材9Dが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Dの当接部91Dが可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Dが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、当接部91Dが鉄筋に押し付けられ、図30Bに示すように、コンタクト部材9Dが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Dの当接部91Dが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Dが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Dが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Dの当接部91Dに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
図31A、図31Bに示す鉄筋結束機1Eは、ワイヤを案内するガイド部5を備える。ガイド部5は、第1のガイド51と第2のガイド52を備える。第1のガイド51及び第2のガイド52は、本体部10の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す第1の方向に延びる。第2のガイド52は、第1の方向と直交する矢印A2で示す第2の方向に、第1のガイド51と対向して設けられる。第2のガイド52は、図示しない軸を支点とした回転で、第1のガイド51に対して近づく方向と離れる方向に移動可能に構成されていても良い。
鉄筋結束機1Eは、鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Eを備える。コンタクト部材9Eは、複数本の軸94Eに支持されて本体部10の側部に取り付けられる。コンタクト部材9Eは、矢印A1で示す第1の方向に沿って延びる形状で、第1の方向に沿った先端部に、挿抜口53に面して当接部91Eが設けられる。
コンタクト部材9Eは、矢印A1で示す第1の方向に沿った長孔96Eが設けられ、長孔96Eに軸94Eが入れられる。これにより、コンタクト部材9Eは、本体部10に対して矢印A1で示す第1の方向に移動可能で、図31Aに示すように、当接部91Eがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図31Bに示すように、当接部91Eがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。
コンタクト部材9Eは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。
鉄筋結束機1Eは、コンタクト部材9Eが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。図31Aに示すように、コンタクト部材9Eが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Eが第1の出力部14Aの可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Eが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、当接部91Eが鉄筋に押し付けられ、図31Bに示すように、コンタクト部材9Eが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Eが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Eが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
図8に示す制御部100Aは、コンタクト部材9Eが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、トリガ10tが操作されることにより第2の出力部13の出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、作業者がトリガ10tを操作することで、第2の出力部13の出力がオンになっている状態で、コンタクト部材9Eの当接部91Eに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。
図32A、図32Bに示す鉄筋結束機1Fは、図16等で説明したように、第1の本体部301と第2の本体部302が長尺状の連結部303で連結された形態の鉄筋結束機に適用される。鉄筋結束機1Fは、ワイヤを案内するガイド部5Bを備える。ガイド部5Bは、第1のガイド51Bと第2のガイド52を備える。第1のガイド51B及び第2のガイド52は、第2の本体部302の前側の端部に取り付けられ、矢印A1で示す第1の方向に延びる。第2のガイド52は、第1の方向と直交する矢印A2で示す第2の方向に、第1のガイド51Bと対向して設けられる。第2のガイド52は、図示しない軸を支点とした回転で、第1のガイド51Bに対して近づく方向と離れる方向に移動可能に構成されていても良い。ガイド部5Bは、鉄筋を挿抜口53に誘導する誘導部59を備える。誘導部59は、第1のガイド51Bの先端側に設けられる。
鉄筋結束機1Fは、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間の挿抜口53に挿入された鉄筋Sが当接するコンタクト部材9Dを備える。コンタクト部材9Dは、軸90Dに回動可能に支持されることでカバー部11を介して第2の本体部302に取り付けられる。コンタクト部材9Dは、軸90Dに対して一方の側に、鉄筋Sを当接する当接部91Dが設けられる。コンタクト部材9Dは、当接部91Dが、軸90Dから矢印A2で示す第2の方向に沿って、第1のガイド51Bが設けられた方向に延びる。
コンタクト部材9Dは、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間の中間付近に軸90Dが設けられる。また、コンタクト部材9Dは、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間で、軸90Dで支持される部位近傍から第1のガイド51B側に、一対の当接部91Dが設けられる。当接部91Dは、鉄筋Sを結束したワイヤWが通ることが可能な間隔を空けて、第3の方向に沿った両側に設けられる。当接部91Dは、第1のガイド51Bの左右両側まで延びる。
コンタクト部材9Dは、軸90Dを支点として本体部10に対して回転し、図32Aに示すように、当接部91Dがカバー部11から挿抜口53に突出する待機位置と、図32Bに示すように、当接部91Dがカバー部11に近づく作動位置との間を移動する。コンタクト部材9Dは、待機位置へ移動する方向へ図示しない付勢部材により付勢され、待機位置へ移動した状態が保持される。
交差した2本の鉄筋Sが挿抜口53に入れられると、一方の鉄筋Sは、第1のガイド51Bの一方の側部に位置し、他方の鉄筋Sは、第1のガイド51Bの他方の側部に位置する。これに対し、コンタクト部材9Dは、一対の当接部91Dが、第1のガイド51Bと第2のガイド52との間から、第1のガイド51Bの左右両側に延びる。これにより、挿抜口53に入れられた鉄筋Sが、確実に当接部91Dに当接し、コンタクト部材9Dを作動位置に移動させることができる。また、コンタクト部材9Dの当接部91Dは、軸90Dを支点とした回動動作で、矢印A1で示す第1の方向に沿って移動する。これにより、挿抜口53に鉄筋Sを入れる方向へ鉄筋結束機1Fを移動させる動作で、当接部91Dを押すことができ、コンタクト部材9Dを作動させるため、鉄筋結束機1Dを別の方向に移動させる必要がない。
鉄筋結束機1Fは、コンタクト部材9Dが作動位置に移動したことを検知する第1の出力部14Aを備える。図32Aに示すように、コンタクト部材9Dが待機位置に移動すると、コンタクト部材9Dの当接部91Dが可動子140から離れる方向に移動する。このように、コンタクト部材9Dが待機位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオフとする。これに対し、当接部91Dが鉄筋に押し付けられ、図32Bに示すように、コンタクト部材9Dが作動位置に移動することで、コンタクト部材9Dの当接部91Dが可動子140を押す方向に移動する。このように、コンタクト部材9Dが作動位置に移動した状態での第1の出力部14Aの出力をオンとする。
図25に示す制御部100Bは、操作部304tが操作されることにより第2の出力部15の出力がオンになったことを検知した状態で、コンタクト部材9Dが作動位置に移動することで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、上述したように、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行する。または、コンタクト部材9Dの当接部91Dに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知している状態で、作業者によりグリップ部304Rが把持されることで操作部304tが作動し、第2の出力部15の出力がオンになると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。なお、操作部304t、第2の出力部15を備えず、コンタクト部材9Dの当接部91Dに鉄筋Sを押し付ける動作が行われることで、第1の出力部14Aの出力がオンになったことを検知すると、送りモータ31と捩りモータ80を制御して、ワイヤWで鉄筋Sを結束する一連の動作を実行しても良い。