JP6926592B2 - 石炭成型体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭を粉砕した後成型した石炭成型体の製造方法に関する。
従来、石炭成型体を得る技術として、特許文献1に、粉砕した石炭を成型して第1成型体を得た後、この第1成型体を破砕し、再度成型して第2成型体とし、これによって所望の強度を有する石炭燃料を得る方法が記載されている。特許文献1によれば、第1成型体および第2成型体の成型には、成型体の型となるポケットが表面に形成された一対のロールと、一対のロール間に原料を供給するスクリュとを有する成型機(ブリケットマシン)が好適に用いられる。一対のロールの少なくとも一方の表面には、成型体の型となるポケットが形成されており、スクリュによりロール間に供給された原料は、ポケット内に充填され、ポケット内で加圧され、これによって成型体が得られる。
国際公開第2015/098935号
成型機としては、鉛直上方から原料を供給し、成型された成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機が一般的である。鉛直給排型の成型機で粉末状の原料を高圧成型すると、スクリュの攪拌により原料中に空気が同伴して原料が浮遊し、それによってロール間への原料の供給が不十分となり、成型が不安定になることがあった。
本発明は、鉛直給排型の成型機を用いた石炭成型体の製造方法において、安定した品質で成型体を製造する、石炭成型体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の石炭成型体の製造方法は、鉛直上方から供給された石炭粒子を成型するとともに、成型された石炭成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、
前記石炭粒子は、単位重量あたりの初期容積をVo、N回タッピング時の容積をV、かさ減り度をC=(Vo−V)/Voとすると、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことを特徴とする。
本発明によれば、安定した品質で石炭成型体を製造することができる。
本発明の一実施形態による石炭成型体の製造工程を示す図である。 成型工程で好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図である。 ブリケットマシンのロール表面に形成されるロールポケットの一例の平面図である。 図3Aに示すロールポケットの断面形状を示す図である。 ブリケットマシンのロール表面に形成される溝の配列パターンの一例を示す図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による石炭成型体の製造工程が示されている。本形態では、石炭成型体の製造工程は、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、第1成型工程40、第2破砕工程50、第2成型工程60および篩工程70を有している。原料となる石炭1は、第1破砕工程10で破砕されて破砕物2とされた後、乾燥工程20で乾燥されて乾燥物3とされ、さらに乾燥物3が粉砕工程30で粉砕されて微粉炭4が得られる。この微粉炭4は、第1成型工程40で第1成型体5として成型された後、第2破砕工程50で再度破砕され、これによって石炭粒子に相当する塊状物である第2破砕物6が得られる。得られた塊状物は、微粉炭4の成型によって得られた第1成型体5を破砕したものであるので、微粉炭4の集合体ということができる。その後、第2成型工程60で、第2破砕物6から第2成型体7が得られ、さらに篩工程70によって第2成型体7から粉末が除去され、これによって石炭成型体100が得られる。得られた石炭成型体100は、石炭成型燃料として好適に用いることができる。
なお、篩工程70は、本発明において必須の工程ではなく、第2成型工程60で得られた第2成型体7を石炭成型体100とすることもできる。
原料となる石炭1としては、水分が25wt%以上の褐炭または亜瀝青炭を用いることができる。好ましくは水分30wt%以上の褐炭を用いることができる。石炭成型体の一連の製造工程において、原料として用いられるものは石炭のみであり、バインダー等の添加物は使用されない。バインダー等の添加物の使用は、コストアップの要因となる。しかし、本形態では、バインダーを添加せず石炭のみを用いるため、低コストで石炭成型体を得ることができる。
第1破砕工程10では、ジョークラッシャーまたはハンマークラッシャー等の適宜の破砕手段を用いて、この石炭1を破砕して、破砕済みの石炭である第1破砕物2を得る。第1破砕工程10では、後の粉砕工程30で用いるボールミル等の粉砕手段に投入できる大きさまで石炭が破砕されればよく、特に限定されないが、第1破砕物2の大きさは、最大粒子径が、好ましくは70mm以下、より好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下であり、特に好ましくは平均粒子径が1mm〜20mm以下である。ここで、第1破砕工程10により破砕された石炭の平均粒子径は、JIS M 8801−4の「5. 粒度試験方法」に基づいて測定し、各篩目開きの通過篩質量百分率を求め、通過篩質量百分率が50%となる粒子径を平均粒子径とする。
得られた第1破砕物2は、乾燥工程20に供給される。乾燥工程20では、第1破砕物2を、間接乾燥機等の適宜の乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥物3を得る。間接乾燥機としては、例えばスチームチューブドライヤを用いることができる。石炭成型体100が好適に用いられる固体燃料の製造では、大量処理が要求されるため、伝熱面積が大きく大量の乾燥処理が可能なスチームチューブドライヤは、乾燥工程20で用いる乾燥機として好適である。
得られた乾燥物3は、粉砕工程30に供給される。粉砕工程30では、適宜の粉砕機により乾燥物3を粉砕して微粉炭4を得る。粉砕機としては、乾式粉砕または乾式粉砕方式の粉砕機を用いることができ、その中でも特に、微粉砕が可能であり、かつ、大量処理に適したボールミルやローラーミルを好ましく用いることができる。固体燃料の製造では乾燥工程20と同様、粉砕工程30においても大量処理が要求されるからである。
粉砕工程30で得られる微粉炭4の平均粒子径は、10〜60μmであり、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。微粉炭4の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって得られる粒度分布のメディアン径で与えられる。なお、本明細書において、「微粉炭」とは、粉砕工程30において得られた微粉炭4を意味する。
粉砕工程30で得られる微粉炭4の平均粒子径を上記の範囲とすることにより、第1成型工程40において微細な微粉炭4を成型する際に型(例えばロールポケット)への充填率が増大し、後述する石炭成型体100の密度を向上させて所望の強度を得ることができる。
なお、ボールミルおよびローラーミルは、粉砕と同時に乾燥をも行えるため、粉砕工程30においてボールミルあるいはローラーミルによる乾燥を行うこともできる。ただし、ボールミルおよびローラーミルでの乾燥能力では、第1破砕工程10で得られた破砕物2を十分に乾燥させることは困難であるため、本形態では粉砕工程30の前に乾燥工程20を設けて、十分に乾燥した微粉炭4を得ている。
得られた微粉炭4は、第1成型工程40に供給される。第1成型工程40では、成型機により微粉炭4を板状に成型することを含む。成型機は、原料(本形態では微粉炭4)を加圧成型する成型手段と、成型手段へ原料を供給する供給手段とを有する。このような成型機としては、例えば、ブリケットマシンを用いることができる。
図2に、第1成型工程40において好適に用いることのできるブリケットマシンの模式図を示す。図2に示すブリケットマシンは、鉛直上方から供給された微粉炭4を成型するとともに、成型された第1成型体5を鉛直下方側へ排出する鉛直給排型のブリケットマシンである。ブリケットマシンは、成型手段である一対のロール41と、一対のロール41の上方に配置されて、一対のロール41の間に原料である微粉炭4を供給する供給手段42と、を有する。供給手段42は、微粉炭4が供給されるホッパ、およびホッパ内の微粉炭4を下方へ送るスクリューフィーダ等を有している。一対のロール41は、それぞれ適宜の駆動手段で駆動される回転軸を有している。回転軸は、水平方向に延び、かつ、一対のロール41が水平方向に隙間をあけて互いに平行に配置されるように配置されている。ロール41の隙間に上方から供給された微粉炭4を、ロール41の回転駆動によって加圧しながら下方へ送ることで、微粉炭4が加圧成型された第1成型体5が得られる。
一対のロール41間の隙間(クリアランス)は、広すぎると、ロール41からの微粉炭4の漏れや圧力分散が発生しやすくなり、得られる第1成型体5の密度および強度の低下、並びに収率低下につながる。よって、ロール41間の隙間は3mm以下であることが好ましい。ロール41間の隙間を3mm以下とすることで、十分な強度が確保された板状の第1成型体5を得ることができる。
また、一対のロール41のうち少なくとも一方のロール41の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。これにより、ローラ41間に供給された微粉炭4がローラ41の表面から滑り落ちるのが抑制され、微粉炭4をローラ41間に良好に保持し、加圧することができる。また、凹凸を形成することにより、凹部内にも微粉炭4が充填されるため、単位時間当たりの処理量を多くすることができる。なお、ロール41の表面に凹凸を有する場合、得られる第1成型体5の表面形状には、ロール41の表面の凹凸が転写される。
ロール41の表面に形成される凹凸の形態は特に制限されず、例えば、ロールポケット(凹部)、溝およびこれらの組み合わせであってよい。
凹凸がロールポケットで形成される場合、ロールポケットの形状は任意とすることができる。ロールポケットの形状の一例を図3Aおよび図3Bに示す。図示した例は、片側のロールのみに略楕円形のロールポケット形成した例であり、これにより、片側平面アーモンド形状の凸部を有する第1成型体5が得られる。ロールポケットは、両側のロールに形成してもよいし、また、ロールポケットの平面形状は角丸多角形、円形、あるいは長円形などであってもよい。ロールポケットの各部の寸法(縦長さa、横長さb、深さc)、およびロール41間の隙間d(第1成型体5の、凹凸が形成されていない表面の部分で形成された厚さ)の好ましい寸法範囲を表1に示す。
Figure 0006926592
また、凹凸が溝で形成される場合、溝の幅、深さ、配列等は任意とすることができる。例えば、図4に示すように、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝および周方向Bに平行な複数の溝を格子状に配列したものとすることができる。また、この他にも、ロール41の軸方向Aに平行な複数の溝を配列したもの、およびロール41の軸方向Aおよび周方向Bに対して斜めの複数の溝を交差して配列したものなども可能である。溝の幅(ロール41の表面において溝の長さの方向に垂直な方向の長さ)は、好ましくは0.5〜5mmである。溝の深さは、好ましくは0.5〜2mmである。
第1成型工程40で得られる第1成型体5は、見掛密度が1.00g/cm〜1.25g/cmであることが好ましく、圧壊強度が10〜800Nであることが好ましい。また、第1成型工程40で用いられる微粉炭4の全水分は、5〜20wt%であることが好ましく、8〜18wt%であることがより好ましく、10〜17wt%であることがさらに好ましい。
第1成型工程40では、原料を水平方向に供給し、成型された第1成型体5を水平方向に排出する水平給排型の成型機、例えばコンパクターを用いることもできる。水平給排型のコンパクターも、鉛直給排型のブリケットマシンと同様、原料を成型する成型手段と、成型手段に原料を供給する供給手段とを有する。成型手段は、例えば、一対のロールを有することができ、一対のロールは、ロール間に原料が供給されることで、原料がロールの回転に伴ってロール間で加圧成型されるように配置される。ただし、水平給排型のコンパクターでは、2つのロールが上下に配置される。第1成型工程40において水平給排型のコンパクターを用いることで、得られる第1成型体5の収率、すなわち成型効率を向上させることができる。
第1成型工程40で得られた第1成型体5は、第2破砕工程50に供給される。第2破砕工程50では、破砕機により第1成型体5を破砕し、塊状物である第2破砕物6を得る。第2破砕物6は、微粉炭の集合体であり、この微粉炭は、粉砕工程30で得られた微粉炭4に相当する。したがって、微粉炭は、平均粒子径が10〜60μmであることが好ましく、また、全水分が5〜20wt%であることが好ましい。
第2破砕工程50で用いる破砕機は、破砕工程20で用いたものと同様であってよい。第2破砕物6は、平均粒子径が好ましくは0.1〜1.0mm、より好ましくは0.15〜0.9mm、さらに好ましくは0.2〜0.8mmである。また、第2破砕物6の最大粒子径は、後述の第2成型体7の粒子径の縦横2辺のうち短い方の長さ以下であることが好ましい。第2破砕物6が上記平均粒子径の範囲および最大粒子径の範囲になるように第2破砕工程50を調整することで、第2成型工程50における成型時に、成型機における型への第2破砕物6の充填率を向上させることができる。この結果として得られる第2成型体7第1成型体5と比較して優れた品質(圧壊強度および見掛密度)を有する。なお、第1成型工程40および第2成型工程60において成型機としてブリケットマシンを用いる場合、ロール表面に形成されるロールポケットのサイズ(粒子径)は、第1成型工程40と第2成型工程60とで同一であってもよいし同一でなくてもよい。
第2成型工程60では、成型機により第2破砕物6を成型して第2成型体7が得られるが、第2成型体7は、ロール間で加圧成型されずにロール間から落下した第2破砕物6および十分に加圧成型されずに第2成型体7から脱落した第2破砕物6も含むこともある。これらの第2破砕物6は、好ましくは第2成型工程60の後に設けられる篩工程70で除去されて、これにより石炭成型体100が得られる。篩工程70では、振動篩機を用いることができる。振動篩機としては、円形篩機、トロンメル篩機などを使用でき、それらの中でも特に、連続・大量処理できるものが好ましい。
第2成型工程60で用いる成型機としては、第1成型工程40と同様、鉛直給排型の成型機、例えばブリケットマシンを用いることができる。
一般に、スクリュ式の供給手段を有する鉛直給排型の成型機では、スクリュによる原料である第2破砕物6の撹拌によって、第2破砕物6中に空気が同伴する。第2破砕物6中に同伴する空気の量は、スクリュ回転数が高くなるほど増加する傾向にある。空気を同伴した第2破砕物6がロール間に供給されると、ロールによる第2破砕物6の圧縮に伴い、第2破砕物6から空気が押し出される。押し出された空気は上向きに流れるが、第2破砕物6の供給方向は下向きであるため、空気の発生量が多いと第2破砕物6のフラッシングのような現象が起きる。これにより、ロール間への原料の継続的供給が十分に行われず、第2成型体7が断続的に排出されるなど、安定した品質(圧壊強度および見掛密度)で第2成型体7が成型され難くなる。
これを回避するためには、
(i)第2破砕物6そのものの密度を高くする(重くする)こと、および
(ii)ロール間への第2破砕物6の充填率を高くすること、
などが考えられる。しかし、(i)の場合は、第2破砕物6そのものの密度を高くしすぎると、得られる第2成型体7の品質に影響を及ぼす。また、(ii)の場合、第2破砕物6の粒子径を小さくすることによって充填率を高くする方法があるが、第2破砕物6の粒子径を小さくすることによって、第2破砕物6のフラッシングが発生しやすくなり、逆効果となる場合がある。
そこで、本発明者らが検討を重ねた結果、原料の流動性を特定の指数で表したとき、その指数が、鉛直給排型の成型機の安定した運転と相関があることが分かった。すなわち、第2破砕物6の単位重量当たりの初期容積をVo、N回タッピング後の容積をVとし、タッピング後のかさ減り度C=(Vo−V)/Voとしたとき、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことである。これらの条件(1)および(2)を満たすように、鉛直給排型の成型機に供給する原料の特性を調整することによって、成型機による成型において生じる空気の流れに起因する原料の不安定な供給を抑制し、成型機の安定的な運転による効率的な成型を行うことができる。
上記式(1)は、川北の式と呼ばれ、粉体の圧縮・流動特性を精度良く示すとことが知られている。川北の式において、「a」は流動性指数であり、この数値が小さいほど流動性が良いとされる。また、「1/b」は付着力指数であり、この数値が小さいほど付着力が弱いとされる。
ここで、本発明では、成型機が安定的に運転されているか否かは、以下のように判断する。
運転が安定している状態とは、一定量の原料が一定品質の成型体として成型される状況をいう。成型機から排出される成型体の品質(圧壊強度、見掛密度)は、ロールを回転駆動する駆動モータの出力であるロールkWに依存し、ロールkWを一定に維持できれば、一定品質の成型体が排出される。そこで、一定のロール回転数にてロールkWが一定に維持される状態で運転されていれば、成型機が安定的に運転されていると判断する。ロールkWが低いと、成型体の品質が低下したり、圧縮力が足りずに未成型のままの原料の比率が高くなったりする。ここで、ロール回転数およびロールkWが「一定」であるとは、これらの変動が基準値(設定値)に対して±15%の範囲内であることを意味する。
また、実際の運転では、供給される原料の物性(粒度分布、見掛密度および強度など)およびかさ密度が変動することも考えられる。成型機に供給されるおおもとの原料である石炭1は天然物であるため、粒度分布、見掛密度および強度といった物性が採掘地などによって異なるからである。原料の物性の変動は、成型機のロールkWの変動の要因となる。また、成型機に供給される原料のかさ密度の変動も、ロールkWの変動の要因となる。この場合は、スクリュ回転数を制御して、ロール間への原料の供給量を調整することによって、ロールkWを一定に維持することができる。供給される原料の物性等に変動があった場合であっても、一定のロールkWを維持できれば。一定品質の成型体が一定量排出され、結果的に運転が安定しているといえる。
原料の物性によっては、スクリュ回転数を制御してもロールkWを一定に維持できない場合もある。この場合は、成型機の運転が不安定であると判断される。
第2成型工程60で得られる第2成型体7の粒子径は5〜40mmであることが好ましい。また、第2成型体7は、見掛密度が1.2〜1.4g/cmであることが好ましく、かさ密度が0.4〜0.6であることが好ましい。第2成型体7の重量は0.2〜20であることが好ましい。第2成型体7の全水分は5〜20wt%、好ましくは8〜18wt%、さらに好ましくは10〜17wt%である。石炭成型体100の水分は、第2成型工程60における原料である第2破砕物6の水分に由来するものである。
ここで、見掛密度は、JIS Z 8807の「8. 液中ひょう量法による密度及び比重の測定方法」に基づいて測定した値である。かさ密度は、容積が既知である2〜5L程度の容器に試料をすり切り充填し、充填した試料の質量および容器の容積から、下記式にて算出した値である。なお、粗充填と密充填では容器に投入する方法が異なる。粗充填は、容器に投入する最、極力試料を圧密させないように充填し、密充填は、容器をタッピングしながら充填した。タッピングの回数は10回とした。
かさ密度=充填した試料の質量÷容器の容積
水分は、JIS M 8820−0の「石炭類の全水分測定方法」に基づいて測定した値である。また、石炭成型体100は、ハードグローブ粉砕性指数(HGI)が40以上であることが好ましい。
以上のように、本形態では、一度成型した第1成型体5を第2破砕工程50で再度破砕し、第2成型工程60において改めて成型する。第1成型体5は、第1成型工程40で既にある程度密度が高められた状態であり、第2破砕物6も同程度の密度を有する。したがって、第2破砕物6を再度成型することで、第1成型体5よりもさらに密度を向上させた第2成型体7を得ることが可能となる。
また、粉砕工程30で粉砕された微粉炭4の平均粒子径は10〜60μmであり、そのままではブリケットマシン内での流動性が悪く、成型しづらい場合もある。一方、一度成型した第1成型体5の破砕物であれば、第1成型工程40によりある程度密度が高められているため、ブリケットマシン内での流動性が向上し、第2成型工程60での成型がスムーズに行われる。これにより、第1成型体5よりもさらに密度の高い第2成型体7が得られることになり、この第2成型体7を石炭成型体100とすることによって、貯蔵・運搬時の粉化がさらに低減され、ハンドリング性を向上させることができ、石炭成型燃料として適したものとなる。
なお、最終的に得られる石炭成型体100の全水分を調整する水分調整工程を設けてもよい。水分調整工程は、篩工程70を有する場合は篩工程70の後に設けることが好ましい。水分調整工程により、石炭成型体100の発塵および自然発熱を防止することができる。
水分調整工程においては、ベルトコンベアを配し、かつ、ベルトコンベア上部に給水ポンプおよびスプレーノズルを含む散水設備を配し、ベルトコンベアによって石炭成型体100が搬送される。篩工程70を経た石炭成型体100に対し、石炭成型体100の水分が好適範囲になるような方法がある。また、篩工程70を経た石炭成型体100を山立て(山状に堆積してパイルを形成すること)後、給水ポンプおよびスプリンクラーを含む散水設備によって、山立てした石炭成型体100の水分を好適範囲に調整する方法であってもよい。
石炭成型体100の水分調整工程の後の水分は、好ましくは10〜30wt%であり、より好ましくは10wt%以上25wt%未満である。
実施例1〜3および比較例1により、得られた石炭成型体の品質評価を行った。これら実施例1〜3および比較例1では、図1に示したとおり、第1破砕工程10、乾燥工程20、粉砕工程30、第1成型工程40、第2破砕工程50、第2成型工程60および篩工程70を経て石炭成型体100を得る。表2および表3に、実施例1〜3および比較例1で用いた石炭の性状を示す。
Figure 0006926592
Figure 0006926592
(実施例1)
本例では、インドネシアの褐炭であるB炭を、第1破砕工程10において、ハンマークラッシャーを用いて平均粒子径が3mm以下となるように破砕した。次いで、破砕したB炭を、乾燥工程20において、スチームチューブドライヤを用いて、乾燥物3の全水分が11.2%になるように乾燥させた。続く粉砕工程30では、乾燥したB炭を、ローラーミルを用いて微粉炭4の平均粒子径が19μmになるように粉砕した。次いで、粉砕工程30によって得られた微粉炭4を、第1成型工程40において成型した。
第1成型工程40では、成型機として鉛直給排型のブリケットマシンを用いた。用いたブリケットマシンは、図2に示すように一対のロール41を有しており、そのうち一方のロール41のみにロールポケットが形成され、もう一方のロール41は凹凸のない平坦な外周面を有していた。一対のロール41は、直径が520mm、軸方向長さが236mmであった。
ロールポケットの形状は、図3Aおよび図3Bに示すような、平面視が略楕円形のアーモンド形状とした。ロール41には、寸法の異なる形状Aおよび形状Bの2種類のロールポケットを形成した。表4に、ロールポケットの寸法を示す。
Figure 0006926592
ロール41の周面には、形状Aのロールポケットが5244個、形状Bのロールポケットが184個、規則的に分散配置された。ロールポケットの1個当たりの容積は、形状Aが0.035cmであり、形状Bが0.0048cmであった。また、ロール41の隙間が大きいと、微粉炭4の漏れや圧力分散が生じやすくなるため、ロール41の隙間dは、1mmとした。また、ブリケットマシンは、ロール線圧が1.9t/cmに維持されるように、ロール41およびスクリュの回転数を調整した。
第1成型工程40によって得られた第1成型体5の見掛密度を測定したところ、1.077g/cmであった。
第1成型工程40の後、得られた第1成型体5を、第2破砕工程50にて破砕し、第2破砕物6を得た。第2破砕工程50では、ハンマークラッシャーを用いた。
次いで、第2破砕物6を、第2成型工程60において成型し、第2成型体7を得た。第2成型工程60では、第1成型工程40で用いたのと同じブリケットマシンを用い、ロール線圧が7t/cmに維持されるように、ロール41およびスクリュの回転数を調整した。
第2成型工程60の後、篩工程70において、第2成型体7から微粉炭を除去し、石炭成型体100を得た。篩工程70では、目開き3.35mmの標準篩を用い、手動で篩分けを行った。篩上の割合は93.9%であった。これにより、第2成型工程60が安定して運転されたこと、および高い収率で石炭成型体100が得られたことが確認できた。
なお、第2破砕工程50で得られた第2破砕物6の物性を測定したところ、平均粒子径が0.40mm、かさ密度(粗)が0.65g/cm、かさ密度(密)が0.84g/cmであった。
また、タッピングマシンを使用して、第2破砕物6のタッピングを500回行うまでのタップ密度の変化を測定した。タップ密度とは、容器(メスシリンダー)に粉体である試料を静かに充填した後、タッピングを行い、密充填したときの見かけかさ密度である。タッピングは、容器を上方に移動させた後、容器を自由落下させることによって行った。タッピングマシンのストロークは20mm、タッピングスピードは35回/minとした。タッピング回数が0回、5回、10回、25回、75回、100回、250回および500回のそれぞれの時点で試料(第2破砕物6)の容積を(メスシリンダーの目盛りから)記録し、仕込み重量からそれぞれの回数におけるタップ密度を求めた。この結果を、前述した式(1)に当てはめ、第2破砕物6の粉体としての流動性および付着性を評価した。
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
流動性の評価は、流動性指数aにより行い、付着性の評価は、付着性指数1/bにより行った。タップ密度の測定結果からこれらの指数を求めたところ、流動性指数aが0.28、付着性指数1/bが53.4であった。
(実施例2、実施例3、比較例1)
実施例1とはいくつかのパラメータを変更して、実施例1と同様の手順で石炭成型体100を製造した。変更したパラメータは、乾燥物3の全水分、微粉炭4の平均粒子径および第1成型工程40のロール線圧である。これらのパラメータを変更したことにより、各種評価結果(第2成型工程60における収率、第2成型工程60の運転安定性、第1成型体5の見掛密度、並びに第2破砕物6の平均粒子径、かさ密度、流動性指数aおよび付着性指数1/b)が変化した、これらの結果を、実施例1での結果と併せて表5に示す。
Figure 0006926592
(考察)
パラメータの変更は、第2成型工程での運転安定性および収率に影響を及ぼすことが分かった。特に、第2成型工程における原料(第2破砕物)の特性に着目すると、ブリケットマシンを用いた場合、原料(第2破砕物)の流動性指数aが0.29以下であり、かつ、付着性1/bが20≦1/b≦60を満たしていると、ブリケットマシンを安定的に高い収率で運転できるといえる。
以上説明したように、本発明の形態によれば、以下の(1)〜(3)に記載する石炭成型体の製造方法が提供される。
(1) 鉛直上方から供給された石炭粒子を成型するとともに、成型された石炭成型体100を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、
前記石炭粒子は、単位重量あたりの初期容積をVo、N回タッピング時の容積をV、かさ減り度をC=(Vo−V)/Voとすると、
式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
において、
条件(1):a≦0.29
条件(2):20≦1/b≦60
をいずれも満たすことを特徴とする石炭成型体の製造方法。
(2) 上記(1)に記載の石炭成型体の製造方法において、
石炭1を破砕する第1破砕工程10と、
前記第1破砕工程10で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程20と、
前記乾燥工程20で乾燥された石炭を粉砕し、微粉炭を得る粉砕工程30と、
前記微粉炭を成型し、第1成型体5を得る第1成型工程40と、
前記第1成型体5を破砕し、塊状物を生成する第2破砕工程50と、
前記塊状物を再度成型し、第2成型体7を生成する第2成型工程60と、
を有し、
前記塊状物は、前記微粉炭の集合体であって、前記石炭粒子に相当し、
前記第2成型工程60では、前記鉛直給排型の成型機が適用されること、
を特徴とする石炭成型体の製造方法。
(3) 上記(2)に記載の石炭成型体の製造方法において、
前記微粉炭は、平均粒子径が10〜60μm、全水分が5〜20wt%であって、
前記第2成型体7の見掛密度は、1.2〜1.4g/cmであること、
を特徴とする石炭成型体の製造方法。
1 石炭
2 第1破砕物
3 乾燥物
4 粉砕物
5 第1成型体
6 第2破砕物
7 第2成型体
10 第1破砕工程
20 乾燥工程
30 粉砕工程
40 第1成型工程
50 第2破砕工程
60 第2成型工程
70 篩工程
100 成型体

Claims (3)

  1. 鉛直上方から供給された石炭粒子を一対のロールを用いて成型するとともに、成型された石炭成型体を鉛直下方側に排出する鉛直給排型の成型機によって成型される石炭成型体の製造方法であって、
    前記石炭粒子は、単位重量あたりの初期容積をVo、N回タッピング時の容積をVN、かさ減り度をC=(Vo−VN)/Voとすると、
    式(1):N/C=(1/ab)+(1/a)N
    において、
    条件(1):a≦0.29
    条件(2):20≦1/b≦60
    をいずれも満たし、
    前記成型機はロール回転数およびロールkWの変動が設定値に対して±15%の範囲内で運転されることを特徴とする石炭成型体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の石炭成型体の製造方法において、
    石炭を破砕する第1破砕工程と、
    前記第1破砕工程で破砕された石炭を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥された石炭を粉砕し、微粉炭を得る粉砕工程と、
    前記微粉炭を成型し、第1成型体を得る第1成型工程と、
    前記第1成型体を破砕し、塊状物を生成する第2破砕工程と、
    前記塊状物を再度成型し、第2成型体を生成する第2成型工程と、
    を有し、
    前記塊状物は、前記微粉炭の集合体であって、前記石炭粒子に相当し、
    前記第2成型工程では、前記鉛直給排型の成型機が適用されること、
    を特徴とする石炭成型体の製造方法。
  3. 請求項2に記載の石炭成型体の製造方法において、
    前記微粉炭は、平均粒子径が10〜60μm、全水分が5〜20wt%であって、
    前記第2成型体の見掛密度は、1.2〜1.4g/cm3であること、
    を特徴とする石炭成型体の製造方法。
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