JP6640679B2 - 固形燃料の製造方法 - Google Patents
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Description
図1に、本発明の一実施形態に係る固形燃料の製造方法に用いられる固形燃料製造装置の概略構成を示す。
混合工程では、サイロ1,2,3から石炭系粉末燃料、結着性粉炭及び粉砕燃料を混合機4に供給し、混合機4によりこれら石炭系粉末燃料、結着性粉炭及び粉砕燃料を混合して原料混合体を得る。これにより得られる原料混合体は、中間サイロ5に移送されて、中間サイロ5に貯留される。
固形燃料の主原料である石炭系粉末燃料としては、例えば小径の石炭である粉炭、低品位炭(亜瀝青炭や褐炭)を油中で加熱脱水して得られる改質炭(Upgraded Brown Coal等)などを用いることができる。中でも、当該固形燃料の製造方法は、従来は粒状化が容易ではなかった改質炭を主原料として粒状の固形燃料を製造することができる。
結着性粉炭としては、石炭系粉末燃料よりも結着性が大きい粉炭を用いればよいが、コスト増大を抑制するために、比較的安価な低品位炭の粉砕炭を用いることが好ましい。
粉砕燃料としては、当該固形燃料の製造方法によって最終的に得られる固形燃料を粉砕機8により粉砕したものを使用する。
石炭系粉末燃料、結着性粉炭及び粉砕燃料を混合して得られる原料混合体の固めかさ密度の下限としては、0.5g/ccが好ましく、0.6g/ccがより好ましい。一方、原料混合体の固めかさ密度の上限としては、1.0g/ccが好ましく、0.9g/ccがより好ましい。原料混合体の固めかさ密度が上記下限に満たない場合、後述する圧縮成型機7のキャビティへの原料混合体の充填が不十分となって原料混合体を圧縮成型できないおそれや得られる固形燃料の強度が不十分となるおそれがある。逆に、原料混合体の固めかさ密度が上記上限を超える場合、圧縮成型機7のキャビティへの原料混合体の充填が過剰となって圧縮成型機7の過負荷の原因となるおそれがある。
サイロ1,2,3,5としては、石炭系粉末燃料、結着性粉炭、粉砕燃料及びこれらを混合した原料混合体をそれぞれ貯留し、必要に応じて排出することができるものであればよい。
混合機4としては、石炭系粉末燃料、結着性粉炭及び粉砕燃料を均等に混合できるものであればよく、例えば容器を回転するミキサー、撹拌羽根を有するミキサー等を用いることができ、バッチ式のものであっても連続式のものであってもよい。容器を回転するミキサーとしては、例えばV型、ダブルコーン型等のものが挙げられる。一方、撹拌羽根を有するミキサーとしては、例えばパドルミキサー、リボンミキサー等が挙げられる。また、混合機4として、動力を用いず、重力により落下する粉粒体を例えば固定撹拌羽根等を用いて混合する静的混合機を使用してもよい。
供給工程では、中間サイロ5から原料混合体を排出し、供給ホッパー6を用いて原料混合体を圧縮しつつ圧縮成型機7に供給する。
供給ホッパー6は、図2に示すように、供給ホッパー本体10と、この供給ホッパー本体10内で回転する供給スクリュー11とを有する。この供給ホッパー6は、圧縮成型機7の原料投入口に接続され、供給スクリュー11により原料混合体を圧縮しつつ圧縮成型機7に供給する。
圧縮成型工程では、圧縮成型機7を用いて原料混合体を圧縮成型することにより、粒状の固形燃料を得る。
圧縮成型工程で用いる圧縮成型機7としては、例えばダブルロール成型機、打錠成型機等が挙げられ、中でも比較的処理能力が大きいダブルロール成型機が好適に用いられる。ダブルロール成型機は、一対の円筒形のロールが水平に隣接する構造となっており、ロールが上方から隣接点に向う方向に回転する。この一対のロールの外周表面には、多数のキャビティが一対のロールの間で対向しかつ同期回転するよう設けられる。これにより、ダブルロール成型機は、対向するキャビティ間で粉粒体を圧縮して粒状に成型することができる。
粉砕工程では、圧縮成型工程で得られる固形燃料の一部を粉砕機8で粉砕することにより、上述の粉砕燃料を得る。これにより得られた粉砕燃料は、第3サイロ3に移送されて貯留される。
粉砕機8としては、特に限定されず、公知の回転式カッターやハンマーミル等を用いることができる。
当該固形燃料の製造方法は、混合体の固めかさ密度に対する緩めかさ密度の比を上記範囲内とし、かつ供給ホッパー6の供給スクリュー11の実行部上端1周分の空間体積に対する供給スクリュー11の実行部下端1周分の空間体積の比を上記範囲内とすることによって、原料混合体を圧縮成型機7に比較的高密度に供給することができる。このため、当該固形燃料の製造方法は、圧縮成型機7により十分な圧力を加えて原料混合体を圧縮成型することができるので、比較的強度の大きい固形燃料を製造することができる。
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
先ず、石炭系粉末燃料として褐炭を油中で加熱脱水して得られた改質炭の粉末を使用し、結着性粉炭として褐炭を粉砕して目開き3mmの篩を通過したものを使用し、石炭系粉末燃料と結着性粉炭とを質量比90:10の割合で混合して原料混合体を得た。この原料混合体の緩めかさ密度及び固めかさ密度は、例えばホソカワミクロン社の「パウダテスタPT−S型」を用いて測定したところ、緩めかさ密度は0.50g/cc、固めかさ密度は0.72g/ccであった。
実施例1と同様の石炭系粉末燃料と結着性粉炭とを質量比80:10の割合で混合したものを、スクリュー空間体積比が0.47である供給ホッパーを用いて実施例1と同様の圧縮成型機に供給して得られた粒状の固形燃料を粉砕して目開き10mmの篩を通過したものを粉砕燃料とした。石炭系粉末燃料と結着性粉炭と粉砕燃料とを質量比80:10:10の割合で混合して原料混合体を得た。この原料混合体を圧縮成型機により圧縮成型し、得られた固形燃料を粉砕して新たな粉砕燃料を得るサイクルを運転条件が安定するまで繰り返した。この安定状態において、原料混合体の緩めかさ密度は0.55g/cc、固めかさ密度は0.88g/ccであった。また、このときの生産量は11ton/hであり、得られた固形燃料の圧壊強度は105kgfであった。
スクリュー空間体積比が0.40である供給ホッパーを用いた以外は、実施例1と同様の条件で固形燃料を製造した。このときの生産量は7.5ton/hであり、得られた固形燃料の圧壊強度は120kgfであった。
スクリュー空間体積比が0.58である供給ホッパーを用いた以外は、実施例2と同様の条件で固形燃料を製造した。このときの生産量は12ton/hであり、得られた固形燃料の圧壊強度は68kgfであった。
実施例1と同様の石炭系粉末燃料と結着性粉炭とを質量比20:20の割合で混合したものを、スクリュー空間体積比が0.60である供給ホッパーを用いて実施例1と同様の圧縮成型機に供給して得られた粒状の固形燃料を粉砕して目開き10mmの篩を通過したものを粉砕燃料とした。石炭系粉末燃料と結着性粉炭と粉砕燃料とを質量比20:20:60の割合で混合して原料混合体を得た。この原料混合体を圧縮成型機により圧縮成型使用としたが、圧縮成型機が過負荷により停止し、固形燃料を得ることができなかった。このときの原料混合体の緩めかさ密度は0.82g/cc、固めかさ密度は0.88g/ccであった。
スクリュー空間体積比が0.15である供給ホッパーを用いた以外は、実施例1と同様の条件で原料混合体を得、この原料混合体を圧縮成型機により圧縮成型使用としたが、圧縮成型機が過負荷により停止し、固形燃料を得ることができなかった。
スクリュー空間体積比が0.80である供給ホッパーを用いた以外は、実施例1と同様の条件で固形燃料を製造した。このときの生産量は12ton/hであり、得られた固形燃料の圧壊強度は15kgfであった。また、得られた固形燃料は、十分に緻密に形成されておらず、形状が不完全であった。
4 混合機
6 供給ホッパー
7 圧縮成型機
8 粉砕機
10 供給ホッパー本体
11 供給スクリュー
12 回転軸
13 スクリューフィン
Claims (4)
- 石炭系粉末燃料を圧縮成型する固形燃料の製造方法であって、
上記石炭系粉末燃料に、この石炭系粉末燃料よりも結着性が大きい結着性粉炭を混合する工程と、
供給スクリューを有する供給ホッパーを用いて上記混合工程で得られる混合体を圧縮成型機に供給する工程と、
圧縮成型機で上記混合体を圧縮成型する工程と
を備え、
上記混合体の固めかさ密度に対する緩めかさ密度の比が0.8以下であり、
上記供給ホッパーの供給スクリューの実行部上端1周分の空間体積に対する供給スクリューの実行部下端1周分の空間体積の比が0.3以上0.6以下であり、
上記混合工程で、上記圧縮成型工程で得られる固形燃料の一部を粉砕したものをさらに混合する固形燃料の製造方法。 - 上記混合工程で混合する粉砕した固形燃料の平均粒子径が1mm以上8mm以下である請求項1に記載の固形燃料の製造方法。
- 上記供給ホッパーの供給スクリューの実行部上端1周分の空間体積に対する供給スクリューの実行部下端1周分の空間体積の比が、上記混合体の固めかさ密度に対する緩めかさ密度の比の0.6倍以上0.9倍以下である請求項1又は請求項2に記載の固形燃料の製造方法。
- 上記石炭系粉末燃料として低品位炭を油中で加熱脱水して得られる改質炭を用い、上記結着性粉炭として低品位炭の粉末を用いる請求項1、請求項2又は請求項3に記載の固形燃料の製造方法。
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