JP6777471B2 - カルシウムカーバイドの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ブリケットの製造方法及びカルシウムカーバイドの製造方法に関する。
特許文献1には、アセチレンの製造に用いられるカルシウムカーバイド(以下、単にカーバイドと呼ぶ)に関する記述がある。
国際公開第2013/027426号
カーバイドを製造するため、生石灰とコークスを電気炉に供給し、電気炉内での加熱を介してカーバイド生成反応が促進される。電気炉内でのカーバイド生成反応の反応速度や、副生ガスの十分な排気を確保するため、電気炉内に供給されるコークスは、適切なサイズであることが望ましい。
想定される幾つかの場合、原料として使用できる湿炭の塊コークスのサイズは、8〜50mmあり、8mm未満のサイズのコークス粉は原料として使用が難しい。8mm未満のサイズのコークス粉をカーバイド用原料として使用するため、8mm未満のサイズのコークス粉から、原料として使用可能な塊コークスと同等サイズのブリケットを成形することが検討される。しかしながら、成形されたブリケットが十分な強度を有しないならば、その搬送工程及び/又は乾燥工程に際してブリケットが割れ、炉内への投入に際してブリケットが崩壊及び粉化し、カーバイド用原料として使用できない。
本願発明者は、カーバイド製造に使用できるブリケットを鋭意検討した結果、コークス粒度、水分、バインダーの種類や添加量、さらに、混合条件や成形条件を調整することにより、カーバイド製造に適したコークスブリケットの製造が可能であることを新たに見出した。
本発明の一態様に係るブリケットの製造方法は、硫黄分が3質量%以下である第1コークス原料から基準サイズ以上の第1コークス塊を選別する工程と、
少なくとも、タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1以上のバインダーと、前記第1コークス原料から前記第1コークス塊が除去された第2コークス原料と、水を、調整された温度条件で混合する工程と、
少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を含んだ混合材料を、成形用の凹部が各々に設けられた一対のロールのそれぞれの回転過程で対向配置される各凹部に供給し、前記基準サイズ以上のブリケットに成形する工程を含む。
幾つかの実施形態においては、ブリケットの製造方法は、少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を混合する工程の前、前記第2コークス原料に含まれる前記基準サイズ未満の第2コークス塊を粉砕する工程を更に含む。
幾つかの実施形態においては、粉砕後の前記第2コークス原料の平均粒径が50μm〜1000μmである。
幾つかの実施形態においては、上述の製法は、前記第2コークス塊を粉砕する工程の前、前記第2コークス原料を乾燥する工程を更に含む。
幾つかの実施形態においては、上述の製法は、前記ブリケットを振動篩に供給して前記ブリケットに付着又は前記ブリケットから崩落する余分な粉体を除去する工程と、
少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を混合する工程の前、前記除去された余分な粉体を前記第2コークス原料に加える工程を更に含む。
幾つかの実施形態においては、少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を混合する工程が、70〜95℃に調整された温度条件において行われる。
幾つかの実施形態においては、前記凹部の深さをDとし、ロール周方向の長さをLとするとき、D/L<0.3を満足する。
幾つかの実施形態においては、前記基準サイズが10mm未満の値である。
幾つかの実施形態においては、前記混合材料には、少なくとも、(i)2〜10質量%の水、(ii)タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1〜10質量%のバインダー、及び(iii)80〜97質量%の第2コークス原料が含まれる。
幾つかの実施形態においては、前記1以上のバインダーがプロパンアスファルトを含む。
幾つかの実施形態においては、前記1以上のバインダーの粘度が500mPa・s以下である。
幾つかの実施形態においては、前記ブリケットが10〜35℃の温度範囲に保たれる。
幾つかの実施形態においては、前記ブリケットの最大サイズが前記基準サイズの5倍以下である。
本開示の別態様に係るカルシウムカーバイドの製造方法は、上記いずれかのブリケットの製造方法により製造されたブリケットを前記第1コークス塊に追加の又は前記第1コークス塊の代替の炭素源として、生石灰と混合する工程と、
電炉にてゼータベルグ式電極により前記ブリケットと前記生石灰を2000℃以上に加熱する工程を含む。
本発明の一態様によれば、適切なサイズに満たないコークス小塊及び粉についてもカーバイド製造用原料として活用することができる。
本発明の実施形態に係るブリケットの製造方法及び製造装置を示す概略図である。 本発明の実施形態で参照されるコークスの写真であり、(a)が基準サイズ以上の第1コークス塊を示し、(b)が第1コークス原料から第1コークス塊が除去された第2コークス原料を示し、コークス小塊及び粉が含まれる。 本発明の実施形態に係るブリケットの製造用の例示の混合機の概略図である。 本発明の実施形態に係るブリケットの製造用の例示の成形機の概略図である。 本発明の実施形態に係るブリケットの製造用の例示の成形機の成形面に形成された一群の凹部を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るカーバイドの製造方法及び製造装置を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るカーバイドの製造用の例示の電気炉の概略図である。 本発明の実施形態に係る別のブリケットの製造方法及び製造装置を示す概略図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以降の説明に含まれる1以上の実施形態又は特徴は、個々に独立したものではなく、過剰な説明をするまでもなく、当業者が、適宜、組み合わせることが可能であり、この組み合わせによる相乗効果も把握可能である。実施形態又は特徴間の重複説明は、原則的に省略する。異図に亘り一貫して同一の符合が付された図面を参照して説明するが、図面への参照は、専ら理解の促進を図るためであり、請求項を限定解釈するために用いられるべきではない。
例示の実施形態に係るブリケットの製造方法は、硫黄分が3質量%以下である第1コークス原料から基準サイズ以上の第1コークス塊を選別する工程と、
少なくとも、タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1以上のバインダーと、前記第1コークス原料から前記第1コークス塊が除去された第2コークス原料と、水を、調整された温度条件で混合する工程と、
少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を含んだ混合材料を、成形用の凹部が各々に設けられた一対のロールのそれぞれの回転過程で対向配置される各凹部に供給し、前記基準サイズ以上のブリケットに成形する工程を含む。
本例示の実施形態においては、基準サイズ未満のコークス小塊及び粉が、基準サイズ以上のブリケットに成形される。このブリケットは、バインダーと水が含まれる点において顕著に相違するものの、基準サイズ以上の第1コークス塊と同じようにカーバイド生成反応に用いることができる。従って、幾つかの場合、カーバイド生成用の炉、例えば、電気炉におけるカーバイド生成の所望の反応速度が確保でき、またカーバイド生成に伴い発生する副生ガスの排気路も十分に確保できる。
カーバイド生成用の炉内に供給されるコークス塊が大きすぎると、カーバイド生成の反応速度が遅くなるおそれがある。実施形態によっては、カーバイド生成用の炉内に供給されるコークス塊が大きすぎると、カーバイド生成の反応に要するエネルギー、例えば、電力も増加してしまうおそれがある。カーバイド生成用の炉内に供給されるコークス塊が小さすぎると、副生ガスの排気路の確保が容易ではなくなり、カーバイド反応を抑制するおそれがある。カーバイド生成用の炉内に上述の第2コークス原料を直接供給する場合、副生ガスの排気路の確保が容易ではなくなり、カーバイド反応を抑制するおそれがある。
上述の選別、混合、成形の各工程について、様々な機械、方法、条件を用いることができ、各工程の諸条件も適切に調整可能である。この点に照らして、当業者は、本開示の具体例及び諸条件が如何なる限定の根拠にもならないと理解する。限定の意図なく述べれば、例えば、選別工程について、振動型又は非振動型の篩(メッシュ)を用いることができる。混合工程について、混合槽内で撹拌翼(インペラ)が回転可能な混合機を用いることができる。成形工程について、上述の一対のロールを備える連続成形可能な成形金型を用いることができる。
混合材料は、混合材料の成形用の凹部が各々に設けられた一対のロールそれぞれの回動過程で対向配置される各凹部に供給される。この成形装置は、ロール型圧縮造粒機と呼ばれる場合がある。幾つかの実施形態においては、成形装置は、混合材料の成形時、混合材料を加圧し、これが、ブリケットの目標とする圧壊強度の達成に貢献する。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1以上のバインダー、第2コークス原料、及び水を混合する工程の前、第2コークス原料に含まれる基準サイズ未満の第2コークス塊を粉砕する工程を更に含む。
必ずしもこの限りではないが、第2コークス原料には基準サイズ未満の様々なサイズの第2コークス塊や、塊とは識別されない程のコークス粉が含まれることが想定される。換言すれば、第2コークス原料に含まれるコークス塊及び粉の粒度分布が広い。基準サイズ未満のサイズであるものの、他のコークス塊と比較して相対的に大きいサイズのコークス塊が最終的に成形されるブリケットに含まれる場合、ブリケットにおけるクラックの形成の起点となり、またコークス粉発生の原因になってしまうおそれがある。ブリケットにクラックが発生すると、ブリケットの圧壊強度が低下し、ブリケットからコークス小塊及び粉がより容易に放出されてしまうおそれがある。基準サイズ未満の第2コークス塊を粉砕することにより、このような点を解決又は抑制することができる。
なお、以降の説明から明らかになるように、第2コークス原料の粉砕に追加的に第3コークス原料の粉砕も行われる場合がある。第3コークス原料は、以降でも定義のようにブリケット由来のバインダーを含むコークス原料である。
幾つかの実施形態においては、粉砕後の第2コークス原料の平均粒度が50〜1000μmである。幾つかの実施形態においては、粉砕後の原料の平均粒度が100〜600μmであり、ブリケットのより高い圧壊強度(JIS Z8841)が確保できる。例えば、30kg/p〜60kg/pの圧壊強度又は60kg/pを超える圧壊強度が確保される。
幾つかの実施形態においては、粉砕後の原料の平均粒度が1000μmを上回り、ブリケットの圧壊強度が30kg/pを下回る。ブリケットの圧壊強度の低下は、搬送過程でのブリケットの部分的な崩壊を招き、カーバイド製造用の電気炉内にコークス粉を供給してしまうことに帰結し得る。電気炉内のコークス粉により副生ガスの排出が阻止され、カーバイド反応に要する電力も増加し得る。また、第2コークス原料に含まれる第2コークス塊を過度に微粉化すると、第2コークス塊の比表面積が増加し、ブリケットの所望の強度の確保のため、より多量のバインダーが必要になるおそれがある。硫黄分を含むバインダーを用いる場合、カーバイドの品質が低下してしまうことが懸念される。幾つかの実施形態においては、このような点に鑑みて、粉砕後の第2コークス原料の平均粒度が上述の範囲内に含まれる。なお、第2コークス原料に加えて第3コークス原料も一緒に粉砕する場合、第2及び第3コークス原料の平均粒度が上述の範囲内に含まれる。
平均粒度を求める方法としては、汎用の粒度測定装置を用いることができる。しかしながら、クレイム解釈に際しては、株式会社テラオカ社製の商品名フルイ振盪機、型番S−1、製造年2014年の粒度測定装置を用いるものとする。この場合、400gの第2コークス原料サンプルについて平均粒度測定を行い、この測定値の平均値を算出し、この算出平均値を参照するものとする。
幾つかの実施形態においては、第2コークス塊を粉砕する工程前、第2コークス原料を乾燥する工程を更に含む。粉砕前に第2コークス原料の含有水分量を所定範囲に維持することにより、コークスの粉砕の促進のみならず、混合中又は混合後の混合材料若しくは混合材料の成形品のブリケットの含有水分量の適正化にも貢献できる。一般に、コークス中の水は、コークス同士を凝集又は結合させるように作用する。従って、粉砕の促進に関しては、コークスの含有水分量が多いことは問題であり、粉砕機内の目詰まりにも帰結し得る。ブリケット中の含有水分量に関してもブリケットの目標とする圧壊強度を達成するうえでも重要な指標である。
幾つかの実施形態においては、ブリケットを振動篩に供給してブリケットに付着又はブリケットから崩落する余分な粉体を除去する工程と、
少なくとも1以上のバインダー、第2コークス原料、及び水を混合する工程の前、除去された余分な粉体を第2コークス原料に加える工程を更に含む。この実施形態においては、ブリケットの成形後にブリケットに由来する微小な塊又は粉体を再利用することができ、コークス及びバインダーの両方の原料利用効率が高められる。
バインダーは、タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1以上のバインダーを含み、第2コークス原料及びバインダーを混合する工程が、調整された温度条件において行われる。タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーの粘度は、温度に応じて変化する。従って、バインダーの適切な粘度を確保し、第2コークス原料とバインダーの十分な混合を促進することが望ましい。第2コークス原料とバインダーの十分な混合により、より高い圧壊強度のブリケットを製造することもできる。
幾つかの実施形態においては、少なくとも1以上のバインダー、第2コークス原料、及び水の混合温度が70〜95℃の範囲内で、より好ましくは80〜90℃である。これにより第2コークス原料におけるバインダーの十分な分散が確保される。幾つかの実施形態においては、アスファルト系バインダーが用いられ、混合機内において500mPa・s以下の粘度に調整される。幾つかの場合、バインダーとしてプロパンアスファルトが用いられる。アスファルト系バインダー以外のバインダーが用いられる時も500mPa・s以下の粘度に調整され得る。
幾つかの実施形態においては、第2コークス原料100質量部に対して1〜10質量部のバインダーが加えられる。幾つかの実施形態においては、第2コークス原料100質量部に対して7〜9質量部のバインダーが加えられる。このように、幾つかの実施形態においては、第2コークス原料に対するバインダーの添加量が、所望のブリケットの圧壊強度や、カーバイド品質の確保の観点から適切に設定される。ブリケット中のバインダー含有量が大きいと、バインダーに含まれる成分(必ずしもこの限りではないが、例えば、硫黄)が、カーバイド品質に悪影響を与え得る。幾つかの実施形態においては、ブリケット中の過剰なバインダーの含有が望ましくない。
幾つかの実施形態においては、第2コークス原料及びバインダーを混合する過程において、調整された量の水を供給する工程を更に含む。混合材料中の水分量を適切に調整することにより十分な混合を促進することができる。混合材料中の水分量を適切に調整することは、所望のブリケットの圧壊強度を達成することにも貢献する。幾つかの実施形態においては、成形工程後のブリケットの含有水分量が2〜9質量%、より好ましくは4〜7質量%となるように、第2コークス原料及びバインダーの混合に際して供給される水分量が調整される。
幾つかの実施形態においては、ロールの凹部の深さをDとし、ロール周方向の長さをLとするとき、D/L<0.3を満足する。このような関係を満足する凹部によりブリケットを製造することにより、ロールの凹部からのブリケットの十分な離型性を確保できる。
幾つかの実施形態においては、ブリケットの基準サイズが10mm未満の値であり、ある特定の実施形態においては、基準サイズが8mmである。
幾つかの実施形態においては、混合材料には、少なくとも、(i)2〜10質量%の水、(ii)タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1〜10質量%のバインダー、及び(iii)80〜97質量%の第2コークス原料が含まれる。特定の実施形態においては、このような成分比の混合材料を用いることが好ましい。
幾つかの実施形態においては、ブリケットの最大サイズが基準サイズの5倍以下である。ブリケットのサイズが大きすぎることは、ブリケットの質量及び重量の増加を伴う。ブリケットの搬送又は保管又は供給過程でブリケットが受け得る衝撃が強くなると、ブリケットの部分的な崩壊に繋がり、コークス粉の生成に帰結し得る。幾つかの実施形態においては、この点を回避するため、適切なサイズのブリケットが製造される。
幾つかの実施形態においては、ブリケットを10℃〜35℃の雰囲気温度で保管又は搬送する。雰囲気温度が10℃を下回ると、ブリケットの強度が低下する傾向があり、電気炉への搬送時やタンク内での保管時にブリケットが破損してしまうおそれがある。雰囲気温度が35℃を上回ると、ブリケットが軟化し、タンク内での保管時に他のブリケットの重量によりタンク底側のブリケットが押し潰されてしまうおそれがある。
幾つかの実施形態に係るカルシウムカーバイドの製造方法は、上述のいずれかに記載の実施形態に係るブリケットの製造方法により製造されたブリケットを第1コークス塊に追加の又は第1コークス塊の代替の炭素源として用いてカルシウムカーバイドを製造する。
具体的には、カルシウムカーバイドの製造方法は、上述のブリケットの製造方法により製造されたブリケットを第1コークス塊に追加の又は前記第1コークス塊の代替の炭素源として生石灰と混合する工程と、電炉にてゼータベルグ式電極により前記ブリケットと前記生石灰を2000℃以上に加熱する工程を含む。ゼータベルグ式電極は、自己焼成式電極とも呼ばれる。
上述のいずれかに記載の実施形態に係るブリケットの製造方法により製造されたブリケットも本願には十分に開示されている。幾つかの実施形態においては、ブリケットを10〜35℃の温度範囲内で保管し、その温度が10〜35℃に保たれる。ブリケットの温度、例えば、表面温度が10℃未満の時、ブリケットの強度が低下してしまうおそれがある。ブリケットの温度、例えば、表面温度が35℃を超えると、ブリケット自体が軟化し、搬送、保管等においてブリケットに変形をもたらし得る。
当業者は、上述の様々な実施形態及び特徴を具現化するため、様々な方法を取ることができ、また様々な種類の装置を活用することができると理解する。従って、更に後述するより具体的な開示が、請求項に記載の発明について如何なる限定の根拠となるものではない。
図1乃至図8を参照して更なる1以上の例示の実施形態について説明する。図1は、ブリケットの製造方法及び製造装置を示す概略図である。図2は、コークスの写真であり、(a)が基準サイズ以上の第1コークス塊を示し、(b)が第1コークス原料から第1コークス塊が除去された第2コークス原料を示し、コークス小塊及び粉が含まれる。図3は、ブリケットの製造用の例示の混合機の概略図である。図4は、ブリケットの製造用の例示の成形機の概略図である。図5は、ブリケットの製造用の例示の成形機の成形面に形成された一群の凹部を示す概略図である。図6は、カーバイドの製造方法及び製造装置を示す概略図である。図7は、カーバイドの製造用の例示の電気炉の概略図である。図8は、別のブリケットの製造方法及び製造装置を示す概略図である。
図1に示すように、ブリケット製造装置は、第1コークス原料供給機10、第1コークス塊選別機20、乾燥機30、第2コークス原料貯蔵部40、計量器50、60、粉砕機70、水供給源80、バルブ90、バインダー貯蔵部100、計量器110、混合機120、成形機130、振動篩140、及びブリケット貯蔵部150を含む。図1中の矢印は、コークス原料、水、バインダー、又はブリケットの流れを示す。
第1コークス原料供給機10は、第1コークス原料を供給するための装置である。幾つかの実施形態においては、第1コークス原料供給機10は、単なるタンクであり、自動又は手動で開閉可能なタンク底の排出口から第1コークス原料を排出可能である。他の実施形態においては、第1コークス原料供給機10は、第1コークス原料をエアー搬送可能な装置、第1コークス原料を運搬可能なコンベア、若しくはこれら以外の装置である。
第1コークス原料は、基準サイズ以上の第1コークス塊を含有する。本例示形態においては、第1コークス原料は、第1コークス塊に加えて、基準サイズ未満の第2コークス塊を含有する。幾つかの実施形態においては、第1及び第2コークス塊に加えて、コークス粉を含有する。幾つかの実施形態においては、コークス粉は、基準サイズ未満の範囲の広い粒度分布を有する。
非限定の例示形態においては、基準サイズが約10mm以下、端的には約8mmである。なお、基準サイズは、第1コークス塊選別機の選別精度の影響を受ける。従って、基準サイズ8mmは、ある程度の幅、例えば、1mm程度の幅を有するものと理解される。例えば、8mmの基準サイズは、7.5〜8.5mmの範囲の幅を有するものと理解されるべきである。7mmの基準サイズは、6.5〜7.5mmの幅を有するものと理解されるべきである。これらの点は、クレイム解釈においても有効であるものとする。基準サイズを中心として1mmの範囲が例示されているが、この具体値は、選別精度に依存して変化し得る。
第1コークス塊選別機20は、基準サイズ8mm以上の第1コークス塊を選別する。一例では、8〜50mmのサイズの第1コークス塊が選別される。一例に係る第1コークス塊選別機20は、振動型又は非振動型の篩を含み、篩上に第1コークス塊が残り、第1コークス原料から第1コークス塊が除去された第2コークス原料が篩を通過する。幾つかの実施形態においては、第1コークス塊選別機20は、第2コークス原料を一時的に貯蔵するタンクを含む。
例示形態においては、第1コークス塊選別機20に含まれる篩の目開きは、約8mmである。篩の線径は、2mmである。また、篩の開孔率は、80%である。なお、当業者が理解するように、異なる又は同一の篩においても篩の目開きの程度は変動し得る(つまり、篩は、製造公差を伴う)。篩の目開きの程度の変動が、上述の基準サイズの変動に反映される。
他例に係る第1コークス塊選別機20は、篩以外のフィルターを第1コークス塊の選別のために採用し得る。
第1コークス塊選別機20により第1コークス塊が選別される。第1コークス塊は、基準サイズ8mm以上のコークス塊を含む。一例では、第1コークス塊は、8〜50mmのサイズのコークス塊を含む。幾つかの実施形態においては、第1コークス塊が、温度・湿度調整された状態で一時保管され、計量後、カーバイド生成用の電気炉に供給される。幾つかの実施形態においては、選別された第1コークス塊は、含水量が調整され、その後、保管される。
第1コークス塊選別機20で除外された第2コークス原料は、基準サイズ8mm以上の第1コークス塊を含まず、基準サイズ8mm未満の第2コークス塊及びコークス粉を含む。本実施形態においては、この除外された第2コークス原料が、後述の更なる工程を経て基準サイズ以上のブリケットとして再生される。
参考までに、図2(a)に第1コークス塊を示し、図2(b)に第2コークス原料を示す。
乾燥機30は、第1コークス塊選別機20から供給される第2コークス原料を乾燥する。第2コークス原料は、第1コークス塊選別機20から乾燥機30へ、任意の機構及び手段により搬送される。一例においては、第1コークス塊選別機20の篩を通過した第2コークス原料が直接的に乾燥機30に供給される。別例においては、第1コークス塊選別機20のタンクに貯蔵された第2コークス原料が密閉通路又は開放通路又は人手又は重機又はコンベアを介して乾燥機30に供給される。幾つかの実施形態においては、第2コークス塊がエアー搬送される。
乾燥機30は、汎用の乾燥機であり、外部又は内蔵の熱源と、第2コークス塊が供給される又は通過する容器を含む。幾つかの実施形態においては、乾燥機30は、回転式の容器を含み、容器が任意の形態で回転される(乾燥機30は、キルン型乾燥機であり得る)。熱風を供給しながら容器を回転することにより、第2コークス原料の乾燥が促進される。幾つかの実施形態においては、乾燥機30での第2コークス原料の乾燥により、第2コークス原料の含有水分量が10質量%以下に乾燥される。幾つかの実施形態においては、第1コークス塊選別機20で除外される第2コークス原料の含有水分量が10質量%以下であり、従って、乾燥機30による乾燥工程が省略される。
第2コークス原料貯蔵部40は、含有水分量が10質量%以下の第2コークス原料を貯蔵する。幾つかの実施形態においては、10〜35℃の雰囲気温度で第2コークス原料が貯蔵される。貯蔵期間に関して格段の制限はない。
第2コークス原料貯蔵部40で貯蔵された第2コークス原料は、計量器50により計量された後、粉砕機70に供給される。後述の工程を経て製造されたブリケット由来の原料が計量器60により計量された後、粉砕機70に供給される。この場合、ブリケット由来の原料の再利用により、コークス原料の利用効率が高められる。なお、ブリケット由来の原料は、コークス粉に加えて後述のバインダーを含む。本願においては、このブリケット由来の原料を第3コークス原料と呼ぶ。
幾つかの実施形態においては、粉砕機70の1回の粉砕のために供給される所定量の原料について、計量器60と比較して計量器50でより多くの原料が計量される。つまり、粉砕機70の1回の粉砕のために粉砕機70に供給される原料の比率は、計量器50から粉砕機70に供給される原料のほうが、計量器60から粉砕機70に供給される原料よりも多い。幾つかの実施形態においては、粉砕機70の1回の粉砕のために計量器50から供給される第2コークス原料の重量をM1とし、粉砕機70の1回の粉砕のために計量器60から供給される第3コークス原料の質量をM2とする時、M1:M2=9:1を満足する。後述の振動篩140で取得される第3コークス原料が多ければ、M2の値を増加し、それが少なければ、M2の値を減少させることができる。
計量器50、60としては、任意の種類のものを採用することができる。例えば、計量器は、第2コークス原料貯蔵部40から密閉通路又は開放通路又は人手又は重機又はコンベアを介して供給される第2コークス原料が供給される袋と、この袋の質量を計測可能な計量手段を含む。
粉砕機70は、第2コークス原料と、オプションの第3コークス原料を粉砕する任意の種類の機械である。粉砕機70は、ボールミル、ロッドミル、SAGミル、自主粉砕ミル、及び高圧粉砕ロールの少なくとも1つ又はこれから選択される2以上の組み合わせを含む。粉砕機70の動作条件は、適切な粒度又は粒度分布の原料を得るために適切に調整される。
冒頭で述べたように、幾つかの実施形態においては、粉砕後の原料の平均粒度が50〜1000μmである。幾つかの実施形態においては、粉砕後の原料の平均粒度が100〜600μmであり、ブリケットのより高い圧壊強度(JIS Z8841)が確保でき、例えば、30kg/p〜60kg/pの圧壊強度又は60kg/pを超える圧壊強度が確保される。高い圧壊強度の確保により、ブリケット由来の第3コークス原料が抑制され、また電気炉供給後には電気炉内のコークス粉の発生を低減できる。例示の実施形態においては、平均粒度が350μmの原料が粉砕機70から混合機120に供給される。
粉砕機70により粉砕された原料は、混合機120に供給される。混合機120にはバインダーも供給される。バインダーは、バインダー貯蔵部100に貯蔵され、計量器110により計量された後、混合機120に供給される。粉砕機70から供給される第2及び第3コークス原料の合計量に対して所定量のバインダーが混合機120に供給される。幾つかの実施形態においては、第2コークス原料の100質量部に対して、若しくは第2及び第3コークス原料の100質量部に対して、1〜10質量部のバインダーが添加される。例示の実施形態においては、第2及び第3コークス原料の100質量部に対して8質量部が添加される。幾つかの実施形態においては、第3コークス原料に含まれるバインダー量を考慮して添加されるバインダーの量が調整される。例えば、上述の第3コークス原料の質量M2の増加に伴い、バインダー貯蔵部100由来のバインダーの供給量を低減する。
混合機120は、内部又は外部の熱源、混合槽121、及びインペラ122を含む(図3参照)。混合機120は、混合槽121内でインペラ122を回転させることにより原料を混合することができ、内部又は外部の熱源の作動により、原料を加温しながら撹拌混合することができる。熱源としては、高圧蒸気供給源、オイルヒーター、電気ヒーターなどが例示される。
混合機120は、混合槽内を100℃以上、例えば、140〜150℃に加温した状態で、コークス原料及びバインダーを混合する。混合槽内を加温することによりバインダーの粘度が低下し、コークス原料中でバインダーを十分に分散させることができる。
幾つかの実施形態においては、バインダーは、粘度が調整された後、混合機120に供給される。例えば、バインダーは、100〜300mPa・sに調整された状態で混合機120に供給される。
幾つかの実施形態においては、タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1以上のバインダーを含む。例示の形態においては、アスファルトバインダーがバインダーとして用いられる。
幾つかの実施形態においては、コークス原料及びバインダーに加えて、混合機120に水が供給される。図示例においては、水供給源80からバルブ90を介して混合機120に水が供給可能である。バルブ90の開度及び開時間に応じた量の水が混合機120に供給可能である。混合機120への水の供給により、混合材料の粘度やバインダーの拡散の程度が調整され得る。例示形態においては、混合機120で混合される原料の含水量が6〜8質量%になるように水の供給量や、混合時間が調整される。混合槽を加温しながら原料を混合するため、混合時間を調整することにより混合材料の含水量を調整することができる。幾つかの実施形態においては、85℃以上の温水が混合槽に供給され、これにより、水供給に応じた混合槽内の温度低下が抑制される。
幾つかの実施形態においては、混合材料には、(i)2〜10質量%の水、(ii)タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1〜10質量%のバインダー、及び(iii)80〜97質量%の第2コークス原料が含まれ、水、バインダー、及び第2コークス原料の合計が100質量%以下である。他の実施形態においては、水、バインダー、及びコークス以外の他の材料が混合材料に追加される。
混合機120の混合時間は試験的に決定することができる。幾つかの実施形態においては、混合機120の混合槽内の混合材料の温度、粘度、含水量を検査する。検査結果が判定条件を満足する時、混合完了と判定される。この判定工程は、自動又は人手により行われる。
混合機120により十分に混合された混合材料は、混合機120から成形機130に供給される。成形機130の種類は任意であり、様々な種類の成形機を採用することができる。図4に例示の成形機130は、一対のロール132、133を有するロール圧縮成形機であり、シュート131から投下される混合材料をロール132、133間で圧縮しながらブリケットを連続的に成形する。幾つかの実施形態においては、線圧7〜12KN/cmの条件で混合材料を圧縮する。
各ロール132、133の周面には、混合材料の成形用の凹部が周方向に配列されており、ロール132と凹部とロール133の凹部が一緒になって混合材料の成形キャビティーを画定する。この点は、図4に図示のとおりであり、周方向沿いの凹部の配置間隔がロール132、133について同一である。幾つかの実施形態においては、ロールが、加熱源からの熱供給を受けない金属ロールである。ある程度の粘性がある混合材料は、各ロールの凹部に充填され、ロールによりブリケット状に硬化する。
図5は、限定の意図無くロールの周面に2次元状に配置された多数の凹部を示す。図5の矢印が、ロールの周方向に一致するロールの回転方向であり、図5を正面視した時の上下方向に一致する。ロールの周方向に直交し、ロールの回転軸に対して平行に延びる方向をロールの幅方向と呼ぶ。図5に示すように、周方向に沿って凹部が配列された凹部列が、幅方向に配列されている。幅方向に隣り合う凹部列は、周方向沿いにシフトしており、これにより、直に隣接する凹部列の各凹部からブリケットが同時に成形及び排出されない。図示例においては、1つの凹部列を挟んで隣り合う凹部列の各凹部から同時にブリケットが成形及び排出され、1つの凹部列を挟んで隣り合う凹部列の各凹部から排出されるブリケットの間には混合材料の薄層が成形される。成形機130からの落下時、この薄層が崩壊し、ブリケットの分離が促進される。
図5に示すように凹部の深さをDとし、ロール周方向沿いの凹部長をLとする時、D/L<0.3を満足する。幅方向沿いの凹部幅をWとする。例示の特定の実施形態においては、D=9.4、L=34.8mm、W=30mmである。このような大きさの凹部から成形されるブリケットは、基準サイズ以上の大きさであり、第1コークス塊と同様にカーバイド生成用に好適に用いられる。一例では、ブリケットサイズは、10〜50mmである。ブリケットの搬送過程及び電気炉内への供給を考慮すれば、ブリケットの大きさを適当なものとすることが好ましい。幾つかの実施形態においては、ブリケットの最大サイズが基準サイズの5倍以下である。
成形機130で成形されたブリケットは、振動篩140に供給される。振動篩140は、10mmの目開きの篩を含み、振動に応じて上流側から供給されるブリケットを下流側に搬送し、この過程で落下するバインダー含有コークス粉、つまり第3コークス原料を収集する。振動篩140により収集された第3コークス原料は、上述のように計量器60を介して粉砕機70に供給される。振動篩140を通過させることによりコークス粉の付着が低減された一群のブリケットを得ることができる。振動篩140を通過したブリケットは、ブリケット貯蔵部150に貯蔵される。ブリケット貯蔵部150で保管されるブリケットは、その変形及び圧壊を回避又は低減するため、所定温度範囲内で貯蔵される。幾つかの実施形態においては、ブリケットが、10〜35℃の雰囲気温度で貯蔵される。幾つかの実施形態においては、冷媒の使用により貯蔵部内の雰囲気温度が冷却される。冷媒は、空冷が採用され、冷却空気が貯蔵部に供給される。幾つかの例においては、ブリケット貯蔵タンクの下部に冷却空気が供給され、貯蔵タンク内のブリケットの軟化が抑制される。
図6を参照して補足的にブリケット貯蔵部150に貯蔵されたブリケット群が、カーバイド生成工程に用いられることについて簡単に説明する。カーバイド生成装置は、ブリケット貯蔵部150、乾燥機160、振動篩161、篩下粉タンク162、石灰炉170、及び電気炉180を含む。ブリケット貯蔵部150には、上述のように製造された多数のブリケットが貯蔵されており、所定量のブリケットが乾燥機160で乾燥され振動篩161に供給される。振動篩161は、3mmの目開きの篩を含んでいる。篩われた後のブリケットは電気炉180に供給される。振動篩161により除去された粉は、篩下粉タンク162に供給される。篩下粉タンク162に蓄積される粉は、ブリケット由来のバインダーを含むコークス原料である。同様に、石灰石が石灰炉170による熱処理を介して生石灰となり、電気炉180に供給される。一方、振動篩161で分離された粉は、篩下粉タンク162に貯蔵される、篩下粉は計量器163を経て第4コークス原料として粉砕機70へ戻すことが好ましい。電気炉180は、密閉式の容器181、電力により誘導加熱される加熱棒182、排気路183、及びカーバイド排出口184を含む。カーバイド排出口184には溶融状態のカーバイドを受け取る箱具185が配備される。
図7に例示の形態においては、複数の加熱棒182が用いられる。電気炉180で生石灰およびコークス粉が発生すると、生石灰およびコークス粉が焼結し、副生ガスの排出が確保できず、電気炉180内での爆発を誘起するおそれがある。電気炉180内で生石灰およびコークス粉が発生すると、生石灰およびコークス粉が焼結し、その焼結物が溶融したカーバイド浴に落下し、溶融カーバイドが排気路183を介して外部に吹き上がるおそれがある。上述のブリケットを用いる場合、容器181内での生石灰およびコークス粉の発生が抑制され、上述の問題が回避又は低減される。
図8に別の実施形態を示す。図8の例示の実施形態においては、図6に示した篩下粉タンク162に蓄積されたコークス原料が再利用される。具体的には、篩下粉タンク162から供給されるコークス原料が計量器59で軽量され、粉砕機70に供給される。このような実施形態においても上述と同様の効果を得ることができる。
実施例
第1コークス原料から第1コークス塊を選別し、第2コークス原料を得た。用いた篩は、上述のものと同じである。次に、キルン型乾燥機で第2コークス原料の水分を2〜10wt%に調整した。元の粉コークスの水分が10質量%以下であれば、乾燥は必要なかった。水分を調整した第2コークス原料は、第2コークス原料貯蔵部のタンクに貯蔵した。第2コークス原料と第3コークス原料を9:1の割合で計量器を用いて計量し、粉砕機へ供給した。
粉砕機により平均粒径350μmに粉砕整粒した粉コークスを混合機に供給した。混合機は、高圧蒸気、オイルヒーター、電気ヒーター等を使用し、混合機内を140〜150℃に加温しておいた。コークス原料100質量部に対して8質量部のアスファルトバインダーが加えられるように、アスファルトバインダーを計量器で計量した。次に、この計量したアスファルトバインダーを混合機に加えた。第3コークス原料中のアスファルトバインダーの戻り量に応じて加えるアスファルトバインダーの量を調整した。アスファルトバインダーのコークス原料中の分散性を好適に確保するため、アスファルトバインダーの粘度が100〜300mPa・sになるようにアスファルトバインダーを予め加温しておいた。
バッチ式の混合機において、5〜6分撹拌し、混合材料の水分が6〜8質量%となるよう、水分を調整した。混合材料の水分が多いようであれば、混合機で撹拌時間を延ばした。混合原料の水分が少ない場合、混合材料の水分が6〜8質量%となるよう水を添加した。85℃以上の温水を添加した。
アスファルトバインダーと混合したコークス原料をダブルロール式の成形機130に供給し、線圧7〜12KN/cmで成形を行った。適切な大きさのブリケットを製造するため、凹部のサイズは、上述の例のとおり、34.8mm×30mm×9.4mmとした。成形されたブリケットを10mmの目開きの振動篩に供給し、篩上に残ったブリケットを貯蔵タンクに落下させた。
試験1
混合機に供給されるアスファルトの温度及び粘度を変数とした時、最終的に得られるブリケットの圧壊強度は、表1のように変化した。この表1に照らすと、混合機120に供給されるアスファルトの温度を130℃以上又は140℃以上にすることが好ましいことが分かる。
<諸条件>
ロール回転数12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
アスファルトバインダー(プロパンアスファルト:昭和シェル石油社製、軟化点6
0℃以上)添加量:8質量%
混合温度:82〜86℃
混合材料中の水分:6〜7.6質量%
ブリケットサイズ:36.6×34.7×9.1mm
試験2
混合機に供給されるコークス原料の粒度を変数とした時、最終的に得られるブリケットの圧壊強度は、表2のように変化した。なお、ブリケット圧壊強度は、上下段間でブリケットサイズが異なる。表2に照らすと、混合機120に供給されるコークス原料の平均粒径を50μm〜1000μm、又は100μm〜800μmにすることが好ましいことが分かる。
<諸条件>
ロール回転数12.5rpm(36.6×34.7×9.1mm)
成形圧力:8.1kN/cm(36.6×34.7×9.1mm)
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
混合温度:78〜85℃
混合材料中の水分:7〜8.3質量%
試験3
コークス原料に含まれる硫黄分を変数とした時、最終的に得られるブリケットの圧壊強度は、表3のように変化した。表3からも分かるように、硫黄分は3重量%以下とすることが必要であり、硫黄分5重量%の試験結果は比較例である。
<諸条件>
ロール回転数12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
混合温度:85〜91℃
混合材料中の水分:7.8質量%
ブリケットサイズ:36.6×34.7×9.1mm
試験4
成形されたブリケットの温度を変数とした時、ブリケットの圧壊強度が表4のように変化した。表4から分かるように、ブリケットの温度を、10〜35℃又は20〜35℃に維持することが好ましい。
<諸条件>
ロール回転数12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
混合温度:85〜91℃
混合材料中の水分:7.8質量%
ブリケットサイズ:36.6×34.7×9.1mm
試験5
混合機に供給される前の第2コークス原料の水分量を変数とした時、ブリケットの圧壊強度が表5のように変化した。表5から分かるように、第2コークス原料の含有水分量を
4〜12質量%より好ましくは6〜10質量%にすることが好ましい。
<諸条件>
ロール回転数:12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
混合温度:80〜85℃
試験6
コークス原料に添加されるバインダーの添加量を変数とした時、ブリケットの圧壊強度が表6のように変化した。表6から分かるように、バインダー添加量を5質量%以上にすることが好ましい。バインダーの量が多過ぎると、ブリケットの圧壊強度は強くなるが、カーバイド品質(沈降性)に悪影響を及ぼすため、コークス原料100質量部に対して7〜9質量部のバインダーが加えられる。
<諸条件>
ロール回転数:12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
混合材料中の水分:7.2〜8.3質量%
混合温度:80〜85℃ (沈降性管理値:640〜850ml)
カーバイド沈降性は、次のように決定される。1)20℃の水(常温)、1000ccを用意し、また10mm以下に粉砕したカーバイド100gを用意する。2)用意した水、960ccを1000ccのメスシリンダーに移す。3)カーバイドを20分以内でメスシリンダーから溢れさせない様に少しずつ投入する。4)泡が無くなった時点で残りの40ccの水を注ぎ足し、合計1000ccとする。5)よく撹拌し、静置し、2時間後のスラリー高さをメスシリンダー容量(ml)基準で取得する。スラリー高さ(ml)は、メスシリンダーの円筒基端を始点として測定され、メスシリンダー容量(ml)基準で取得される。
試験7
混合原料温度を変数とした時、ブリケットの圧壊強度が表7のように変化した。表7から分かるように、混合原料温度は70〜95℃の範囲内が好ましく、80〜90℃で管理することがより好ましい。
<諸条件>
ロール回転数:12.5rpm
成形圧力:8.1kN/cm
混合材料中の水分:7.5〜8.0質量%
アスファルトバインダー(試験1と同じ)添加量:8質量%
上述の教示を踏まえると、当業者は、各実施形態に対して様々な変更を加えることができる。
10 第1コークス原料供給機
20 第1コークス塊選別機
30 乾燥機
40 第2コークス原料貯蔵部
50 計量器
60 計量器
70 粉砕機
80 水供給源
90 バルブ
100 バインダー貯蔵部
110 計量器
120 混合機
130 成形機
140 振動篩
150 ブリケット貯蔵部

Claims (1)

  1. ブリケットを製造する工程にして、硫黄分が3質量%以下である第1コークス原料から基準サイズ以上の第1コークス塊を選別する工程と、
    少なくとも、タールバインダー、ピッチバインダー、及びアスファルト系バインダーから成る群から選択される1以上のバインダーと、前記第1コークス原料から前記第1コークス塊が除去された第2コークス原料と、水を、調整された温度条件で混合する工程と、
    少なくとも前記1以上のバインダー、前記第2コークス原料、及び前記水を含んだ混合材料を、成形用の凹部が各々に設けられた一対のロールのそれぞれの回転過程で対向配置される各凹部に供給し、前記基準サイズ以上のブリケットに成形する工程を含む、ブリケットを製造する工程と、
    前記ブリケットを製造する工程により製造されたブリケットを前記第1コークス塊に追加の又は前記第1コークス塊の代替の炭素源として、生石灰と混合する工程と、
    電炉にてゼータベルグ式電極により前記ブリケットと前記生石灰を2000℃以上に加熱する工程を含む、カルシウムカーバイドの製造方法。
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