JP2020022684A - 針刺検知用シート - Google Patents

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JP2020022684A JP2018149561A JP2018149561A JP2020022684A JP 2020022684 A JP2020022684 A JP 2020022684A JP 2018149561 A JP2018149561 A JP 2018149561A JP 2018149561 A JP2018149561 A JP 2018149561A JP 2020022684 A JP2020022684 A JP 2020022684A
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Azusa Osawa
梓 大澤
海里 山▲崎▼
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海里 山▲崎▼
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Abstract

【課題】通常想定される態様では、傷、折り目等が付き難いが、使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無が容易かつ確実に判断できるシートを提供すること。【解決手段】直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔70を形成したときに、針刺孔70の周囲が0.2mm以上の幅で白化部71となる白化領域10aと、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は前記針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域10bとを有する位置選択性白化樹脂層10を有する、針刺検知用シート100。【選択図】図1

Description

本発明は、針刺検知用シートに関する。
輸液、注射液等の液体状の医薬品は、例えば、開口部にゴム栓を嵌合したキャップを有する容器中に保管されることがある。キャップのゴム栓上には、例えば、保管中のゴム栓の汚染防止、未使用品であることの表示等の目的で、ピール材が貼付されることがある。このような容器中の医薬品は、ゴム栓上のピール材を剥がしたうえで、ゴム栓に注射針を刺して使用される。
しかし、使用方法を誤って、又は医薬品中に異物を故意に混入させるために不正に、ピール材を剥がさずに、ピール材を通してゴム栓に針、典型的には注射針が刺される場合があり得る。このような場合、ピール材を通して針を刺すことは、本来想定されていないため、ピール材に針が刺されたか否かの判別は困難であった。
特許文献1及び2は、それぞれ、注射針の跡が残る輸液用キャップに関し、熱可塑性樹脂の外枠体に熱可塑性エラストマーの栓体を内設した構造を有する輸液用キャップが記載されている。この輸液用キャップでは、栓体の針刺面と最大5mmの隙間を空けて、栓体の針刺面を覆うように、厚み1.0mm以下の熱可塑性樹脂の膜部が配置されている。
特許文献3は、上方から見たときに内部の薬液を特定することができ、かつ内部の薬液が使用されているか否かを識別できる薬用瓶の蓋に関する。この特許文献3には、ゴム栓によって瓶口が閉塞された薬用瓶に装着される薬用瓶の蓋であって、金属薄板から成る口金と、口金の内側に嵌合する合成樹脂製の蓋体との組み合わせから成る、薬用瓶の蓋が記載されている。この蓋では、口金は周胴部上面に頂面板を有する逆有底円筒状に形成され、口金の頂面板は中央部に透孔が穿設されている。更に、蓋体の上面は口金の頂面板の透孔に嵌合可能であり、透孔に嵌合する部分の一部は肉薄に形成され、かつその肉薄部分の下面は、薬用瓶の瓶口を閉塞しているゴム栓の上面と当接しない形状に形成されている。
特開2011−78810号公報 特許第4904501号公報 特開平10−310154号公報
本発明の目的は、通常想定される態様で製造、貯蔵、加工、使用等がなされる場合には、傷、折り目等が付き難いが、使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無が容易かつ確実に判断できるシートを提供することである。
本発明は、以下のとおりのものである。
《態様1》
直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、上記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する白化領域と、
直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、上記針刺孔の周囲が白化しないか、又は上記針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域と
を有する位置選択性白化樹脂層を有する、
針刺検知用シート。
《態様2》
上記位置選択性白化樹脂層が、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、態様1に記載の針刺検知用シート。
《態様3》
上記白化領域が、加熱及び急冷された後、再加熱及び徐冷された領域であり、かつ、
上記非白化領域が、加熱及び急冷された後、再加熱されていない領域である、
態様1又は2に記載の針刺検知用シート。
《態様4》
上記再加熱が、ヒートシールによって行われる、態様3に記載の針刺検知用シート。
《態様5》
更にシーラント層を有する、態様1〜4のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
《態様6》
更に補強層を有する、態様1〜5のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
《態様7》
更に着色層を有する、態様1〜6のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
《態様8》
態様1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートの製造方法であって、
溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、
上記膜状樹脂を急冷して、加熱及び急冷された膜状樹脂を得ること、
上記加熱及び急冷された膜状樹脂の一部領域を再加熱及び徐冷して、再加熱及び徐冷された上記一部領域を上記白化領域とし、他の領域を上記非白化領域とすること
を含む、針刺検知用シートの製造方法。
《態様9》
上記再加熱を、ヒートシールによって行う、態様8に記載の針刺検知用シートの製造方法。
《態様10》
直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、上記針刺孔の周囲が白化しないか、又は上記針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化せず、かつ、
加熱及び徐冷した後には、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、上記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する
潜在性白化樹脂層を有する、
針刺検知用シート前駆体。
《態様11》
上記潜在性白化樹脂層が、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、態様10に記載の針刺検知用シート前駆体。
《態様12》
上記潜在性白化樹脂層が、加熱及び急冷された層である、態様10又は11に記載の針刺検知用シート前駆体。
《態様13》
更にシーラント層を有する、態様10〜12のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
《態様14》
更に補強層を有する、態様10〜13のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
《態様15》
更に着色層を有する、態様10〜14のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
《態様16》
態様10〜15のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体の製造方法であって、
溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、及び
上記膜状樹脂を急冷して、上記潜在性白化樹脂層とすること
を含む、針刺検知用シート前駆体の製造方法。
《態様17》
態様1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートの製造方法であって、
態様10〜15のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体の一部領域を加熱及び徐冷して、加熱及び徐冷された上記一部領域を上記白化領域とし、他の領域を上記非白化領域とすること
を含む、針刺検知用シートの製造方法。
《態様18》
態様1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートと、針刺用セプタムを有するキャップとを含む、針刺検知用キャップ。
本発明の針刺検知用シートは、非白化領域においては、傷、折り目等が付き難いが、白化領域においては、使用方法を誤って、又は不正に注射針等の針が刺された場合に、針刺孔が視覚的に強調された外観で残り、針刺履歴の有無が容易かつ確実に判断することができる。
本発明の針刺検知用シートは、更に、シート中の任意の領域に白化領域を有するものとすることができる。したがって、シートのうちの針刺しが想定されない部分を非白化領域として、傷、折り目等が付き難い状態に維持することができ、貯蔵時、使用時等に、シート外観を美麗に維持することができる。
図1は、本発明の針刺検知用シートの効果を説明するための概略斜視図である。 図2は、本発明の針刺検知用シートの具体的構成の一例を説明するための概略断面図である。 図3は、本発明の針刺検知用シートの具体的構成の別の一例を説明するための概略断面図である。 図4は、本発明の針刺検知用シートの具体的構成の更に別の一例を説明するための概略断面図である。 図5は、本発明の針刺検知用シートの具体的構成の更に別の一例を説明するための概略断面図である。
《針刺検知用シート》
本発明の針刺検知用シートは、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する白化領域と、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域とを有する、位置選択性白化樹脂層を有する。
図1に、本発明の針刺検知用シートにおいて、位置選択性白化樹脂層の白化領域に針刺孔を形成し、非白化領域を折り曲げたときの状態を、模式的に表す概略斜視図を示す。
図1の針刺検知用シート(100)は、位置選択性白化樹脂層(10)を有する。この位置選択性白化樹脂層(10)は、白化領域(10a)と非白化領域(10b)とを有する。
図1の針刺検知用シート(100)において、位置選択性白化樹脂層(10)のうちの白化領域(10a)は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔(70)を形成したときに、針刺孔(70)の周囲が0.2mm以上の幅で白化して、白化部(71)が形成される。したがって、針刺孔(70)は、周囲の白化部(71)によって視覚的に強調された外観を呈する。これにより、図1の針刺検知用シート(100)では、針刺履歴の有無を、使用者が容易かつ確実に知ることができる。
これに対して、位置選択性白化樹脂層(10)のうちの非白化領域(10b)は、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない。したがって、非白化領域(10b)では、針刺孔が視覚的に強調されない。また、図1の針刺検知用シート(100)は、非白化領域(10b)の部分を折り曲げて折線(80)を形成したときでも、この折線(80)の周囲は白化せず、又は白化幅が小さく、折線(80)を目立たせない効果を有する。なお、後述のとおり、樹脂層に針を刺したときの針刺孔周囲の白化と、樹脂層を折り曲げたときの折線の周囲の白化とは、樹脂の塑性変形が関与する同じ機構によると考えられる。
一方、本発明の針刺検知用シート前駆体は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化せず、かつ、加熱及び徐冷した後には、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する、潜在性白化樹脂層を有する。
本発明の針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層は、加熱及び急冷されることを含む方法を経て形成された層であってよい。加熱された後に急冷されて形成された潜在性白化樹脂層は、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は白化の幅が小さい、非白化領域のみから成る。この潜在性白化樹脂層を再加熱した後に徐冷すると、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化する白化領域の性質を有することになる。
本発明の針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層は、加熱及び急冷された層の一部の領域を、再加熱及び徐冷することを含む方法を経て形成された層であってよい。この場合、加熱及び急冷された後、再加熱されていない領域では、針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層と同じ熱履歴を有するから、非白化領域の性質が維持される。一方、再加熱及び徐冷された領域は、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化する白化領域となる。
したがって、本発明の針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層の一部の領域を、再加熱したうえで徐冷することにより、本発明の針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層とすることができる。
その作用機序は未だ詳らかではない。しかし、本発明者らはその作用機序について、以下のように推察している。
樹脂層には、針を刺したとき、折り曲げたとき等に、針刺孔又は折線の周囲が白化する性質を持つものがある。この樹脂層の白化特性は、樹脂が塑性変形されたときに白化する現象によると考えられる。理論に拘束されるものではないが、樹脂の塑性変形に伴う白化は、樹脂中のクレーズ(craze)構造の形成による空隙の形成等に起因すると考えられる。
樹脂は、塑性変形する際に、クレーズ構造を形成することがある。クレーズ構造は、塑性変形の際に樹脂の分子鎖が主応力方向に引き伸ばされて配向した配向鎖と、分子鎖の配向に伴って発生した微小なボイドとから成る構造体である。クレーズ構造が形成された部分は、光を散乱するから白く見える。
層状の樹脂を折り曲げたとき、折線部分の外側の分子鎖が引き伸ばされて、配向鎖と微小なボイドとから成るクレーズ構造を形成し得る。また、層状の樹脂に針を刺したときにも、針刺方向を主応力方向として分子鎖が引き伸ばされることにより、配向鎖と微小なボイドとから成るクレーズ構造を形成し得る。
白化特性を有する樹脂層は、以上のような機構により、針を刺したとき、又は折り曲げられたときに、針刺孔又は折線の周囲が白化する機能を発現することができる。
本発明者らは、ある種の樹脂に所定の熱履歴を付与することにより、白化特性を制御できることを見出した。例えば、海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂を用い、加熱及び徐冷して得られた樹脂層は、白化特性を発現し得るのに対し、同じ樹脂を用い、加熱及び急冷して得られた樹脂層は、白化特性を発現しないのである。
理論に拘束されないが、熱履歴の差によって白化特性が左右されるのは、樹脂層中の樹脂の微結晶の態様が影響していると考えられる。すなわち、加熱及び徐冷して得られた樹脂層では、樹脂層中の微結晶が十分に成長して、樹脂が塑性変形したときに配向鎖と微小ボイドとからクレーズ構造が形成され易いと考えられる。しかし、加熱及び急冷して得られた樹脂層では、樹脂層中の微結晶の成長が不十分であり、樹脂が塑性変形したときでも樹脂の配向が起こり難く、したがって、クレーズ構造の形成が不十分となって白化特性は発現し難いと考えられる。
しかしながら、このような樹脂中の微結晶の態様を分析によって明らかにすることは、非常に困難であり、可能であったとしても、過度の時間、労力、及びコストを要すると思われる。そこで本明細書では、本発明の針刺検知用シート及び針刺検知用シート前駆体における樹脂層を、それぞれ、白化特性の有無という機能面の記述と、熱履歴という製造方法による記述とを用いて特定することにする。
例えば、針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層は、加熱及び急冷された層であってよい。
また、針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層において、
白化領域は、加熱及び急冷された後、再加熱及び徐冷された領域であってよく、
非白化領域は、加熱及び急冷された後、再加熱されていない領域であってよい。
本発明の針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層は、特に、針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層の一部領域を、再加熱及び徐冷して、白化領域に変換することによって製造されたものであってよい。
これらの熱履歴の詳細については、後述する。
〈位置選択性白化樹脂層〉
本発明の針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する白化領域と、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域とを有する樹脂層である。
位置選択性白化樹脂層の白化領域に、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときの、針刺孔周囲の白化部の幅は、針刺孔の視認性を十分に高くする観点から、0.2mm以上であり、0.3mm以上、0.4mm以上、又は0.5mm以上であってよい。また、針刺孔周囲の白化部の幅は、1.0mm以下でよく、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、又は0.6mm以下であってよい。
白化領域は、針刺孔を形成する注射針の直径が、例えば0.60mm又は0.40mmであった場合でも、針刺孔の周囲が白化する特性を有していてよい。この場合、針刺孔周囲の白化部の幅は、例えば、0.2mm以上、0.3mm以上、0.4mm以上、又は0.5mm以上であってよく、例えば、1.0mm以下、0.9mm以下、0.8mm以下、0.7mm以下、又は0.6mm以下であってよい。
本発明の針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層の非白化領域は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない樹脂層である。
位置選択性白化樹脂層は、上記のような白化特性を有する限り、その構造は任意である。しかしながら位置選択性白化樹脂層は、例えば、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層(以下、「海島型白化樹脂層」ともいう。)であってよい。
海島型白化樹脂層のハードセグメントは、例えば、ポリスチレン、結晶性ポリオレフィン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、結晶性ポリジエン、結晶性ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド等から選択される1種以上を含んでいてよい。結晶性ポリオレフィンは、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン等であってよい。結晶性ポリジエンは、例えば、シンジオ−1,2−ポリブタジエン、トランス−1,4−ポリイソプレン等であってよい。海島型白化樹脂層のハードセグメントとしては、結晶性ポリオレフィンが好ましい。
海島型白化樹脂層のソフトセグメントは、例えば、非晶性ポリオレフィン、非晶性ポリジエン系ゴム、非晶性ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエーテル等から選択される1種以上を含んでいてよい。非晶性ポリオレフィンは、例えば、低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、水添ブタジエンゴム、水添イソプレンゴム等であってよい。非晶性ポリジエン系ゴムは、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等であってよい。海島型白化樹脂層のソフトセグメントとしては、非晶性ポリオレフィンが好ましい。
海島型白化樹脂層を構成する樹脂は、ハードセグメントとソフトセグメントとが共有結合によって結合している共重合体であってよく、又は、ハードセグメントとソフトセグメントとが別個の重合体として存在しているブレンド物であってよい。また、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相との間の界面張力を制御して分散相の粒径を調節するための相溶化剤を、更に含有していてよい。相溶化剤とは、例えば、ハードセグメントを構成する樹脂と同種の重合体鎖を有するブロックと、ソフトセグメントを構成する樹脂と同種の重合体鎖を有するブロックとから構成される、ブロック共重合体、グラフト共重合体等であってよい。
海島型白化樹脂層は、具体的には例えば、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン(ブロックPP)の層であってよい。ブロックPPは、所望の白化特性を有する樹脂層を形成するための熱履歴の設定及びその実施が容易であるとともに、白化領域と非白化領域との白化特性の差を十分に大きくすることができ、針刺し領域における針刺孔の視覚的強調と、それ以外の領域における折線を目立たせない効果とを両立することができ、好ましい。更にブロックPPを用いて得られる針刺検知用シートは、耐熱性(耐熱形状維持性)が高くなるため、煮沸等による滅菌操作を伴う医薬、食品等の用途への適用に好適である。
位置選択性白化樹脂層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、又は40μm以上であってよく、例えば、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下であってよい。
〈潜在性白化樹脂層〉
本発明の針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層は、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺検知用シートにおける位置選択性白化樹脂層の非白化領域と同じ挙動を示し、かつ、加熱及び徐冷した後には、位置選択性白化樹脂層の白化領域と同じ挙動を示してよい。すなわち、潜在性白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化せず、かつ、加熱及び徐冷した後には、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する樹脂層であってよい。
潜在性白化樹脂層は、位置選択性白化樹脂層と同じ材料から構成されていてよく、例えば、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層であってよい。これらのハードセグメント及びソフトセグメントは、それぞれ、結晶性ポリオレフィン及び非晶性ポリオレフィンであってよい。潜在性白化樹脂層は、例えば、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン(ブロックPP)の層であってよい。
潜在性白化樹脂層の厚みは、位置選択性白化樹脂層の厚みと同じであってよく、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、又は40μm以上であってよく、例えば、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、又は60μm以下であってよい。
〈その他の層〉
本発明の針刺検知用シート及び針刺検知用シート前駆体は、それぞれ、位置選択制白化樹脂層又は潜在性白化樹脂層(以下、これらの層をまとめて「白化樹脂層」の名称で参照する。)のみから構成されていてもよいし、これらの他に、その他の層を更に有していてもよい。その他の層としては、例えば、シーラント層、補強層、着色層等が挙げられる。
(シーラント層)
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体は、シーラント層を有していてよく、シーラント層を有することが好ましい。シーラント層は、本発明の針刺検知用シートを、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させる機能を有する。したがって、シーラント層を有する針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体は、例えば輸液バッグ等の保存時にキャップを保護し、かつ、不正の針刺しを検知するために用いることができる。また、このシーラント層がイージーピール性を有する場合には、例えば輸液バッグ等の使用時に針刺検知用シートを容易に剥離可能にできる。
シーラント層は、例えば熱可塑性樹脂の層であってよく、単層であっても多層から成る積層体であってもよい。
シーラント層を構成する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリアミド、熱可塑性エラストマー等、及びこれらの変性物から選択される1種以上であってよい。ポリオレフィンは、例えば、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等)、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック用重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン、ポリメチルペンテン等から選択されてよい。ポリエステルは、例えば、飽和ポリエステル(例えばポリカーボネート等)等であってよい。アクリル系樹脂は、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMAC)等から選択されてよい。これらの変性物は、例えば、カルボン酸変性ポリエチレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、カルボン酸変性EVA等であってよい。
シーラント層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが好ましく、特に、ポリエチレン又はポリプロピレンであってよい。
シーラント層は着色されていなくてもよいし、着色されていてもよい。シーラント層が着色されていると、針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の白化部を視覚的に目立つようにさせることができ、針刺孔の視認性をより高めることができる。また、シーラント層の色を、内容物の識別の標識として用いることができる。シーラント層が着色されている場合の色は、L値が75以下の暗色であることが、針を刺したときの針刺孔周囲の白化部を視覚的に目立たせる観点から好ましい。
シーラント層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、120μm以下、100μm以下、80μm以下、又は60μm以下であってよい。
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体におけるシーラント層としては、いわゆる「イージーピールフィルム」、「イージーオープンフィルム」等の名称で市販されているものを使用してもよい。このような市販品としては、例えば、三井化学東セロ(株)製のCMPS、T.A.F.;DIC(株)製のDIFAREN;オカモト(株)製のショウレックス、東レフィルム加工(株)製のトレファンCF等が例示される。
(補強層)
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体は、補強層を有していてよい。補強層は、白化樹脂層の片面又は両面上に存在し、針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体、及びこれを適用する容器等の製造、保管等の際に、針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体が擦過され、又は折り曲げられた場合の線状の白化痕の形成を抑制する機能を有する。したがって補強層は、針を刺したときに白化を生じない材料から構成される層であってよく、針を刺したときに白化を生じない熱可塑性樹脂から構成される層であってよい。
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体がシーラント層を有する場合、白化樹脂層のシーラント層側に配置される補強層は、白化樹脂層とシーラント層との間に配置し、シーラント層が最外層となるように積層されることが好ましい。
補強層の材料として使用される熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル系樹脂、オレフィン−アクリルモノマー共重合体、その他の有機重合体等であってよい。ポリエチレンは、例えば、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等であってよい。ポリプロピレンは、例えば、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン等であってよい。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等であってよい。アクリル系樹脂は、例えば、ポリメチルメタクリレート等であってよい。オレフィン−アクリルモノマー共重合体は、例えば、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMAC)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)等であってよい。その他の有機重合体は、例えば、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エラストマー等であってよい。
補強層の材料として、オレフィン−アクリルモノマー共重合体を用いると、針刺検知用シートに針を刺して針刺孔が形成されたときに、白化領域のうちの針刺孔の周囲が白化するのみならず、補強層において、針刺孔を中心として放射状の亀裂が生じる現象が見られ、針刺孔の視認性向上の面から好ましい。一方で、補強層の材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等を用いると、針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体の耐熱性(耐熱形状維持性)が高くなるため、好ましい。
補強層は着色されていなくてもよいし、着色されていてもよい。特に、針刺面(針が挿入される方の面)とは反対の面側に配置される補強層が着色されていると、針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の白化部を視覚的に目立つようにさせることができ、針刺孔の視認性をより高めることができる。また、補強層の色を、内容物の識別の標識として用いることができる。補強層が着色されている場合の色は、L値が80以下、好ましくは75以下の暗色であることが、針を刺したときの針刺孔周囲の白化部を視覚的に目立たせる観点から好ましい。
この補強層にシール機能を持たせて、補強性とシール性とを併せ持つ補強シーラントとして用いてもよい。
補強層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、1μm以上、3μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、又は30μm以上であってよく、例えば、200μm以下、180μm以下、160μm以下、140μm以下、120μm以下、又は100μm以下であってよい。
(着色層)
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体は、着色層を有していてよい。着色層は、本発明の針刺検知用シートの白化領域に針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の白化部を視覚的に目立つようにさせる機能を有する。
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体がシーラント層を有する場合、白化樹脂層のシーラント層側に配置される着色層は、白化樹脂層とシーラント層との間に配置し、シーラント層が最外層となるように積層することが好ましい。本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体が補強層を有する場合、着色層と補強層との配置順は任意である。
着色層の色は任意である。しかしながら、針を刺したときの針刺孔周囲の白化部を視覚的に目立たせるとの着色層の機能を効果的に発現させる観点から、着色層は暗色に着色されていてよく、例えば、黒色、墨色、青色、赤色、緑色、紫色、茶色、紺色、橙色等に着色されていてよい。着色層が着色されている場合、着色層の表面のみが着色されていてもよく、着色層の内部まで着色されていてもよく、内部まで着色されている着色樹の表面が別の又は同じ色で更に着色されていてもよい。着色層のL値は、例えば、80以下であってよく、75以下、70以下、60以下、50以下、40以下、又は30以下であってよい。
着色層は、例えば熱可塑性樹脂の層であってよい。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン(Ny)、ポリ塩化ビニル(PVC)等であってよい。ポリエステルは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等であってよい。ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等であってよく、ポリプロピレン(PP)は、例えば、ホモポリマーであっても、ランダム型又はブロック型のコポリマーであってもよく、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)のフィルムを用いてもよい。
本発明の針刺検知用シート又は針刺検知用シート前駆体における着色層としては、市販品のカラーフィルムをそのまま用いてもよく、市販品の無色又は着色されたフィルムに印刷により着色された、印刷フィルムであってもよい。カラーフィルムは、例えば、LLDPE、LDPE、HDPE、PP、PET、PVC等に顔料を練り込んでフィルム状に形成されたフィルムであってよい。印刷フィルムは、例えば、PET、OPP、Ny等から構成されるフィルムの片面又は両面に、例えば、オフセットインキ、油性インキ、大豆油インキ、ベジタブルオイルインキ、UVインキ、LED−UVインキ、樹脂凸版(フレキソ)インキ、グラビアインキ、スクリーンインキ等を用いて適宜の印刷方法により着色されたものであってよい。
着色層の厚みは、適度の加工性を付与するため、例えば、10μm以上、12μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってよく、例えば、100μm以下、80μm以下、60μm以下、40μm以下、又は20μm以下であってよい。
〈針刺検知用シートの具体的構成例〉
以下、図面を参照しながら、本発明の針刺検知用シートの具体的構成例について説明する。以下では、位置選択性白化樹脂層を有する針刺検知用シートを例として説明するが、位置選択性白化樹脂層の代わりに潜在性白化樹脂層を用いた針刺検知用シート前駆体も同様に開示され、説明されていると理解すべきである。
図2〜5は、本発明の針刺検知用シートの構成例を説明するための概略断面図である。
図2の針刺検知用シートは、本発明の針刺検知用シートの一例である。針刺検知用シート(110)は、位置選択性白化樹脂層(10)及びシーラント層(40)を有し、これらが積層されている。位置選択性白化樹脂層(10)は、白化領域(10a)及び非白化領域(10b)を有している。針刺検知用シート(110)は、シーラント層(40)によって、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させて、針刺検知用キャップとして適用されてよい。
図3の針刺検知用シートは、本発明の針刺検知用シートの別の一例である。針刺検知用シート(120)は、図2の針刺検知用シート(110)において、位置選択性白化樹脂層(10)の面のうちのシーラント層(40)とは反対側の面上に補強層(20)を更に有する。針刺検知用シート(120)の位置選択性白化樹脂層(10)は、補強層(20)によって外部衝撃から保護されている。したがって、針刺検知用シートの製造時、搬送時、保存時、加工時等に、位置選択性白化樹脂層(10)の白化領域(10a)が針刺しによらずに白化することが抑制されている。針刺検知用シート(120)は、シーラント層(40)によってキャップに接着させて、針刺検知用キャップとして適用されてよい。
図4の針刺検知用シートは、本発明の針刺検知用シートの更に別の一例である。針刺検知用シート(130)は、図2の針刺検知用シート(110)において、位置選択性白化樹脂層(10)の両面上にそれぞれ補強層(20)を更に有する。針刺検知用シート(130)の位置選択性白化樹脂層(10)は、その両面が補強層(20)によって外部衝撃から保護されている。そのため、補強層/位置選択性白化樹脂層(10)(又は潜在性白化樹脂層)/補強層の3層構成の積層体を1単位として取り扱うことにより、白化樹脂層の両面を外部衝撃から保護することができ、位置選択性白化樹脂層(10)の白化領域(10a)が針刺しによらずに白化することを極めて効果的に抑制することができる。針刺検知用シート(130)は、シーラント層(40)によってキャップに接着させて、針刺検知用キャップとして適用されてよい。
図5の針刺検知用シートは、本発明の針刺検知用シートの更に別の一例である。図5の針刺検知用シート(140)は、図4の針刺検知用シート(130)において、補強層(20)とシーラント層(40)との間に、着色層(30)を更に有する。針刺検知用シート(140)は、シーラント層(40)によってキャップに接着させて、針刺検知用キャップとして適用されてよい。針刺検知用シート(140)の着色層(30)は、針刺検知用キャップに適用したときに、位置選択性白化樹脂層(10)よりもキャップ側、すなわち針刺し方向から見たときに位置選択性白化樹脂層(10)の裏面側に配置されているから、針刺孔周囲の白化を視覚的に強調することができる。
《針刺検知用シート前駆体及び針刺検知用シートの製造方法》
本発明の針刺検知用シート前駆体及び針刺検知用シートは、任意の方法によって製造されてよい。
潜在性白化樹脂層を有する本発明の針刺検知用シート前駆体は、例えば、
溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、及び
得られた膜状樹脂を急冷して、潜在性白化樹脂層とすること
を含む方法によって、製造されてよい。
樹脂の種類は、針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層を構成する所望の樹脂に応じて、適宜に選択されてよい。選択された樹脂を溶融して、一旦、溶融樹脂とした後、膜状に成形する。溶融樹脂を膜状に成形するには、例えば、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法、キャスティング法、プレス成形法、射出成形法等から選択される適宜の方法によってよい。
膜状に成形された樹脂は、直ちに急冷される。本発明における「急冷」とは、膜状樹脂を冷却する際に、熱容量が比較的大きく、かつ温度が比較的低い冷却手段を用いる場合をいう。具体的には例えば、冷却手段として、低温の水、低温の冷却ロール等を用いる場合である。この場合の「低温」とは、冷却手段の温度が概ね50℃以下であることをいう。
一方、冷却手段の温度が50℃を超え、例えば55℃以上であれば、本発明における「急冷」には当たらない。また、冷却を空冷による場合には、冷却手段(空気)の熱容量が小さいため、例えば室温程度の低温空気を用いる場合でも、本発明における「急冷」には当たらない。
膜状樹脂の成形を、例えば、プレス成型、射出成形等の金型を用いる方法によって行い、成形直後の金型を液状の冷媒(例えば、水、オイル等)で冷却する場合は、水冷に準じて考えてよい。膜状樹脂の成形を例えばTダイ法によって行い、かつ冷却ロールを用いる場合であっても、Tダイと冷却ロールとの間隔が有意に大きいときは、実質的な冷却手段は空気であると考えられるから、空冷に準じて考えてよい。
位置選択性白化樹脂層を有する本発明の針刺検知用シートは、例えば、
溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、
得られた膜状樹脂を急冷して、加熱及び急冷された膜状樹脂を得ること、
上記で得られた加熱及び急冷された膜状樹脂の一部領域を再加熱及び徐冷して、再加熱及び徐冷された一部領域を白化領域とし、他の領域を非白化領域とすること
を含む方法によって、製造されてよい。
この方法において、溶融樹脂を膜状に成形すること、及び得られた膜状の樹脂を急冷することは、それぞれ、針刺検知用シート前駆体の製造と同様に行われてよく、これらの工程を含む方法によって、針刺検知用シート前駆体が得られる。
次いで急冷後の膜状の樹脂(すなわち針刺検知用シート前駆体)の一部領域を再加熱及び徐冷し、当該領域を白化領域に変換して、潜在性白化樹脂層を位置選択性白化樹脂層に変換することにより、本発明の針刺検知用シートが得られる。徐冷とは、上記の急冷に当たらない態様で冷却することをいい、例えば、大気中での放冷等によってよい。再加熱及び徐冷は、具体的には例えば、針刺検知用シート前駆体の所望の一部領域をヒートシーラーによって加熱した後、大気中で放冷する方法等が例示できる。
位置選択性白化樹脂層のうちの、白化領域以外の場所は、針刺孔の周囲が白化しない、又は白化幅が小さい、潜在性白化樹脂層と同じ白化特性を維持している非白化領域である。非白化領域は、加熱及び急冷された後、再加熱されていないことが好ましい。
上記の針刺検知用シート前駆体又は針刺検知用シートは、製造工程の適宜の時点で、任意的に使用されるその他の層、例えば、シーラント層、補強層、着色層等を積層させてよい。積層は、例えば、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルト法等の他、熱ロール、熱プレス等による加熱溶着法等によることができる。ここで、積層が加熱を伴う場合には、所定の熱履歴を経由するように行われることが望ましい。
以下、図4に示した針刺検知用シート(130)を製造するときの非限定的な一例について、本発明の針刺検知用シートの典型的な製造方法を説明する。
例えば、Tダイを装着した適当な混練押出機中で、所望の樹脂を練り、溶融樹脂としてTダイから膜状に押し出した後、例えば冷却ロールにて急冷して、潜在性白化樹脂層とする。このとき、冷却ロールの表面温度を低くし、Tダイとロール表面との間隙を狭く設定することにより、膜状に押し出された樹脂を急冷することができる。冷却ロール温度は、例えば、50℃以下、45℃以下、又は40℃以下であってよく、例えば、0℃以上、5℃以上、又は10℃以上であってよい。Tダイとロール表面との間隙は、装置の構成及び配置が許す限りできるだけ近くてよく、例えば、10cm以下、5cm以下、又は3cm以下であってよい。
上記で得られた潜在性白化樹脂層の両面に、それぞれ、補強層を例えばドライラミネートして3層構造の積層体を得た後、その片面上に、シーラント層を更にドライラミネートすることにより、補強層/潜在性白化樹脂層/補強層/シーラント層をこの順に有する、針刺検知用シート前駆体を得ることができる。
この針刺検知用シート前駆体は、シーラント層によってキャップに接着させて、針刺検知用キャップとして適用されてよい。キャップは、例えば輸液バッグのキャップ等であってよく、針刺用セプタムと、このセプタムを被覆するピール層をヒートシールするためのシール用リングとを有していてよい。
針刺検知用シート前駆体を針刺検知用キャップに適用するには、針刺検知用シート前駆体のシーラント層をキャップのシール用リングに接触させた状態で、ヒートシールを行う。このヒートシールにより、針刺検知用シート前駆体のうちのシール用リングに接する領域及びこれに囲まれた領域がヒートシーラーに接触し、又はこれに極めて近い距離で加熱(再加熱)される。そして、ヒートシール終了後の放冷が、ほとんどの場合、本発明の徐冷条件にあたる。したがって、このヒートシール操作により、針刺検知用シート前駆体の一部領域を、再加熱し、該再加熱された領域を徐冷する工程が行われ、この領域が白化領域に変換される。一方、ヒートシーラーに接触しないその他の領域は、潜在性白化樹脂層と白化特性を同じくする非白化領域に留まる。
以上のように、針刺検知用シート前駆体をキャップに接着するヒートシール操作によって、針刺検知用シート前駆体における潜在性白化樹脂層を、白化領域と非白化領域とを有する位置選択性白化樹脂層に変換して、本発明の針刺検知用シートを得ることができる。
《針刺検知用キャップ》
本発明の別の観点では、本発明の針刺検知用シートと、針刺用セプタムを有するキャップとを含む、針刺検知用キャップが提供される。
《評価方法》
(1)針刺孔視認性の評価
直径30mm円形状の針刺検知用シート試料につき、中心部の直径20mmの領域を「針刺部」とし、それ以外の外周領域を「折曲部」とした。針刺検知用シート試料の樹脂層が位置選択性樹脂層であるとき、針刺部は白化領域(再加熱及び徐冷された領域)と一致し、折曲部は非白化領域(再加熱及び徐冷されていない領域)と一致する。
試料の針刺部のシーラント層側の面とは反対側の面に、注射針を垂直に刺して、試料を貫通する針刺孔を形成した。針刺孔形成後の試料を、注射針を刺した方の面を表側として、L値60のグレーのゴム栓の上面から1mm離れた位置に配置した。この状態で、両目視力0.7の観察者が3m離れた位置から試料の針刺孔を視認できるかどうかを調べ、以下の基準で評価した。
針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化し、針刺孔が明確に視認できた場合:A
針刺孔の周囲が白化せず、又は白化幅が0.2mm未満であり、針刺孔が視認できなかった場合:C
注射針としては、以下の2種を用い、それぞれについて評価を行った。
ゲージ21G:テルモ(株)製、品名「NN−2138R」、針直径0.80mm、針長1+1/2インチ(38mm)、刃型R・B(Regular Bezel、刃面角度12°)
ゲージ27G:テルモ(株)製、品名「NN−2725R」、針直径0.40mm、針長1+1/2インチ(38mm)、刃型R・B(Regular Bezel、刃面角度12°)
(2)耐折り曲げ性の評価
直径30mm円形状の針刺検知用シート試料を、直径を折れ線として、シーラント層側の面が内側になるように2つ折りにし、折曲部の折れ線部分に荷重がかかるように2N(ニュートン、2N≒204g)の錘を乗せ、1分間静置した。錘を除去して試料を開き、折曲部の荷重部分の折れ線跡が白化しているかどうかを、折り曲げ時に外側となった面側から目視で調べ、以下の基準で評価した。
折れ線跡が白化していなかった場合:A
折れ線跡が白化していた場合:C
《実施例1》
Tダイを装着した(株)テクノベル製の2軸混練押出機、形式名「KZW15TW−45MG−NH−2200」を用いて、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン(ブロックPP)のペレット(日本ポリプロ(株)製、品名「ノバテックPP BC6DRF」、フィルムグレード)を190℃にて練り、溶融樹脂としてTダイから押し出した後、冷却ロールにて冷却して、厚み50μmの単層のブロックPPフィルム(潜在性白化樹脂層)を得た。このとき、冷却ロールの表面温度は40℃の急冷条件とし、Tダイとロール表面との間隙は1cmとした。
得られたブロックPPフィルムの片面上に、シーラント層としての無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製、品名「P1128」、厚み50μm)をドライラミネートして、潜在性白化樹脂層を有する針刺検知用シート前駆体を得た。得られたシートを直径30mmの円形に打ち抜いたものを、実施例1における再加熱及び徐冷の前の針刺検知用シート試料(針刺検知用シート前駆体)の試料とした。ドライラミネートは、ウレタン系二液硬化型接着剤(三井化学(株)製、ポリオール成分「タケラックA525S」及びイソシアネート成分「タケネートA50」)を用いて行った。
上記と同様にして得た再加熱及び徐冷の前の針刺検知用シート試料(針刺検知用シート前駆体)のうちの針刺部(中心部の直径20mmの領域)について、(株)東洋精機製作所製の片面加熱シーラーによって、シーラント層と反対の面から180℃、1秒の条件で加熱した後、大気中で放冷する手法により、針刺検知用シート試料の再加熱及び徐冷を行った。この操作により、針刺検知用シート試料の潜在性白化樹脂層のうちの直径20mmの領域を白化領域に変換して、潜在性白化樹脂層を位置選択性樹脂層とし、実施例1における再加熱及び徐冷後の針刺検知用シート試料(本発明の針刺検知用シート)の試料とした。
得られた再加熱及び徐冷の前後の各針刺検知用シート試料を用いて、上記の方法にしたがって針刺孔視認性及び耐折り曲げ性の評価を行った。結果は表1に示す。
《実施例2及び比較例1〜4》
ブロックPPフィルムの厚み及び成膜時の冷却ロールの表面温度を、それぞれ、表1に記載のとおりとした他は実施例1と同様にして、再加熱及び徐冷の前後の各針刺検知用シート試料を形成し、針刺孔視認性及び耐折り曲げ性の評価を行った。結果は表1に示す。
《実施例3》
実施例1と同様にして、単層のブロックPPフィルム(潜在性白化樹脂層)を得た。このブロックPPフィルムの両面に、補強層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡(株)製、品名「E5200」、厚み12μm)をそれぞれドライラミネートし、3層構造の積層体を得た。この積層体の片面上に、シーラント層としての無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡(株)製、品名「P1128」、厚み50μm)をドライラミネートして、潜在性白化樹脂層を有する針刺検知用シート前駆体を得た。得られたシートを直径30mmの円形に打ち抜いたものを、実施例3における再加熱及び徐冷の前の針刺検知用シート試料(針刺検知用シート前駆体)の試料とした。ブロックPPフィルムへのPETフィルムのドライラミネート、及び3層構造の積層体への無延伸ポリプロピレンフィルムのドライラミネートは、いずれも、ウレタン系二液硬化型接着剤(三井化学(株)製、ポリオール成分「タケラックA525S」及びイソシアネート成分「タケネートA50」)を用いて行った。
上記と同様にして得た再加熱及び徐冷の前の針刺検知用シート試料(針刺検知用シート前駆体)を用いた他は、実施例1と同様にして、針刺検知用シート試料の再加熱及び徐冷を行い、実施例3における再加熱及び徐冷後の針刺検知用シート試料(本発明の針刺検知用シート)の試料を得た。
得られた再加熱及び徐冷の前後の各針刺検知用シート試料を用いて、上記の方法にしたがって針刺孔視認性及び耐折り曲げ性の評価を行った。結果は表1に示す。
《実施例4及び比較例5〜8》
ブロックPPフィルムの厚み及び成膜時の冷却ロールの表面温度を、それぞれ、表1に記載のとおりとした他は実施例3と同様にして、再加熱及び徐冷の前後の各針刺検知用シート試料を形成し、針刺孔視認性及び耐折り曲げ性の評価を行った。結果は表1に示す。
Figure 2020022684
表1中の各層成分の略称は、それぞれ以下の意味である。
ブロックPP:ブロックコポリマータイプのポリプロピレン、日本ポリプロ(株)製、品名「ノバテックPP BC6DRF」、フィルムグレード
PET:ポリエチレンテレフタレートフィルム、東洋紡(株)製、品名E5200」
CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、東洋紡(株)製、品名「P1128」
表1によると、溶融ブロックPPを徐冷して形成された樹脂層を有する比較例1〜8の針刺検知用シート試料は、再加熱及び徐冷の前後の双方において、針刺孔視認性の評価で針刺部における針刺孔周囲が0.2mm以上の幅で白化するとともに、耐折り曲げ性の評価で折曲部における折れ線跡が白化した。
これらに対して、溶融ブロックPPを急冷して形成された樹脂層を有する実施例1〜4の針刺検知用シート試料は、再加熱及び徐冷の前後で以下のような挙動の変化を示した。実施例1〜4の針刺検知用シート試料は、再加熱及び徐冷の前には、針刺孔視認性の評価にて針刺部において針刺孔周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化せず、かつ、耐折り曲げ性の評価にて折曲部における折れ線跡が白化しなかった。一方、再加熱及び徐冷後には、針刺孔視認性の評価で針刺部における針刺孔周囲が0.2mm以上の幅で白化し、耐折り曲げ性の評価では折曲部において折れ線跡が白化していなかった。
以上の結果から、実施例1〜4の針刺検知用シート試料における樹脂層は、再加熱及び徐冷の前には、針刺孔周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しないが、再加熱及び徐冷によって針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化することになる、「潜在性白化樹脂層」であることが確認された。またこれらの潜在性白化樹脂層の一部領域のみを再加熱及び徐冷することにより、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する白化領域と、針刺孔の周囲が白化しないか、又は針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域とを有する「位置選択性白化樹脂層」となることが確認された。
10 位置選択性白化樹脂層
10a 白化領域
10b 非白化領域
20 補強層
30 着色層
40 シーラント層
70 針刺孔
71 白化部
80 折線
100、110、120、130、140 針刺検知用シート

Claims (18)

  1. 直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する白化領域と、
    直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が白化しないか、又は前記針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化しない非白化領域と
    を有する位置選択性白化樹脂層を有する、
    針刺検知用シート。
  2. 前記位置選択性白化樹脂層が、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、請求項1に記載の針刺検知用シート。
  3. 前記白化領域が、加熱及び急冷された後、再加熱及び徐冷された領域であり、かつ、
    前記非白化領域が、加熱及び急冷された後、再加熱されていない領域である、
    請求項1又は2に記載の針刺検知用シート。
  4. 前記再加熱が、ヒートシールによって行われる、請求項3に記載の針刺検知用シート。
  5. 更にシーラント層を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  6. 更に補強層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  7. 更に着色層を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートの製造方法であって、
    溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、
    前記膜状樹脂を急冷して、加熱及び急冷された膜状樹脂を得ること、
    前記加熱及び急冷された膜状樹脂の一部領域を再加熱及び徐冷して、再加熱及び徐冷された前記一部領域を前記白化領域とし、他の領域を前記非白化領域とすること
    を含む、針刺検知用シートの製造方法。
  9. 前記再加熱を、ヒートシールによって行う、請求項8に記載の針刺検知用シートの製造方法。
  10. 直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が白化しないか、又は前記針刺孔の周囲が0.2mm未満の幅でしか白化せず、かつ、
    加熱及び徐冷した後には、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する
    潜在性白化樹脂層を有する、
    針刺検知用シート前駆体。
  11. 前記潜在性白化樹脂層が、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、請求項10に記載の針刺検知用シート前駆体。
  12. 前記潜在性白化樹脂層が、加熱及び急冷された層である、請求項10又は11に記載の針刺検知用シート前駆体。
  13. 更にシーラント層を有する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
  14. 更に補強層を有する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
  15. 更に着色層を有する、請求項10〜14のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体。
  16. 請求項10〜15のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体の製造方法であって、
    溶融樹脂を膜状に成形して膜状樹脂を得ること、及び
    前記膜状樹脂を急冷して、前記潜在性白化樹脂層とすること
    を含む、針刺検知用シート前駆体の製造方法。
  17. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートの製造方法であって、
    請求項10〜15のいずれか一項に記載の針刺検知用シート前駆体の一部領域を加熱及び徐冷して、加熱及び徐冷された前記一部領域を前記白化領域とし、他の領域を前記非白化領域とすること
    を含む、針刺検知用シートの製造方法。
  18. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の針刺検知用シートと、針刺用セプタムを有するキャップとを含む、針刺検知用キャップ。
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