JP2010105318A - 多層フィルム及び該多層フィルムを用いた包装容器 - Google Patents

多層フィルム及び該多層フィルムを用いた包装容器 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸気滅菌が可能で、層間接着性、ガスバリア性及び透明性に優れ、包装容器としてのハンドリング性が優れた多層フィルムと、該多層フィルムを用いて得られる包装容器。
【解決手段】多層フィルム10は、オレフィン系樹脂を用いてなる内層15と;5質量%以上70質量%未満の環状オレフィン系樹脂と、30質量%より大きく95質量%以下のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなる接着バリア層14と;70〜85質量%の環状オレフィン系樹脂と、15〜30質量%のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなるバリア層13と;5〜50質量%のオレフィン系樹脂と50〜95質量%のオレフィン系エラストマーを含有する混合樹脂を用いてなる接着柔軟層12と;熱可塑性樹脂を用いてなる外層11とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び該多層フィルムを用いた包装容器に関する。
従来、注射をする際には、ガラス瓶に封入された薬剤を注射器に注入していた。しかし近年、薬剤の取違えなどの医療事故を防ぐため、予め薬剤が注射器の中に充填されているプレフィルドシリンジ(以下「シリンジ」とする。)の普及が進んでいる。
一般的に、シリンジの本体は樹脂組成物で構成されているが、このような樹脂組成物製のシリンジは従来のガラス瓶に比べて薬剤の保護性能が劣っており、シリンジに薬剤を充填した後、透明で視認性のあるブリスターパック等の包装容器に封入して、運搬、保存している(特許文献1〜特許文献3参照)。
特開2007−126913号公報 実用新案登録第3112395号公報 特開平11−165387号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示されているような、ポリエチレン系やポリプロピレン系のフィルムより成型されたブリスターパックはガスバリア性を有していない。従って、ブリスターパック内に長期間シリンジを保存しようとすると、シリンジ内の薬剤が、外部環境に存在する窒素酸化物、インク及び接着剤成分等の影響を受ける可能性がある。また、薬剤内の水分等の揮発成分が失われて、薬剤濃度が変化する可能性もある。
一方、特許文献3には、環状オレフィン系樹脂フィルムより成型されたブリスターパックが開示されている。しかしながら、環状オレフィン系樹脂フィルムは他の樹脂フィルムとの層間接着性が得難いものであり、薬剤容器として用いる際に行われる蒸気滅菌処理等によって層間剥離を起こす可能性がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、蒸気滅菌が可能で、層間接着性、ガスバリア性及び透明性に優れ、包装容器としてのハンドリング性が優れた多層フィルムと、該多層フィルムを用いて得られる包装容器を目的とする。
本発明の多層フィルムは、内層と、該内層の上に設けられた接着バリア層と、該接着バリア層の上に設けられたバリア層と、該バリア層の上に設けられた接着柔軟層と、該接着柔軟層の上に設けられた外層とを有し、内層が、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であり、接着バリア層が、5質量%以上70質量%未満の環状オレフィン系樹脂と、30質量%より大きく95質量%以下のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であり、バリア層が、70〜85質量%の環状オレフィン系樹脂と、15〜30質量%のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ30〜80μmの層であり、接着柔軟層が、5〜50質量%のオレフィン系樹脂と50〜95質量%のオレフィン系エラストマーを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ10〜90μmの層であり、外層が、熱可塑性樹脂を用いてなる、厚さ50〜150μmの層であることを特徴とする。
本発明の包装容器は、前記多層フィルムの内層が容器の内面となるようにして成型される容器と、蓋よりなることを特徴とする。
本発明の多層フィルムは、蒸気滅菌が可能であり、層間接着性、ガスバリア性、透明性に優れ、包装容器としてのハンドリング性に優れている。また、このような本発明の多層フィルムを用いて得る本発明の包装容器は、シリンジ内に充填された薬剤の変性及び薬液濃度の変化を間接的に防ぐことできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明にかかる多層フィルムの一実施形態の断面の模式図である。
本発明の多層フィルム10は、図1に示すように少なくとも、内層15と、該内層15の上に設けられた接着バリア層14と、該接着バリア層14の上に設けられたバリア層13と、該バリア層13の上に設けられた接着柔軟層12と、該接着柔軟層12の上に設けられた外層11とを有している。
[内層]
内層15は、オレフィン系樹脂を用いてなるものである。
オレフィン系樹脂としては、医薬的に認可されており、高温での滅菌操作に耐えうる耐ブロッキング性を有する等の観点より、プロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
内層15の厚さは、5〜80μmであり、10〜50μmであることがより好ましい。厚さが10μm未満の場合、安定したシール性を確保し難い傾向にある。尚、ここでシール性とは後述する包装容器を成型する際に用いる蓋とのシール性を示す。
対して、厚さが80μmより大きいと、多層フィルムが厚くなる傾向にあり、ハンドリング性に劣る多層フィルムとなる傾向にある。尚、ハンドリング性とは、当該多層フィルム成形加工時のしわ及びカールの発生頻度のことを示す。
[接着バリア層]
接着バリア層14は、環状オレフィン系樹脂と、スチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなるものである。
環状オレフィン系樹脂は、環状構造を有するポリオレフィン樹脂であり、α−オレフィンと二重結合を有する脂環式化合物(環状オレフィン)との共重合体が挙げられる。前記α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等が挙げられ、前記脂環式化合物としては、シクロヘキサン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
環状オレフィン系樹脂の市販品としては、ティコナ社製の「TOPAS(登録商標)」等が挙げられる。
スチレン系エラストマーとしては、水素添加を行ったものと、行わないものが挙げられる。中でも、水素添加をしたポリスチレン系エラストマーである、水素添加スチレン−ブタジエンエラストマーや、水素添加スチレン−イソプレンエラストマー等は、柔軟性、層間接着性、透明性、上記環状オレフィン系樹脂への分散性、耐薬品性などに優れており、本発明での使用が好ましい。これらは1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
接着バリア層14における、環状オレフィン系樹脂の含有率は5質量%以上70質量%未満であり、60〜70質量%であることが特に好ましい。このとき、スチレン系エラストマーの含有率は30質量%より大きく95質量%以下であり、30〜40質量%であることが特に好ましい。
環状オレフィン系樹脂の含有率が5質量%以上(スチレン系エラストマーが95質量%以下)であれば、内層15や後述するバリア層13との層間接着性が得易い傾向にある。一方、環状オレフィン系樹脂の含有率が70質量%未満(スチレン系エラストマーが30質量%より大きい)の場合、高圧蒸気滅菌後に内層との層間剥離を起こし難く、層間接着性に優れる傾向がある。特に、環状オレフィンの含有率が60質量%以上(スチレン系エラストマーが40質量%以下)の場合、環状オレフィン系樹脂のガスバリア性能が発揮されやすい傾向にあり好ましい。
接着バリア層14の厚さは、5〜80μmである。厚さが5μm未満の場合、製膜時にピンホール等が発生する恐れがあり、更に安定した層間接着性を確保し難い傾向にある。対して、厚さが80μmより大きい場合、高圧蒸気滅菌によって白色化し透明性が低下して内部視認性が得難くなると同時に、ハンドリング性が低下する傾向にある。
[バリア層]
バリア層13は、環状オレフィン系樹脂と、スチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなるものである。
バリア層13に用いられる環状オレフィン系樹脂は、層間接着性の観点から、前記接着バリア層14に用いられる環状オレフィン系樹脂と同様であることが好ましい。また、バリア層13に用いられるスチレン系エラストマーは、層間接着性の観点から、前記接着バリア層14に用いられるスチレン系エラストマーと同様であることが好ましい。
バリア層13における、環状オレフィン系樹脂の含有率は70〜85質量%である。このとき、スチレン系エラストマーの含有率は15〜30質量%である。また、より好ましくは環状オレフィン系樹脂が70〜80質量%、スチレン系エラストマーが20〜30質量%である。
環状オレフィン系樹脂の含有率が70質量%未満(スチレン系エラストマーが30質量%より大きい)の場合、バリア性が充分に得難い傾向にあり、且つ高圧蒸気滅菌によって白色化し透明性が低下して内部視認性が得難くなる傾向にある。一方、環状オレフィン系樹脂の含有率が85質量%より大きい場合(スチレン系エラストマーが15質量%未満)、多層フィルム全体の柔軟性が低下する傾向が見られる。またこのとき、バリア層と他の層との層間接着性が低下する傾向も見られ、高圧蒸気滅菌後に多層フィルムが層間剥離を起こす可能性がある。
バリア層13の厚さは、30〜80μmであり、40〜70μmであることが更に好ましい。厚さが30μm未満の場合、多層フィルムを用いて包装容器を成型する際に、多層フィルムが2〜10倍延伸されるため、バリア層が薄くなり、包装容器成型後にガスバリア性を維持できない可能性がある。一方、厚さが80μmより大きい場合、多層フィルムの柔軟性が失われる傾向にあり、ハンドリング性が低下する傾向にある。
尚、本発明の多層フィルムではバリア性を持つ樹脂層(バリア層13および接着バリア層14)が連続して存在することにより、どちらかの層にフィッシュアイやピンホール等の欠陥が生じてバリア性が低下しても、もう一方の層で最低限のバリア性を維持することができる。
[接着柔軟層]
接着柔軟層12は、オレフィン系樹脂とオレフィン系エラストマーを含有する混合樹脂を用いてなるものである。
オレフィン系樹脂としては、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、リアクターポリプロピレン等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。具体的には、内層15と同様のプロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド等が挙げられる。
尚、リアクターポリプロピレンとは、リアクターブレンド法により共重合されたプロピレン共重合体を指す。ここで、リアクターブレンド法とは、重合が1回で終了するのではなく、2段階以上の多段階の重合を行うことにより複数の種類のポリマーを連続して製造する重合法である。リアクターポリプロピレン樹脂は耐熱性、柔軟性及び透明性に優れており本発明での使用が好ましい。
オレフィン系エラストマーとは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性オレフィン系重合体にエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等のオレフィン系ゴムが微分散されたものであり、これらを単純にブレンドした組成物又はこれらの(部分)架橋ブレンド組成物等が挙げられる。特に架橋ブレンド組成物であることが好ましい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の結晶性オレフィン系重合体ブロックとブタジエン等のジエン系化合物を含む非晶性オレフィン系(共)重合体ブロックとを重合したオレフィン系ブロック共重合体を水素添加処理したものも好適に用いられる。例えば、エチレン−エチレン・ブチレン−エチレン共重合体(CEBC)等が挙げられる。
接着柔軟層12における、オレフィン系樹脂の含有率は5〜50質量%であり、20〜50質量%であることが好ましく、40〜50質量%であることがより好ましい。このとき、オレフィン系エラストマーの含有率は50〜95質量%であり、50〜80質量%であることが好ましく、50〜60質量%であることがより好ましい。
オレフィン系樹脂の含有率が5質量%未満(オレフィン系エラストマーが95質量%より大きい)場合、製膜が困難となる傾向にある。対して、オレフィン系樹脂の含有率が50質量%より大きい場合(オレフィン系エラストマーが50質量%未満)、バリア層13との層間接着性が失われ、高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こす可能性がある。
接着柔軟層12の厚さは、10〜90μmであり、好ましくは20〜80μmである。厚さが10μm未満の場合、安定した層間接着性を確保し難い傾向にある。一方、厚さが90μmより大きい場合、厚すぎるために、ハンドリング性が低下する傾向にある。
[外層]
外層11は、熱可塑性樹脂を用いてなるものである。特に、本発明の多層フィルムに付加価値を付与でき、且つ二次成型性や深絞り成型性に優れる、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン及びラミネート用接着性樹脂等を用いることが好ましい。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、特に融点の高いポリプロピレンを用いると多層フィルムの耐熱性が向上する傾向が見られるため好ましい。更に、ポリプロピレンを用いると、廃棄する際の環境負荷が他の樹脂と比較して少ない傾向が見られ好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの樹脂は、耐熱性や水蒸気バリア性に優れる他、本発明の多層フィルムに用いる場合、多層フィルムの引張強度が向上する傾向が見られるため好ましい。
ナイロンを用いると、突き刺し強度等が向上する傾向が見られるため好ましい。
ラミネート用接着性樹脂としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤、ウレタン系接着剤等が挙げられ、これらを外層に設けた場合、外層の上に更にアルミ箔やエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂フィルムなど遮光性や酸素バリア性を有する層を積層することが可能となる。
外層11の厚さは、50〜150μmであり、60〜100μmであることがより好ましい。厚さが50μm未満の場合、高圧蒸気滅菌に耐えることができず、多層フィルムが変形若しくは破損してしまう可能性がある。一方、150μmを越えると、多層フィルムを用いて包装容器を成型した際に、包装容器としての柔軟性を得難い傾向にある。
[その他の層]
本発明の多層フィルム10には、外層11の上に、上記アルミ箔及びエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂フィルムの他、透明蒸着フィルム等を設けることも可能である。また、本発明の趣旨を損なわない範囲で、バリア層13より外層11側の樹脂層に、紫外線吸収剤や酸素吸収剤などの各種添加剤を添加することも可能である。
[多層フィルムの製造]
多層フィルム10は、共押出しインフレーション法、共押出しTダイ法等、公知の方法を採用して成型することができる。
[包装容器の製造]
本発明の包装容器は、多層フィルム10より成型される容器と、蓋よりなる。本発明の包装容器の一例を図2に示す。図2に示される包装容器20は、多層フィルム10より成型される容器21と蓋22を有している。
蓋22には、アルミ箔、ポリエチレンテレフタレートフィルムやオレフィン系樹脂フィルムとアルミ箔とを熱ラミネートした積層フィルム、本発明の多層フィルムを薄肉化したフィルム等、ガスバリア性を有するものを用いることが好ましい。
本発明の包装容器20を成型するには、まず多層フィルム10を容器21の形に成型する。このとき、プレス成型、メンブレンプレス成型、真空成型、圧空成型及び真空・圧空成型等の方法を用いることができる。
次に、容器21内にシリンジなどの収納物24を収納し、その後蓋22で容器21の開口部を覆い、容器21のフランジ部23と蓋22の周縁部とを熱融着して包装容器20を得る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例での諸物性の測定は次の方法による。
[層間接着性]
121℃、20分高圧蒸気滅菌前、及び後の多層フィルムから25mm×150mmの短冊を切り出し、両面に同じ大きさの2軸延伸PETフィルムを接着させたものをサンプルとした。引っ張り試験機を用い、サンプルの両面に接着させたPETフィルムをチャックでつかみ、常温にて300mm/minの速さで180°剥離し、引っ張り応力の測定値と剥離面の目視観察により、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力1kgf/25mm以上、かつ、剥離面が凝集剥離している。
×:最大引張応力1kgf/25mm未満、又は、剥離面が界面剥離している。
―:測定不能
[ガスバリア性]
多層フィルムを袋状にヒートシールし、内部に酢酸を封止して、更にアルミバッグに封入した。常温で1カ月間放置した後アルミバッグを開封して、酢酸臭の有無を官能試験にて確認し、以下の基準で判定した。
○:酢酸臭を感じなかった。
×:刺激的な酢酸臭を感じた
―:測定不能
[透明性]
121℃、20分蒸気滅菌後の多層フィルムの光線(450nm)透過率を測定し、以下の基準で判定した。
○:450nm光線透過率が70%以上
×:450nm光線透過率が70%未満
―:測定不能
[ハンドリング性]
得られた多層フィルムから200×200mmのサンプルを5箇所採取し、しわ、カールの有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:しわ、カールの発生が総てのサンプルで見られない。
×:しわ、カールの発生が見られた。
[シール性]
多層フィルムから25mm×150mmの短冊状に切り出し、2枚の短冊の内層同士をヒートシール機で溶着(200℃、3.5sec)させたものをサンプルとした。引張試験機を用い、サンプルを常温にて300mm/分のスピードで180°剥離し、引張応力の測定値と剥離面の目視観察により、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力1kgf/25mm以上、かつ、剥離面が凝集剥離している。
×:最大引張応力1kgf/25mm未満、又は、剥離面が界面剥離している。
下記の実施例、及び比較例において、多層フィルムの成型に用いた樹脂を以下に示す。
尚、メルトフローレートはMFR、ガラス転移温度はTg、融点はMPと表記する。
樹脂(A):環状オレフィン系樹脂系樹脂「TOPAS(ティコナ社製)」(Tg80℃、密度1.02g/cm、メルトフローレート(MFR)3.5g/10mim(260℃))
樹脂(B):水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー(Tg80℃、密度0.89g/cm、MFR3.5g/10min(230℃))
樹脂(C):線状低密度ポリエチレン樹脂(MP115℃、密度0.921g/cm、MFR2.5g/10min(190℃))
樹脂(D):プロピレン−αオレフィン樹脂「ゼラス7023(三菱化学製)」(密度0.89g/cm、MFR2g/10min(230℃))
樹脂(E):リアクターポリプロピレン(MP144℃、密度0.885g/cm、MFR2.5g/10min(230℃))
樹脂(F):エチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体(Tg−52℃、密度0.88g/cm、MFR2.5g/10min(230℃))
樹脂(G):ポリプロピレン系樹脂(MP160℃、密度0.89g/cm、MFR2.6g/10min(230℃))
樹脂(H):ナイロン樹脂「5023FDX21(宇部興産製)」(MP196℃)
樹脂(I):ポリエステル系樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)
樹脂(J):ラミネート用接着性樹脂(α−オレフィン無水マレイン酸接着剤)
[実施例1]
表1に示す配合割合の樹脂を、内層、接着バリア層、バリア層、接着柔軟層及び外層にそれぞれ用い、押出機を用いて溶融させ、インフレーション装置を用いて、各層の厚さを表1に示される厚さにして多層フィルムを成型し、各評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2〜5、比較例1〜8]
実施例1と同様にして多層フィルムを成型し、各評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010105318
[比較例9]
表2に示す配合割合の樹脂を、内層、接着バリア層、バリア層、接着柔軟層及び外層にそれぞれ用い、押出機を用いて溶融させ、インフレーション装置を用いて、各層の厚さを表2に示される厚さにして多層フィルムを成型し、各評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例10〜18]
比較例9と同様にして多層フィルムを成型し、各評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010105318
表1の実施例1〜5より、本発明の多層フィルムの樹脂構成によれば、高圧蒸気滅菌を行っても、層間接着性に優れており、白色化することがなく透明性を有し、ガスバリア性にも優れている多層フィルムが得られるといえる。
また表2の実施例2より、多層フィルムの各層の厚さを本発明の多層フィルムの厚さにすれば、層間接着性、ガスバリア性及び透明性だけでなく、包装容器としてのハンドリング性や包装容器を成型する際の蓋とのシール性も優れるといえる。
本発明の多層フィルムは、医薬品、プレフィルドシリンジ等を包装するための包装容器を成型することができるものであり、ブリスターパック等として用いることができる。
本発明の多層フィルムの断面の模式図である。 本発明の包装容器の断面の模式図である。
符号の説明
10:多層フィルム
11:外層、12:接着柔軟層、13:バリア層、14:接着バリア層、15:内層
20:包装容器

Claims (2)

  1. 内層と、該内層の上に設けられた接着バリア層と、該接着バリア層の上に設けられたバリア層と、該バリア層の上に設けられた接着柔軟層と、該接着柔軟層の上に設けられた外層とを有し、
    内層が、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であり、
    接着バリア層が、5質量%以上70質量%未満の環状オレフィン系樹脂と、30質量%より大きく95質量%以下のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であり、
    バリア層が、70〜85質量%の環状オレフィン系樹脂と、15〜30質量%のスチレン系エラストマーとを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ30〜80μmの層であり、
    接着柔軟層が、5〜50質量%のオレフィン系樹脂と50〜95質量%のオレフィン系エラストマーを含有する混合樹脂を用いてなる、厚さ10〜90μmの層であり、
    外層が、熱可塑性樹脂を用いてなる、厚さ50〜150μmの層である多層フィルム。
  2. 請求項1に記載の多層フィルムの内層が容器の内面となるようにして成型される容器と、蓋よりなる包装容器。
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