JP7105559B2 - 液体状医薬品入り蓋付き容器 - Google Patents
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Description
白化樹脂層を有し、
上記白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、上記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する樹脂層である、
針刺検知用シート。
〈態様2〉上記白化樹脂層は、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有する樹脂の層である、〈態様1〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様3〉上記ハードセグメントは、ポリスチレン、結晶性ポリオレフィン、及びアクリロニトリル-スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上を含み、かつ
上記ソフトセグメントは、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、及び非晶性ポリオレフィンより成る群から選択される1種以上を含む、〈態様2〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様4〉上記白化樹脂層は、耐衝撃性ポリスチレン、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン、及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上の樹脂の層である、〈態様1〉~〈態様3〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様5〉上記白化樹脂層は、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、〈態様1〉~〈態様3〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様6〉上記白化樹脂層が着色されている、〈態様1〉~〈態様5〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様7〉上記白化樹脂層のL値が75以下である、〈態様6〉記載の針刺検知用シート。
〈態様8〉上記白化樹脂層に積層されているシーラント層又は接着層を更に有する、〈態様1〉~〈態様7〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様9〉上記シーラント層又は接着層が着色されている、〈態様8〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様10〉上記シーラント層又は接着層のL値が75以下である、〈態様9〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様11〉上記白化樹脂層に積層されている着色樹脂層を更に有する、〈態様1〉~〈態様7〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様12〉着色樹脂層を更に有し、上記白化樹脂層、上記着色樹脂層、及び上記シーラント層又は接着層の順に積層されている、〈態様8〉~〈態様10〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様13〉上記着色樹脂層のL値が75以下である、〈態様11〉又は〈態様12〉に記載の針刺検知用シート。
〈態様14〉蓋材である、〈態様1〉~〈態様13〉のいずれか一項に記載の針刺検知用シート。
〈態様15〉開口部を有する容器と、前記容器中に収納された液体状医薬品と、前記容器の前記開口部を密封する栓と、前記栓を覆う蓋材とを有する液体状医薬品入り蓋付き容器であって、
前記蓋材が〈態様14〉に記載の針刺検知用シートである、液体状医薬品入り蓋付き容器。
本発明の針刺検知用シートは、白化樹脂層を有し、この白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する樹脂層である。注射針の刃型「R・B」とは、刃面が通常の長さであることを意味する「Regular Bevel」の略であり、針先の角度は約12°である。
本発明の針刺検知用シートにおける白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する特性を有する。
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられるシーラント層は、針刺検知用シートを、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させて、輸液バッグ等の保存時にキャップを保護することができる。また、このシーラント層がイージーピール性を有する場合には、輸液バッグ等の使用時に針刺検知用シートを容易に剥離可能とすることができる。針刺検知用シートのシーラント層とキャップとの接着は、例えば熱融着等であってよい。
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられる接着層は、針刺検知用シートを、例えば輸液バッグ等のキャップに接着させて、輸液バッグ等の保存時にキャップを保護することができる。また、この接着層により、輸液バッグ等の使用時に針刺検知用シートを剥離可能とできてもよい。
本発明の針刺検知用シートにおいて任意的に用いられる着色樹脂層は、本発明の針刺検知用シートに針を刺したときに形成される針刺孔の周囲の白化領域を視覚的に目立つようにさせる機能を有する。
本発明の針刺検知用シートは、例えば、蓋材等に使用することができ、特に、液体状医薬品入り容器の蓋材として有用である。
本発明の液体状医薬品入り蓋付き容器は、
開口部を有する容器と、この容器中に収納された液体状医薬品と、この容器の開口部を密封する栓と、この栓を覆う蓋材とを有し、かつ、
蓋材が本発明の針刺検知用シートである。
本発明の針刺検知用シートは、原料樹脂をフィルム状に成形し、必要に応じて積層することにより、製造されてよい。
(針刺検知用シートの作製)
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のペレット(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」)を熱プレスして、厚み100μmのフィルムを作製し、これを白化樹脂層として用いた。
得られた針刺検知用シートに対して、注射針(テルモ(株)製、品名「NN-2138R」、ゲージ21G(0.80mm)、針長1+1/2インチ(38mm)、刃型R・B)を白化樹脂層側の面から刺して、針刺検知用シートを貫通する直径0.80mmの針刺孔を形成した。針刺孔形成後の針刺検知用シートを、L値60のグレーのゴム栓の上面から1mm離れた位置に配置した。この状態で、両目視力0.7の観察者が針刺検知用シートの針刺孔を視認できるかどうかを、観察距離2m、3m、及び4mにて調べ、以下の基準で評価した。結果は表1に示した。
針刺孔が明確に確認できた場合:A
針刺孔が視認可能であった場合:B
針刺孔が視認できなかった場合:C
耐熱性の評価は、図9に示した試料を用いて行った。すなわち、得られた針刺検知用シート(108)を50mm×50mmの正方形状に切り出し、直径25mmφ、高さ29mmの円柱状のゴム栓(60)の円形面上に、円周状に塗布した接着剤(70)により固定した。
針刺検知用シートに変形が見られなかった場合:A
針刺検知用シートは変形したが、シート面同士に溶着が見られなかった場合:B
針刺検知用シートが変形し、シート面同士が溶着した場合:C
白化樹脂層として、又は白化樹脂層に代えて、それぞれ、表1に示した樹脂のペレットを熱プレスして得た厚み100μmのフィルムを用いた他は実施例1と同様にして、白化樹脂層/シーラント層、又は樹脂層/シーラント層の層構成を有する針刺検知用シートを作製し、針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
白化樹脂層に代えて、表1に示した樹脂フィルムを使用した他は実施例1と同様にして、樹脂層/シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製し、針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
(針刺検知用シートの作製)
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のペレット(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」)を熱プレスして、厚み100μmのフィルムを作製し、これを白化樹脂層として用いた。この白化樹脂層に、着色樹脂層としてのクリーム色LDPE(東京インキ(株)製、品名「PEX 3110 CREAM」、L値76、厚み100μm)を接着剤で貼り付けた。次いで、クリーム色LDPEフィルム側の面上にシーラント層としてのイージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)を接着剤で貼り付けることにより、白化樹脂層/着色樹脂層/シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製した。
得られた針刺検知用シートを用いて、実施例1と同様にして針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
着色樹脂層として、それぞれ、表1に示した樹脂フィルムを使用した他は実施例4と同様にして、白化樹脂層/着色樹脂層/シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製し、針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
(針刺検知用シートの作製)
耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)のペレット(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」)に、黒色顔料((有)林ケミカル製、活性炭)を20質量%添加し、熱プレスにて厚み100μmのフィルムを作製し、これを着色された白化樹脂層として用いた。この着色された白化樹脂層のL値は30であった。
得られた針刺検知用シートを用いて、実施例1と同様にして針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
白化樹脂層に代えて、樹脂層として黒色LDPEフィルム(東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚み100μm)を用いた他は、実施例1と同様にして、樹脂層/シーラント層の構成を有する針刺検知用シートを作製し、針刺孔視認性及び耐熱性の評価を行った。結果は表1に示した。
各層のL値は、米国X-Rite社製の分光光度計、品名「SpectroEye」を用い、JIS Z8722準拠の方法により、D50光源を用いて、測定モードCIE Lab、観測視野角2°にて測定した。
HIPS:耐衝撃性ポリスチレン、東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」
ブロックPP:ポリプロピレン、ブロックコポリマータイプ、日本ポリプロ(株)製、品名「ノバテックPP BC3HF」
ABS:アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、デンカ(株)製、品名「デンカABSナチュラル」
クリーム色LDPE:東京インキ(株)製、品名「PEX 3110 CREAM」、L値76、厚み100μm
薄緑色LDPE:東京インキ(株)製、品名「PEX H-1522 GREEN」、L値74、厚み100μm
黒色LDPE:東京インキ(株)製、品名「PEX 3286 BLACK 3S」、L値30、厚み100μm
黒色HIPS:耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールHI H700自然色」)80質量部と、黒色顔料((有)林ケミカル製、活性炭)20質量%とのブレンド
GPPS:汎用ポリスチレン、透明、東洋スチレン(株)製、品名「トーヨースチロールMW1D」
白色LDPE:東京インキ(株)製、品名「PEX 6800 WHITE A」、厚み100μm
CMPS013C:イージーオープンフィルム(三井化学東セロ(株)製、品名「CMPS013C#30」)
11 着色された白化樹脂層
15 他の層
20 シーラント層
21 着色されたシーラント層
31 着色樹脂層
40 針刺孔
50 白化領域
60 ゴム栓
70 接着剤
100、101、102、103、104、105、106、107、108 針刺検知用シート
Claims (16)
- 開口部を有する容器と、前記容器中に収納された液体状医薬品と、前記容器の前記開口部を密封する栓と、前記栓を覆う蓋材とを有する液体状医薬品入り蓋付き容器であって、
前記蓋材は、白化樹脂層を有する針刺検知用シートから成り、
前記白化樹脂層は、ハードセグメントを含む連続相と、ソフトセグメントを含む分散相とから構成される海島型ミクロ相分離構造を有し、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が白化する樹脂の層である、液体状医薬品入り蓋付き容器。 - 前記ハードセグメントは、ポリスチレン、結晶性ポリオレフィン、及びアクリロニトリル-スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上を含み、かつ
前記ソフトセグメントは、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、及び非晶性ポリオレフィンより成る群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。 - 開口部を有する容器と、前記容器中に収納された液体状医薬品と、前記容器の前記開口部を密封する栓と、前記栓を覆う蓋材とを有する液体状医薬品入り蓋付き容器であって、
前記蓋材は、白化樹脂層を有する針刺検知用シートから成り、
前記白化樹脂層は、注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が白化する樹脂の層であり、
前記白化樹脂層に積層されている着色樹脂層を更に有する、
液体状医薬品入り蓋付き容器。 - 前記着色樹脂層のL値が75以下である、請求項3に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層は、直径0.80mm、刃型R・Bの注射針を刺して針刺孔を形成したときに、前記針刺孔の周囲が0.2mm以上の幅で白化する樹脂層である、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層は、耐衝撃性ポリスチレン、ブロックコポリマータイプのポリプロピレン、及びアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体より成る群から選択される1種以上の樹脂の層であり、
前記ブロックコポリマータイプのポリプロピレンは、ハードセグメントとしてポリプロピレンを含む連続相中に、ソフトセグメントとして非晶性ポリエチレンを含む分散相を有し、これら連続相と分散相との界面に、相溶化剤としてのエチレン-プロピレンゴムを有する構造である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。 - 前記白化樹脂層は、ブロックコポリマータイプのポリプロピレンの層である、請求項6に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層は、耐衝撃性ポリスチレンの層である、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層は、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体の層である、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層が着色されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層のL値が75以下である、請求項10に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層に積層されているシーラント層又は接着層を更に有する、請求項1又は2に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層に積層されているシーラント層又は接着層を更に有する、請求項3又は4に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記白化樹脂層、前記着色樹脂層、及び前記シーラント層又は接着層の順に積層されている、請求項13に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記シーラント層又は接着層が着色されている、請求項12~14のいずれか一項に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
- 前記シーラント層又は接着層のL値が75以下である、請求項15に記載の液体状医薬品入り蓋付き容器。
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