JP2020021765A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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隆一郎 上村
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秀樹 櫻井
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Abstract

【課題】窒化ガリウムを含む半導体層に対して、低ダメージでエッチングを行い、より信頼性の高い半導体素子を提供する。【解決手段】上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る半導体素子の製造方法は、窒化ガリウムを含む半導体層に3.2×10−4W/cm2以上1.6×10−2W/cm2未満のバイアス電位を印加し上記半導体層の表面にエッチングガスのプラズマを発生させながら上記半導体層の一部を除去することを含む、上記半導体層は、200℃より高く500℃以下の温度でアニールされる。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子の製造方法に関する。
窒化ガリウムを含む半導体層を用いたパワーデバイスの代表的なものに、縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等がある(例えば、特許文献1参照)。該デバイスの実現は、次世代パワーデバイスを牽引する技術として期待されている。
このようなデバイスを製造するプロセスの1つとして、エッチングプロセスがある。エッチングプロセスでは、窒化ガリウムを含む半導体層の表面に対してエッチングプラズマを発生させて、該半導体層の一部を選択的に除去する。
特開2017−108192号公報
上記のエッチングプロセスでは、窒化ガリウムを含む半導体層に対して、いかにして低ダメージでエッチングをするかが重要になる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、窒化ガリウムを含む半導体層に対して、低ダメージでエッチングを行い、より信頼性の高い半導体素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る半導体素子の製造方法は、窒化ガリウムを含む半導体層に3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満のバイアス電位を印加し上記半導体層の表面にエッチングガスのプラズマを発生させながら上記半導体層の一部を除去することを含む、上記半導体層は、200℃より高く500℃以下の温度でアニールされる。
このような半導体素子の製造方法であれば、窒化ガリウムを含む半導体層に低バイアス電位が印加されながら半導体層の表面がエッチングガスのプラズマによってエッチングされ、その後、半導体層が200℃より高く500℃以下の温度でアニールされることで、窒化ガリウムを含む半導体層の被エッチング面にダメージが入りにくくなる。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記半導体層を窒素雰囲気でアニールしてもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、半導体層が窒素雰囲気でアニールされることで、エッチングによって形成されると考えられる窒素欠損が抑制され、その抑制された窒化ガリウムを含む半導体層が形成される。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記プラズマを誘導結合方式により発生させてもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、エッチングプラズマをバイアス電位とは独立して誘導結合方式により発生させることができるので、エッチングプラズマから半導体層に入射するイオンのエネルギーを制御しやすくなる。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記誘導結合方式で用いられる放電電極に、100W以上500W以下の放電パワーを投入してもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、誘導結合方式で用いられる放電電極に、100W以上500W以下の放電パワーが投入されることで、適切なエッチングレートが得られ、さらに、上記バイアス電位を半導体層に印加しても、プラズマ密度が適切な範囲に制御され半導体層がエッチングプラズマによってダメージを受けにくくなる。
上記の半導体素子の製造方法においては、エッチングガスとして、塩素を含むガスを用いてもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、窒化ガリウムを含む半導体層が塩素を含むガスによって効率よくエッチングされる。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記半導体層の一部の除去と、上記アニールとを同一の処理チャンバーで行ってもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、半導体層への汚染や、大気とエッチング表面との反応が防止される。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記第1のバイアス電位を印加する前に、上記第1のバイアス電位よりも高い第2のバイアス電位を印加してもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、エッチング処理が速くなるとともに、最終的に半導体層表面がダメージを受けにくくなる。
上記の半導体素子の製造方法においては、上記第2のバイアス電位から上記第1のバイアス電位にかけて多段的にバイアス電位を減少させてもよい。
このような半導体装置の製造方法であれば、多段的なバイアス電位印加によって最終的に形成されるGaN層表面がダメージを受けにくくなる。
以上述べたように、本発明によれば、窒化ガリウムを含む半導体層に対して、低ダメージでエッチングが行われ、より信頼性の高い半導体素子が提供される。
図(a)は、本実施形態に係るエッチング装置の概略断面図である。図(b)は、本実施形態に係るエッチング装置の概略上面図である。 本実施形態に係る半導体素子の製造方法が利用される半導体素子の一例である。 図(a)及び図(b)は、本実施形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す概略断面図である。図(c)は、比較例に係る半導体素子の製造方法を示す概略断面図である。 本実施形態に係る別の半導体素子の製造方法の一例を示す概略断面図である。 SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。 SBD素子に逆バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。 SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。 図(a)は、SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。図(b)は、SBD素子に逆バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。まず、半導体素子を製造する上で使用されるエッチング装置について説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るエッチング装置の概略断面図である。図1(b)は、本実施形態に係るエッチング装置の概略上面図である。
エッチング装置(ドライエッチング装置)100は、真空槽10と、支持台20と、プラズマ発生源30と、ガス供給源40と、バイアス供給源50と、隔壁(防着板)60とを具備する。
真空槽10は、減圧状態を維持可能な容器である。真空槽10は、本体(チャンバ本体)11と、天板(蓋部)12とを有する。本体11は、例えば、隔壁60を囲む。隔壁60は、支持台20を囲む。天板12は、支持台20に対向する。天板12及び隔壁60によってプラズマ形成空間10pが画定される。
真空槽10には、例えば、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ(不図示)が接続されている。この真空ポンプによって真空槽10内の雰囲気が所定の圧力に維持される。本体11は、例えば、導電材料で構成される。天板12は、石英等の透明絶縁材料で構成される。真空槽10には、真空槽10内の圧力を計測する圧力計(不図示)が設置されている。
真空槽10内には、基板S1を支持する支持台20が設置されている。支持台20上の基板S1は、エッチング対象物であり、例えば、直径が8インチの半導体ウェーハである。半導体ウェーハは、例えば、窒化ガリウム結晶層の上に、窒化ガリウムをエピタキシャル成長させた積層体、サファイア基板上に窒化ガリウム層を形成した積層体、及びシリコン基板上に窒化ガリウムを形成させた積層体等のGaNウェーハである。
支持台20の大部分は、導電体により構成される。支持台20において、基板S1が載置される面は、導電体でもよく、絶縁体でもよい。例えば、支持台20において、基板S1が載置される面には、静電チャックが設置されてもよい。
支持台20には、基板S1にバイアス電位(P)が供給されるように、バイアス供給源50が接続されている。例えば、図1(a)には、バイアス供給源50として、交流電源(高周波電源)が示されている。バイアス供給源50は、直流電源であってもよい。さらに、支持台20には、基板S1の温度を所定の温度に設定する温調器21が設置されてもよい。
これにより、エッチング装置1においては、基板S1にバイアス電位を印加しながら、基板S1をエッチングすることができる。すなわち、エッチング装置1は、ICP−RIE装置として機能する。
プラズマ発生源30は、プラズマ発生用の高周波コイル(アンテナ)31と、星型電極33と、高周波コイル31及び星型電極33に接続された高周波電源32と、高周波コイル31と星型電極33との間に設けられた永久磁石34とを有する。高周波コイル31及び星型電極33は、放電電極として機能する。
図1(a)、(b)には、一例として誘導結合方式のプラズマ発生源30が示されている。本実施形態に係るプラズマ源は、誘導結合方式のプラズマ源に限らず、ECR(Electron Cyclotron Resonance)、ヘリコン波励起プラズマ(Helicon Wave Plasma)等を利用したプラズマ源でもよい。
高周波コイル31は、例えば、天板12上で旋回している。例えば、高周波コイル31は、2周旋回している。高周波コイル31の直径は、200mm以上260mm以下である。高周波コイル31の旋回数、星型電極33の本数、及び永久磁石34の個数は、図示する数に限らない。高周波電源32は、例えば、RF電源である。高周波コイル31と高周波電源32との間には、整合回路部が設けられてもよい。
例えば、プラズマ形成空間10pにガス供給源40からエッチングガスが導入され、高周波電源32から高周波コイル31及び星型電極33に放電電力が供給されると、プラズマ形成空間10pにプラズマが形成される。Z軸方向からエッチング装置1を上面視した場合、プラズマは、基板S1の面積よりも大きく形成される。
本実施形態では、プラズマを誘導結合方式により発生させることから、プラズマ形成空間10pには、低圧でも高密度のプラズマ(以下、低圧高密度プラズマ)が発生する。また、プラズマ発生源30は、星型電極33を有するので、プラズマ形成空間10pでは、X−Y軸平面におけるプラズマ密度が均一になる。
また、エッチング装置1によれば、プラズマ発生源30によって、プラズマをバイアス電位とは独立して誘導結合方式によりプラズマ形成空間10pに発生させることができる。これにより、プラズマから半導体層に入射するイオンのエネルギーを制御しやすくなる。
エッチングガスとしては、ハロゲンを含むガスが用いられる。例えば、エッチングガスとして、Cl、BCl、SiCl、及びCHCl等の少なくともいずれかが用いられる。これらハロゲン含有ガスには、不活性ガス(Ar,He等)が混合されてもよい。また、プラズマ形成空間10pの支持台20が対向する位置に、ガス供給源40と繋がった環状ノズル、シャワープレート等が配置されてもよい。
さらに、本実施形態では、GaNを含む半導体層をエッチングした後、該半導体層を窒素雰囲気で200℃より高く500℃以下の低温アニール処理を行う。ここで、アニール処理を窒素雰囲気で実施する目的は、例えば、エッチングによって形成されると考えられる窒素欠損が抑制され、その抑制された窒化ガリウムを含む半導体層が形成されるためである。
図2(a)及び図2(b)は、本実施形態に係る半導体素子の製造方法が利用される半導体素子の一例である。
図2(a)示す半導体素子100は、縦型のMOSFETである。半導体素子100においては、ドレイン電極101に、n形GaN基板102(ドレイン領域)が電気的に接続される。n形GaN基板102上には、n形GaN層103(ドリフト領域)が設けられる。n形GaN層103上には、p形GaN層104(ベース領域)が設けられる。p形GaN層104の表面には、選択的にn形GaN層105(ソース領域)が設けられる。
p形GaN層104及びn形GaN層105の上には、層間絶縁層106が設けられる。層間絶縁層106からは、n形GaN層105及びp形GaN層104を貫通し、n形GaN層103にまで到達するゲート電極107(トレンチゲート)が設けられる。ゲート電極107とn形GaN層105との間、ゲート電極107とp形GaN層104との間、ゲート電極107とn形GaN層103との間、層間絶縁層106とp形GaN層104との間、及び層間絶縁層106とn形GaN層105との間には、ゲート絶縁膜108が設けられる。
ゲート電極107には、層間絶縁層106を介してゲート配線109が電気的に接続されている。n形GaN層105には、層間絶縁層106を介してソース電極110が電気的に接続されている。
図2(b)に示す半導体素子200は、SBD(Schottky Barrier Diode)である。半導体素子200においては、オーミック電極201に、n形GaN基板202がオーミック接続される。n形GaN基板202上には、n形GaNバッファ層203が設けられる。n形GaNバッファ層203上には、n形GaN層204が設けられる。n形GaN層204には、ショットキー電極205がショットキー接続される。
エッチング装置1を利用した、半導体素子100、200の製造プロセスを以下に説明する。
図3(a)及び図3(b)は、本実施形態に係る半導体素子の製造方法の一例を示す概略断面図である。図3(c)は、比較例に係る半導体素子の製造方法を示す概略断面図である。図3(a)〜図3(c)には、半導体素子100を製造するプロセスの中で、ゲート電極107を埋め込むトレンチを形成する様子が示されている。
図3(a)に示すように、n形GaN層103/p形GaN層104/マスク層300を含む積層体が予め準備される。マスク層300は、p形GaN層104上に選択的に設けられる。マスク層300の開口幅は、ゲート電極107の幅にゲート絶縁膜108の幅を足し合わせた長さになっている。
次に、p形GaN層104及びn形GaN層103に、3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満の低バイアス電位が印加される。さらに、マスク層300から開口されたp形GaN層104の表面にエッチングガスによるプラズマが晒される。
例えば、高周波電源32から、放電電極(高周波コイル31及び星型電極33)に100W以上500W以下の放電パワーが投入される。このとき、真空槽10の圧力は、0.2Pa以上2Pa以下に設定される。エッチング対象物(積層体)の温度は、−20℃以上200℃以下に設定される。
これにより、マスク層300から開口されたp形GaN層104が選択的にエッチングされ、p形GaN層104にトレンチ107tが形成される。さらに、p形GaN層104から開放されたn形GaN層103の表面もプラズマによってエッチングされて、p形GaN層104の表面からn形GaN層103の内部途中にまで到達したトレンチ107tが形成される(図3(b))。この後、トレンチ107tの内壁及びp形GaN層104上には、ゲート絶縁膜108が形成され、さらに、トレンチ107tには、ゲート絶縁膜108を介してゲート電極107が形成される。
ここで、図3(c)には、エッチングの際、p形GaN層104及びn形GaN層103に、例えば、図3(a)、(b)よりも高い0.2W/cmのバイアス電位が印加された例が示されている。このような場合には、バイアス電位によってプラズマからトレンチ107tに引き込まれるイオンのエネルギーが増大してしまう。従って、被エッチング面(トレンチ107tの内壁)がダメージDMを受けやすくなる。
このようなダメージDMは、窒素雰囲気で900℃以上の高温アニール処理によって、ある程度は修復できる。しかし、半導体素子の生産性を向上させるには、このような高温アニールはなるべく回避することが望ましい。
これに対し、本実施形態では、p形GaN層104及びn形GaN層103に、3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満の低バイアス電位を印加しながら、p形GaN層104及びn形GaN層103をエッチングしている。
また、エッチングの際には、放電電極に100W以上500W以下の放電パワーを投入するので、適切なエッチングレートが得られる。さらに、上記バイアス電位がp形GaN層104及びn形GaN層103に印加されても、プラズマ密度が適切な範囲に制御されているので、GaN層がプラズマによってダメージを受けにくくなる。これにより、図3(b)の例では、比較例(図3(c))に比べて、ダメージの少ない被エッチング面が形成される。
なお、GaN層のダメージが許容できる範囲において、p形GaN層104及びn形GaN層103に、3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満の低バイアス電位(第1のバイアス電位)を印加する前または後、または前後に、これよりも高い高バイアス電位(第2のバイアス電位)を印加することもでき、エッチング終了時の条件が低バイアス電位に設定されていればよい。
このような製造プロセスにより、エッチング処理が速くなるとともに、最終的にGaN層表面がダメージを受けにくくなる。さらに、高バイアス電位から低バイアス電位にかけて、多段的にバイアス電位を減少させてもよい。また、高バイアス電位から低バイアス電位にかけて、連続的にバイアス電位を減少させてもよい。このような製造プロセスにより、多段的なバイアス電位印加によって最終的に形成されるGaN層表面がダメージを受けにくくなる。
さらに、ダメージが抑制された被エッチング面を窒素雰囲気で200℃より高く500℃以下の低温アニール処理を施すことにより、p形GaN層104及びn形GaN層103の被エッチング面がGaN結晶に近い状態に修復される。ここで、アニール温度が200℃以下になると、充分なアニール効果が得られなくなる可能性があるので好ましくない。さらに、300℃以上とすることで十分なアニール効果を得ることができて好ましい。また、アニール温度が500℃より高くなると、生産性が向上しないので好ましくない。
また、この一連のエッチングとアニール処理は、同一の真空処理装置内で処理するとなお好ましい。エッチング後、GaN結晶を大気に晒してアニール装置に移すと、GaN結晶への汚染や、大気とエッチング表面との反応がおきてしまう。つまり、別チャンバーでin−situ処理または同一チャンバーで行うと、汚染、大気とエッチング表面との反応を防ぐことができる。さらに生産性も向上する。
また、図4(a)〜図4(c)は、本実施形態に係る別の半導体素子の製造方法の一例を示す概略断面図である。図4(a)〜図4(c)には、半導体素子200を製造するプロセスの中で、n形GaN層204上にショットキー電極205が形成される様子が示されている。
ショットキー電極205を形成する前のn形GaN層204の表面には自然酸化膜204nが形成されている場合がある(図4(a))。この自然酸化膜204nを除去するために、表面処理を行う。
例えば、n形GaN層204に、3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満の低バイアス電位を印加しつつ、n形GaN層204の表面にエッチングガスによるプラズマを晒す。
これにより、n形GaN層204の表面がエッチングされるが、n形GaN層204の表面においてダメージの少ない被エッチング面が形成される(図4(b))。
さらに、n形GaN層204を窒素雰囲気で200℃より高く500℃以下の低温アニール処理を施すことにより、n形GaN層204の被エッチング面がGaN結晶に近い状態に修復される。この後、n形GaN層204上に、ショットキー電極205が形成される(図4(c))。
このように、本実施形態では、窒化ガリウムを含む半導体層に低バイアス電位を印加しつつ、該半導体層の表面にエッチングガスのプラズマを発生させて、該半導体層の一部をエッチングにより除去する。この後、該半導体層を低温でアニール処理する。
このような半導体素子の製造方法であれば、窒化ガリウムを含む半導体層の被エッチング面にダメージが入りにくくなる。さらに、被エッチング面にダメージが入ったとしても、低温アニールにより、被エッチング面がGaN結晶に近い状態に修復される。この結果、信頼性が高い半導体素子が形成され、低温でのアニール修復が可能になり半導体素子の生産性が向上する。
本実施形態の効果をSBD素子の特性から確認した。例えば、半導体素子200を条件を変えて複数作製し、それぞれの半導体素子200の特性を確認した。具体的には、n形GaN層204上にショットキー電極205を形成する前のn形GaN層204をエッチングする工程において、n形GaN層204に印加されるバイアス電位を変えた場合、SBD素子の特性がどのように変わるのかを確認した。
図5は、SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。図5の横軸は、電圧(V)であり、縦軸は、電流密度(A/cm)である。SBD素子の構成は、半導体素子200の構成と同じである。ショットキー電極205の材料は、ニッケルである。基板S1としては、直径が8インチのGaNウェーハを用いている。
図5には、バイアス電位(P)として、60W(0.2W/cm)、15W(4.8×10−2W/cm)、5W(1.6×10−2W/cm)、2.5W(8.0×10−3W/cm)のそれぞれの条件が例示されている。図中の「As−grown」とは、n形GaN層204を成長させた直後にショットキー電極205を形成した例を意味する。つまり、「As−grown」条件では、ショットキー電極205を形成する前にn形GaN層204のエッチング処理がなく、n形GaN層204がショットキー電極205に接する面において、GaN結晶状態が維持されている。それぞれのエッチング量は、200nmである。放電電力は、200Wである。また、図5に示す条件では、エッチング後のアニール処理は行っていない。
図5に示すように、As−grown状態からバイアス電位が高くなるにつれ、順バイアス電圧に対しての電流密度の立ち上がりがより急峻になる。このI−V曲線から、それぞれのバイアス電位でのショットキー障壁φ(eV)を計算すると、60W(0.2W/cm)では、0.60eV、15W(4.8×10−2W/cm)では、0.76eV、5W(1.6×10−2W/cm)では、0.80eV、2.5W(8.0×10−3W/cm)では、0.82eV、As−grown状態では、0.94eVになることが分かった。すなわち、バイアス電位が高くなるにつれ、ショットキー障壁が低くなることが分かった。
図5の結果から、例えば、バイアス電位が高くなるほど、n形GaN層204の被エッチング面がダメージを受けやすく、GaN半導体の禁制帯に欠陥順位がより多く形成されると考えられる。この現象は、次に示す逆バイアス電圧をSBD素子に印加したときの結果からも理解される。
図6は、SBD素子に逆バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。
図6に示すように、As−grown状態からバイアス電位が高くなるにつれ、逆バイアス電圧に対しての電流密度が相対的に高くなることが分かった。これは、バイアス電位が高くなるほど、SBD素子におけるリーク電流が大きくなることを意味している。
しかし、図6の結果から分かるように、エッチング後に窒素雰囲気でのアニール処理を行うと、電流密度が相対的に低くなり、リーク電流が抑制できることが分かった。但し、バイアス電位が60W(0.2W/cm)になると、600℃でのアニール処理では電流密度がほとんど下がらなかった。この場合、900℃でのアニール処理によって電流密度が下がることが分かった。
これに対して、バイアス電位が15W(4.8×10−2W/cm)になると、600℃程度のアニール処理によって、I−V曲線がAs−grown状態に近づくことが分かった。
図7は、SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。図7には、エッチング量(エッチング深さ)を変えたときのSBD素子のI−V曲線が示されている。図7に示す条件では、エッチング後のアニール処理は行っていない。
図7に示すように、As−grown状態からエッチング量を増加するにつれ、順バイアス電圧に対しての電流密度が相対的に高くなることが分かった。これは、エッチング量が高くなるほど、SBD素子におけるショットキー障壁(eV)が減少することを意味する。換言すれば、n形GaN層204がプラズマによってエッチングされる以上、被エッチング面は、As−grown状態と同じショットキー障壁を持たないことを意味する。
図8(a)は、SBD素子に順バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図であり、図8(b)は、SBD素子に逆バイアス電圧を印加したときの電圧と電流との関係を示すグラフ図である。図8(a)、(b)には、バイアス電位(P)が2.5W(8.0×10−3W/cm)で、エッチング量を20nmとしたときに、400℃の低温アニールを行わない場合と、400℃の低温アニールを行う場合の特性の違いが示されている。なお、低温アニールは、窒素雰囲気で行っている、また、図8(a)、(b)では、I−V測定を複数回スキャンした都合上、同じ条件で複数の線が描かれている。
図8(a)に示すように、バイアス電位(P)が2.5W(8.0×10−3W/cm)、エッチング量が20nmのときには、順バイアス電圧に対しての電流密度がAs−grown状態に比べて相対的に高くなる。但し、エッチング後に、400℃での低温アニールを行うことで、I−V曲線がAs−grown状態とほぼ重なることが分かった。
また、図8(b)に示すように、バイアス電位(P)が2.5W(8.0×10−3W/cm)、エッチング量が20nmのときには、逆バイアス電圧に対しての電流密度がAs−grown状態に比べて相対的に高くなる。但し、エッチング後に、400℃での低温アニールを行うことで、I−V曲線がAs−grown状態とほぼ重なることが分かった。
すなわち、GaNを含む半導体層をエッチングする際には、バイアス電位(P)を2.5W(8.0×10−3W/cm)に制御し、その後、400℃での低温アニールを行うことで、As−grown状態とほぼ同じ状態に修復されることが分かった。
このように、GaNを含む半導体層をエッチングするには、3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満のバイアス電位を印加した後、該半導体層を200℃より高く500℃以下という低温でアニールすることが好ましい。特に、半導体層に、2.5W(8.0×10−3W/cm)のバイアス電位を印加し、400℃での低温アニールを行うことで、最適な結果が得られることが分かった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。各実施形態は、独立の形態とは限らず、技術的に可能な限り複合させることができる。
1…エッチング装置
10…真空槽
10p…プラズマ形成空間
11…本体
12…天板
20…支持台
21…温調器
30…プラズマ発生源
31…高周波コイル
32…高周波電源
33…星型電極
34…永久磁石
40…ガス供給源
50…バイアス供給源
60…隔壁
100、200…半導体素子
101…ドレイン電極
102…n形GaN基板
103…n形GaN層
104…p形GaN層
105…n形GaN層
106…層間絶縁層
107…ゲート電極
107t…トレンチ
108…ゲート絶縁膜
109…ゲート配線
110…ソース電極
201…オーミック電極
202…n形GaN基板
202…n形GaN基板
203…n形GaNバッファ層
204…n形GaN層
204n…自然酸化膜
205…ショットキー電極
300…マスク層
S1…基板
DM…ダメージ

Claims (8)

  1. 窒化ガリウムを含む半導体層に3.2×10−4W/cm以上1.6×10−2W/cm未満の第1のバイアス電位を印加し前記半導体層の表面にエッチングガスのプラズマを発生させながら前記半導体層の一部を除去し、
    前記半導体層を200℃より高く500℃以下の温度でアニールする
    半導体素子の製造方法。
  2. 請求項1に記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記半導体層を窒素雰囲気でアニールする
    半導体素子の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記プラズマを誘導結合方式により発生させる
    半導体素子の製造方法。
  4. 請求項3に記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記誘導結合方式で用いられる放電電極に、100W以上500W以下の放電パワーを投入する
    半導体素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載された半導体素子の製造方法であって、
    エッチングガスとして、塩素を含むガスを用いる
    半導体素子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記半導体層の一部の除去と、前記アニールとを同一の処理チャンバーで行う
    半導体素子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記第1のバイアス電位を印加する前に、前記第1のバイアス電位よりも高い第2のバイアス電位を印加する
    半導体素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載された半導体素子の製造方法であって、
    前記第2のバイアス電位から前記第1のバイアス電位にかけて多段的にバイアス電位を減少させる
    半導体素子の製造方法。
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