JP2020014410A - アルコール飲料用バーニング感抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルコール飲料用のバーニング感抑制剤、及びアルコール飲料のバーニング感を抑する方法の提供。またアルコール飲料のバーニング感を抑制する効果を有するアルコール飲料ベースまたは割材、及びバーニング感が抑制されたアルコール飲料の提供。【解決手段】いずれもβ−シクロシトラールを有効成分として配合する。またアルコール飲料のバーニング感抑制方法は、β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料を調製する工程を有することを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、アルコール飲料用のバーニング感抑制剤、及びアルコール飲料のバーニング感を抑制する方法に関する。また本発明は当該バーニング感抑制剤を含有するアルコール飲料ベース、割材、及びアルコール飲料に関する。
従来より、酒の種類及び原材料の多様さから、多種多様なアルコール飲料が販売されている。アルコール飲料の具体例としては、醸造酒(ビール、日本酒、果実酒等)、蒸留酒(焼酎、ブランデー、ウイスキー、スピリッツ等)、リキュール(アルコール飲料に、ハーブ、梅などの果実やエキス、または糖類などを添加したもの)、発泡酒及び混成酒(合成清酒等)等が挙げられる。また、近年、アルコール飲料に果物の果汁、フレーバー、炭酸ガス等を添加したカクテル、チューハイまたはフィズなどの人気も高まっており、こうした消費者の嗜好にあった商品の増加により、アルコール飲料市場の拡大が続いている。
一方で、アルコール飲料には、アルコールに起因する口腔内から喉にかけて感じられる刺激感(バーニング感)が存在する。このバーニング感は、アルコール濃度が高いほど感じられるようになり、アルコール飲料が敬遠される原因ともなっている。
アルコール飲料のバーニング感を改善する方法としては、水、炭酸水または果汁などで希釈することで単純にアルコール濃度を低下させる方法の他に、甘味料や植物由来成分(エキスや精油)などを添加する方法などが採られている。具体的には、甘味料として、高甘味度甘味料であるシュクラロース、ソーマチン、アドバンテーム、またはラカンカ抽出物を添加する方法(特許文献1〜4)が;また植物由来成分として、キク科ヨモギ属に属するダバナから得られる精油(ダバナオイル)、クスノキ科に属するクロモジから得られる精油(クロモジ油)、またはモルトエキスを添加する方法(特許文献5〜7)が知られている。またその他、多糖類の一種であるヒアルロン酸を配合する方法(特許文献8)、調味料として使用されるアミノ酸塩(グルタミン酸ナトリウム)を配合する方法(特許文献9)も知られている。しかしながら、アルコールの濃度を低下させることなく、アルコール飲料のバーニング感を効果的に抑制できる方法はまだ十分に確立されているとはいえない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、アルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感を抑制するために好適に使用されるバーニング感抑制剤、及びバーニング感抑制方法を提供することを目的とする。また本発明は、アルコール飲料のバーニング感を抑制するために用いられるアルコール飲料ベース、割材、ならびにバーニング感が抑制されてなるアルコール飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、アルコール飲料にβ−シクロシトラールを添加することにより、アルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感が極めて少ない量で抑制できることを見出した。また、β−シクロシトラールは、柑橘果汁を含有するアルコール飲料に配合した場合でも、その果汁感を大きく損なうことなく、アルコールに起因するバーニング感を抑制することが確認された。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものであり、下記の実施形態を含有するものである。
項1.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用バーニング感抑制剤。
項2.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料ベース。
項3.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用割材。
項4.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料。
項5.β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料を調製する工程を有する、アルコール飲料のバーニング感抑制方法。
項1.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用バーニング感抑制剤。
項2.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料ベース。
項3.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用割材。
項4.β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料。
項5.β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料を調製する工程を有する、アルコール飲料のバーニング感抑制方法。
本発明のバーニング感抑制剤またはバーニング感抑制方法によれば、アルコール飲料を飲用した際に感じる口腔内や喉におけるアルコールに起因した刺激感(バーニング感)を緩和することができる。本発明のバーニング感抑制剤の有効成分であるβ−シクロシトラールは、アルコール飲料に対して微量添加するだけでバーニング感抑制効果を発揮するため、β−シクロシトラールが有する香気(シクロシトラール香)によってアルコール飲料の風味を損なう心配がない。また、本発明のバーニング感抑制剤またはバーニング感抑制方法は、レモンなどの柑橘類の果汁入りのアルコール飲料に適用した場合でも、果汁感に大きく影響を与えることなくバーニング感を抑制することができるため、果汁の風味を楽しむカクテル、チューハイまたはフィズ等のアルコール飲料にも広く適用することができる。このため、β−シクロシトラールを含有する本発明のアルコール飲料ベース、及び割材は、アルコール飲料のバーニング感を抑制するために、つまりバーニング感が抑制されたアルコール飲料を調製するために好適に用いることができる。
(I)アルコール飲料用バーニング感抑制剤
本発明のアルコール飲料用バーニング感抑制剤は、β−シクロシトラールを有効成分とすることを特徴とする。
本発明のアルコール飲料用バーニング感抑制剤は、β−シクロシトラールを有効成分とすることを特徴とする。
なお、本発明において、「バーニング感」とは、アルコールを含む飲料を飲用した際に口腔内と喉の奥で感じるアルコール固有の刺激感を意味する。アルコール飲料に含まれるアルコール含量に応じて強度に差はあるものの、アルコール固有の焼けるような感覚があるため、本発明ではこれを「バーニング感」と称する。本発明において「バーニング感抑制」とは、アルコール飲料を飲用した際に感じる上記バーニング感が緩和または低減することを意味する。つまり、「抑制」という用語には、緩和と低減の意味が含まれる。なお低減には、バーニング感が消失するまで低減する場合も含まれる。
本発明で用いるβ−シクロシトラールは、エンドウ豆、茶、チャイニーズシナモン、板海苔またはタバコなどの食品や嗜好品に広く含まれている香気成分である。当該β−シクロシトラールは商業的に入手することができ、制限されないものの、例えばAlfa Aesar製の含量90%以上のβ−シクロシトラールは富士フイルム和光純薬株式会社から入手することができる。
本発明が対象とするアルコール飲料は、飲用アルコール(エタノール)を含有する飲料である。アルコール含有量は制限されないものの、アルコール分3度(度は「V/V%」(容量%)を意味する。以下、同じ)以上、好ましくは5〜40度、更に好ましくは8〜30度である飲料(以下、「酒類」とも称する)である。なお、かかるアルコール飲料のアルコール度数(含有量)は、基本的にはアルコールの配合量から計算して求めることができるが、アルコールの配合量が不明など、計算により算出できない場合は国税庁所定検査法に基づき測定することができる。なお、国税庁所定検査法には、アルコライザー法、蒸留-密度(比重)法、浮ひょう法、振動式密度計法、及びガスクロマトグラフ分析法が含まれる(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/sonota/kaisei070622/01.pdf)。またアルコール飲料を充填した容器に当該アルコール飲料のアルコール度数が記載されている場合は、そのアルコール度数を真のアルコール含有量として推定することができる。アルコール飲料の種類、製法及び原料などに特に制限はなく、例えばビール、発泡酒、その他の発泡性酒類(いわゆる「新ジャンル」、および「ホップ及び一定の苦味料を原料としない酒類」)(https://www.nta.go.jp/taxes/sake/senmonjoho/kaisei/aramashi2017/index.pdf)、果実酒、日本酒等の醸造酒;焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒;蒸留酒や醸造酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒;さらにこれらの酒類に果汁、フレーバー、及び/または炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、及びチューハイ等を例示することができる。
本発明のバーニング感抑制剤におけるβ−シクロシトラールの含有量は、アルコール飲料に添加配合してバーニング感抑制効果を発揮することを限度として特に制限されず、100質量%以下の範囲から適宜設定調整することができる。また本発明のバーニング感抑制剤には、その効果を損なわない範囲で、β−シクロシトラールに加えて、他の食品原料や、製剤調製に必要な添加剤等を配合することもできる。例えば、賦形剤、増量剤、安定化剤、乳化剤、酸化防止剤、水溶性食物繊維、色素、香料、甘味料、ビタミン類、またはアミノ酸類等を制限なく例示することができる。本発明のバーニング感抑制剤の形態は、特に制限されず、必要に応じて製剤化に必要な添加剤等を用いて、例えば固体状(粉末状、顆粒状、錠剤状等)、液体状(溶液状)、または乳液状などの形態とすることができる。
アルコール飲料に配合する本発明のバーニング感抑制剤の割合は、アルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感が抑制できる割合であればよい。その限りにおいて特に制限されるものではないが、後述する実験例1の結果を踏まえると、アルコール飲料中のアルコール分1度(1容量%)あたりのβ−シクロシトラールの含有量、つまりアルコール分1度のアルコール飲料中のβ−シクロシトラールの濃度に換算して、0.01ppt以上、好ましくは0.015ppt以上、より好ましくは0.02ppt以上、特に好ましくは0.025ppt以上を挙げることができる。実験例1に示すように、β−シクロシトラールの含有量が多くなるにつれてバーニング感の緩和(低減)効果が高くなることから、上限値は特に制限されない。しかし、アルコール飲料に対して1ppm以上配合すると、β−シクロシトラールそのものの香りが出てくるため、アルコール飲料中のβ−シクロシトラールの含有量は1ppm未満とすることが好ましい。好ましくは800ppb以下、より好ましくは500ppb以下である。
本発明のバーニング感抑制剤は、後述するようにアルコール飲料、アルコール飲料ベース、または割材に添加配合して用いることができる。これらに対するバーニング感抑制剤の添加配合方法は、適宜選択することができ、制限されないものの、例えばバーニング感抑制剤を予め水、エタノールまたは含水エタノール等に溶解しておき、これを対象とするアルコール飲料、アルコール飲料ベース、または割材に添加配合し濃度調整することもできる。なお、予め溶解する際に使用する水、エタノールまたは含水エタノールとして、割材、アルコール飲料ベース、またはアルコール飲料の一部を用いることもできる。
(II)アルコール飲料ベース、割材、及びアルコール飲料
本発明のアルコール飲料ベース、割材、及びアルコール飲料はいずれもβ−シクロシトラールを含有するものである。β−シクロシトラールとして、前述するバーニング感抑制剤を含有するものであってもよい。
本発明のアルコール飲料ベース、割材、及びアルコール飲料はいずれもβ−シクロシトラールを含有するものである。β−シクロシトラールとして、前述するバーニング感抑制剤を含有するものであってもよい。
(アルコール飲料ベース)
アルコール飲料ベースは、例えばアルコール飲料を提供する店舗や自宅等で、各種の割材を用いて希釈して飲用するアルコール飲料のベースとして用いられるものである。制限はされないものの、例えば、水割り、お湯割り、炭酸割り、カクテル、フィズ、またはチューハイ等のアルコール飲料のベースとして使用される焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒;蒸留酒や醸造酒に糖類等の副原料を混合したリキュール等の混成酒等を好適に例示することができる。アルコール飲料ベースに対するβ−シクロシトラールの配合量は、最終的に調製されるアルコール飲料中に、β−シクロシトラールの量が、アルコール1容量%あたりに換算して0.01ppt以上、好ましくは0.015ppt以上、より好ましくは0.02ppt以上、特に好ましくは0.025ppt以上の割合で含まれるように設定することができる。なお、アルコールの度数にかかわらずアルコール飲料中のβ−シクロシトラール濃度が1ppm以上になると、β−シクロシトラール自体の香りがでてくる。このため、割材で希釈後のアルコール飲料中のβ−シクロシトラールの含有量が1ppm未満、好ましくは800ppb以下、より好ましくは500ppb以下になるように、アルコール飲料ベース中のβ−シクロシトラール濃度を設定することができる。
アルコール飲料ベースは、例えばアルコール飲料を提供する店舗や自宅等で、各種の割材を用いて希釈して飲用するアルコール飲料のベースとして用いられるものである。制限はされないものの、例えば、水割り、お湯割り、炭酸割り、カクテル、フィズ、またはチューハイ等のアルコール飲料のベースとして使用される焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒;蒸留酒や醸造酒に糖類等の副原料を混合したリキュール等の混成酒等を好適に例示することができる。アルコール飲料ベースに対するβ−シクロシトラールの配合量は、最終的に調製されるアルコール飲料中に、β−シクロシトラールの量が、アルコール1容量%あたりに換算して0.01ppt以上、好ましくは0.015ppt以上、より好ましくは0.02ppt以上、特に好ましくは0.025ppt以上の割合で含まれるように設定することができる。なお、アルコールの度数にかかわらずアルコール飲料中のβ−シクロシトラール濃度が1ppm以上になると、β−シクロシトラール自体の香りがでてくる。このため、割材で希釈後のアルコール飲料中のβ−シクロシトラールの含有量が1ppm未満、好ましくは800ppb以下、より好ましくは500ppb以下になるように、アルコール飲料ベース中のβ−シクロシトラール濃度を設定することができる。
当該本発明のアルコール飲料ベースによれば、飲用時に割材で1〜20倍程度、好ましくは1〜10倍程度に希釈することで、アルコールに起因するバーニング感が抑制されたアルコール飲料を調製することができる。斯くして調製されるアルコール飲料のアルコール度数は3度以上であることが好ましい。より好ましくは5度以上であり、特に好ましくは8度以上である。
(割材)
割材は、アルコール飲料ベースの希釈に用いるものである。割材として、制限されないものの、具体的には、水(ミネラル水、水素水、アルカリイオン水、海洋深層水などの飲用水が含まれる)、湯、氷、炭酸水、果汁、果汁入り飲料、牛乳、茶などの植物抽出液などを例示することができる。制限されないものの、通常、割材によるアルコール飲料ベースの希釈率は、アルコール飲料ベース1容量部に対して、割材を1〜20容量部、好ましくは1〜10容量部の割合で用いることができる。割材に対するβ−シクロシトラールの配合量は、割材でアルコール飲料ベースを希釈して最終的に調製されるアルコール飲料中に、β−シクロシトラールの量が、アルコール1容量%あたりに換算して0.01ppt以上、好ましくは0.015ppt以上、より好ましくは0.02ppt以上、特に好ましくは0.025ppt以上の割合で含まれるように設定することができる。なお、前述の通り、アルコールの度数にかかわらずアルコール飲料中のβ−シクロシトラール濃度が1ppm以上になると、β−シクロシトラール自体の香りがでてくる。このため、割材で希釈後のアルコール飲料中のβ−シクロシトラールの含有量が1ppm未満、好ましくは800ppb以下、より好ましくは500ppb以下になるように、割材中のβ−シクロシトラール濃度を設定することができる。
割材は、アルコール飲料ベースの希釈に用いるものである。割材として、制限されないものの、具体的には、水(ミネラル水、水素水、アルカリイオン水、海洋深層水などの飲用水が含まれる)、湯、氷、炭酸水、果汁、果汁入り飲料、牛乳、茶などの植物抽出液などを例示することができる。制限されないものの、通常、割材によるアルコール飲料ベースの希釈率は、アルコール飲料ベース1容量部に対して、割材を1〜20容量部、好ましくは1〜10容量部の割合で用いることができる。割材に対するβ−シクロシトラールの配合量は、割材でアルコール飲料ベースを希釈して最終的に調製されるアルコール飲料中に、β−シクロシトラールの量が、アルコール1容量%あたりに換算して0.01ppt以上、好ましくは0.015ppt以上、より好ましくは0.02ppt以上、特に好ましくは0.025ppt以上の割合で含まれるように設定することができる。なお、前述の通り、アルコールの度数にかかわらずアルコール飲料中のβ−シクロシトラール濃度が1ppm以上になると、β−シクロシトラール自体の香りがでてくる。このため、割材で希釈後のアルコール飲料中のβ−シクロシトラールの含有量が1ppm未満、好ましくは800ppb以下、より好ましくは500ppb以下になるように、割材中のβ−シクロシトラール濃度を設定することができる。
当該本発明の割材によれば、飲用時にアルコール飲料ベースを1〜20倍程度、好ましくは1〜10倍程度に希釈することで、アルコールに起因するバーニング感が抑制されたアルコール飲料を調製することができる。斯くして調製されるアルコール飲料のアルコール度数は3度以上であることが好ましい。より好ましくは5度以上であり、特に好ましくは8度以上である。
(アルコール飲料)
本発明が対象とするアルコール飲料は、β−シクロシトラールまたは前述するバーニング感抑制剤を含有することで、アルコールに起因するバーニング感が抑制されたアルコール飲料である。その種類、アルコール度数、及びβ−シクロシトラールの配合量は、前記(I)に記載の通りであり、当該記載はここに援用することができる。本発明のアルコール飲料には、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類やアップル、ピーチ、マンゴー等の果汁やフレーバーが添加配合されたカクテル、チューハイまたはフィズが含まれる。またその他、アルコール飲料に従来使用されている香料や着色料等を、本発明の効果を妨げない範囲で用いることができる。後述する実験例3に示すように、β−シクロシトラールを有効成分とする本発明のバーニング感抑制剤によれば、前記果汁やフレーバーを含有するアルコール飲料の果汁感を大きく損なうことなく、好ましくないバーニング感を有意に抑制することができる。言い換えると、果汁、または果汁とフレーバーを含有する本発明のアルコール飲料は、β−シクロシトラールを含有することで、好ましくないバーニング感は有意に抑制されながらも、果汁感を維持しており、風味良好な飲みやすいアルコール飲料であるということができる。
本発明が対象とするアルコール飲料は、β−シクロシトラールまたは前述するバーニング感抑制剤を含有することで、アルコールに起因するバーニング感が抑制されたアルコール飲料である。その種類、アルコール度数、及びβ−シクロシトラールの配合量は、前記(I)に記載の通りであり、当該記載はここに援用することができる。本発明のアルコール飲料には、レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘類やアップル、ピーチ、マンゴー等の果汁やフレーバーが添加配合されたカクテル、チューハイまたはフィズが含まれる。またその他、アルコール飲料に従来使用されている香料や着色料等を、本発明の効果を妨げない範囲で用いることができる。後述する実験例3に示すように、β−シクロシトラールを有効成分とする本発明のバーニング感抑制剤によれば、前記果汁やフレーバーを含有するアルコール飲料の果汁感を大きく損なうことなく、好ましくないバーニング感を有意に抑制することができる。言い換えると、果汁、または果汁とフレーバーを含有する本発明のアルコール飲料は、β−シクロシトラールを含有することで、好ましくないバーニング感は有意に抑制されながらも、果汁感を維持しており、風味良好な飲みやすいアルコール飲料であるということができる。
本発明が対象とするアルコール飲料は、好適にはそのまま飲用することが可能なアルコール飲料である。これらのアルコール飲料には、具体的には、工場で密閉容器詰めアルコール飲料として製造されるものが含まれる。この場合、飲用時にそのまま飲用してもよいし、氷を入れたり、レモンやカボスなどの果汁や果肉、または各種ハーブを入れて飲用することもできる。またアルコール飲料の種類によっては加温して飲用することもできる。なお、上記密閉容器としては、制限されないものの、金属製(アルミニウム製、スチール製)、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、及びパウチ容器等を例示することができる。また本発明が対象とするアルコール飲料には、飲食店舗内(または厨房内)でアルコール飲料ベースを割材で希釈して調製されるアルコール飲料であって、ガラス製のグラスや金属製の容器に入れて顧客に提供されるアルコール飲料も含まれる。
(III)アルコールのバーニング感抑制方法
本発明のアルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感の抑制方法は、β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料に調製することで実施することができる。制限されないものの、例えばアルコール飲料を製造する任意の段階でβ−シクロシトラールを添加配合する方法、前述するβ−シクロシトラールを含有するアルコール飲料ベースを割材で希釈してアルコール飲料を調製する方法、またはアルコール飲料ベースをβ−シクロシトラールを含有する割材で希釈してアルコール飲料を調製する方法などを、制限されることなく、例示することができる。β−シクロシトラールとして、そのものをそのまま使用してもよいし、また(I)に記載する本発明のバーニング感抑制剤を用いることもできる。ここで対象とするアルコール飲料の種類、アルコール度数、及びアルコール飲料へのβ−シクロシトラールの配合量は、前記(I)に記載の通りであり、当該記載はここに援用することができる。
本発明のアルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感の抑制方法は、β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料に調製することで実施することができる。制限されないものの、例えばアルコール飲料を製造する任意の段階でβ−シクロシトラールを添加配合する方法、前述するβ−シクロシトラールを含有するアルコール飲料ベースを割材で希釈してアルコール飲料を調製する方法、またはアルコール飲料ベースをβ−シクロシトラールを含有する割材で希釈してアルコール飲料を調製する方法などを、制限されることなく、例示することができる。β−シクロシトラールとして、そのものをそのまま使用してもよいし、また(I)に記載する本発明のバーニング感抑制剤を用いることもできる。ここで対象とするアルコール飲料の種類、アルコール度数、及びアルコール飲料へのβ−シクロシトラールの配合量は、前記(I)に記載の通りであり、当該記載はここに援用することができる。
アルコールに起因するバーニング感が抑制されているか否かは、後述する実験例で採用する官能評価試験を実施することで評価することができる。簡便には、β−シクロシトラールを配合したアルコール飲料(被験試料)のバーニング感が、β−シクロシトラールを配合しない対照試料(コントロール)のバーニング感よりも緩和若しくは低減している場合には、アルコール飲料にβ−シクロシトラールを配合することで、アルコール飲料のアルコールに起因するバーニング感が抑制したと判断することができる。なお、官能評価試験で評価するパネルは、味に関する官能評価試験についてよく訓練をうけた経験者であることが好ましく、通常5名以上、好ましくは7名以上の複数名で構成される。
以上、本明細書において「含む」または「含有する」という用語には、「からなる」及び「から実質的になる」という意味が包含される。
以下、本発明の内容を以下の実験例を用いて具体的に説明する。但し、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。以下の実験は、35±2℃に調整された常圧(大気圧)条件下の室内で実施した。なお、特に言及しない限り、「部」は「質量部」、「%」は「重量%」を意味するものとする。
実験例1 β−シクロシトラールによるアルコールに起因するバーニング感の抑制効果
β-シクロシトラールによるアルコールのバーニング感抑制効果を評価した。
β-シクロシトラールによるアルコールのバーニング感抑制効果を評価した。
(1)実験方法
イオン交換水と95容量%エタノール(日本アルコール販売:「特定アルコール トレーサブル95 1級」、以下、同じ。)を使用して、各種エタノール濃度(5容量%、10容量%、20容量%、40容量%)のエタノール水溶液を調製した。各エタノール水溶液に、1ppt〜1ppmの濃度になるようにβ-シクロシトラール(Alfa Aesar製の含量90%以上品:富士フイルム和光純薬株式会社。以下、同じ。)を添加して被験試料(アルコール飲料)とし、これらのアルコールに起因するバーニング感を評価した。
イオン交換水と95容量%エタノール(日本アルコール販売:「特定アルコール トレーサブル95 1級」、以下、同じ。)を使用して、各種エタノール濃度(5容量%、10容量%、20容量%、40容量%)のエタノール水溶液を調製した。各エタノール水溶液に、1ppt〜1ppmの濃度になるようにβ-シクロシトラール(Alfa Aesar製の含量90%以上品:富士フイルム和光純薬株式会社。以下、同じ。)を添加して被験試料(アルコール飲料)とし、これらのアルコールに起因するバーニング感を評価した。
バーニング感の評価は、味に関する官能評価について十分訓練を受けた経験1年以上のパネル8〜9名にて行った。具体的には、各パネルにイオン交換水で口を濯いだ後、各被験試料約20mlを口に含んで飲み喉の奥まで到達するまで保持した後、口腔内と喉の奥で感じる「焼けるような感覚」(バーニング感)を11点評価法(scoring method)にて評価してもらった。なお、各被験試料間での試験の間には、必ずイオン交換水でよく口を濯いでもらい、前被験試料の評価結果が影響しないように注意をしてもらった。11点評価は、イオン交換水(コントロール)のバーニング感を「0点」、各濃度のエタノール水溶液についてβ-シクロシトラール無添加区(ブランク)のバーニング感を「10点」とし、各被験試料のバーニング感が、それぞれ0点から10点の11段階のいずれの段階に該当するかを、各パネルに評価してもらった。また各パネルには0点から10点の11段階の各数値間の心理的感覚が等しくなるように判断するように依頼した。
(2)実験結果
結果を表1に示す。結果は各パネルの平均値を示す。いずれの試験区も、対Blank(無添加区)にてt−検定を行った結果、p<0.01であった。
結果を表1に示す。結果は各パネルの平均値を示す。いずれの試験区も、対Blank(無添加区)にてt−検定を行った結果、p<0.01であった。
この結果からわかるように、アルコール濃度5〜40容量%の範囲におけるアルコール飲料において、β-シクロシトラール濃度1ppt〜1ppmの範囲でアルコール由来バーニング感が有意に低減した。この結果を、アルコール飲料中のアルコール1容量%あたりのβ-シクロシトラール濃度(アルコール濃度1容量%のアルコール飲料中のβ-シクロシトラール濃度)に換算すると表2のようになる。
これからわかるように、アルコール分5〜40度(容量%)のアルコール飲料を対象とした場合、アルコール飲料中のアルコール1容量%に対してβ-シクロシトラールを少なくとも0.025ppt以上の濃度となるように添加することでアルコールに由来するバーニング感を有意に低減することができた。またこの結果から、アルコール分が40度(容量%)を超えるアルコール飲料は勿論、アルコール分が5度(容量%)を満たないアルコール飲料でも、β-シクロシトラールの添加によって、それらの飲料が有するアルコールによるバーニング感が抑制されると考えられる。またこの実験では、アルコール飲料中のアルコール1容量%に対するβ-シクロシトラールの上限値として200ppbの結果を示すが、β-シクロシトラールの濃度が増加するにつれて、アルコールのバーニング感を抑制する効果が高まる傾向があることから、当該上限値に制限されるものではない。
実施例2 焼酎水割りに対するバーニング感抑制効果
アルコール飲料として焼酎の水割り(アルコール濃度8容量%)を用いて、β-シクロシトラールのバーニング感抑制効果を評価した。
アルコール飲料として焼酎の水割り(アルコール濃度8容量%)を用いて、β-シクロシトラールのバーニング感抑制効果を評価した。
(1)実験方法
β-シクロシトラールを95容量%エタノールで希釈して、0.1質量%、1ppm及び1ppb濃度のβ-シクロシトラール含有エタノールを調製し、これらを本発明のバーニング感抑制剤とした。これらのバーニング感抑制剤を、アルコール分が20容量%である麦焼酎(アルコール飲料ベース)に添加し、割材として飲用水を用いて希釈して、アルコール終濃度が8容量%、β-シクロシトラールの最終濃度が1ppt〜1ppmの焼酎水割りを調製した。これらの焼酎水割りを被験試料とし、アルコールに起因するバーニング感を評価した。
β-シクロシトラールを95容量%エタノールで希釈して、0.1質量%、1ppm及び1ppb濃度のβ-シクロシトラール含有エタノールを調製し、これらを本発明のバーニング感抑制剤とした。これらのバーニング感抑制剤を、アルコール分が20容量%である麦焼酎(アルコール飲料ベース)に添加し、割材として飲用水を用いて希釈して、アルコール終濃度が8容量%、β-シクロシトラールの最終濃度が1ppt〜1ppmの焼酎水割りを調製した。これらの焼酎水割りを被験試料とし、アルコールに起因するバーニング感を評価した。
バーニング感の評価は、実験例1と同様に、官能評価について十分訓練を受けた経験1年以上のパネル7名にて11点評価法に従って実施した。11点評価法は、イオン交換水(コントロール)のバーニング感を「0点」、アルコール濃度8容量%の焼酎水割りのβ-シクロシトラール無添加区(ブランク)のバーニング感を「10点」とし、各被験試料のバーニング感が、それぞれ0点から10点の11段階のいずれの段階に該当するかを、各パネルに評価してもらった。
(2)実験結果
結果を図1に示す。結果はパネルの平均値を示す。棒グラフ上のバーは標準偏差を示す。β-シクロシトラールを添加した全ての被験試料(β-シクロシトラール濃度:1ppt〜1ppm)においてバーニング感の低減が見られた。ただし、β-シクロシトラール濃度が1ppmになるとシクロシトラール自体の香りが焼酎水割りの風味に影響することが確認された。このため、アルコール8容量%焼酎水割りに対してβ-シクロシトラール濃度を1ppt〜100ppbにすることが好ましい。これをアルコール1容量%あたりのβ−シクロシトラール濃度に換算すると、0.125ppt〜12.5ppbになる。
結果を図1に示す。結果はパネルの平均値を示す。棒グラフ上のバーは標準偏差を示す。β-シクロシトラールを添加した全ての被験試料(β-シクロシトラール濃度:1ppt〜1ppm)においてバーニング感の低減が見られた。ただし、β-シクロシトラール濃度が1ppmになるとシクロシトラール自体の香りが焼酎水割りの風味に影響することが確認された。このため、アルコール8容量%焼酎水割りに対してβ-シクロシトラール濃度を1ppt〜100ppbにすることが好ましい。これをアルコール1容量%あたりのβ−シクロシトラール濃度に換算すると、0.125ppt〜12.5ppbになる。
実験例3 果汁入りチューハイに対するバーニング感抑制効果及び果汁感への影響
アルコール飲料としてレモン果汁入りチューハイ(アルコール濃度9容量%)を用いて、β-シクロシトラールのバーニング感抑制効果、及び果汁感への影響を評価した。
アルコール飲料としてレモン果汁入りチューハイ(アルコール濃度9容量%)を用いて、β-シクロシトラールのバーニング感抑制効果、及び果汁感への影響を評価した。
(1)実験方法
β-シクロシトラールを95容量%エタノールで希釈して、0.1質量%、1ppm及び1ppb濃度のβ-シクロシトラール含有エタノールを調製し、これらを本発明のバーニング感抑制剤とした。これらのバーニング感抑制剤を用いて、下記の処方に従って、アルコール分が9容量%、β-シクロシトラールの最終濃度が1ppt〜1ppmの各種レモン果汁入りチューハイを調製した。これらの果汁入りチューハイを被験試料とし、アルコールに起因するバーニング感を評価した。またバーニング感の評価には、アルコール及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料、及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料を同様に調製し、これらをそれぞれコントロール1及びブランクとして使用した。また果汁感の評価には、レモンストレート果汁、レモンフレーバー及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料、及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料を同様に調製し、これらをそれぞれコントロール2及びブランクとして使用した。
β-シクロシトラールを95容量%エタノールで希釈して、0.1質量%、1ppm及び1ppb濃度のβ-シクロシトラール含有エタノールを調製し、これらを本発明のバーニング感抑制剤とした。これらのバーニング感抑制剤を用いて、下記の処方に従って、アルコール分が9容量%、β-シクロシトラールの最終濃度が1ppt〜1ppmの各種レモン果汁入りチューハイを調製した。これらの果汁入りチューハイを被験試料とし、アルコールに起因するバーニング感を評価した。またバーニング感の評価には、アルコール及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料、及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料を同様に調製し、これらをそれぞれコントロール1及びブランクとして使用した。また果汁感の評価には、レモンストレート果汁、レモンフレーバー及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料、及びバーニング感抑制剤を配合しない飲料を同様に調製し、これらをそれぞれコントロール2及びブランクとして使用した。
<処方調製法>
1)飲用水に成分1〜7を加えて、撹拌溶解後、全量補正してシロップ部(30mL)を得た。
2)上記シロップ部30質量部と炭酸水70質量部をスチール製の缶容器に充填した。
3)70℃で10分間加熱殺菌し、レモン果汁入りチューハイを得た。
1)飲用水に成分1〜7を加えて、撹拌溶解後、全量補正してシロップ部(30mL)を得た。
2)上記シロップ部30質量部と炭酸水70質量部をスチール製の缶容器に充填した。
3)70℃で10分間加熱殺菌し、レモン果汁入りチューハイを得た。
バーニング感の評価は、実験例1と同様に、官能評価について十分訓練を受けた経験1年以上のパネル7名にて11点評価法に従って実施した。11点評価法は、アルコール分無添加のコントロール1のバーニング感を「0点」、β-シクロシトラール無添加区(ブランク)のバーニング感を「10点」とし、各被験試料のバーニング感が、それぞれ0点から10点の11段階のいずれの段階に該当するかを、各パネルに評価してもらった。
また果汁感の評価は、上記同パネルにより5段階評価法に従って実施した。具体的には、果汁及びフレーバー無添加のコントロール2の果汁感を「1点」、β-シクロシトラール無添加区(ブランク)の果汁感を「5点」とし、各被験試料及びコントロール1の果汁感が、それぞれ1点から5点の5段階のいずれの段階に該当するかを、各パネルに評価してもらった。なお、「果汁感」は各被験試料約20mlを口に含んで飲み込んでもらい、口腔内と喉の奥(鼻腔内)で感じるレモン果汁の香味を意味する。
(2)実験結果
バーニング感の評価結果を図2(1)に、果汁感の評価結果を図2(2)に示す。結果はパネルの平均値を示す。棒グラフ上のバーは標準偏差を示す。β-シクロシトラールを添加した全ての被験試料(β-シクロシトラール濃度:1ppt〜1ppm)においてバーニング感の低減が見られた。ただし、β-シクロシトラール濃度が1ppmになるとシクロシトラール自体の香りが果汁入りチューハイの風味に影響することが確認された。このため、アルコール9容量%果汁入りチューハイに対してβ-シクロシトラール濃度を1ppt〜100ppbにすることが好ましい。これをアルコール1容量%あたりのβ−シクロシトラール濃度に換算すると、0.111ppt〜11ppbになる。
バーニング感の評価結果を図2(1)に、果汁感の評価結果を図2(2)に示す。結果はパネルの平均値を示す。棒グラフ上のバーは標準偏差を示す。β-シクロシトラールを添加した全ての被験試料(β-シクロシトラール濃度:1ppt〜1ppm)においてバーニング感の低減が見られた。ただし、β-シクロシトラール濃度が1ppmになるとシクロシトラール自体の香りが果汁入りチューハイの風味に影響することが確認された。このため、アルコール9容量%果汁入りチューハイに対してβ-シクロシトラール濃度を1ppt〜100ppbにすることが好ましい。これをアルコール1容量%あたりのβ−シクロシトラール濃度に換算すると、0.111ppt〜11ppbになる。
果汁感に関しては、β-シクロシトラール無添加区であるブランクの果汁感と比較すると、若干の低下が認められたものの、充分に果汁感は残っており、大きな影響はなかった。なお、図2(2)のコントロール1の結果で示すように、果汁及びフレーバーを含有するにもかかわらずアルコールを配合しないと果汁感が低下することから、アルコールには果汁感をエンハンスする効果がある。本発明によるβ-シクロシトラール配合による果汁感の低下は、当該アルコールによる果汁感のエンハンス効果が低下したことによるものと考えられる。図2(1)と(2)との比較から、果汁入りチューハイに対するβ-シクロシトラール配合による果汁感の低下現象は、バーニング感抑制効果よりも少ないことから、β-シクロシトラールは、非常に微量な添加により、果汁感にあまり影響を与えずにエタノールのバーニング感を有意に抑制できる素材として有用であると考えられる。
Claims (5)
- β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用バーニング感抑制剤。
- β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料ベース。
- β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料用割材。
- β−シクロシトラールを含有する、アルコール飲料。
- β−シクロシトラールを含有するアルコール飲料を調製する工程を有する、アルコール飲料のバーニング感抑制方法。
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JP6972480B1 (ja) * | 2021-02-25 | 2021-11-24 | 長岡香料株式会社 | アルコール飲料のエタノール感抑制剤 |
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JPH1175786A (ja) * | 1997-07-07 | 1999-03-23 | Daiichi Kasei Sangyo Kk | 鮮度保持および/または消臭能を有する氷 |
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-
2018
- 2018-07-25 JP JP2018139229A patent/JP2020014410A/ja active Pending
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