JP2020004487A - 酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れて、かつ発電特性および折り曲げ特性が良好な酵素発電デバイス用電極を提供すること。【解決手段】前記課題は、非導電性基材上に配置された導電層と、酸化還元酵素とを含有する電極であって、前記導電層が導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)とを含み、炭素材料(A)が少なくとも黒鉛(A−a)と黒鉛以外の導電性の炭素材料(A−b)とを含み、前記導電層の非導電性基材と対向する面の60°光沢が1〜60である、酵素発電デバイス用電極によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイスに関する。
近年、酵素を電極触媒として利用し、糖類、アルコール及びその他のバイオマス資源を燃料として発電する酵素発電デバイスの研究及び開発がなされている。酵素発電デバイスは一般に、燃料を含む溶液中に浸漬された電極を備え、電極のうちアノードには燃料の酸化を促進する酵素が含まれており、アノードにおける燃料の酸化(例えば、グルコースからグルコノラクトンへの変化)によって取り出された電子がカソード側に移動し、酸素が還元されて水(HO)が生じる。以上の過程で生じる電子の移動が発電に利用される。
さらに、酵素発電デバイスの原理を用いて、対象物を検知しつつ、同時に発電が起こる自己発電型センサーとしても使用が可能である。
酵素反応を利用した酵素発電デバイスは、電池の構造をシンプルにでき、室温での作動が可能で、環境及び生体への親和性が高いなどの特長が挙げられる、また、自己発電型センサーは電源とセンサーを兼ねていることから、小型・軽量化、低コスト化が可能となることに加え、酵素による高い基質選択性などに由来する高いセンシング精度を得ることができる。
上記から、酵素発電デバイスは、ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等の従来の電池には適さない分野における電源やセンサーデバイスとしての検討がなされている。
高い出力や高いセンシング精度を得るためには、導電性が良好な導電性基材が必要となるが、金属を用いる導電性はコストの点や経時酸化等の点で課題が残る。さらにウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合において、環境面や安全性、生体親和性などの観点でも課題となる。一方、金属を用いない導電性カーボンを用いた導電性組成物も様々な検討がなされているが、導電性が不十分である場合が多く、課題が残る。
特許文献1では、導電層にカーボンペーストを形成した後、酵素固定化層にMgO鋳型炭素を重ねて形成する方法が記載されている。しかし、導電層と酵素固定化層とを2層以上形成するため、電極製造が煩雑となる課題が残る。
WO2016/062419号
本発明の目的は、導電層が酵素固定化層を兼ねることで生産性に優れており、かつ発電特性および折り曲げ特性が良好な酵素発電デバイス用電極を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、非導電性基材上に配置された導電層と、酸化還元酵素とを含有する電極であって、前記導電層が導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)とを含み、炭素材料(A)が少なくとも黒鉛(A−a)と黒鉛以外の導電性の炭素材料(A−b)とを含み、前記導電層の非導電性基材と対向する面の60°光沢が1〜60である、酵素発電デバイス用電極に関する。
また、本発明は、前記導電層の比表面積が5〜500m/gであることを特徴とする前記の酵素発電デバイス用電極に関する。
また、本発明は、バインダー(B)が、水溶性樹脂(B−a)または水分散樹脂微粒子(B−b)であることを特徴とする前記の酵素発電デバイス用電極に関する。
また、本発明は、導電層の固形分の合計100質量%中の炭素材料(A)の含有率が50〜90質量%であり、炭素材料(A)に含まれる黒鉛(A−a)の含有率((A−a)/(A)×100)が25〜95質量%であることを特徴とする前記の酵素発電デバイス用電極に関する。
また、本発明は、前記の酵素発電デバイス用電極を用いて形成される酵素発電デバイスに関する。
本発明によれば、導電層が酵素固定化層を兼ねることで生産性に優れており、かつ発電特性および折り曲げ特性が良好な酵素発電デバイス用電極および酵素発電デバイスを提供することができる。
<酵素発電デバイス用電極>
本発明の酵素発電デバイス電極は、少なくとも非導電性基材上に配置された導電層と酸化還元酵素からなる。例えば、紙やPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム等の非導電性基材の少なくとも片側の表面に、導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)と、必要に応じて溶剤とを含有する導電性組成物を塗工、必要に応じてプレス処理等を行って、導電層を形成した後、酸化還元酵素を担持して電極を得ることができる。
<導電層>
(導電性の炭素材料(A))
本発明において、使い捨て性や生体適合性等の観点から、導電性材料として導電性の炭素材料(A)を用いる。導電性の炭素材料(A)としては、導電性に優れた導電層を得られることから、黒鉛(A−a)や黒鉛以外の導電性の炭素材料(A−b)とを含有する。
黒鉛(A−a)としては、人造黒鉛や天然黒鉛等が挙げられ、黒鉛以外の炭素材料(A−b)としては、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、グラフェン、フラーレン等が挙げられる。これらを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することが出来る。
導電層に含まれる導電性の炭素材料(A)に含まれる黒鉛(A−a)の含有率((A−a)/(A)×100)は、好ましくは25〜95質量%であり、より好ましくは50〜90質量%であり、さらに好ましくは60〜80質量%である。
黒鉛(A−a)としては、例えば人造黒鉛や天然黒鉛等を使用することが出来る。人造黒鉛としては、無定形炭素の熱処理により、不規則な配列の微小黒鉛結晶の配向を人工的に行わせたものであり、一般的には石油コークスや石炭系ピッチコークスを主原料として製造される。天然黒鉛としては、球形黒鉛、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛等を使用することが出来る。また、鱗片状黒鉛を化学処理等した膨張黒鉛(膨張性黒鉛ともいう)や、膨張黒鉛を熱処理して膨張化させた後、微細化やプレスにより得られた膨張化黒鉛等を使用することも出来る。これらの黒鉛の中でも、導電性基材の導電層に用いる場合は、導電性の観点から、天然黒鉛が好ましく、球形黒鉛、鱗片状黒鉛膨張化黒鉛、および薄片化黒鉛等の薄片状黒鉛が好ましい。
また、用いる黒鉛(A−a)の平均粒径は、0.5〜500μmが好ましく、特に、2〜100μmが好ましい。
本発明でいう平均粒径とは、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)であり、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)等で測定される。
市販の黒鉛としては、例えば、薄片状黒鉛として、日本黒鉛工業社製のCMX、UP−5、UP−10、UP−20、UP−35N、CSSP、CSPE、CSP、CP、CB−150、CB−100、ACP、ACP−1000、ACB−50、ACB−100、ACB−150、SP−10、SP−20、J−SP、SP−270、HOP、GR−60、LEP、F#1、F#2、F#3、中越黒鉛社製のCX−3000、FBF、BF、CBR、SSC−3000、SSC−600、SSC−3、SSC、CX−600、CPF−8、CPF−3、CPB−6S、CPB、96E、96L、96L−3、90L−3、CPC、S−87、K−3、CF−80、CF−48、CF−32、CP−150、CP−100、CP、HF−80、HF−48、HF−32、SC−120、SC−80、SC−60、SC−32、伊藤黒鉛工業社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50、西村黒鉛社製の10099M、PB−99等が挙げられる。球状天然黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のCGC−20、CGC−50、CGB−20、CGB−50が挙げられる。土状黒鉛としては、日本黒鉛工業社製の青P、AP、AOP、P#1、中越黒鉛社製のAPR、S−3、AP−6、300Fが挙げられる。人造黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のPAG−60、PAG−80、PAG−120、PAG−5、HAG−10W、HAG−150、中越黒鉛社製のRA−3000、RA−15、RA−44、GX−600、G−6S、G−3、G−150、G−100、G−48、G−30、G−50、SECカーボン社製のSGP−100、SGP−50、SGP−25、SGP−15、SGP−5、SGP−1、SGO−100、SGO−50、SGO−25、SGO−15、SGO−5、SGO−1、SGX−100、SGX−50、SGX−25、SGX−15、SGX−5、SGX−1が挙げられる。
黒鉛以外の導電性の炭素材料(A−b)は特に限定されないが、コストや導電性などの観点から、カーボンブラックや導電性炭素繊維を用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程カーボンの導電性が低下することが一般的であるため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下、好ましくは50m2/g以上、1500m2/g以下、更に好ましくは100m2/g以上、
1500m2/g以下のものを使用することが望ましい。比表面積が20m2/gを下回るカーボンブラックを用いると、十分な導電性を得ることが難しくなる場合があり、1500m2/gを超えるカーボンブラックは、市販材料での入手が困難となる場合がある。
また、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡などで測定された粒子径を平均したものである。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、東海カーボン社製のトーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500、デグサ社製のプリンテックスL、コロンビヤン社製のRaven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA、PUERBLACK100、115、205、三菱化学社製の#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B、キャボット社製のMONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000、TIMCAL社製のEnsaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li等のファーネスブラック)、ライオン社製のEC−300J、EC−600JD等のケッチェンブラック、デンカ社製のデンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等のアセチレンブラックが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
導電性炭素繊維としては石油由来の原料から焼成して得られるものが良いが、植物由来の原料からも焼成して得られるものも用いることが出来る。また、カーボンナノチューブには、グラフェンシートが一層でナノメートル領域の直径を有するチューブを形成する単層カーボンナノチューブと、グラフェンシートが多層である多層カーボンナノチューブがある。そのため、多層カーボンナノチューブの直径は、典型的な単層カーボンナノチューブの0.7−2.0nmに対して、30nmと大きい値を示す。
市販の導電性炭素繊維やカーボンナノチューブとしては、昭和電工社製のVGCF等の気相法炭素繊維、名城ナノカーボン社製のEC1.0,EC1.5,EC2.0,EC1.5−P等の単層カーボンナノチューブ、CNano社製のFloTube9000、FloTube9100、FloTube9110、FloTube9200、Nanocyl社製のNC7000、Knano社製の100T等が挙げられる。
(バインダー(B))
バインダー(B)の種類は、導電性の炭素材料(A)の分散性や非導電性基材への密着性、導電性基材の可とう性および導電性組成物の安定性を付与できるものであれば特に制限されず、樹脂等が挙げられる。
バインダー(B)としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、EVA系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂等からなる群から選ばれる1種類以上を含むことができる。ただし、これらの樹脂に限定されるわけではない。バインダー樹脂は1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
バインダー樹脂は、バインダー樹脂が基材に適用された後に、硬化(架橋)反応を受ける、硬化性樹脂を用いることもできる。
バインダー樹脂は、水系または非水系溶剤に溶解する溶解性樹脂や分散型樹脂微粒子を用いることもできる。分散型樹脂微粒子は、樹脂微粒子が水系または非水系の分散媒中で溶解せずに、微粒子の状態で存在するもので、その分散体は、一般的にエマルジョンとも呼ばれる。これらは1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
分散型樹脂微粒子の粒子構造は、多層構造、いわゆるコアシェル粒子にすることもできる。例えば、コア部、またはシェル部に缶応期を有する単量体を主に重合させた樹脂を局在化させたり、コアとシェルによってTgや組成に差を設けたりすることにより、硬化性、乾燥性、成膜性、バインダーの機械強度を向上させることができる。
樹脂微粒子の平均粒子径は、結着性や粒子の安定性の観点から、10〜1000nmであることが好ましく、10〜300nmであることが好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを表し、動的光散乱法により測定できる。
動的光散乱法による平均粒子径の測定は、以下のようにして行うことができる。樹脂微粒子の固形分に応じて、分散媒と同じ分散液で200〜1000倍に希釈しておく。該希釈分散液約5mlを測定装置(日機装社製名黒トラック)のセルに注入し、サンプルに応じた分散媒および樹脂の屈折率条件を入力後、測定を行う。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークによって測定することができる。
また、グルコースオキシダーゼ(GOx)などの酵素は水系溶液に分散したものを担持する場合が多く、グルコースなどの燃料は水系溶剤に溶解されたものとする場合が多いことから、濡れ性や浸透性などの観点から、バインダー(B)としては、水系溶剤に溶解可能な水溶性樹脂(B−a)や水系の分散媒中で溶解せずに、微粒子の状態で存在する水分散樹脂微粒子(B−b)を使用することが好ましい。
水溶性樹脂とはしては、ポリビニル系樹脂やポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、ホルマリン縮合物、シリコーン系樹脂、及びこれらの複合系樹脂等が挙げられる。更に、これら2種類以上を併用してもよい。
水分散樹脂微粒子としては、(メタ)アクリル系エマルジョン、ニトリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、ポリオレフィン系エマルジョン、フッ素系エマルジョン(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)、スチレン―ブタジエン系樹脂等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリルは、メタクリルまたはアクリルを意味する。
導電性組成物のスラリー安定性や塗工性、導電層の耐水性や可とう性等の観点から、水溶性樹脂(B−a)と水分散樹脂微粒子(B−b)を併用することがさらに好ましい。
(溶剤(分散媒))
導電性の炭素材料(A)と、バインダー(B)とを均一に混合する場合、溶剤を適宜用いることが出来る。そのような溶剤としては、樹脂を溶解できるものや、樹脂微粒子エマルジョンを安定に分散できるものであれば特に限定されず、水や有機溶剤を挙げることが出来る。
有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から導電性組成物の組成に応じ適当なものが使用できる。
また、溶剤は水と有機溶剤または有機溶剤を2種以上用いてもよい。
また、本発明に用いる導電性組成物には、必要に応じて、本発明による効果を妨げない範囲で、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ラジカル補足剤、充填剤、チクソトロピー付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱伝導性改良剤、可塑剤、ダレ防止剤、防汚剤、防腐剤、殺菌剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、硬化剤、増粘剤、顔料分散剤、シランカップリング剤等の各種の添加剤を添加してもよい。
(導電性組成物)
導電性組成物は導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)と必要に応じて溶媒(分散媒)を含有し、分散機や混合機などを用いてスラリー化(塗料化、インキ化)したものである。
導電性組成物の粘度は、導電性組成物の塗工方式によるが、一般的には、10mPa・s以上、30,000mPa・s以下とすることが好ましい。
(分散機・混合機)
導電性組成物を得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、または、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。
(導電層の形成)
前記した非導電性基材に、導電性組成物を塗工、必要に応じてプレス処理等を行って、導電層を形成することができる。
非導電性基材上に導電性組成物を塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。
具体的には、ダイコーティング法、ディップコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スプレーコティング法、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等が挙げる事ができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、塗布後に平版プレスやカレンダーロール等による圧延処理を行ってもよく、導電層を軟化させてプレスしやすくするため、加熱しながら行ってもよい。導電層の厚みは、一般的には0.1μm以上、1mm以下であり、好ましくは1μm以上、200μm以下である。
(導電層の組成)
本発明に用いる導電層中に含まれる導電性の炭素材料(A)の割合は、導電性や非導電性基材への密着性等から、導電層の全固形分に対して50〜90質量%が好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。導電性の炭素材料(A)以外の成分としては、主にバインダー(B)となるが、それ以外にも任意の成分を含んでも良い。導電性や密着性などの観点から、導電層中の全固形分に対する導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)の合計の割合は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%である。
(導電層の光沢)
本発明に用いる導電層の光沢は、1〜60であり、好ましくは2〜50であり、さらに好ましくは3〜45である。導電層中の炭素材料の配向状態と光沢には相関があり、光沢が上記範囲において、炭素材料の配向性が高く、優れた導電性を確保した導電層を得ることができる。
(導電層の比表面積)
本発明に用いる導電層の比表面積は、好ましくは5〜500m/gであり、より好ましくは10〜300m/gであり、さらに好ましくは20〜100m/gである。
導電層の比表面積が小さいと酵素の担持が不十分となり、出力特性等が十分発揮されない場合がある。一方、比表面積が大きすぎると、非導電性基材との密着性が低下するため、フレキシブル用途などでは、導電層の脱離が起こり、導電性が低下する場合がある。
<酸化酵素>
本発明に用いる酸化酵素は、燃料の酸化を促進するものであれば、種類は特に限定されず、酸化の対象となる燃料の種類に応じて選択できる。アノードに含まれる酵素は1種類でも2種類以上であってもよい。また、燃料を加水分解等により酸化可能な状態にする酵素等の触媒と、酸化を促進する酵素との組み合わせであってもよい。
また、酵素の種類等、必要に応じてメディエータを含んでもよい。
燃料が糖である場合の酵素として具体的には、燃料がグルコースである場合の酵素としてはグルコースオキシダーゼやグルコースでヒドロゲナーゼが、燃料がフルクトースである場合の酵素としてはフルクトースオキシダーゼやフルクトースデヒドロゲナーゼが、燃料がスクロースである場合の酵素としては、インペルターゼやグルコースデヒドロゲナーゼが、燃料がデンプンである場合の酵素としてはアミラーゼやグルコースデヒドロゲナーゼなどの組み合わせが挙げられる。
<還元酵素>
本発明に用いる還元酵素は、酸素の還元を促進するものであれば、種類は特に限定されない。カソードに含まれる酵素は、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ等が挙げられ、1種類でも2種類以上であってもよい。また、酵素の種類等、必要に応じてメディエータを含んでも良い。
<非導電性基材>
基材の性質は特に制限されず、天然材料であっても合成材料であっても良い。環境および生体への親和性の観点から、天然もしくは生分解性材料を用いた紙、不織布、布等が好ましく、可とう性の基材の選定することで、ウエアラブル用途に好適である。上記以外にも、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリ塩ビニル、ポリアミド、ナイロン、OPP(延伸ポリプロピレン)、CPP(未延伸ポリプロピレン)などの樹脂基材を用いても良い。基材の厚みは特に制限されず、酵素発電デバイスの形状等に合わせて選択できる。
<酵素発電デバイス>
酵素発電デバイスは、糖やアルコールなどの有機物を燃料として、アノードで発生したe(電子)およびイオンにより、カソード側の酸素還元反応を利用して発電することができる。又、発電の有無や発電量を検知することにより対象物(燃料)をセンシングすることが可能となり、電源とセンサーを兼ねるセンサーとして機能することができる。前記機能を有する発電型センサーは酵素発電デバイスの一種に含まれる。酵素発電デバイスの構成としては、燃料を酸化するアノードと、酸素還元が起こるカソードと、アノードとカソードを分離するセパレータを含む。但し、アノードとカソードを電気的に分離することができればセパレータは必ずしもなくても構わない。
本発明の酵素発電デバイス用電極は、アノードまたはカソードに用いることができる。前記導電層に酸化酵素を含むことでアノード用電極として使用でき、還元酵素を含むことでカソード用電極として使用することができる。発電特性およびウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合の安全性や生体親和性および生産性などの観点から、アノードとして用いることが好ましい。
また、アノードからカソード側にイオンを伝達するためのイオン伝導体を含んでいても良い。小型・軽量化や保存性等を考慮すると、燃料(センシング対象物)である尿や汗、血液中等に含まれるイオン伝導体を使用する形式の方が好ましい場合がある。
(アノード用電極)
本発明の非導電性基材上に配置された導電層と燃料の酸化酵素を含むアノード用電極を用いることが好ましい。酵素の種類等、必要に応じてメディエータを含んでもよい。
本発明以外のアノード用電極を用いる場合、金属材料の導電性基材やカーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、カーボンスポンジ等の炭素材料の導電性基材上に燃料の酸化を促進する触媒を含んだアノード用電極を用いることもできる。触媒に酸化酵素を用いる場合、酵素を担持するために、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、メソポーラスカーボン、カーボンナノチューブ等を本発明以外の導電性基材上に設けて用いることもできる。
使い捨て性や生体適合性などの観点から、炭素材料の導電性基材を用いたアノード用電極を用いることが好ましく。導電性や基材の厚み、フレキシブル性および生産性等の観点から、本発明のアノード用電極を用いることが好ましい。
(カソード用電極)
本発明の非導電性基材上に配置された導電層と還元酵素を含むカソード用電極を用いることが好ましい。酵素の種類等、必要に応じてメディエータを含んでもよい。
本発明以外のカソード用電極を用いる場合、白金等の金属触媒やカーボンアロイ触媒等、酸素の還元を促進する無機触媒を用いることができる。使い捨て用途や生体親和性の観点から、カーボンアロイ触媒を用いることが好ましい。
(燃料)
酵素発電デバイスで使用できる燃料としては、酵素によって酸化が促進される物質であればその種類は特に限定はされない。D−グルコース等の単糖類、デンプン等の多糖類、エタノール等のアルコール、有機酸などの有機物等が挙げられ、1種類のみでも2種類以上であってもよい。燃料はそのままの状態でアノードに含まれる酵素によって酸化可能なものであっても、加水分解等により、酸化可能な状態になるものであってもよい。
ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合、安全性や生体親和性などの観点から、燃料は糖を含むことが好ましい。糖の種類は特に制限されず、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコール類糖が挙げられる。
(メディエータ)
酵素の種類によって、電極に直接電子を伝達できる直接電子移動型(DET型)酵素と直接電子を伝達できない酵素が存在する。DET型以外の酵素は、燃料の酸化によって生じた電子を酵素から電極(アノード)に伝達するまたは、アノードから受け取った電子を電極(カソード)から酵素に伝達する役割を担うメディエータと併用することが好ましい。メディエータとしては、電極と電子の授受ができる酸化還元物質であれば特に制限はなく、従来公知のものを使用できる。
(導電性支持体)
導電性支持体は、アノードで発生した電子をカソードへの伝達や、電池反応で発生した電気を取り出すために用いるために用いられ、導電性を有する材料であれば特に限定されない。ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合、安全性や生体親和性、易廃棄性などの観点から本発明の導電層をそのまま用いてもよく、カーボンペーパーや、カーボンフェルト、カーボンクロスを用いてもよい。
(セパレータ)
アノードとカソードとを電気的に分離(短絡の防止)できるセパレータを必要に応じて使用することができる。セパレータは特に限定されず従来公知の材料を用いる事ができる。具体的には、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維、樹脂不織布、ガラス不織布、濾紙、和紙等を用いることができる。
(イオン伝導体)
本発明におけるイオン伝導体はアノードとカソードの間でイオンの伝導を行うものである。イオン伝導体の形態はイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。イオン伝導体としては例えば、リン酸緩衝液などの液体に電解質が溶けている電解液や、固体のポリマー電解質などを使用しても良い。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。
<導電性組成物の作製>
(製造例1)
イオン交換水500質量部に水溶性樹脂(B−1:CMCダイセル#1240(ダイセル化学工業社製))5質量部をディスパーで撹拌しながら添加して溶解させた。その後、黒鉛(A−1:球状化黒鉛 CGB−50(日本黒鉛社製))72質量部と黒鉛以外の炭素材料(A−4:ライオナイト EC−200L(ライオン社製))8質量部を添加した。次いで、サンドミルにて分散を行った。
次に水分散性樹脂微粒子(B−4:アクリル樹脂水分散液 W−168(トーヨーケム社製 固形分50質量%))30質量部を添加し、ディスパーで混合し、表1に示す導電性組成物(1)を得た。
表1に示す組成比や材料を変更した以外は、導電性組成物(1)(製造例1)と同様の方法により、それぞれ導電性組成物(2)〜(7)、(9)〜(11)を得た。
(製造例2)
イオン交換水500質量部に水溶性樹脂(B−1CMCダイセル#1240(ダイセル化学工業社製))5質量部をディスパーで撹拌しながら添加して溶解させた。その後、黒鉛(A−1:球状化黒鉛 CGB−50(日本黒鉛社製))64質量部と黒鉛以外の炭素材料(A−4:ライオナイト EC−200L(ライオン社製))16質量部を添加した。次いで、ディスパーで分散を行った。
次に水分散性樹脂微粒子(B−4:アクリル樹脂水分散液 W−168(トーヨーケム社製 固形分50質量%))30質量部を添加し、ディスパーで混合し、表1に示す導電性組成物(8)を得た。
導電性組成物の製造例で使用した材料、および導電性の炭素材料(A)の分散方法を以下に示す。
(導電性の炭素材料(A))
黒鉛(A−a)
・A−1:球状化黒鉛 CGB−50(日本黒鉛社製)
・A−2:鱗片化黒鉛 CB−150(日本黒鉛社製)
・A−3:薄片化黒鉛 UP−20(日本黒鉛社製)
黒鉛以外の炭素材料(A−b)
・A−4:ライオナイト EC−200L(ライオン社製)
・A−5;ケッチェンブラック EC−300J(ライオン社製)
(バインダー(B))
水溶性樹脂(B−a)
・B−1:CMCダイセル#1240(ダイセル化学工業社製)
・B−2:クラレポバールPVA235(クラレ社製)
非水溶性樹脂
・B−3:KFポリマー#9100(クレハ社製)
水分散樹脂微粒子(B−b)
・B−4:アクリル樹脂水分散液 W−168(トーヨーケム社製 固形分50質量%)
導電性の炭素材料(A)の分散方法
・D−1:サンドミル
・D−2:ディスパー
<アノード用電極の作製>
[実施例1]
(アノード電極(1)の作製)
・導電層の作製
定性ろ紙(No.5C ADVANTEC社製)を室温でロールプレスを行い、厚み約140μmとしたろ紙を非導電性基材として使用した。
導電性組成物(1)を上記非導電性基材上にドクターブレードを用いて塗布した後、加熱乾燥して導電層(1)を得た。
・アノード用電極の作製
前記、導電層(1)を1×3cm(面積:3cm)に切り出した後、1×2cm(面積:2cm)をテープでマスキング処理を行った。マスキング処理を行っていない導電層1×1cm(面積:1cm)部分にメディエータであるテトラチアフルバレンのメタノール飽和溶液と、酸化酵素であるグルコースオキシダーゼ水溶液をそれぞれ滴下、自然乾燥させてメディエータと酵素を担持した後、マスキングテープを剥がしてアノード電極(1)を得た。
メディエータと酵素を担持した1×1cm部分を電極とし、塗工していない1×2cm部分を導電性支持体とした。
[実施例2、実施例4〜5、実施例7〜9、実施例11、比較例1〜3]
(アノード電極(2)、(4)〜(5)、(7)〜(9)、(11)〜(14)の作製)
・導電層の作製
表2に示す導電性組成物に変更した以外は、実施例1の導電層の作製方法と同様の方法により、導電層(2)、(4)〜(5)、(7)〜(9)、(11)〜(14)を得た。
・アノード用電極の作製
上記で作成した導電層を用い、表2に示す導電層に変更した以外は実施例1のアノード用電極の作製方法と同様の方法により、アノード用電極(2)、(4)〜(5)、(7)〜(9)、(11)〜(14)を得た。
[実施例3]
(アノード電極(3)の作成)
・導電層の作製
定性ろ紙(No.5C ADVANTEC社製)を室温でロールプレスを行い、厚み約140μmとしたろ紙を非導電性基材とした使用した。
導電性組成物(2)を上記非導電性基材上にドクターブレードを用いて塗布した後、加熱乾燥を行った。その後、ロールプレスを行って、導電層(3)を得た。
・アノード用電極の作製
前記、導電層(3)を1×3cm(面積:3cm)に切り出した後、1×2cm(面積:2cm)をテープでマスキング処理を行った。マスキング処理を行っていない導電層1×1cm(面積:1cm)部分にメディエータであるテトラチアフルバレンのメタノール飽和溶液と、酸化酵素であるグルコースオキシダーゼ水溶液をそれぞれ滴下、自然乾燥させてメディエータと酵素を担持した後、マスキングテープを剥がしてアノード電極(3)を得た。
メディエータと酵素を担持した1×1cm部分を電極とし、塗工していない1×2cm部分を導電性支持体とした。
[実施例6、10]
(アノード電極(6)、(10)の作製)
・導電層の作製
表2に示す導電性組成物に変更した以外は、実施例3の導電層の作製方法と同様の方法により、導電層(6)、(10)を得た。
・アノード用電極の作製
上記で作成した導電層を用い、表2に示す導電層に変更した以外は実施例3のアノード用電極の作製方法と同様の方法により、アノード用電極(6)、(10)を得た。
[比較例4]
(アノード電極(15)の作製)
本発明の導電層の代わりにカーボンペーパー(東レ社製)を用いてアノード電極(15)とした。
[導電層およびアノード電極の評価]
下記のとおり、導電層およびアノード電極の評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
(導電層の比表面積)
導電層の比表面積は、窒素吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)で評価した。具体的には、非導電性基材上に作製した導電層を剥がして得られた紛体を測定容器に入れ、150℃で加熱処理を行い、吸着水を取り除いた。その後、窒素吸着測定装置にて液体窒素下(77K)で窒素吸着量を測定し、BETプロットにて比表面積を算出した。評価結果を表2に示す。
(導電層の光沢)
導電層の光沢は、micro−TRI−Gloss(BYK Additives&Instruments社製)で評価した。具体的には、非導電性基材上に作製した導電層の面にmicro−TRI−Glossを接触させ、3か所の60°光沢を測定し、その平均値を光沢値とした。評価結果を表2に示す。
(導電層の折り曲げ特性)
導電層を45°の角度まで折り曲げ、割れの有無を確認した。評価結果を表2に示す。
〇:割れない(良好)
×:割れる(不良)
<電気化学的酵素活性評価(発電特性)>
(リニアスイープボルタメトリー(LSV)測定)
上記作製したアノード用電極と、対極(白金コイル電極)、参照電極(銀/塩化銀電極)が取り付けられた電解槽に電解液(イオン伝導体)として0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を入れ、反応基質(センシング対象物)としてD−グルコースを0.1Mとなるように添加し、−0.2V(vsAg/AgCl)から+0.5V(vsAg/AgCl)の範囲でLSV測定を行なった。(電解液中にD−グルコースを添加しない同条件でLSV測定を行い、バックグラウンド補正を行った。)
LSV測定から得られたバックグラウンド補正後の還元電流曲線から、還元電流密度の最大値(mA/cm)を、下記の基準を指標として評価した。評価結果を表3に示す。
(酵素の還元活性)
〇:「グルコース酸化活性電流密度が5mA/cm以上(良好)」
△:「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm以上、5mA/cm未満(使用可能)」
×;「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm未満(不良)」
表2に示すように、本発明の導電層では、炭素材料の配向状態の改良や、比表面積を最適化することで、アノード側での酵素の酸化活性が大きく向上することが確認された。導電層の比表面積の最適化で酸化酵素の担持効率が向上し、燃料の酸化が効果的に行えたと考える。また、導電層中の炭素材料の配向状態(光沢値)を制御することで、燃料の酸化によって取り出された電子がスムーズに移動することによって、酵素反応が律速にならないためと考える。
一方、比較例1では、炭素材料の配向状態が不十分でなく、比較例3では、黒鉛(A−a)を含まないため、導電性が不十分でないため、燃料の酸化によって取り出されえた電子がスムーズに起こらず、発電特性が低下したと想定している。また、比較例1および比較例4では、酸化酵素の担持が不十分であったため、発電特性が低下したと想定している。
さらに比較例4のカーボンペーパーは、フレキシブル性が不十分でなく、ウエアラブルデバイス等への使用に大きく制限がかかるため、適当ではないと考える。
本発明のアノード電極の酸化酵素を還元酵素に変えることで、カソード電極として用いることができる。また、アノード電極とカソード電極を組み合わせることで、酵素発電デバイスとして使用でき、燃料となる対象物を検知可能な自己発電センサーとしても使用可能となる。さらに、燃料を酵素発電デバイス内部に内蔵することで、水分センサーとしての利用も可能となる。


Claims (5)

  1. 非導電性基材上に配置された導電層と、酸化還元酵素とを含有する電極であって、
    前記導電層が導電性の炭素材料(A)とバインダー(B)とを含み、炭素材料(A)が少なくとも黒鉛(A−a)と黒鉛以外の導電性の炭素材料(A−b)とを含み、
    前記導電層の非導電性基材と対向する面の60°光沢が1〜60である、
    酵素発電デバイス用電極。
  2. 前記導電層の比表面積が5〜500m/gであることを特徴とする請求項1に記載の酵素発電デバイス用電極。
  3. バインダー(B)が、水溶性樹脂(B−a)または水分散樹脂微粒子(B−b)であることを特徴とする請求項1または2に記載の酵素発電デバイス用電極。
  4. 導電層の固形分の合計100質量%中の炭素材料(A)の含有率が50〜90質量%であり、炭素材料(A)に含まれる黒鉛(A−a)の含有率((A−a)/(A)×100)が25〜95質量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の酵素発電デバイス用電極。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の酵素発電デバイス用電極を用いて形成される酵素発電デバイス。

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