JP7119612B2 - 多孔質電極用組成物、多孔質電極およびそれを用いた電池 - Google Patents
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Description
一方、微生物燃料電池用アノードの材料に、非導電性材料を基材あるいは微生物担体として使用することで、耐久性を高める試みがされている。特許文献9では、金属を用いない非導電性基材の表面に導電性カーボン材料および樹脂を含む微生物燃料電池用アノードが開示されている。また、特許文献10では、疎水性ポリマー材料の発泡体基材に導電性材料を散在させた微生物燃料電池用アノードが開示されており、疎水性ポリマー材料の発泡体が水を吸収せずに材料内への水の流入を阻止することが出来るため、水環境中で耐久性が向上する。これらは、安価な材料で耐腐食性を持たせる試みではあるが、微生物反応の高効率化についての課題は残る。
本発明の多孔質電極用組成物は、電池の電極形成用として使用できる。多孔質電極用組成物は、親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)と、を含有する。
親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)の固形分の合計100質量%中、親水性多孔質材料(A)の含有量は、5~95質量%であり、好ましくは15~85質量%である。
親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)の固形分の合計100質量%中、導電性材料(B)の含有量は、5~95質量%であり、好ましくは15~85質量%である。
親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)の固形分の合計は、多孔質電極用組成物全体の固形分の50質量%以上であり、好ましくは65質量%以上であり、さらに好ましくは75質量%以上である。
また、親水性多孔質材料と導電性材料とを結着させるバインダー(C)を含有する場合は、多孔質電極用組成物全体の固形分の1~50質量%であり、好ましくは2~40質量%であり、さらに好ましくは5~25質量%である。
また、分散剤(D)を含有する場合は、多孔質電極用組成物全体の固形分の0.01~10質量%であり、好ましくは0.05~8質量%であり、さらに好ましくは0.1~5質量%である。
また、多孔質電極用組成物の適正粘度は、多孔質電極用組成物の塗工方法によるが、一般には、10mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
本発明の多孔質電極は、親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)と、を含有する。
親水性多孔質材料の内部および外部に導電性材料がネットワークを形成することで、親水性多孔質材料の有する水や微生物の濡れ性、吸着性や、導電性材料の有する導電性が十分に発揮できる電極を作製することが出来る。また、各材料間の相互作用や空間も利用することが出来るため、電極反応が起こる反応面積を増大させることも出来る。その結果良好な特性を有する電池が得られる。
(1)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とを含有する多孔質電極用組成物により作製した電極や、
(2)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とバインダー(C)とを混合した多孔質電極用組成物により作製した電極や、
(3)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とバインダー(C)と溶媒とを混合した多孔質電極用組成物により作製した電極や、
(4)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)と溶媒とを混合した多孔質電極用組成物を導電性基材へ塗工することにより作製した電極や、
(5)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とバインダー(C)と溶媒とを混合した多孔質電極用組成物を導電性基材へ塗工することにより作製した電極、
(6)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とバインダー(C)と溶媒とを混合した多孔質電極用組成物により作製した少なくとも1つ以上の電極を、導電性基材で包むことにより作製した電極、
(7)親水性多孔質材料(A)と導電性材料(B)とバインダー(C)と分散剤(D)と溶媒とを混合した多孔質電極用組成物により作製した電極、
等が挙げられる。
まずはじめに、親水性多孔質材料について説明する。
本発明に使用する親水性多孔質材料の形状は特に限定されるものではなく、球状、立方体状、直方体状、繊維状、フィルム状、円筒状などの任意の形状を適宜適択することができる。また、本発明に使用する親水性多孔質材料は水の濡れ性が高いものを示し、吸水したり、材料内を水が通過することが可能な材料である。
熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、A B S 樹脂、アミド樹脂、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びそれらの共重合体などが使用できる。
熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、及びそれらの共重合体などが使用できる。
ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エピクロロ
ヒドリンゴム、アクリルゴム、SBR、NBR、MBR、CR 、フッ素ゴム、シリコーンゴム、EPM、EPDM、及びそれらの共重合体などが使用できる。
エラストマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、
ポリブタジエン系エラストマー、及びそれらの共重合体などが使用できる。
上記の樹脂、ゴム、エラストマーは、単独で使用することもできるし、2 種類以上
を混合して使用することもできる。
これらの中で、生物親和性が高く、水や微生物の濡れ性、吸着性の観点からはポリビニルアルコールや、親水性の置換基や樹脂骨格を有するポリウレタンやポリオレフィン、変性などにより親水化したポリウレタンやポリオレフィンを用いることが好ましい。
親水性多孔質材料の細孔の孔径は5~2,000μmであり、好ましくは40~1,500μmである。本発明における孔径とは、平均孔径のことを示しており、電子顕微鏡による測定や、水銀ポロシメーターなどで測定することが出来る。
ポリエチレングリコールの親水性多孔質材料としては、関西ペイント社製のKPパール、KPパールDN等が挙げられる。
ポリビニルアルコールの親水性多孔質材料としては、雪ヶ谷化学工業社製のY-CUBE(登録商標)、クラレアクア社製のクラゲール(登録商標)等が挙げられる。
ポリオレフィンの親水性多孔質材料としては、積水アクアシステム社製のアクアキューブ等が挙げられる。
ポリウレタンの親水性多孔質材料としては、日清紡ケミカル社製のAPG、BNC、アイオン社製のソフラス等が挙げられる。
次に、導電性材料(B)について説明する。本発明における導電性材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、金属材料や導電性炭素材料が挙げられる。金属材料としては、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、又はステンレス等の金属や合金が挙げられるが、耐久性の観点からステンレスが好ましい。
導電性炭素材料として、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することが出来る。
次に触媒について説明する。電池として機能する触媒であれば特に限定されるものではないが、酸素還元触媒を例に説明する。酸素還元触媒は貴金属触媒、卑金属酸化物触媒、炭素触媒、活性炭等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種類以上組み合わせて用いても良い。
貴金属触媒とは、遷移金属元素のうちルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金から選択される元素を一種以上含む触媒である。これら貴金属触媒は単体でも別の元素や化合物に担持されたものでも良い。中でも、触媒担持炭素材料が好例として挙げられる。触媒担持炭素材料とは、触媒粒子が触媒担時体としての炭素材料上に担持してなるものを指し、公知もしくは市販のものがある。
無機材料由来の炭素粒子としては、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック)、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン、炭素繊維等が挙げられる。炭素材料は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性など様々な物性やコストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択される。
熱処理して炭素粒子となる有機材料としては、熱処理後炭素粒子となる材料であれば特に限定されない。具体的な有機材料としては、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアニリン系樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂系樹脂、ポリイミダゾール系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、メラミン系樹脂、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。
これら炭素材料は、一種類または二種類以上で用いられる。
TEC10E50E、TEC10E70TPM、TEC10V30E、TEC10V50E、TEC66E50等の白金担持炭素粒子;
TEC66E50、TEC62E58等の白金-ルテニウム合金担持炭素粒子;
を購入することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いる卑金属酸化物触媒としては、ジルコニウム、タンタル、チタン、ニオブ、バナジウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、タングステン、およびモリブデンからなる群より選択された少なくとも1種の遷移金属を含む酸化物を使用することができ、より好ましくはこれら遷移金属元素の炭窒化物や、これら遷移金属元素の炭窒酸化物を使用することができる。
炭素触媒は、1種または2種以上の、炭素材料と、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを混合し、熱処理を行い作製された炭素触媒であって、従来公知のものを使用できる。炭素触媒に用いられる炭素材料は、無機材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子であれば特に限定されない。一般的に、炭素触媒の活性点としては、炭素粒子表面に卑金属-N4構造(卑金属元素を中心に4個の窒素元素が平面上に並んだ構造)に含まれる卑金属元素や、炭素粒子表面のエッジ部に導入された窒素元素近傍の炭素元素などが挙げられる。そのため、炭素触媒が、上記活性点を構成する窒素元素や卑金属元素を含有することは、酸素還元活性を有する上で重要である。更に、炭素触媒は、BET比表面積が20~2000m2/gが好ましく、40~1500m2/gがより好ましい。
炭素触媒中に効率的に窒素元素や卑金属元素を導入する観点から、卑金属元素を分子中に含有することが可能な窒素を含有した芳香族化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物等が挙げられる。上記芳香族化合物は、電子吸引性官能基や電子供与性官能基が導入されたものであってもよい。特に、フタロシアニン系化合物は、様々な卑金属元素を含んだ化合物が入手可能であり、コスト的にも安価であるため、原料として特に好ましい。具体的には、コバルトフタロシアニン系化合物、ニッケルフタロシアニン系化合物、鉄フタロシアニン系化合物などの金属フタロシアニン系化合物が挙げられる。これらの原料を用いることにより、安価であって、かつ、高い酸素還元活性を有する炭素触媒を提供できる。
活性炭としては、具体的にはフェノール系、ヤシガラ系、レーヨン系、アクリル系、石炭-石油系ピッチコークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)等を賦活した活性炭を挙げることができる。同じ質量でもより広い面積の界面を形成することが可能な、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が30m2/g以上が好ましく、より好ましくは500~5000m2/g、さらに好ましくは1000~3000m2/gである。
次に、バインダー(C)について説明する。バインダーを使用することで、親水性多孔質材料と導電性材料を強く結着させることが出来るため、良好な発電特性や耐久性を向上させることが出来る。バインダーとしては、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、EVA系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、及びシリコン系樹脂等からなる群から選ばれる1 種以上を含むことができる。ただし、これらの樹脂に限定されるわけではなく、バインダー樹脂は1種単独で用いても良いし、2 種以上併用しても良い。
このようなバインダー樹脂は、有機溶剤に溶解させて使用する溶剤系樹脂や、水に溶解ないし分散させて使用する水系樹脂を使用することが出来る。
また、バインダー樹脂は、親水性多孔質材料と導電性材料とバインダー樹脂を混合した多孔質電極用組成物を作製後に、硬化(架橋)反応を受ける、硬化性樹脂とすることもできる。バインダー樹脂は、自己硬化性のものを選択したり後述する硬化剤と組み合わせたりして、多孔質電極用組成物を基材上へ塗工後、硬化(架橋)させることもできる。
ポリウレンタン樹脂の合成方法としては特に限定はされないが例えば、ポリオール化合物(a)とジイソシアネート(b)とを反応させたり、ポリオール化合物(a)とジイソシアネート(b)とカルボキシル基を有するジオール化合物(c)とを反応させてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)を得たり、前記ウレタンプレポリマー(d)にポリアミノ化合物(e)をさらに反応させたり、あるいは前記3つの場合において、必要に応じて反応停止剤を反応させて得られるものなどが挙げられる。
ランなどの重合体または共重合体などが挙げられる。
ポリエステルポリオール類としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ダイマージオール等の飽和および不飽和の低分子ジオール類、ならびにn-ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル類のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸類、またはこれらの無水物類を、脱水縮合して得られるポリエステルポリオール類や、環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール類としては、1)ジオールまたはビスフェノールと炭酸エステルとの反応物、および、2)ジオールまたはビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンとの反応物が使用できる。炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。また、ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル、2,2,8,10-テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。また、ビスフェノールとしては、ビスフェノールAやビスフェノールF、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類等が挙げられる。
上記ポリオール化合物は、単独で用いても、2種類以上併用してもよい。更に、ポリウ
レタン樹脂の性能が失われない範囲内で、上記ポリオール化合物の一部を低分子ジオール類、例えば前記ポリオール化合物の製造に用いられる各種低分子ジオールに替えることもできる。
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアナートメチル、ビス(4-イソシアネートシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物(a)とジイソシアネート(b)とカルボキシル基を有するジオール化合物(c)とを反応させ、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)を得る際の条件は、イソシアネート基を過剰にする他にとくに限定はないが、イソシアネート基/水酸基の当量比が1.05/1~3/1の範囲内であることが好ましい。更に好ましくは1.2/1~2/1である。また、反応は通常常温~150℃の間で行なわれ、更に製造時間、副反応の制御の面から好ましくは60~120℃の間で行なわれる。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、5000~200000の範囲が好ましい。
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル等が挙げられる。
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンベンゼン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサンノン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、およびこれらモノエーテル類の酢酸エステル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびこれらモノエーテル類の酢酸エステル等が挙げられる。
脂肪族系溶剤としては、n-ヘプタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。
芳香族系溶剤としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
カーボネート系溶剤としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ
-n-ブチルカーボネート等が挙げられる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂とは、基本的に二塩基酸とジアミンの重縮合、アミノカルボン酸の重縮合、或いはラクタムの開環重合などの各種反応で得られるアミド結合を有する高分子の総称であり、各種の変性ポリアミドをはじめ、一部水素添加された反応物で製造されたもの、他のモノマーが一部共重合された製造物、或いは各種添加剤などの他の物質が混合されたものなどを含む広い概念である。
当該ダイマー酸の市販品としては、ハリダイマー200、300(ハリマ化成社製)、バーサダイム228、216、エンポール1018、1019、1061、1062(コグニス社製)などが挙げられる。さらに、水素添加されたダイマー酸も使用でき、水添ダイマー酸の市販品としてはプリポール1009(クローダジャパン株式会社製)、エンポール1008(コグニス社製)などが挙げられる。
上記ダイマー酸以外に、適当な柔軟性を有するポリアミド樹脂にするため、二塩基酸として各種のジカルボン酸を用いることができる。ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、(無水)コハク酸、(無水)マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸などが用いられる。
フェノール性水酸基を有する二塩基酸としては、
2-ヒドロキシイソフタル酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、5-ヒドロキシイソフタル酸等のヒドロキシイソフタル酸、
2,5-ジヒドロキシイソフタル酸、2,4-ジヒドロキシイソフタル酸、4,6-ジヒドロキシイソフタル酸等のジヒドロキシイソフタル酸、
2-ヒドロキシテレフタル酸、2,3-ジヒドロキシテレフタル酸、2,6-ジヒドロキシテレフタル酸等のジヒドロキシテレフタル酸、
4-ヒドロキシフタル酸、3-ヒドロキシフタル酸等のヒドロキシフタル酸、
3,4-ジヒドロキシフタル酸、3,5-ジヒドロキシフタル酸、4,5-ジヒドロキシフタル酸、3,6-ジヒドロキシフタル酸等のジヒドロキシフタル酸などが挙げられる。
更にこれらの酸無水物や例えば多塩基酸メチルエステルのようなエステル誘導体なども挙げられる。
なかでも、共重合性、入手の容易さなどの点から、5-ヒドロキシイソフタル酸が好ましい。
上記ダイマー酸変性ポリアミド樹脂を製造する際の反応物としてのポリアミン類は、例えば、脂肪族、脂環式、芳香族などの各種ジアミン、トリアミン、ポリアミンなどである。
上記ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p-又はm-キシレンジアミン、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、2,2-ビス-(4-シクロヘキシルアミン)、ポリグリコールジアミン、イソホロンジアミン、1,2-、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジアミン、1,4-ビス-(2'-アミノエチル)ベンゼン、N-エチルアミノピペラジン、ピペラジンなどが挙げられる。
また、トリアミンにはジエチレントリアミンなどが挙げられ、ポリアミンにはトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどが挙げられる。さらに、二量体化された脂肪族のニトリル基を変換して水素還元して得られたダイマージアミンも使用することができる。
ジアミンにはアルカノールアミンを併用してもよい。アルカノールアミンにはエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミン、ブタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール等が挙げられる。
また、酸素を骨格に有するポリエーテルジアミンを用いることができる。このポリエーテルは一般式H2N-R1-(RO)n-R2-NH2(式中、nは2~100であり、R1、R2は炭素原子数が1~14個であるアルキル基または脂環式炭化水素基であり、Rは炭素原子数が1~10個であるアルキル基または脂環式炭化水素基である。アルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。)で表すことができる。このエーテルジアミンとしてはポリオキシプロピレンジアミン等が挙げられ、市販品としてはジェファーミン類(サンテクノケミカル社製)がある。また、ビス-(3-アミノプロピル)-ポリテトラヒドロフランも挙げることができる。
上記ポリアミン類とダイマー酸或いは各種ジカルボン酸とは常法により加熱縮合され、脱水を伴ったアミド化工程によりダイマー酸変性ポリアミド樹脂をはじめとする各種ポリアミド樹脂が製造される。一般に、反応温度は100~300℃程度、反応時間は1~8時間程度である。
重合体(C-A1)とは、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体を重合させて得られるビニル系共重合体の主鎖に、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖として導入した、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエングラフトビニル系重合体をいう。
側鎖の導入方法は、特に限定されることはないが、例えば、不飽和二塩基酸とエチレン性不飽和二重結合を有する他の単量体との共重合体(f)を合成し、共重合体(f)のカルボン酸または無水カルボン酸部分と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(g)のカルボキシル基と反応可能な官能基とを縮合反応させることにより導入することができる。
また、より高い強靱性、耐久性を必要とする用途に用いる場合には、より高い架橋密度を得る為に、ビニル系重合体主鎖に直接、イソシアネートと反応可能な官能基を導入することが望ましい。その場合、重合体(C-A1)は、不飽和二塩基酸(f1)、イソシアネートと反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する(f1)以外の単量体(f2)、及びエチレン性不飽和二重結合を有する(f1)および(f2)以外の単量体(f3)の共重合体(f)と、カルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とを有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(g)との縮合反応により得ることができる。
共重合体(f)の合成に使用可能な不飽和二塩基酸(f1)の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、ジフェニルメタン-ジ-γ-ケトクロトン酸等が挙げられる。
不飽和二塩基酸(f1)は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、共重合体(f)の原料となる単量体中の不飽和二塩基酸(f1)の割合は、好ましくは0.01~30質量%、更に好ましくは0.05~10質量%である。
イソシアネートと反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する(f1)以外の単量体(f2)としては、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する(メタ)アクリル系単量体、ビニル単量体等を用いることができる。中でも、反応性の点で(メタ)アクリル系単量体が好適である。
イソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N-メチロール基、N-アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が好適である。
アミノ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のモノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N-ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のN,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N-メチロール基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
N-アルコキシメチル基を有する(メタ)アクリル系単量体としては、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN-モノアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルコキシメチル基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
イソシアネートと反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する(f1)以外の単量体(f2)は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。また、共重合体(f)の原料となる単量体中の単量体(f2)の割合は、好ましくは0.01~50質量%、更に好ましくは0.1~20質量%、特に好ましくは0.1~10質量%である。
(メタ)アクリル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。
オレフィン系炭化水素単量体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、イソプレン、1,4-ペンタジエン等が挙げられる。
ビニルエーテル単量体の例としては、ビニルメチルエーテルが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する(f1)および(f2)以外の単量体は、要求性能に応じて、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
合成時の単量体の仕込み濃度は、0~80質量%が好ましい。
重合開始剤としては、過酸化物またはアゾ化合物、例えば、過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジt-ブチルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルオクトエート、クメンヒドロキシペルオキシド等を使用することができ、重合温度は、50~200℃、特に70~140℃が好ましい。
化合物(g)のカルボキシル基と反応可能な官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が好適である。また、化合物(g)のイソシアネート基と反応可能な官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N-メチロール基、N-アルコキシメチル基等が挙げられるが、反応性の点で水酸基が好適である。化合物(g)のカルボキシル基と反応可能な官能基と、イソシアネート基と反応可能な官能基とは、同一の官能基でも構わないし、異なる官能基でも構わない。
ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5-ナフタル酸、p-オキシ安息香酸、p-(ヒドロキシ)安息香酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライ酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、1,2-ジメチル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、3-エチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、2-メチル-1,7-ヘプタンジオール、3-メチル-1,7-ヘプタンジオール、4-メチル-1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-エチル-1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,8-オクタンジオール、4-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールプロパンエチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
多価フェノールの例としては、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ヘキシルレゾルシン、トリヒドロキシベンゼン、ジメチロールフェノール等が挙げられる。
市販品の水酸基を2個以上有するポリエステル(ポリエステルポリオール)としては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールP-510、P-1010、P-1510、P-2010、P-3010、P-4010、P-5010、P-6010、P-2011、P-2013、P-520、P-1020、P-2020、P-1012、P-2012、P-530、P-1030、P-2030、PMHC-2050、PMHC-2050R、PMHC-2070、PMHC-2090、PMSA-1000、PMSA-2000、PMSA-3000、PMSA-4000、F-2010、F-3010、N-2010、PNOA-1010、PNOA-2014、O-2010、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン650MPA、651MPA/X、670、670BA、680X、680MPA、800、800MPA、850、1100、1140、1145、1150、1155、1200、1300X、1652、1700、1800、RD181、RD181X、C200、東洋紡績株式会社製のバイロン200、560、600、GK130、GK860、GK870、290、GK590、GK780、GK790等が挙げられる。
また、ポリエーテルの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N-メチロール基またはN-アルコキシメチル基に変性したエーテル化合物が挙げられる。市販の水酸基を2個以上有するポリエーテル(ポリエーテルポリオール)としては、例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモフェン250U、550U、1600U、1900U、1915U、1920D等が挙げられる。
H-(O-R-OCO-)nR-OH
(R:アルキレン鎖、ジエチレングリコール等)
市販の水酸基を2個以上有するポリカーボネートとしては、例えば、株式会社クラレ製のクラレポリオールPNOC-1000、PNOC-2000、PMHC-2050、PMHC-2050R、PMHC-2070、PMHC-2070R、PMHC-2090R、C-2090等が挙げられる。
また、ポリブタジエンの例としては、α,ω-ポリブタジエングリコール、α、β-ポリブタジエングリコール、及び末端の水酸基をアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、N-メチロール基またはN-アルコキシメチル基に変性したブタジエン化合物が挙げられる。
市販の水酸基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製
のNISSO-PBG-1000、G-2000、G-3000、GI-1000、GI-2000、GI-3000、GQ-1000、GQ-2000等が挙げられる。
市販のエポキシ基を2個以上有するポリブタジエンとしては、例えば、日本曹達株式会社製のNISSO-PBBF-1000、EPB-13、EPB-1054等が挙げられる。
反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの3級アミンなどが用いられ、反応温度は、50~300℃が好ましい。
共重合体(f)と化合物(g)との反応比率は、共重合体(f)のカルボン酸または無水カルボン酸1モルに対して、化合物(g)のカルボキシル基と反応可能な官能基が、0.01~10モルとなるのが好ましく、0.1~5モルとなるのが更に好ましく、0.5~2モルとなるのが更に好ましい。
また、共重合体(f)、化合物(g)は、それぞれ1種類ずつを用いる必要はなく、目的、必要物性に応じて、それぞれ複数種を用いても構わない。
また、重合体(C-A1)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは5,000~500,000、更に好ましくは10,000~100,000である。
バインダー樹脂が、イソシアネート基と反応可能な官能基を有する、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種の構造を側鎖に有するビニル系重合体(C-A1)である場合には、さらに2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(C-B)を含有することが好ましい。
2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物は、重合体(C-A1)と重合体(C-A1)を架橋させ、加熱後に十分な電極強度を得るために用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、屋外で使用する場合には、塗膜が経時で劣化することを防ぐために、脂環族または脂肪族の化合物のみを用いることが好ましい。
脂環族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、o-キシレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネート、p-キシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、上記化合物とグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体を用いても構わない。
特に、ポリイソシアネート化合物がイソシアヌレート変性体、特にイソシアヌレート環含有トリイソシアネートを含む場合には、熱プレス後に十分な塗膜強度が得ることができるため、好ましい。イソシアヌレート環含有トリイソシアネートとして具体的には、イソシアヌレート変性イソホロンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のデスモジュールZ4470)、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールN3300)、イソシアヌレート変性トルイレンジイソシアネート(例えば、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールFL-2、FL-3、FL-4、HLBA)が挙げられる。
更に、ポリイソシアネート化合物として、イソシアネート基と反応可能な官能基を2個以上有するポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、またはポリブタジエンから選ばれる少なくとも1種(h)と両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物(i)とを反応させてなる、両末端イソシアネートプレポリマーを用いても構わない。ポリイソシアネート化合物が上記両末端イソシアネートプレポリマーを含む場合には、少量で柔軟性が得られ、基材との密着性が良好になる。
化合物(h)としては、化合物(g)と同様の化合物を用いることができる。化合物(i)としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、o-トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネート、p-キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
両末端イソシアネートプレポリマーは、化合物(h)のイソシアネート基と反応可能な官能基1モルに対して、化合物(i)のイソシアネート基が1モルより大きくなるような比率で化合物(h)と化合物(i)を混合し、加熱撹拌して反応させることにより得られる。プレポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は、塗膜強度、溶解性、相溶性の観点から、好ましくは500~50,000、更に好ましくは1,000~50,000、特に好ましくは1,000~10,000である。
ポリイソシアネート化合物(C-B)は、要求性能に応じて、重合体(C-A1)の官能基の総数に対して、イソシアネート基の総数が、好ましくは0.1倍~5.0倍、更に好ましくは0.5倍~3.0倍、特に好ましくは0.8~2.0倍となるような比率で、1種、または2種以上を混合して用いることができる。
水溶性樹脂の分子量は特に限定されないが、好ましくは質量平均分子量が5,000~2,500,000である。質量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリエチレンオキサイド換算分子量を示す。
また、本発明に用いる水性樹脂微粒子の粒子構造は、多層構造、いわゆるコアシェル粒子にすることもできる。例えば、コア部、またはシェル部に官能基を有する単量体を主に重合させた樹脂を局在化させたり、コアとシェルによってTgや組成に差を設けたりすることにより、硬化性、乾燥性、成膜性、バインダーの機械強度を向上させることができる。
本発明に用いる水性樹脂微粒子の平均粒子径は、結着性や粒子の安定性の点から、10~500nmであることが好ましく、10~300nmであることがより好ましい。また、1μmを超えるような粗大粒子が多く含有されるようになると粒子の安定性が損なわれるので、1μmを超える粗大粒子は多くとも5%以下であることが好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを表し、動的光散乱法により測定できる。
次に、(メタ)アクリル系エマルションについて説明する。(メタ)アクリル系エマルションとは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を10質量部以上含有する乳化重合物であり、好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上含有されているとよい。アクリロイル基を有する単量体は反応性に優れるため、樹脂微粒子を比較的容易に作製することができる。また、(メタ)アクリル系エマルションによる多孔質電極は結着性に優れる。
また、架橋には粒子同士の架橋(粒子間架橋)を併用することもできるが、この場合、多くは架橋剤をあとで添加するため、架橋剤成分の電解液への漏出や電極作製時のバラツキが生じる場合もある。このため、架橋剤は耐電解液性を損なわない程度に用いる必要がある。
(C-C1)単官能または多官能アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体(C-c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(C-c2)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1~5質量%
(C-C2)前記単量体(C-c1)~(C-c2)以外のエチレン性不飽和単量体(C-c3):95~99.9質量%
(但し、前記(C-c1)~(C-c3)の合計を100質量%とする)
単量体群(C-C1)に含まれる単量体の有する官能基(アルコキシシリル基、エチレン性不飽和基)は、自己架橋型反応性官能基であり、主に粒子合成中における粒子内部架橋を形成する効果がある。粒子の内部架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。したがって、単量体群(C-C1)に含まれる単量体を使用することで架橋型樹脂微粒子とすることができる。また、粒子架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、上述した1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、アルコキシシリル基とを有する単量体(C-c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(C-c2)に加えて、単量体群(C-C2)として、単量体(C-c1)、(C-c2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(C-c3)を同時に乳化重合することで得ることができる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能エポキシ基とを有する単量体(C-c4)、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能アミド基とを有する単量体(c5)、および1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能水酸基とを有する単量体(C-c6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体、および、単量体(C-c1)、(C-c2)、(C-c4)~(C-c6)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(C-c7)を使用することができる。
単量体(C-c4)~(C-c6)を使用することにより、エポキシ基、アミド基、または水酸基を架橋型樹脂微粒子の粒子内や表面に残存させることができ、これにより基材の密着性などの物性を向上させることができる。単量体(C-c4)~(C-c6)は、粒子合成後でもその官能基が粒子内部や表面に残存しやすく、少量でも基材への密着性効果が大きい。また、その一部が架橋反応に使用されてもよく、これらの官能基の架橋度合いを調整することで、耐電解液性と結着性のバランスをとることができる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、従来既知の乳化重合方法により合成される。
本発明において乳化重合の際に用いられる乳化剤としては、エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤やエチレン性不飽和基を有しない非反応性乳化剤など、従来公知のものを任意に使用することができる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子の乳化重合に際して用いられる水性媒体としては、水があげられ、親水性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子を得るに際して用いられる重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射などによっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2~24時間である。
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2-エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションは、架橋型樹脂微粒子に加えて、さらに、未架橋のエポキシ基含有化合物、未架橋のアミド基含有化合物、未架橋の水酸基含有化合物、および未架橋のオキサゾリン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの未架橋の化合物(C-E)[以下、化合物(C-E)と表記する場合がある]とを含むことが好ましい。化合物(C-E)は、水性液状媒体に溶解することがなく、分散する化合物である。
未架橋のエポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどの多官能エポキシ化合物;ビスフェノールA-エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF-エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂などがあげられる。
未架橋のアミド基含有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどの第一アミド基含有化合物;N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジ(メチロール)アクリルアミド、N-メチロール-N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキロール(メタ)アクリルアミド系化合物;N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミドなどのモノアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドなどのジアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物;ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどのケト基含有(メタ)アクリルアミド系化合物など、以上のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;前記アミド基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂などがあげられる。
未架橋の水酸基含有化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート4-ヒドロキシビニルベンゼン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、アリルアルコールなどの水酸基含有エチレン性不飽和単量体;前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール類;プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオールなどの分岐鎖脂肪族ジオール類;1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの環状ジオール類などがあげられる。
未架橋のオキサゾリン基含有化合物としては、例えば、2’-メチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-エチレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-プロピレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ヘキサメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-p-フェニレンビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4,4’-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2’-m-フェニレンビス(4-フェニレンビス-2-オキサゾリン)、2,2’-o-フェニレンビス(2-オキサゾリン)、2,2’-o-フェニレンビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-エチル-2-オキサゾリン)、2,2’-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、さらにはオキサゾリン基含有ラジカル重合系樹脂などがあげられる。
化合物(C-E)は、架橋型樹脂微粒子の固形分100質量部に対して0.1~50質量部添加するのが好ましく、5~40質量部添加するのがさらに好ましい。さらに、化合物(C-E)は2種類以上併用することも可能である。
次に、分散剤(D)について説明する。本発明の多孔質電極用組成物では、分散剤を使用することによって、導電性を阻害することなく、親水性多孔質材料(A)や導電性材料(B)の分散性に優れた多孔質電極を提供することができる。その結果、親水性多孔質材料の内部にも導電性材料が多く、かつ均一に存在したり、多孔質電極内部に導電性材料が均一に分布することが出来るため、多孔質電極の導電性や電極の反応抵抗を改善できる。また、均一な多孔質電極により電極への濡れ性を高めることも出来る。使用出来る分散剤としては、特に限定されないが、多孔質電極用組成物に含まれる溶媒に適した有機溶剤系分散剤および水系分散剤を使用することが好ましく、2種以上を用いてもよい。
ビックケミー社製の酸性官能基を有する樹脂としては、Anti-Terra-U、U100、203、204、205、Disperbyk-101、102、106、107、110、111、140、142、170、171、174、180、2001、BYK-P104、P104S、P105、9076、及び220S等が挙げられる。
ビックケミー社製の分散剤としては、Disperbyk-103、108、109、112、116、130、161、162、163、164、166、167、168、174、182、183、184、185、2000、2050、2070、2096、2150、BYK-9077等が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製の分散剤としては、SOLSPERSE5000、9000、13240、13650、13940、17000、18000、19000、22000、24000SC、24000GR28000、31845、32000、32500、32600、33500、34750、35100、35200、37500、38500が挙げられる。
エフカアディティブズ社製の分散剤としては、EFKA1500、1501、1502、1503、4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4400、4401、4402、4403、4406、4520、4570、4800、5207等が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製の分散剤としては、アジスパーPB711、PB821、PB822等が挙げられる。
アイエスピー・ジャパン社製の分散剤としては、ポリビニルピロリドンPVP K-15、K-30、K-60、K-90、又はK-120等が挙げられる。
川研ファインケミカル社製の分散剤としては、ヒノアクトKF-1000、1300M、1500、1700、T-6000、8000、8000E、又は9100等が挙げられる。
積水化学工業社製の分散剤としては、エスレックBL-1、エスレックBL-1H、エスレックBL-2、エスレックBL-2H、エスレックBL-5、エスレックBL-10、エスレックBL-S、エスレックBX-L、エスレックBM-1、エスレックBM-S、エスレックBH-3、エスレックBX-1、エスレックKS-1、エスレックKS-10、エスレックKS-3等が挙げられる。
クラレ社製の分散剤としては、ポバールPVA102、ポバール103、ポバールPVA105、ポバールPVA203、ポバールPVA403、PVA505、ポバールPVA-624、ポバールPVA-706、モビタールB16H、モビタールB60HH、モビタール30T、モビタール30HH、モビタール60T等が挙げられる。
上記分散剤の中でも、水溶性を示す高分子系の樹脂が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリルアミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等の多糖類の樹脂を含む高分子化合物が挙げられ、特に、エチレン性不飽和単量体を重合または共重合した水溶性の樹脂が好ましい。また、水溶性であれば、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。これら分散剤は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
市販のカチオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
市販のアニオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。
本発明に用いる分散剤(D)の分子量は特に限定されないが、好ましくは高分子であり、重量平均分子量は1,000~2,000,000が好ましく、さらに好ましくは3,000~1,000,000である。界面活性剤等の分子量が小さい分散剤も使用できるが、導電性材料に対する吸着率が低いため多孔質電極用組成物の粘度上昇を引き起こしてしまう場合がある。分子量が大きすぎると、粘度上昇を引き起こしてしまう場合がある。重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算分子量を示す。
本発明に用いる分散剤(D)は、分子全体における酸性官能基を有する単量体の構成比率を酸価で表すと70mgKOH/g以上780mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの内から導電性組成物の組成に応じ適当なものが使用できる。また、溶剤は2種以上用いてもよい。
また、水を使用する場合は、例えば、多孔質電極用組成物の分散性や基材への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。
水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。
多孔質電極用組成物の調製方法に特に限定されるものではない。調製方法は、
(1)各成分を同時に分散しても良いし、
(2)導電性材料を溶媒中に分散後、他の材料を添加しても良いし、
(3)導電性材料とバインダーとを溶媒中に分散後、他の材料を添加しても良いし、
使用する親水性多孔質材料、導電性材料、バインダー、溶媒により最適化することができる。
多孔質電極用組成物を得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
本発明の電極で使用する導電性基材としては、耐腐食性、電気伝導性に優れ、表面積が大きく、反応物及び生成物の拡散に優れるものが良く、材質や形状は特に限定されない。例えばグラファイトペーパー(カーボンペーパー)、グラファイトクロス(カーボンクロス)及びグラファイトフェルト(カーボンフェルト)等のカーボン材料の他、ステンレスメッシュ、銅メッシュや白金メッシュ等の金属材料を用いることができるが、この限りではない。電極に用いる導電性基材には、予め撥水処理しても良い。例えば、PTFEの分散液をカソードに含浸させ、乾燥後400℃前後で加熱することで撥水性が発現する。また、PTFE分散液には導電材を分散させても良い。なお、撥水処理はこれらに限定されるものではない。
本発明の多孔質電極用組成物を導電性基材に塗布する方法は、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。例示すると、グラビアコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、ダイコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等を挙げることができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明の多孔質電極中に占める親水性多孔質材料(A)の割合は、5~95%である。本発明の多孔質電極中に占める導電性材料(B)の割合は、5~95質量%である。また、バインダー(C)を添加する場合、導電性材料に対するバインダーの割合は、1~50質量%である。
本発明の多孔質電極の体積抵抗率は、5×101Ω・cm未満であることが好ましく、さらに好ましくは5×100Ω・cm未満、さらに好ましくは1×10-1Ω・cm未満である。導電性が良好な電極ほど電池の電力を有効に取り出すことが可能となる。
本発明の多孔質電極を用いて電池として機能するものであれば、特に電池の種類は限定されるものではない。
カソードもしくはアノードの少なくとも一方に上記の多孔質電極を用い、下記の電池を得ることができる。一次電池としては、マンガン一次電池、アルカリ一次電池、金属空気一次電池、バイオ燃料電池、微生物燃料電池などが挙げられる。また、二次電池としては、リチウムイオン二次電池の他、アルカリ二次電池、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄二次電池、リチウム空気二次電池等が挙げられ、それぞれの二次電池で従来から知られている、電解液やセパレーター等を適宜用いることができる。これらの中でも特に、電解液が水系の電池が好ましく、さらに好ましくはバイオ燃料電池や微生物燃料電池が好ましい。
次に、例として微生物燃料電池の構成を説明する。電子供与微生物が保持されたアノードと、触媒材料を含むカソードを、電解液として有機廃水等を含む電解槽に隔壁を設けず差し込んだ一槽型構成や、固体高分子形燃料電池のように、固体高分子膜を利用して、アノード槽とカソード槽を隔てた二槽型構成でもよい。更に、面で囲われた電解槽だけでなく、水田や湖沼、河川、海のように囲われていない環境でもよい。例えば、電解液を保持する電解槽内部と酸素を含む大気等の電解槽外部を隔てる液面、側面、底面にカソードが設置される形態や、外気を取り入れることができるカセット型の電極を液中に浸漬する等の形態が考えられる。このとき、カソードの触媒層が電解液と接し、その裏面が酸素を含む大気等と接するように設置される。これにより、電解槽外部から酸素を含む大気等が直接カソードへ流入し、電解液に接したカソード中の触媒上で反応が生起する。
[合成例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアデカリアソープSR-10(株式会社ADEKA製)0.2部とを仕込み、別途、メチルメタクリレート48.5部、ブチルアクリレート50部、アクリル酸1部、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアデカリアソープSR-10(株式会社ADEKA製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルションのうちの1%をさらに加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルションの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。25%アンモニア水を添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を40%に調整して水性樹脂微粒子分散体を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器にイソプロピルアルコール20部、水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、メチルアクリレート40部、グリシジルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のエポキシ基含有化合物(メチルメタクリレート/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例2]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水90部を仕込み、別途、アクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水90部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のアミド基含有化合物(ポリアクリルアミド)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水40部を仕込み、別途、2-エチルヘキシルアクリレート40部、スチレン40部、ジメチルアクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水60部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のアミド基含有化合物(2-エチルヘキシルアクリレート/スチレン/ジメチルアクリルアミド共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例4]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール20部、水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、ブチルアクリレート40部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合した。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%の水酸基含有化合物(メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
表1、表2、表3に示す配合組成で、合成例1と同様の方法で合成し、合成例2~16の水性樹脂微粒子分散体を得た。ただし、合成例15、16は乳化重合時に樹脂が凝集し、目的の樹脂微粒子を得ることができなかった。
[製造例5]
ケッチェンブラック(ライオン社製)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を、質量比2/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒を得た。
[製造例6]
オキシジルコニウムフタロシアニン(大日精化社製)を、電気炉にてH2/O2/Ar(体積比0.02/0.005/0.975)混合ガス雰囲気下、1000℃で10時間熱処理を行い、得られた粉体を乳鉢で粉砕し、卑金属酸化物系触媒を得た。
[実施例A1]
親水性多孔質材料としてG2-50(雪ヶ谷化学工業社製)1部、導電性材料としてアセチレンブラックHS-100(デンカ社製)9部、溶媒としてNMP85部、トリエチルアミン5部をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散して固形分が10質量%となる多孔質電極用組成物(1)を得た。
表4に示す親水性多孔質材料、導電性材料、バインダー、溶媒を用いて、多孔質電極用組成物1と同様の方法で多孔質電極用組成物(2)~(14)を作製した。
表4に示す疎水性多孔質材料、導電性材料、バインダー、溶媒を用いて、多孔質電極用組成物(1)と同様の方法で多孔質電極用組成物(101)~(103)を作製した。
[実施例B1]
直径10cmのシャーレ中に多孔質電極用組成物(1)を加えて加熱真空乾燥した後、乾燥物を取り出して3cm×3cm×0.5cmの大きさに裁断し、多孔質電極(1)を作製した。
表5に示す多孔質電極用組成物を用いて実施例B1と同様にして多孔質電極(2)~(14)、(101)~(103)を作製した。
実施例B4と同様にして作製した多孔質電極(4)を導電性基材であるステンレスメッシュ(#100)で包み、多孔質電極(15)を作製した。
表5に示す多孔質電極用組成物、導電性基材を用いて実施例B15と同様にして多孔質電極(16)、(104)を作製した。
表5に示すカーボンフェルトLFP-205(大阪ガスケミカル社製)を3cm×3cm×0.5cmの大きさに裁断し、多孔質電極(CF)を作製した。
多孔質電極の導電性はロレスタGP(三菱化学アナリテック社製)を用いて4端子法で測定(JIS-K7194)して体積抵抗率を求めて判定した。評価結果を表5に示す。
◎:「体積抵抗率が1×10-1Ω・cm未満(極めて良好)」
○:「体積抵抗率が1×10-1Ω・cm以上、5×100Ω・cm未満(良好)」
○△:「体積抵抗率が5×100Ω・cm以上、5×101Ω・cm未満(使用可能)」
△:「体積抵抗率が5×101Ω・cm以上、5×102Ω・cm未満(不良)」
×:「体積抵抗率が5×102Ω・cm以上(極めて不良)」
多孔質電極の濡れ性は、電極の表面に100μLの水滴を垂らした後、電極内に水が浸みこむ時間を測定して判定した。評価結果を表5に示す。
◎:「浸み込み時間が30秒未満(極めて良好)」
○:「浸み込み時間が30秒以上、1分未満(良好)」
○△:「浸み込み時間が1分以上、10分未満(使用可能)」
△:「浸み込み時間が10分以上、1時間未満(不良)」
×:「1時間以上、浸み込まない(極めて不良)」
多孔質電極内の導電性材料の分布は、電極にナイフで切り込みを入れて電極の断面を出した後、断面を光学顕微鏡で観察して判定した。評価結果を表5に示す。
○:「一様に均一な状態(良好)」
△:「部分的にムラが見られる(使用可能)」
×:「全体的にムラが見られる(不良)」
図1に示す微生物燃料電池により評価を実施した。150mLの容量を持つ電解槽内で、電子供与微生物として、Shewanella oneidenis MR-1(単一培養、105cells/mL)と水田土壌の混合液を30℃で3日間嫌気的に培養した後、電解液としてK2HPO4/KH2PO4(pH7.0)の緩衝溶液を使用し、栄養基質として酢酸ナトリウムを含む生活廃水を1.0gCOD/L/日(COD:化学的酸素要求量)を連続的に流入させて、微生物燃料電池を連続運転させた。カソードおよびアノードは、表6に示すものを使用した。
ポテンショ・ガルバノスタット(VersaSTAT3、Princeton Applied Research社製)を用いて、1か月後の微生物燃料電池の室温下で電流-電圧測定を行い、最大出力を評価した。結果を表6に示す。
図2に示す微生物燃料電池により評価を実施した。500mLの容量を持つ容器内に、土(花と野菜の土:あかぎ農園社)400gと、カソード、アノードを配置し、土中に水道水240gを加えて微生物燃料電池を作製した。次に、カソードとアノードに配線を取り付けて外部抵抗(8kΩ)に接続して微生物燃料電池を連続運転させた。
3週間後の微生物燃料電池の電圧と電流をテスターで測定して出力を算出し、発電特性を評価した。結果を表7に示す。
2カソード
3アノード
4電解液
5ポテンショスタット
6容器
7カソード
8アノード
9土
10外部抵抗
Claims (8)
- 親水性多孔質材料(A)と、導電性材料(B)と、を含む多孔質電極用組成物であって、前記親水性多孔質材料が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム及びエラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む多孔質電極用組成物。
- 導電性材料が、導電性炭素材料、および触媒からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む請求項1記載の多孔質電極用組成物。
- さらに、親水性多孔質材料と導電性材料とを結着させるバインダー(C)を含有する請求項1または2記載の多孔質電極用組成物。
- さらに、分散剤(D)を含有する請求項1~3いずれか記載の多孔質電極用組成物。
- 請求項1~4いずれかに記載の多孔質電極用組成物から形成された多孔質電極。
- さらに、請求項5記載の多孔質電極を保持する導電性基材を備えた多孔質電極。
- 請求項5または6記載の多孔質電極を用いることを特徴とする電池。
- 請求項5または6記載の多孔質電極を用いることを特徴とする微生物燃料電池。
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