JP2008198474A - 燃料電池拡散層の製造方法、燃料電池拡散層および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の運転条件において好適に使用し得る燃料電池拡散層を精度良く作製する。
【解決手段】燃料電池拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させる第1の塗工工程S102と、燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた第2の塗工液を塗布し、含浸させる第2の塗工工程S106と、を含む。第2の塗工液は、塗布部分および含浸部分を親水化させる親水化塗工液とすることができる。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させる第1の塗工工程S102と、燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた第2の塗工液を塗布し、含浸させる第2の塗工工程S106と、を含む。第2の塗工液は、塗布部分および含浸部分を親水化させる親水化塗工液とすることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池拡散層の製造方法、燃料電池拡散層および燃料電池に関する。詳細には、燃料電池拡散層基材を処理溶液により処理する工程を含む燃料電池拡散層の製造方法、該製造方法により製造される燃料電池拡散層、さらには該燃料電池拡散層を有する燃料電池に関する。
一般的な燃料電池の構成の概略について説明する。図4に例示したように、電解質膜12の一方の面にカソード触媒層14(カソード極触媒層または酸化極触媒層ともいう)と、もう一方の面にアノード触媒層16(アノード極触媒層または燃料極触媒層ともいう)とを電解質膜12を挟んで対向するように設け、さらにカソード触媒層14の外側にカソード拡散層18(カソード極拡散層または酸化極拡散層ともいう)を、またアノード触媒層16の外側にアノード拡散層20(アノード極拡散層または燃料極拡散層ともいう)を、それぞれ設け、いわゆる膜電極接合体(MEA)40が構成されている。
図4において、カソード拡散層18の外側には、酸化ガス流路26および図示しないセル冷媒流路が形成されたカソード側セパレータ22が、アノード拡散層20の外側には、燃料ガス流路28および図示しないセル冷媒流路が形成されたアノード側セパレータ24が、MEA40の両面を挟持するようにそれぞれ設けられ、図示しない接着剤などにより一体化されて、単位セル10が形成される。このような単位セル10を複数枚積層させることにより、所望の出力性能を有する燃料電池を製造することができる。
図4に示した単位セル10において、電解質膜12が、燃料電池として所定の機能を発揮するためには、プロトン導電性電解質膜として機能することが要求されるが、そのためには、少なくとも所定の水分量以上を維持することが必要である。このため、例えば予め所定の水分量に加湿させた燃料ガスおよび/または酸化ガス(これらを反応ガスともいう)を単位セル10内に供給する等により、電解質膜12の水分量を維持することが一般に行なわれている。
ところで、燃料電池拡散層の製造方法として、例えば特許文献1〜4が開示されている。
特許文献1には、シート状基材の空隙部に導電性粉末と撥水性充填剤とを充填した燃料電池拡散層が記載されている。特許文献2には、撥水剤及び透気度の分布を重力方向に異ならせた拡散層が開示されている。特許文献3には、基材表面に触媒材料と発泡材料とを塗布し、電解質膜に貼り付けるときにこの発泡材料を発泡させて、触媒層の細孔とする燃料電池用電極の製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1〜3に記載された拡散層はいずれも、撥水性を有する部分のみで形成されており、例えば高加湿運転時など、大量の水分を短時間に排出させる場合には、水分の排出が間に合わず、フラッディングを発生する可能性がある。
特許文献4には、燃料電池拡散層のうち、燃料電池触媒層に対面する側とは反対側に吸水性を有する親水部を備える旨が記載されている。なお、親水部の形成は、親水性材料を分散したペーストをアプリケータにより塗布することにより得られるものである。
しかしながら、特許文献4に記載された親水部の形成方法では、精度良くかつ安定した拡散層の形成が困難であり、量産化にはなお課題があった。
本発明は、種々の運転条件において好適に使用し得る燃料電池拡散層を精度良く作製することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、種々の運転条件において好適に使用し得る燃料電池拡散層を簡便に形成することにある。
本発明の構成は以下のとおりである。
(1)所定の厚みを有する燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた塗工液を塗布し、含浸させる工程を含み、前記塗工液が、塗布部分および含浸部分の水親和性を変化させる、燃料電池拡散層の製造方法。
(2)上記(1)に記載の製造方法において、前記塗工液の含浸深さは、前記燃料電池拡散層用基材の厚み未満である、燃料電池拡散層の製造方法。
(3)上記(1)または(2)に記載の製造方法において、前記塗工液の含浸深さが、前記塗工液の塗布部分および含浸部分全体にわたり略均一である、燃料電池拡散層の製造方法。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の製造方法において、前記塗工液は、塗布部分および含浸部分を親水化させる、燃料電池拡散層の製造方法。
(5)燃料電池拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させる第1の塗工工程と、前記燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた第2の塗工液を塗布し、含浸させる第2の塗工工程と、を含み、前記第2の塗工液が、塗布部分および含浸部分を親水化させる、燃料電池拡散層の製造方法。
(6)上記(5)に記載の製造方法において、前記第2の塗工液が、前記第1の塗工液に親水化材料を添加したものである、燃料電池拡散層の製造方法。
(7)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の製造方法において、前記塗工液は、塗布部分および含浸部分を疎水化させる、燃料電池拡散層の製造方法。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の製造方法により形成される、燃料電池拡散層。
(9)電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、を有し、前記拡散層の少なくとも一方が、上記(8)に記載の燃料電池拡散層である、燃料電池。
(10)電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、を有する燃料電池であって、前記拡散層の少なくとも一方が、上記(5)または(6)に記載の製造方法により形成された燃料電池拡散層であり、前記第2の塗工液の塗布部分および含浸部分が、前記セパレータと対面するように設けられる、燃料電池。
(11)電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、を有する燃料電池であって、前記拡散層の少なくとも一方が、上記(5)または(6)に記載の製造方法により形成された燃料電池拡散層であり、前記第2の塗工液の塗布部分および含浸部分が、前記触媒層と対面するように設けられる、燃料電池。
水親和性の異なる層を有する燃料電池拡散層を作製する際に、各層の厚みを精度よく調整することが可能となる。
以下、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に示す本発明の実施の形態において、図4に示した燃料電池と同様の構成については同一の符号を付し、その説明については省略するか、または簡単な説明にとどめる。また、図面中の各部材間の寸法比は必ずしも実際の各部材間の寸法比に一致していない。
図1は、本発明の実施の形態における燃料電池において、特にカソード触媒層、カソード拡散層およびカソード側セパレータについて着目し、その構成の概略を示した拡大図である。
図1において、カソード拡散層118は、カソード触媒層14と対面するように設けられる内側層118a(第1の層とも称する)と、カソード側セパレータ22と対面するように設けられる外側層118b(第2の層とも称する)とを有している。
図1において、内側層118aと外側層118bとは、別々に調製したものを一体化してカソード拡散層118とすることも可能であるが、好ましくは、所定の厚みを有するカソード拡散層118用基材の一方面側に、所望の溶液を塗布し、所定の深さまで含浸させて、塗布部分および含浸部分の水親和性(親水性/撥水性)を変化させる溶液を適用することにより、この溶液の塗布・含浸部分と、未塗布部分との間で、水親和性を変化させることが好適である。以下に、カソード拡散層118を形成する拡散層用基材を用いた、カソード拡散層118の製造方法について説明する。
図2は、図1に示すカソード拡散層118の製造方法について、その一例を示したフローチャートである。以下に、カソード拡散層118の製造方法について、詳細に説明する。
まず、図1に示す、カソード拡散層118を形成する拡散層用基材を準備する。拡散層用基材として、例えばポリアクリロニトリル系、ピッチ系などの炭素系材料などからなる繊維質(多孔質)の織布または不織布などが用いられる。炭素系材料からなる拡散層用基材は、一般に導電性が高く、基材面方向の電気抵抗は、例えば5〜約20mΩ・cm程度のものを用いることができるが、この範囲に限定されるわけではない。また、種々の厚さの拡散層用基材を用いて良いが、図4に示すカソード拡散層18に使用する拡散層用基材と同様のものを用いることが可能である。具体的には、カソード拡散層118を形成する拡散層用基材を、例えば、100μm〜300μm程度の厚さとすることが可能であるが、この範囲に限定されるわけではない。より具体的には、カソード拡散層118の厚さが100μm〜300μm程度となるような拡散層用基材を適用することができる。
次に、図2に示すステップS102として、上述の拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させる(第1の塗工工程)。第1の塗工液として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂と、必要に応じて用いられるカーボンブラックや黒鉛などの導電性粒子とを、必要に応じて用いられる界面活性剤(分散剤)とともに、水やアルコールなどの水系媒体に分散させた分散液を用いることができる。他の実施の形態として、フッ素樹脂に代えて他の撥水化材料などを、また水系媒体に代えて有機溶媒などを用いても良く、拡散層として用いることが可能な組成であれば特に制限はない。導電性粒子の大きさは、例えば外寸約0.1μm〜約10μm程度とすることが可能であり、例えば、ケッチェンブラックEC(商品名)等の高導電性カーボン粒子が好適に使用される。また、フッ素樹脂の大きさは、塗工液中では外寸約0.1μm〜約10μm程度であるのが好ましいが、これに限らない。
本実施の形態において、第1の塗工液の塗布は、例えば含浸法、アプリケータ法、スプレー法、発泡塗布法、その他公知のあらゆる方法を適用することが可能であり、特に限定はされない。また、選択する塗布方法に応じて好ましい粘度となるように、塗工液の粘度を適宜調整することも好適である。図1に示すように、少なくともカソード拡散層118の一方面側に内側層(または第1の層)118aを形成するように、第1の塗工液を塗布する。このとき、所望の含浸深さとなるように拡散層用基材表面への第1の塗工液の載り量(目付け量)または堆積高さを制御することにより、内側層118aの厚さを調整することが可能である。なお、ここでは内側層(または第1の層)118aの幅を超えて、さらには拡散層用基材の全体に含浸させておくことも可能である。
図1において、内側層118aは、例えば図3に示すカソード拡散層18と同等程度の撥水性(疎水性)を有していても良い。具体的には、内側層118aの触媒層側表面の、JIS R3257(静滴法)に規定する水接触角が90°以上、より具体的には90°〜100°程度とすることが可能であるが、燃料電池の運転条件によっては撥水性の程度を適宜変更することも可能である。
拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させた後、ステップS104として、乾燥させる(第1の乾燥工程)。乾燥方法としては、自然乾燥、温風乾燥、加熱乾燥、その他、拡散層用基材に影響を与えない限り、公知のいかなる方法によるものであっても良い。なお、ここでは、完全に乾燥させる必要はなく、次の工程に影響を及ぼさない場合には省略することも可能である。
第1の乾燥工程の後(省略する場合には拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させた後)、ステップS106として、上述の拡散層用基材に、予め発泡させた第2の塗工液を塗布し、含浸させて、親水化させる(第2の塗工工程)。より具体的には、図1に示すように、拡散層用基材に親水化させた外側層118bを形成する。第2の塗工液として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PEA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂と、例えば、メチルシリケート、エチルシリケートなどのシリケートオリゴマーや、酸化スズ、セリウム酸化物などの金属酸化物等、親水性を付与するための親水化材料と、必要に応じて用いられるカーボンブラックや黒鉛などの導電性粒子とを、必要に応じて用いられる界面活性剤(分散剤・発泡助剤)とともに、水やアルコールなどの水系媒体に分散させた分散液を用いることができる。他の実施の形態として、水系媒体に代えて有機溶媒などを用いても良く、拡散層として用いることが可能な組成であれば特に制限はない。また、塗工液調製の手間を省くために、上述の第1の塗工液に、適量の親水化材料を添加したものとすることも可能である。
図1において、外側層118bの厚みは、拡散層用基材の厚みに関わらず、例えば5μm以下とすることが可能であり、より具体的には0.5〜5μm程度とすることが可能である。また、外側層118bの厚みを一定にすることが可能であれば、0.5μm未満に設定しても良く、例えば0.1μmとすることも可能である。繊維質(多孔質)の織布または不織布からなる拡散層基材に、所定の厚みを有する均一な外側層118bを精度良く形成するためには、発泡塗布が有効である。
発泡塗布とは、高速での撹拌や、界面活性剤の添加・撹拌などにより塗工液を予め発泡させた後に塗布する塗布方法である。塗工液を予め発泡させて発泡塗工液を作製する、発泡処理により、塗工液の密度を予め低下させておくことで、拡散層用基材への塗工液の染み込みが抑制されるため、塗工液の含浸深さが、この塗工液の塗布部分および含浸部分全体にわたり略均一となる。したがって、拡散層用基材の表面部分全体にわたり略均一の厚みを有する層を形成することが可能となり、最終的に作製される拡散層全面にわたり略均一の水親和性を有する。このとき、本実施の形態において、この発泡塗工液の好適な発泡倍率は、発泡前の溶液の体積に対して5〜50倍程度であるが、これに限定されるものではなく、発泡塗工液により形成される外側層118bに対し、所望する精度に応じて適宜設定することができる。
本実施の形態において、発泡塗工液(第2の塗工液)の塗布は、例えばロールコータ、ナイフコータ、アプリケータ、バーコータ、その他公知のあらゆる方法を適用することが可能であり、特に限定はされない。また、選択する塗布方法に応じて好ましい粘度となるように、塗工液の粘度を適宜調整することも好適である。また、塗工液の発泡倍率についても同様に選択する塗布方法に応じて適宜調整することができる。ただし、図1に示す内側層118aを形成するために、発泡塗工液の含浸深さは、拡散層用基材の厚み未満とすることが必要であり、図1に示すようにカソード拡散層118の他方面側に内側層118aを形成することができないような、例えば拡散層基材の全体を浸漬させるような塗布方法などは、不適である。所望の含浸深さとなるように拡散層基材表面への発泡塗工液の載り量(目付け量)または堆積高さを、発泡倍率に応じて制御することにより、外側層118bの厚みを調整することが可能である。
一方、第2の塗工液の塗布により、図1に示す内側層118aに相当する部分の厚みは、拡散層用基材の厚みから外側層118bの厚みを差し引いたものに相当する。なお、本発明の他の実施の形態として、図1に示す内側層118aと外側層118bとの間に、この2つの層とは異なる水親和性を有する中間層(図示せず)を設けても良い。中間層の水親和性の程度は、例えば内側層118aと外側層118bとの中間とすることが可能であるが、これに限らず、例えば内側層118aよりも高い撥水性を有する中間層や、外側層118bよりも高い親水性を有する中間層を設けることも可能である。このような場合には、例えば内側層118aと外側層118bの両方を発泡塗布により作製することも可能である。また、他の実施の形態として、内側層118aのみを発泡塗工液を用いて作製し、塗布部分および含浸部分を疎水化させることも可能である。
なお、図1において、例えば内側層118aと外側層118bとの間に上述した中間層を設ける様な場合には、図2に示した拡散層の製造方法とは別の方法を採用することも可能である。すなわち、図2において、ステップS102において使用した第1の塗工液に代えて、この第1の塗工液を所望の倍率に発泡させた発泡塗工液を使用することにより、内側層118aの塗工厚さをより精度良く、略均一にすることも可能である。また、ステップS102(第1の塗工工程)と、ステップS106(第2の塗工工程)とを入れ替えることも可能であることは言うまでもない。さらに、別の実施の形態として、ステップS102とステップS106とを同時に行なうことも可能である。この実施の形態によれば、塗工工程および乾燥工程をそれぞれ一度ずつ省略することが可能となるため、製造時間の短縮に寄与し得る。
図1において、外側層118bは、好ましくは内側層118aと比較して撥水性(疎水性)が低く、より好ましくは所望の親水性を有する層である。具体的には、外側層118bのセパレータ側表面の、JIS R3257(静滴法)に規定する水接触角が40°以下、より具体的には5°〜40°程度とすることが可能であるが、燃料電池の運転条件によっては親水性の程度を適宜変更することも可能である。
拡散層用基材に第2の塗工液を発泡塗布し、含浸させた後、ステップS108として、乾燥させる(第2の乾燥工程)。乾燥方法としては、自然乾燥、温風乾燥、加熱乾燥、その他、拡散層用基材に影響を与えない限り、公知のいかなる方法によるものであっても良い。また、ステップS104と同様の方法によるものであっても、異なるものであっても良い。なお、次の工程に影響を及ぼさない場合には省略することも可能である。
第2の乾燥工程の後(省略する場合には拡散層用基材に第2の塗工液(発泡塗工液)を塗布し、含浸させた後)、ステップS110として、上述の拡散層用基材を焼成する(焼成工程)。焼成工程により、内側層118aおよび外側層118b(図1)中に含まれるフッ素樹脂が溶融し、拡散層用基材に結着する。また、外側層118b(図1)中に含まれる親水化材料が架橋して、例えば拡散層用基材および/または導電性粒子に取り込まれてシリカ層(シリケートオリゴマー適用の場合)や金属酸化物層(金属酸化物適用の場合)を形成し、固着する。さらに、塗工液中に含まれる界面活性剤等の有機成分を分解除去する。これらを実現するために、例えば約340〜約400℃の高温で、約60分〜約8時間程度、焼成が行なわれる。内側層118aは、主としてフッ素樹脂の作用により、撥水性を有するが、外側層118bでは、フッ素樹脂による撥水性よりもむしろ親水化材料による親水性が優位に立ち、全体として親水性を有する。
焼成工程終了後、放冷し、必要に応じて所望の形状に裁断等を行ない、図1に示すカソード拡散層118が完成する。
このようにして得られた(カソード)拡散層118を、図4に示したカソード拡散層18および/またはアノード拡散層20に代えて用いることにより、例えば以下に説明する高加湿運転や低加湿運転など、種々の運転条件におけるフラッディングやドライアップなどの発生を好適に防止または抑制し、優れた電池性能を発揮する燃料電池を作製することが可能となる。
高加湿運転とは、例えば相対湿度70%〜100%程度に加湿した、水素ガスや改質ガスなどの燃料ガス、および相対湿度70%〜100%程度に加湿した、空気や酸素ガスなどの酸化ガス、をそれぞれ流通させて燃料電池を運転させることをいう。高加湿運転により、反応ガス中の水分量を上昇させると、電池反応の望ましくない副産物として生じ得るラジカルの希釈または系外への排出を速やかに行なうことが可能となる。このため、ラジカルの攻撃に起因する電解質膜12の穿孔や破断を効果的に防止することが可能となるため、このことが耐久性向上の一要因となり得るとされている。
高加湿運転においては、図4に示す単位セル10内で水蒸気が凝縮しやすく、カソード拡散層18および/またはアノード拡散層20において凝縮水が滞留しやすい傾向にある。特に、カソード極側では、電池反応により生成水が生じるため、排出すべき水分量がさらに多くなり、フラッディングが発生し易い傾向にある。また、通常運転よりも発電量を低減させた低負荷運転時においては、一般に反応ガスの流速または流量が通常時よりも低く抑えられているため、水分の排出に対する反応ガスの流速の寄与が通常運転時よりも小さくなるため、やはりフラッディングが発生し易い傾向にある。
このように、高加湿運転など、大量の水分を速やかに排出させる必要がある条件下では、フラッディングに伴う電池性能の低下の可能性が高くなるため、燃料電池内部からの水分の排出効率を向上させる必要がある。図1に示すような(カソード)拡散層118を、図4に示したカソード拡散層18および/またはアノード拡散層20に代えて用いることにより、電解質膜12および触媒層近傍に残存する余剰な水分を速やかに排出することができ、例えば高加湿運転下でのフラッディングの発生を好適に防止または抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態として、拡散層およびガス流路を流通する水分量が多い高加湿運転において好適に適応しうる燃料電池拡散層について説明したが、本発明の燃料電池拡散層によれば、これに限らず、例えば低加湿運転においても優れた電池性能を発揮させることが可能となる。
低加湿運転とは、電解質膜が、少なくとも所定のプロトン導電性を有する程度の水分量を維持しつつ燃料電池を運転させることをいい、例えば相対湿度30%〜50%程度に加湿した燃料ガス、および/または相対湿度30%〜50%程度に加湿した酸化ガスをそれぞれ流通させることをいい、もともとフラッディングが生じにくい形態である一方、電解質膜や触媒層において水分が不足することにより発電性能が低下する、ドライアップが発生する可能性がある。
図3は、本発明の他の実施の形態における燃料電池において、特に触媒層、拡散層およびセパレータについて着目し、その構成の概略を示した拡大図である。なお、図3においては、便宜上図4に示すアノード側についてのみ示している。
図3において、拡散層220は、触媒層116と対面するように設けられる内側層220bと、セパレータ124と対面するように設けられる外側層220aとを有している。
図3において、外側層220aが、図2に示す第1の塗工工程S102により作製された第1の層であり、内側層220bが、図2に示す第2の塗工工程S106により作製された第2の層であることを除き、図1に示す(カソード)拡散層118とほぼ同様の構成を有している。つまり、図3において、第2の塗工液(発泡塗工液)の塗布および含浸により作製された、親水性を有する層(内側層)220bが、触媒層116と対面するように設けられている。
図3に示すような構成を有する燃料電池において、例えば低加湿運転など、好適な電池反応を発揮させるために所定の水分量を電解質膜および触媒層近傍に維持させる必要のある運転条件では、親水性を有する内側層220bに所定量の水分を保持することが可能となるため、ドライアップが生じにくくなり、優れた電池反応を維持することが可能となる。
以上説明した、図3に示す拡散層220は、反応水が生成しないために、カソード側よりもドライアップが生じやすいと想定されるアノード拡散層として好適に適用することが可能であるが、これに限るものではなく、カソード側でのドライアップを効果的に防止または抑制するために、カソード拡散層として適用することも可能である。
図1に示す燃料電池拡散層(カソード拡散層)118を製造するにあたり、外側層118bの形成に(1)発泡塗布を用いたもの、(2)発泡させずに塗布を行ったもの、との間での、外側層118bの厚さのばらつきを測定し、比較した。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」はいずれも質量基準である。
<拡散層用基材>
拡散層用基材として、3.5cm×3.5cm角、厚さ0.19mmのカーボンペーパー(TGP−H−060、東レ株式会社製)を使用した。
拡散層用基材として、3.5cm×3.5cm角、厚さ0.19mmのカーボンペーパー(TGP−H−060、東レ株式会社製)を使用した。
<第1の塗工液の調製>
撥水化材料として、平均粒子径0.2μmのPTFEを、導電性粒子として、平均一次粒子径35nmのアセチレンブラックをそれぞれ用い、PTFE/アセチレンブラック=40/60(乾燥重量比)で脱イオン水中に分散させ、固形分含量20%の第1の塗工液を作製した。
撥水化材料として、平均粒子径0.2μmのPTFEを、導電性粒子として、平均一次粒子径35nmのアセチレンブラックをそれぞれ用い、PTFE/アセチレンブラック=40/60(乾燥重量比)で脱イオン水中に分散させ、固形分含量20%の第1の塗工液を作製した。
<第2の塗工液の調製>
フッ素樹脂として、平均粒子径0.2μmのPTFEを、導電性粒子として、平均一次粒子径35nmのアセチレンブラックを、親水化材料として、エチルシリケートオリゴマー(5量体)をそれぞれ使用し、PTFE/アセチレンブラック/エチルシリケートオリゴマー=20/60/20(乾燥重量比)で脱イオン水中に分散させ、固形分含量25%の親水化塗工液を作製した。
フッ素樹脂として、平均粒子径0.2μmのPTFEを、導電性粒子として、平均一次粒子径35nmのアセチレンブラックを、親水化材料として、エチルシリケートオリゴマー(5量体)をそれぞれ使用し、PTFE/アセチレンブラック/エチルシリケートオリゴマー=20/60/20(乾燥重量比)で脱イオン水中に分散させ、固形分含量25%の親水化塗工液を作製した。
<第2の塗工液による発泡塗工液の調製>
上記第2の塗工液を、高速ミキサーを用いて5分間撹拌し、発泡倍率10倍の発泡塗工液を作製した。発泡倍率は、目視により確認した塗工液の体積変化から、(発泡倍率=発泡後の体積/発泡前の体積)として算出した。なお、発泡倍率は5分間ほとんど変化せず、30分経過後にも7倍程度の発泡倍率を維持していた。なお、発泡倍率は、5分程度維持していれば、塗工液の安定塗布に特段の影響は認められなかった。
上記第2の塗工液を、高速ミキサーを用いて5分間撹拌し、発泡倍率10倍の発泡塗工液を作製した。発泡倍率は、目視により確認した塗工液の体積変化から、(発泡倍率=発泡後の体積/発泡前の体積)として算出した。なお、発泡倍率は5分間ほとんど変化せず、30分経過後にも7倍程度の発泡倍率を維持していた。なお、発泡倍率は、5分程度維持していれば、塗工液の安定塗布に特段の影響は認められなかった。
[実施例]
図2に示すステップS102からS110にしたがって、燃料電池拡散層を作製した。なお、本実施例において、図1に示す外側層118bの厚みは、概ね4.5μmとなるように設定した。
図2に示すステップS102からS110にしたがって、燃料電池拡散層を作製した。なお、本実施例において、図1に示す外側層118bの厚みは、概ね4.5μmとなるように設定した。
<第1の塗工工程(S102)>
塗工装置としてダイコータを用い、拡散層用基材の一方面上に、第1の塗工液を1cm2あたり10mg(乾燥重量2mg/cm2)となるように塗布し、含浸させた。
塗工装置としてダイコータを用い、拡散層用基材の一方面上に、第1の塗工液を1cm2あたり10mg(乾燥重量2mg/cm2)となるように塗布し、含浸させた。
<第1の乾燥工程(S104)>
熱風乾燥機により100℃で1時間、乾燥を行なった。
熱風乾燥機により100℃で1時間、乾燥を行なった。
<第2の塗工工程(S106)>
塗工装置としてアプリケータを用い、拡散層用基材の他方面上に第2の塗工液(発泡塗工液)を塗布し、含浸させた。具体的には予め10倍に発泡させた親水化塗工液を、300μmのゲージのついたアプリケータにより塗布し、含浸させた。その結果、拡散層用基材の表面1cm2あたり乾燥重量で0.2mgの第2の(発泡)塗工液が塗布された。
塗工装置としてアプリケータを用い、拡散層用基材の他方面上に第2の塗工液(発泡塗工液)を塗布し、含浸させた。具体的には予め10倍に発泡させた親水化塗工液を、300μmのゲージのついたアプリケータにより塗布し、含浸させた。その結果、拡散層用基材の表面1cm2あたり乾燥重量で0.2mgの第2の(発泡)塗工液が塗布された。
<第2の乾燥工程(S108)>
熱風乾燥機により100℃で1時間、乾燥を行なった。
熱風乾燥機により100℃で1時間、乾燥を行なった。
<焼成工程(S110)>
焼成炉を用いて、360℃、6時間の焼成を行った。焼成後、放冷し、燃料電池拡散層を得た。
焼成炉を用いて、360℃、6時間の焼成を行った。焼成後、放冷し、燃料電池拡散層を得た。
[比較例]
実施例における第2の塗工工程(S106)において、発泡塗工液に代えて未発泡の第2の塗工液を塗布し、含浸させたことを除き、実施例と同様にして燃料電池拡散層を得た。具体的には未発泡の第2の塗工液を、30μmのゲージのついたアプリケータにより処理した結果、拡散層用基材の表面1cm2あたり乾燥重量で0.4mgの第2の塗工液が塗布された。
実施例における第2の塗工工程(S106)において、発泡塗工液に代えて未発泡の第2の塗工液を塗布し、含浸させたことを除き、実施例と同様にして燃料電池拡散層を得た。具体的には未発泡の第2の塗工液を、30μmのゲージのついたアプリケータにより処理した結果、拡散層用基材の表面1cm2あたり乾燥重量で0.4mgの第2の塗工液が塗布された。
[評価]
実施例及び比較例によりそれぞれ10枚ずつ燃料電池拡散層を作製した。得られた燃料電池拡散層の断面をそれぞれ観察し、図1に示す外側層118bの厚みの平均および標準偏差を求めた。具体的には、X線マイクロアナライザ(EPMA1600、島津製作所製)を使用して、Si元素を含有する位置を確認することにより、外側層118bの厚みを測定した。結果を表1に示す。なお、1枚の燃料電池拡散層における外側層118bの厚みとして、任意の10箇所において上述の方法により測定している。
実施例及び比較例によりそれぞれ10枚ずつ燃料電池拡散層を作製した。得られた燃料電池拡散層の断面をそれぞれ観察し、図1に示す外側層118bの厚みの平均および標準偏差を求めた。具体的には、X線マイクロアナライザ(EPMA1600、島津製作所製)を使用して、Si元素を含有する位置を確認することにより、外側層118bの厚みを測定した。結果を表1に示す。なお、1枚の燃料電池拡散層における外側層118bの厚みとして、任意の10箇所において上述の方法により測定している。
表1によれば、実施例と比較例との間に外側層118bの厚みの平均にはほとんど差がないものの、比較例では外側層118bの厚みに有意のばらつきが生じていることが分かる。このように、本実施例によれば、親水性を有する外側層118bの形成に発泡塗布を導入することにより、高精度に燃料電池拡散層を製造することが可能となる。
本発明は、種々の運転条件に供される燃料電池に利用することが可能である。
10 単位セル、12 電解質膜、14 カソード触媒層、16 アノード触媒層、18,118 カソード拡散層、20,220 アノード拡散層、22 カソード側セパレータ、24 アノード側セパレータ、26 酸化ガス流路、28 燃料ガス流路、40 膜電極接合体(MEA)、118a 内側層(第1の層)、118b 外側層(第2の層)、220a 外側層(第1の層)、220b 内側層(第2の層)。
Claims (11)
- 所定の厚みを有する燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた塗工液を塗布し、含浸させる工程を含み、
前記塗工液が、塗布部分および含浸部分の水親和性を変化させることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法において、
前記塗工液の含浸深さは、前記燃料電池拡散層用基材の厚み未満であることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項1または2に記載の製造方法において、
前記塗工液の含浸深さが、前記塗工液の塗布部分および含浸部分全体にわたり略均一であることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法において、
前記塗工液は、塗布部分および含浸部分を親水化させることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 燃料電池拡散層用基材に第1の塗工液を塗布し、含浸させる第1の塗工工程と、
前記燃料電池拡散層用基材の一方面側に、予め発泡させた第2の塗工液を塗布し、含浸させる第2の塗工工程と、
を含み、
前記第2の塗工液が、塗布部分および含浸部分を親水化させることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項5に記載の製造方法において、
前記第2の塗工液が、前記第1の塗工液に親水化材料を添加したものであることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法において、
前記塗工液は、塗布部分および含浸部分を疎水化させることを特徴とする燃料電池拡散層の製造方法。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法により形成されることを特徴とする燃料電池拡散層。
- 電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、
を有し、
前記拡散層の少なくとも一方が、請求項8に記載の燃料電池拡散層であることを特徴とする燃料電池。 - 電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、
を有する燃料電池であって、
前記拡散層の少なくとも一方が、請求項5または6に記載の製造方法により形成された燃料電池拡散層であり、
前記第2の塗工液の塗布部分および含浸部分が、前記セパレータと対面するように設けられることを特徴とする燃料電池。 - 電解質膜と、前記電解質膜を挟んで対向するように形成された一対の触媒層と、前記一対の触媒層の外側にそれぞれ形成された一対の拡散層と、を有する膜電極接合体と、
前記膜電極接合体の両面を挟持し、前記一対の拡散層それぞれとの間でガス流路を形成する一対のセパレータと、
を有する燃料電池であって、
前記拡散層の少なくとも一方が、請求項5または6に記載の製造方法により形成された燃料電池拡散層であり、
前記第2の塗工液の塗布部分および含浸部分が、前記触媒層と対面するように設けられることを特徴とする燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007032068A JP2008198474A (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 燃料電池拡散層の製造方法、燃料電池拡散層および燃料電池 |
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JP2007032068A JP2008198474A (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 燃料電池拡散層の製造方法、燃料電池拡散層および燃料電池 |
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JP2007032068A Pending JP2008198474A (ja) | 2007-02-13 | 2007-02-13 | 燃料電池拡散層の製造方法、燃料電池拡散層および燃料電池 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102460790A (zh) * | 2009-06-26 | 2012-05-16 | 日产自动车株式会社 | 气体扩散电极及其生产方法、膜电极组件及其生产方法 |
JP2019216047A (ja) * | 2018-06-14 | 2019-12-19 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 多孔質電極用組成物、多孔質電極およびそれを用いた電池 |
CN113394409A (zh) * | 2021-06-15 | 2021-09-14 | 山东仁丰特种材料股份有限公司 | 一种具有双微孔层结构的氢燃料电池气体扩散层及其制备方法 |
-
2007
- 2007-02-13 JP JP2007032068A patent/JP2008198474A/ja active Pending
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