JP2018170092A - 微生物燃料電池に用いられる電極形成用組成物、電極及び微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池に用いられる電極形成用組成物、電極及び微生物燃料電池 Download PDF

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彰彦 八手又
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Abstract

【課題】発電特性に優れる微生物燃料電池用電極を製造するための電極形成用組成物であり、かつ安価な電極形成用組成物を提供すること。【解決手段】前記課題は、導電材及び/または酸素還元触媒と、水溶性樹脂と、水性樹脂微粒子とを含有する微生物燃料電池電極形成用組成物、また、水性樹脂微粒子がアクリル系乳化重合物またはメタクリル系乳化重合物を含む前記微生物燃料電池電極形成用組成物、さらに、導電材がカーボン材料である前記微生物燃料電池電極形成用組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

微生物燃料電池に用いられる電極形成用組成物、電極及び微生物燃料電池に関する。
近年、燃料電池の仕組みを利用した微生物燃料電池の開発が進められている。これは微生物により有機物を分解する際に生じる電子を回収し、電気エネルギーとして利用する発電方法である。例えば生活廃水などの浄化に用いた場合、分解処理と発電が並行して行えるため、消費エネルギーを低減できる水処理方法として期待されている。
微生物燃料電池の形状は、二槽型と一槽型が知られている。アノードでの微生物による分解反応から生じた電子が外部回路を経由し、カソードにて還元反応で消費される点は共通している。二槽型はイオン交換膜などの隔壁で両極を分け、酸素やフェリシアン化カリウムなどの酸化剤をカソードで反応させている。一方、一槽型は隔壁が無く、アノードと同じ槽内に、大気中の酸素を直接流入し反応するエアカソードを設置する。
いずれの方式であっても、例えば水処理を想定すると、高い発電性能を得るために微生物反応や触媒反応を妨げることのない電極部材、特に樹脂を選択する必要があり、かつ樹脂総量は少ない方が望ましい。
現状では、電極形成用の樹脂としてデュポン社製Nafion(登録商標)を用いることが多く、そのプロトン伝導性により、特にカソードでの触媒反応を阻害せずに密着性を確保している。しかしながら、その性能は未だ十分ではなく、更に前記以外の課題として高価であることも挙げられ、改善に向けて鋭意研究が進められている(非特許文献1、2)。
Environ.Sci.Technol.(2006),40,364−369 Journal of Power Sources(2012),218,100−105
本発明の目的は、発電特性に優れる微生物燃料電池用電極を製造するための電極形成用組成物であり、かつ安価な電極形成用組成物を提供することである。
本発明者らは、前記の諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。即ち本発明は、導電材及び/または酸素還元触媒と、水溶性樹脂と、水性樹脂微粒子とを含有する微生物燃料電池電極形成用組成物に関する。
また本発明は、水性樹脂微粒子が、アクリル系乳化重合物またはメタクリル系乳化重合物を含む前記の微生物燃料電池電極形成用組成物に関する。
また本発明は、導電材がカーボン材料である前記の微生物燃料電池電極形成用組成物に関する。
また本発明は、酸素還元触媒が貴金属触媒、卑金属酸化物触媒、炭素触媒および活性炭からなる群より選ばれる一つ以上である前記の微生物燃料電池電極形成用組成物に関する。
また本発明は、さらに、水性液状媒体を含有する前記の微生物燃料電池電極形成用組成物に関する。
また本発明は、前記の微生物燃料電池電極形成用組成物を用いることを特徴とする微生物燃料電池用電極に関する。
また本発明は、微生物燃料電池の液面、液中、側面、底面のいずれかに設置され、一面が槽外部の空気と接触しその裏面が電解液と接触する、微生物燃料電池用電極に関する。
また本発明は、前記の微生物燃料電池用電極を用いることを特徴とする微生物燃料電池に関する。
本発明によれば、水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子が導電材及び/または酸素還元触媒と共に分散された微生物燃料電池電極形成用組成物は、塗膜形成された後、例えば水中に浸漬した場合に、水溶性樹脂の水との高い親和性により電極の濡れ性が向上し、水溶性樹脂の膨潤、あるいは水溶性樹脂の溶出による流路の形成により、微生物燃料電池の発電に必要なプロトンの拡散に優れた電極を提供できる。
また、水性樹脂微粒子により導電材及び/または酸素還元触媒の結着が保たれ、その結着は点接触によるため、例えば界面を反応場とする触媒の場合、触媒反応を阻害しにくい。更に、密着性に優れることから必要な樹脂は少量で済むため、結果、樹脂による抵抗が低減できる。即ち、導電材及び/または酸素還元触媒と水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子とを含有する微生物燃料電池電極形成用組成物を使用することで、発電性能に優れた微生物燃料電池を提供できる。
更に、水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子は構成する単量体によっては安価に製造することも可能なため、微生物燃料電池電極形成用組成物の製造費を低減できる。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレートおよび/またはメタクリレートを意味し、(メタ)アクリルアミドとはアクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味し、(メタ)アクリル系エマルションとはアクリル系エマルションおよび/またはメタクリル系エマルションを意味し、(メタ)アクリル系乳化重合物とはアクリル系乳化重合物および/またはメタクリル系乳化重合物を意味する。
<微生物燃料電池電極形成用組成物(合材インキ)>
本発明の微生物燃料電池電極形成用組成物(以下、合材インキ)は、少なくとも導電材及び/または酸素還元触媒と、水溶性樹脂と水性樹脂微粒子とを含有するものである。導電材及び/または酸素還元触媒、水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子の割合は、特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択され得る。また、水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子は各々、複数種を用いてもよい。
<水溶性樹脂>
水溶性樹脂は、水中において溶解した状態となる樹脂である。
水溶性樹脂としては、アニオン性樹脂、カチオン性樹脂、アニオン性とカチオン性の性質を併せ持つ両性樹脂、またそれ以外のノニオン性樹脂に大別され、更にその樹脂が複数の単量体から構成されてもよい。
アニオン性樹脂としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基およびそれらを一部あるいは全てを中和した骨格を含有する樹脂が挙げられる。例示すると、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの重合性単量体の単独重合物、または他の重合性単量体との共重合物およびそれらのアルカリ中和物等が挙げられる。
カチオン性樹脂としては、環状を含むアミノ基およびアミノ基の一部あるいは全て中和した骨格や4級アンモニウム塩を含有する樹脂等が挙げられる。例示すると、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジンなどの重合性単量体の単独重合物、または他の重合性単量体との共重合物およびそれらの酸中和物が挙げられる。
両性樹脂としては、前記アニオン性骨格と前記カチオン性骨格を共に含有する樹脂が挙げられる。例示すると、スチレン−マレイン酸−N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの共重合物などが挙げられる。
ノニオン性樹脂は、前記アニオン性、カチオン性および両性樹脂以外の樹脂である。例示すると、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
また、水溶性樹脂は、前記以外にも次に例示する単量体を複数含む共重合体でも良い。
芳香環を有する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレートを例示出来る。
鎖式飽和炭化水素基を有する単量体としては、具体的に例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜22のアルキル(メタ)アクリレートがあり、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基を有するアルキル基含有アクリレートまたは対応するメタクリレートが挙げられる。これらのアルキル基は分岐してもよく、具体例としては、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ブチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等、脂肪酸ビニル化合物が挙げられる。
更に、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン等、α−オレフィン化合物が挙げられる。
環状飽和炭化水素基を有する単量体としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン構造を有する単量体としては、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等、末端に水酸基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたはモノメタアクリレート等、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等、末端にアルコキシ基を有し、ポリオキシアルキレン鎖を有するモノアクリレートまたは対応するモノメタアクリレートがある。また、アルキルビニルエーテル化合物としては、ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。
また、グリシジル(メタ)クリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のように環式化合物を用いても良い。
水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシスチレン、ビニルアルコール、アリルアルコール等が挙げられる。
また、ビニルアルコールの誘導体である単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステルが例示できる。これらのビニルエステルを共重合し、得られた共重合体を水酸化ナトリウムなどにより鹸化することで、水酸基を形成できる。
窒素含有の単量体としては、N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド等のモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド等を例示できる。
更にその他の単量体としては、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキルアルキル(メタ)アクリレート類;
パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレン等のパーフルオロアルキル、アルキレン類等のパーフルオロアルキル基含有ビニルモノマー、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラノール基含有ビニル化合物及びその誘導体などを挙げることができ、これらの群から複数用いることができる。
エチニル化合物としては、アセチレン、エチニルベンゼン、エチニルトルエン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等が挙げられる。これらは単独もしくは2種類以上を併用して使用することもできる。
<水性樹脂微粒子>
水性樹脂微粒子は、樹脂が水中で溶解せずに微粒子の状態で存在するもので、その水分散体は一般的に水性エマルションとも呼ばれ、本発明に使用できる。
使用するエマルションとしては、(メタ)アクリル系エマルション、ニトリル系エマルション、ウレタン系エマルション、ジエン系エマルション(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)など)、フッ素系エマルション(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)等が挙げられる。水溶性高分子と異なり、エマルションは粒子間の結着性と柔軟性(膜の可とう性)に優れるものが好ましい。
(水性樹脂微粒子の粒子構造)
また、本発明に用いる水性樹脂微粒子の粒子構造は、多層構造、いわゆるコアシェル粒子にすることもできる。例えば、コア部、またはシェル部に官能基を有する単量体を主に重合させた樹脂を局在化させたり、コアとシェルによってTgや組成に差を設けたりすることにより、硬化性、乾燥性、成膜性、バインダーの機械強度を向上させることができる。
(水性樹脂微粒子の粒子径)
本発明に用いる水性樹脂微粒子の平均粒子径は、結着性や粒子の安定性の点から、10〜500nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましい。また、1μmを超えるような粗大粒子が多く含有されるようになると粒子の安定性が損なわれるので、1μmを超える粗大粒子は多くとも5%以下であることが好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを表し、動的光散乱法により測定できる。
動的光散乱法による平均粒子径の測定は、以下のようにして行うことができる。架橋型樹脂微粒子分散液は固形分に応じて200〜1000倍に水希釈しておく。該希釈液約5mlを測定装置[(株)日機装社製マイクロトラック]のセルに注入し、サンプルに応じた溶剤(本発明では水)および樹脂の屈折率条件を入力後、測定を行う。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを本発明の平均粒子径とする。
<(メタ)アクリル系エマルション>
次に、(メタ)アクリル系エマルションについて説明する。(メタ)アクリル系エマルションとは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体を重合物100質量部に対し10質量部以上含有する(メタ)アクリル系乳化重合物の水系分散体であり、好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上含有されているとよい。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は反応性に優れるため、樹脂微粒子を比較的容易に作製することができる。また、(メタ)アクリル系エマルションによる塗膜は密着性や可撓性に優れる。
(メタ)アクリル系エマルションを使用する場合、以下で説明する架橋型樹脂微粒子を含むことが好ましい。架橋型樹脂微粒子とは、内部架橋構造(三次元架橋構造)を有する樹脂微粒子を示し、粒子内部で架橋していることが重要である。架橋型樹脂微粒子が架橋構造をとることにより耐電解液溶出性を確保することができ、粒子内部の架橋を調整することでその効果を高めることができる。また、架橋型樹脂微粒子が特定の官能基を含有することにより、基材、または他の電極構成材料との密着性に寄与することができる。さらには架橋構造や官能基の量を調整することで、微生物燃料電池の耐久性に優れた合材インキを得ることができる。
また、架橋には粒子同士の架橋(粒子間架橋)を併用することもできるが、この場合、多くは架橋剤をあとで添加するため、架橋剤成分の電解液への漏出や電極作製時のバラツキが生じる場合もある。このため、架橋剤は耐電解液性を損なわない程度に用いる必要がある。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、エチレン性不飽和単量体を水中にて界面活性剤の存在下、ラジカル重合開始剤によって乳化重合して得られる樹脂微粒子である。本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションは、下記単量体(C1)および(C2)を下記割合で含むエチレン性不飽和単量体を乳化重合することにより得ることが好ましい。
(C1)単官能または多官能アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体(c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c2)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体:0.1〜5質量%
(C2)前記単量体(c1)〜(c2)以外のエチレン性不飽和単量体(c3):95〜99.9質量%
(但し、前記(c1)〜(c3)の合計を100質量%とする)
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子を構成するエチレン性不飽和単量体のうち(c1)、(c3)は、特に断らない限り、1分子中に1つのエチレン性不飽和基を有する単量体のことを示す。
<単量体群(C1)について>
単量体群(C1)に含まれる単量体の有する官能基(アルコキシシリル基、エチレン性不飽和基)は、自己架橋型反応性官能基であり、主に粒子合成中における粒子内部架橋を形成する効果がある。粒子の内部架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。したがって、単量体群(C1)に含まれる単量体を使用することで架橋型樹脂微粒子とすることができる。また、粒子架橋を十分に行うことで、耐電解液性を向上させることができる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、アルコキシシリル基とを有する単量体(c1)としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシメチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸1−メチルアリル、(メタ)アクリル酸2−メチルアリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロルアリル、(メタ)アクリル酸3−クロルアリル、(メタ)アクリル酸o−アリルフェニル、(メタ)アクリル酸2−(アリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリルラクチル、(メタ)アクリル酸シトロネリル、(メタ)アクリル酸ゲラニル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチルなどのエチレン性不飽和基含有(メタ)アクリル酸エステル類;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリル酸などの多官能(メタ)アクリル酸エステル類;ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニルなどのジビニル類;イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリルなどのジアリル類などが挙げられる。
単量体(c1)または単量体(c2)中のアルコキシシリル基またはエチレン性不飽和基は、主に重合中にそれぞれが自己縮合、または重合して粒子に架橋構造を導入することを目的としているが、その一部が重合後にも粒子内部や表面に残存していてもよい。残存したアルコキシシリル基、またはエチレン性不飽和基は、バインダー組成物の粒子間架橋に寄与する。特にアルコキシシリル基は基材への密着性向上に寄与する効果があるため好ましい。
本発明では、単量体群(C1)に含まれる単量体は、乳化重合に使用するエチレン性不飽和単量体全体(合計100質量%)中に0.1〜5質量%使用されることを特徴とする。好ましくは0.5〜3質量%である。
<単量体群(C2)について>
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、上述した1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、アルコキシシリル基とを有する単量体(c1)、および1分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体(c2)に加えて、単量体群(C2)として、単量体(c1)、(c2)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(c3)を同時に乳化重合することで得ることができる。
この単量体(c3)としては、単量体(c1)、(c2)以外であって、エチレン性不飽和基を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能エポキシ基とを有する単量体(c4)、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能カルバモイル基とを有する単量体(c5)、および1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能水酸基とを有する単量体(c6)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体、および、単量体(c1)、(c2)、(c4)〜(c6)以外の、エチレン性不飽和基を有する単量体(c7)を使用することができる。
単量体(c4)〜(c6)を使用することにより、エポキシ基、カルバモイル基、または水酸基を架橋型樹脂微粒子の粒子内や表面に残存させることができ、これにより基材の密着性などの物性を向上させることができる。単量体(c4)〜(c6)は、粒子合成後でもその官能基が粒子内部や表面に残存しやすく、少量でも基材への密着性効果が大きい。また、その一部が架橋反応に使用されてもよく、これらの官能基の架橋度合いを調整することで、耐電解液性と密着性のバランスをとることができる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能エポキシ基とを有する単量体(c4)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能カルバモイル基とを有する単量体(c5)としては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどのカルバモイル基含有エチレン性不飽和単量体;N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキロール(メタ)アクリルアミド類;N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルコキシ(メタ)アクリルアミド類;N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルコキシ(メタ)アクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのジアルキル(メタ)アクリルアミド類;ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどのケト基含有(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、単官能または多官能水酸基とを有する単量体(c6)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコールなどが挙げられる。
単量体(c4)〜(c6)に含まれる単量体の官能基は、その一部が粒子重合中に反応し、粒子内架橋に使われても構わない。本発明では、単量体(c4)〜(c6)に含まれる単量体は、乳化重合に使用するエチレン性不飽和単量体全体(合計100質量%)中に0.1〜20質量%使用されることを特徴とする。好ましくは1〜15質量%であり、特に好ましくは2〜10質量%である。
単量体(c7)としては、単量体(c1)、(c2)、(c4)〜(c6)以外であって、エチレン性不飽和基を有する単量体であれば特に限定されないが、例えば、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、炭素数8〜18のアルキル基とを有する単量体(c8)、1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、環状構造とを有する単量体(c9)などが挙げられる。単量体(c7)として、該単量体(c8)および/または単量体(c9)を乳化重合に使用する場合には(単量体(c7)としてそれら以外の単量体を含んでいてもよい)、該単量体(c8)および(c9)が、エチレン性不飽和基を有する単量体全体((c1)、(c2)、(c4)〜(c6)および(c7))中に合計で30〜95質量%含まれることが好ましい。単量体(c8)や単量体(c9)を使用することで粒子合成時の粒子安定性や耐電解液性に優れるため好ましい。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、炭素数8〜18のアルキル基とを有する単量体(c8)としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、環状構造とを有する単量体(c9)としては、脂環式エチレン性不飽和単量体や芳香族エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。脂環式エチレン性不飽和単量体としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、芳香族エチレン性不飽和単量体としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、クロロスチレン、アリルベンゼン、エチニルベンゼンなどが挙げられる。
上記単量体(c8)、単量体(c9)以外の単量体(c7)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基含有エチレン性不飽和単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和単量体;パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、パーフルオロデシルエチレンなどのパーフルオロアルキル、アルキレン類などのパーフルオロアルキル基含有エチレン性不飽和化合物;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリエーテル鎖を有するエチレン性不飽和化合物;ラクトン変性(メタ)アクリレートなどのポリエステル鎖を有するエチレン性不飽和化合物;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、およびトリメチル−3−(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩基含有エチレン性不飽和化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどの脂肪酸ビニル系化合物;ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル系エチレン性不飽和単量体;1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセンなどのα−オレフィン系エチレン性不飽和単量体;酢酸アリル、シアン化アリルなどのアリル単量体;シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトンなどのビニル単量体;アセチレン、エチニルトルエンなどのエチニル単量体などが挙げられる。
また、上記単量体(c8)、単量体(c9)以外の単量体(c7)としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、または、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体;ターシャリーブチル(メタ)アクリレートなどのターシャリーブチル基含有エチレン性不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体;(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートアッシドホスフェートなどのリン酸基含有エチレン性不飽和単量体;ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクロレイン、N−ビニルホルムアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレートなどのケト基含有エチレン性不飽和単量体(1分子中に1つのエチレン性不飽和基と、ケト基とを有する単量体)などが挙げられる。
単量体(c7)として、ケト基含有エチレン性不飽和単量体を使用する場合、架橋剤としてケト基と反応しうるヒドラジド基を2個以上有する多官能ヒドラジド化合物をバインダー組成物に混合すると、ケト基とヒドラジド基との架橋により強靱な塗膜を得ることができる。このことにより優れた耐電解液性、結着性を有する。
また、単量体(c7)の中でもカルボキシル基、ターシャリーブチル基(熱によりターシャリーブタノールが脱離してカルボキシル基になる。)、スルホ基、およびリン酸基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合して得られた樹脂微粒子は、重合後にも粒子内や表面に前記官能基が残存し、基材の密着性などの物性を向上させる効果があると同時に、合成時の凝集を防いだり、合成後の粒子安定性を保持したりする場合あるため好ましく使用することができる。
カルボキシル基、ターシャリーブチル基、スルホ基、およびリン酸基は、その一部が重合中に反応し、粒子内架橋に使われても構わない。カルボキシル基、ターシャリーブチル基、スルホ基、およびリン酸基を含む単量体を用いる場合には、乳化重合に使用するエチレン性不飽和単量体全体(合計100質量%)中に0.1〜10質量%含まれることが好ましく、さらには1〜5質量%含まれることがより好ましい。さらにこれらの官能基は、乾燥時に反応して粒子内や粒子間の架橋に使われても構わない。
例えばカルボキシル基は、重合中および乾燥時にエポキシ基と反応して樹脂微粒子に架橋構造を導入できる。同様に、ターシャリーブチル基も一定温度以上の熱が加わるとターシャリーブチルアルコールが生成するとともにカルボキシル基が形成されるため、前記同様エポキシ基と反応することができる。
これらの単量体(c7)は、粒子の重合安定性やガラス転移温度、さらには成膜性や塗膜物性を調整するために、上記に挙げたような単量体を2種以上併用して用いることができる。また、例えば(メタ)アクリロニトリルなどを併用することでゴム弾性が発現する効果がある。
<本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子の製造方法>
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、従来既知の乳化重合方法により合成される。
<乳化重合で用いられる乳化剤>
本発明において乳化重合の際に用いられる乳化剤としては、エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤やエチレン性不飽和基を有しない非反応性乳化剤など、従来公知のものを任意に使用することができる。
エチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤はさらに大別して、アニオン系、非イオン系のノニオン系のものが例示できる。特にエチレン性不飽和基を有するアニオン系反応性乳化剤若しくはノニオン性反応性乳化剤を用いると、共重合体の分散粒子径が微細となるとともに粒度分布が狭くなるため、耐電解液性を向上することができ好ましい。このエチレン性不飽和基を有するアニオン系反応性乳化剤若しくはノニオン性反応性乳化剤は、1種を単独で使用しても、複数種を混合して用いてもよい。
エチレン性不飽和基を有するアニオン系反応性乳化剤の一例として、以下にその具体例を例示するが、本願発明において使用可能とする乳化剤は、以下に記載するもののみに限定されるものではない。
乳化剤としては、アルキルエーテル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH−05、KH−10、KH−20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR−10N、SR−20N、花王株式会社製ラテムルPD−104など);スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS−120、S−120A、S−180P、S−180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS−2など);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンH−2855A、H−3855B、H−3855C、H−3856、HS−05、HS−10、HS−20、HS−30、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX−222、SDX−223、SDX−232、SDX−233、SDX−259、SE−10N、SE−20N、など);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS−60、MS−2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS−30など);リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H−3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP−70など)などが挙げられる。
本発明で用いることのできるノニオン系反応性乳化剤としては、例えばアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER−10、ER−20、ER−30、ER−40、花王株式会社製ラテムルPD−420、PD−430、PD−450など);アルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−40など);(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA−564、RMA−568、RMA−1114など)などが挙げられる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子を乳化重合により得るに際しては、前記したエチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤とともに、必要に応じエチレン性不飽和基を有しない非反応性乳化剤を併用することができる。非反応性乳化剤は、非反応性アニオン系乳化剤と非反応性ノニオン系乳化剤とに大別することができる。
非反応性ノニオン系乳化剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルなどを例示することができる。
また、非反応性アニオン系乳化剤の例としては、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩およびその誘導体類;ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩類などを例示することができる。
本発明において用いられる乳化剤の使用量は、必ずしも限定されるものではなく、架橋型樹脂微粒子が最終的なバインダーとして使用される際に求められる物性にしたがって適宜選択できる。例えば、エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、乳化剤は通常0.1〜30質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜10質量部の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子の乳化重合に際しては、水溶性保護コロイドを併用することもできる。水溶性保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩などのセルロース誘導体;グアガムなどの天然多糖類などが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、エチレン性不飽和単量体の合計100質量部当り0.1〜5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜2質量部である。
<乳化重合で用いられる水性媒体>
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子の乳化重合に際して用いられる水性媒体としては、水が挙げられ、親水性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
<乳化重合で用いられる重合開始剤>
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子を得るに際して用いられる重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、公知の油溶性重合開始剤や水溶性重合開始剤を使用することができる。
油溶性重合開始剤としては特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−シクロヘキサン−1−カルボニトリルなどのアゾビス化合物などを挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。これら重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.1〜10.0質量部の量を用いるのが好ましい。
本発明においては水溶性重合開始剤を使用することが好ましく、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライドなど、従来既知のものを好適に使用することができる。また、乳化重合を行うに際して、所望により重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。これにより、乳化重合速度を促進したり、低温において乳化重合を行ったりすることが容易になる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラートなどの金属塩などの還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元性無機化合物、塩化第一鉄、ロンガリット、二酸化チオ尿素などを例示できる。これら還元剤は、全エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.05〜5.0質量部の量を用いるのが好ましい。
<乳化重合の条件>
なお、前記した重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射などによっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。
<反応に用いられるその他の材料>
さらに必要に応じて、緩衝剤として、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが、また、連鎖移動剤としてのオクチルメルカプタン、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、ステアリルメルカプタン、ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類が適量使用できる。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子の重合にカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体などの酸性官能基を有する単量体を使用した場合、重合前や重合後に塩基性化合物で中和することができる。中和する際、アンモニアもしくはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンなどのアルキルアミン類;2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノールなどのアルコールアミン類;モルホリンなどの塩基で中和することができる。ただし、乾燥性に効果が高いのは揮発性の高い塩基であり、好ましい塩基はアミノメチルプロパノール、アンモニアである。
<重合した樹脂微粒子に添加する未架橋の化合物(E)>
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションは、架橋型樹脂微粒子に加えて、さらに、未架橋のエポキシ基含有化合物、未架橋のカルバモイル基含有化合物、未架橋の水酸基含有化合物、および未架橋のオキサゾリン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの未架橋の化合物(E)[以下、化合物(E)と表記する場合がある]とを含むことが好ましい。
化合物(E)である「未架橋の官能基含有化合物」とは、単量体群(C1)に含まれる単量体のように本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションの内部架橋構造(三次元架橋構造)を形成する化合物とは異なり、樹脂微粒子が乳化重合(ポリマー形成)された後に添加される(樹脂微粒子の内部架橋形成に関与しない)化合物のことのことをいう。すなわち、「未架橋」とは、本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションの内部架橋構造(三次元架橋構造)の形成に関与していないことを意味する。
本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルションが架橋構造をとることにより耐電解液性が確保され、また、化合物(E)を使用することで、化合物(E)中のエポキシ基、カルバモイル基、水酸基、およびオキサゾリン基から選ばれる少なくとも1つの官能基が、基材、または他の電極構成材料との密着性に寄与することができる。さらには架橋構造や官能基の量を調整することで、微生物燃料電池の耐久性に優れた合材インキを得ることができる。
なお、本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子は、粒子内部で架橋していることが必要である。粒子内部の架橋を適度に調整することによって、耐電解液性を確保することができる。さらに、官能基含有架橋型樹脂微粒子に未架橋のエポキシ基含有化合物、未架橋のカルバモイル基含有化合物、未架橋の水酸基含有化合物、および未架橋のオキサゾリン基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも1つの未架橋の化合物(E)を添加することで、エポキシ基、カルバモイル基、水酸基またはオキサゾリン基が基材に作用し、基材や他の電極構成材料への密着性を効果的に向上させることができる。化合物(E)に含まれる上記官能基は、長期保存時や電極作製時の熱によっても安定であるため、少量の使用でも基材への密着性効果が大きい。さらには保存安定性にも優れている。化合物(E)は、バインダーの可とう性や耐電解液性を調整する目的で架橋型樹脂微粒子中の官能基と反応してもよいが、官能基含有架橋型樹脂微粒子中の官能基との反応のために化合物(E)中の官能基が使われすぎると、基材または電極と相互作用し得る官能基が少なくなってしまう。このため、本発明で好適に使用される(メタ)アクリル系エマルション中の架橋型樹脂微粒子と化合物(E)との反応は、基材または他の電極構成材料への密着性を損なわない程度である必要がある。また、化合物(E)に含まれる上記官能基の一部が架橋反応に用いられる場合[化合物(E)が多官能化合物の場合]には、これらの官能基の架橋度合いを調整することで、耐電解液性と密着性のバランスをとることができる。
<未架橋のエポキシ基含有化合物>
未架橋のエポキシ基含有化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体;前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどの多官能エポキシ化合物;ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂などが挙げられる。
エポキシ基含有化合物の中でも特にビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂や、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂が好ましい。エポキシ系樹脂は、ビスフェノール骨格を有することで耐電解液性を向上させ、また、骨格に含まれる水酸基により基材密着性を向上させるという相乗効果が期待できる。また、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂は、樹脂骨格内により多くのエポキシ基を有することにより基材密着性を向上させ、また、樹脂であることにより、単量体に比べて耐電解液性を向上させる効果が期待できる。
<未架橋のカルバモイル基含有化合物>
未架橋のカルバモイル基有化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミドなどのカルバモイル基含有化合物;N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアルキロール(メタ)アクリルアミド系化合物;N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−(メタ)アクリルアミド、N−ペントキシメチル−(メタ)アクリルアミドなどのモノアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N−エトキシメチル−N−プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N−ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−ブトキシメチル−N−(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N−ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N−メトキシメチル−N−(ペントキシメチル)メタアクリルアミドなどのジアルコキシ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどのジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド系化合物;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドなどのジアルキル(メタ)アクリルアミド系化合物;ダイアセトン(メタ)アクリルアミドなどのケト基含有(メタ)アクリルアミド系化合物など、以上のカルバモイル基含有エチレン性不飽和単量体;前記カルバモイル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂などが挙げられる。
カルバモイル基含有化合物の中でも、特にアクリルアミドなどのカルバモイル基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂が好ましい。樹脂骨格内に、より多くのカルバモイル基を有することにより基材密着性を向上させ、また、樹脂であることにより、単量体に比べて耐電解液性を向上させる効果が期待できる。
<未架橋の水酸基含有化合物>
未架橋の水酸基含有化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート4−ヒドロキシビニルベンゼン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、アリルアルコールなどの水酸基含有エチレン性不飽和単量体;前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖脂肪族ジオール類;プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐鎖脂肪族ジオール類;1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの環状ジオール類などが挙げられる。
水酸基含有化合物の中でも、特に水酸基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂、または環状ジオール類が好ましい。水酸基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂は、樹脂骨格内に、より多くの水酸基を有することにより基材密着性を向上させ、また、樹脂であることにより、単量体に比べて耐電解液性を向上させる効果が期待できる。また、環状ジオール類は、骨格に環状構造を有することにより、耐電解液性を向上させる効果が期待できる。
<未架橋のオキサゾリン基含有化合物>
未架橋のオキサゾリン基含有化合物としては、例えば、2’−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、さらにはオキサゾリン基含有ラジカル重合系樹脂などが挙げられる。
オキサゾリン基含有化合物の中でも、特に、2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)などのフェニレンビス型オキサゾリン化合物、または、オキサゾリン基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂が好ましい。フェニレンビス型オキサゾリン化合物は、骨格内にフェニル基を有することにより耐電解液性を向上させる効果がある。また、オキサゾリン基含有エチレン性不飽和単量体を含むエチレン性不飽和単量体を重合して得られるラジカル重合系樹脂は、樹脂骨格内により多くのオキサゾリン基を有することにより基材密着性を向上させ、また、樹脂であることにより、単量体に比べて耐電解液性を向上させることができる。
(化合物(E)の添加量、分子量)
化合物(E)は、架橋型樹脂微粒子の固形分100質量部に対して0.1〜50質量部添加するのが好ましく、5〜40質量部添加するのがさらに好ましい。さらに、化合物(E)は2種類以上併用することも可能である。
化合物(E)の分子量は特に限定されないが、質量平均分子量が1,000〜1,000,000であるのが好ましく、さらには5,000〜500,000がより好ましい。なお、上記質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
<導電材>
次に、導電材について説明する。導電材は電極での電子伝導性を高め酸化還元反応を進めやすくするために含有される。ここでは主にカーボン材料が挙げるが、これに限るものではない。
本発明に用いる導電材であるカーボン材料としては、導電性を有するカーボン材料であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック、グラファイト、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、グラフェン、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、電極の内部抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下、好ましくは50m2/g以上、1500m2/g以下、更に好ましくは100m2/g以上、1500m2/g以下のものを使用することが望ましい。
また、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡などで測定された粒子径を平均したものである。
導電材であるカーボン材料の合材インキ中の分散粒径は、0.03μm以上、5μm以下に微細化することが望ましい。
ここでいう分散粒径とは、体積粒度分布において、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していったときに、50%となるところの粒子径(D50)であり、一般的な粒度分布計、例えば、動的光散乱方式の粒度分布計(日機装社製「マイクロトラックUPA」)等で測定される。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等、PUER BLACK100、115、205等(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(デンカ社製、アセチレンブラック)等、グラファイトとしては、例えば人造黒鉛や燐片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
導電性炭素繊維としては、石油由来の原料から焼成して得られるものが良いが、植物由来の原料からも焼成して得られるものも用いることができる。例えば石油由来の原料で製造される昭和電工社製のVGCFなどを挙げることができる。
<酸素還元触媒>
次に酸素還元触媒について説明する。酸素還元触媒は貴金属触媒、卑金属酸化物触媒、炭素触媒、活性炭が挙げられる。これらは単独で用いても、二種類以上組み合わせて用いても良い。
(貴金属触媒)
貴金属触媒とは、遷移金属元素のうちルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金から選択される元素を一種以上含む触媒である。これら貴金属触媒は単体でも別の元素や化合物に担持されたものでも良い。中でも、触媒担持炭素材料が好例として挙げられる。触媒担持炭素材料とは、触媒粒子が触媒担時体としての炭素材料上に担持してなるものを指し、公知もしくは市販のものがある。
触媒粒子の炭素材料上への担持率は限定的ではない。触媒粒子として白金を用いた場合は、触媒粒子100質量%に対して、通常1〜70質量%程度までの担持が可能である。
本発明に用いる触媒担持体としての炭素材料は、無機材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子であれば特に限定されない。
無機材料由来の炭素粒子としては、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック)、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン、炭素繊維等が挙げられる。炭素材料は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性など様々な物性やコストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択される。
熱処理して炭素粒子となる有機材料としては、熱処理後炭素粒子となる材料であれば特に限定されない。具体的な有機材料としては、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアニリン系樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂系樹脂、ポリイミダゾール系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、メラミン系樹脂、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。
これら炭素材料は、一種類または二種類以上で用いられる。
市販の触媒担持炭素材料としては、例えば、田中貴金属工業社製のTEC10E50E、TEC10E70TPM、TEC10V30E、TEC10V50E、TEC66E50等の白金担持炭素粒子;TEC66E50、TEC62E58等の白金−ルテニウム合金担持炭素粒子;を購入することができるが、これらに限定されるものではない。
(卑金属酸化物触媒)
本発明に用いる卑金属酸化物触媒としては、ジルコニウム、タンタル、チタン、ニオブ、バナジウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、タングステン、およびモリブデンからなる群より選択された少なくとも1種の遷移金属を含む酸化物を使用することができ、より好ましくはこれら遷移金属元素の炭窒化物や、これら遷移金属元素の炭窒酸化物を使用することができる。
前記卑金属酸化物触媒の組成式は、例えば、M1Cpqr(ただし、M1は遷移金属元素であり、p、q、rは原子数の比を表し、0≦p≦3、0≦q≦2、0<r≦3である。)、M2aM3bxyz(ただし、M2は、ジルコニウム、タンタル、チタン、ニオブ、バナジウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、タングステン、およびモリブデンからなる群より選択される1種の金属であり、M3は、前記群より選択されるM2とは異なる少なくとも1種の金属である。a、b、x、y、zは原子数の比を表し、0.5≦a<1、0<b≦0.5、0<x≦3、0<y≦2、0<z≦3、かつa+b=1である。)で表される。また、これら化合物と導電性化合物を複合化した触媒も好適に使用することができる。
(炭素触媒)
炭素触媒は、1種または2種以上の、炭素材料と、窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを混合し、熱処理を行い作製された炭素触媒であって、従来公知のものを使用できる。炭素触媒に用いられる炭素材料は、無機材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子であれば特に限定されない。一般的に、炭素触媒の活性点としては、炭素粒子表面に卑金属−N4構造(卑金属元素を中心に4個の窒素元素が平面上に並んだ構造)に含まれる卑金属元素や、炭素粒子表面のエッジ部に導入された窒素元素近傍の炭素元素などが挙げられる。そのため、炭素触媒が、上記活性点を構成する窒素元素や卑金属元素を含有することは、酸素還元活性を有する上で重要である。更に、炭素触媒は、BET比表面積が20〜2000m2/gが好ましく、40〜1000m2/gがより好ましく、60〜600m2/gがさらに好ましい。
無機材料由来の炭素粒子としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及びミディアムサーマルカーボンブラック等のカーボンブラック:活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン及び炭素繊維等が挙げられる。炭素粒子は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性などの様々な物性や、コストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択できる。無機炭素粒子は、一種類又は二種類以上で用いられる。
前記無機材料由来の炭素粒子としては、グラフェンナノプレートレット、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどを用いると、大きい比表面積と高い電子伝導性を有する炭素触媒を得られやすく好ましい。
熱処理して炭素粒子となる有機材料は、熱処理後炭素粒子となる材料であれば特に限定されない。熱処理後の炭素粒子に活性点となるヘテロ元素を含有させるため、予め同へテロ元素を含有する有機材料の使用が好ましい場合がある。具体的な有機材料としては、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアニリン系樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂系樹脂、ポリイミダゾール系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、メラミン系樹脂、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。
窒素元素および卑金属元素を含有する化合物は、窒素元素および卑金属元素を1種又は2種以上含有する化合物であればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において特に限定されない。例えば、金属を含有する色素やポリマー等の有機化合物、金属単体、卑金属酸化物、金属塩等の無機化合物が挙げられる。前記化合物は、1種類または2種類以上を併用して用いることができる。卑金属元素とは、遷移金属元素のうち貴金属元素(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金)を除く金属元素であり、卑金属元素としては、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、銅、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、スズ、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、及びマグネシウムから選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
炭素触媒中に効率的に窒素元素や卑金属元素を導入する観点から、卑金属元素を分子中に含有することが可能な窒素を含有した芳香族化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物等が挙げられる。上記芳香族化合物は、電子吸引性官能基や電子供与性官能基が導入されたものであってもよい。特に、フタロシアニン系化合物は、様々な卑金属元素を含んだ化合物が入手可能であり、コスト的にも安価であるため、原料として特に好ましい。具体的には、コバルトフタロシアニン系化合物、ニッケルフタロシアニン系化合物、鉄フタロシアニン系化合物などの金属フタロシアニン系化合物が挙げられる。これらの原料を用いることにより、安価であって、かつ、高い酸素還元活性を有する炭素触媒を提供できる。
炭素触媒の製造方法は特に限定されず、炭素担体表面に環状有機化合物を担持させ炭化させる方法、環状有機化合物とその他有機材料との混合物を炭化させる方法、環状有機化合物を含まない有機材料を炭化させる方法、無機炭素材料由来の炭素粒子を用いる方法など、従来公知の方法を使用できる。好ましい製造方法としては、無機炭素材料由来の炭素粒子と窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを混合後に不活性ガス雰囲気中で熱処理して炭素触媒を得る方法である。前記熱処理は、複数の温度で多段階に行ってもよく、また、熱処理工程の後若しくは途中に、酸で洗浄、及び乾燥する工程を含んでも良い。
(活性炭)
活性炭としては、具体的にはフェノール系、ヤシガラ系、レーヨン系、アクリル系、石炭−石油系ピッチコークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)等を賦活した活性炭を挙げることができる。同じ質量でもより広い面積の界面を形成することが可能な、比表面積の大きいものが好ましい。具体的には、比表面積が30m2/g以上が好ましく、より好ましくは500〜5000m2/g、さらに好ましくは1000〜3000m2/gである。
<水性液状媒体>
本発明に使用する水性液状媒体としては、水を使用することが好ましいが、必要に応じて、例えば、導電性基材への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。
水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。
更に、合材インキには、増粘剤、分散剤、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤などを必要に応じて配合できる。
<合材インキの調整方法>
合材インキの調製方法に特に制限は無い。調製は、各成分を同時に分散しても良いし、導電材及び/または酸素還元触媒を水溶性樹脂と共に水性液状媒体中に分散後、水性樹脂微粒子を添加してもよく、使用する導電材及び/または酸素還元触媒、水溶性樹脂、水性樹脂微粒子により最適化することができる。但し、水性触媒ペースト組成物を先に作製し、水性樹脂微粒子を後添加して合材インキを作製すると、分散時間の短縮などコストダウンに大きく貢献することができる。
例えば、本発明の合材インキの固形分100質量部に対して、導電材及び/または酸素還元触媒が5〜80質量部、好ましくは10〜60質量部、水溶性樹脂が0.01〜80質量部、好ましくは0.02〜60質量部、水性樹脂微粒子が0.01〜80質量部、好ましくは0.02〜60質量部である。
<分散機・混合機>
微生物燃料電池用合材インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、または、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。また、強い衝撃で触媒担持炭素材料が割れやすいあるいは潰れやすい場合は、メディア型分散機よりは、ロールミルやホモジナイザー等のメディアレス分散機が好ましい。
<導電性基材>
本発明の電極で使用する導電性基材としては、耐腐食性、電気伝導性に優れ、表面積が大きく、反応物及び生成物の拡散に優れるものが良く、材質や形状は特に限定されない。例えばグラファイトペーパー、グラファイトクロス及びグラファイトフェルト等のカーボン材料の他、ステンレスメッシュや白金メッシュ等の金属材料を用いることができるが、この限りではない。電極に用いる導電性基材には、予め撥水処理しても良い。例えば、PTFEの分散液をカソードに含浸させ、乾燥後400℃前後で加熱することで撥水性が発現する。また、PTFE分散液には導電材を分散させても良い。なお、撥水処理はこれらに限定されるものではない。
<電極塗工方法>
本発明の合材インキを塗布する方法は、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。例示すると、グラビアコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、ディップコーティング法、ダイコーティング法、ロールコーティング法、ドクターコーティング法、ナイフコーティング法、スクリーン印刷法または静電塗装法等を挙げることができ、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
<微生物燃料電池用電極の構成>
本発明で使用する電極の構成としては、特に限定されるものではない。例示すると、導電性基材に前記の通り撥水処理を施し、その後、本発明の合材インキを片面に塗工し触媒層を形成する。
<微生物燃料電池の構成>
微生物燃料電池の構成としては、前述の通り、電子供与微生物が保持されたアノードとなる導電性支持体と、燃料電池用触媒材料を塗布したカソードとなる導電性支持体を、電解液として有機廃水等を含む電解槽に隔壁を設けず差し込んだ一槽型構成や、固体高分子形燃料電池のように、固体高分子膜を利用して、アノード槽とカソード槽を隔てた二槽型構成でもよい。更に、面で囲われた電解槽だけでなく、水田や湖沼、河川、海のように囲われていない環境でもよい。例えば、電解液を保持する電解槽内部と酸素を含む大気等の電解槽外部を隔てる液面、側面、底面にカソードが設置される形態や、外気を取り入れることができるカセット型の電極を液中に浸漬する等の形態が考えられる。このとき、カソードの触媒層が電解液と接し、その裏面が酸素を含む大気等と接するように設置される。これにより、電解槽外部から酸素を含む大気等が直接カソードへ流入し、電解液に接したカソード中の触媒上で反応が生起する。
微生物燃料電池に用いる電解液は、プロトン伝導性を有し、微生物によって酸化分解される基質を含有する。基質は、電子を供与する微生物が代謝可能な物質であれば、特に限定されるものではない。例えば、糖類やタンパク質、脂質などの有機物の他、アンモニアなどの無機物などが挙げられ、それらを1種類以上含有してもよい。したがって、電解液は前記条件を満たす生活廃水、産業廃水等を用いることができる。また、微生物とアノードとの間で電子伝達を担うメディエーターを導入してもよく、メチレンブルーやニュートラルレッドなどが例示できる。
微生物燃料電池における電子を供与する微生物は、前記基質を酸化分解し電子を生成するアノード反応を生起するものであれば、単一種でも複数種であってもよい。また、微生物は電解槽内を浮遊あるいはアノード上へ固定化することで電解槽内に保持する。微生物種は特に限定されないが、Shewanella属やGeobacter属に属するものが例示できる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。尚、実施例および比較例における「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
<水溶性樹脂溶液の調製>
[合成例1]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブタノール100.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、アクリル酸30.0部、スチレン50.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート20.0部および重合開始剤としてV−601(和光純薬工業社製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、更に110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬工業社製)0.3部を添加し、更に110℃で1時間反応を続けて、共重合体溶液を得た。
更に、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。更に、水を200部添加して水性化した後、100℃まで加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去した。
水で希釈し、不揮発分20%の水溶性樹脂溶液を得た。また、不揮発分20%の水溶性樹脂溶液の粘度は、40mPa・sであった。
[合成例2〜5]
表1に示す配合組成で、合成例1と同様の方法で合成し、合成例2〜5の水溶性樹脂溶液を得た。
Figure 2018170092
<水性樹脂微粒子分散体の調製>
[合成例6]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)0.2部とを仕込み、別途、メチルメタクリレート48.5部、ブチルアクリレート50部、アクリル酸1部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアデカリアソープSR−10(株式会社ADEKA製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルションのうちの1%をさらに加えた。内温を70℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を70℃で5分間保持した後、内温を70℃に保ちながらプレエマルションの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液の残りを3時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。25%アンモニア水を添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で固形分を40%に調整して水性樹脂微粒子分散体(メタクリル系乳化重合物の水系分散体)を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
<化合物(E)の製造[エポキシ基含有化合物の製造]>
[製造例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器にイソプロピルアルコール20部、水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、メチルアクリレート40部、グリシジルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のエポキシ基含有化合物(メチルメタクリレート/メチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
<化合物(E)の製造[カルバモイル基含有化合物の製造]>
[製造例2]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水90部を仕込み、別途、アクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水90部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のカルバモイル基含有化合物(ポリアクリルアミド)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[製造例3]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、水40部を仕込み、別途、2−エチルヘキシルアクリレート40部、スチレン40部、ジメチルアクリルアミド20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部を水60部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合を行った。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%のカルバモイル基含有化合物(2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/ジメチルアクリルアミド共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
<化合物(E)の製造[水酸基含有化合物の製造]>
[製造例4]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール20部、水20部を仕込み、別途、メチルメタクリレート40部、ブチルアクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部を滴下槽1に、また、過硫酸カリウム2部をイソプロピルアルコール30部および水30部に溶解させて滴下槽2に仕込んだ。内温を80℃に昇温し十分に窒素置換した後、滴下槽1、2を2時間かけて滴下し、重合した。滴下終了後、内温を80℃に保ったまま1時間攪拌を続け、固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却し、固形分40%の水酸基含有化合物(メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体)溶液を得た。なお、固形分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。
[合成例7〜21]
表2、表3、表4に示す配合組成で、合成例6と同様の方法で合成し、合成例7〜21の水性樹脂微粒子分散体((メタ)アクリル系乳化重合物の水系分散体)を得た。ただし、合成例20、21は乳化重合時に樹脂が凝集し、目的の樹脂微粒子を得ることができなかった。
Figure 2018170092
Figure 2018170092
Figure 2018170092
<卑金属酸化物系触媒>
[製造例5]
チタニルフタロシアニン(シグマアルドリッチ ジャパン社製)を、電気炉にてH2/ O2/Ar(体積比0.02/0.005/0.975)混合ガス雰囲気下、1000 ℃で10時間熱処理を行い、得られた粉体を乳鉢で粉砕し、卑金属酸化物系触媒を得た 。
<炭素触媒>
[製造例6]
ケッチェンブラック(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を、質量比1/0.5で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、炭素触媒を得た。
<合材インキの調整>
[実施例1]
触媒として白金担持炭素であるTEC10E50E(田中貴金属工業社製)4.8部、水性液状媒体として水85.2部、更に水溶性樹脂として合成例1の溶液4部(固形分20%)をミキサーに入れて混合し、更にサンドミルに入れて分散した。その後、合成例6に記載の水性樹脂微粒子分散体6部(固形分40%)を加えディスパーで混合し、合材インキを得た。
[実施例2〜49、比較例1〜12]
表5、6、7および8に示す触媒、導電材、水溶性樹脂、水性樹脂微粒子、水性液状媒体を用いて、実施例1と同様の方法で合材インキを作製し、実施例2〜49および比較例1〜12の合材インキを得た。なお、合材インキにおける含有量は触媒4.8部、導電材を使用した場合は触媒3.36部、導電材1.44部とした。
<微生物燃料電池用電極の作成>
電極に用いる導電性基材への撥水処理は、ここではカーボンクロスをPTFE溶液に浸漬、乾燥した後、380℃で加熱処理した。このカーボンクロスの片側に実施例1の合材インキを触媒量が0.5mg/cm2となるよう塗布した後、110℃で30分間加熱乾燥し微生物燃料電池用電極を作製した。
表5、6、7および8に示す実施例2〜49および比較例1〜12の合材インキを用いて、前記微生物燃料電池用電極と同様の方法で、それぞれ微生物燃料電池用電極を作製した。
Figure 2018170092
Figure 2018170092
Figure 2018170092
Figure 2018170092
<微生物燃料電池>
本発明の微生物燃料電池による評価は、一槽型構成で実施した。
30mLの容量を持つ電解槽内で、電子供与微生物として、Shewanella oneidenis MR−1(単一培養、105cells/mL)と水田土壌の混合液を30℃で3日間嫌気的に培養した後、電解質溶液としてK2HPO4/KH2PO4(pH7.0)の緩衝溶液を使用し、栄養基質として酢酸ナトリウムを含む生活廃水を2.0gCOD/L/日(COD:化学的酸素要求量)を連続的に流入させた。アノードの導電性支持体としてカーボンフェルトを電解槽に挿入し、カソードとしては実施例1〜49および比較例1〜12の電極をそれぞれ電解槽側面に設置した。
(微生物燃料電池の発電試験)
ポテンショ・ガルバノスタット(VersaSTAT3、Princeton Applied Research社製)を用いて、室温下で電流−電圧測定を行い、評価した。発電特性として、実施例1〜12および比較例2、3の発電特性は比較例1の電極単位面積当たりの発電量に対する各電極おける単位面積当たりの発電量の百分率(%)を求めた。同様に、実施例13〜24および比較例5、6は比較例4、実施例25〜37および比較例8、9は比較例7、実施例38〜49および比較例11、12は比較例10の電極単位面積当たりの発電量に対する各電極おける単位面積当たりの発電量の百分率(%)を求めた。なお、比較例3、6、9、12の電極では、電解液中で触媒層の一部欠落が見られた。
表5、6、7および8に示す結果から、水溶性樹脂及び水性樹脂微粒子と酸素還元触媒の組み合わせにより発電量が増大していることが分かる。これは水溶性樹脂により、撥水性を有するNafion(登録商標)を用いた電極より電極触媒層への電解液の濡れ性が向上し、更に水溶性樹脂が膨潤、あるいは溶出したことによる電解液の流路形成により、プロトン供給が向上し酸素還元反応が進んだためと考えられる。更に、水性樹脂微粒子が触媒に対して点結着しているため、反応界面がより増大したことも発電特性の向上に寄与したと考えられる。

Claims (8)

  1. 導電材及び/または酸素還元触媒と、水溶性樹脂と、水性樹脂微粒子とを含有する微生物燃料電池電極形成用組成物。
  2. 水性樹脂微粒子が、アクリル系乳化重合物またはメタクリル系乳化重合物を含む請求項1記載の微生物燃料電池電極形成用組成物。
  3. 導電材がカーボン材料である請求項1または2記載の微生物燃料電池電極形成用組成物。
  4. 酸素還元触媒が貴金属触媒、卑金属酸化物触媒、炭素触媒および活性炭からなる群より選ばれる一つ以上である請求項1〜3いずれか記載の微生物燃料電池電極形成用組成物。
  5. さらに、水性液状媒体を含有する請求項1〜4いずれか記載の微生物燃料電池電極形成用組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の微生物燃料電池電極形成用組成物を用いることを特徴とする微生物燃料電池用電極。
  7. 微生物燃料電池の液面、液中、側面、底面のいずれかに設置され、一面が槽外部の空気と接触し、その裏面が電解液と接触する、請求項6記載の微生物燃料電池用電極。
  8. 請求項6または7記載の微生物燃料電池用電極を用いることを特徴とする微生物燃料電池。
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