JP2016038988A - 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2016038988A
JP2016038988A JP2014160510A JP2014160510A JP2016038988A JP 2016038988 A JP2016038988 A JP 2016038988A JP 2014160510 A JP2014160510 A JP 2014160510A JP 2014160510 A JP2014160510 A JP 2014160510A JP 2016038988 A JP2016038988 A JP 2016038988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon catalyst
microbial fuel
fuel cell
catalyst
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014160510A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6350092B2 (ja
Inventor
寛人 渡部
Hiroto Watabe
寛人 渡部
直幹 出口
Naoki Deguchi
直幹 出口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2014160510A priority Critical patent/JP6350092B2/ja
Publication of JP2016038988A publication Critical patent/JP2016038988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6350092B2 publication Critical patent/JP6350092B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、コスト、資源量などの観点より使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高い電子伝導性及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な炭素触媒、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池を提供することにある。
【解決手段】グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し、炭素化する工程とによって得られ、X線光電子分光法(XPS)によって測定した、炭素触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比を(N)とし、炭素触媒表面の全窒素量に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1〜13であることを特徴とする微生物燃料電池用炭素触媒。
【選択図】なし

Description

本発明は、微生物燃料電池用炭素触媒、及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池に関する。
現在実用化に向けて開発が進められている燃料電池は、水素と酸素から水が生成する際の電気エネルギーを利用し、廃棄物として水だけしか排出しないクリーンなエネルギーシステムである。その中でも微生物を電子供与物として使用する微生物燃料電池は、廃水を浄化しながら発電することが可能で環境適合性が非常に高い燃料電池システムである。しかしながら、各種燃料電池と同様、電極触媒には、白金などの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの炭素担体上に白金などの貴金属微粒子を担持したものが用いられている。
白金などの貴金属は、高い触媒活性(酸素還元活性、水素酸化活性)とその活性安定性を示す一方で、非常に高価であり、資源的にも限られている。そのため、電極触媒が各種電気化学デバイスのコストを高くする一因となっている。特に、燃料電池は所定の出力を得るために多数のMEA(Membrane Electrode Assembly:電極膜接合体)が積層された状態で使用されるので、燃料電池1個あたりの電極触媒の使用量も多くなり、このことが燃料電池の普及を妨げている。
上記のような課題を解決させるために、これまでに様々な対策が取られてきた。白金などの貴金属を用いないものとして、例えば、炭素材料を原料とせずに金属ポルフィリンや金属フタロシアニンなどの大環状化合物と有機高分子材料との混合物を炭化させた炭素触媒(特許文献1、2、3、4、5)、または、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒(特許文献6、7)、などが報告されている。しかし、触媒は表面でしか反応が進行しないことを考慮すると、比表面積が大きく、また電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭素触媒は、比表面積が小さい、また電子伝導性が低い、といった問題があった。
比表面積の大きい電子導電体を担持体とした炭素触媒としては、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化させた炭素触媒(特許文献8、9、10)も報告されている。しかし、いずれの方法においても、充分な触媒活性を有する触媒の提案には至っていない。
特開2011−6283号公報 特開2010−275116号公報 特開2011−6282号公報 特許第4452887号公報 特開2010−275115号公報 特開2011−6280 特開2011−6293号公報 特許第4461427号公報 特開2006−314871号公報 国際公開第2009/124905号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、燃料電池の中でもより、環境適合性の高い微生物燃料電池システムにおいて、そのコスト、資源量などの観点より使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高い電子伝導性及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な微生物燃料電池用炭素触媒、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに微生物燃料電池を提供することにある。
すなわち本発明は、グラフェンナノプレートレットと金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し、炭素化する工程とによって得られ、
X線光電子分光法(XPS)によって測定した、炭素触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比を(N)とし、炭素触媒表面の全窒素量に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1〜13であることを特徴とする微生物燃料電池用炭素触媒に関する。
また本発明は、水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)の比(BETH2O /BETN2)で示される親水度が、0.1〜2.5であることを特徴とする前記微生物燃料電池用炭素触媒に関する。
また本発明は、金属フタロシアニンが、鉄フタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンである前記微生物燃料電池用炭素触媒に関する。
また本発明は、グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中、500〜1000℃で熱処理し、炭素化する工程とを含む前記微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、前記乾式混合のグラフェンナノプレートレットに対する、前記金属フタロシアニンの質量比(金属フタロシアニン/グラフェンナノプレートレット)が、0.3/1〜2/1の範囲であり、600〜900℃の範囲で熱処理することを特徴とする前記微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、前記鉄フタロシアニンの平均一次粒子径が10〜100nm、且つ平均二次粒子径が0.1〜10μmであり、前記コバルトフタロシアニンの平均一次粒子径が10〜500nm、且つ平均二次粒子径が0.1〜10μmである前記微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法に関する。
また本発明は、前記製造方法によって製造されてなる微生物燃料電池用炭素触媒に関する。
また本発明は、前記微生物燃料電池用炭素触媒と、バインダーと、溶剤とを含有する微生物燃料電池用触媒インキに関する。
また本発明は、前記バインダーが、プロトン伝導性ポリマーおよび/または撥水性材料である前記微生物用燃料電池用触媒インキに関する。
また本発明は前記微生物燃料電池用炭素触媒を有する微生物燃料電池に関する。
本発明により、貴金属元素を含有することなく、高いBET比表面積並びに高い電子伝導性を有する微生物燃料電池用炭素触媒を得ることができた。また、同微生物燃料電池用炭素触媒をカソード電極に用いることで、高い酸素還元能と高い電子伝導性を有する微生物燃料電池が得られた。
また、本発明によれば、乾燥工程を必要としない、より簡便な乾式プロセスで高い性能を有する微生物燃料電池用炭素触媒を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
本発明における炭素触媒は、グラフェンナノプレートレットからなる炭素担体と、炭素担体表面に担持された、金属フタロシアニンとを備えている。また、本発明は、上記材料を乾式混合して混合物を作製する工程と、この混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し、炭素化する工程とを有するものである。前記炭素化工程は、500〜1000℃で行うことが好ましい。
<グラフェンナノプレートレット>
本発明において、使用される炭素担体であるグラフェンナノプレートレットとは、炭素原子が6角形をなす平面構造を有するグラフェンシートが、ファンデルワールス力により弱く結合した複層構造を有している。グラフェンナノプレートレットは、欠陥の少ない平面構造を有しているため、高い電子伝導性、高い熱伝導性や高い機械的強度を示す。
複層構造のグラフェンナノプレートレットの厚みは特に限定されないが0.335nm(単層)以上、20nm以下であることが好ましい。厚すぎると、電子伝導性や比表面積などが低くなり好ましくない場合がある。
本明細書において、グラフェンナノプレートレットの厚みとは積層されたグラフェンシート面に対し垂直方向の大きさのことである。具体的には、原子間力顕微鏡(AFM:SII社製SPA−300)によって求めることができる。
同様に、グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径とはグラフェンナノプレートレット粒子の平面方向の大きさ(長径)の平均値であり、具体的には、透過型電子顕微鏡(TEM:JEOL社製JEM1010)により、測定した粒子50個の平均値によって求めることができる。
グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径は、特に限定されないが、0.3μm〜10μmであると、比表面積が大きくなり、また平滑な面に比べ活性なエッジ面の割合が多くなるため好ましい。
グラフェンナノプレートレットのBET比表面積(BETN2)は、260m2/g〜2000m2/gであると、金属フタロシアニン、例えば鉄フタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンとの反応場(炭素触媒の活性点と考えられるFe−N4構造またはCo−N4構造の形成場)が多くなりやすく、好ましい。
本明細書において、比表面積とは試料単位あたりの表面積のことであり、ガス(N2又はH2O)吸着法によって求めることができる。解析法はBET法を用い、相対圧(P/P0=0.05〜0.3)とガス吸着量のプロットより得られる直線の切片と勾配から、単分子吸着量を求めることで、BET比表面積を算出できる。
市販のグラフェンナノプレートレットとしては、例えば、XGSciences社製xGnP−C−グレード、xGnP−T−グレード、xGnP−M−グレード、xGnP−H−グレードなどが挙げられる。その中では特に、最も層が薄く、粒子が小さく、大きい比表面積を有するxGnP−C−750を原料に使用すると、大きい比表面積且つ高い電子伝導性を有する炭素触媒を得られやすく、好ましい場合が多い。
<金属フタロシアニン>
本発明において、使用される金属フタロシアニンは、フタロシアニン構造の中心に金属イオンが配位した分子構造である。中心の金属イオンには、窒素原子が平面上に4配位しており、この構造は一般的に「金属−N4構造」と呼ばれる。同構造は酸素還元触媒の活性点として作用することが知られており、本発明における炭素触媒においても、担体となるグラフェンナノプレートレットの表面上に金属−N4構造が高密度に存在することが、高い触媒活性の発現に有利となる。そのため、炭素触媒の合成における熱処理工程においては、金属−N4構造が分解しない温度以下で行う必要がある。
前記フタロシアニンの中心金属としては、アルミニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などが挙げられ、中心金属が鉄またはコバルトで形成される「Fe−N4構造またはCo−N4構造」は、熱に対する構造安定性や酸素分子の吸着能が優れているなどの特性により、高い触媒活性を示すため好ましい。すなわち、金属フタロシアニンとしては、鉄フタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンが好ましい。
<炭素触媒>
また、本発明に係る炭素触媒は、X線光電子分光法(XPS)によって測定した、炭素触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比を(N)とし、炭素触媒表面の全窒素量に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1.0〜13.0である。
下記構造式に示すように、炭素触媒中の窒素原子は様々な状態で炭素骨格の中に存在する。本発明において、N1型窒素原子とは、N1s電子の結合エネルギーが398.5±0.5eVであり、ピリジン類似の構造をしているものである。N2型窒素原子とは、N1s電子の結合エネルギーが400±0.5eVであり、ピロール類似の構造をしているものである。これらはそれぞれピリジン窒素、ピロール窒素と呼ばれ、本発明ではこれらを合わせ末端窒素と呼称する。ここで、ピリドン類似の構造をしているものはピークの分離が困難なため、便宜上、末端窒素に含まれていてよいものとする。
上記以外の窒素原子は、N3型窒素原子(主に炭素環の内部に存在する、3つの炭素原子と結合している4級のもの)、N4型窒素原子(酸化された状態で、酸素のような異種元素が結合しているもの)に分類される。
Figure 2016038988
上記末端窒素は、非共有電子対を有しており、金属に窒素原子が配位する金属−N4構造形成に有利に働く。一方、N3型窒素原子や、N4型窒素原子では、窒素が正電荷を帯びているため金属イオンと反発しやすく、金属−N4構造の形成は難しいと考えられる。そのため、活性の高い触媒表面には末端窒素が多く存在していると考えられ、表面末端窒素量は、表面に存在する末端窒素の量を表す指標となる。
表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1.0〜13.0である場合には、表面における活性点の絶対数が増加し、触媒活性が増大するため、好ましい。また、表面の炭素濃度が高くなり、電子伝導性や強度の増大につながるため、好ましい。
鉄フタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンを原料にする場合は、表面末端窒素の割合が50%以上となることが多いため、表面全窒素量は2〜10mol%程度を示すことが多い。
本発明の炭素触媒は、水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)の比(BETH2O /BETN2)で示される親水度が、0.1〜2.5であることが好ましい。
親水度(BETH2O /BETN2)は、触媒全表面の親水性の指標である。窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)を触媒の全表面積とし、水を吸着質としたBET比表面積(BETH2O)を求めることで、触媒全表面に対する親水面の割合を出すことができる。
触媒表面の親水度が上記範囲内にあると、プロトン伝導体として使われる多くの親水性バインダーとの濡れ性が良くなり、分散安定性の良い触媒インキが作製でき、さらには均一な電極膜の作製が可能となって、発電効率や耐久性が向上するため、好ましい。また、触媒表面の親水度が上記範囲内にあると、反応によって生成した水分子が触媒表面に残留しにくいため、触媒活性の電極中の酸素ガスの拡散性が促進されることにより低電位域での電流の低下が抑制されるため、好ましい。
本発明の炭素触媒は、比表面積が大きいほど、電子伝導性が高く好ましい。酸素の還元反応は炭素触媒の表面で起こるため、比表面積が大きいほど、酸素とプロトンの反応場が多くなり、触媒活性の向上に繋がるため好ましい。また、電子伝導性が高いほど、電極中における酸素還元反応に必要な電子を前記反応場に供給できるため、電流の増加に繋がりやすく、好ましい。
これらの3つ特徴を、全て満たす炭素触媒であるとより好ましい。
<炭素触媒の製造方法>
炭素触媒の製造方法としては、グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し、炭素化する工程が好ましい。
<乾式混合する工程>
グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する混合装置としては、以下のような乾式処理機が使用できる。
乾式処理機としては、例えば、
2本ロールや3本ロールなどのロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサーなどの高速撹拌機、遊星ボールミル、マイクロナイザーやジェットミルなどの流体エネルギー粉砕機、アトライター、ホソカワミクロン社製粒子複合化装置「ナノキュア」、「ノビルタ」、「メカノフュージョン」、奈良機械製作所社製粉体表面改質装置「ハイブリダイゼーションシステム」、「メカノマイクロス」、「ミラーロ」などが挙げられる。
又、乾式処理機を使用する際、母体となる原料粉体に、他の原料を粉体のまま直接添加しても良いが、より均一な混合物を作製するために、前もって他の原料を少量の溶媒に溶解、又、分散させておき、母体となる原料粉体の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
又、グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンを乾式混合する前に、金属フタロシアニン粒子に粉砕処理を施し、粒子を微細化した方が好ましく、鉄フタロシアニンは平均一次粒子径が10〜100nm且つ、平均二次粒子径が0.1〜10μmであることがより好ましく、コバルトフタロシアニンは平均一次粒子径が10〜500nm且つ平均二次粒子径が0.1〜10μmであることがより好ましい。
金属フタロシアニンの平均一次粒子径とは、金属フタロシアニン粒子の長径の平均値であり、走査型電子顕微鏡で測定した粒子50個の平均値によって求めることができる。
金属フタロシアニンの粉砕処理をする粉砕装置としては、以下のような、湿式・乾式の粉砕処理機が使用できる。
湿式の粉砕処理機としては、例えば、
ペイントコンディショナー(「レッドデビル」や「スキャンデックス」の商品名で市販されているもの)などのメディア型の粉砕・分散機、又、自転に加えて公転による遠心力を利用する遊星ボールミルやシンキー社製のナノ型粉砕機「NP-100」や、ボールミル、アトライター、湿式ジェットミルなどが挙げられる。
乾式の粉砕処理機としては、例えば、
ボールミル、ビーズミル、乾式ジェットミル、自転に加えて公転による遠心力を利用する遊星ボールミルなどが挙げられる。
又、乾式処理装置の中には、粉砕と混合の両効果を同時に果たすものも有り、金属フタロシアニンの粉砕と、グラフェンナノプレートレットとの混合を同時に行っても、実質的に粉砕工程と混合工程を分けて行った場合と同様の効果が得られるものに関しては、1工程で行っても問題はない。
次に、グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを含有する混合物は、グラフェンナノプレートレットに対する金属フタロシアニンの質量比(金属フタロシアニン/グラフェンナノプレートレット)が、0.3/1〜2/1の範囲であることが好ましい。
本発明における炭素触媒の製造方法では、グラフェンナノプレートレット及び金属フタロシアニンを含有する混合物に対して、最適な重量比、混合装置、焼成装置を選択することにより、触媒活性の優れた炭素触媒を得ることができる。
<熱処理し炭素化する工程>
グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを含有する材料の混合物を熱処理する方法においては、加熱温度はグラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンの質量比によって異なるものであるが、500〜1000℃が好ましく、600〜900℃であることがより好ましい。
加熱時間は特に限定されないが、通常は1時間から5時間であることが好ましい。
この場合、ある程度高温で熱処理することで、活性点の構造が安定化し、実用的な電池運転条件に耐え得る触媒表面となることが多い。このときの温度は600℃以上であることが好ましい。
更に、熱処理工程における雰囲気に関しては、金属フタロシアニンをできるだけ不完全燃焼により炭化させ、窒素元素や鉄元素またはコバルト元素などをグラフェンナノプレートレット表面に残存させる必要性があるため、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気や、窒素やアルゴンに水素が混合された還元性ガス雰囲気などが好ましい。また、熱処理時の炭素触媒中の窒素元素量低減を抑制するために、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気下で熱処理を行なうことも可能である。
また、熱処理工程に関しては、一定の雰囲気及び温度下で、1段階で処理を行う方法だけでなく、一度、不活性ガス雰囲気下、500℃程度の比較的低温で熱処理し、その後、還元雰囲気下で、1段階目を超える温度で熱処理することも可能である。そうすることで、触媒活性サイトとして考えられている金属−N4構造部位を、より効率的に多量に残存させられることがある。
更に、本発明における炭素触媒の製造方法において、前記熱処理品を酸で洗浄、及び乾燥し、酸洗浄品を得る工程を含む方法が挙げられる。ここで用いる酸に関しては、少なくとも熱処理品表面に存在する金属鉄または金属コバルト成分を溶出させることができれば、どのような酸でも問題ないが、熱処理品との反応性が低く、金属鉄または金属コバルト成分の溶解力が強い濃塩酸や希硫酸などが好ましい。具体的な洗浄方法としては、ガラス容器内に酸を加え、熱処理品を添加し、分散させながら数時間撹拌させた後、静置させ上澄みを除去する方法を取る。そして、上澄み液の着色が確認されなくなるまで上記方法を繰り返し行い、最後に、ろ過、水洗により酸を除去し、乾燥する方法が挙げられる。
ちなみに、酸洗浄により表面の金属成分が除去されることで、質量あたりの触媒活性が向上する場合があるが、これは、活性点と考えられる金属−N4構造の絶対数が増加するためではなく本質的に触媒活性が増加しているわけではない。
更に、本発明における炭素触媒の製造方法において、前記酸洗浄品を再度熱処理し、熱処理品を得る工程を含む方法が挙げられる。ここでの熱処理に関しても、先に行った熱処理条件と大きく変わるものではなく、加熱温度は500〜1000℃、好ましくは600〜900℃であることが好ましい。また、雰囲気に関しても、分解により表面の窒素元素などが大幅に低減しないように、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気や、窒素やアルゴンに水素が混合された還元性ガス雰囲気、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気下などが好ましい。
<触媒インキ>
次に、本発明における炭素触媒を用いた触媒インキについて説明する。
本発明の触媒インキは、炭素触媒、バインダー、溶剤を含むものである。バインダー成分は、プロトン伝導性があり、耐酸化性のある材料が好ましい。炭素触媒、バインダー、溶剤の割合は、特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択される。
更に、本発明における触媒インキでは、炭素触媒の溶剤中への濡れ性、分散性を向上させるために、分散剤を用いても良い。
分散剤の含有量は、触媒インキ中の炭素触媒に対し、0.01〜5質量%、好ましくは0.02〜3質量%である。この範囲の含有量とすることにより、炭素触媒の分散安定性を十分に達成できると同時に、炭素触媒の凝集を効果的に防止でき、かつ触媒層表面への分散剤の析出を防止できる。
また、本発明における触媒インキでは、触媒層中の導電パスを増やす、また触媒層界面の接触抵抗を下げるため、導電性炭素材料を添加しても良い。
導電性炭素材料の含有量は、触媒インキ中の炭素触媒に対し、1〜300質量%、好ましくは50〜150質量%である。
触媒インキの調製方法も特に制限はない。調製は、各成分を同時に分散しても良いし、炭素触媒を分散剤のみで分散後、バインダーを添加してもよく、使用する炭素触媒、バインダー、溶剤種により最適化することができる。
溶剤中で炭素触媒とバインダーを分散混合する装置に関しては、特に限定するものではない。
<バインダー>
本発明におけるバインダーとは、炭素触媒などの粒子を結着させるために使用されるものであり、それら粒子を溶媒中へ分散させる効果は小さいものである。
バインダーとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。又、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良く、水溶性の樹脂であっても、水分散型の樹脂であっても良い。これらバインダーは、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
通常の燃料電池用触媒層のバインダーとしては、膜中にプロトンを伝導する観点からプロトン伝導性を有するポリマーがより好ましいが、微生物燃料電池の中でも液体電解質が使用される場合にはこの限りではない。
また正極側の触媒層において酸素と水素イオンが反応して生じる水、この余剰水の排水という観点から、撥水性材料がより好ましい場合がある。
<プロトン伝導性ポリマー>
プロトン伝導性ポリマーとしては、親水性官能基を有するバインダーを指し、プロトン伝導度として100%RH、25℃で10-3Scm-1以上を示すものが好ましい。
ここで、親水性官能基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基等の酸性官能基、水酸基、アミノ基等の塩基性官能基が挙げられるが、プロトン解離性の観点から、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、及び水酸基がより好ましい。
プロトン伝導性を示すポリマーとしては、スルホ基を導入した、オレフィン系樹脂(ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等)、ポリイミド系樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、及びポリスチレン系樹脂、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体のスルホン酸ドープ品、パーフルオロスルホン酸系樹脂等のスルホン酸を有する樹脂:
ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸を有する樹脂:
ポリビニルアルコール等の水酸基を有する樹脂:
ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、イミダゾール部分で酸と塩形成したポリベンズイミダゾール系樹脂等のアミノ基を有する樹脂:
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール等の、その他の親水性官能基を有する樹脂が挙げられる。特に、パーフルオロスルホン酸系樹脂は、電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に非常に安定し、スルホ基の解離度が高く、高いプロトン伝導性が実現できる。このようなプロトン伝導性ポリマーの具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)等が挙げられる。通常、プロトン伝導性ポリマーは、ポリマーを5〜30重量%程度含むアルコール水溶液として使用される。アルコールとしては、例えば、メタノール、プロパノール、エタノールジエチルエーテル等が使用される。
<撥水性材料>
撥水性材料としては、親水性官能基を有さないバインダーを指し、表面張力が水の表面張力(約72dyn/cm)より低いものが好ましい。例えば、フッ素系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコン樹脂が使用できるが、中でもフッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
<溶剤>
溶剤としては、特に限定されるものではない。主溶剤としては、水または水と親和性が高い溶剤が好ましく、特にアルコールが好適に使用できる。このようなアルコールとしては、例えば、沸点80〜200℃程度の1価のアルコールないし多価アルコールが利用でき、好ましくは炭素数が4以下のアルコール系溶剤が挙げられる。具体的には、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられる。アルコールは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。これらの1価のアルコールの中でも、2−プロパノール、1−ブタノール及びt−ブタノールが好ましい。多価アルコールとしては具体的には、プロトン伝導性を有する樹脂との相溶性、及び触媒インキとした場合の乾燥効率の問題から、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコールなどが好ましく、中でもプロピレングリコールが特に好ましい。
<導電性炭素材料>
導電性炭素材料としては、導電性を有する炭素材料であれば特に限定されるものではないが、カーボンブラック、グラファイト、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー、カーボンナノホーン)、グラフェン、グラフェンナノプレートレット、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
カーボンブラックとしては、気体もしくは液体の原料を反応炉中で連続的に熱分解し製造するファーネスブラック、特にエチレン重油を原料としたケッチェンブラック、原料ガスを燃焼させて、その炎をチャンネル鋼底面にあて急冷し析出させたチャンネルブラック、ガスを原料とし燃焼と熱分解を周期的に繰り返すことにより得られるサーマルブラック、特にアセチレンガスを原料とするアセチレンブラックなどの各種のものを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、通常行われている酸化処理されたカーボンブラックや、中空カーボン等も使用できる。
市販のカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500等(東海カーボン社製、ファーネスブラック)、プリンテックスL等(デグサ社製、ファーネスブラック)、Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA等、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA等、PUER BLACK100、115、205等(コロンビヤン社製、ファーネスブラック)、#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B等(三菱化学社製、ファーネスブラック)、MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000等(キャボット社製、ファーネスブラック)、Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li(TIMCAL社製)、ケッチェンブラックEC−300J、EC−600JD(アクゾ社製)、デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35(電気化学工業社製、アセチレンブラック)等、グラファイトとしては、例えば人造黒鉛や燐片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
用いるカーボンブラックの比表面積は、値が大きいほど、カーボンブラック粒子どうしの接触点が増えるため、触媒層内の抵抗を下げるのに有利となる。具体的には、窒素の吸着量から求められる比表面積(BET)で、20m2/g以上、1500m2/g以下が好ましい。
また、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005〜1μmが好ましく、特に、0.01〜0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡で測定された粒子径を平均したものである。
導電性炭素繊維としては石油由来の原料から焼成して得られるものが良いが、植物由来の原料からも焼成して得られるものも用いることができる。例えば石油由来の原料で製造される昭和電工社製のVGCFなどを挙げることができる。
<燃料電池>
燃料電池は使用する電解質により、いくつかのタイプに分類することができるが、本発明の燃料電池は、微生物燃料電池に関するものである。
<微生物燃料電池>
微生物燃料電池は、微生物が有機物を嫌気分解する代謝活動から生成される電子を回収しつつ有機物の分解を促進させる電池である。負極には、電子供与微生物が保持されており、有機排水中などに含まれる有機物を利用して代謝を行い、e-(電子)およびH+イオン(プロトン)を発生させる。正極側では発生したe-(電子)およびH+イオン(プロトン)を利用した酸素還元反応により発電することができる。
微生物燃料電池の構成としては、電子供与微生物が保持された負極となる導電性支持体と、燃料電池用触媒材料を塗布した正極となる導電性支持体を、有機排水等を含む液槽に差し込んだ一槽型構成や、固体高分子形燃料電池のように、固体高分子膜を利用して、負極槽と正極槽を隔てた二槽型構成でもよい。
正極としては、本発明における微生物燃料電池用触媒インキを導電性支持体に塗布した微生物燃料電池用触媒電極、燃料電池用電極膜接合体も好適に使用することができる。
<微生物燃料電池用電子供与微生物>
微生物燃料電池用の電子供与微生物としては、Shewanella属、Pseudomonas属、Rhodoferax属、Geobacter属等を用いることができる。
<栄養基質>
発電に必要な燃料として使える栄養基質(有機物)としては、触媒となる電子供与微生物が分解できれば特に限定はされず、有機排水や汚泥などに含まれる、メタノールやエタノールなどのアルコール類、酢酸などのカルボン酸類、グルコースなど単糖類、デンプンやセルロースなどの多糖類、などを好適に利用できる。
<電解質溶液>
電解質溶液としては、電子伝導性がなくプロトン輸送が可能であれば限定されず、特にリン酸塩緩衝液など、中性の緩衝溶液などを好適に利用できる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例中、部は質量部、%は質量%を表す。
炭素触媒及び金属フタロシアニンの分析は、以下の測定機器を使用した。
・表面窒素元素量、結合状態の検出:X線光電子分光分析(XPS)(島津/KRATOS社製 AXIS−HS)
・BET比表面積の測定:窒素吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)、水蒸気吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−18)
・平均一次粒子径の観察:透過型電子顕微鏡(TEM:JEOL社製JEM1010)、走査型電子顕微鏡(SEM:日立製作所社製S−4300)。
・平均二次粒子径の測定:レーザー回折法による粒度分布計(Malvern Instruments社製 マスターサイザー2000)
炭素触媒の表面末端窒素量は、前述のように上記測定機器(XPS)を用いて算出している。XPS(光電子分光法)では、X線照射された試料からとび出す光電子のエネルギーを解析することで、構成元素の存在比や電子の結合エネルギーを求めることが出来る。
XPS測定についてはJIS K0167:2011に準拠して求め、以下装置および測定条件の下、C、O、Nおよび金属の濃度比について測定・計算を行った。
Xray Anodo:Mg、Current:5mA、Voltage:15kV、 分析面積:約0.8mm×0.4mm、観測深さ:数十Å
表面末端窒素量の算出方法は、以下(1)〜(3)の手順で算出した。
(1) 触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比(N)を算出。
(2) 窒素原子の1s軌道における電子の結合エネルギーのスペクトルを、N1型窒素、N2型窒素(N2)の結合エネルギー範囲(N1型:398.5±0.5eV、N2型:400±0.5eV)でピーク分離し、全ピークに対する各ピークの面積比を算出(N1:N1型窒素、N2:N2型窒素)。
(3) (1)より求めた窒素原子のモル比(N)に、(2)で求めた各結合エネルギーの面積比の和(N1+N2)を乗じ{N×(N1+N2)}表面に存在する末端窒素量を算出。
炭素触媒の親水度(BETH2O /BETN2)は、前述のように上記測定機器を用いて窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)、水を吸着質としたBET比表面積(BETH2O)をそれぞれ測定することで、触媒全表面に対する親水面の割合を求めた。
使用した導電性炭素材料を以下に示す。
・HS−100(電気化学工業社製:平均一次粒子径48nm、比表面積39m2/g)
本明細書において、グラフェンナノプレートレットの平均一次粒子径とはグラフェンナノプレートレット粒子の平面方向の大きさ(長径)の平均値であり、金属フタロシアニンの平均一次粒子径は粒子の長径の平均値である。グラフェンナノプレートレットは透過型電子顕微鏡、金属フタロシアニンは走査型電子顕微鏡でそれぞれ測定した粒子50個の平均値によって求めることができる。
同様に、金属フタロシアニンの平均二次粒子径とは、上記粒度分布計にて求めたd−50の値である。具体的な測定方法は、金属フタロシアニンの粉末を測定セル内へ投入、散乱光量レベルが最適値(測定領域である緑のゲージに到達)を示したところで測定した。
使用したグラフェンナノプレートレット、金属フタロシアニンの性状を以下に示す。
・グラフェンナノプレートレットxGnP−C−750(XGscience社製:平均一次粒子径0.3μm、厚み2nm、比表面積670m2/g)
・銅フタロシアニン(関東化学社製:フタロシアニン銅)
・ニッケルフタロシアニン(関東化学社製:フタロシアニンニッケル)
・鉄フタロシアニン(山陽色素社製:P−26 平均一次粒子径80nm、平均二次粒子径20μm)
・コバルトフタロシアニン(東京化成工業社製:フタロシアニンコバルト(II) 平均一次粒子径300nm、平均二次粒子径5.0μm)
<金属フタロシアニン微粒子の作製>
[製造例1]
鉄フタロシアニン20部とエタノール80部を秤量し、分散溶液を作製後、メディアとしてジルコニアビーズを50部添加した後、自転に加えて公転による遠心力を利用するナノ型粉砕機(シンキー社製「NP-100」)で、湿式粉砕し、得られたスラリーを乾燥させ、鉄フタロシアニン微粒子(1)を得た。鉄フタロシアニン微粒子(1)は、平均一次粒子径が50nm、平均二次粒子径が40μmであった。
[製造例2]
鉄フタロシアニン微粒子(1)をスパイラルジェットミル(ホソカワミクロン社製「AS50」)で乾式粉砕し、鉄フタロシアニン微粒子(2)を得た。鉄フタロシアニン微粒子(2)は、平均一次粒子径が50nm、平均二次粒子径が5μmであった。
[製造例3]
コバルト(II)フタロシアニンをスパイラルジェットミル(ホソカワミクロン社製「AS50」)で乾式粉砕し、コバルトフタロシアニン微粒子(1)を得た。コバルトフタロシアニン微粒子(1)は、平均一次粒子径が200nm、平均二次粒子径が3μmであった。
[実施例1:微生物燃料電池用炭素触媒(1)]
グラフェンナノプレートレットと鉄フタロシアニンを、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(1)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(1)は、表面末端窒素量が、5.6であり、親水度が、0.56であった。
[実施例2:微生物燃料電池用炭素触媒(2)]
グラフェンナノプレートレットと上記鉄フタロシアニン微粒子(1)を、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン微粒子(1))となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(2)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(2)は、表面末端窒素量が、5.0であり、親水度が、0.53であった。
[実施例3:微生物燃料電池用炭素触媒(3)]
グラフェンナノプレートレットと上記鉄フタロシアニン微粒子(2)を、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン微粒子(2))となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(3)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(3)は、表面末端窒素量が5.7であり、親水度が0.60であった。
[実施例4:微生物燃料電池用炭素触媒(4)]
グラフェンナノプレートレットと鉄フタロシアニンを、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(4)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(4)は、表面末端窒素量が、1.5であり、親水度が、0.39であった。
[実施例5:微生物燃料電池用炭素触媒(5)]
グラフェンナノプレートレットと鉄フタロシアニンを、質量比1/0.5(グラフェンナノプレートレット/鉄フタロシアニン)となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、500℃で5時間熱処理を行い、乳鉢で粉砕後、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃、15分熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(5)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(5)は、表面末端窒素量が、1.8であり、親水度が、0.34であった。
[実施例6:微生物燃料電池用炭素触媒(6)]
グラフェンナノプレートレットとコバルトフタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(6)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(6)は、表面末端窒素量が、3.8であり、親水度が、1.7であった。
[実施例7:微生物燃料電池用炭素触媒(7)]
グラフェンナノプレートレットと上記コバルトフタロシアニン微粒子(1)を、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(7)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(7)は、表面末端窒素量が、4.0であり、親水度が、1.8であった。
[実施例8:微生物燃料電池用炭素触媒(8)]
グラフェンナノプレートレットとコバルトフタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、1000℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(8)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(8)は、表面末端窒素量が2.4であり、親水度が1.1であった。
[実施例9:微生物燃料電池用炭素触媒(9)]
グラフェンナノプレートレットとコバルトフタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、500℃で5時間熱処理を行い、乳鉢で粉砕後、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃、15分熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(9)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(9)は、表面末端窒素量が、4.0であり、親水度が、1.4であった。
[実施例10:微生物燃料電池用炭素触媒(10)]
グラフェンナノプレートレットと銅フタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、900℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(10)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(10)は、表面末端窒素量が、3.6であり、親水度が、1.2であった。
[実施例11:微生物燃料電池用炭素触媒(11)]
グラフェンナノプレートレットとニッケルフタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、900℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(11)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(11)は、表面末端窒素量が、4.2であり、親水度が、2.4であった。
[比較例1:微生物燃料電池用炭素触媒(12)]
グラフェンナノプレートレットと鉄フタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合を行い混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(12)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(12)は、表面末端窒素量が30であり、親水度が4.3であった。
[比較例2:微生物燃料電池用炭素触媒(13)]
グラフェンナノプレートレットとコバルトフタロシアニンを、質量比1/1となるようにそれぞれ秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、微生物燃料電池用炭素触媒(13)を得た。
微生物燃料電池用炭素触媒(13)は、表面末端窒素量が15.0であり、親水度が4.9であった。
<微生物燃料電池用炭素触媒の酸素還元活性評価>
実施例1〜11及び、比較例1〜2で得た微生物燃料電池用炭素触媒(1)〜(13)をそれぞれグラッシーカーボン上に分散させた電極を用いて、酸素還元活性評価を行なった。評価方法は以下の通りである。
<酸性系電解液における評価>
(1)インキ化方法
微生物燃料電池用炭素触媒0.01部と、導電性炭素材料0.01部を秤量し、バインダーとしてナフィオン(デュポン社製)ならびに溶剤として、水、1−プロパノールおよびエタノールからなる混合溶液0.98部(水/1−プロパノール/エタノール/ナフィオン=45%/48%/2%/5%)に添加したあと、超音波(45kHz)で60分間分散処理を行ない微生物燃料電池用炭素触媒インキとした。
(2)作用電極作製方法
回転電極(グラッシーカーボン電極の半径0.2cm)表面を鏡面に研磨したあと、電極表面に上記微生物燃料電池用炭素触媒インキ1.5μLを滴下し、25℃飽和水蒸気圧下で15時間乾燥させることにより作用電極を作製した。
(3)LSV(リニアスイープボルタンメトリ)測定
上記で作製した作用電極と、対極(白金)、参照電極(可逆水素電極 RHE)が取り付けられた電解槽に電解液(0.1M過塩素酸水溶液)を入れ、酸素還元活性試験を行なった。
酸素還元活性度合いの指標となる酸素還元開始電位は、電解液中に酸素でバブリングを行ったあと、酸素雰囲気下、作用電極を2000rpmで回転させ、25℃でLSV測定を行なった。ちなみに、電解液中にアルゴンでバブリングを行なったあと、アルゴン雰囲気下でLSV測定を行なった数値をバックグランドとした。
酸素還元開始電位は、電流密度が−50μA/cm2到達時点の電位を読み取った。酸素還元開始電位は、その電位が高いほど酸素還元活性が高いことを示すものである。評価結果を表1に示す。
<アルカリ系電解液における評価>
(1)インキ化方法
微生物燃料電池用炭素触媒0.01部と、導電性炭素材料0.01部を秤量し、溶剤として、水、プロパノールおよびエタノールからなる混合溶液(水/1−プロパノール/エタノール=50%/48%/2%)0.98部に添加したあと、超音波(45kHz)で60分間分散処理を行ない微生物燃料電池用炭素触媒インキとした。
(2)作用電極作製方法
回転電極(グラッシーカーボン電極の半径0.2cm)表面を鏡面に研磨したあと、電極表面に上記微生物燃料電池用炭素触媒インキ1.5μLを滴下し、25℃飽和水蒸気圧下で15時間乾燥させることにより作用電極を作製した。
(3)LSV(リニアスイープボルタンメトリ)測定
上記で作製した作用電極と、対極(白金)、参照電極(Ag/AgCl)が取り付けられた電解槽に電解液(1.0M水酸化カリウム水溶液)を入れ、酸素還元活性試験を行なった。
酸素還元活性度合いの指標となる酸素還元開始電位は、電解液中に酸素でバブリングを行ったあと、酸素雰囲気下、作用電極を2000rpmで回転させ、25℃でLSV測定を行なった。ちなみに、電解液中にアルゴンでバブリングを行なったあと、アルゴン雰囲気下でLSV測定を行なった数値をバックグランドとした。
酸素還元開始電位は、電流密度が−50μA/cm2到達時点の電位を読み取り、可逆水素電極(RHE)を基準とした電位に換算して算出した。酸素還元開始電位は、その電位が高いほど酸素還元活性が高いことを示すものである。評価結果を表1に示す。
Figure 2016038988
表1から分かるように、実施例の製造方法で合成した微生物燃料電池用炭素触媒(1)〜(11)は、比較例の製造方法で合成した微生物燃料電池用炭素触媒(12)〜(13)に比べ、酸性系、アルカリ系いずれの系でも高い酸素還元活性を有するものであった。
また、本発明で規定する乾式混合における原料の重量比及び熱処理温度を適用することにより、より優れた触媒活性の発現が認められる。
次に、実施例1〜11で得た微生物燃料電池用炭素触媒(1)〜(11)及び、比較例1〜2の微生物燃料電池用炭素触媒(12)〜(13)を用いて、それぞれ触媒インキ及び微生物燃料電池用触媒電極の作製を行い、電池性能評価を行った。
<微生物燃料電池用炭素触媒インキの調製>
実施例1〜11の微生物燃料電池用炭素触媒(1)〜(11)及び、比較例1〜2の微生物燃料電池用炭素触媒(12)〜(13)12部をそれぞれ秤量し、1−ブタノール48部とナフィオン(Nafion)溶液(デュポン社製:固形分20%水−アルコール混合溶液(水/1−プロパノール/エタノール=34%/44%/2%)40部の混合溶液中に添加後、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて撹拌混合することで微生物燃料電池用炭素触媒インキ(1)〜(13)(固形分濃度20質量%、微生物燃料電池用炭素触媒インキ100質量%としたときの微生物燃料電池用炭素触媒とバインダーを合計した割合)を調製した。
<微生物燃料電池用触媒電極の作製>
実施例1〜11の微生物燃料電池用炭素触媒インキ(1)〜(11)及び、比較例1〜2の微生物燃料電池用炭素触媒インキ(12)〜(13)を、ドクターブレードにより、乾燥後の炭素触媒の目付け量が4mg/cm2になるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、微生物燃料電池用触媒電極(1)〜(13)を作製した。
<微生物燃料電池>
以下では、本発明の微生物燃料電池用炭素触媒インキより作製した微生物燃料電池用触媒電極を用いて、微生物燃料電池を作製する方法ついて例示する。
30mLの容量を持つ電解槽内で、電子供与微生物として、Shewanella oneidenis MR−1(単一培養、105cells/mL)と水田土壌の混合液を30℃で3日間嫌気的に培養した後、電解質溶液としてK2HPO4/KH2PO4(pH7.0)の緩衝溶液を使用し、栄養基質としてグルコースを含む生活排水を2.0gCOD/L/日(COD:化学的酸素要求量)を連続的に流入させた。負極の導電性支持体として、カーボンクロスを、正極としては微生物燃料電池用触媒電極(1)〜(13)をそれぞれ電解槽へ挿入した。
(微生物燃料電池の発電試験)
ポテンショ・ガルバノスタット(VersaSTAT3、Princeton Applied Research社製)を用いて電流−電圧測定を行い、評価したところ、実施例(1)〜(11)で作製した微生物燃料電池用触媒電極では、0.12〜0.15W/m2であった。これに対し、比較例(1)〜(2)で作製した微生物燃料電池用触媒電極では、0.07〜0.08W/m2と実施例に比べて低い結果であった。
以上より、本発明の微生物燃料電池用触媒は酸性系、アルカリ系いずれの系でも高い触媒活性を有し、同触媒から作製した微生物燃料電池は優れた電池性能を有することがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。

Claims (10)

  1. グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中で熱処理し、炭素化する工程とによって得られ、
    X線光電子分光法(XPS)によって測定した、炭素触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比を(N)とし、炭素触媒表面の全窒素量に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が1〜13であることを特徴とする微生物燃料電池用炭素触媒。
  2. 水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)の比(BETH2O /BETN2)で示される親水度が、0.1〜2.5であることを特徴とする請求項1記載の微生物燃料電池用炭素触媒。
  3. 金属フタロシアニンが、鉄フタロシアニンまたはコバルトフタロシアニンである請求項1または2記載の微生物燃料電池用炭素触媒。
  4. グラフェンナノプレートレットと、金属フタロシアニンとを乾式混合する工程と、前記混合物を不活性ガス雰囲気中、500〜1000℃で熱処理し、炭素化する工程とを含む請求項1〜3いずれか記載の微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  5. 乾式混合は、グラフェンナノプレートレットに対する金属フタロシアニンの質量比(金属フタロシアニン/グラフェンナノプレートレット)が、0.3/1〜2/1であり、600〜900℃で熱処理することを特徴とする請求項4いずれか記載の微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  6. 前記鉄フタロシアニンは、平均一次粒子径が10〜100nm、且つ平均二次粒子径が0.1〜10μmであり、前記コバルトフタロシアニンは、平均一次粒子径が10〜500nm、且つ平均二次粒子径が0.1〜10μmである請求項4または5記載の微生物燃料電池用炭素触媒の製造方法。
  7. 請求項4〜6いずれか記載の製造方法によって製造されてなる微生物燃料電池用炭素触媒。
  8. 請求項1、2、3または7記載の微生物燃料電池用炭素触媒と、バインダーと、溶剤とを含有する微生物燃料電池用触媒インキ。
  9. 前記バインダーが、プロトン伝導性ポリマー及び/または撥水性材料である請求項8記載の微生物燃料電池用触媒インキ。
  10. 請求項1、2、3または7記載の微生物燃料電池用炭素触媒を有する微生物燃料電池。
JP2014160510A 2014-08-06 2014-08-06 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池 Active JP6350092B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160510A JP6350092B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014160510A JP6350092B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016038988A true JP2016038988A (ja) 2016-03-22
JP6350092B2 JP6350092B2 (ja) 2018-07-04

Family

ID=55529922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014160510A Active JP6350092B2 (ja) 2014-08-06 2014-08-06 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6350092B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105742659A (zh) * 2016-04-29 2016-07-06 山东大学 一种制备酞菁铁-石墨烯多孔复合材料的方法
JP2017204345A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 後藤 剛 鉄炭密着ヘドロ電池および鉄炭密着ヘドロ電池を用いた発電方法
WO2018159622A1 (en) 2017-02-28 2018-09-07 Okinawa Institute Of Science And Technology School Corporation Process for preparing a supported catalytic material, and supported catalytic material
JP2018166086A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素電池正極用電極ペースト組成物、酵素電池正極用電極および酵素電極電池
CN109962228A (zh) * 2019-04-16 2019-07-02 哈尔滨理工大学 用于微生物燃料电池的Co-MOF-GO薄膜的制备方法及其构建的MFCs
JP2019216082A (ja) * 2017-11-30 2019-12-19 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素電池正極用触媒、酵素電池正極用電極ペースト組成物、及びその用途
JP2020004487A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス
JP2020009759A (ja) * 2018-07-02 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用炭素系材料、酵素発電デバイス用電極組成物、酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
WO2020013138A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス正極用炭素触媒、及び酵素発電デバイス
JP2020009669A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 電池電極形成用組成物、電極、及び微生物燃料電池デバイス
JP2020013778A (ja) * 2018-07-09 2020-01-23 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス電極形成用組成物、酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
JP2020053261A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 東洋インキScホールディングス株式会社 燃料電池正極用触媒、燃料電池正極用ペースト組成物、燃料電池用正極、燃料電池、および水分センサー
JP2020098725A (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 東洋インキScホールディングス株式会社 バイオ燃料電池アノード用触媒インキ材料、バイオ燃料電池アノード用触媒インキ組成物、バイオ燃料電池アノード、バイオ燃料電池デバイス
JP2020528199A (ja) * 2017-07-18 2020-09-17 ピーエイチ マター、エルエルシー 多機能電極添加剤
JP2020178533A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 東洋インキScホールディングス株式会社 培地モニタリングシステム
JP2021096991A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
CN113066952A (zh) * 2021-03-24 2021-07-02 肇庆市华师大光电产业研究院 一种锂硫电池高催化活性正极材料的制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012160957A1 (ja) * 2011-05-24 2012-11-29 国立大学法人東京大学 電極触媒及びその製造方法
WO2014020915A1 (ja) * 2012-08-01 2014-02-06 東洋インキScホールディングス株式会社 電池触媒用組成物及びその製造方法、電極材料、並びに燃料電池
JP2014207220A (ja) * 2013-01-30 2014-10-30 東洋インキScホールディングス株式会社 炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012160957A1 (ja) * 2011-05-24 2012-11-29 国立大学法人東京大学 電極触媒及びその製造方法
WO2014020915A1 (ja) * 2012-08-01 2014-02-06 東洋インキScホールディングス株式会社 電池触媒用組成物及びその製造方法、電極材料、並びに燃料電池
JP2014042910A (ja) * 2012-08-01 2014-03-13 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 炭素触媒造粒体、炭素触媒造粒体の製造方法、及び該炭素触媒造粒体を用いた触媒インキ並びに燃料電池
JP2014207220A (ja) * 2013-01-30 2014-10-30 東洋インキScホールディングス株式会社 炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池

Cited By (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105742659A (zh) * 2016-04-29 2016-07-06 山东大学 一种制备酞菁铁-石墨烯多孔复合材料的方法
JP2017204345A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 後藤 剛 鉄炭密着ヘドロ電池および鉄炭密着ヘドロ電池を用いた発電方法
WO2018159622A1 (en) 2017-02-28 2018-09-07 Okinawa Institute Of Science And Technology School Corporation Process for preparing a supported catalytic material, and supported catalytic material
US11264630B2 (en) 2017-02-28 2022-03-01 Okinawa Institute Of Science And Technology School Corporation Process for preparing a supported catalytic material, and supported catalytic material
JP2018166086A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素電池正極用電極ペースト組成物、酵素電池正極用電極および酵素電極電池
JP2020528199A (ja) * 2017-07-18 2020-09-17 ピーエイチ マター、エルエルシー 多機能電極添加剤
JP7368853B2 (ja) 2017-07-18 2023-10-25 ピーエイチ マター、エルエルシー 多機能電極添加剤
JP2019216082A (ja) * 2017-11-30 2019-12-19 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素電池正極用触媒、酵素電池正極用電極ペースト組成物、及びその用途
JP7293624B2 (ja) 2017-11-30 2023-06-20 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素電池正極用触媒、酵素電池正極用電極ペースト組成物、及びその用途
JP2020004487A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス
JP7192264B2 (ja) 2018-06-25 2022-12-20 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス
JP2020009759A (ja) * 2018-07-02 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用炭素系材料、酵素発電デバイス用電極組成物、酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
JP7318364B2 (ja) 2018-07-02 2023-08-01 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用炭素系材料、酵素発電デバイス用電極組成物、酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
JP2020013778A (ja) * 2018-07-09 2020-01-23 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス電極形成用組成物、酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
WO2020013138A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス正極用炭素触媒、及び酵素発電デバイス
JP2020009669A (ja) * 2018-07-10 2020-01-16 東洋インキScホールディングス株式会社 電池電極形成用組成物、電極、及び微生物燃料電池デバイス
JP7063157B2 (ja) 2018-07-10 2022-05-09 東洋インキScホールディングス株式会社 電池電極形成用組成物、電極、及び微生物燃料電池デバイス
JP7155814B2 (ja) 2018-09-27 2022-10-19 東洋インキScホールディングス株式会社 燃料電池正極用触媒、燃料電池正極用ペースト組成物、燃料電池用正極、燃料電池、および水分センサー
JP2020053261A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 東洋インキScホールディングス株式会社 燃料電池正極用触媒、燃料電池正極用ペースト組成物、燃料電池用正極、燃料電池、および水分センサー
JP2020098725A (ja) * 2018-12-18 2020-06-25 東洋インキScホールディングス株式会社 バイオ燃料電池アノード用触媒インキ材料、バイオ燃料電池アノード用触媒インキ組成物、バイオ燃料電池アノード、バイオ燃料電池デバイス
JP7205209B2 (ja) 2018-12-18 2023-01-17 東洋インキScホールディングス株式会社 バイオ燃料電池アノード用触媒インキ材料、バイオ燃料電池アノード用触媒インキ組成物、バイオ燃料電池アノード、バイオ燃料電池デバイス
CN109962228B (zh) * 2019-04-16 2022-02-08 哈尔滨理工大学 用于微生物燃料电池的Co-MOF-GO薄膜的制备方法及其构建的MFCs
CN109962228A (zh) * 2019-04-16 2019-07-02 哈尔滨理工大学 用于微生物燃料电池的Co-MOF-GO薄膜的制备方法及其构建的MFCs
JP2020178533A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 東洋インキScホールディングス株式会社 培地モニタリングシステム
JP7367333B2 (ja) 2019-04-23 2023-10-24 東洋インキScホールディングス株式会社 培地モニタリングシステム
JP2021096991A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
JP7400438B2 (ja) 2019-12-19 2023-12-19 東洋インキScホールディングス株式会社 酵素発電デバイス用電極、および酵素発電デバイス
CN113066952A (zh) * 2021-03-24 2021-07-02 肇庆市华师大光电产业研究院 一种锂硫电池高催化活性正极材料的制备方法
CN113066952B (zh) * 2021-03-24 2022-12-23 肇庆市华师大光电产业研究院 一种锂硫电池高催化活性正极材料的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6350092B2 (ja) 2018-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6350092B2 (ja) 微生物燃料電池用炭素触媒及びその製造方法、触媒インキ並びに微生物燃料電池
Meng et al. Iron-chelated hydrogel-derived bifunctional oxygen electrocatalyst for high-performance rechargeable Zn–air batteries
Ma et al. Seaweed biomass derived (Ni, Co)/CNT nanoaerogels: efficient bifunctional electrocatalysts for oxygen evolution and reduction reactions
Sun et al. Graphene–Co 3 O 4 nanocomposite as an efficient bifunctional catalyst for lithium–air batteries
Gao et al. Pt nanocrystals grown on three-dimensional architectures made from graphene and MoS2 nanosheets: highly efficient multifunctional electrocatalysts toward hydrogen evolution and methanol oxidation reactions
Huang et al. Active catalysts based on cobalt oxide@ cobalt/NC nanocomposites for oxygen reduction reaction in alkaline solutions
Papiya et al. Co/Al2O3-rGO nanocomposite as cathode electrocatalyst for superior oxygen reduction in microbial fuel cell applications: The effect of nanocomposite composition
Gong et al. Nitrogen-and phosphorus-doped biocarbon with enhanced electrocatalytic activity for oxygen reduction
Modi et al. Improved performance of a single chamber microbial fuel cell using nitrogen-doped polymer-metal-carbon nanocomposite-based air-cathode
Liu et al. Iron (II) phthalocyanine covalently functionalized graphene as a highly efficient non-precious-metal catalyst for the oxygen reduction reaction in alkaline media
Yuan et al. Nitrogen-doped carbon sheets derived from chitin as non-metal bifunctional electrocatalysts for oxygen reduction and evolution
Alegre et al. Electrospun carbon nanofibers loaded with spinel-type cobalt oxide as bifunctional catalysts for enhanced oxygen electrocatalysis
JP6244936B2 (ja) 炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池
He et al. One‐pot synthesized Co/Co3O4‐N‐graphene composite as electrocatalyst for oxygen reduction reaction and oxygen evolution reaction
Farahani et al. Carbon-supported Fe/Mn-based perovskite-type oxides boost oxygen reduction in bioelectrochemical systems
Li et al. Electrocatalytic performances of phosphorus doped carbon supported Pd towards formic acid oxidation
Zhang et al. Platinum nanoparticles anchored on graphene oxide-dispersed pristine carbon nanotube supports: high-performance electrocatalysts toward methanol electrooxidation
JP6736929B2 (ja) 燃料電池用ペースト組成物、及び燃料電池
Gursu et al. Synthesis of phosphorus doped graphenes via the Yucel’s method as the positive electrode of a vanadium redox flow battery
Yan et al. Polystyrene microspheres-templated nitrogen-doped graphene hollow spheres as metal-free catalyst for oxygen reduction reaction
Geng et al. Pd x Fe y alloy nanoparticles decorated on carbon nanofibers with improved electrocatalytic activity for ethanol electrooxidation in alkaline media
Preda et al. Graphene Incorporation as a Propitious Approach for Improving the Oxygen Reduction Reaction (ORR) Activity of Self-assembled Polycrystalline NiCo 2 O 4–NiO
Liu et al. N, O-codoped carbon spheres with uniform mesoporous entangled Co3O4 nanoparticles as a highly efficient electrocatalyst for oxygen reduction in a Zn-air battery
Lu et al. Boosting oxygen electrocatalytic reactions with Mn 3 O 4/self-growth N-doped carbon nanotubes induced by transition metal cobalt
Bezerra et al. Tuning NiCo2O4 bifunctionality with nitrogen-doped graphene nanoribbons in oxygen electrocatalysis for zinc-air battery application

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180508

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180521

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6350092

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250