JP2020001992A - 乾式吹付け施工用不定形耐火物 - Google Patents
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Abstract
Description
上記耐火材料はシリカゾルとの硬化反応速度に起因し、作業性が大きく変わる可能性がある。施工箇所に混練材料が付着してから硬化反応が速く進んだ場合は、作業可使時間が短くなり、施工厚みの管理が困難である。施工厚みの管理が疎かになった場合、施工範囲内の特定箇所で凹凸が見られ、操業中に内部の流動物が接触し、本来流し込み施工であればかかることの無い応力がその箇所に集中し、亀裂の発生及び伸展、長期的には脱落等に発展し、補修又は再施工せざるを得ない状況となり、流し込み施工と比較し不利となる可能性がある。
逆に硬化反応が遅い場合は、混練材料が流動し付着し難くなる可能性がある。いずれにせよ、元々設計された施工体にならず、施工不良や耐用の低下に繋がる。
特許文献3に記載されているMg又はCaの化合物とシリカゾルの反応による急結性を利用したシリカゾル添加吹付け施工用不定形耐火物では、作業可使時間が充分に確保できない可能性が高い。本発明の課題はシリカゾルと耐火材料を混練した際の硬化反応と吹付け施工時の作業性を個別で考え、それぞれの性質を別の添加剤で補うことで、充分な付着性及び作業可使時間の確保が可能となり、結果として施工の効率化、耐用性に優れた乾式吹付け施工用不定形耐火材を得ることにある。
耐火性骨材の種類としては、例えば焼結アルミナ、電融アルミナ、ボーキサイト、バンド頁岩、ムライト、カイヤナイト、アンダルサイト、シャモット、ロー石、珪石、焼結スピネル、電融スピネル、クロム鉱、酸化クロム、ジルコン、ジルコニア、炭化珪素、黒鉛、ピッチ等の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、耐火性粘土、仮焼アルミナ、シリカフラワー、カーボンブラック等の超微粉を併用することもできる。
本発明のシリカゾルは水で希釈することも可能だが、シリカゾルを水で希釈した場合のシリカゾル中に含まれる固形分の濃度が20質量%未満だと、吹付け施工は可能だが、シリカゾルの硬化反応が不充分で硬化不良の発生や、充分な養生後圧縮強度が得られない。また固形分の濃度が20質量%〜30質量%の際、吹付け施工が可能であり硬化反応も問題無いが、養生後圧縮強度を考慮した場合、30質量%以上が好ましい。
N=(A/(A+B+C))×100 (式1)
A=計量したシリカゾル中のシリカ固形分の質量
B=計量したシリカゾル中の水分の質量
C=加えた水分の質量
本発明におけるシリカゾルの硬化剤は、粒径1mm以下のMg又はCaの化合物を使用する。添加量は耐火材料100質量%に対して外掛けで0.05質量%〜1.0質量%とする。Mgの化合物として海水マグネシア、電融マグネシア、重焼マグネシア、軽焼マグネシア、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウム等、Caの化合物として消石灰、炭酸カルシウム及び生石灰等を用いることができる。Mg又はCaの化合物の添加量が外掛けで0.05質量%未満である場合、硬化反応が不十分で充分な養生後圧縮強度が得られず、1.0質量%より多い場合、硬化反応が著しく速く、適切な作業可使時間が得られない。粒径が1mmより大きいMg又はCaの化合物を用いて硬化させることも可能だが、添加量が大幅に増えてしまう。Mg又はCaが多量に含まれることは、上述の耐火材料には好ましくない。
通常、吹付け作業に必要な作業可使時間は、少なくとも15分以上、好ましくは30分以上必要である。また、硬化時間は長くとも24時間以内であることから、養生後圧縮強度は24時間後に測定した。側壁、天井などに吹付け施工した場合の必要な養生後圧縮強度としては、1.0MPa以上が目安とされる。
凝集性及び付着性は、高さ1000mm×幅1000mmの木板に前記耐火材料を垂直壁として吹付けて確認した。表中の○印は凝集性及び付着性ともに充分な場合、△印は凝集性は充分だが付着性に劣る場合、×印は凝集性が不充分で流落した場合を表す。
作業可使時間は、吹付けて採取した混練材料をビニール袋に入れ、10分毎に指でビニール袋側面を押し、触感と目視で確認した。ビニール袋側面から混練材料を押した際、変形させることができなくなった時点を終点とし、ビニール袋採取後から終点までを作業可使時間とした。3時間を越えても終点が見られない場合は、作業可使時間を3時間以上(>180分)とした。
養生後収縮亀裂は、高さ500mm×幅500mm×厚み80mmの金枠に前記耐火材料を吹付けて室内で24時間保持した後確認した。吹付け後から24時間養生後に発生した亀裂の最大幅を隙間ゲージを用いて測定した。表中の×印は作業可使時間不足又は凝集性不足により吹付け不可能の場合、又は翌日未硬化であることによる最大亀裂幅測定不可能の場合を表す。
添加液量は、吹付けた混練材料の含水率及びシリカゾル又はシリカゾルを水で希釈したシリカゾルのシリカ固形分の濃度から算出した。
Claims (4)
- 耐火材料100質量%に対しシリカ固形分の濃度が20質量%〜50質量%のシリカゾル又はシリカゾルを水で希釈したシリカゾルを用い、硬化剤として粒径1mm以下のMg又はCaの化合物を外掛けで0.05〜1.0質量%、凝集剤として金属硫酸塩又は金属ハロゲン化物塩を外掛けで0.01質量%〜1.0質量%添加したことを特徴とするセメントフリー乾式吹付け施工用不定形耐火物。
- 前記耐火材料100質量%に対し、硬化調整剤として縮合リン酸塩、有機酸又は有機酸塩を外掛けで0.01〜0.3質量%添加したことを特徴とする請求項1に記載のセメントフリー乾式吹付け不定形耐火物。
- 前記耐火材料100質量%に対し、増粘剤を外掛けで0.01質量%〜3.0質量%添加したことを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のセメントフリー乾式吹付け不定形耐火物。
- 前記耐火材料100質量%に対し、有機繊維又は無機繊維を0.05質量%〜3.0質量%添加したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のセメントフリー乾式吹付け不定形耐火物
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