JP2020001967A - セラミックス製造用顆粒の製造法 - Google Patents

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【課題】原材料のロスが少なく、得られるセラミックス顆粒の特性に優れるセラミックス製造用顆粒を得ることが可能なセラミックス製造用顆粒の製造法を提供する。【解決手段】溶媒及び有機結合剤を含む混合物よりなるスラリーを調製するスラリー調製工程、及び前記スラリーをスプレードライ装置に導入して顆粒物を形成する造粒工程、を含むセラミックス製造用顆粒の製造法において、前記造粒工程で得られた顆粒物を、目開き100〜300μmの篩で分級する分級工程、及び前記分級工程で得られた篩残分である粗粒分を、前記スラリー調製工程に戻す循環工程が設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、無機化合物、例えば窒化アルミニウムを焼結用粒子として含むセラミックス製造用顆粒の製造法に関する。
窒化アルミニウムに代表される無機材料は、有機結合剤及び溶媒、さらには必要により分散剤等を用いてスプレードライにより顆粒状に成形し、得られた顆粒を成形、加熱処理(焼成)して固めた焼結体、即ち、セラミックスとして種々の用途に使用されている。例えば、窒化アルミニウム製セラミックスは、高熱伝導性、高絶縁性を示し、放熱材料や電気絶縁材料として、電気機器の放熱基板や電子回路基板などの用途に広く使用されている(特許文献1及び2)。
特に、上記のような顆粒は、粒径が揃っているため、プレス成形により所定形状に成形するのに適しており、このような成形体を焼成することにより、目的とするセラミックスを得ることができる。
ところで、スプレードライによる造粒によって粒子径はほぼ揃っている顆粒が得られるといっても、粗大な粒子の生成を完全に回避することはできず、かなりの頻度で必要以上に大きな粒子が顆粒中に混入している。このため、セラミックス製造用製品として供される顆粒は、篩による分級によって粗粒分が除去されている。
しかしながら、このような粗粒分の除去により、当然のことながら、原材料のロスが多く、その再利用が求められている。
特許第3479160号 特許第2525074号
従って、本発明の目的は、原材料のロスが少なく、得られるセラミックス顆粒の特性に優れるセラミックス製造用顆粒を得ることが可能なセラミックス製造用顆粒の製造法を提供することにある。
本発明によれば、
無機化合物粉末、溶媒及び有機結合剤を含む混合物よりなるスラリーを調製するスラリー調製工程、及び
前記スラリーをスプレードライ装置に導入して顆粒物を形成する造粒工程、
を含むセラミックス製造用顆粒の製造法において、
前記造粒工程後に前記顆粒物を、目開き100〜300μmの篩で分級する分級工程、及び
前記分級工程で得られた篩残分である粗粒分を、前記スラリー調製工程に戻す循環工程、
が設けられていることを特徴とするセラミックス製造用顆粒の製造法が提供される。
本発明の製造法においては、前記無機化合物が窒化アルミニウムであること、
が好適である。
本発明では、無機化合物粉末、溶媒及び有機結合剤を用いて調製されたスラリーをスプレードライ装置に導入して造粒するという基本工程に加えて、造粒後、目開き100〜300μmでの篩による分級を行い、篩残分である粗粒分を、スラリー調製工程に循環させるという手段を採用した点に特徴を有する。
即ち、本発明では、篩残分である粗粒をスラリー調製工程に循環させるため、粗粒分の除去による原材料のロスを有効に回避することができる。
しかも、本発明では、篩による分級は造粒工程に続いて実施されるため、スラリー調製工程に循環される粗粒分に含まれる有機結合剤は、加熱されていない。即ち、造粒後に後述する顆粒物の強度向上のための流動化処理を行う態様を採用する場合においても、かかる処理を行う前に粗粒を分級するため、スラリー調製工程に循環使用した際、スラリーへの良好な分散性を示し、スラリーの性状を変質させることがない。
本発明のセラミックス製造用顆粒の製造方法のプロセスを示すフローチャート。
図1のフローチャートを参照して、本発明のセラミックス製造用顆粒の製造工程は、大まかに言って、焼結材料である無機化合物の粉末、溶媒及び有機結合剤、さらには、適宜使用される任意材料を原材料として用意し、これらの原材料を用いてスラリーを調製し(スラリー調製工程)、得られたスラリーをスプレードライ装置に供給して造粒(造粒工程)するという基本工程を有しており、さらに、篩による分級工程及び分級工程で得られた篩残分である粗粒分を、前記スラリー調製工程に戻す循環工程を有している。
上記分級工程より得られる顆粒物は、そのまま製品のセラミックス製造用顆粒としてもよいし、後述の流動化工程を経てセラミックス製造用顆粒としてもよい。
原材料;
本発明において、原材料として使用される無機化合物は、焼結材料であり、最終的に製造されるセラミックスの骨格を形成する成分であり、目的とするセラミックスの種類に応じた無機化合物が使用される。
このような無機化合物としては、焼結性を低下させるおそれがある金属不純物の含量が0.1質量%以下に抑制された高純度のものが使用され、このような高純度である限り、種々の無機化合物を使用することができるが、安定した物性を有するセラミックスを得ることができるという観点から、電子機器等の電子回路基板等に使用される窒化アルミニウムを使用することが最も好適である。
また、用いる無機化合物の粉末は、一般に、平均粒子径が5μm以下、特に0.5〜3μm程度の範囲にあることが、均一な粒度分布を有する顆粒を得る上で好適である。この平均粒径は、例えば、レーザー回折/散乱法による測定装置により測定される。
上記の無機化合物粉末と共に使用される溶媒は、スラリー調製及びスプレードライによる造粒に必須の成分であり、水、または揮発性の有機溶媒が使用される。
このような有機溶媒としては、これに限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノール、プロパノール及びブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;あるいはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びブロムクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;などを例示することができ、これらの有機溶媒は、2種以上を混合して使用することもできる。
かかる有機溶媒は、例えば、得られるスラリーの25℃での粘度が0.02〜2000Pa・sの範囲となるような量で使用されることが好適であり、例えば、前述した無機化合物粉末100質量部当り、20〜200質量部の量で使用される。
有機結合剤は、顆粒を用いてのセラミックスの成形に使用されるものであり、焼結に先立って、粒子がばらばらにならずに所定形状の成形体を成形するために使用されるものであり、従来公知の配合剤である。
このような結合剤の例としては、これに制限されるものではないが、一般に、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリレート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンオキサイド及びポリプロピレンオキサイド等の含酸素有機高分子体;石油レジン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の炭化水素系合成樹脂;ポリ塩化ビニール;ワックス及びそのエマルジョン等の有機高分子体を使用することができ、これらは、2種以上を混合して使用することもできる。
かかる結合剤は、一般に、無機化合物粉末100質量部当り、0.1〜30重量部の量で使用することが、焼結前の成形を効果的に行う上で好ましい。
また、上記の溶媒及び有機結合剤以外にも、セラミックスの成形に使用される公知の配合剤、例えば、界面活性剤、焼結助剤などを必要に応じて使用することができる。
界面活性剤は、スラリー中に無機化合物粉末を均一に分散させるために使用するものであり、それ自体公知のものを使用することができるが、一般には、HLBが4.5〜18、特に6.0〜10.0の範囲にあるノニオン系界面活性剤が好適に使用される。
このようなノニオン界面活性剤の例としては、カルボキシル化トリオキシエチレントリデシルエーテル、ジグセリンモノオレート、ジグリセリンモノステアレート、カルボキシル化ヘプタオキシエチレントリデシルエーテル、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等をあげることができ、これらは、2種以上を混合して使用することも可能である。
かかる界面活性剤の使用量は、一般に、非磁性無機材材料粉末100質量部当り、0.01〜10質量部、特に0.02〜3.0質量部の範囲であることが好ましい。
さらに、焼結助剤は、セラミックスを製造する際の焼結を促進させるために使用されるものであり、無機化合物粉末の種類に応じて、それ自体公知のものを使用することができる。例えば、窒化アルミニウム粉末を使用する場合には、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物;酸化イットリウム、酸化ランタン等の希土類酸化物;アルミン酸カルシウム等の複合酸化物;などが焼結助剤として好適であり、窒化アルミニウム粉末との合計量中に占める割合で0.1〜10質量%の範囲で使用される。
スラリー調製;
上述した各種の原材料は、適宜、アルミナボールやジルコニアボールなどのセラミックスボール、鉄芯入りのウレタンボールやナイロンボールなどの樹脂ボールを用いたボールミル等の混合装置を用いることにより、非磁性無機材料粉末が均一に分布したスラリーが得られる。
前記ボールミルの大きさとしては、所望の量が得られる容量のものを選択すれば良く、また、ボールの直径は5〜50mmの範囲から同サイズのもの、或いは2種以上のサイズのものを適宜選択することができる。また、ボールの充填量は、容量の20〜80%程度とするのが一般的である。
得られたスラリーは、必要に応じて、濾過される。かかる濾過は、一般に、目開きが10〜100μmの濾材を用いて行われ、これにより、スラリー中の粗粒分が除去され、次のスプレードライにより、粒径がかなり揃った粒状物を得ることができる上で好適である。また、20℃でのスラリーの粘度を0.02〜2000mPa・sの範囲に安定に維持せしめ、スプレードライを安定に行う上でも、上記のような濾材を用いて濾過を行うことが望ましい。
さらに、無機金属化合物として窒化アルミニウム等の非磁性の材料を使用する場合には、このスラリーを、マグネットフィルターを通してスプレードライ装置に供給することが金属不純物を低減させるために好適である。
即ち、窒化アルミニウム粉末は、非常に硬質であり、このため、この窒化アルミニウム粉末を含む材料の搬送配管が摩耗し、摩耗粉が不純物として混入するおそれがある。例えば、搬送配管としては、ステンレススチール製のものが使用されているが、この結果、Fe,Ni,Cr等を含む摩耗粉がスラリー中に混入しているおそれがある。このため、上記スラリーを、マグネットフィルターを通して供給することにより、このような摩耗粉をスラリー中から好適に除去することができ、例えば、得られる顆粒中に金属不純物含量が0.1質量%を超えてしまうという不都合を有効に回避できる。
尚、マグネットフィルターによる摩耗粉の除去は、造粒後に行うこともできるが、造粒後では、除去効率が低いため、スプレードライ装置にスラリーを供給する直前にマグネットフィルターを通して摩耗粉の除去を行うことが好適である。
上記スラリー調製工程は、バッチで行うのが一般的であるが、連続して行ってもよい。
スプレードライ;
上記のようにして得られたスラリーは、スプレードライ装置により導入されて造粒が行われる。
スラリーが導入されるスプレードライ装置では、その上部からスラリーが適宜加熱された乾燥気流(例えば空気や窒素ガス)中に噴霧され、これにより溶媒が除去され、無機化合物を含む粒状物が得られる。得られた粒状物は、下方から排出される。
ところで、このようなスプレードライ装置では、顆粒の崩れやスラリーの小さい飛沫が乾燥されることにより微粉が生成する。このような微粉は、装置内のガスと共に抽気してサイクロンで適宜回収することができる。回収された微粉は、一般にはそのまま廃棄されるが、上記サイクロンとして、セラミックスコーティングしたものを使用することにより、金属成分の混入を防止できるため、前記粗粒を分級して得られた顆粒物に混合して有効利用することも可能である。この混合は、後述の流動化工程にて行うことにより、均一に混合することができる。
分級及び粗粒分の循環;
スプレードライ装置から排出された粒状物は、一旦タンクに貯蔵することも可能であるが、そのまま、篩による分級に供すことが造粒物間の固着が防止され、篩により分級を効率よく行うことができ好ましい。
この分級は、目開き100〜300μmの篩を用いて行われ、これにより、粒状物中の粗粒分が除去され、粒径の均一化が図られる。そして、これにより、粗粒分の存在によるプレス成形性の低下や焼結性の変動を抑制することができる。
尚、300μmより大きい目開きの篩を用いた場合には、粒状物中に多量の粗粒分が残存したままの状態となり、粒子径の均一化を図ることができない。また、100μmよりも小さい目開きの篩を用いた場合には、粗粒分として除去される粒状物の量が多くなってしまい、効率が低下するばかりか、得られる顆粒の平均粒子径が必要以上に小さくなってしまい、顆粒のプレス成形性の低下が生じてしまうおそれもある。
前記粗粒分の除去は、スプレードライによる造粒に続いて行われるが、後述する流動化処理工程を設ける場合は、かかる工程の前に行うことが好ましい。即ち、流動化処理工程は、顆粒の強度向上を目的の一つとするものであり、かかる工程を経た後に分級される粗粒分は、スラリー調製工程に循環した際、スラリーへの分散性が低下する虞がある。
本発明においては、上記の分級により取り除かれた粗粒分、即ち、篩残分は、図1に示されているように、スラリー調製工程に循環される。即ち、スラリー調製に使用される混合ボールミルに投入され、これにより、粗粒分の除去による原材料のロスを有効に回避することができる。
粗粒のスラリー調整工程への循環は、スラリー調製工程に合わせて、バッチ又は連続で行うことができる。
分級する目開きの大きさにもよるが、通常、スプレードライした量に対して、1〜20%程度が篩残分となり、本発明においては、かかる量の原材料のロスが防止できることとなる。
ここで、粗粒分中の結合剤成分を溶媒中に再溶解させるとともに、粗粒分中の無機化合物が再分散させるよう、混合条件を調整する必要がある。
ボールの充填量は、容量の30〜60%、その回転数としては臨界回転速度(Nc)の40〜70%、混合する時間を6〜16時間とするのが好ましい。
流動化処理;
上記のようにして微粉が混合された粒状物は、図1に示されているように、そのまま、セラミック製造用顆粒として使用することもできるが、乱流の気体中に顆粒を滞留させる工程(流動化処理工程)に供給し、流動性の向上、顆粒物の強度向上を図ることが好ましい。
セラミックス製造用顆粒として、窒化アルミニウム顆粒を例に取ると、この流動化に用いる気体は、窒化アルミニウム粉末や結合剤等の添加剤と実質的に反応しない気体であることが好ましく、例えば、空気、酸素、窒素などが挙げられる。また、供給される気体の風速は、顆粒の流動化に必要な風速であれば良い。顆粒の流動化に必要な風速は、例えば、化学工学協会編「化学工学便覧改訂4版」の176頁記載の流動化開始速度の式と1056頁記載の終末速度の式で計算される値の範囲から任意に選択される。また、顆粒物の滞留時間は、1分〜36時間の範囲から選ぶことが好ましい。供給される気体の温度は、任意の温度が採用されるが、適当な破壊強度を有する窒化アルミニウム顆粒を得る為に、0〜250℃の範囲から選択することが好ましい。この流動化工程により、スプレードライヤー下から補修された顆粒とサイクロンで捕集された微粉が均一に混合される。また、顆粒物の流動性、強度を調整することができる。
必要に応じて上記流動化処理を行うことにより得られた顆粒は、適宜、篩にかけられ、例えば粒径が300μm以上の粗粒分が除去され、篩通過分を、セラミックス製造用顆粒として回収される。
尚、この段階において、上記の粗粒分は、著しく微量であるため、これを除去したとしても、歩留りの低下は無視し得るレベルである。
このようにして製造されるセラミックス製造用顆粒は、例えば平均粒子径が50〜100μmの範囲にあり、粒子径のバラツキが抑制されており、プレス成形性に優れている。例えば、所定の型内に充填されてのプレス成形により所望の形状に成形され、次いで、用いた無機化合物の種類に応じての加熱により焼結され(例えば窒化アルミニウムの場合で1600℃以上)、焼結不良による各種特性の低下が有効に介され、安定した特性を有するセラミックスを得ることができる。
従って、原材料の無機化合物粉末として窒化アルミニウム粉末を用いた場合、最終製品であるセラミックスは極めて高品質であり、各種電子機器の回路基板や放熱板として、広く使用される。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を揚げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例における各種の物性の測定は次の方法により行った。
(1)顆粒の平均粒子径
日機装(株)製 MICROTRAC MT3300EXを用いて、レーザー回折法により、測定した。
(2)重装嵩密度
筒井理化学機械(株)製「A・B・D粉体特性測定器」を用いて重装嵩密度を測定した。
(3)安息角
筒井理化学機械(株)製「A・B・D粉体特性測定器」を用いて安息角を測定した。
(4)プレス成形体密度
プレス成形体の寸法と重量とから、プレス成形体密度を計算して求めた。
(5)焼結体密度
(株)東洋精機製作所製「高精度比重計D−H」を使用して、アルキメデス法により求めた。
(6)体積抵抗率
JIS C2141に準拠した方法で、体積抵抗率測定装置(株)アドバンテスト製R8340にて測定を行った。
(7)熱伝導率
作製したAlN焼結体の熱伝導率は京都電子工業製LFA−502を用いてレーザーフラッシュ法により測定した。
<実施例1>
内容積500Lの回転ボールミルに鉄心入りナイロンボールをボールミルの容積に対して45%になるように入れ、次いで、還元窒化法で製造された窒化アルミニウム粉末((株)トクヤマ製HグレードNo.1)120kg、酸化イットリウム6kg、ヘキサグリセリンモノオレート0.1kg、ポリメタクリル酸ブチル4kg、トルエン溶媒120kgを投入して、臨界回転速度(Nc)の60%になるように回転数を設定し、10時間混合した後、白色のスラリーを得た。
こうして得られたスラリーをスプレードライヤーにより、アトマイザー回転数6000rpmで造粒した。造粒と同時にスプレードライヤー下に設置した150μmの振動篩を通過させた後、100kgの顆粒(A)を得た。150μmの篩上は8kgであった。上記顆粒(A)は、表1に参考例として評価してそのデータを示す。
次いで、上記と同様にして、内容積500Lの回転ボールミルに鉄心入りナイロンボールをボールミルの容積に対して45%になるように入れ、次いで、表1に示す還元窒化法で製造された窒化アルミニウム粉末((株)トクヤマ製HグレードNo.1)120kg、酸化イットリウム6kg、ヘキサグリセリンモノオレート0.1kg、ポリメタクリル酸ブチル4kg、さらに前の操作で回収した篩上8kg、トルエン溶媒120kgを投入して、臨界回転速度(Nc)の60%になるように回転数を設定し、10時間混合した後、白色のスラリーを得た。
こうして得られたスラリーをスプレードライヤーにより、アトマイザー回転数7000rpmで造粒した。造粒後、150μmの振動篩を通過させた後、108kgの顆粒(B)を得た。篩上の粗粒は、前記と同様、次のスラリーの調製工程に循環させた。
得られた顆粒(A)、顆粒(B)の、粒径、重装嵩密度、安息角を測定した。結果を表1に示す。
これら顆粒30gをそれぞれφ100mmの金型に導入し、100MPaの圧力でプレス成形し、厚さ約2mmのプレス成形体を作製し、プレス成形密度を測定した。その後、そのプレス成形体を空気中580℃で5時間の条件下で脱脂した。次いで、内面に窒化ホウ素を塗布厚さ約したカーボン製るつぼに入れ、窒素雰囲気下1800℃で5時間焼成し、焼結体を得た。焼結体の密度、体積抵抗率、熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
表より、粗粒を循環しても、得られる顆粒及び焼結体の品質において、全く問題のないことが確認された。

Claims (2)

  1. 無機化合物粉末、溶媒及び有機結合剤を含む混合物よりなるスラリーを調製するスラリー調製工程、及び
    前記スラリーをスプレードライ装置に導入して顆粒物を形成する造粒工程、
    を含むセラミックス製造用顆粒の製造法において、
    前記造粒工程後に前記顆粒物を、目開き100〜300μmの篩で分級する分級工程、及び
    前記分級工程で得られた篩残分である粗粒分を、前記スラリー調製工程に戻す循環工程、
    が設けられていることを特徴とするセラミックス製造用顆粒の製造法。
  2. 前記無機化合物が窒化アルミニウムである、請求項1に記載のセラミックス製造用顆粒の製造法。
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