JP3707866B2 - 窒化アルミニウムグリーン体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムグリーン体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウムグリーン体の新規な製造方法に関する。詳しくは、グリーン体の製造工程を回分操作により繰り返し行うに際し、2回目以降のグリーン体の製造工程において前のグリーン体の製造工程で発生する泥しょうの残材を、得られるグリーン体の物性を低下させることなく再利用することが可能な窒化アルミニウムグリーン体の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
最近のLSIの集積度の飛躍的な向上に伴うICチップの発熱量増大により、従来より使用されているアルミナでは熱特性が不十分で、放熱が限界に達しつつある。
【0003】
これに対し、窒化アルミニウム粉末は、高熱伝導率、高絶縁性を有し、パッケ−ジ材料等のエレクトロニクス材料として極めて有用な窒化アルミニウム焼結体の原料として脚光を浴びている。
【0004】
窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム粉末を顆粒に造粒した後、乾式プレスにより成形して得られるプレス成形体や窒化アルミニウム粉末を湿式成形後、打ち抜き加工して得られるグリーンシート等のグリーン体を経て、焼成により得られる。
【0005】
上記グリーンシートの如きグリーン体の製造工程を回分操作により繰り返し実施してグリーン体を製造する場合、原料の原単位削減のため、該グリーン体の製造工程の終了後、製造装置内に残存する泥しょうの残材や場合によっては、グリーン体の残材を次の回分操作にかかるグリーン体の製造工程において再利用することが試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の泥しょうの残材を、単に前のグリーン体の製造工程における泥しょうを調製する工程に循環して再利用した場合、得られるグリーン体を脱脂、焼結して得られる窒化アルミニウム焼結体は、マイクロポアが多く、熱伝導性、強度等において問題を有するものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、窒化アルミニウム粉末と溶剤とを混合して混合物を得る第一混合工程、第一混合工程で得られた混合物とバインダーとを混合して泥しょうを得る第二混合工程、及び第二混合工程で得られる泥しょうをグリ−ン体に成形する成形工程よりなる窒化アルミニウムグリーン体の製造を回分操作で行う際、発生する泥しょうの残材を2回目以降のグリーン体の製造工程の第二混合工程で得られた、混合が実質的に完了した泥しょうと混合する工程を別途設けて混合を行うことにより、マイクロポアの無い、優れた物性を有する焼結体を与えるグリーン体を得ることができ、上記の目的を達成することを見い出し、本発明を提案するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、窒化アルミニウム粉末と溶剤とを混合して混合物を得る第一混合工程、第一混合工程で得られた混合物とバインダーとを混合して泥しょうを得る第二混合工程、及び第二混合工程で得られる泥しょうをグリーン体に成形する成形工程よりなるグリーン体の製造工程を回分操作により繰り返し行うに際し、2回目以降のグリーン体の製造工程において、第二混合工程と成形工程との間に第三混合工程を設け、前のグリーン体の製造工程で発生する泥しょうの残材を第二混合工程で得られた粘度が定常化した泥しょうに混合することを特徴とするグリーン体の製造方法である。
また、本発明は、上記方法において、成形工程で発生するグリーン体の残材を原料として再利用する場合、第三混合工程と成形工程との間に第四混合工程を設け、上記第三混合工程より得られる泥しょうに該グリーン体の残材を混合するグリーン体の製造方法をも提供する。
【0009】
本発明で使用される窒化アルミニウム粉末としては、公知のものが何ら制限無く使用される。一般に、熱伝導性に優れた窒化アルミニウム焼結体を得るためには、酸素含有量や陽イオン不純物の少ないことが好ましい。即ち、AlNを窒化アルミニウム組成とするとき、不純物となる酸素含有量が1.5重量%以下、陽イオン不純物が0.3重量%以下である窒化アルミニウム粉末が好適である。さらに、酸素含有量が0.4〜1.3重量%、陽イオン不純物が0.2重量%以下である窒化アルミニウム粉末がより好適である。
【0010】
尚、本発明における窒化アルミニウムはアルミニウムと窒素の1:1の化合物であり、これ以外のものを不純物として表示する。但し、窒化アルミニウム粉末の表面は空気中で不可避的に酸化され、Al−N結合がAl−O結合に置き換っているが、この結合Alは陽イオン不純物とみなさない。従って、Al−N、Al−Oの結合をしていない金属アルミニウムは陽イオン不純物である。
【0011】
また、本発明で用いられる窒化アルミニウム粉末の粒子は、粒子径の小さいものが揃っているものが好ましい。例えば、平均粒子径(遠心式粒度分布測定装置、例えば、堀場製作所製のCAPA500などで測定した凝集粒子の平均粒径を言う。)が5μm以下、さらには3μm以下であることが好ましい。
【0012】
本発明に使用しうるバインダーは、一般にセラミック粉末の成形に用いられる公知のものが何ら制限されず使用できる。例えば、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ2−エチルヘキシルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリレート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンオキサイド及びポリプロピレンオキサイド等の含酸素有機高分子体;石油レジン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の炭化水素系合成樹脂;ポリ塩化ビニル;ワックス及びそのエマルジョン等の有機高分子体が1種または2種以上混合して使用される。結合剤として使用する有機高分子体の分子量は特に制限されないが、一般には3,000〜1,000,000、好ましくは、5,000〜300,000のものを用いると、高強度のグリーン体を得るのに好適である。
【0013】
本発明において、第一混合工程で使用される溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン類;エタノ−ル、プロパノ−ル及びブタノ−ル等のアルコ−ル類;ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;あるいはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びブロムクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類の1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】
本発明において、第一混合工程は、前記窒化アルミニウム粉末と溶剤とを混合して混合物を得る工程である。上記溶剤の量は、窒化アルミニウム100重量部に対して25〜200重量部の範囲から選択される。上記窒化アルミニウム粉末と溶剤との混合方法は、公知の方法が特に制限なく採用される。
【0015】
また、第二混合工程は、第一混合工程で得られた混合物とバインダーとを混合して泥しょうを得る工程である。上記の窒化アルミニウム粉末とバインダーの混合割合は、成形方法によっても異なるが、グリーンシート製造の場合、バインダーの種類や溶剤の種類、厚さ及び積層条件等により、一般には、窒化アルミニウム100重量部に対してバインダーが4〜30重量部、好ましくは5〜15重量部となる範囲から選択される。
【0016】
上記混合方法は、公知の方法が特に制限なく採用される。一般には、ボールミル、アトライター等の公知の混合機が使用される。
【0017】
更に、成形工程は、窒化アルミニウム粉末、溶剤、およびバインダーを混合して得られる泥しょうを必要に応じて脱泡し、適当な形状に成形する工程である。具体的には、泥しょうを脱泡槽と呼ばれる装置で気泡の除去及び必要に応じて、脱溶媒して所定の粘度に調整を行なった後、グリーンシートについては、ドクタ−ブレ−ド法等のシート成形機を用いてシート状に成形される。次いで、該シ−ト状の成形物は室温〜溶媒の沸点の温度で乾燥され、所定の形状に打ち抜き加工され、グリーン体の一形態であるグリ−ンシートに成形される。
【0018】
上記説明では、グリーン体の態様として、グリーンシートを示したが、本発明においては、これに限定されるものではなく、板、球体、筒体、立方体、その他任意の構造体の態様を採ることができる。
【0019】
本発明において、上記泥しょうの分散性を高めるために、表面活性剤が添加される。該界面活性剤の添加は、第一混合工程で行うのが好ましい。
【0020】
上記表面活性剤は、公知のものが何ら制限無く採用されるが、特に、親水性親油性バランス(HLB)が4.5〜18のものが好適に使用される。尚、本発明におけるHLBは、デ−ビスの式により算出された値である。
【0021】
好適に使用される表面活性剤を具体的に例示すると、カルボキシル化トリオキシエチレントリデシルエーテル、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンモノステアレート、カルボキシル化ヘプタオキシエチレントリデシルエーテル、テトラグリセリンモノオレート、ヘキサグリセリンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等が挙げられる。本発明における表面活性剤は、2種以上を混合して使用しても良く、その時のHLBは、それぞれの表面活性剤のHLBの相加平均で算出できる。
【0022】
これらの表面活性剤の添加量は、通常窒化アルミニウム100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜3.0重量部の範囲から採用される。表面活性剤が0.01重量部より少ない場合には泥しょうの分散が不十分となり、10重量部より多い場合は、グリーンシ−トの強度が低下するため好ましくない。
【0023】
また、得られるグリ−ン体に、より柔軟性を付与する目的で、泥しょうの調製において、必要に応じて可塑剤が添加される。該可塑剤の添加は、第二混合工程で行うのが好ましい。
【0024】
上記可塑剤は、一般のセラミック粉末の成形に使用される公知のものを特に限定することなく使用することができる。特に可塑剤として好適に使用されるものを具体的に例示すれば、ポリエチレングリコ−ル及びその誘導体;ジメチルフタレ−ト、ジブチルフタレ−ト、ベンジルブチルフタレ−ト及びジオクチルフタレ−ト等のフタル酸エステル類;ブチルステアレ−ト等のステアリン酸エステル類;トリクレゾ−ルフォスフェ−ト;トリ−N−ブチルフォスフェ−ト;グリセリン等である。可塑剤の添加量は、一般には窒化アルミニウム100重量部に対して15重量部以下であることが好ましい。
【0025】
更に、上記添加成分に加えて、窒化アルミニウム粉末の焼結に使用することが公知の焼結助剤、例えば、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物;酸化イットリウム、酸化ランタン等の希土類酸化物;アルミン酸カルシウム等の複合酸化物等を窒化アルミニウム粉末との合計量中に占める割合で0.1〜10重量%の範囲で用いても良い。該焼結助剤の添加は、第一混合工程で行うのが好ましい。
【0026】
本発明の特徴は、上記の第一混合工程、第二混合工程および乾燥工程より成るグリーンシートの成形工程を回分式で繰り返し実施する際に、2回目以降の回分操作にかかるグリーン体の製造工程において、前のグリーン体の製造工程が終了後に回収される泥しょうの残材を、第二混合工程と成形工程との間に第三混合工程を設け、該第二混合工程より得られる泥しょうと混合することにある。
【0027】
上記混合を第三混合工程を設けて行うことにより、新たにバインダーを添加して泥しょうを調製する第二工程に該泥しょうの残材を直接混合する場合に比べ、混合を十分、且つ均一に行うことが可能であり、後の成形工程で得られるグリーン体におけるマイクロポアの生成を防止することができる。
【0028】
上記前のグリーン体の製造工程で発生する泥しょうの残材の回収は、泥しょうの残材が発生する装置、配管等より行えばよい。具体的には、該グリーン体の製造工程において、第二混合工程、二回目以降のグリーン体の製造工程における第三混合工程、或いは、必要に応じて実施される二回目以降のグリーン体の製造工程における第四混合工程で混合を実施する装置、該混合工程で得られた泥しょうを成形工程に移液する際に必要に応じて設けられる泥しょうろ過装置、移液のための配管、成形工程で泥しょうを脱泡、シート成形する際、脱泡槽や成形機の泥しょう供給容器、泥しょうろ過装置、移液のための配管等に残った泥しょうが対象となる。そして、これらの泥しょうの全部或いは一部が泥しょうの残材として再使用される。
【0029】
また、第三混合工程を設けて泥しょうの残材を回収する態様は、上記混合工程で使用される装置によって適宜決定すればよい。例えば、一連の混合工程を単一の混合装置を使って行う場合、第二混合工程或いは第三混合工程、第四混合工程後の全ての混合工程を完了した後、成形工程に泥しょうを移液する際に混合装置に残った泥しょうの残材を混合で使用する溶剤等により回収し、上記と同様にして、次の回分操作によるグリーン体の製造工程の第三混合工程で混合すればよい。
【0030】
また、複数の混合装置を使って混合を行う場合は、第一混合工程を除いて、各混合工程の完了後、次の混合装置或いは成形装置に移液する際に各混合装置に残った泥しょうの残材を、混合で使用する溶剤等により回収し、上記と同様にして、次バッチの第三混合工程に投入する。
【0031】
尚、上記各混合工程における泥しょうの混合の完了は、混合状態が安定した時点をもって確認することができる。例えば、泥しょうの粘度の混合時間に対する変化が実質的に無く、定常化した状態をもって知ることができる。上記時間は、混合の対象、混合装置の構造等によって異なり、一概に限定することはできないが、一般に、30分〜30時間の範囲で適宜決定される。かかる各工程における混合が不十分な場合は、グリーンシートの成形時にクラックやシワ等の不具合が発生する。
【0032】
従って、上記混合時間は、各混合工程において予め試験を行って最適な時間を決定するのが一般的である。
【0033】
また、上記泥しょうの残材を再利用する方法において、成形工程より発生するグリーン体の残材を再利用する場合、第三混合工程と成形工程との間に第四混合工程を設け、該第四混合工程で泥しょうとの混合を行うことが後の成形工程で得られるグリーン体におけるマイクロポアの生成を防止するために重要である。
【0034】
上記グリーン体の残材は、グリーンシート等の打ち抜き加工の場合は、打ち抜き加工後のシート屑、或いは、シートの厚みが所定の厚さを満足していないグリーンシートの端部(シート耳)等が対象となる。
【0035】
泥しょうの残材やグリーン体の残材の再利用の割合は、任意の割合で良く、一般には、泥しょう及びグリーン体の残材の利用率は、合計で、グリーン体中、5〜100重量%の割合となる量で再利用される。
【0036】
こうして得られた窒化アルミニウムグリ−ン体は、公知の方法によって脱脂、焼成される。脱脂は、一般に、空気や窒素雰囲気中で行われ、脱脂温度は、結合剤の種類や雰囲気の違いによって、300〜1000℃の範囲から任意に選択される。脱脂後の窒化アルミニウム成形体は、一般に、非酸化雰囲気中、1700〜1950℃の範囲より選ばれた任意の温度で焼成される。
【0037】
【発明の効果】
本発明の窒化アルミニウムグリ−ン体の製造方法は、グリーン体の製造において発生する泥しょうの残材或いはグリーン体の残材を得られるグリーン体の特性を低下させずに再利用する方法であり、かかる方法により得られたグリーン体を焼成して得られる窒化アルミニウム焼結体は、焼結体中にマイクロポアの無い、優れた特性を有するものである。従って、泥しょうの残材の再利用によるグリ−ン体原料の原単位の低減のために、熱的、電気的及び機械的にも信頼性の高い基板等を安価に得ることが可能となる。
【0038】
また、得られたグリーン体は、高信頼性が要求されるタングステン等の高融点金属との同時焼成基板、金属接合基板、ファインパターン等のメタライズ面を有する基板及びそれらの積層基板等の原料として好適に使用される。
【0039】
【実施例】
本発明をさらに具体的に説明するために、以下に実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例における各種の物性の測定は次の方法により行った。
【0040】
1) 比表面積
島津製作所製「フロ−ソ−ブ2300」を用いて、N2吸着によるBET法 で求めた。
【0041】
2) 平均凝集粒径
堀場製作所製「CAPA 500」を用いて、遠心沈降法により求めた。
【0042】
3) 不純物量
陽イオン不純物は、窒化アルミニウム粉末をアルカリ溶融後、酸で中和し、 島津製作所製「ICPS−1000」を使用して溶液のICP発光分光分析 により定量した。
【0043】
不純物カ−ボン量は、窒化アルミニウム粉末を酸素気流中で燃焼させ、堀場製作所製「EMIA−110」を使用して、発生したCO、CO2ガス量か ら定量した。
【0044】
不純物酸素量は、窒化アルミニウム粉末を堀場製作所製「EMGA−2800」を使用して、グラファイトるつぼ中での高温の熱分解法により発生したCOガス量から求めた。
【0045】
5) シート密度(d)
所定の形状に打ち抜いたシート成形体の寸法と重量を測定して求めた。
【0046】
6) 焼結体密度
東洋精機製「高精度比重計D−H」を使用して、アルキメデス法により求めた。
【0047】
7) 焼結体マイクロポア
実体顕微鏡を使用して、40倍の倍率で写真測定した。1平方cm当たりの20μm以上のマイクロポアを計数し、マイクロポア密度として求めた。
3サンプルの平均値を測定値とした。
【0048】
実施例1
内容積10Lのナイロン製ポットに鉄心入りナイロンボ−ルを入れ、次いで、表1に示す窒化アルミニウム粉末100重量部、酸化イットリウム5.0重量部、表面活性剤としてテトラグリセリンモノオレ−ト0.5重量部、溶剤としてトルエン40重量部を添加して、第一混合工程として、ボ−ルミル混合を12時間行なった後、この混合物に、第二混合工程として、バインダーとしてポリn−ブチルメタクリレート10重量部、可塑剤としてジブチルフタレート2.5重量部を加えて、ボ−ルミル混合を12時間行ない、白色の泥しょうを得た。
【0049】
【表1】
Figure 0003707866
【0050】
こうして得られた泥しょうを脱泡槽で脱溶剤し、粘度を10000〜20000cpsに調整した後、ドクタ−ブレ−ド法によりシ−ト成形を行い、室温で1時間、60℃で2時間、100℃で1時間乾燥して、幅20cm、厚さ0.6〜0.7mmのグリ−ンシ−トを作製した。
【0051】
上記と同様にして、表1に示す窒化アルミニウム粉末100重量部、酸化イットリウム5.0重量部、表面活性剤としてテトラグリセリンモノオレ−ト0.5重量部、溶剤としてトルエン40重量部を添加して、第一混合工程として、ボ−ルミル混合を12時間行なった後、この混合物に、第二混合工程として、バインダーとして、ポリn−ブチルメタクリレート10重量部、可塑剤としてジブチルフタレート2.5重量部を加えて3時間混合し泥しょうを得た。更に、第三混合工程として、前の回分操作で発生した泥しょうの残材を窒化アルミニウムに換算して20重量部加えて、更に、ボールミルで12時間混合した後、白色の泥しょうを得た。この泥しょうを用いて、上記と同様にして、グリーンシートを作製した。得られたグリーンシートのシート密度を測定し、結果を表2に示した。
【0052】
その後、グリ−ンシ−トを34mm角の金型で所定の形状に打ち抜いた後、空気中、600℃で5時間焼成し、次いで、内面に窒化ホウ素を塗布したカ−ボン製るつぼに入れ、窒素雰囲気中、1800℃で5時間焼成した。得られた焼結体の密度とマイクロポア密度を測定し、結果を表2に示した。
【0053】
比較例1
第二混合工程において、ポリn−ブチルメタクリレート10重量部、ジブチルフタレート2.5重量部と同時に、第三混合工程を設けずに、窒化アルミニウムに換算して20重量部の前の回分操作の泥しょうの残材を投入し12時間混合したこと以外は、実施例1と同様にして、窒化アルミニウムグリ−ンシ−トを得、打ち抜き体を得、焼結体を得た。結果を表2に示した。
【0054】
実施例2
実施例1において、第三混合工程の混合時間を3時間にしたこと以外は、実施例1と同様にして泥しょうを得た後、第四混合工程において、グリーンシートの残材を窒化アルミニウムに換算して30重量部、トルエン10重量部、酢酸ブチル5重量部を加えて、ボールミル混合12時間行ない白色の泥しょうを得た。この泥しょうを用いて、実施例1と同様にして窒化アルミニウムグリーンシートを得、打抜き体を得、焼結体を得た。結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
Figure 0003707866

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム粉末と溶剤とを混合して混合物を得る第一混合工程、第一混合工程で得られた混合物とバインダーとを混合して泥しょうを得る第二混合工程、及び第二混合工程で得られる泥しょうをグリーン体に成形する成形工程よりなるグリーン体の製造工程を回分操作により繰り返し行うに際し、2回目以降のグリーン体の製造工程において、第二混合工程と成形工程との間に第三混合工程を設け、前のグリーン体の製造工程で発生する泥しょうの残材を第二混合工程で得られた粘度が定常化した泥しょうに混合することを特徴とするグリーン体の製造方法。
  2. 第三混合工程と成形工程との間に第四混合工程を設け、前のグリーン体の製造工程における成形工程より発生するグリーン体の残材を第三混合工程より得られる泥しょうと混合することを特徴とする請求項1記載のグリーン体の製造方法。
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