JPH11240763A - SiC焼結体 - Google Patents

SiC焼結体

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JPH11240763A
JPH11240763A JP10047114A JP4711498A JPH11240763A JP H11240763 A JPH11240763 A JP H11240763A JP 10047114 A JP10047114 A JP 10047114A JP 4711498 A JP4711498 A JP 4711498A JP H11240763 A JPH11240763 A JP H11240763A
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sintering
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康博 愛場
Kiyoshi Kawai
潔 川合
Akihito Iwai
明仁 岩井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ雰囲気で使用しても放電異物などの
発生や消耗が少なく、半導体製造装置、液晶デバイス製
造装置等の半導体・液晶分野に好適で耐プラズマ性に優
れるSiC焼結体を提供する。 【解決手段】 第2相として炭素を実質的に含まないS
iC焼結体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体製造装置、液
晶デバイス製造装置等の半導体・液晶分野に用いられる
SiC焼結体に関する。特にプラズマ雰囲気で使用され
る耐プラズマ性に優れるSiC焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】SiCは難焼結性であるため、高密度に
焼結するためには通常SiCに焼結助剤として炭素及び
硼素化合物を添加し、さらにバインダーや離型剤を加え
て混合、成形、焼成する方法が特開昭52−14871
2号公報、特開昭54−118411号公報等により知
られている。このような方法で得られるSiC焼結体を
エッチング装置などのプラズマ雰囲気で使用すると放電
異物と称するダストが発生しウエハを汚染する問題があ
り、また消耗も大きい問題がある。また上記の他にSi
Cに焼結助剤として硼素化合物のみを添加して、バイン
ダーや離型剤を加えて混合、成形、ホットプレスする方
法が特開昭49−99308号公報、特開昭50−34
608号公報等により知られているが、しかしながらこ
のような方法において耐プラズマ性に優れるかどうかは
知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】請求項1及び2記載の
発明は、プラズマ雰囲気で使用しても放電異物などの発
生や消耗が少なく、半導体製造装置、液晶デバイス製造
装置等の半導体・液晶分野に好適で耐プラズマ性に優れ
るSiC焼結体を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、第2相として
炭素を実質的に含まないSiC焼結体に関する。また、
本発明は、SiC焼結体が、常圧で焼結させたものであ
るSiC焼結体に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明になるSiC焼結体は、S
iC焼結体製造時に焼結助剤として炭素源を加えないで
製造される。通常SiC焼結体製造時に焼結助剤として
加える炭素源とはフェノール樹脂のように焼成時に炭素
となる各種樹脂、カーボンブラック等の微粒炭素のこと
である。このような炭素は焼結体中に0.5〜2μm程
度のほぼ球形の粒子として存在し、プラズマに侵されて
脱落したり、そこから侵食が始まりSiC粒子の脱落に
発展するものである。これらの炭素粒子はSiC焼結体
の第1相結晶の粒界に部分的に第2相を形成し、SiC
焼結体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて1000〜3
000倍で観察すると見られるものである。なお炭素源
は焼結後に炭素として全体に対して0.5重量%以下に
なるような量で使用される。炭素分がこのような量のと
き、ほとんど第2相として存在しないため、実質的には
含まない範囲である。
【0006】SiC焼結体製造時に使用されるバインダ
ーは、SiC原料粉を混合したときに賦形能力のあるも
のであり、焼結によって炭素が残らないものが好まし
い。SiC焼結体の製造に用いるSiC原料粉の中にも
SiC中に含まれる化合物炭素の他に化合されずに0.
2〜1.5重量%程度遊離している炭素(以下遊離炭素
とする)が含まれているが、この遊離炭素は組織的には
第2相として判別できないもので耐プラズマ性には影響
しないものである。すなわち第2相の炭素を実質的には
含まない範囲である。
【0007】本発明になるSiC焼結体は、嵩密度が
3.10g/cm3以上が好ましく、3.12g/cm3以上がよ
り好ましく、3.15g/cm3以上がさらに好ましい。
3.10g/cm3未満であると気孔が多くなり、耐プラズ
マ性が低下する傾向がある。耐プラズマ性の良いSiC
焼結体を得るためのSiC原料粉はα型、β型のいずれ
でも良いが、価格が安くまた焼成時の結晶構造変化が少
ないα型のSiC原料粉を用いることが好ましい。また
純度は半導体製造装置に用いるため高純度の原料粉が好
ましい。SiC原料粉の粒径は平均で0.5〜3.0μ
mが取扱い性と焼結性の点で好ましく、0.6〜2.0
μmであることがより好ましい。
【0008】本発明になるSiC焼結体は、例えばSi
C原料粉と炭化硼素、硼素化合物等の焼結助剤にバイン
ダー、離型剤、分散剤、可塑剤、溶剤等を加えて混合
し、それを造粒して成形し、その後嵩密度が3.10g/
cm3以上になる温度で焼成することにより得られる。成
形体の形状によっては、ホットプレス又はホットアイソ
スタティックプレス(HIP)を用いて加圧下で焼成を
行ってもよい。焼結助剤として用いる炭化硼素又は硼素
化合物に含まれる硼素の量としては、SiC焼結体中に
0.05〜3重量%含有することが好ましく、0.1〜
1重量%含有することがより好ましい。
【0009】上記バインダーとしては、ポリビニルアル
コール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルブチ
ラール等が用いられ、その添加量はSiC原料粉100
重量部に対して固形分で0.5〜3重量部添加すること
が好ましく、1〜2重量部添加することがより好まし
い。また離型材としては、ステアリン酸、ワックス等が
用いられ、その添加量はSiC原料粉100重量部に対
して固形分で0.5〜3重量部添加することが好まし
く、1〜2重量部添加することがより好ましい。分散剤
としては界面活性剤が用いられ、その添加量はSiC原
料粉100重量部に対して固形分で0.3〜1重量部添
加することが好ましく、0.4〜0.6重量部添加する
ことがより好ましい。可塑剤としては、ポリエチレング
リコール、ジオクチルフタレート等が用いられ、その添
加量はSiC原料粉100重量部に対して固形分で0.
5〜3重量部添加することが好ましく、1〜2重量部添
加することがより好ましい。溶剤は水が好ましいが特に
制限はない。
【0010】成形までの工程には特に制限は無いが、S
iC原料、焼結助剤及びその他の添加物を混合後スラリ
ーを作製し、スプレードライヤーで造粒後成形する方
法、シートマシーンでシートを成型する方法、鋳込み成
型法などが適している。
【0011】焼成は、常圧で非酸化性雰囲気中で焼成す
ることが好ましく、特にアルゴンガス雰囲気中で焼成す
ることが好ましい。ホットプレスあるいはホットアイソ
スタティックプレス(HIP)を用いて加圧下で行うこ
とも嵩密度を高くするためには好ましい。ホットプレス
では真空又は非酸化雰囲気中で焼成することが好まし
く、特に真空中で焼成することが好ましい。成形圧力は
9.8〜49MPa(100〜500kg/cm2)が好まし
い。HIPでは常圧で焼結後、アルゴン雰囲気中で加圧
するのが好ましい。ガス圧力は49〜196MPa(50
0〜2000kg/cm2)が好ましい。最適な焼成温度は、
SiC原料粉、焼結助剤の種類や配合割合、焼成時の圧
力などにより適宜選定されるが、1900〜2300
℃、好ましくは2000〜2200℃の温度で焼成すれ
ば、ほぼ本発明の目的を達成することができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。 実施例1、2、比較例1、2 表1に示すSiC原料粉A100重量部に対して焼結助
剤としてフェノール樹脂[昭和高分子(株)製、商品名B
RL−219(不揮発分70重量%)]を固形分でそれ
ぞれ0重量部、1.0重量部、2.0重量部及び4.0
重量部〔いずれも焼成後1/2の量が炭素(C)とな
る〕及び平均粒径が1.5μmの炭化硼素を0.5重量
部配合し、さらにポリビニルアルコール[クラレ(株)
製、商品名クラレポバール205の水溶液(不揮発分1
0重量%)]を固形分で2重量部、ステアリン酸[中京
油脂(株)製、商品名セロゾール920(不揮発分18重
量%)]を固形分で1重量部及び純水を100重量部加
えて合成樹脂製ボールミルで混合した後、スプレードラ
イヤーで造粒し、成形粉を得た。
【0013】この後、成形粉を金型内に充填し、98MP
aの圧力を加えて外径が100mm及び厚さが5mmの円盤
を成形した。この成形体を150℃で3時間乾燥後、中
央部の64mmの範囲に直径が1.0mmの貫通孔を3.8
mm間隔で格子状に216個設け、アルゴンガスを1リッ
トル/分の条件で流しながら、焼成温度2200℃で1
時間保持してSiC焼結体を得た。得られたそれぞれの
SiC焼結体の特性を表2に示す。また得られたSiC
焼結体の破面を走査型電子顕微鏡を用いて3000倍で
観察したところ、比較例1及び2のSiC焼結体のみ第
2相の炭素は確認されたがそれ以外の実施例1及び2の
SiC焼結体には第2相の炭素は確認されなかった。
【0014】実施例3 実施例1で用いたSiC原料粉A100重量部に平均粒
径が1.5μmの炭化硼素を0.3重量部配合し、以下
実施例1と同様の工程を経てSiC焼結体を得た。得ら
れたSiC焼結体の特性を表2に示す。また上記と同様
の方法でSiC焼結体の破面を観察したが、第2相の炭
素は確認されなかった。
【0015】実施例4 SiC原料粉B100重量部に平均粒径が1.5μmの
炭化硼素を0.3重量部配合し、以下実施例1と同様の
工程を経てSiC焼結体を得た。得られたSiC焼結体
の特性を表2に示す。また上記と同様の方法でSiC焼
結体の破面を観察したが、第2相の炭素は確認されなか
った。
【0016】実施例5 SiC原料粉C100重量部に平均粒径が1.5μmの
炭化硼素を0.1重量部配合し、実施例1と同様のバイ
ンダー等を加えて造粒し、成形粉を得た。この成形粉を
金型内に充填し、98MPaの圧力を加えて外径が80mm
及び厚さが5mmの円盤を成形した。この成形体を黒鉛型
に入れて真空中で、2050℃でかつ19MPaの圧力で
1.5時間保持してSiC焼結体を得た。得られたSi
C焼結体の特性を表2に示す。また上記と同様の方法で
SiC焼結体の破面を観察したが、第2相の炭素は確認
されなかった。この後、SiC焼結体の中央部の51mm
の範囲に超音波加工で直径が0.8mmの貫通孔を3mm間
隔で格子状に216個設けた。
【0017】次に各実施例及び各比較例で得られた中央
部に貫通孔を設けたSiC焼結体を厚さ3mmに研磨後、
鏡面に磨き、平行平板型のプラズマエッチング試験装置
の電極に用い、評価試験を行った。試験条件は高周波出
力80W、電極とSiウエハの距離10mm、アルゴンガ
ス流量80ml/min、4フッ化炭素流量7ml/min及び試験
装置内圧力230Paで5時間試験を行った。このときの
放電異物の発生量と電極の消耗量を表3に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】表3に示されるように、第2相として炭素
を実質的に含まず、嵩密度が3.10g/cm3以上の本発
明になる実施例のSiC焼結体は、放電異物発生数が少
なく、耐プラズマ性が良好であることが明らかである。
これに対し、第2相として炭素を実質的に含む比較例の
SiC焼結体は、放電異物発生数が実施例のSiC焼結
体に比較して多く、耐プラズマ性が悪いことが明らかで
ある。
【0022】
【発明の効果】請求項1及び2記載のSiC焼結体は、
プラズマ雰囲気で使用しても放電異物発生数が少なく、
半導体製造装置、液晶デバイス製造装置等の半導体・液
晶分野に好適で耐プラズマ性に優れるSiC焼結体であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第2相として炭素を実質的に含まないS
    iC焼結体。
  2. 【請求項2】 SiC焼結体が、常圧で焼結させたもの
    である請求項1記載のSiC焼結体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002037668A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Hitachi Chem Co Ltd 炭化珪素焼結体及びその製造法

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