JP2004292178A - 窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造容易性を著しく高めることができる窒化アルミニウム(AlN)顆粒の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】AlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリー16を調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリー16を噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記導入されたスラリー16を水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行う。スラリー調製工程及びスラリー導入工程は0〜20℃、造粒工程は100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うのが好ましい。AlN顆粒の製造装置11は、乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、スラリー16を噴霧乾燥機13内に導入するスラリー導入手段17と、スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段18とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】AlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリー16を調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリー16を噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記導入されたスラリー16を水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行う。スラリー調製工程及びスラリー導入工程は0〜20℃、造粒工程は100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うのが好ましい。AlN顆粒の製造装置11は、乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、スラリー16を噴霧乾燥機13内に導入するスラリー導入手段17と、スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段18とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デバイスの放熱部材や半導体製造用部材等のエレクトロニクス材料等に好適に利用される高熱伝導率、高絶縁性を有する窒化アルミニウム焼結体を製造するための窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。より詳しくは、窒化アルミニウム粉末を主原料としてスラリーを調製し、そのスラリーを噴霧乾燥させて窒化アルミニウム顆粒を造粒する窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。さらに詳しくは、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより、有機溶剤を用いた場合よりも全工程での取り扱い性(製造容易性)を顕著に高めることができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の窒化アルミニウム顆粒の製造方法としては、特許文献1に開示されている粉末プレス用窒化アルミニウム粒体の造粒方法が知られている。この造粒方法は、窒化アルミニウム粉末:100重量部に対して、樹脂:3〜5重量部、離型剤:0.5〜2.5重量部、可塑剤:0.6〜0.9重量部、及び溶剤を添加して得たスラリーを造粒し、該造粒物を75〜100℃の温度で乾燥するものである。さらに、この造粒方法では、窒化アルミニウムが水と反応して分解する性質があるために、前記溶剤としてトルエン、キシレン等の有機溶剤が用いられている。また、この造粒方法では、溶剤を蒸発させるための乾燥温度を75〜100℃とすることにより、その成形性の低下を防止することができるようになっている。そして、この造粒方法によれば、窒化アルミニウムを、セラミック成形体の素材として用いる際に、その成形性を良好にすることができるという効果を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−291741号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の粉末プレス用窒化アルミニウム粒体の造粒方法では、溶剤として多量の有機溶剤が用いられていたことから、製造現場において、防臭マスクの着用、防爆装置の設置、蒸発した溶剤の回収、火気厳禁等の著しく多くの有機溶剤対策がなされなければならなかった。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造方法を提供することにある。その他の目的とするところは、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、分散媒としての水に窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行うことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を0〜20℃で行うとともに、前記造粒工程を100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記スラリー中に有機添加剤を含有させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置は、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバを備えた噴霧乾燥機と、窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入手段と、該スラリー導入手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置は、請求項4に記載の発明において、前記窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するためのスラリー調製手段と、該スラリー調製手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー調製部冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。なお、以下の記載において、窒化アルミニウムをAlNと記載する。
【0012】
実施形態のAlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを所定温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行うものである。この製造方法は、AlN粉末を出発原料に用いてAlN顆粒を製造するものである。このAlN顆粒は、主として、プレス成形(乾式プレス成形)やCIP(静水圧プレス)成形等により所定形状に成形した後、1700〜1950℃程度の高温で焼成することにより、高熱伝導率、高絶縁性を有するAlN焼結体を得るために用いられる。
【0013】
スラリー調製工程は、分散媒(溶媒)としての水にAlN粉末を分散させてスラリーを調製する工程であり、必要に応じて種々の添加剤を添加してスラリーを調製してもよい。AlN粉末としては一般的な焼結用の粉末が用いられ、その平均粒子径としては、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは1〜2μmであるとよい。前記添加剤としては、水に溶解又は分散する有機添加剤が挙げられる。有機添加剤は、前記焼成により消失しAlN焼結体中には残存しない有機物からなる添加剤である。また、このスラリーには焼結性の向上のため、必要に応じて添加剤としての焼結助剤を添加することができる。
【0014】
焼結助剤としては、水に対して安定な粉末の使用が不可欠であることから、酸化カルシウムや酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物を使用することはできない。そのため、本実施形態で使用される焼結助剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化イットリウム、酸化ランタン等の希土類酸化物等が挙げられる。これら焼結助剤の平均粒子径は小さいほど良いが、分散性を考慮すると好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μmであるとよい。焼結助剤の平均粒子径が0.02μm未満では水に分散しにくく、逆に2μmを越える場合には焼結助剤が部分的に偏ってしまいやすく、どちらも均一な焼結体が得られにくくなる。
【0015】
有機添加剤としては、分散剤、バインダー、可塑剤、離型剤等が挙げられる。その他、ぬれ剤、保水剤、帯電防止剤、消泡剤、イオン封鎖剤、殺菌剤等を適宜使用してもよい。これらの有機添加剤は、一般にセラミックスの顆粒製造に使用されるもので、その種類及び添加量はいずれも制限されるものではない。
【0016】
分散剤は、スラリーの分散性を高めるために添加され、例えば、ケイ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の無機塩類、ステアリン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の有機酸類、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモオノレート等の有機高分子類、しゅう酸、酢酸等の酸類、アンモニア水等のアルカリ類等が挙げられる。こうした分散剤は、1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、0.001〜3重量%、好ましくは0.001〜1重量%配合させることが好適である。
【0017】
バインダーは、AlN顆粒を構成しその成形性を高めるために添加され、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系バインダー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩、アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、ワックス系エマルジョン、でんぷん、デキストリン、リグニン、アラビアゴム、トラガントゴム等が挙げられるが、分散媒としての水に親和性が高いことからセルロース系バインダー又は水中油型(oil in water)の前記エマルジョンが好適に用いられる。こうしたバインダーは、1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%配合させることが好適である。
【0018】
可塑剤は、プレス成形やCIP成形時の可塑性を高めるために添加され、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジブチルフタル酸等が挙げられる。離型剤(潤滑剤)は、プレス成形やCIP成形時の離型性を高めるために添加され、例えば、ポリオキシエチレンアルキレートエーテル、ソルビタン酸塩、ステアリン酸塩、ワックス等が挙げられる。これら可塑剤、離型剤、ぬれ剤、保水剤、帯電防止剤、消泡剤、イオン封鎖剤、殺菌剤等の各有機添加剤は、必要に応じて1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%配合させることが好適である。
【0019】
このスラリー調製工程では、ボールミルやアトライター等のスラリー調製手段が用いられ、特にボールミルが一般的である。これらのスラリー調製手段において、ボールの外表面、ボールミルの内張及びアトライターの内張は、樹脂製であるのが好ましい。このとき、スラリー調製工程において無機系異物の混入を防止してAlN焼結体の焼結後に残存する不純物の混入を容易に防止することができる。またこのとき、温度上昇が抑制されることから、AlN粉末と水との反応を防止するのが容易となる。
【0020】
このスラリー調製工程で調製されるスラリー濃度は、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは30〜50重量%であるとよい。このスラリー濃度が25重量%未満の場合、噴霧乾燥時に蒸発させるべき水分が多くなることから、乾燥時間が長くなって乾燥中にAlN粉末が酸化されやすくなる。逆にスラリー濃度が70重量%を越える場合には、スラリーの粘性が高くなり噴霧乾燥機の噴霧装置(スプレーノズル又はアトマイザー)から良好な噴霧を行うことができなくなる。またこのとき、良好な乾燥を行うことも困難になる。
【0021】
このスラリー調製工程におけるスラリー混合時間(分散媒としての水にAlN粉末を加えた後からのスラリー混合時間)は、好ましくは2〜48時間、より好ましくは2〜24時間、さらに好ましくは3〜12時間である。このスラリー混合時間が2時間未満の場合には、均一な分散スラリーを調製するのが困難である。逆に48時間より長くなると、混合によってAlN粉末表面の活性度が高くなり水との分解反応が発生し、AlN粉末が酸化してしまうおそれが高まる。
【0022】
また、このスラリー調製工程では、分散媒としての水とAlN粉末との反応を効果的に抑えるために、0℃から常温(例えば20℃)以下の温度でスラリー調製が行われるとよい。さらに、このスラリー調製工程では、水とAlN粉末との反応をより一層効果的に抑えるために、冷却手段(スラリー調製部冷却手段)により、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃に冷却しながらスラリー調製が行われるのが好ましい。このスラリー調製工程を0℃未満で行う場合、分散媒としての水が凍結してスラリー調製ができなくなる。逆に常温を越える温度では、AlN粉末と水との反応が著しく起こりやすくなる。またこのとき、AlN粉末の酸素量が増大し、成形・焼成しても良好な特性を有するAlN焼結体を得ることが困難になる。特に、20℃より高いの温度で水と混合すると、アンモニアガスが大量に発生して悪臭の原因となることから好ましくない。
【0023】
このスラリー調製工程では、前記有機添加剤がスラリー中に添加されている場合には、該添加剤がAlN粉末の表面を被覆することによる被膜効果により、AlN粉末と水との反応が抑制されやすくなる。このため、有機添加剤が添加されている場合には、好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃でスラリー調製が行われるとよい。一方、有機添加剤が添加されていない場合には、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃でスラリー調製が行われるとよい。
【0024】
スラリー導入工程は、前記スラリー調製工程で調製されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入する工程である。このスラリー導入工程では、水とAlN粉末との反応を効果的に抑えるために、0℃から常温(20℃)以下の温度でスラリーの導入が行われるとよい。さらに、このスラリー導入工程では、水とAlN粉末との反応をより一層効果的に抑えるために、冷却手段(スラリー導入部冷却手段)により、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃に冷却しながらスラリーの導入が行われるのが好ましい。このスラリー導入工程を0℃未満で行う場合、分散媒としての水が凍結するおそれがあり、逆に常温を越える温度ではAlN粉末と水との反応が起こりやすくなる。なお、このスラリー導入工程では、前記スラリー調製工程の場合と同様に、有機添加剤がスラリー中に添加されている場合には0〜20℃でスラリーの導入が行われてもよく、有機添加剤が添加されていない場合には0〜15℃でスラリーの導入が行われるとよい。
【0025】
造粒工程は、前記スラリー導入工程を行った結果、噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを所定の乾燥温度で噴霧乾燥させることによりAlN顆粒を造粒する工程である。即ち、この造粒工程は、噴霧乾燥機の噴霧装置にて前記スラリーを無数の微少な液滴(霧滴)として噴霧した後、それら液滴を同乾燥機内で浮遊させながら乾燥させる工程であり、スプレードライヤー法を用いた造粒方法が行われる。
【0026】
前記所定の乾燥温度としては、水の沸点を超える温度である必要があり、好ましくは100℃を越えかつ270℃以下の温度、より好ましくは150〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。この乾燥温度が水の沸点以下の温度では、噴霧乾燥機内に噴霧された液滴から速やかに水分を蒸発させて乾燥させることができないうえ、AlN粉末と水との分解反応が著しく進行しやすくなる。逆に270℃を越える場合には、有機添加剤が分解して消失するおそれがある。なお、前記水の沸点を超える温度は、噴霧乾燥機内の気圧により適宜変化する。また、前記噴霧乾燥機内の気体としては、窒素や不活性ガス等の特別な気体を用いる必要性が低いことから、空気を用いれば十分である。また、前記噴霧乾燥機内は特に加圧又は減圧する必要性が低いことから、常圧にて噴霧乾燥を行えば十分である。
【0027】
この造粒工程では、スラリー導入工程まではスラリー状であったものを噴霧乾燥機内で一気に霧状に噴霧して液滴にすることにより、その比表面積を急激に増大させる。さらに、スラリー導入工程までは常温以下の温度であったものを噴霧乾燥機内で水の沸点を超える温度に晒すことにより急激に加熱して一気に乾燥させる。この急激な乾燥は、前記比表面積の増大とともに、水とAlN粉末との反応が起こる時間的余裕を奪って、高品質なAlN顆粒を製造するために大きな役割を果たす。
【0028】
図1に模式的に示すように、実施形態のAlN顆粒の製造装置11は、所定の乾燥温度に加熱された乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリー16を乾燥チャンバ12内に導入するスラリー導入手段17とを備えている。さらに、この装置11には、図1に点線で示される冷却手段を構成するスラリー導入部冷却手段18が設けられており、前記スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するようになっている。
【0029】
スラリー導入手段17は、上記スラリー導入工程を行うための手段(装置)である。このスラリー導入手段17は、スラリー調製手段で調製されたスラリー16を収容するための収容部21と、該収容部21と乾燥チャンバ12との間を繋ぐ導入管22と、その導入管22の途中に設けられたポンプ23とを備えている。さらに、前記収容部21内には、スラリー16中に分散されているAlN粉末の沈殿やスラリー16の温度上昇を抑えるための攪拌子又は羽根からなる攪拌装置24が設けられており、該攪拌装置24によりスラリー16が継続的に攪拌されるようになっている。また、前記導入管22の内壁面(内張)及び攪拌装置24の表面は、上記スラリー調製手段の場合と全く同様の理由で、樹脂製であるのが好ましい。また、前記導入管22は、温度管理上できる限り短い方がよいが、それを制限するものではない。
【0030】
スラリー導入部冷却手段18は、スラリー導入手段17の内部又はスラリー導入手段17全体を冷却することにより、該スラリー導入手段17内のスラリー16を好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0〜5℃に冷却する。
【0031】
噴霧乾燥機13(スプレードライヤー)は、上記造粒工程を行うための手段(装置)である。この噴霧乾燥機13は、乾燥チャンバ12と、前記スラリー導入手段17により導入されたスラリー16を乾燥チャンバ12内に霧状に噴霧するための噴霧装置31と、乾燥チャンバ12内に加熱した気体(空気)を送り込むためのヒータ32と、サイクロン33とを備えている。なお、この噴霧乾燥機13には、防爆装置及び有機溶剤の回収装置は設けられていない。
【0032】
噴霧装置31としては、スプレーノズル又はアトマイザーが用いられる。この噴霧装置31は、スラリー導入手段17から導入されるスラリー16を乾燥チャンバ12内に噴霧して液滴36にする。乾燥チャンバ12は、中空状(略ロート状)に形成されており、噴霧装置31から噴霧された液滴36を、前記ヒータ32より送り込まれる気体の気流に乗せてゆっくりと旋回させながら乾燥させ、AlN顆粒にする。この乾燥チャンバ12の下端部には、同チャンバ12内で水分を奪われて乾燥したAlN顆粒を集めるための容器37が設けられている。サイクロン33は、前記乾燥チャンバ12と同様な構成となっており、乾燥チャンバ12内から流出する気体を流入させて質量の小さいAlN顆粒を集める。また、このサイクロン33から流出する気体は、極めて質量の小さいAlN顆粒を集塵機38にて濾し取らせながら噴霧乾燥機13の外部へと排出される。
【0033】
前記ヒータ32により乾燥チャンバ12内に送り込まれる気体の温度は、水の沸点を超える温度である必要があるが、好ましくは150〜300℃、より好ましくは200〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。このとき、乾燥チャンバ12内の温度が100℃を越えかつ270℃以下の温度となりやすい。さらに、乾燥チャンバ12とサイクロン33との間に設けられた温度計39の温度が好ましくは100〜270℃、より好ましくは100℃を越えかつ200℃以下、さらに好ましくは150〜200℃であるとよい。
【0034】
次に、上記AlN顆粒の製造装置11を用いてAlN顆粒を製造する場合について説明する。
上記AlN顆粒を製造する際には、まず、ボールミルやアトライター等のスラリー調製手段に、AlN粉末及び0〜20℃の水を入れて十分に混合させ、AlN粉末が均一に分散されたスラリー16を調製する。なおこのとき、必要に応じて、前記スラリー調製手段に添加剤を入れて混合させる。次に、前記スラリー16を、予めスラリー導入部冷却手段18により所定の冷却温度に冷却した収容部21内に収容する。続いて、攪拌装置24を継続的に駆動させながら、ポンプ23にて前記スラリー16を導入管22から噴霧装置31へと押し出す。この押し出されたスラリー16は、前記噴霧装置31により乾燥チャンバ12内に噴霧されて液滴36になる。
【0035】
このとき、前記液滴36は、ヒータ32から送り込まれる熱風(水の沸点を超える温度に加熱された気体)に晒されることにより、その表面側から急激に水分が奪い取られて乾燥される。続いて、これら液滴36は、前記熱風の気流に乗って乾燥チャンバ12内を浮遊しながらより一層乾燥され、顆粒状態に造粒されてAlN顆粒となる。そして、ある程度の大きさの粒子径に造粒されたAlN顆粒は、容器37から取り出されて製品となるが、造粒が不十分で小さな粒子径のAlN顆粒は前記熱風とともにサイクロン33、さらには集塵機38へと移動する。
【0036】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のAlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程と、前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程とを行うものである。このAlN顆粒の製造方法では、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより、前記従来の有機溶剤を用いた造粒方法と比べて製造容易性が著しく高められている。即ち、このAlN顆粒の製造方法では、有機溶剤を使用していないため、製造現場において防臭マスクの着用、防爆装置の設置、蒸発した溶剤の回収、火気厳禁等の著しく多くの有機溶剤対策を行う必要が全くない。また、前記従来の有機溶剤を用いた造粒方法では、沸点の高い有機溶剤を用いた場合、噴霧・乾燥のみでは完全に有機溶剤を除去できないケースがあり、プレス成形やCIP成形時に離型性が悪い等の欠点があったが、本実施形態のAlN顆粒の製造方法ではそのような欠点はない。また、本実施形態のAlN顆粒の製造方法では、噴霧乾燥時に窒素雰囲気等の特殊な気体を用いる必要がないうえ、加圧又は減圧条件下で噴霧乾燥する必要もないことから、極めて製造容易性に優れている。
【0037】
一方、AlN粉末は、一般に水や水蒸気との反応性が高く、酸化アルミニウム及びアンモニアガスに容易に分解する性質を有していることから、前記従来の造粒方法や一般的なAlN顆粒の製法においても、AlN粉末のスラリーを調製する際には取り扱い性が悪いにも関わらず敢えて有機溶剤が利用されてきた。これに対し、本実施形態のAlN顆粒の製造方法では、スラリー調製工程における分散媒として20℃以下の液体の水を用い、スラリー導入工程におけるスラリー温度を0〜20℃に保持するとともに、造粒工程で液滴36が20℃より高い温度にある時間を著しく短縮することに工夫が凝らされている。
【0038】
・ 実施形態のAlN顆粒の製造装置11は、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、スラリー16を噴霧乾燥機13内に導入するスラリー導入手段17と、スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段18とを備えている。このため、この製造装置11は、スラリー導入部冷却手段18により、スラリー導入工程中のスラリー16を冷却して水とAlN粉末との反応を効果的に抑えることができることから、高品質のAlN顆粒を極めて容易に製造することが可能である。特に、この製造装置11では、有機溶剤を用いた公知のAlN顆粒の製造装置に設けられている防爆装置や有機溶剤の回収装置のような大掛かりな装置が全く必要ないうえ、防臭マスクの着用や火気厳禁等の有機溶剤対策を行う必要もないことから、製造にかかる手間及びコストを容易に低減させることが可能である。
【0039】
【実施例】
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1〜6)
AlN粉末にはA粉末(平均粒子径1.6μm)とB粉末(平均粒子径1.2μm)の2種類を、焼結助剤には酸化イットリウムC粉末(平均粒子径0.05μm)と酸化イットリウムD粉末(平均粒子径0.3μm)の2種類を使用した。表1に実験に使用したAlN粉末、酸化イットリウム粉末及び各有機添加剤の配合割合(重量比)を示す。これらの粉末や添加剤をポリエチレン製容器に取り、鉄心入りナイロンボールを加えて温度5℃の環境下でボールミル混合を行った。その時のボールミル混合時間(h)及び調製されたスラリーの5℃における粘度(mPa・s)及びpHを表1に記載する。これらのスラリーを用い、噴霧乾燥機の乾燥チャンバの入口までを約5℃に保ちながら噴霧乾燥を行った。用いた噴霧乾燥機はスプレードライFL−12型(大川原化工機製)でアトマイザーによる噴霧方式である。噴霧乾燥は熱風入口温度220〜230℃、サイクロン差圧70〜72mmH2O(686〜706Pa)、アトマイザー回転数8000r.p.m.の条件で行った。また、噴霧乾燥中の温度計39の温度は継続的に150℃程度であった。
【0040】
【表1】
作製されたAlN顆粒の粒子径をマイクロスコープで200点観察することにより直径を測定しその平均値(平均粒子径)を求めた。また、各AlN顆粒について、筒井理化学機械(株)製「A・B・C粉末特性測定器」により重装嵩密度を測定した。次に、各AlN顆粒をプレス圧1000kgf/cm2(98MPa)で200×200×50mmの直方体状に乾式プレス成形を行って成形体を得た。この成形体の寸法と重量から嵩密度を求めた。次に、この成形体を580℃大気中にて3時間脱脂することにより脱脂体とした。この脱脂体の酸素濃度を堀場製作所製「EMGA−550」にて高温熱分解法により発生したCOガス量から求めた。次に、各脱脂体を窒素雰囲気中1800℃、8時間焼成することによりAlN焼結体を得た。このAlN焼結体は、アルキメデス法により嵩密度を求め、リガク製熱伝導率測定装置「LF/TCM」にてレーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
【0041】
(比較例1)
AlNのA粉末100重量部と酸化イットリウムのC粉末5.3重量部との配合割合を持ち、有機溶剤(トルエン)で混合、噴霧乾燥された顆粒を比較例1とした。本顆粒を用い、上記実施例1〜6と同じ条件で成形、脱脂及び焼成を行うとともに、顆粒、成形体、脱脂体及び焼結体について上記実施例1〜6と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
表2の結果より、各実施例と比較例とを比べると、AlN顆粒の平均粒子径は各実施例の方が小さくなった。この理由は、各実施例のAlN顆粒は酸化を防止する目的で乾燥時間を早くしたためであると思われる。一方、脱脂体の酸素濃度を比較すると、各実施例、比較例ともにほぼ同程度であり、5℃程度の低温で混合することによりAlN粉末と水との反応が効果的に抑制されたことが確認された。さらに、焼結体の特性を比較すると、実施例1を除き、嵩密度、熱伝導率とも比較例と同程度の焼結体が得られていた。なお、前記実施例1の値が小さくなったのは、焼結助剤としての酸化イットリウムを含んでいないためである。従って、分散媒として水を用いて製造されたAlN顆粒と、有機溶剤(トルエン)を用いて製造された顆粒とは、同程度の特性を有しており、実用に全く問題がないことが確認された。
【0043】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ スラリー導入工程において、スラリー導入部冷却手段18の導入工程全体の冷却を行わず、収容部21及び/又はポンプ23を冷却するように構成してもよい。なおこのとき、導入管22の周囲を断熱材にて覆うのが好ましい。このように構成した場合でも、スラリー16の温度上昇を抑制することができ、スラリー導入工程全体を冷却するよりも安価に製造することができる。
【0044】
・ スラリー導入工程を冷却手段により冷却せずに、スラリー調製工程のみを冷却手段により冷却するように構成してもよい。このように構成した場合でも、スラリー調製工程においてスラリーが十分に冷却されていることから、スラリー導入工程で不測にスラリー温度が上昇することはほとんどない。
【0045】
・ 冷却されたスラリー16を噴霧装置31にて噴霧する際、スラリー16を噴霧する直前、即ちスプレーノズルやアトマイザーの先端部まで冷却するとよい。このように構成することによって、スラリー16の温度上昇がより一層抑制され、AlNの酸化を防止する効果が大きくなる。
【0046】
・ 噴霧装置31によるスラリー16の噴霧方法は、乾燥チャンバ12の上部からの噴霧に限定される必要はなく、側部や下部からの噴霧方法も可能である。
・ AlN顆粒の製造装置11において、収容部21及び攪拌装置24からなる構成を、ボールミル又はアトライター等のスラリー調製手段に変更してもよい。なおこのとき、上記実施形態のスラリー導入部冷却手段18の一部(収容部21の周囲)はスラリー調製部冷却手段となる。このスラリー調製部冷却手段は、スラリー調製手段の内部又はスラリー調製手段全体を冷却するように構成されており、該スラリー調製手段内のスラリー16を好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0〜5℃に冷却する。このように構成した場合、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができるうえ、AlN顆粒を大量生産することが容易となる。
【0047】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を0〜20℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記スラリー調製工程を0〜20℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記造粒工程を100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
【0048】
・ 前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を常温以下の温度に冷却しながら行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記スラリー調製工程を常温以下の温度に冷却しながら行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
【0049】
・ 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法に用いられる窒化アルミニウム顆粒の製造装置であって、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバを備えた噴霧乾燥機と、分散媒としての水に窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入手段と、該スラリー導入手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段とを備えたことを特徴とする窒化アルミニウム顆粒の製造装置。このように構成した場合、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができる。
【0050】
・ 前記スラリー導入手段に攪拌装置を設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
・ 前記冷却温度を0〜20℃とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。前記乾燥チャンバを100℃を越えかつ270℃以下の温度に加熱することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項3に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法によれば、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができる。請求項4及び請求項5に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置によれば、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のAlN顆粒の製造装置の概略を示す模式図。
【符号の説明】
11…窒化アルミニウム顆粒の製造装置、12…乾燥チャンバ、13…噴霧乾燥機、16…スラリー、17…スラリー導入手段、18…スラリー導入部冷却手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、デバイスの放熱部材や半導体製造用部材等のエレクトロニクス材料等に好適に利用される高熱伝導率、高絶縁性を有する窒化アルミニウム焼結体を製造するための窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。より詳しくは、窒化アルミニウム粉末を主原料としてスラリーを調製し、そのスラリーを噴霧乾燥させて窒化アルミニウム顆粒を造粒する窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。さらに詳しくは、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより、有機溶剤を用いた場合よりも全工程での取り扱い性(製造容易性)を顕著に高めることができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の窒化アルミニウム顆粒の製造方法としては、特許文献1に開示されている粉末プレス用窒化アルミニウム粒体の造粒方法が知られている。この造粒方法は、窒化アルミニウム粉末:100重量部に対して、樹脂:3〜5重量部、離型剤:0.5〜2.5重量部、可塑剤:0.6〜0.9重量部、及び溶剤を添加して得たスラリーを造粒し、該造粒物を75〜100℃の温度で乾燥するものである。さらに、この造粒方法では、窒化アルミニウムが水と反応して分解する性質があるために、前記溶剤としてトルエン、キシレン等の有機溶剤が用いられている。また、この造粒方法では、溶剤を蒸発させるための乾燥温度を75〜100℃とすることにより、その成形性の低下を防止することができるようになっている。そして、この造粒方法によれば、窒化アルミニウムを、セラミック成形体の素材として用いる際に、その成形性を良好にすることができるという効果を有している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−291741号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の粉末プレス用窒化アルミニウム粒体の造粒方法では、溶剤として多量の有機溶剤が用いられていたことから、製造現場において、防臭マスクの着用、防爆装置の設置、蒸発した溶剤の回収、火気厳禁等の著しく多くの有機溶剤対策がなされなければならなかった。
【0005】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造方法を提供することにある。その他の目的とするところは、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができるように構成された窒化アルミニウム顆粒の製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、分散媒としての水に窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行うことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、請求項1に記載の発明において、前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を0〜20℃で行うとともに、前記造粒工程を100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うことを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記スラリー中に有機添加剤を含有させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置は、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバを備えた噴霧乾燥機と、窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入手段と、該スラリー導入手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項5に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置は、請求項4に記載の発明において、前記窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するためのスラリー調製手段と、該スラリー調製手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー調製部冷却手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。なお、以下の記載において、窒化アルミニウムをAlNと記載する。
【0012】
実施形態のAlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを所定温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行うものである。この製造方法は、AlN粉末を出発原料に用いてAlN顆粒を製造するものである。このAlN顆粒は、主として、プレス成形(乾式プレス成形)やCIP(静水圧プレス)成形等により所定形状に成形した後、1700〜1950℃程度の高温で焼成することにより、高熱伝導率、高絶縁性を有するAlN焼結体を得るために用いられる。
【0013】
スラリー調製工程は、分散媒(溶媒)としての水にAlN粉末を分散させてスラリーを調製する工程であり、必要に応じて種々の添加剤を添加してスラリーを調製してもよい。AlN粉末としては一般的な焼結用の粉末が用いられ、その平均粒子径としては、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは1〜2μmであるとよい。前記添加剤としては、水に溶解又は分散する有機添加剤が挙げられる。有機添加剤は、前記焼成により消失しAlN焼結体中には残存しない有機物からなる添加剤である。また、このスラリーには焼結性の向上のため、必要に応じて添加剤としての焼結助剤を添加することができる。
【0014】
焼結助剤としては、水に対して安定な粉末の使用が不可欠であることから、酸化カルシウムや酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物を使用することはできない。そのため、本実施形態で使用される焼結助剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化イットリウム、酸化ランタン等の希土類酸化物等が挙げられる。これら焼結助剤の平均粒子径は小さいほど良いが、分散性を考慮すると好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μmであるとよい。焼結助剤の平均粒子径が0.02μm未満では水に分散しにくく、逆に2μmを越える場合には焼結助剤が部分的に偏ってしまいやすく、どちらも均一な焼結体が得られにくくなる。
【0015】
有機添加剤としては、分散剤、バインダー、可塑剤、離型剤等が挙げられる。その他、ぬれ剤、保水剤、帯電防止剤、消泡剤、イオン封鎖剤、殺菌剤等を適宜使用してもよい。これらの有機添加剤は、一般にセラミックスの顆粒製造に使用されるもので、その種類及び添加量はいずれも制限されるものではない。
【0016】
分散剤は、スラリーの分散性を高めるために添加され、例えば、ケイ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等の無機塩類、ステアリン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム等の有機酸類、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモオノレート等の有機高分子類、しゅう酸、酢酸等の酸類、アンモニア水等のアルカリ類等が挙げられる。こうした分散剤は、1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、0.001〜3重量%、好ましくは0.001〜1重量%配合させることが好適である。
【0017】
バインダーは、AlN顆粒を構成しその成形性を高めるために添加され、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系バインダー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、アルギン酸塩、アクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、ワックス系エマルジョン、でんぷん、デキストリン、リグニン、アラビアゴム、トラガントゴム等が挙げられるが、分散媒としての水に親和性が高いことからセルロース系バインダー又は水中油型(oil in water)の前記エマルジョンが好適に用いられる。こうしたバインダーは、1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%配合させることが好適である。
【0018】
可塑剤は、プレス成形やCIP成形時の可塑性を高めるために添加され、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジブチルフタル酸等が挙げられる。離型剤(潤滑剤)は、プレス成形やCIP成形時の離型性を高めるために添加され、例えば、ポリオキシエチレンアルキレートエーテル、ソルビタン酸塩、ステアリン酸塩、ワックス等が挙げられる。これら可塑剤、離型剤、ぬれ剤、保水剤、帯電防止剤、消泡剤、イオン封鎖剤、殺菌剤等の各有機添加剤は、必要に応じて1種類のみ又は複数種類同時に使用することが可能であり、その添加量は使用するAlN粉末に対し、0.1〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%配合させることが好適である。
【0019】
このスラリー調製工程では、ボールミルやアトライター等のスラリー調製手段が用いられ、特にボールミルが一般的である。これらのスラリー調製手段において、ボールの外表面、ボールミルの内張及びアトライターの内張は、樹脂製であるのが好ましい。このとき、スラリー調製工程において無機系異物の混入を防止してAlN焼結体の焼結後に残存する不純物の混入を容易に防止することができる。またこのとき、温度上昇が抑制されることから、AlN粉末と水との反応を防止するのが容易となる。
【0020】
このスラリー調製工程で調製されるスラリー濃度は、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは30〜50重量%であるとよい。このスラリー濃度が25重量%未満の場合、噴霧乾燥時に蒸発させるべき水分が多くなることから、乾燥時間が長くなって乾燥中にAlN粉末が酸化されやすくなる。逆にスラリー濃度が70重量%を越える場合には、スラリーの粘性が高くなり噴霧乾燥機の噴霧装置(スプレーノズル又はアトマイザー)から良好な噴霧を行うことができなくなる。またこのとき、良好な乾燥を行うことも困難になる。
【0021】
このスラリー調製工程におけるスラリー混合時間(分散媒としての水にAlN粉末を加えた後からのスラリー混合時間)は、好ましくは2〜48時間、より好ましくは2〜24時間、さらに好ましくは3〜12時間である。このスラリー混合時間が2時間未満の場合には、均一な分散スラリーを調製するのが困難である。逆に48時間より長くなると、混合によってAlN粉末表面の活性度が高くなり水との分解反応が発生し、AlN粉末が酸化してしまうおそれが高まる。
【0022】
また、このスラリー調製工程では、分散媒としての水とAlN粉末との反応を効果的に抑えるために、0℃から常温(例えば20℃)以下の温度でスラリー調製が行われるとよい。さらに、このスラリー調製工程では、水とAlN粉末との反応をより一層効果的に抑えるために、冷却手段(スラリー調製部冷却手段)により、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃に冷却しながらスラリー調製が行われるのが好ましい。このスラリー調製工程を0℃未満で行う場合、分散媒としての水が凍結してスラリー調製ができなくなる。逆に常温を越える温度では、AlN粉末と水との反応が著しく起こりやすくなる。またこのとき、AlN粉末の酸素量が増大し、成形・焼成しても良好な特性を有するAlN焼結体を得ることが困難になる。特に、20℃より高いの温度で水と混合すると、アンモニアガスが大量に発生して悪臭の原因となることから好ましくない。
【0023】
このスラリー調製工程では、前記有機添加剤がスラリー中に添加されている場合には、該添加剤がAlN粉末の表面を被覆することによる被膜効果により、AlN粉末と水との反応が抑制されやすくなる。このため、有機添加剤が添加されている場合には、好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃でスラリー調製が行われるとよい。一方、有機添加剤が添加されていない場合には、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃でスラリー調製が行われるとよい。
【0024】
スラリー導入工程は、前記スラリー調製工程で調製されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入する工程である。このスラリー導入工程では、水とAlN粉末との反応を効果的に抑えるために、0℃から常温(20℃)以下の温度でスラリーの導入が行われるとよい。さらに、このスラリー導入工程では、水とAlN粉末との反応をより一層効果的に抑えるために、冷却手段(スラリー導入部冷却手段)により、好ましくは0〜15℃、より好ましくは0〜10℃、さらに好ましくは0〜5℃に冷却しながらスラリーの導入が行われるのが好ましい。このスラリー導入工程を0℃未満で行う場合、分散媒としての水が凍結するおそれがあり、逆に常温を越える温度ではAlN粉末と水との反応が起こりやすくなる。なお、このスラリー導入工程では、前記スラリー調製工程の場合と同様に、有機添加剤がスラリー中に添加されている場合には0〜20℃でスラリーの導入が行われてもよく、有機添加剤が添加されていない場合には0〜15℃でスラリーの導入が行われるとよい。
【0025】
造粒工程は、前記スラリー導入工程を行った結果、噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを所定の乾燥温度で噴霧乾燥させることによりAlN顆粒を造粒する工程である。即ち、この造粒工程は、噴霧乾燥機の噴霧装置にて前記スラリーを無数の微少な液滴(霧滴)として噴霧した後、それら液滴を同乾燥機内で浮遊させながら乾燥させる工程であり、スプレードライヤー法を用いた造粒方法が行われる。
【0026】
前記所定の乾燥温度としては、水の沸点を超える温度である必要があり、好ましくは100℃を越えかつ270℃以下の温度、より好ましくは150〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。この乾燥温度が水の沸点以下の温度では、噴霧乾燥機内に噴霧された液滴から速やかに水分を蒸発させて乾燥させることができないうえ、AlN粉末と水との分解反応が著しく進行しやすくなる。逆に270℃を越える場合には、有機添加剤が分解して消失するおそれがある。なお、前記水の沸点を超える温度は、噴霧乾燥機内の気圧により適宜変化する。また、前記噴霧乾燥機内の気体としては、窒素や不活性ガス等の特別な気体を用いる必要性が低いことから、空気を用いれば十分である。また、前記噴霧乾燥機内は特に加圧又は減圧する必要性が低いことから、常圧にて噴霧乾燥を行えば十分である。
【0027】
この造粒工程では、スラリー導入工程まではスラリー状であったものを噴霧乾燥機内で一気に霧状に噴霧して液滴にすることにより、その比表面積を急激に増大させる。さらに、スラリー導入工程までは常温以下の温度であったものを噴霧乾燥機内で水の沸点を超える温度に晒すことにより急激に加熱して一気に乾燥させる。この急激な乾燥は、前記比表面積の増大とともに、水とAlN粉末との反応が起こる時間的余裕を奪って、高品質なAlN顆粒を製造するために大きな役割を果たす。
【0028】
図1に模式的に示すように、実施形態のAlN顆粒の製造装置11は、所定の乾燥温度に加熱された乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリー16を乾燥チャンバ12内に導入するスラリー導入手段17とを備えている。さらに、この装置11には、図1に点線で示される冷却手段を構成するスラリー導入部冷却手段18が設けられており、前記スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するようになっている。
【0029】
スラリー導入手段17は、上記スラリー導入工程を行うための手段(装置)である。このスラリー導入手段17は、スラリー調製手段で調製されたスラリー16を収容するための収容部21と、該収容部21と乾燥チャンバ12との間を繋ぐ導入管22と、その導入管22の途中に設けられたポンプ23とを備えている。さらに、前記収容部21内には、スラリー16中に分散されているAlN粉末の沈殿やスラリー16の温度上昇を抑えるための攪拌子又は羽根からなる攪拌装置24が設けられており、該攪拌装置24によりスラリー16が継続的に攪拌されるようになっている。また、前記導入管22の内壁面(内張)及び攪拌装置24の表面は、上記スラリー調製手段の場合と全く同様の理由で、樹脂製であるのが好ましい。また、前記導入管22は、温度管理上できる限り短い方がよいが、それを制限するものではない。
【0030】
スラリー導入部冷却手段18は、スラリー導入手段17の内部又はスラリー導入手段17全体を冷却することにより、該スラリー導入手段17内のスラリー16を好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0〜5℃に冷却する。
【0031】
噴霧乾燥機13(スプレードライヤー)は、上記造粒工程を行うための手段(装置)である。この噴霧乾燥機13は、乾燥チャンバ12と、前記スラリー導入手段17により導入されたスラリー16を乾燥チャンバ12内に霧状に噴霧するための噴霧装置31と、乾燥チャンバ12内に加熱した気体(空気)を送り込むためのヒータ32と、サイクロン33とを備えている。なお、この噴霧乾燥機13には、防爆装置及び有機溶剤の回収装置は設けられていない。
【0032】
噴霧装置31としては、スプレーノズル又はアトマイザーが用いられる。この噴霧装置31は、スラリー導入手段17から導入されるスラリー16を乾燥チャンバ12内に噴霧して液滴36にする。乾燥チャンバ12は、中空状(略ロート状)に形成されており、噴霧装置31から噴霧された液滴36を、前記ヒータ32より送り込まれる気体の気流に乗せてゆっくりと旋回させながら乾燥させ、AlN顆粒にする。この乾燥チャンバ12の下端部には、同チャンバ12内で水分を奪われて乾燥したAlN顆粒を集めるための容器37が設けられている。サイクロン33は、前記乾燥チャンバ12と同様な構成となっており、乾燥チャンバ12内から流出する気体を流入させて質量の小さいAlN顆粒を集める。また、このサイクロン33から流出する気体は、極めて質量の小さいAlN顆粒を集塵機38にて濾し取らせながら噴霧乾燥機13の外部へと排出される。
【0033】
前記ヒータ32により乾燥チャンバ12内に送り込まれる気体の温度は、水の沸点を超える温度である必要があるが、好ましくは150〜300℃、より好ましくは200〜270℃、さらに好ましくは200〜250℃である。このとき、乾燥チャンバ12内の温度が100℃を越えかつ270℃以下の温度となりやすい。さらに、乾燥チャンバ12とサイクロン33との間に設けられた温度計39の温度が好ましくは100〜270℃、より好ましくは100℃を越えかつ200℃以下、さらに好ましくは150〜200℃であるとよい。
【0034】
次に、上記AlN顆粒の製造装置11を用いてAlN顆粒を製造する場合について説明する。
上記AlN顆粒を製造する際には、まず、ボールミルやアトライター等のスラリー調製手段に、AlN粉末及び0〜20℃の水を入れて十分に混合させ、AlN粉末が均一に分散されたスラリー16を調製する。なおこのとき、必要に応じて、前記スラリー調製手段に添加剤を入れて混合させる。次に、前記スラリー16を、予めスラリー導入部冷却手段18により所定の冷却温度に冷却した収容部21内に収容する。続いて、攪拌装置24を継続的に駆動させながら、ポンプ23にて前記スラリー16を導入管22から噴霧装置31へと押し出す。この押し出されたスラリー16は、前記噴霧装置31により乾燥チャンバ12内に噴霧されて液滴36になる。
【0035】
このとき、前記液滴36は、ヒータ32から送り込まれる熱風(水の沸点を超える温度に加熱された気体)に晒されることにより、その表面側から急激に水分が奪い取られて乾燥される。続いて、これら液滴36は、前記熱風の気流に乗って乾燥チャンバ12内を浮遊しながらより一層乾燥され、顆粒状態に造粒されてAlN顆粒となる。そして、ある程度の大きさの粒子径に造粒されたAlN顆粒は、容器37から取り出されて製品となるが、造粒が不十分で小さな粒子径のAlN顆粒は前記熱風とともにサイクロン33、さらには集塵機38へと移動する。
【0036】
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態のAlN顆粒の製造方法は、分散媒としての水にAlN粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程と、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程と、前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程とを行うものである。このAlN顆粒の製造方法では、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより、前記従来の有機溶剤を用いた造粒方法と比べて製造容易性が著しく高められている。即ち、このAlN顆粒の製造方法では、有機溶剤を使用していないため、製造現場において防臭マスクの着用、防爆装置の設置、蒸発した溶剤の回収、火気厳禁等の著しく多くの有機溶剤対策を行う必要が全くない。また、前記従来の有機溶剤を用いた造粒方法では、沸点の高い有機溶剤を用いた場合、噴霧・乾燥のみでは完全に有機溶剤を除去できないケースがあり、プレス成形やCIP成形時に離型性が悪い等の欠点があったが、本実施形態のAlN顆粒の製造方法ではそのような欠点はない。また、本実施形態のAlN顆粒の製造方法では、噴霧乾燥時に窒素雰囲気等の特殊な気体を用いる必要がないうえ、加圧又は減圧条件下で噴霧乾燥する必要もないことから、極めて製造容易性に優れている。
【0037】
一方、AlN粉末は、一般に水や水蒸気との反応性が高く、酸化アルミニウム及びアンモニアガスに容易に分解する性質を有していることから、前記従来の造粒方法や一般的なAlN顆粒の製法においても、AlN粉末のスラリーを調製する際には取り扱い性が悪いにも関わらず敢えて有機溶剤が利用されてきた。これに対し、本実施形態のAlN顆粒の製造方法では、スラリー調製工程における分散媒として20℃以下の液体の水を用い、スラリー導入工程におけるスラリー温度を0〜20℃に保持するとともに、造粒工程で液滴36が20℃より高い温度にある時間を著しく短縮することに工夫が凝らされている。
【0038】
・ 実施形態のAlN顆粒の製造装置11は、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバ12を備えた噴霧乾燥機13と、スラリー16を噴霧乾燥機13内に導入するスラリー導入手段17と、スラリー導入手段17内のスラリー16を所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段18とを備えている。このため、この製造装置11は、スラリー導入部冷却手段18により、スラリー導入工程中のスラリー16を冷却して水とAlN粉末との反応を効果的に抑えることができることから、高品質のAlN顆粒を極めて容易に製造することが可能である。特に、この製造装置11では、有機溶剤を用いた公知のAlN顆粒の製造装置に設けられている防爆装置や有機溶剤の回収装置のような大掛かりな装置が全く必要ないうえ、防臭マスクの着用や火気厳禁等の有機溶剤対策を行う必要もないことから、製造にかかる手間及びコストを容易に低減させることが可能である。
【0039】
【実施例】
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
(実施例1〜6)
AlN粉末にはA粉末(平均粒子径1.6μm)とB粉末(平均粒子径1.2μm)の2種類を、焼結助剤には酸化イットリウムC粉末(平均粒子径0.05μm)と酸化イットリウムD粉末(平均粒子径0.3μm)の2種類を使用した。表1に実験に使用したAlN粉末、酸化イットリウム粉末及び各有機添加剤の配合割合(重量比)を示す。これらの粉末や添加剤をポリエチレン製容器に取り、鉄心入りナイロンボールを加えて温度5℃の環境下でボールミル混合を行った。その時のボールミル混合時間(h)及び調製されたスラリーの5℃における粘度(mPa・s)及びpHを表1に記載する。これらのスラリーを用い、噴霧乾燥機の乾燥チャンバの入口までを約5℃に保ちながら噴霧乾燥を行った。用いた噴霧乾燥機はスプレードライFL−12型(大川原化工機製)でアトマイザーによる噴霧方式である。噴霧乾燥は熱風入口温度220〜230℃、サイクロン差圧70〜72mmH2O(686〜706Pa)、アトマイザー回転数8000r.p.m.の条件で行った。また、噴霧乾燥中の温度計39の温度は継続的に150℃程度であった。
【0040】
【表1】
作製されたAlN顆粒の粒子径をマイクロスコープで200点観察することにより直径を測定しその平均値(平均粒子径)を求めた。また、各AlN顆粒について、筒井理化学機械(株)製「A・B・C粉末特性測定器」により重装嵩密度を測定した。次に、各AlN顆粒をプレス圧1000kgf/cm2(98MPa)で200×200×50mmの直方体状に乾式プレス成形を行って成形体を得た。この成形体の寸法と重量から嵩密度を求めた。次に、この成形体を580℃大気中にて3時間脱脂することにより脱脂体とした。この脱脂体の酸素濃度を堀場製作所製「EMGA−550」にて高温熱分解法により発生したCOガス量から求めた。次に、各脱脂体を窒素雰囲気中1800℃、8時間焼成することによりAlN焼結体を得た。このAlN焼結体は、アルキメデス法により嵩密度を求め、リガク製熱伝導率測定装置「LF/TCM」にてレーザーフラッシュ法により熱伝導率を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
【0041】
(比較例1)
AlNのA粉末100重量部と酸化イットリウムのC粉末5.3重量部との配合割合を持ち、有機溶剤(トルエン)で混合、噴霧乾燥された顆粒を比較例1とした。本顆粒を用い、上記実施例1〜6と同じ条件で成形、脱脂及び焼成を行うとともに、顆粒、成形体、脱脂体及び焼結体について上記実施例1〜6と同様に評価した。結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
表2の結果より、各実施例と比較例とを比べると、AlN顆粒の平均粒子径は各実施例の方が小さくなった。この理由は、各実施例のAlN顆粒は酸化を防止する目的で乾燥時間を早くしたためであると思われる。一方、脱脂体の酸素濃度を比較すると、各実施例、比較例ともにほぼ同程度であり、5℃程度の低温で混合することによりAlN粉末と水との反応が効果的に抑制されたことが確認された。さらに、焼結体の特性を比較すると、実施例1を除き、嵩密度、熱伝導率とも比較例と同程度の焼結体が得られていた。なお、前記実施例1の値が小さくなったのは、焼結助剤としての酸化イットリウムを含んでいないためである。従って、分散媒として水を用いて製造されたAlN顆粒と、有機溶剤(トルエン)を用いて製造された顆粒とは、同程度の特性を有しており、実用に全く問題がないことが確認された。
【0043】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ スラリー導入工程において、スラリー導入部冷却手段18の導入工程全体の冷却を行わず、収容部21及び/又はポンプ23を冷却するように構成してもよい。なおこのとき、導入管22の周囲を断熱材にて覆うのが好ましい。このように構成した場合でも、スラリー16の温度上昇を抑制することができ、スラリー導入工程全体を冷却するよりも安価に製造することができる。
【0044】
・ スラリー導入工程を冷却手段により冷却せずに、スラリー調製工程のみを冷却手段により冷却するように構成してもよい。このように構成した場合でも、スラリー調製工程においてスラリーが十分に冷却されていることから、スラリー導入工程で不測にスラリー温度が上昇することはほとんどない。
【0045】
・ 冷却されたスラリー16を噴霧装置31にて噴霧する際、スラリー16を噴霧する直前、即ちスプレーノズルやアトマイザーの先端部まで冷却するとよい。このように構成することによって、スラリー16の温度上昇がより一層抑制され、AlNの酸化を防止する効果が大きくなる。
【0046】
・ 噴霧装置31によるスラリー16の噴霧方法は、乾燥チャンバ12の上部からの噴霧に限定される必要はなく、側部や下部からの噴霧方法も可能である。
・ AlN顆粒の製造装置11において、収容部21及び攪拌装置24からなる構成を、ボールミル又はアトライター等のスラリー調製手段に変更してもよい。なおこのとき、上記実施形態のスラリー導入部冷却手段18の一部(収容部21の周囲)はスラリー調製部冷却手段となる。このスラリー調製部冷却手段は、スラリー調製手段の内部又はスラリー調製手段全体を冷却するように構成されており、該スラリー調製手段内のスラリー16を好ましくは0〜20℃、より好ましくは0〜15℃、さらに好ましくは0〜10℃、特に好ましくは0〜5℃に冷却する。このように構成した場合、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができるうえ、AlN顆粒を大量生産することが容易となる。
【0047】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を0〜20℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記スラリー調製工程を0〜20℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記造粒工程を100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
【0048】
・ 前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を常温以下の温度に冷却しながら行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。前記スラリー調製工程を常温以下の温度に冷却しながら行うことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
【0049】
・ 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法に用いられる窒化アルミニウム顆粒の製造装置であって、水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバを備えた噴霧乾燥機と、分散媒としての水に窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入手段と、該スラリー導入手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段とを備えたことを特徴とする窒化アルミニウム顆粒の製造装置。このように構成した場合、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができる。
【0050】
・ 前記スラリー導入手段に攪拌装置を設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
・ 前記冷却温度を0〜20℃とすることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。前記乾燥チャンバを100℃を越えかつ270℃以下の温度に加熱することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1から請求項3に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造方法によれば、スラリー調製時の分散媒として水を用いることにより製造容易性を著しく高めることができる。請求項4及び請求項5に記載の発明の窒化アルミニウム顆粒の製造装置によれば、窒化アルミニウム顆粒を極めて容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のAlN顆粒の製造装置の概略を示す模式図。
【符号の説明】
11…窒化アルミニウム顆粒の製造装置、12…乾燥チャンバ、13…噴霧乾燥機、16…スラリー、17…スラリー導入手段、18…スラリー導入部冷却手段。
Claims (5)
- 分散媒としての水に窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するスラリー調製工程を行った後、前記スラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入工程を行い、続いて前記噴霧乾燥機内に導入されたスラリーを水の沸点を超える温度で噴霧乾燥させて造粒する造粒工程を行うことを特徴とする窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
- 前記スラリー調製工程及びスラリー導入工程を0〜20℃で行うとともに、前記造粒工程を100℃を越えかつ270℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
- 前記スラリー中に有機添加剤を含有させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造方法。
- 水の沸点を超える温度に加熱された乾燥チャンバを備えた噴霧乾燥機と、窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを噴霧乾燥機内に導入するスラリー導入手段と、該スラリー導入手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー導入部冷却手段とを備えたことを特徴とする窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
- 前記窒化アルミニウム粉末が分散されたスラリーを調製するためのスラリー調製手段と、該スラリー調製手段内のスラリーを所定の冷却温度に冷却するスラリー調製部冷却手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の窒化アルミニウム顆粒の製造装置。
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