JP2008074678A - 窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる窒化アルミニウム顆粒、窒化アルミニウム成形体及び窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる窒化アルミニウム顆粒、窒化アルミニウム成形体及び窒化アルミニウム焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導率の高い窒化アルミニウム焼結体を提供できる窒化アルミニウムスラリーを提供する。
【解決手段】窒化アルミニウム粉末、有機溶剤及び酸化防止剤を含む窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる窒化アルミニウム顆粒、窒化アルミニウム成形体及び窒化アルミニウム焼結体に係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる窒化アルミニウム顆粒、窒化アルミニウム成形体及び窒化アルミニウム焼結体に関する。特に、本発明は、経時安定性に優れた窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる耐酸化性に優れた窒化アルミニウム顆粒、チッピング性に優れた窒化アルミニウム成形体及び熱伝導率の高い窒化アルミニウム焼結体に関する。
窒化アルミニウムスラリーは、主に窒化アルミニウム焼結体を製造するための中間製品として用いられている。窒化アルミニウムスラリーから窒化アルミニウム焼結体を製造する方法としては、種々のものが開発されているが、工業的にはスラリーをシート状に成形してそのまま焼結するシート成形法(例えば、特許文献1)、スラリーから得られた窒化アルミニウム顆粒をプレス成形して焼結するプレス成形法(例えば、特許文献2)等が主として採用されている。
窒化アルミニウム焼結体は、半導体基板、半導体パッケージ基材、半導体製造装置等をはじめ、各種の用途に使用されている。特に、窒化アルミニウム焼結体は、一般のアルミナセラミックス等に比べて高い熱伝導率を有するとともに、その熱膨張係数がシリコンとほぼ同じであることから、ICの放熱基板用の材料として脚光を浴びている。
しかしながら、窒化アルミニウムの理論的な熱伝導率が約320W/m・Kであるのに対し、実際の窒化アルミニウム焼結体製品では、理論値の1/2前後の熱伝導率しか得られていない。
熱伝導率低下の要因の一つとして、窒化アルミニウムスラリーの原料となる窒化アルミニウム粉末に含まれる不純物にあることが知られている(例えば、特許文献3)。このため、不純物量を低減すれば熱伝導率を高めることが可能である。
しかしながら、窒化アルミニウム粉末の高純度化にも限界があり、より高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム焼結体を得るためにはさらなる改善が必要である。
窒化アルミニウムスラリーは、溶媒を水とした水系のものも用途により検討されている(例えば、特許文献4、特許文献5)。
しかしながら、窒化アルミニウムは水との反応性が高いため、水系スラリーでは経時安定性に劣る。このため、実際上は、溶媒として有機溶剤を用いた非水系のものが使用されている。
また、窒化アルミニウム粉末を含むスラリーを作製するのに、有機質バインダーとしてアクリル系樹脂を使用し、界面活性剤としてアセチレンアルコール及び/又はアセチレングリコールを使用することにより、反りが少なく、クラック等の欠陥のない窒化アルミニウム基板が製造できることが知られている(特許文献6)。
しかしながら、この製造方法により反りやクラック等の欠陥は改善されるものの、得られる窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率は従来のものに比べて高いものではない。
特開平9−227239号公報 特開平7−267739号公報 特開2004−284916号公報 特開平4−300250号公報 特開平8−143304号公報 特開平7−237972号公報
従って、本発明の主な目的は、熱伝導率の高い窒化アルミニウム焼結体を提供できる窒化アルミニウムスラリーを提供することにある。
本発明者は、かかる従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定組成からなる窒化アルミニウムスラリーが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の窒化アルミニウムスラリー並びにそれから得られる窒化アルミニウム顆粒、窒化アルミニウム成形体及び窒化アルミニウム焼結体に係る。
1. 窒化アルミニウム粉末、有機溶剤及び酸化防止剤を含む窒化アルミニウムスラリー。
2. さらに焼結助剤を含む、前記項1に記載の窒化アルミニウムスラリー。
3. 窒化アルミニウム粉末が、有機溶剤100質量部に対して5〜1000質量部含まれる、前記項1又は2に記載の窒化アルミニウムスラリー。
4. 酸化防止剤が、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.5〜50質量部含まれる、前記項1〜3のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
5. 焼結助剤が、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.01〜10質量部含まれる、前記項2〜4のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
6. 窒化アルミニウム粉末100質量部に対して有機質バインダー0〜15質量部をさらに含む、前記項1〜5のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
7. 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である、前記項1〜6のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
8. 酸化防止剤が脂肪酸系酸化防止剤、脂肪族アミン系酸化防止剤、有機リン酸エステル系酸化防止剤及び有機スルホン酸塩系酸化防止剤のいずれか1種以上であることを特徴とする、前記項1〜7のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
9. 前記項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム顆粒。
10. 前記項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム成形体
11. 前記項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム焼結体。
本発明の窒化アルミニウムスラリーは、耐酸化性における経時安定性に優れており、スラリー調製後の酸素量の増加を効果的に抑制することができる。このため、このようなスラリーを用いて製造された窒化アルミニウム焼結体は、従来の窒化アルミニウム焼結体に比して熱伝導性において優れた効果を発揮することができる。
1.窒化アルミニウムスラリー
本発明の窒化アルミニウムスラリーは、窒化アルミニウム粉末、有機溶剤及び酸化防止剤を含むものである。
(1)窒化アルミニウム粉末
本発明に用いる窒化アルミニウム粉末は、公知又は市販のものを使用することができる。また、公知の製法により得られた窒化アルミニウム粉末を用いることもできる。特に、本発明では、下記の物性を備えた窒化アルミニウム粉末を用いることが望ましい。
窒化アルミニウム粉末の酸素量は、2.0質量%以下、特に1.0質量%以下であることが好ましい。窒化アルミニウム粉末の酸素量が増加して顆粒又は焼結体の熱伝導率が低下するおそれがある。
窒化アルミニウム粉末の平均粒子径は、通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μmとすれば良い。平均粒子径が0.1μm未満になると比表面積が大きくなり、窒化アルミニウム粉末の酸素量が増加するおそれがある。平均粒子径が10μmを超えると焼結温度が高くなる。
窒化アルミニウム粉末の比表面積(BET法)は、通常0.1〜20m/g程度であり、好ましくは0.1〜10m/gである。比表面積が20m/gを超えると比表面積が大きくなり、窒化アルミニウム粉末の酸素量が増加して顆粒又は焼結体の熱伝導率が低下する。一方、比表面積が0.1m/g未満になると焼結温度が高くなる。
本発明の窒化アルミニウム粉末の金属不純物の合計含有量は、一般的には1000質量ppm以下とし、特に100質量ppm以下とすることが望ましい。
窒化アルミニウム粉末の含有量は限定的ではないが、有機溶剤100質量部に対して5〜1000質量部程度とし、特に100〜300質量部とすることが好ましい。
(2)有機溶剤
有機溶剤としては、例えばn−ブタノール等のアルコール系溶剤;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。
有機溶剤の使用量は特に制限されないが、前記のように、窒化アルミニウム粉末との関係で有機溶剤100質量部に対して窒化アルミニウム粉末5〜1000質量部程度となるように調節することが好ましい。
(3)酸化防止剤
酸化防止剤は、前記有機溶剤に溶解し、焼結時にガス発生等により焼結性を阻害しないものであれば特に限定されず、公知又は市販のものから選択して使用できる。例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4−ヒドロキシメチル2.6ジtertブチルフェノール(HMBP)、2.4.5トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)、ノルジヒドロアヤレチック酸(NDGA)、没食子酸オクチル(OG)、没食子酸ラウリル(DG)、没食子酸プロピル(PG)等のフェノール系酸化防止剤が好適に使用される。
また、ラノリン、ステアリン酸等の脂肪酸系酸化防止剤;モノアルキル1級アミン、ジメチルアルキル3級アミン等の脂肪族アミン系酸化防止剤;ピロリン酸エステル、オルトリン酸等の有機リン酸エステル系酸化防止剤;スルホン酸ナトリウム等の有機スルホン酸塩系酸化防止剤等も使用することができる。これらは、単独又は混合で好適に使用される。
窒化アルミニウムスラリーに酸化防止剤を添加することにより、溶剤が経時により揮発する際に空気中から持ち込まれた水分と窒化アルミニウム粉末との反応を効果的に抑制し、窒化アルミニウム粉末の酸素量の増加を抑えて、窒化アルミニウムスラリーから得られる顆粒の耐酸化性を向上させ、成形体のチッピングを防止し、又は焼結体の熱伝導率の低下を防ぐことができる。
酸化防止剤の添加量は、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1〜10質量部である。酸化防止剤の添加量が0.5質量部未満であると、酸化防止の効果が得られず、窒化アルミニウムスラリーの経時安定性が低下する。また、50質量部を超えると、窒化アルミニウム成形体を脱脂処理する際の収縮率が大きくなり、寸法精度が低下するおそれがある。
(4)その他の添加剤
本発明の窒化アルミニウムスラリー中には、必要に応じて他の成分が含まれていても良い。例えば、焼結助剤、有機バインダーのほか、一般的な添加剤を適宜配合することができる。
焼結助剤
焼結助剤としては、窒化アルミニウムの焼結に一般的に用いられているものを使用することができる。例えば、希土類元素又はアルカリ土類金属元素の酸化物、希土類元素又はアルカリ土類金属元素のフッ化物又は硼化物等を用いることができる。これらは、焼成時に酸化物となる炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等として添加することもできる。
焼結助剤は、酸化物換算で窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.1〜10質量部程度添加することが好ましい。焼結助剤の含有量が0.1質量部未満であると焼結が不十分となるおそれがある。一方、10質量部を超えると焼結体表面に多くの析出物が現れたり、顆粒又は焼結体の熱伝導率が低下するおそれがある。
焼結助剤は、通常は粉末状のものを添加するが、この場合の平均粒子径は特に限定されないが、使用する窒化アルミニウム粉末より細かいものを使用する方が望ましい。
有機バインダー
本発明の窒化アルミニウムスラリーに、必要に応じてスラリー特性を調整する有機バインダーを添加しても良い。
有機バインダーとしては、特に限定されないが、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)系樹脂等の少なくとも1種が好適に使用される。有機バインダーの添加量は、使用する窒化アルミニウム粉末の平均粒子径等によっても異なるが、一般に窒化アルミニウム粉末100質量部に対して15質量部以下とすれば良い。
添加剤
本発明の窒化アルミニウムスラリーに、必要に応じてスラリー特性を調整する分散剤、可塑剤、沈降防止剤、チクソ剤等の各種添加剤を使用することができる。特に、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、ラノリン等の沈降防止剤が好適に使用される。添加剤の使用量は特に制限されず、使用量は一般に、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して10質量部以下である。
2.窒化アルミニウムスラリーの調製
本発明の窒化アルミニウムスラリーは、前記の各成分を均一に混合することにより調製することができる。混合方法は特に限定されず、例えばボールミル等の公知の混合装置等により混合すればよい。
3.窒化アルミニウム顆粒
本発明は、本発明窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム顆粒を包含する。
本発明の窒化アルミニウム顆粒は、前記の窒化アルミニウムスラリーから有機溶剤を蒸発させることにより製造することができる。例えば、窒化アルミニウムスラリーを乾燥又は噴霧乾燥することによって好適に得ることができる。乾燥方法としては、自然乾燥のほか、加熱による強制乾燥のいずれであっても良い。加熱する場合の温度は、通常50〜200℃程度とすれば良い。噴霧乾燥の場合は、例えばスプレードライヤ等の公知の装置を用いて実施することができる。
4.窒化アルミニウム成形体
さらに、本発明は、本発明窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム成形体を包含する。
成形方法は特に限定されず、ドクターブレード法、鋳込成形法、射出成形法、ブレス成形法のほか、各種の造粒方法等の公知の成形方法を採用することができる。また、出発材料は、窒化アルミニウムスラリーをそのまま使用しても良いし、あるいは窒化アルミニウムスラリーから窒化アルミニウム顆粒を調製し、その顆粒を用いて成形しても良い。
例えば、本発明の窒化アルミニウムスラリーをドクターブレード法等でシート状に成形することによりシート状成形体を製造することができる。また、本発明の窒化アルミニウムスラリーからいったん窒化アルミニウム顆粒を調製し、その顆粒を用いて所望の形状にプレス成形することによりプレス成形体を得ることもできる。
5.窒化アルミニウム焼結体
本発明は、本発明窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム焼結体を包含する。
本発明の窒化アルミニウム焼結体は、例えば本発明の窒化アルミニウム成形体を非酸化性雰囲気中で焼成することによって好適に製造することができる。
焼成に先立って、必要に応じて脱脂処理(熱処理)を実施しても良い。脱脂処理は、酸化性雰囲気中で行うことが好ましい。また、脱脂処理の温度は200〜600℃程度とすることが好ましい。脱脂温度が200℃未満であると有機バインダー成分を十分に除去することができないおそれがある。また、600℃を超えると窒化アルミニウムと雰囲気ガスとの反応が起こる。
窒化アルミニウムを焼成するに当たり、その焼成雰囲気は非酸化性雰囲気とすれば良く、特に不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等が例示されるが、特に窒素ガスが好ましい。
焼成温度は、1500〜1900℃程度とすることが好ましい。焼結温度が1500℃未満であると焼結に時間がかかる。また、1900℃を超えると窒化アルミニウム焼結体表面に液相面が現れ、メタライズ工程での窒化アルミニウム焼結体基板と回路との密着性を阻害するおそれがある。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.窒化アルミニウムスラリーの調製
(実施例1)
窒化アルミニウム粉末1900gに対して焼結助剤の酸化イットリウム(Y)100gを混合、解砕し、混合粉末を作製した。
得られた混合粉末2000gを有機溶剤1600gに分散し、酸化防止剤としてブチルヒドロキシアニソール(BHA)20g及び分散剤としてリン酸エステル40gを添加し、さらに有機バインダーとしてブチラール樹脂200gを添加して、ボールミルで12時間混合して窒化アルミニウムスラリーを得た。
なお、窒化アルミニウム粉末は、酸素量0.81質量%、平均粒子径1.5μm、比表面積2.4m/g、Fe、Si、Mn等の金属不純物の合計含有量75質量ppmの東洋アルミニウム(株)製「UEK−JE」を使用した。
また、有機溶剤は、メチルエチルケトン(MEK)500g、トルエン500g、メタノール500g及びジブロモプロパン(DBP)100gを混合したものを使用した。ブチラール樹脂は、クラレ(株)製「モビタールB30H」を使用した。
(実施例2)
酸化防止剤としてブチルヒドロキシトルエン(BHT)20g及び分散剤としてリン酸エステル40gを添加した以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウムスラリーを得た。
(実施例3)
酸化防止剤としてアスコルビン酸20g及び分散剤としてリン酸エステル40gを添加した以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウムスラリーを得た。
(比較例1)
酸化防止剤を添加しなかったほかは、実施例1と同様にして窒化アルミニウムスラリーを得た。
(試験例1)
得られた窒化アルミニウムスラリーの酸素量を測定し、経時安定性を評価した。酸素・窒素分析装置(堀場製作所製「EMGA−550」)により、スラリー調製直後、及び30℃の大気中で1日、3日、5日、10日、20日及び70日保持した後の酸素量をそれぞれ測定した。
なお、酸素量測定時のスラリー乾燥条件は100℃10分とし、焼結助剤の酸化イットリウム(Y)の酸素量相当分を除いた値で求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2008074678
2.窒化アルミニウム顆粒の調製
実施例1及び比較例1の窒化アルミニウムスラリーを用いて窒化アルミニウム顆粒を作製した。
(実施例4)
実施例1で得られた調製直後のスラリー1000gにトルエン500g及び酢酸エチル500gを追加し、ボールミルで6時間混合した後、スプレードライヤーを用いて窒化アルミニウム顆粒を得た。
スプレードライ条件は、窒素雰囲気中、入口温度95℃、出口温度60〜70℃、ローター回転数は18000rpmとした。
(実施例5)
実施例1で得られた調製70日後のスラリー1000gを用いた以外は、実施例4と同様にして窒化アルミニウム顆粒を得た。
(比較例2)
比較例1で得られた調製直後のスラリー1000gを用いた以外は、実施例4と同様にして窒化アルミニウム顆粒を得た。
(比較例3)
比較例1で得られた調製70日後のスラリー1000gを用いた以外は、実施例4と同様にして窒化アルミニウム顆粒を得た。
(試験例2)
得られた窒化アルミニウム顆粒の酸素量を測定し、経時安定性を評価した。酸素・窒素分析装置(堀場製作所製 EMGA−550)により、スラリー調製直後、及び30℃の大気中で1日、5日、20日及び70日保持した後の酸素量を測定し、焼結助剤の酸化イットリウム(Y)の酸素量相当分を除いた値で求めた。結果を表2に示す。
Figure 2008074678
3.窒化アルミニウム顆粒成形体の作製
(試験例3)
実施例4〜5及び比較例2〜3の窒化アルミニウム顆粒60gを60mmφの金型に入れ、圧力1000kg/cmで一軸成形を行ない窒化アルミニウム顆粒成形体を作製した。得られた窒化アルミニウム顆粒成形体のチッピング性を、ラトラー試験機(ミネルバ社製)による重量変化により評価した。
なお、試験条件は60回転(rpm)5分とし、試験前の測定値W1及び試験後の測定値W2を用いて下式によりラトラー値を算出した。結果を表3に示す。
ラトラー値(%)=100×(W1−W2)/W1
Figure 2008074678
4.窒化アルミニウム焼結体の製造
<窒化アルミニウムスラリーからの製造>
実施例1及び比較例1の窒化アルミニウムスラリーを用いて窒化アルミニウム焼結体を作製した。
(実施例6)
実施例1で得られた調製直後のスラリーを真空脱泡機により粘度を10000cp(25℃)にした後、ドクターブレード法により厚み約1mmのシートを作製し、室温で6時間放置・乾燥した後1インチ角の板状及び10mmφの円板状に打ち抜き、ドライエアー中450℃で2時間の脱脂処理を行った。得られた窒化アルミニウムグリーンシートを窒素ガス雰囲気中1850℃で3時間の焼結処理を行ない、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(実施例7)
実施例1で得られた調製70日後のスラリーを用いた以外は、実施例6と同様にして窒化アルミニウム焼結体を得た。
(比較例4)
比較例1で得られた調製直後のスラリーを用いた以外は実施例6と同様にして、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(比較例5)
比較例1で得られた調製70日後のスラリーを用いた以外は実施例6と同様にして、窒化アルミニウム焼結体を得た。
<窒化アルミニウム顆粒からの製造>
実施例4〜5及び比較例2〜3の窒化アルミニウム顆粒を用いて窒化アルミニウム焼結体を作製した。
(実施例8)
実施例4で得られた調製直後の顆粒を金型を用いて1000kg/cmの圧力でプレスし、厚み約1mmのシートを作製した後、1インチ角の板状及び10mmφの円板状に打ち抜き、ドライエアー中450℃で2時間の脱脂処理を行った。得られた窒化アルミニウムグリーンシートを窒素雰囲気中1850℃で3時間の焼結処理を行ない、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(実施例9)
実施例5で得られた調製直後の顆粒を用いた以外は実施例8と同様にして、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(比較例6)
比較例2で得られた調製直後のスラリーを用いた以外は実施例8と同様にして、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(比較例7)
比較例3で得られた調製直後のスラリーを用いた以外は実施例8と同様にして、窒化アルミニウム焼結体を得た。
(試験例4)
得られた窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率を、熱定数測定装置(リガク製 LF/TCM−FA8510B)を用い、レーザーフラッシュ法により測定した。結果を表4に示す。
Figure 2008074678

Claims (11)

  1. 窒化アルミニウム粉末、有機溶剤及び酸化防止剤を含む窒化アルミニウムスラリー。
  2. さらに焼結助剤を含む、請求項1に記載の窒化アルミニウムスラリー。
  3. 窒化アルミニウム粉末が、有機溶剤100質量部に対して5〜1000質量部含まれる、請求項1又は2に記載の窒化アルミニウムスラリー。
  4. 酸化防止剤が、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.5〜50質量部含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
  5. 焼結助剤が、窒化アルミニウム粉末100質量部に対して0.01〜10質量部含まれる、請求項2〜4のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
  6. 窒化アルミニウム粉末100質量部に対して有機質バインダー0〜15質量部をさらに含む、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
  7. 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
  8. 酸化防止剤が脂肪酸系酸化防止剤、脂肪族アミン系酸化防止剤、有機リン酸エステル系酸化防止剤及び有機スルホン酸塩系酸化防止剤のいずれか1種以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリー。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム顆粒。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム成形体
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の窒化アルミニウムスラリーから得られる窒化アルミニウム焼結体。
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