JP2003119080A - セラミック素子の製造方法 - Google Patents

セラミック素子の製造方法

Info

Publication number
JP2003119080A
JP2003119080A JP2001311723A JP2001311723A JP2003119080A JP 2003119080 A JP2003119080 A JP 2003119080A JP 2001311723 A JP2001311723 A JP 2001311723A JP 2001311723 A JP2001311723 A JP 2001311723A JP 2003119080 A JP2003119080 A JP 2003119080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
material powder
ceramic
ceramic element
heat treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001311723A
Other languages
English (en)
Inventor
Ippei Ogata
逸平 緒方
Kaoru Kuzuoka
馨 葛岡
Muneo Yorinaga
宗男 頼永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001311723A priority Critical patent/JP2003119080A/ja
Priority to DE10239058A priority patent/DE10239058A1/de
Priority to FR0210644A priority patent/FR2830669A1/fr
Priority to US10/227,805 priority patent/US6824713B2/en
Publication of JP2003119080A publication Critical patent/JP2003119080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属酸化物焼結体を主体とするセラミック素
子を製造するにあたって、セラミック原料の組成のさら
なる均一化をはかり、セラミック素子の抵抗値のバラツ
キを低減する。 【解決手段】 金属酸化物からなるセラミック原料を焼
成することにより形成された焼結体からなるセラミック
素子を製造する方法において、金属酸化物の前駆体を液
相中に混合して前駆体溶液を調製する工程と、前駆体溶
液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、液滴粒子を熱処理
してセラミック素子の原料粉を得る第1の熱処理工程
と、第1の熱処理工程で得られた原料粉を第1の熱処理
工程よりも高い温度で熱処理することにより、原料粉の
平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下とする第2の
熱処理工程と、第2の熱処理工程で得られた原料粉を造
粒、成形、焼成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物焼結体
を主体とするセラミック素子の製造方法に関し、このセ
ラミック素子は、自動車排ガスの温度センサ等に用いら
れる、室温から1000℃以上の高温域にわたって検知
可能なサーミスタ素子に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の金属酸化物焼結体を
主体とするセラミック素子は、自動車排ガス温度、ガス
給湯器等のガス火炎温度、加熱炉の温度等、400℃〜
1300℃という中温から高温度域の温度測定を行う温
度センサに用いられている。
【0003】この種のセラミック素子としては、ペロブ
スカイト系、コランダム系材料等からなる金属酸化物焼
結体が主に用いられており、例えば、ペロブスカイト系
材料を用いたセラミック素子としては、特開平7−20
1528号公報に記載のサーミスタ素子が提案されてい
る。
【0004】このものでは、広い温度範囲で使用可能な
サーミスタ素子を実現するために、Y、Sr、Cr、F
e、Ti等の複数の酸化物原料を、所定の組成割合で混
合し、粉砕、造粒、焼成する、いわゆる固相法にてサー
ミスタ素子を得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、例えば、自動車
排ガスの温度センサについては、ガソリン車の排気ガス
浄化用触媒の劣化を検出するために触媒前後の排気温度
を検出するシステムや、ディーゼル車の排気ガス、特に
NOxガスを浄化する触媒温度を制御するために触媒前
後の排気温度を検出するシステムヘの適用のニーズが大
きい。
【0006】しかし、従来のセラミック素子としてのサ
ーミスタ素子を用いた温度センサの温度精度では前記の
システムが成り立たないため、高コストな熱電対や白金
抵抗体等を温度センサとして用いている。つまり、これ
までに前記システムに適用できる温度精度を持つ温度セ
ンサ用のセラミック素子が無かった。これは、次のよう
な理由による。
【0007】上記固相法によるセラミック素子(サーミ
スタ素子)の原料調製は、複数の酸化物原料の混合・粉
砕を、例えば媒体攪拌ミル等により行っている。しか
し、媒体攪拌ミル等の機械粉砕では本質的に粉砕能力に
限界が存在し、混合・粉砕後のセラミック素子の原料粉
の平均粒径は0.3μmが限界である。
【0008】つまり、原料の粉砕と混合を同時に行うこ
とに加えて、粉砕された原料の粒径に限界があるため、
さらに高精度なサーミスタ素子としてのセラミック素子
を得るための組成均一化が不十分となる。このため、得
られるセラミック素子の抵抗バラツキが大きく、このセ
ラミック素子を用いた温度センサの温度精度の悪化を招
いており、従来のセラミック素子を用いた温度センサの
温度精度は、±15℃(室温〜800℃)程度が限界で
ある。
【0009】また、上記媒体攪拌ミル等での混合、粉砕
操作では、粉砕媒体でのジルコニア・ボール等の成分が
不純物としてセラミック素子の原料(セラミック原料)
に混入して、抵抗バラツキの原因となったり、セラミッ
ク素子の狙い組成からずれたりするという問題点もあ
る。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、金属酸化物焼結体を主体とするセラミック素子を製
造するにあたって、セラミック原料の組成のさらなる均
一化をはかり、セラミック素子の抵抗値のバラツキを低
減することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために従来の固相法によるセラミック素子
の製造方法について鋭意検討し、成形体のポア(成形体
内に空気が入り込んだ部分)をなくすことにより抵抗バ
ラツキを低減して温度精度を向上すること見い出した。
【0012】固相法では、媒体攪拌ミル等により金属酸
化物原料を粉砕・混合してセラミック原料粉を得るとと
もに、この原料粉にセラミック原料を造粒するための結
合材(バインダ)を混合し、この混合物を造粒し、造粒
された造粒粉を型成形し、成形された成形体を焼成す
る。
【0013】しかし、上述したように、従来の固相法に
よる製造方法では、原料の粉砕と混合を同時に行うこと
に加えて、粉砕された原料の粒径に限界があるため、セ
ラミック素子の組成均一化が不十分である。また、粉砕
媒体の成分が不純物としてセラミック原料に混入し、抵
抗バラツキの原因となったり、セラミック素子の狙い組
成からずれたりする。
【0014】すると、成形後の成形体においてポアが存
在したり、そのようなポアの存在により成形比重の低い
成形体を焼成することによって得られるセラミック素子
においてポア(セラミック素子を構成する焼結体内に空
気が入り込んだ部分)が内在することとなる。
【0015】そのため、従来の固相法によるセラミック
素子は、実測値である焼成比重と理論値である理論比重
から算出される相対比重が低く、相対比重は概ね80%
から85%となる。この結果、セラミック素子の内部組
織に密接に関連する抵抗バラツキが増大することにな
る。
【0016】そこで、本発明者等は、液相法によりセラ
ミック原料粉を作製することとした。具体的には、金属
酸化物またはその前駆体を溶液に溶解させるか、分散さ
せて混合し、その溶液から得られる液滴粒子を熱処理し
てセラミック原料粉を得るものである。
【0017】それによれば、原料の混合を溶液の状態に
て行うことができる。つまり、従来の固相法よりも微粒
な液相状態にて、最終的な金属酸化物焼結体を得るため
の組成を均一に調整できるため、それによって得られる
セラミック原料粉の組成のさらなる均一化をはかること
ができる。また、固相法のような粉砕媒体が不純物とし
て混入することもない。
【0018】しかしながら、液相法によりセラミック原
料粉を作製した場合でも、次のような問題が生じる。組
成の均一化を狙った液相法で調製したセラミック原料粉
は、平均粒径は30nm(ナノメートル)から50nm
の微粒子である。
【0019】この微粒子のセラミック原料粉を用いて結
合材等を添加して金型成形等に好適な造粒粉を調製する
のであるが、微粒子であるがゆえに、造粒時に添加する
結合材等をこのセラミック原料粉の粒子間に均一に入れ
る(浸透させる)ことが困難となる。
【0020】その結果、結合材が粒子問に均一に入らな
い部分は、セラミック原料粉同士が緊密に結合されない
造粒粉となり、結果として金型成形等で得る成形体にポ
アが発生する。
【0021】つまり、セラミック原料粉の組成の不均一
という固相法による問題は、上記液相法を用いることで
解消されるが、液相法を用いた場合、新たに、原料粉に
混合する結合材の浸透性が不十分となり、それによる成
形体または焼結後の焼結体(セラミック素子)における
ポア発生という問題が発生する。
【0022】そこで、上記の原因解析からセラミック原
料粉の平均粒径を制御することにより成形体のポアの発
生をなくすことにより、焼成後に得るセラミック素子の
相対比重を90%以上とできることを見出し、上記問題
を解決することができた。本発明は、上記検討結果から
得られた知見に基づいてなされたものである。
【0023】すなわち、請求項1に記載の発明では、金
属酸化物からなるセラミック原料を焼成することにより
形成された焼結体からなるセラミック素子を製造する方
法において、セラミック原料として液相法により作製さ
れた平均粒径が0.1μm以上1.0μm以下の原料粉
を用い、この原料粉を造粒、成形、焼成することによ
り、焼結体について、次の数式4に示す焼成比重と理論
比重とで定義される相対比重Xが90%以上となるよう
にしたことを特徴とする。
【0024】
【数4】 相対比重X=(焼成比重/理論比重)×100(%) 本発明によれば、液相法を用いることで、上述したよう
に、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはかるこ
とができる。
【0025】そして、本発明者等の検討によれば、液相
法により作製されたセラミック原料粉の平均粒径が0.
1μm以上1.0μm以下の範囲であれば、この原料粉
に結合材を混合したものを用いて造粒粉を形成する際
に、結合材が原料粉の粒子問に均一に浸透することが実
験的にわかった。
【0026】そのため、セラミック原料粉同士が緊密に
結合された造粒粉となり、結果として、このような造粒
粉を用いて金型成形等により得られた成形体において
は、ポアの発生を抑制することができ、相対比重Xが9
0%以上である焼結体からなるセラミック素子を得るこ
とができる。
【0027】このように、本発明によれば、従来法に比
べて、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはかる
ことができ、ポアを低減し相対比重Xを向上させること
で、セラミック素子の抵抗値のバラツキを低減すること
ができる。
【0028】また、請求項2に記載の発明では、金属酸
化物からなるセラミック原料を焼成することにより形成
された焼結体からなるセラミック素子を製造する方法に
おいて、金属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体
溶液を調製する工程と、前駆体溶液を噴霧して液滴粒子
を得る工程と、液滴粒子を熱処理してセラミック素子の
原料粉を得る第1の熱処理工程と、第1の熱処理工程で
得られた原料粉を第1の熱処理工程よりも高い温度で熱
処理することにより、原料粉の平均粒径を0.1μm以
上1.0μm以下とする第2の熱処理工程と、第2の熱
処理工程で得られた原料粉を造粒、成形、焼成する工程
とを有することを特徴とする。
【0029】それによれば、第1の熱処理工程までにお
いて、原料の混合を、前駆体溶液の状態すなわち液相法
により行うことができるため、セラミック原料の組成の
さらなる均一化をはかることができる。
【0030】そして、液相法にて得られた微粒な原料粉
は、さらに第2の熱処理工程により粒成長して、その平
均粒径を0.1μm以上1.0μm以下とすることがで
きる。そのため、請求項1の発明と同様に、この原料粉
に結合材が混合されたものを用いて造粒粉を形成する際
に、結合材が粒子問に均一に浸透し、セラミック原料粉
同士が緊密に結合された造粒粉となる。結果として、成
形体において、ポアの発生を抑制することができる。
【0031】したがって、本発明によれば、従来法に比
べて、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはかる
ことができ、ポアを低減し相対比重Xを向上させる(X
≧90%)ことで、セラミック素子の抵抗値のバラツキ
を低減することができる。
【0032】また、請求項3に記載の発明では、金属酸
化物からなるセラミック原料を焼成することにより形成
された焼結体からなるセラミック素子を製造する方法に
おいて、平均粒径が1.0μm以下である金属または金
属酸化物の粒子が分散したスラリー溶液を調製する工程
と、スラリー溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、液
滴粒子を熱処理してセラミック素子の原料粉を得る第1
の熱処理工程と、第1の熱処理工程で得られた原料粉を
第1の熱処理工程よりも高い温度で熱処理することによ
り、原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下
とする第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程で得られ
た原料粉を造粒、成形、焼成する工程とを有することを
特徴とする。
【0033】それによれば、第1の熱処理工程までにお
いて、原料の混合を、スラリー溶液の状態、つまり、請
求項2の発明と同様、従来の固相法よりも微粒な液相状
態にて、最終的な焼結体を得るための組成を均一に調整
できるため、それによって得られるセラミック原料粉の
組成のさらなる均一化をはかることができる。
【0034】そして、液相法にて得られた微粒な原料粉
は、さらに第2の熱処理工程により粒成長して、その平
均粒径を0.1μm以上1.0μm以下とすることがで
きる。そのため、上記請求項1の発明と同様、結合材が
粒子問に均一に浸透し、原料粉同士が緊密に結合された
造粒粉を調製することができ、結果として、成形体にお
いて、ポアの発生を抑制することができる。
【0035】したがって、本発明によれば、従来法に比
べて、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはかる
ことができ、ポアを低減し相対比重Xを向上させる(X
≧90%)ことで、セラミック素子の抵抗値のバラツキ
を低減することができる。
【0036】また、請求項4に記載の発明では、金属酸
化物からなるセラミック原料を焼成することにより形成
された焼結体からなるセラミック素子を製造する方法に
おいて、金属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体
溶液を調製する工程と、前駆体溶液に平均粒径が1.0
μm以下である金属または金属酸化物の粒子を分散させ
た分散溶液を調製する工程と、分散溶液を噴霧して液滴
粒子を得る工程と、液滴粒子を熱処理してセラミック素
子の原料粉を得る第1の熱処理工程と、第1の熱処理工
程で得られた原料粉を第1の熱処理工程よりも高い温度
で熱処理することにより、原料粉の平均粒径を0.1μ
m以上1.0μm以下とする第2の熱処理工程と、第2
の熱処理工程で得られた原料粉を造粒、成形、焼成する
工程とを有することを特徴とする。
【0037】それによれば、第1の熱処理工程までにお
いて、原料の混合を、請求項2の発明と同様、従来の固
相法よりも微粒な液相状態にて、最終的な焼結体を得る
ための組成を均一に調整できるため、それによって得ら
れるセラミック原料粉の組成のさらなる均一化をはかる
ことができる。
【0038】そして、液相法にて得られた微粒な原料粉
は、さらに第2の熱処理工程により粒成長して、その平
均粒径を0.1μm以上1.0μm以下とすることがで
きる。そのため、上記請求項1の発明と同様、結合材が
粒子問に均一に浸透し、原料粉同士が緊密に結合された
造粒粉を調製することができ、結果として、成形体にお
いて、ポアの発生を抑制することができる。
【0039】したがって、本発明によれば、従来法に比
べて、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはかる
ことができ、ポアを低減し相対比重Xを向上させる(X
≧90%)ことで、セラミック素子の抵抗値のバラツキ
を低減することができる。
【0040】また、請求項5に記載の発明では、請求項
1〜請求項4のいずれか一つに記載の製造方法におい
て、原料粉を造粒した後に得られる造粒粉の水分率を3
%以下とすることを特徴とする。
【0041】原料粉に結合材が混合されたものを造粒し
て得られる造粒粉を用いて金型成形等による成形を行う
が、その場合、造粒粉が金型へ円滑に流れることが必要
となる。金型内でブリッジを形成することなく成形を行
うためには、造粒粉の水分率は3%以下であることが好
ましい。
【0042】造粒粉の水分率を3%以下とすることによ
り、造粒粉の金型内でのブリッジを無くし、ポアのない
成形体を得て焼成後の相対比重90%以上を達成するこ
とが容易にできる。ここで、水分率とは、造粒粉中に含
まれる水分の割合(百分率)であり、周知の水分計等を
用いて測定可能である。
【0043】また、請求項6に記載の発明では、請求項
1〜請求項5のいずれか一つに記載の製造方法におい
て、原料粉を造粒、成形した後に得られる成形体のかさ
比重を50%以上とすることを特徴とする。
【0044】原料粉を造粒して得られる造粒粉を成形し
てなる成形体について、成形体のかさ比重を50%以上
とすることにより、この成形体を焼成した後に得られる
セラミック素子の内部におけるポアの発生を防止するこ
とができ、相対比重90%以上を満足するセラミック素
子を容易に得ることができる。
【0045】また、請求項7に記載の発明では、請求項
1〜請求項6のいずれか一つに記載の製造方法におい
て、平均粒径が0.1μm以上1.0μm以下の原料粉
を用いて造粒スラリーを調製するときに、この原料粉を
粉砕操作により球形化することにより、当該原料粉を、
次の数式5に示す粉体の最大粒径Rmaxと最小粒径R
minの比で定義する真球度Yが、80%以上である粉
体よりなるものとすることを特徴とする。
【0046】
【数5】Y=(Rmin/Rmax)×100(%) 本発明は、上記原料粉の形状についてなされたものであ
る。
【0047】上記原料粉に結合材が混合されたものを用
いて造粒スラリーを調製することにより造粒粉が調製さ
れるが、この造粒粉を用いて金型成形等による成形を行
う場合、造粒粉が金型へ円滑に流れることが必要とな
る。金型内でブリッジを形成することなく成形を行うた
めには、造粒粉は真球体であることが望ましい。
【0048】本発明者等の検討によれば、真球体である
造粒粉を得るためには、上記の原料粉形状の真球度Yが
80%以上であることが好ましい。それにより、造粒粉
がより真球体となるため、請求項5の発明と同様、造粒
粉による金型内でのブリッジがなくなり、ポアのない成
形体を得て焼成後の相対比重90%以上を達成すること
が容易にできる。
【0049】また、本発明者等は、セラミック原料粉を
造粒するためにセラミック原料粉に添加する結合材につ
いて、さらに検討を進めた結果、結合材であるバインダ
の重合度やけん化度により、成形体のポアの状況が異な
ることを発見した。
【0050】すなわち、添加するバインダの性質により
造粒粉のつぶれやすさが異なるために、つぶれにくい造
粒粉の場合には、セラミック原料粉同士が緊密に結合さ
れず、結果として成形体にポアが発生する。
【0051】そこで、上記の原因解析から、結合材であ
るバインダ等の重合度やけん化度を制御することによ
り、成形体のポアの発生を無くし、焼成後に得るセラミ
ック素子の相対比重を90%以上とすることにより、上
記課題を解決することができた。
【0052】請求項8に記載の発明は、上記知見に基づ
いてなされたものであり、金属酸化物からなるセラミッ
ク原料粉にセラミック原料粉を造粒するための結合材を
混合したものを焼成することにより形成された焼結体か
らなるセラミック素子を製造する方法において、セラミ
ック原料粉として液相法より作製されたものを用い、結
合材として、重合度2000以下、けん化度45%以上
である有機質バインダを用い、セラミック原料粉に有機
質バインダを添加して混合したものを、造粒、成形、焼
成することにより、焼結体について、上記数式3に示す
相対比重Xが90%以上となるようにしたことを特徴と
する。
【0053】まず、本発明によれば、液相法を用いるこ
とで、上述したように、セラミック原料粉の組成のさら
なる均一化をはかることができる。
【0054】そして、本発明者等の検討結果により、結
合材として、重合度2000以下、けん化度45%以上
である有機質バインダを用いれば、セラミック原料粉の
平均粒径の大きさに関わらず、原料粉にバインダを混合
したものを用いて造粒粉を形成する際に、バインダが原
料粉の粒子問に均一に浸透することが実験的にわかっ
た。つまり、上記有機質バインダを添加することにより
造粒紛は流動性、崩壊性が向上し、ポアのない成形体が
得られることがわかった。
【0055】そのため、セラミック原料粉同士が緊密に
結合された造粒粉となり、結果として、このような造粒
粉を用いて金型成形等により得られた成形体において
は、ポアの発生を抑制することができ、相対比重Xが9
0%以上である焼結体からなるセラミック素子を得るこ
とができる。
【0056】このように、本発明によっても、従来法に
比べて、セラミック原料の組成のさらなる均一化をはか
ることができ、ポアを低減し相対比重Xを向上させるこ
とで、セラミック素子の抵抗値のバラツキを低減するこ
とができる。
【0057】ここで、請求項9に記載の発明のように、
上記の有機質バインダとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリアセタール、ポリ酢酸ビニルアルコールから選
択された少なくとも1種を用いることができる。
【0058】また、請求項10に記載の発明では、セラ
ミック素子が、(M1M2)O3で表わす複合酸化物と
AOxで表わす金属酸化物との混合焼結体(M1M2)
3・AOxからなるサーミスタ素子であり、複合酸化
物(M1M2)O3において、M1が元素周期律表第2
A族及びLaを除く第3A族の元素から選択される少な
くとも1種以上の元素であるとともに、M2が元素周期
律表第3B族、第4A族、第5A族、第6A族、第7A
族及び第8族の元素から選択される少なくとも1種以上
の元素であり、金属酸化物AOxが、1400℃以上の
融点を有し、かつ、サーミスタ素子形状におけるAOx
単体の1000℃での抵抗値が1000Ω以上の金属酸
化物であることを特徴とする。
【0059】上記請求項1〜請求項9の発明におけるセ
ラミック素子を、広い温度域で使用される温度センサ用
のサーミスタ素子として用いる場合、室温〜1000℃
の温度範囲において比較的低い抵抗特性を有するペロブ
スカイト構造の複合酸化物(M1M2)O3と、高抵抗
値で高融点の金属酸化物AOxとの混合焼結体を用いる
のが良い。
【0060】1400℃以上の融点を有し、かつ、サー
ミスタ素子形状におけるAOx単体の1000℃での抵
抗値が1000Ω以上である金属酸化物AOxを用いれ
ば、混合焼結体の高温域での抵抗値を高くすることがで
き、その融点を高く耐熱性に優れたものにできるため、
サーミスタ素子の高温安定性を高めることができる。
【0061】これにより、室温〜1000℃の温度範囲
における抵抗値が100Ω〜100KΩの範囲に有り、
しかも熱履歴による抵抗値変化が小さく、安定性に優れ
る広い温度域で使用可能なサーミスタ素子を得ることが
できる。
【0062】ここで、請求項11に記載の発明のよう
に、混合焼結体(M1M2)O3・AOxにおける複合
酸化物(M1M2)O3のモル分率をa、金属酸化物A
Oxのモル分率をbとした時に、aおよびbが、0.0
5≦a<1.0、0<b≦0.95、a+b=1の関係
を満足することが好ましい。
【0063】これらモル分率a、bが上記関係にあれ
ば、上述した請求項10の発明におけるサーミスタ素子
としてのセラミック素子の効果(所定範囲の抵抗値と抵
抗安定性)を、より確実に達成することができる。ま
た、このように広い範囲でモル分率を変えることができ
るので、(M1M2)O3とAOxを適宜混合、焼成す
ることにより、抵抗値、抵抗温度係数を広い範囲で種々
制御できる。
【0064】また、請求項12に記載の発明は、上記複
合酸化物(M1M2)O3における各金属元素の好適例
に関し、M1が、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ce、
Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、YbおよびScから選択する1種以上の元素であ
り、M2が、Al、Ga、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、
Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt
から選択される1種以上の元素であることが実用上望ま
しい。
【0065】また、請求項13に記載の発明は、金属酸
化物AOxにおける金属元素Aの好適例であり、金属A
として具体的には、B、Mg、Al、Si、Ca、S
c、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Zn、Ga、G
e、Sr、Y、Zr、Nb、Sn、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、HfおよびTaから選択される1種以上の元
素であるものにできる。
【0066】また、請求項14に記載の発明のように、
金属酸化物AOxとしては、B23、MgO、Al
23、SiO2、Sc23、TiO2、Cr23、Mn
O、Mn23、Fe23、Fe34、NiO、ZnO、
Ga23、Y23、ZrO2、Nb 25、SnO2、Ce
2、Pr23、Nd23、Sm23、Eu2O、Gd2
3、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm2
3、Yb23、Lu23、HfO2、Ta25、2Mg
O・SiO2、MgSiO3、MgCr24、MgAl2
4、CaSiO3、YAlO3、Y3Al512、Y2Si
5、3Al2O・2SiO2から選択される1種以上の
金属酸化物であるものにできる。
【0067】これらの金属酸化物は、いずれも高抵抗値
かつ高耐熱性を示し、サーミスタ素子の性能向上に寄与
する。
【0068】また、請求項15に記載の発明では、複合
酸化物(M1M2)O3においてM1はY、M2はCr
とMnであり、金属酸化物AOxはY23であることを
特徴とする。
【0069】このとき混合焼結体はY(CrMn)O3
・Y23であり、この混合焼結体は、温度センサに好適
に使用されて、広い温度範囲で高い性能を発揮できるも
のである。
【0070】また、請求項16に記載の発明では、混合
焼結体(M1M2)O3・AOxは、焼結助剤としてC
aO、CaCO3、SiO2及びCaSiO3のうち少な
くとも1種を含有するものであることを特徴とする。そ
れにより、請求項10〜請求項15に記載の発明におい
て、焼結密度の高いサーミスタ素子としてのセラミック
素子が得られる。
【0071】また、請求項17に記載の発明では、請求
項1ないし16のいずれか一つに記載の製造方法によっ
て製造されたセラミック素子をサーミスタ素子として備
えることを特徴とする温度センサが提供される。
【0072】請求項1〜請求項16の製造方法により製
造されたセラミック素子は、抵抗値のバラツキが低減し
て従来レベルより良好な温度精度を有する。そして、こ
のようなセラミック素子をサーミスタ素子として用いた
温度センサは、広い温度範囲にわたって温度が検知で
き、安定した抵抗値特性と、抵抗バラツキが少ないた
め、高性能な温度センサを実現することができる。
【0073】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0074】
【発明の実施の形態】本実施形態のセラミック素子は、
金属酸化物からなるセラミック原料を焼成することによ
り形成された焼結体(金属酸化物焼結体)からなるもの
であって、室温から1000℃以上の高温域にわたって
検知可能なサーミスタ素子に用いて好適なものである。
【0075】このセラミック素子は、セラミック原料と
して液相法により作製された平均粒径が0.1μm以上
1.0μm以下の原料粉を用い、この原料粉を造粒、成
形、焼成することにより、焼結体について、次の数式6
に示す焼成比重と理論比重とで定義される相対比重Xが
90%以上となるようにしたものである。
【0076】
【数6】 相対比重X=(焼成比重/理論比重)×100(%) すなわち、所望の組成比に秤量された金属酸化物の原料
が溶解または分散してなる溶液(原料溶液)を調製し、
これら溶液から得られる液滴粒子を熱処理(第1の熱処
理)してセラミック素子の原料粉を得て、得られた原料
粉を第1の熱処理よりも高い温度で熱処理(第2の熱処
理)することにより、原料粉の平均粒径を0.1μm以
上1.0μm以下とし、このような平均粒径を有する原
料粉を造粒、成形、焼成する。それにより、本実施形態
のセラミック素子が得られる。
【0077】[原料溶液]金属酸化物の原料が溶解また
は分散してなる原料溶液(出発原料)としては、金属酸
化物の前駆体を液相中に混合してなる溶液(前駆体溶
液)や平均粒径が1.0μm以下である金属または金属
酸化物の粒子が分散した溶液(スラリー溶液)を用いる
ことができる。前駆体溶液としては、1種以上の金属イ
オンを含む溶液等が挙げられる。
【0078】これら溶液を調製することで、原料の混合
を液相法により行うことができるため、セラミック原料
の組成のさらなる均一化をはかることができる。そし
て、これら溶液を噴霧する等により液滴粒子を得て、こ
の液滴粒子に対して第1の熱処理を行うことにより得ら
れる原料粉は、従来の固相法よりも、さらに微粒化され
たもので、例えば平均粒径は30nm(ナノメートル)
から50nmの微粒子である。
【0079】この液相法にて得られた微粒な原料粉は、
さらに第2の熱処理により粒成長して、その平均粒径を
0.1μm以上1.0μm以下となる。そして、この原
料粉に結合材を混合した混合物を用いて造粒粉を形成
し、この造粒粉を用いて成形を行って成形体を形成し、
これを焼成して焼結体としてのセラミック素子を得る。
【0080】[結合材]セラミック原料粉を造粒するた
めの結合材としては、ポリビニルアルコール、ポリアセ
タール、ポリ酢酸ビニルアルコール等から選択される有
機質バインダを用いることができる。この有機質バイン
ダとしては、重合度2000以下、けん化度45%以上
のものが好ましい。
【0081】[金属酸化物焼結体]本実施形態のセラミ
ック素子を構成する金属酸化物焼結体は、上記サーミス
タ素子として好適なものであり、(M1M2)O3で表
わす複合酸化物とAOxで表わす金属酸化物とを混合し
て、焼成した混合焼結体(M1M2)O3・AOxから
なる。
【0082】ここで、複合酸化物(M1M2)O3は、
M1が元素周期律表第2A族及びLaを除く第3A族の
元素から選択される少なくとも1種以上の元素であると
ともに、M2が元素周期律表第3B族、第4A族、第5
A族、第6A族、第7A族及び第8族の元素から選択さ
れる少なくとも1種以上の元素である。ここで、Laは
吸湿性が高く、大気中の水分と反応して不安定な水酸化
物を作りセラミック素子を破壊する等の問題点があるた
め、M2として用いない。
【0083】具体的には、M1となる第2A族の元素
は、例えば、Mg、Ca、Sr、Baから、第3A族の
元素としては、例えばY、Ce、Pr、Nd、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Scから選
択される。
【0084】また、M2の元素は、第3B族の元素とし
ては、例えば、Al、Gaが、第4A族の元素として
は、例えば、Ti、Zr、Hfが、第5A族の元素とし
ては、例えば、V、Nb、Taが、第6A族の元素とし
ては、例えば、Cr、Mo、Wが、第7A族の元素とし
ては、例えば、Mn、Tc、Reが、第8族の元素とし
ては、例えば、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、
Os、Ir、Ptから選択される1種以上の元素が好適
に使用される。
【0085】M1とM2の組み合わせは、所望の抵抗値
特性が得られるように、任意の組み合わせることがで
き、これらM1とM2を適正に選択した(M1M2)O
3は、低抵抗値及び低抵抗温度係数(例えば、1000
〜4000(K))を示す。このようなM1とM2とし
ては、例えばY(Cr、Mn)O3等が好適に使用され
る。なお、M1またはM2として複数の元素を選択した
場合、各元素のモル比は、所望の抵抗値特性に応じて、
適宜設定することができる。
【0086】ただし、複合酸化物(M1M2)O3を単
独でサーミスタ材料として用いた場合、抵抗値の安定性
が不十分であり、また、高温域の抵抗値が低くなる傾向
がある。そのため、本実施形態では、サーミスタ素子の
抵抗値を安定化し、かつ所望の範囲とする材料として、
金属酸化物AOxを混合使用する。
【0087】したがって、金属酸化物AOxに必要な特
性としては、高温域において高い抵抗値を有するこ
と、かつ耐熱性に優れ、高温において安定であること
が、挙げられる。
【0088】具体的には、については、温度センサ用
の通常のサーミスタ素子として用いられるセラミック素
子の寸法形状で、AOx単体((M1M2)O3を含ま
ない)の1000℃での抵抗値が1000Ω以上である
こと、については、融点が1400℃以上であり、セ
ンサの常用最高温度である1000℃よりも十分高いこ
とを、満たしていればよい。
【0089】上記のの特性を満足するために、金属
酸化物AOxにおける金属Aとしては、B、Mg、A
l、Si、Ca、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、N
i、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Zr、Nb、Sn、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、HfおよびTaから選択
される1種以上の元素が好適に用いられる。
【0090】具体的には、金属酸化物AOxとして、B
23、MgO、Al23、SiO2、Sc23、Ti
2、Cr23、MnO、Mn23、Fe23、Fe3
4、NiO、ZnO、Ga23、Y23、ZrO2、Nb
25、SnO2、CeO2、Pr23、Nd23、Sm2
3、Eu2O、Gd23、Tb23、Dy23、Ho2
3、Er23、Tm23、Yb23、Lu23、Hf
2、Ta25、2MgO・SiO2、MgSiO3、M
gCr24、MgAl24、CaSiO3、YAlO3
3Al512、Y2SiO5、3Al2O・2SiO2から
選択される1種またはそれ以上の金属酸化物を用いるこ
とができる。
【0091】好適には、高抵抗値で耐熱性に優れる金属
酸化物AOxとして、例えば、Y23が挙げられる。複
合酸化物(M1M2)O3におけるM1にYを、M2に
CrおよびMnを選択すれば、混合焼結体(M1M2)
3・AOxはY(CrMn)O3・Y23で表され、こ
の混合焼結体からなるセラミック素子(サーミスタ素
子)は、温度センサ等に好適に使用されて、広い温度範
囲で高い性能を発揮できる。
【0092】また、混合焼結体(M1M2)O3・AO
xにおける複合酸化物(M1M2)O3のモル分率を
a、金属酸化物AOxのモル分率をbとした時に、aお
よびbが、0.05≦a<1.0、0<b≦0.95、
a+b=1の関係を満足することが好ましい。
【0093】この範囲で、上記モル分率aとbを適宜選
定することにより、サーミスタ素子として所望の低抵抗
値と低抵抗温度係数を実現することができる。また、広
い範囲でモル分率aとbを変えることができるので、こ
れら抵抗値特性を広い範囲で種々制御することができ
る。
【0094】また、この混合焼結体(M1M2)O3
AOxは、焼結助剤としてCaO、CaCO3、SiO2
及びCaSiO3のうち少なくとも1種を含有すること
もできる。
【0095】これら焼結助剤は、(M1M2)O3とA
Oxの混合物の焼成温度において液相を形成し、焼結を
促進する効果がある。これにより、得られる混合焼結体
の焼結密度が向上し、セラミック素子(サーミスタ素
子)の抵抗値を安定化するとともに、焼結温度の変動に
対して抵抗値のばらつきが低減できる。これら焼結助剤
の添加量は、その種類に応じて適宜調整される。
【0096】[セラミック素子構成および温度センサ構
成]次に、上記したサーミスタ素子としてのセラミック
素子およびこのセラミック素子を用いた温度センサの構
成の一例を図を用いて示す。図1は、上記混合焼結体
(M1M2)O3・AOxよりなるセラミック素子1の
構成図であり、図2は、このセラミック素子1を組み込
んだ温度センサSの概略断面図である。なお、図2中、
(b)は(a)のA−A断面図である。
【0097】図1に示すように、セラミック素子1は、
平行な2本のリード線11、12の各端部が素子部13
に埋設された形状を有し、上記混合焼結体を、例えば外
径1.60mmの円柱形に成形して素子部13となして
いる。
【0098】図2に示すように、温度センサSは、筒状
の耐熱性金属ケース2を有し、セラミック素子1は、そ
の左半分内に配置されている。金属ケース2の右半分内
には、外部より伸びる金属パイプ3の一端が位置してい
る。
【0099】金属パイプ3は、図2に示すように、内部
にリード線31、32を保持している。これらのリード
線31、32は、金属パイプ3の内部を通って金属ケー
ス2内に至り、セラミック素子1のリード線11、12
にそれぞれ接続される。
【0100】リード線11、12は例えば、線径0.3
mm、長さ5.0mmとし、材質はPt100(純白
金)とする。なお、図2(b)に示すように、金属パイ
プ3の内部には、マグネシア粉体33が充填されてお
り、金属パイプ3内のリード線31、32の絶縁を確保
している。
【0101】次に、上記セラミック素子を製造する方法
について示す。これらの製造方法は、出発原料の形態
や、セラミック原料の調製方法を種々示しているが、い
ずれの製造方法においても、出発原料を液滴粒子として
生成し、熱処理によりセラミック原料粉を得て、これを
造粒、成形、焼成する工程を有している。
【0102】[第1の製造方法]第1の製造方法は、金
属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体溶液を調製
する工程と、前駆体溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程
と、液滴粒子を熱処理してセラミック素子の原料粉を得
る第1の熱処理工程と、第1の熱処理工程で得られた原
料粉を第1の熱処理工程よりも高い温度で熱処理するこ
とにより、原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μ
m以下とする第2の熱処理工程と、第2の熱処理工程で
得られた原料粉を造粒、成形、焼成する工程とを有す
る。
【0103】金属酸化物の前駆体とは、具体的には、上
記した混合焼結体(M1M2)O3・AOxにおける金
属M1、M2、Aの単体または塩類等であり、このよう
な前駆体(出発原料)を、有機や無機の溶媒(水、有機
溶剤、水と有機溶剤の混合液等)に溶解させ、例えば、
これら金属イオンの錯体としたものが前駆体溶液であ
る。この前駆体溶液の状態にて、狙いの混合焼結体の組
成比が得られるように、原料が所望割合にて均一に混合
される。
【0104】前駆体溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程
では、液相状態にて原料が所望割合に混合された前駆体
溶液を、二流体ノズル等の噴霧手段を用いて噴霧して液
滴粒子を得る。ここで、二流体ノズルは、気体と液体と
を同時に噴出させることで微粒な液滴を得るものであ
る。
【0105】得られた液滴粒子は、前駆体溶液での均一
な混合状態を継承した微粒子である。次に、第1の熱処
理工程において、この液滴粒子を熱処理(熱分解や燃焼
等)してセラミック原料粉を得る。
【0106】第1の熱処理工程における液滴粒子の熱処
理は、電気炉等を用いる。この熱処理により、液滴粒子
の液体を除去するとともに、液滴粒子中の金属成分(上
記M1、M2、A等)を酸化し金属酸化物とすること
で、混合焼結体(M1M2)O 3・AOxの微粒子であ
るセラミック原料粉が得られる。得られたセラミック原
料粉は、例えば平均粒径が30nmから50nmの微粒
子である。
【0107】次に、第2の熱処理工程において、このセ
ラミック原料粉をアルミナルツボ等に入れて電気炉等
で、第1の熱処理工程よりも高い温度で熱処理すること
により、原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μm
以下に制御する。
【0108】この平均粒径が0.1μm以上1.0μm
以下に制御されたセラミック原料粉に、上記したポリビ
ニルアルコール等のバインダ(結合材)を混合し(例え
ば1重量%程度)、この混合物に対して、媒体撹拌ミル
等を用いて粉砕処理等を行うことにより、セラミック原
料粉にバインダが混ぜられてなる造粒スラリーを得る。
ここまでが第2の熱処理工程である。
【0109】なお、実際には、上記第2の熱処理工程に
おける電気炉等による熱処理の後では、原料粉の平均粒
径は1.0μmよりも多少大きめに制御しておき、次の
バインダとの混合物を粉砕することにより、原料粉(造
粒スラリーの状態)の平均粒径が0.1μm以上1.0
μm以下となるようにして良い。いずれにせよ、造粒ス
ラリー中の原料粉の平均粒径が、0.1μm以上1.0
μm以下に制御されていることが必要である。
【0110】次いで、この造粒スラリーをスプレードラ
イヤー等を用いて造粒・乾燥し、造粒粉(例えば粒径3
0〜60μm、かさ比重1.0の球状体)を形成する。
この造粒粉を、Pt等よりなるリード線11、12(図
1参照)を組み込んだ所定形状に金型成形して成形体を
形成した後、焼成する(例えば1400℃〜1700
℃)。これにより、混合焼結体(M1M2)O3・AO
xからなるセラミック素子1が得られる。
【0111】なお、この成形工程では、予めリード線を
インサートした金型を用いて成形を行っても良いし、成
形後に、成形体にリード線を付与するための穴を開け、
リード線を装填して焼成してもよい。また、焼成後にリ
ード線を接合形成することもできる。
【0112】あるいは、セラミック原料粉にバインダ、
樹脂材料等を混合添加して押し出し成形に適当な粘度、
硬さに調整したものを、押し出し成形し、続いてリード
線を装填して焼成することで、リード線11、12が形
成されたセラミック素子1を得ることができる。
【0113】この本実施形態の第1の製造方法によれ
ば、原料の混合を、前駆体溶液の状態にて行うことがで
きる。つまり、従来の固相法よりも微粒な液相状態に
て、最終的な金属酸化物焼結体を得るための組成を均一
に調整できるため、それによって得られるセラミック原
料粉の組成のさらなる均一化をはかることができる。ま
た、従来の固相法のように、粉砕媒体が不純物として混
入することもない。
【0114】また、液相法にて得られた微粒なセラミッ
ク原料粉は、さらに第2の熱処理工程により粒成長し
て、その平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下に制
御することができる。このように平均粒径が制御された
セラミック原料粉を用いれば、バインダ(結合材)が原
料粉の粒子間に均一に行き渡るため、ポアの発生を防止
し上記相対比重Xが90%以上のセラミック素子1が得
られる。
【0115】このように、本第1の製造方法によれば、
従来法に比べて、セラミック原料の組成のさらなる均一
化をはかることができ、ポアを低減し相対比重Xを向上
させる(X≧90%)ことで、セラミック素子の抵抗値
のバラツキを低減することができる。
【0116】実際に、上記第1の製造方法において、成
形体や焼結体(セラミック素子)の内部をSEM等で観
察したところ、ポアは無かった。つまり、成形体におい
ては造粒粉は完全につぶれ、バインダ(結合材)が原料
粉の粒子間に均一に添加されており、焼結体において
は、均質な組織を持ち相対比重Xが90%以上であるこ
とが確認できた。
【0117】また、本製造方法では、成形体において造
粒粉がつぶれやすいため、成形体を得るための成形荷重
は、従来の固相法による原料粉を用いた場合に比べて、
大幅(例えば50%程度)に低減するという効果(成形
荷重低減効果)もあった。
【0118】ここで、上記第1の製造方法においては、
平均粒径が0.1μm以上1.0μm以下であるセラミ
ック原料粉を造粒した後に得られる造粒粉において、そ
の水分率が3%以下となるように、造粒スラリーをスプ
レードライヤー等を用いて造粒・乾燥し、当該造粒粉を
作製することが好ましい。
【0119】ここで、水分率とは、造粒粉中に含まれる
水分の割合(百分率)であり、周知の水分計等を用いて
測定可能である。本発明者等の検討によれば、造粒粉の
水分率が3%以下であれば、造粒粉を用いて金型成形等
による成形を行う際に、造粒粉が金型へ円滑に流れやす
くなるため、金型内でブリッジを形成することなく成形
を行うことが容易となる。
【0120】つまり、造粒粉の水分率を3%以下とする
ことにより、造粒粉の金型内でのブリッジを無くし、ポ
アのない成形体を得て焼成後の相対比重90%以上を達
成することが容易にできる。もし、造粒粉中の水分率が
3%よりも多いと、金型内に造粒粉が付着しやすくな
り、上記ブリッジを形成し易くなり、結果、成形体中に
ポアが生じやすくなる。
【0121】また、上記第1の製造方法において、原料
粉を造粒、成形した後に得られる成形体のかさ比重が5
0%以上となるように、成形条件(荷重等)を制御する
ことが好ましい。かさ比重とは、実測値である成形比重
を理論比重で除したものに100を乗じた値(%)であ
る。
【0122】成形体のかさ比重が小さいということは、
それだけ、成形体内部にポアが多いということである。
成形体内部にポアが多いと、上述したように、焼成後の
焼結体(セラミック素子)においてもポアが多く内在す
る。
【0123】本発明者等の検討によれば、成形体のかさ
比重を50%以上とすることにより、当該成形体を焼成
した後に得られるセラミック素子の内部におけるポアの
発生を防止することができ、相対比重90%以上を満足
するセラミック素子を容易に得ることができる。
【0124】また、上記第1の製造方法において、平均
粒径が0.1μm以上1.0μm以下の原料粉を用いて
造粒スラリーを調製するときに、この原料粉を粉砕操作
により球形化することにより、当該原料粉を、真球度Y
(=最大粒径Rmax×100/最小粒径Rmin)が
80%以上である粉体よりなるものとすることが好まし
い。
【0125】具体的には、媒体撹拌ミル等により造粒ス
ラリーの粉砕が行われるが、その粉砕動力や時間等の粉
砕条件を調製することにより可能である。原料粉形状の
真球度Yが80%以上であれば、造粒粉が実質的に真球
体となりやすい。真球でない不定形の造粒粉を用いて金
型成形等による成形を行うと、金型内における造粒粉の
流れが阻害されやすく、ブリッジが形成されやすくなっ
てしまう。
【0126】そのため、実質的に真球体である造粒粉を
用いて金型成形等による成形を行えば、造粒粉が金型へ
円滑に流れやすくなるため、金型内でブリッジを形成す
ることなく成形を行うことが容易となる。つまり、造粒
スラリー中の原料粉の真球度Yを80%以上とすること
により、造粒粉の金型内でのブリッジを無くし、ポアの
ない成形体を得て焼成後の相対比重90%以上を達成す
ることが容易にできる。
【0127】[第2の製造方法]第2の製造方法は、平
均粒径が1.0μm以下である金属または金属酸化物の
粒子が分散したスラリー溶液を調製する工程と、スラリ
ー溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、液滴粒子を熱
処理してセラミック素子の原料粉を得る第1の熱処理工
程と、第1の熱処理工程で得られた原料粉を第1の熱処
理工程よりも高い温度で熱処理することにより、原料粉
の平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下とする第2
の熱処理工程と、第2の熱処理工程で得られた原料粉を
造粒、成形、焼成する工程とを有する。
【0128】つまり、第2の製造方法は、上記第1の製
造方法に比べて、前駆体溶液に代えてスラリー溶液を用
いたことが異なる。スラリー溶液は、上記した混合焼結
体(M1M2)O3・AOxにおける金属M1、M2、
Aの単体または酸化物(出発原料)の粒子を、有機や無
機の溶媒(水、有機溶剤、水と有機溶剤の混合液等)に
分散させたものである。このスラリー溶液の状態にて、
狙いの混合焼結体の組成比が得られるように、出発原料
が所望割合にて混合される。
【0129】第2の製造方法は、これらのスラリー溶液
を用いる以外は、第1の製造方法と同様であり、以下同
様の方法で、噴霧、第1の熱処理、第2の熱処理、造
粒、成形、焼成等を行う。それによって、組成が均一で
ポアが無く抵抗値のバラツキの少ないセラミック素子1
を得ることができる。
【0130】つまり、本第2の製造方法によっても、上
記第1の製造方法と同様の効果が得られる。また、上記
第1の製造方法における成形荷重低減効果、造粒粉の水
分率の効果、成形体のかさ比重の効果、真球度の効果も
同様に発揮される。
【0131】[第3の製造方法]第3の製造方法は、金
属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体溶液を調製
する工程と、前駆体溶液に平均粒径が1.0μm以下で
ある金属または金属酸化物の粒子を分散させた分散溶液
を調製する工程と、分散溶液を噴霧して液滴粒子を得る
工程と、液滴粒子を熱処理してセラミック素子の原料粉
を得る第1の熱処理工程と、第1の熱処理工程で得られ
た原料粉を第1の熱処理工程よりも高い温度で熱処理す
ることにより、原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.
0μm以下とする第2の熱処理工程と、第2の熱処理工
程で得られた原料粉を造粒、成形、焼成する工程とを有
する。
【0132】つまり、第3の製造方法は、上記第1の製
造方法に比べて、上記前駆体溶液と上記スラリー溶液を
混合させた分散溶液を用いたことが異なる。この分散溶
液は、上記前駆体溶液に上記スラリー溶液を添加した
り、上記前駆体溶液に金属または金属酸化物の粒子を添
加したり、上記スラリー溶液に金属酸化物の前駆体を溶
解させることにより調製可能である。この分散溶液の状
態にて、狙いの混合焼結体の組成比が得られるように、
出発原料が所望割合にて混合される。
【0133】第3の製造方法は、この分散溶液を用いる
以外は、第1の製造方法と同様であり、以下同様の方法
で、噴霧、第1の熱処理、第2の熱処理、造粒、成形、
焼成等を行う。それによって、組成が均一でポアが無く
抵抗値のバラツキの少ないセラミック素子1を得ること
ができる。
【0134】つまり、本第3の製造方法によっても、上
記第1の製造方法と同様の効果が得られる。また、上記
第1の製造方法における成形荷重低減効果、造粒粉の水
分率の効果、成形体のかさ比重の効果、真球度の効果も
同様に発揮される。
【0135】[第4の製造方法]第4の製造方法は、セ
ラミック原料粉として液相法より作製されたものを用
い、結合材として、重合度2000以下、けん化度45
%以上である有機質バインダを用い、セラミック原料粉
に有機質バインダを添加して混合したものを、造粒、成
形、焼成することにより、焼結体について、上記相対比
重Xが90%以上となるようにしたものである。
【0136】この第4の製造方法では、液相法により作
製されたセラミック原料粉の平均粒径には依存すること
がない。そのため、セラミック原料として液相法により
作製された平均粒径が0.1μm以上1.0μm以下の
原料粉を用いて製造されたセラミック素子という範疇か
らは、外れる場合も出てくるが、本発明の目的を達成す
るものである。
【0137】つまり、第4の製造方法では、液相法より
作製されたセラミック原料粉としては、上記の前駆体溶
液等の溶液から得られる液滴粒子に対して上記第1の熱
処理工程を行って得られる原料粉を用いても良く、ま
た、さらに上記第2の熱処理工程を行って得られる平均
粒径が0.1μm以上1.0μm以下に制御された原料
粉を用いても良い。
【0138】それにより、第4の製造方法においても、
液相法を用いることで、上述したように、セラミック原
料粉の組成のさらなる均一化をはかることができる。
【0139】そして、本製造方法では、セラミック原料
粉に対して、重合度2000以下、けん化度45%以上
である有機質バインダを添加して混合し、後は、上記の
製造方法と同様に、造粒、成形、焼成を行い、セラミッ
ク素子1を得るものである。
【0140】重合度2000以下、けん化度45%以上
である有機質バインダを結合材として用いれば、セラミ
ック原料粉の平均粒径の大きさに関わらず、造粒粉を形
成する際に、バインダが原料粉の粒子問に均一に浸透す
る。
【0141】本発明者等の検討によれば、バインダの重
合度が2000より大きいと造粒粉が固くつぶれにくく
なって、成形体内部にポアが多く発生する。また、けん
化度が45%未満であると、造粒スラリーを調製する際
に、バインダが水に溶けにくく、有機溶剤を使う必要が
出てくる。すると、造粒粉を作るためのスプレードライ
ヤ等による乾燥の際に、防爆構造の乾燥装置が必要とな
り、好ましくない。
【0142】このようなことも考慮して、重合度200
0以下、けん化度45%以上である有機質バインダを採
用すれば、液相法で作製されたセラミック原料粉にバイ
ンダを混合して造粒粉を作製した場合、その造粒紛は流
動性、崩壊性が向上し、ポアのない成形体が得られるこ
とがわかった。
【0143】その結果、セラミック原料粉同士が緊密に
結合された造粒粉となり、結果として、このような造粒
粉を用いて金型成形等により得られた成形体において
は、ポアの発生を抑制することができ、相対比重Xが9
0%以上である焼結体からなるセラミック素子を得るこ
とができる。
【0144】このように、第4の製造方法によっても、
従来法に比べて、セラミック原料の組成のさらなる均一
化をはかることができ、ポアを低減し相対比重X(X≧
90%)を向上させることで、セラミック素子の抵抗値
のバラツキを低減することができる。
【0145】この第4の製造方法において採用する有機
質バインダとしては、ポリビニルアルコール、ポリアセ
タール、ポリ酢酸ビニルアルコールから選択された少な
くとも1種を用いることができる。
【0146】[セラミック原料粉の製造装置]上記第1
から第4の製造方法の一部に用いることのできる製造装
置を、図3に示す。この製造装置は、上記した製造方法
において、前駆体溶液(またはスラリー溶液や分散溶
液)を噴霧して液滴粒子を得る工程と、液滴粒子を熱処
理してセラミック素子の原料粉を得る第1の熱処理工程
を行うために用いられる。
【0147】この製造装置は、上記溶液を噴霧して液滴
粒子を得る噴霧手段4と、液滴粒子を熱処理することに
よりセラミック素子の原料粉を得る加熱手段(熱処理手
段)5と、当該原料粉を回収する回収手段6とを備え、
噴霧手段4、加熱手段5、回収手段6の順で連結されて
構成されている。
【0148】噴霧手段4としては、上記したように、二
流体ノズル等を採用できるが、ノズルの角度を加熱手段
5に向けて任意角度に向けることができ、また任意量の
液滴を噴霧できるものが好ましい。また、液滴粒子の流
れも層流、乱流、旋回流等任意に変えることができるも
のが好ましい。
【0149】ノズル角度や噴霧量の変更により、噴霧槽
42や加熱手段5の寸法・形状等に応じて液滴粒子を送
ることができる。例えば、噴霧された液滴粒子が噴霧槽
42や加熱手段5の内壁に当たって結露したりするのを
防止できる。また、液滴粒子の流れの変更により、原料
の組成等に応じて、加熱手段5での滞留時間等を制御で
きる。
【0150】特に、液滴粒子の流れを旋回流状態で、後
段の加熱手段5に導入できるものが好ましい。液滴粒子
が旋回しながら加熱手段5中を移動していくので、液滴
粒子が加熱手段5内を通る距離を長くとることができる
ためである。
【0151】このようなことを鑑みて、図3に示す例で
は、噴霧手段4は、上記した液滴粒子を噴霧する二流体
ノズル41と、二流体ノズル41から液滴粒子が噴霧さ
れる噴霧室としての噴霧槽42とを備えている。二流体
ノズル41は、キャリアガスとして空気、窒素、酸素か
ら選択されたものを用いて、上記した前駆体溶液または
スラリー溶液や分散溶液を噴霧する。
【0152】また、連結された噴霧手段4、加熱手段
5、回収手段6は、液滴粒子または原料粉が流通する槽
を構成しているが、この槽の内部は、回収手段6に直結
した図示しないブロワーモータ等により負圧になってい
る。槽内を負圧とすることで円滑な液滴粒子の流れを生
成することができ、より安定した均一組成の原料粉(合
成原料)を得ることができるためである。
【0153】加熱手段5は、図3の例では、一端が噴霧
槽42に接続され他端が回収手段6に接続された石英製
中空管52と、この石英製中空管52の外周に配置され
た電気炉51とを備える。中空管52においては、噴霧
槽42側の端部が、液滴粒子の入口であり、回収手段側
の端部が、熱処理されたサーミスタ原料粉が出る出口で
ある。
【0154】電気炉51は、石英製中空管52の入口と
出口の間で、一定温度に制御された一つ以上の温度ゾー
ンを構成している。本例では、4つのゾーン51a、5
1b、51c、51dが構成され、液滴粒子の入口(上
流)から出口(下流)に向かって順次温度が増加するよ
うに制御可能になっている。
【0155】このような温度ゾーン51a〜51dの構
成や温度制御形態を調節することにより、出発原料の組
成の熱的挙動に応じた温度設定を行うことができるた
め、より均一組成のセラミック原料粉を合成することが
できる。
【0156】回収手段6としては、上述したように、粉
体原料であるセラミック原料粉の回収に好適なサイクロ
ン、フィルタまたは電気集じん機を備えるものにでき
る。図3に示す例では、上流側にサイクロン61、下流
側にフィルタ(バッグフィルタ)63を構成している。
なお、下流側はフィルタ63に代えて電気集じん機でも
良い。
【0157】本例の回収手段6は、比較的粒径の大きい
原料粉を多量に回収するのに好適なサイクロン61を上
流側に、比較的粒径の小さい原料粉を少量回収するのに
好適なフィルタ63または電気集じん機を下流側に設け
た構成にすることで、より微粒な粉体原料の回収に好適
な手段にできる。
【0158】ここで、本例では、サイクロン61は2台
が直列で連結して構成され、各サイクロン61の下部に
は、ステンレス製の回収ジャー62が付属しており、中
空管52から流れてくるセラミック原料粉(合成原料)
は、各々の回収ジャー62の中に蓄えられる。また、サ
イクロン61に続くフィルタ63は、サイクロン61で
取れきれない超微粉を回収する。
【0159】この製造装置は、上記した構成により、噴
霧手段4により前駆体溶液等を噴霧して液滴粒子を生成
し、これを加熱手段5により熱処理を行ってセラミック
原料粉とし、回収手段6によりセラミック原料粉を回収
するという工程を連続して行うことができる。
【0160】また、図3の製造装置では、加熱手段5は
液滴粒子の入口から出口に向かって順次温度が増加する
ように制御可能になっている。そのため、液滴粒子を熱
処理する工程では、液滴粒子の熱処理温度を徐々に増加
させることができるという利点がある。
【0161】もし、液滴粒子の熱処理温度を急激に増加
させると、液滴が破裂して、できあがったセラミック原
料粉が不定形になりやすい。そして、不定形のセラミッ
ク原料粉を用いて焼結すると、上述したように、焼結体
の内部にポアが発生しやすい。その点、液滴粒子の熱処
理温度を徐々に増加させることで、原料粉を真球化しや
すくなり好ましい。
【0162】[サーミスタ素子の特性]上記した製造方
法によって得られた本実施形態のセラミック素子1は、
(M1M2)O3とAOxが粒界を介して均一混合され
た混合焼結体(M1M2)O3・AOxとなっている。
このセラミック素子1は、室温(例えば27℃)から1
000℃程度の高温域において、温度センサSに必要な
100Ωから100KΩの低抵抗値を示し、また、抵抗
温度係数βが2000から4000(K)の範囲に調整
可能である。
【0163】本実施形態のセラミック素子1をサーミス
タ素子として組み込んだ温度センサSを100台、温度
精度を評価した。なお、温度精度の評価方法は、温度セ
ンサ100台の抵抗値温度データから、800℃におけ
る抵抗値の標準偏差σ(シグマ)を算出し、標準偏差σ
の6倍を抵抗値のバラツキ幅(両側)とし、抵抗値バラ
ツキ幅を温度換算した値を半分にした値Aとして、温度
精度±A℃と表記して評価した。
【0164】この結果、いずれも温度精度は±5℃以下
レベルであった。なお、この温度精度は、上述した自動
車排ガス触媒の前後の排気温度を検出するシステムに対
して適用可能な高精度のレベルである。
【0165】このように、本実施形態によれば、金属酸
化物を主体とするセラミック素子1を製造するにあたっ
て、セラミック原料粉の組成のさらなる均一化をはか
り、成形体のポアを無くすことができるため、セラミッ
ク素子1の抵抗値のバラツキが低減される。そして、こ
のセラミック素子1を用いた温度センサSによれば、従
来レベルよりも良好な温度精度を実現することができ
る。
【0166】次に、本実施形態について、以下の各実施
例1〜5によりさらに具体的に説明するが、本実施形態
はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、各
実施例等に記載の平均粒径は、レーザ式粒度計を用いて
計測可能である。
【0167】
【実施例】(実施例1)本例は、上記混合焼結体(M1
M2)O3・AOxにおける(M1M2)O3にY(Cr
0.5Mn0.5)O3を、AOxにY23を選定した混合焼
結体38Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23を、上
記前駆体溶液を用いた第1の製造方法によって製造する
ものである。本実施例1のセラミック素子の製造工程を
図4に示す。
【0168】まず、Y(Cr0.5Mn0.5)O3と、Y2
3の前駆体溶液を調製して出発原料とし、図3に示す製
造装置により噴霧、熱処理、回収を経て、セラミック原
料粉(合成原料)としての38Y(Cr0.5Mn0.5)O
3・62Y23を得る。
【0169】初めに、調合工程では、いずれの純度も9
9.9%以上の無機金属化合物であって硝酸塩である、
Y(NO33・6H2OとMn(NO32・6H2OとC
r(NO33・9H2Oを出発原料として用意する。
【0170】最終的にサーミスタ素子の組成が38Y
(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23となるように、出
発原料のY(NO33・6H2OとMn(NO32・6
2OとCr(NO33・9H2Oを秤量した。
【0171】さらに、焼結助剤成分のCaの原料として
上記出発原料と同様に無機金属化合物であるCa(NO
32・4H2Oを38Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y
23に対して4.5wt%となるように秤量した。
【0172】次に、クエン酸のモル数をa、上記サーミ
スタ素子の組成Y、Cr、Mnの各元素の全量をモル数
で換算した値をbとして、クエン酸濃度をb/a=4倍
等量として、クエン酸を純水に溶解し、クエン酸溶液を
得た。
【0173】続いて、上記の秤量した出発原料とCa
(NO32・4H2Oを上記クエン酸溶液に添加し、各
元素イオン(Y、Cr、Mn、Ca)とクエン酸とを反
応させて、これら金属イオンが錯体となって溶解してい
る前駆体溶液を得た(溶解・混合工程)。この38Y
(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23の前駆体溶液を用
いて、上記図3に示す製造装置によりセラミック原料粉
を得る。
【0174】本例では、噴霧手段4の二流体ノズル41
として、スプレーイングシステムズ製エアーアトマイジ
ングノズルを用い、平均粒径5〜10μmの液滴粒子と
した。二流体ノズル41のキャリアガスとしては空気を
用い、空気の圧力は約4kg/cm2とした。噴霧槽4
2は、回収手段6に直結するブロワーモータにより50
〜70mmaqの負圧で維持した。
【0175】本例の前駆体溶液をノズル41より噴霧槽
42へ噴霧し、液滴粒子を加熱手段5である石英製中空
管52へ導入した。ここで、電気炉51内の液滴粒子は
0.5m/secの流速で熱処理(熱処理1)を行った
(第1の熱処理工程)。電気炉51は4ゾーンの温度ゾ
ーンで制御し(図3参照)、上流側から第1ゾーン51
aは200℃、第2ゾーン51bは400℃、第3ゾー
ン51cは600℃、第4ゾーン51dは900℃に制
御した。
【0176】電気炉51中で、熱反応・分解した液滴粒
子は、粒子の組成が38Y(Cr0. 5Mn0.5)O3・6
2Y23と同一である合成原料としてのセラミック原料
粉となる。この原料粉を回収手段6で回収した。
【0177】回収手段6において、セラミック原料粉
は、2台のサイクロン61の回収ジャー62の中に蓄え
られ、サイクロン61で取れきれない超微粉をフィルタ
63で回収した。フィルタ63としては、耐熱性アラミ
ド繊維とテフロン(登録商標)膜でできており、200
℃の耐熱性を有するカートリッジ式フィルタ(日本バイ
リーン製VC−20R)を用いた。
【0178】ほとんどの原料粉(合成原料)はサイクロ
ン61で回収でき、フィルタ63では合成原料全体の約
0.3%程度が回収された。このフィルタ63も使用す
ることで、合成した原料粉の99.999%は回収でき
た。また、上記のフィルタ63によって、セラミック原
料粉が大気に拡散することを防止できる。
【0179】こうして回収されたセラミック原料粉(合
成原料)は、平均粒径が30nm〜50nmの微粒子で
ある。次に、ポアの無い成形体を得るために、このセラ
ミック原料粉を合成したときの温度(熱処理1の温度)
よりも高い温度で熱処理する(再熱処理、熱処理2)。
【0180】それによって、平均粒径が30nm〜50
nmの微粒子原料粉の粒成長を促進させ、粒度を調製し
てセラミック原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0
μm以下とする。
【0181】そこで、本例では、熱処理2として、平均
粒径が30nm〜50nmの微粒子原料粉を、99.7
%アルミナ・ルツボに入れ、1000℃〜1400℃で
再熱処理を行った。この結果、再熱処理後のセラミック
原料粉の平均粒径は1.2μmとなった。
【0182】次に、この平均粒径が1.2μmのセラミ
ック原料粉の粒径を均一化するため、媒体攪拌ミルを用
いてこのセラミック原料粉を粉砕した。媒体攪拌ミルと
しては、パールミル装置(アシザワ(株)製RV1V、
有効容積:1.0リットル、実容量:0.5リットル)
を用いた。このパールミル装置は、粉砕媒体として直径
0.5mmのジルコニア製ボールを使用し、攪拌槽体積
の82%をジルコニア製ボールで充填する。操作条件
は、周速12m/sec、回転数4000rpmで行
う。
【0183】なお、平均粒径が1.2μmのセラミック
原料粉に対しては、原料粒子同士の凝集を抑制するため
に分散剤を添加し、2時間の粉砕を行った。また、上記
粉砕で、バインダとしてのポリビニルアルコール(PV
A)を1重量%、さらに離型剤等を添加して同時に粉砕
した。粉砕後に得たセラミック原料スラリー(造粒スラ
リー)は、平均粒径0.6μmであった。
【0184】つまり、本例においては、上記熱処理2の
工程と、このバインダ(PVA)、分散剤、離型剤が添
加された造粒スラリーを得る粉砕工程とが、第2の熱処
理工程であり、この造粒スラリーにおいて、原料粉の平
均粒径が0.1μm以上1.0μm以下(本例では0.
6μm)となっている。
【0185】次に、このセラミック原料スラリー(造粒
スラリー)をスプレードライヤで乾燥させて造粒し、3
8Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23の造粒粉を得
た(造粒工程)。この造粒粉は、粒径30〜60μm、
かさ比重1.0の球状体であり、水分率は約1%であっ
た。そして、この造粒粉を用いて、図1に示したものと
同様の形状のセラミック素子1を製作した。
【0186】成形は金型成形法で行い、リード線11、
12は、外径φ0.3mm、長さ5mmの純白金(Pt
100)製のものとし、これをインサートした外径φ
1.89mmの金型を用いて圧力約1000kgf/c
2で成形することにより、リード線11、12が埋設
された外径φ1.9mmのセラミック素子の成形体を得
た。この成形体のかさ比重は約60%であった。
【0187】このセラミック素子の成形体を、Al23
製波型セッタに並べ、大気中1550℃で4時間焼成
し、混合焼結体38Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y2
3からなる外径φ1.6mmのセラミック素子1を得
た。得られた本例のセラミック素子1の相対比重Xは9
7.5%であった。
【0188】このセラミック素子1は、上記図2に示す
ような温度センサアッシーに組み込んで温度センサSと
した。本実施例1の温度センサ100台の温度精度を評
価した結果、上記した温度精度±A℃において、温度精
度±5℃が得られた。
【0189】このように、本例によれば、液相法を用い
て液滴粒子としてセラミック原料粉を均一組成で合成す
ることができ、合成原料(セラミック原料粉)を再熱処
理を行って粒径を制御したことにより、ポアが無くなり
相対比重が高く、内部組織に欠陥のないセラミック素子
1を得ることができた。それによって、セラミック素子
1の抵抗バラツキが低減でき、高精度な温度センサSを
提供することができた。
【0190】(実施例2)本例は、上記混合焼結体38
Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23を、上記スラリ
ー溶液を用いた第2の製造方法によって製造するもので
ある。本実施例2のセラミック素子の製造工程を図5に
示す。
【0191】まず、Y23粒子とCr23粒子とMn2
3粒子とCaCO3粒子を水に分散したスラリー溶液を
調製して出発原料とし、図3に示す製造装置により噴
霧、熱処理、回収を経て、セラミック原料粉(合成原
料)としての38Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y2
3を得る。
【0192】初めに、調合工程では、いずれの純度も9
9.9%以上の平均粒径が0.1μm以下のゾル粒子で
あるY23粒子とCr23粒子とMn23粒子とCaC
3粒子を出発原料として用意する。
【0193】最終的にセラミック素子の組成が38Y
(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23となるように、出
発原料のY23粒子とCr23粒子とMn23粒子を秤
量した。さらに、焼結助剤成分のCaの原料として上記
出発原料と同様にCaCO3粒子を38Y(Cr0.5Mn
0.5)O3・62Y23に対して4.5wt%となるよう
に秤量した。
【0194】次に、上記の秤量したY23粒子とCr2
3粒子とMnCO3粒子とCaCO3粒子を、純水に分
散してスラリー溶液を得た(撹拌・混合工程)。以下、
実施例1と同様にして、噴霧、熱処理(熱処理1)、回
収を行って、粒子の組成が38Y(Cr0.5Mn0.5)O
3・62Y23と同一である合成原料としてのセラミッ
ク原料粉を得た。
【0195】そして、このセラミック原料粉(合成原
料)に対して、上記実施例1と同様に、再熱処理(熱処
理2)を行い、セラミック原料粉(平均粒径1.2μ
m)を得た。
【0196】次いで、実施例1と同様に、この原料粉に
対して、分散剤、バインダ(1重量%のPVA)、離型
剤を添加して、媒体攪拌ミルによる粉砕を行い、実施例
1と同様に、平均粒径0.6μmの原料粉を含むセラミ
ック原料スラリー(造粒スラリー)を調製した。
【0197】次に、実施例1と同様に、乾燥・造粒、成
形、焼成を経て本実施例2のセラミック素子1を得た。
得られた本例のセラミック素子1の相対比重Xは98.
5%であった。
【0198】このセラミック素子1を組み込んだ温度セ
ンサSを製作し、実施例1と同様に、温度精度を測定し
た。その結果、本実施例2による温度センサSは、温度
精度±5℃が得られた。
【0199】このように、本例においても、液相法を用
いて液滴粒子としてセラミック原料粉を均一組成で合成
することができ、合成原料(セラミック原料粉)を再熱
処理を行って粒径を制御したことにより、ポアが無くな
り相対比重が高く、内部組織に欠陥のないセラミック素
子1を得ることができた。それによって、セラミック素
子1の抵抗バラツキが低減でき、高精度な温度センサS
を提供することができた。
【0200】(実施例3)本例は、上記混合焼結体38
Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23を、上記分散溶
液を用いた第3の製造方法によって製造するものであ
る。本実施例3のセラミック素子の製造工程を図6に示
す。
【0201】まず、Y(Cr0.5Mn0.5)O3の前駆体
溶液を調製する(調合1)とともに、平均粒径が1.0
μm以下であるCaCO3粒子が水に分散したスラリー
溶液を調製する(調合2)。
【0202】調合1の工程では、いずれの純度も99.
9%以上の無機金属化合物であって硝酸塩である、Y
(NO33・6H2OとMn(NO32・6H2OとCr
(NO 33・9H2Oを用意し、最終的にサーミスタ素
子の組成が38Y(Cr0.5Mn 0.5)O3・62Y23
となるように、これらY(NO33・6H2OとMn
(NO32・6H2OとCr(NO33・9H2Oを秤量
した。
【0203】次に、クエン酸のモル数をa、上記サーミ
スタ素子の組成Y、Cr、Mnの各元素の全量をモル数
で換算した値をbとして、クエン酸濃度をb/a=4倍
等量として、クエン酸を純水に溶解し、クエン酸溶液を
得た。
【0204】続いて、上記の秤量したY(NO33・6
2OとMn(NO32・6H2OとCr(NO33・9
2Oとを上記クエン酸溶液に添加し、各元素イオン
(Y、Cr、Mn)とクエン酸とを反応させて、これら
金属イオンが錯体となって溶解している前駆体溶液を得
た。
【0205】次に、調合2の工程では、純度99.9%
以上の平均粒径が0.1μm以下のゾル粒子であるCa
CO3粒子を用意する。そして、CaCO3粒子は、焼結
助剤成分のCaの原料として38Y(Cr0.5Mn0.5
3・62Y23に対して4.5wt%となるように秤
量し、純水に分散・混合した。こうして、CaCO3
子が分散したスラリー溶液を得た。
【0206】次に、溶解・混合工程では、上記前駆体溶
液とスラリー溶液とを均一に混合した。この混合液すな
わち分散液を用いて、以下、実施例1と同様にして、噴
霧、熱処理(熱処理1)、回収を行って、粒子の組成が
38Y(Cr0.5Mn0.5)O 3・62Y23と同一であ
る合成原料としてのセラミック原料粉を得た。
【0207】そして、このセラミック原料粉(合成原
料)に対して、上記実施例1と同様に、再熱処理(熱処
理2)を行い、粒成長したセラミック原料粉を得て、こ
の原料粉に対して、分散剤、バインダ(1重量%のPV
A)、離型剤を添加して、媒体攪拌ミルによる粉砕を行
い、実施例1と同様に、平均粒径0.6μmの原料粉を
含むセラミック原料スラリー(造粒スラリー)を調製し
た。
【0208】次に、実施例1と同様に、乾燥・造粒、成
形、焼成を経て本実施例3のセラミック素子1を得た。
得られた本例のセラミック素子1の相対比重Xは98.
0%であった。
【0209】このセラミック素子1を組み込んだ温度セ
ンサSを製作し、実施例1と同様に、温度精度を測定し
た。その結果、本実施例2による温度センサSは、温度
精度±5℃が得られた。
【0210】このように、本例においても、液相法を用
いて液滴粒子としてセラミック原料粉を均一組成で合成
することができ、合成原料(セラミック原料粉)を再熱
処理を行って粒径を制御したことにより、ポアが無くな
り相対比重が高く、内部組織に欠陥のないセラミック素
子1を得ることができた。それによって、セラミック素
子1の抵抗バラツキが低減でき、高精度な温度センサS
を提供することができた。
【0211】(実施例4)本例は、上記混合焼結体38
Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23を、上記前駆体
溶液を用いた第1の製造方法によって製造するものであ
るが、次の点が相違する。
【0212】合成原料(セラミック原料粉)を得た後
の熱処理(再熱処理)は、脱カーボンのための800〜
900℃での熱処理であり、合成原料の微粒子状態は維
持して、粒成長による粒度制御(平均粒径の制御)は実
施しない。
【0213】ポアの無い成形体を得るために、成形時
に造粒粉がつぶれやすくなるように、造粒時のバインダ
を上記実施例1で用いたポリビニルアルコール(PV
A、重合度600、けん化度96%)から、より重合度
の低いポリ酢酸ビニルアルコール(重合度200、けん
化度65%)に代えた。
【0214】本実施例4のセラミック素子の製造工程を
図7に示す。上記実施例1と同様に、調合および溶解・
混合工程にて、Y(Cr0.5Mn0.5)O3とY23の前
駆体溶液を調製して出発原料とし、図3に示す製造装置
により噴霧、熱処理(熱処理1)、回収を経て、セラミ
ック原料粉(合成原料)としての38Y(Cr0.5Mn
0.5)O3・62Y23を得る。
【0215】次いで、得られたセラミック原料粉の残留
カーボンを除去する。この残留カーボンは、後工程にお
いてバインダの原料粉粒子間への浸透を阻害するもので
あり、除去することが好ましい。そのため、セラミック
原料粉を99.7%アルミナ・ルツボに入れ、800〜
900℃で熱処理する(熱処理2、脱カーボン)。この
熱処理後の原料粉の平均粒径は80nmの微粒子であっ
た。
【0216】次に、実施例1と同様に、分散剤、バイン
ダ、離型剤を添加して媒体撹拌ミルによる混合・粉砕を
行う。このとき結合材であるバインダとして、重合度2
00、けん化度65%であるポリ酢酸ビニルアルコール
(信越化学製SMR)を用い、造粒スラリーを調製し
た。
【0217】次に、この造粒スラリーを用いて、実施例
1と同様に、乾燥・造粒、成形、焼成を経て本実施例4
のセラミック素子1を得た。得られた本例のセラミック
素子1の相対比重Xは97.5%であった。
【0218】このセラミック素子1を組み込んだ温度セ
ンサSを製作し、実施例1と同様に、温度精度を測定し
た。その結果、本実施例4による温度センサSは、温度
精度±5℃が得られた。
【0219】このように、本例では、液相法を用いて液
滴粒子としてセラミック原料粉を均一組成で合成するこ
とができ、添加する結合材として、重合度2000以
下、けん化度45%≧である有機質バインダを用いるこ
とにより、成形体にポアが無くなり、相対比重が高く内
部組織に欠陥のないセラミック素子1を得ることができ
た。それによって、セラミック素子1の抵抗バラツキが
低減でき、高精度な温度センサSを提供することができ
た。
【0220】(実施例5)本例は、上記混合焼結体38
Y(Cr0.5Mn0.5)O3・62Y23を、上記前駆体
溶液を用いた第1の製造方法によって製造するものであ
り、上記実施例4に対して、造粒時に用いるバインダ
を、実施例4で用いたポリ酢酸ビニルアルコールに代え
てポリアセタールにしたことが相違する。他は実施例4
と同じである。
【0221】実施例4と同様に、調合、溶解・混合、噴
霧、熱処理1、回収、熱処理2(脱カーボン)を行い、
この後、セラミック原料粉(合成原料)に、分散剤、バ
インダ、離型剤を添加して媒体撹拌ミルによる混合・粉
砕を行う。このとき結合材であるバインダとして、重合
度1000、けん化度70%であるポリアセタール(積
水化学製)を用い、造粒スラリーを調製した。
【0222】次に、この造粒スラリーを用いて、実施例
1と同様に、乾燥・造粒、成形、焼成を経て、上記実施
例4と同様のセラミック素子1を得た。得られた本例の
セラミック素子1の相対比重Xは97.3%であった。
【0223】このセラミック素子1を組み込んだ温度セ
ンサSを製作し、実施例1と同様に、温度精度を測定し
た。その結果、本実施例5による温度センサSは、温度
精度±5℃が得られた。
【0224】このように、本例では、液相法を用いて液
滴粒子としてセラミック原料粉を均一組成で合成するこ
とができ、添加する結合材として、重合度2000以
下、けん化度45%≧である有機質バインダを用いるこ
とにより、成形体にポアが無くなり、相対比重が高く内
部組織に欠陥のないセラミック素子1を得ることができ
た。それによって、セラミック素子1の抵抗バラツキが
低減でき、高精度な温度センサSを提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るセラミック素子の構成
図である。
【図2】図1に示すセラミック素子を組み込んだ温度セ
ンサの概略断面図である。
【図3】上記実施形態に係るセラミック原料の製造装置
の構成を模式的に示す図である。
【図4】実施例1のセラミック素子の製造工程を示す図
である。
【図5】実施例2のセラミック素子の製造工程を示す図
である。
【図6】実施例3のセラミック素子の製造工程を示す図
である。
【図7】実施例4および実施例5のセラミック素子の製
造工程を示す図である。
【符号の説明】
1…セラミック素子、2…金属ケース、3…金属パイ
プ、11、12…リード線、13…素子部、31、32
…金属パイプのリード線、33…マグネシア粉体、4…
噴霧手段、5…加熱手段、6…回収手段。
フロントページの続き (72)発明者 葛岡 馨 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 頼永 宗男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 Fターム(参考) 2F056 QF01 4G030 AA08 AA11 AA12 AA22 AA25 AA37 BA02 CA01 GA04 GA05 GA08 GA11 GA14 GA22 GA25 GA27 5E034 BA09 DE07 ED04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物からなるセラミック原料を焼
    成することにより形成された焼結体からなるセラミック
    素子を製造する方法において、 前記セラミック原料として液相法により作製された平均
    粒径が0.1μm以上1.0μm以下の原料粉を用い、
    この原料粉を造粒、成形、焼成することにより、 前記焼結体について、次の数式1に示す焼成比重と理論
    比重とで定義される相対比重Xが、 【数1】 相対比重X=(焼成比重/理論比重)×100(%) 90%以上となるようにしたことを特徴とするセラミッ
    ク素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属酸化物からなるセラミック原料を焼
    成することにより形成された焼結体からなるセラミック
    素子を製造する方法において、 前記金属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体溶液
    を調製する工程と、 前記前駆体溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、 前記液滴粒子を熱処理して前記セラミック素子の原料粉
    を得る第1の熱処理工程と、 前記第1の熱処理工程で得られた前記原料粉を前記第1
    の熱処理工程よりも高い温度で熱処理することにより、
    前記原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下
    とする第2の熱処理工程と、 前記第2の熱処理工程で得られた前記原料粉を造粒、成
    形、焼成する工程とを有することを特徴とするセラミッ
    ク素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属酸化物からなるセラミック原料を焼
    成することにより形成された焼結体からなるセラミック
    素子を製造する方法において、 平均粒径が1.0μm以下である金属または金属酸化物
    の粒子が分散したスラリー溶液を調製する工程と、 前記スラリー溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、 前記液滴粒子を熱処理して前記セラミック素子の原料粉
    を得る第1の熱処理工程と、 前記第1の熱処理工程で得られた前記原料粉を前記第1
    の熱処理工程よりも高い温度で熱処理することにより、
    前記原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下
    とする第2の熱処理工程と、 前記第2の熱処理工程で得られた前記原料粉を造粒、成
    形、焼成する工程とを有することを特徴とするセラミッ
    ク素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属酸化物からなるセラミック原料を焼
    成することにより形成された焼結体からなるセラミック
    素子を製造する方法において、 前記金属酸化物の前駆体を液相中に混合して前駆体溶液
    を調製する工程と、 前記前駆体溶液に平均粒径が1.0μm以下である金属
    または金属酸化物の粒子を分散させた分散溶液を調製す
    る工程と、 前記分散溶液を噴霧して液滴粒子を得る工程と、 前記液滴粒子を熱処理して前記セラミック素子の原料粉
    を得る第1の熱処理工程と、 前記第1の熱処理工程で得られた前記原料粉を前記第1
    の熱処理工程よりも高い温度で熱処理することにより、
    前記原料粉の平均粒径を0.1μm以上1.0μm以下
    とする第2の熱処理工程と、 前記第2の熱処理工程で得られた前記原料粉を造粒、成
    形、焼成する工程とを有することを特徴とするセラミッ
    ク素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原料粉を造粒した後に得られる造粒
    粉の水分率を3%以下とすることを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか一つに記載のセラミック素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記原料粉を造粒、成形した後に得られ
    る成形体のかさ比重を50%以上とすることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか一つに記載のセラミック
    素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記平均粒径が0.1μm以上1.0μ
    m以下の原料粉を用いて造粒スラリーを調製するとき
    に、当該原料粉を粉砕操作により球形化することによ
    り、 当該原料粉を、次の数式2に示す粉体の最大粒径Rma
    xと最小粒径Rminの比で定義する真球度Yが、 【数2】Y=(Rmin/Rmax)×100(%) 80%以上である粉体よりなるものとすることを特徴と
    する請求項1ないし6のいずれか一つに記載のセラミッ
    ク素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属酸化物からなるセラミック原料粉に
    前記セラミック原料粉を造粒するための結合材を混合し
    たものを焼成することにより形成された焼結体からなる
    セラミック素子を製造する方法において、 前記セラミック原料粉として液相法より作製されたもの
    を用い、前記結合材として、重合度2000以下、けん
    化度45%以上である有機質バインダを用い、前記セラ
    ミック原料粉に前記有機質バインダを添加して混合した
    ものを、造粒、成形、焼成することにより、 前記焼結体について、次の数式3に示す焼成比重と理論
    比重とで定義される相対比重Xが、 【数3】 相対比重X=(焼成比重/理論比重)×100(%) 90%以上となるようにしたことを特徴とするセラミッ
    ク素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記有機質バインダとして、ポリビニル
    アルコール、ポリアセタール、ポリ酢酸ビニルアルコー
    ルから選択された少なくとも1種を用いることを特徴と
    する請求項8に記載のセラミック素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記セラミック素子が、(M1M2)
    3で表わす複合酸化物とAOxで表わす金属酸化物と
    の混合焼結体(M1M2)O3・AOxからなるサーミ
    スタ素子であり、 前記複合酸化物(M1M2)O3において、M1が元素
    周期律表第2A族及びLaを除く第3A族の元素から選
    択される少なくとも1種以上の元素であるとともに、M
    2が元素周期律表第3B族、第4A族、第5A族、第6
    A族、第7A族及び第8族の元素から選択される少なく
    とも1種以上の元素であり、 前記金属酸化物AOxが、1400℃以上の融点を有
    し、かつ、サーミスタ素子形状におけるAOx単体の1
    000℃での抵抗値が1000Ω以上の金属酸化物であ
    ることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに
    記載のセラミック素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記混合焼結体(M1M2)O3・A
    Oxにおける前記複合酸化物(M1M2)O3のモル分
    率をa、前記金属酸化物AOxのモル分率をbとした時
    に、aおよびbが、0.05≦a<1.0、0<b≦
    0.95、a+b=1の関係を満足することを特徴とす
    る請求項10に記載のセラミック素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記複合酸化物(M1M2)O3にお
    けるM1が、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ce、P
    r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
    r、YbおよびScから選択する1種以上の元素であ
    り、M2が、Al、Ga、Ti、Zr、Hf、V、N
    b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、
    Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt
    から選択される1種以上の元素であることを特徴とする
    請求項10または11に記載のセラミック素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記金属酸化物AOxにおける金属A
    が、B、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、Cr、
    Mn、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、Sr、Y、Z
    r、Nb、Sn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、G
    d、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf
    およびTaから選択される1種以上の元素であることを
    特徴とする請求項10ないし12のいずれか一つに記載
    のセラミック素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金属酸化物AOxは、B23、M
    gO、Al23、SiO2、Sc23、TiO2、Cr2
    3、MnO、Mn23、Fe23、Fe34、Ni
    O、ZnO、Ga23、Y23、ZrO2、Nb25
    SnO2、CeO2、Pr23、Nd23、Sm23、E
    2O、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、E
    23、Tm23、Yb23、Lu23、HfO2、T
    25、2MgO・SiO2、MgSiO3、MgCr2
    4、MgAl24、CaSiO3、YAlO3、Y3Al
    512、Y2SiO5、3Al2O・2SiO2から選択さ
    れる1種以上の金属酸化物であることを特徴とする請求
    項10ないし13のいずれか一つに記載のセラミック素
    子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記M1はY、前記M2はCrとMn
    であり、前記金属酸化物AOxはY23であることを特
    徴とする請求項10または11に記載のセラミック素子
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記混合焼結体(M1M2)O3・A
    Oxは、焼結助剤としてCaO、CaCO3、SiO2
    びCaSiO3のうち少なくとも1種を含有するもので
    あることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか
    一つに記載のセラミック素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれか一つに
    記載の製造方法によって製造されたセラミック素子をサ
    ーミスタ素子として備えることを特徴とする温度セン
    サ。
JP2001311723A 2001-08-27 2001-10-09 セラミック素子の製造方法 Pending JP2003119080A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001311723A JP2003119080A (ja) 2001-10-09 2001-10-09 セラミック素子の製造方法
DE10239058A DE10239058A1 (de) 2001-08-27 2002-08-26 Verfahren zur Herstellung eines Heißleiterelements und Herstellungsgerät zur Herstellung von Rohmaterial für ein Heißleiterelement
FR0210644A FR2830669A1 (fr) 2001-08-27 2002-08-27 Procede de production d'une thermistance et appareil de production de matieres premieres pour thermistance
US10/227,805 US6824713B2 (en) 2001-08-27 2002-08-27 Method of producing thermistor element and production apparatus for production apparatus for producing raw materials for thermistor element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001311723A JP2003119080A (ja) 2001-10-09 2001-10-09 セラミック素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003119080A true JP2003119080A (ja) 2003-04-23

Family

ID=19130495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001311723A Pending JP2003119080A (ja) 2001-08-27 2001-10-09 セラミック素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003119080A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179537A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Tokyo Univ Of Science 酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法
JP2012522720A (ja) * 2009-04-06 2012-09-27 セルポテック エイエス 方法
KR101539507B1 (ko) * 2013-12-09 2015-07-30 목포대학교산학협력단 YAG:Ce 형광체 분말의 제조방법
JP2015201440A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 Dowaエレクトロニクス株式会社 燃料電池空気電極用複合酸化物粉末とその製造方法、燃料電池空気電極並びに燃料電池
WO2018105699A1 (ja) 2016-12-07 2018-06-14 Jfeミネラル株式会社 高強度で熱伝導率の低い酸化亜鉛焼結体作製用酸化亜鉛粉末
CN112390644A (zh) * 2020-11-23 2021-02-23 中国振华集团云科电子有限公司 一种改善mct陶瓷一次球磨混料质量的方法
US11370712B2 (en) 2016-12-07 2022-06-28 KOA Corporoation Zinc oxide varistor and method for manufacturing same
US11370671B2 (en) 2018-06-06 2022-06-28 Koa Corporation Zinc oxide varistor

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009179537A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Tokyo Univ Of Science 酸化イットリウム焼結体及び当該焼結体の製造方法
JP2012522720A (ja) * 2009-04-06 2012-09-27 セルポテック エイエス 方法
KR101539507B1 (ko) * 2013-12-09 2015-07-30 목포대학교산학협력단 YAG:Ce 형광체 분말의 제조방법
JP2015201440A (ja) * 2014-03-31 2015-11-12 Dowaエレクトロニクス株式会社 燃料電池空気電極用複合酸化物粉末とその製造方法、燃料電池空気電極並びに燃料電池
WO2018105699A1 (ja) 2016-12-07 2018-06-14 Jfeミネラル株式会社 高強度で熱伝導率の低い酸化亜鉛焼結体作製用酸化亜鉛粉末
KR20190078621A (ko) 2016-12-07 2019-07-04 제이에프이미네라르 가부시키가이샤 고강도이며 열전도율이 낮은 산화 아연 소결체 제작용 산화 아연 분말
US11370712B2 (en) 2016-12-07 2022-06-28 KOA Corporoation Zinc oxide varistor and method for manufacturing same
US11370671B2 (en) 2018-06-06 2022-06-28 Koa Corporation Zinc oxide varistor
CN112390644A (zh) * 2020-11-23 2021-02-23 中国振华集团云科电子有限公司 一种改善mct陶瓷一次球磨混料质量的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5495545B2 (ja) 多孔質セラミック部材およびその製法ならびにフィルタ
US7056453B2 (en) Thermistor device, thermistor device manufacturing method and temperature sensor
WO2009119748A1 (ja) 多孔質セラミック部材およびその製法ならびにフィルタ
CN109173748A (zh) 一种粉煤灰陶瓷膜的制备方法
CN111818998B (zh) 有机物分解用催化剂以及有机物分解装置
US6878304B2 (en) Reduction resistant thermistor, method of production thereof, and temperature sensor
CN103582619B (zh) 包含二氧化硅的形成陶瓷体的批料,使用其的方法及其制得的陶瓷体
US6663794B2 (en) Reducing-atmosphere-resistant thermistor element, production method thereof and temperature sensor
JP2003119080A (ja) セラミック素子の製造方法
JP5580722B2 (ja) 排ガス浄化用触媒およびその製法
EP1137016A1 (en) Thermistor device
JP2001143907A (ja) サーミスタ素子
JP2003183075A (ja) 導電性酸化物焼結体
JPH0343213B2 (ja)
US6824713B2 (en) Method of producing thermistor element and production apparatus for production apparatus for producing raw materials for thermistor element
JP3362651B2 (ja) サーミスタ素子およびその製造方法
JP3362659B2 (ja) サーミスタ素子およびその製造方法
EP0866472A2 (en) Wide-range type thermistor element and method of producing the same
KR101921358B1 (ko) 멀라이트 물체 및 멀라이트 물체의 제조 방법
WO2013146594A1 (ja) セラミックフィルタ
JP2010025603A (ja) 複合温度センサ素子、及びその製造方法
JP2003068507A (ja) サーミスタ素子の製造方法およびサーミスタ素子原料の製造装置
JP3331447B2 (ja) サーミスタ用磁器組成物の製造方法
JP2001122675A (ja) ジルコン酸カルシウム/マグネシア系複合多孔体およびその製造方法
JPH118103A (ja) ワイドレンジ型サーミスタ素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070626