JP2020001703A - ロール材包装物 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、ロール材におけるシート状物の衛生性を保ち汚れの付着や破損の発生を防止するため(特に、シート状物が、貼付薬用基材やフェイシャルマスク用基材あるいはマスク用基材などの衛生材を構成する材料である場合)、ロール材は包装紙や袋などの包装材料で包装されてなるロール材包装物の状態で、保管あるいは搬送されることがある。
このようなロール材包装物として、例えば特許文献1には、単層又は積層の包装材料でロール材を包装した後、その包装材料の端部を紐などの結束材で縛り筒状コアの内側に押し込むことで調製された、木箱に宙吊りして保持のする方式のロール材包装物が開示されている。
工場内を衛生的に保つため、工場内に虫や人毛などの生物由来物および/または塵埃といった異物が入り込まないよう注意が払われている。
しかし、特許文献1に開示されているロール材包装物の表面に異物が付着した場合、異物を除去するためロール材包装物から異物が付着している最外層の包装材料を取り外そうとしても、包装材料は積層状態のまま各包装材料の各端部がひとまとめにされ結束材で縛られており、結束材を取り外すとロール材が包装材料の外部へ露出することになる。つまり、ロール材を包装材料の外部へ露出させることなく、異物が付着している最外層の包装材料だけを取り除くことができないという問題を有していた。
そのため、シート状物の衛生性を保ち汚れの付着や破損の発生を防止すると共に、工場内へ異物が入り込むのを防止することは容易ではなかった。
「筒状コアにシート状物が巻き付けられてなるロール材と、前記ロール材を包装している第一包装材料、および、第二包装材料を備える、ロール材包装物であって、
前記ロール材が前記第一包装材料の外部へ露出することがないよう、前記第一包装材料の端部は閉塞されていると共に、前記閉塞されている前記第一包装材料の端部が前記筒状コアの内部に挿入されることで、前記ロール材は前記第一包装材料により包装されており、
前記第二包装材料は、前記第一包装材料により包装された前記ロール材を包装していると共に、前記第二包装材料の端部は前記第一包装材と共に閉塞されることなく前記第一包装材料を間に介して前記筒状コアの内部に挿入されている、
ロール材包装物。」
である。
検討の結果、更にロール材包装物が以下の構成を備えているときに、上述した課題を解決し得ることを見出した。
そして、第二包装材料の端部は第一包装材と共に閉塞されることなく第一包装材料を間に介して筒状コアの内部に挿入されている。そのため、第一梱包材料の端部の閉塞を開放することなく、ロール材包装物から第二包装材料を取り外すことができる。
その結果、工場内へロール材包装物を運び入れる直前に、工場外でロール材包装物から第二包装材料を容易に取り外し、第一包装材料により包装されたロール材を工場内へ運び入れることができる。このとき、ロール材は包装材料の外部へ露出することがない。
そのため、本発明に係るロール材包装物によって、シート状物の衛生性を保ち汚れの付着や破損の発生を防止すると共に、工場内へ異物が入り込むのを防止して、第一包装材料により包装されたロール材(衛生性を保ち汚れの付着や破損の発生が防止されたシート状物)を工場内へ運び入れることができる。
本発明にかかるロール状包装物(101)について、主として図2〜図10を用いて説明する。
また、ロール材包装物(101)が横積み可能であるとは、複数のロール材包装物(101)を横積みした状態のまま該状態が崩れるのを防止して、安定した状態で保管および搬送できることを意味する。
シート状物(10)の長辺方向の長さは横積み可能なロール材包装物(101)を提供できるよう適宜調整するのが好ましいが、特に、安定した状態で横積みがなされ保管および搬送が容易に行えるロール材包装物(101)を提供できるよう、後述する横積み可能な形状を有するロール材(30)を調製可能な長辺方向の長さを有するシート状物(10)であるのが好ましい。
また、シート状物(10)の長辺方向と垂直をなす方向の長さ(以降、幅方向と称することがある)は適宜調整できるが、後述するように横積み可能なロール材包装物(101)を提供できるよう、筒状コア(20)における軸方向の長さとシート状物(10)における幅方向の長さの差は、40mm以下であるのが好ましく、より20mm以下であるのが好ましく、10mm以下であるのがより好ましく、0mm〜5mmであるのが最も好ましい。
筒状コア(20)の外部直径および内部直径(中空部分の直径)は、巻き付けられたシート状物(10)を保持できるよう適宜選択するものであり、例えば、外部直径は74mm〜150mmであることができ、内部直径は54mm〜146mmであることができ、筒状コア(20)の厚さは2mm〜10mmであることができる。
筒状コア(20)の軸方向の長さは、巻き付けるシート状物(10)の幅の長さをふまえロール材包装物(101)を横積み可能とする長さとなるよう調整するのが好ましい。
筒状コア(20)の材質は、巻き付けられたシート状物(10)を保持できるよう適宜選択するものであり、例えば、紙製、樹脂製、金属製などの材料からなることができる。シート状物(10)が電気化学素子用セパレータなどの金属異物の付着を望まないものである場合、筒状コア(20)は紙製または樹脂製の材料からなることが好ましい。
そして、ロール材(30)の端面から筒状コア(20)の端部がロール材(30)内部へ埋没していない形状であるのが好ましい。
第一包装材料(40)の種類は一般的に物品の包装に使用可能なものの内から適宜選択できるが、例えば、紙、フィルム(多孔フィルムあるいは無孔フィルム)、発泡シート、布帛(例えば、繊維ウエブや不織布、あるいは、織物や編み物など)などで構成してなる平膜状シート、円筒状シート、袋であることができる。また、その素材の種類も適宜選択できるが、例えば、紙製、有機樹脂製(例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂など)であることができる。
第一包装材料(40)の厚さは、ロール材(30)を包装できると共に、第一包装材料(40)の端部を閉塞して筒状コアの内部(21)に挿入可能である端部を形成できるように適宜選択する。具体的には、5μm〜120μmの厚さであることができる。また、第一包装材料(40)の大きさは、ロール材(30)が第一包装材料(40)の外部へ露出することがないようにロール材(30)を包装できると共に、第一包装材料(40)の端部を閉塞して筒状コアの内部(21)に挿入可能である端部を形成できる大きさのものを選択する。
第一包装材料(40)として袋を用いる。そして、袋の内部にロール材(30)を納めた後、袋の余った部分(袋におけるロール材(30)の端面周縁と接触している部分から袋の口までの部分)をロール材(30)の端面に沿わせながら、端面の中心部分でまとめしぼる。このとき、袋の余った部分はねじられ、まとめしぼられていても良いが、袋の余った部分における端面の中心部分はねじられることなく、袋の口部分がまとめしぼられている方が、後述する空間(42)を形成し易いため好ましい。袋のまとめしぼった部分を、一度折り返した状態で結束する。この時、ロール材(30)の端面の中心部分から袋の結束した部分までの長さを、後述の工程において第二包装材料の端部(図3の51)を挿入できる大きさと深さを有する空間(42)を形成できる長さにする。
第二包装材料(50)の種類や素材は適宜選択するが、第一包装材料(40)の説明において挙げたものを採用できる。なお、第二包装材料(50)として、第一包装材料(40)と同一の包装材を採用してもよい。
第二包装材料(50)の厚さは、第一包装材料により包装されたロール材(100)を包装できると共に、第二包装材料(50)の端部を第一包装材料(40)を間に介して筒状コアの内部(21)に挿入できるように適宜選択する。具体的には、5μm〜120μmの厚さであることができる。また、第二包装材料(50)の大きさは、第一包装材料により包装されたロール材(100)を包装できると共に、第二包装材料の端部(51)を第一包装材料(40)を間に介して筒状コアの内部(21)に挿入できるように適宜選択する。
具体的には、ロール材包装物(101)の側面から見た際のロール材包装物(101)における軸方向の長さが、ロール材包装物(101)の端面における直径の長さよりも短い外形を有するのが好ましい。
また、ロール材包装物(101)における端面の中心から筒状コア(20)の外周までの最短距離の長さよりも、筒状コア(20)の外周からロール材包装物(101)の外周までの最短距離の長さの方が長いロール材包装物(101)であるのが好ましい。
なお、ロール材包装物(101)の端面から筒状コア(20)由来の突出部分が存在している場合、筒状コア(20)由来の突出部分における筒状コア(20)の軸方向の長さの合計が40mm以下であると共に、各端面からのとび出しが20mm以下であるのが好ましく、15mm以下であるのがより好ましく、10mm以下であるのがより好ましく、各端面からのとび出しが5mm以下であるのがより好ましい。更に、ロール材包装物(101)における両方の端面から筒状コア(20)由来の突出部分が突出してる形状よりも、一方の端面のみから筒状コア(20)由来の突出部分が突出してる形状であるのが好ましく、両方の端面から筒状コア(20)由来の突出部分が突出していない形状であるのが最も好ましい。
(ロール材の調製方法)
筒状コアとして、円筒状の紙管(断面形状:円形、直径:87mm、中空部分の直径:77mm、紙管の厚さ:5mm、軸方向の長さ320mm)を用意した。
シート状物として、生産方向に連続的な長さを有する不織布(生産方向の長さ:500m、生産方向と直交する幅方向の長さ:315mm、厚さ:0.80mm、目付:105g/m2)を用意した。
筒状コアに不織布を巻き付けることで、図5(a)および(b)に写るロール材を調製した。このようにして調製したロール材の外形は、ロール材の端面における直径が650mm、ロール材の側面から見た際の紙管の軸方向の長さが320mmであった。なお、ロール材の一方の端面(図5(a)に写る端面)から紙管が5mm突出しており、ロール材のもう一方の端面(図5(b)に写る端面)からは紙管は突出していなかった。
第一包装材料としてポリエチレン樹脂製の袋(袋を構成するフィルムの厚さ:45μm、平面状に袋を置いた際の形状:短辺1030mm、長辺1200mmの矩形、非通気性、以降、内袋と称する)を用意した。
内袋の口を開き、内袋の口側にロール材における紙管が突出している側の端面が向くように配置し、ロール材を内袋の内部に納めた。そして、内袋の余った部分(内袋におけるロール材の端面周縁と接触している部分から内袋の口までの部分)をロール材の端面に沿わせながら、端面の中心部分で手を用いてまとめしぼった。そして、まとめしぼった内袋の余った部分における端部(内袋の口部分)を、一度折り返した状態で粘着テープを用いて結束することで閉塞した。このとき、内袋により包装されたロール材における端面の中心部分から、内袋の結束されている部分までの長さは、110mmであった。
内袋の余った部分から手を離し、このようにして、図6に写る内袋により包装されたロール材を調製した。なお、内袋により包装されたロール材の一方の端面側のみに、閉塞されている内袋の端部を形成した。
その後、内袋により包装されているロール材を側面から見た際に、閉塞されている内袋の端部が見えない状態となるまで、閉塞されている内袋の端部を紙管の内部に挿入することで、図7に写る内袋により包装されたロール材を調製した。このとき、紙管の内部に挿入されている、内袋および閉塞されている内袋の端部により形成された空間(直径:75mm、深さ:60mm)を、紙管の内部に形成した。
また、内袋により包装されているロール材におけるもう一方の端面側では、余った内袋を粘着テープを×文字状に貼付してもう一方の端面上に固定した。
第二包装材料としてポリエチレン樹脂製の袋(袋を構成するフィルムの厚さ:70μm、平面状に袋を置いた際の形状:短辺1100mm、長辺1200mmの矩形、非通気性、以降、外袋と称する)を用意した。
外袋の口を開き、外袋の口側に内袋により包装されたロール材における紙管由来の突出部分を備えた側の端面が向くように配置し、内袋により包装されたロール材を外袋の内部に納めた(図8)。
その後、外袋の余った部分(外袋における内袋により包装されたロール材の端面周縁と接触している部分から外袋の口までの部分)を結束することなくまとめた状態にしてその端部を二つ折りにし、内袋を間に介して紙管の内部(紙管の内部に挿入されている内袋および閉塞されている内袋の端部により形成された空間)へ挿入した(図9)。
その後、ロール材包装物において挿入した外袋の端部上を覆うように粘着テープを×文字状に貼付して、図10に写るロール材包装物を調製した。
また、ロール材包装物におけるもう一方の端面側では、余った外袋を粘着テープを―文字状に貼付してもう一方の端面上に固定した。
また、このようにして調製したロール材包装物を2つ用意した。そして、2つのロール材包装物の端面同士を互いに向かい合わせた状態で接触させて、2つのロール材包装物を重力方向と反対方向に並べて横積みすることを試みた。なお、各ロール材包装物における紙管由来の突出部分が存在している端面の向きを重力方向と反対方向に揃えて、横積みした。
その結果、図4に写る通り、本発明にかかるロール材包装物は横積みできるものであった。更に、安定した状態で横積みがなされ保管および搬送が容易に行えるロール材包装物であった。
20・・・筒状コア
21・・・筒状コアの内部
30・・・ロール材
40・・・第一包装材料
41・・・閉塞されている第一包装材料の端部
42・・・筒状コアの内部に挿入されている、第一包装材料および閉塞されている第一包装材料の端部により形成された空間
50・・・第二包装材料
51・・・第二包装材料の端部
60・・・結束材
100・・・第一包装材料により包装されたロール材
101・・・ロール材包装物
Claims (1)
- 筒状コアにシート状物が巻き付けられてなるロール材と、前記ロール材を包装している第一包装材料、および、第二包装材料を備える、ロール材包装物であって、
前記ロール材が前記第一包装材料の外部へ露出することがないよう、前記第一包装材料の端部は閉塞されていると共に、前記閉塞されている前記第一包装材料の端部が前記筒状コアの内部に挿入されることで、前記ロール材は前記第一包装材料により包装されており、
前記第二包装材料は、前記第一包装材料により包装された前記ロール材を包装していると共に、前記第二包装材料の端部は前記第一包装材と共に閉塞されることなく前記第一包装材料を間に介して前記筒状コアの内部に挿入されている、
ロール材包装物。
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