JP2020001144A - 工具交換装置のグリップアームと工作機械 - Google Patents

工具交換装置のグリップアームと工作機械 Download PDF

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Abstract

【課題】支持ピンが工具ホルダの溝部に繰り返し摺動しても、工具ホルダを正常に把持できる工具交換装置のグリップアームと工作機械を提供する。【解決手段】工具交換装置のグリップアームは一端に把持部を有する。把持部は二股部、右側支持機構、左側支持機構等を備える。右側支持機構と左側支持機構は二股部の一対の端部に設け、夫々筒状体を有する。筒状体は内側に支持ピン90を開口から進退可能に支持する。工具ホルダが二股部の内側に進入すると、工具ホルダの溝部の内面は支持ピン90の主テーパ面94と摺動する。溝部の内面は支持ピン90を筒状体の内側に押し込む。工具ホルダの溝部が二股部の内側に係止すると、把持部は工具ホルダの把持を完了する。主テーパ面94はDLC被膜で保護する。故に主テーパ面94が工具ホルダの溝部の内面に繰り返し摺動しても把持部は工具ホルダを正常に把持できる。【選択図】図8

Description

本発明は、工具交換装置のグリップアームと工作機械に関する。
特許文献1が開示する工作機械は工具交換装置を備える。工具交換装置は工作機械の主軸に装着する工具を他の工具と交換する。工具交換装置は工具マガジンを備える。工具マガジンはマガジン本体とグリップアームを備える。マガジン本体は回転可能に設ける。グリップアームは、マガジン本体の外周に複数且つ放射状に設ける。グリップアームは主軸に向けた一端部に把持部を備える。把持部は工具ホルダを把持可能である。把持部は工具ホルダを内側に係合させる二股部と、該二股部の一対の先端部に夫々設けた一対の支持機構を備える。支持機構は筒状体に設けた開口部から二股部の内側に向けて進退する支持ピンを備える。筒状体は内部に圧縮コイルバネを収容し、圧縮コイルバネは該支持ピンを筒状体外部へ付勢する。工具ホルダは外周面に周方向に延びるテーパ状の溝部を備える。工具交換時、二股部の内側に対して外側から工具ホルダが進入すると、支持ピンは、工具ホルダの溝部の内面に押されて摺動し、二股部の内側に係合した工具ホルダを把持する。
特開2015−208813号公報
工作機械が工具交換を繰り返し実行すると、支持ピンと工具ホルダの溝部は繰り返し摺動する。支持ピンと該溝部の夫々の表面は共に摩耗して粗くなり、摺動抵抗は大きくなる。故にグリップアームの二股部に過剰な負荷がかかるので、グリップアームは損傷する可能性があった。
本発明の目的は、支持ピンが工具ホルダの溝部に繰り返し摺動しても、工具ホルダを正常に把持できる工具交換装置のグリップアームと工作機械を提供することである。
請求項1に係る工具交換装置のグリップアームは、工作機械の主軸に装着する工具ホルダを把持する把持部を一端に有し、前記把持部が、前記主軸に近接する近接位置と、前記主軸から離間する退避位置との間を往復移動する工具交換装置のグリップアームにおいて、前記把持部は、前記工具ホルダを内側に係合させる二股部と、前記二股部の一対の端部に夫々設け、前記二股部の内側に向けて円柱状の支持ピンを進退可能に支持する支持機構とを備え、前記支持機構は、筒状に形成し、且つ中心軸線が同一軸線上となる位置に配置し、互いに対向する側の端部の開口部から前記支持ピンを進退可能に支持する筒状体と、前記筒状体の内側に収納し、前記支持ピンを前記開口部に向けて付勢する弾性体とを備え、前記支持ピンは、円柱状の本体部と、前記本体部における前記二股部の内側に対向する側の一端部に設け、当該一端部から前記二股部の内側に向かう方向に従って縮径するテーパ面を有し、前記二股部の内側に向けて前記工具ホルダが進入するときに、前記工具ホルダの外周面に形成し、該外周面から径方向内側に向かって溝幅が狭くなる溝部に対し、前記テーパ面を摺動しながら係合可能な先端部とを備え、前記支持ピンにおける少なくとも前記テーパ面がDLC被膜を有することを特徴とする。グリップアームは二股部の一対の端部に支持機構を夫々設ける。支持機構は筒状体を有し、筒状体は開口部から支持ピンを進退可能に支持する。弾性体は支持ピンを開口部に向けて付勢する。工具交換の際、工具ホルダは、グリップアームの二股部の内側に進入する。支持ピンの先端部のテーパ面は、工具ホルダの溝部に押し当てられて摺動する。工具ホルダは、支持ピンを外方に押し退け、二股部の内側に係合する。支持ピンの先端部のテーパ面はDLC被膜を有する。DLC被膜は支持ピンのテーパ面を保護するので、工具ホルダの溝部が該テーパ面に繰り返し摺動しても、該テーパ面が摩耗するのを軽減できる。仮に該テーパ面が削れて摩耗すると、該溝部に対する該テーパ面の摺動抵抗は増加することから、該溝部も摩耗してしまう。本態様の支持ピンのテーパ面はDLC被膜で保護するので、工具ホルダの溝部の摩耗も軽減できる。グリップアームは、該溝部に対する該テーパ面の摺動抵抗の増加を軽減できるので、二股部にかかる負荷を軽減できる。故にグリップアームは、二股部の損傷を防止できるので、把持部において工具ホルダを正常に把持できる。尚、本態様の工具ホルダは、工具と工具ホルダが一体となった工具の場合、その工具ホルダの部分を意味するものとする。
請求項2に係る発明の工具交換装置のグリップアームによれば、前記先端部は円錐状に形成し、前記テーパ面は、径方向外側に膨らむ丸みを帯びているのがよい。支持ピンの先端部は円錐状で、テーパ面は径方向外側に膨らむ丸みを帯びているので、グリップアームは、工具ホルダの溝部に対する該テーパ面の接触面圧を低下できる。故に支持ピンと該溝部が互いに繰り返し摺動しても、該テーパ面と該溝部に生じる摩耗を更に軽減できる。
請求項3に係る発明の工作機械は、請求項1又は2の何れかに記載の工具交換装置のグリップアームを備えたことを特徴とする。故に工作機械は請求項1又は2に記載の効果を得ることができる。
工作機械1の斜視図。 工具交換装置20の右側面図。 工具4及び工具ホルダ101の正面図。 グリップアーム30の斜視図。 グリップアーム30の左側面図。 図5に示すI‐I線矢視方向断面図。 図6に示す左側支持機構46周囲の部分拡大図。 支持ピン90の斜視図。 支持ピン90の側面図。 工具ホルダ101が二股部41の内側に進入し、最初に支持ピン90と溝部103が当接した状態の平面図。 工具ホルダ101が二股部41の内側に進入し、圧縮コイルバネが最も縮んだ状態の平面図。 工具ホルダ101が二股部41の内側に進入し、溝部103が係合リブ42に係止した状態の平面図。 図11に示すII‐II線矢視方向断面図。 支持ピン90の摺動領域Q1を示す図 支持ピン190の摺動領域Q2を示す図 DLC被膜の有無によるグリップアーム耐久試験の結果を示す図表。
本発明の実施形態を説明する。以下説明は図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、及び上下方向は、夫々、工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。工具交換装置20の向きもこれに倣う。図1に示す如く、工具交換装置20は工作機械1に設置して使用する。
図1を参照し、工作機械1の構造を説明する。工作機械1は、基台2、機械本体3、テーブル10、工具交換装置20等を備える。基台2は鉄製の略直方体状の土台である。機械本体3 は基台2上部後方に設け、テーブル10上面に保持したワーク(図示略)を切削する。テーブル10は基台2上部中央に設け、X軸モータ(図示略)、Y軸モータ(図示略)、ガイド機構(図示略)により、X軸方向とY軸方向に移動可能である。工具交換装置20は機械本体3上部に設けたフレーム8に固定し、機械本体3の主軸9に装着した工具4を他の工具と交換する。
図1、図2を参照し機械本体3の構造を説明する。機械本体3は、コラム5、主軸ヘッド7、主軸9、制御箱6等を備える。コラム5は基台2上部後方に立設する。主軸ヘッド7はコラム5前面に沿ってZ軸方向に昇降可能であり、内部に主軸9を回転可能に支持する(図2参照)。主軸9は下端部に設けたテーパ穴18に工具ホルダ101を装着する。主軸9は主軸ヘッド7上部に設けた主軸モータ15の駆動で高速回転する。制御箱6は数値制御装置(図示略)を格納する。数値制御装置は工作機械1の動作を制御する。
図2に示す如く、Z軸移動機構は一対のZ軸リニアガイド(図示略)、Z軸ボール螺子26、Z軸モータ(図示略)を備える。Z軸リニアガイドはZ軸方向に延び且つ主軸ヘッド7をZ軸方向に案内する。Z軸ボール螺子26は一対のZ軸リニアガイドの間に配置し、上側軸受部27と下側軸受部(図示略)により回転可能に設ける。主軸ヘッド7は背面にナット29を備える。ナット29はZ軸ボール螺子26に螺合する。Z軸モータはZ軸ボール螺子26を正逆方向に回転する。故に主軸ヘッド7はナット29と共にZ軸方向に移動する。
図2を参照し、主軸ヘッド7の内部構造を説明する。主軸ヘッド7は前方下部内側に主軸9を回転可能に支持する。主軸9は上下方向に延びる回転軸を有し、主軸モータ15の駆動軸にカップリング23を介して連結する。故に主軸9は主軸モータ15の回転駆動で回転する。主軸9はテーパ穴18とホルダ挟持部材19とドローバー69を備える。テーパ穴18は主軸9の先端部(下端部)に設ける。ホルダ挟持部材19はテーパ穴18上方に設ける。ドローバー69は主軸9の中心を通る軸穴の中に同軸上に挿入して設ける。
図3に示す如く、工具ホルダ101は一端側に工具4を保持し、他端側に、フランジ部102、テーパ装着部104、プルスタッド105を同軸上に備える。フランジ部102は、テーパ装着部104の基部よりも径方向外側に拡径する略円柱状に形成する。フランジ部102は、外周面を周方向に延びる溝部103を備える。溝部103は、フランジ部102の該外周面から径方向内側に向かって溝幅が狭くなるテーパ状の内面107を備える。溝部103は奥側に内壁面106を備える。内壁面106は、工具ホルダ101の軸線方向に平行に延び、内面107と接続する。テーパ装着部104は略円錐状である。プルスタッド105はテーパ装着部104の頂上部から軸方向に突出する。
図2に示す如く、テーパ装着部104とプルスタッド105はテーパ穴18に挿入する。テーパ穴18にテーパ装着部104が装着すると、ホルダ挟持部材19はプルスタッド105を挟持する。ドローバー69がホルダ挟持部材19を下方に押圧すると、ホルダ挟持部材19はプルスタッド105の挟持を解除する。
主軸ヘッド7は後方上部の内側にクランクレバー60を備える。クランクレバー60は略L字型であり支軸61を中心に揺動自在である。支軸61は主軸ヘッド7内に固定する。クランクレバー60は縦方向レバー63と横方向レバー62を備える。縦方向レバー63は支軸61からコラム5側に対して斜め上方に延びて中間部65で上方に折曲して更に上方に延びる。横方向レバー62は支軸61からコラム5前方に略水平に延びる。横方向レバー62の先端部はドローバー69に直交して突設したピン58に上方から係合可能である。縦方向レバー63は上端部の背面に板カム体66を備える。板カム体66はコラム5側にカム面を備える。板カム体66のカム面は上側軸受部27に固定したローラフォロア67と接離可能である。ローラフォロア67は板カム体66のカム面を摺動する。引張コイルバネ(図示略)は縦方向レバー63と主軸ヘッド7の間に設ける。クランクレバー60を右側面から見た場合、引張コイルバネはクランクレバー60を時計回りに常時付勢する。故にクランクレバー60は横方向レバー62によるピン58の下方向への押圧を常時解除する。
図2を参照し、主軸9のテーパ穴18に対する工具ホルダ101の脱着動作を簡単に説明する。主軸9のテーパ穴18に、工具ホルダ101のテーパ装着部104が装着した状態で、主軸ヘッド7はテーブル10(図1参照)上のワーク加工位置から上昇する。クランクレバー60に設けた板カム体66はローラフォロア67に接触して摺動する。後述するグリップアーム30の把持部32は工具ホルダ101を把持する。板カム体66のカム形状に沿ってローラフォロア67は摺動する。クランクレバー60は右側面から見た場合に支軸61を中心に反時計回りに回転する。横方向レバー62はピン58に上方から係合してドローバー69を下方に押圧する。ドローバー69はホルダ挟持部材19を下方に付勢する。ホルダ挟持部材19はプルスタッド105の挟持を解除する。主軸ヘッド7はATC原点まで更に上昇し、主軸9のテーパ穴18から工具ホルダ101が抜ける。故に工具ホルダ101は主軸9のテーパ穴18から抜ける。
主軸ヘッド7がATC原点に到達すると、数値制御装置の制御指令に基づき、工具マガジン21は回転し、NCプログラムの制御コマンドが指定する工具4を工具交換位置に位置決めする。工具交換位置は工具マガジン21の最下方位置で且つ主軸9に近接して対向する位置である。工具交換位置に位置決めした工具4は、ATC原点に移動した主軸ヘッド7の下方に位置する。
次いで、主軸ヘッド7はATC原点から下降し、主軸9のテーパ穴18に対し、工具4を保持する工具ホルダ101のテーパ装着部104が挿入する。テーパ穴18に工具ホルダ101のテーパ装着部104が挿入した状態で、主軸ヘッド7は更に下降する。クランクレバー60に設けた板カム体66はローラフォロア67に摺動する。板カム体66のカム形状に沿ってローラフォロア67は摺動する。クランクレバー60は右側面から見た場合に支軸61を中心に時計回りに回転する。故に横方向レバー62はピン58から離れ、ドローバー69の下方への押圧を解除する。ドローバー69はホルダ挟持部材19の下方への付勢を解除し、ホルダ挟持部材19はプルスタッド105を把持する。主軸9は工具ホルダ101を装着する。
図1、図2を参照し、工具交換装置20の構造を説明する。工具交換装置20はタレット式の工具マガジン21を備える。工具マガジン21は円盤状のマガジン本体71と複数のグリップアーム30を備える。複数のグリップアーム30はマガジン本体71の外周に沿って所定間隔毎に配置し、工具マガジン21の前後方向に揺動可能に設ける。マガジン支持台85はフレーム8に固定する。マガジン支持台85は支軸75を回転可能に支持する。支軸75は工作機械1の前方に対して斜め下方に延びる。支軸75はマガジン本体71を回転可能に支持する。マガジン本体71は工作機械1の前方に正面を向けて配置する。
図2を参照し、マガジン本体71の構造を説明する。マガジン本体71はボス部73と鍔部72を備える。ボス部73は筒状である。支軸75はボス部73内に挿入する。鍔部72はボス部73の外周面の前端側に軸方向に直交して設ける。
鍔部72は裏面外周に沿って所定間隔毎に複数の支点台78を固定する。支点台78はグリップアーム30の後述する支軸33Aを軸支する。鍔部72は更に、複数のグリップアーム30の夫々に対応する各位置に、板状の案内部材80を夫々固定する。案内部材80は案内面83を備える。グリップアーム30の後述する後端部34から突出する鋼球35は案内面83を摺動する。故にグリップアーム30は支点台78を中心に工具マガジン21の前後方向に安定して揺動できる。尚、板状の案内部材80は環状に一体形成してもよい。
図4、図5を参照し、グリップアーム30の構造を説明する。グリップアーム30の構造の説明は、図4、図5中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。グリップアーム30は、軸部33、アーム本体31、把持部32、後端部34、ローラ支持部36、38、ローラ37、39等を備える。軸部33は略水平方向に延びる略円柱状であり、軸方向両端面中心から支軸33Aを夫々延出する。支点台78は支軸33Aを回転可能に軸支する。アーム本体31は軸部33から軸部33の軸線方向に直交する方向に延び且つ前端側が緩やかに湾曲する腕状である。把持部32がアーム本体31の延出方向前端部に設け、工具ホルダ101を着脱可能に把持する。後端部34は有底筒状に形成し、その内側に圧縮コイルバネ(図示略)と鋼球35を収納する。圧縮コイルバネは鋼球35を弾性保持し、鋼球35の一部は後端部34の開口端から外部付勢に応じて進退する。
ローラ支持部36は軸部33の外周面右側に設け、ローラ37を前側斜め上方に軸支する。ローラ支持部38はアーム本体31の前方上方且つ左側の軸部33近傍に設け、ローラ39を前側斜め上方に軸支する。図2に示す如く、工具交換装置20の工具交換位置(工具マガジン21の最下端位置)に位置するグリップアーム30において、ローラ37は主軸ヘッド7前面の左右方向中央部に固定した浮動カム12のカム面に対向する。ローラ39は主軸ヘッド7の前面の右端部に沿って固定した揺動カム11のカム面に対向する。
図2に示す如く、揺動カム11のカム面は、上部から下方に向けて直線状に延び、途中から斜め後方に緩やかに傾斜する形状である。該揺動カム11のカム面をローラ39が摺動することで、グリップアーム30は揺動する。浮動カム12のカム面は、上部から中央部にかけて前方に緩やかに傾斜し該中央部から下部にかけて後方に緩やかに傾斜する形状である。浮動カム12は圧縮コイルバネ(図示略)を内蔵するので、ローラ39が揺動カム11を揺動する際、ローラ39と揺動カム11が離れないようにグリップアーム30の動きを規制する。故に該緩やかな傾斜はグリップアーム30が揺動する時のローラ37の移動軌跡と一致するので、ローラ37が浮動カム12のカム面を摺動することで、グリップアーム30は安定して揺動できる。
図4〜図6を参照し、把持部32の構造を説明する。把持部32は、二股部41、右側支持機構45、左側支持機構46等を備える。二股部41はアーム本体31の延出方向前端部にて平面視二股状に形成し、前端は開口している。二股部41は平面視半円弧状に湾曲する内周面を備え、該内周面の中央部には一対の係合リブ42等を備える。一対の係合リブ42は二股部41の内側に向けて夫々突出する。グリップアーム30の揺動により、二股部41の内側に工具ホルダ101が進入した時、一対の係合リブ42は工具ホルダ101のフランジ部102に設けた溝部103(図3参照)と係合する。
右側支持機構45は、二股部41の右前方に延びる一端部に直交して設け、支持ピン90を二股部41の内側に向けて進退可能に弾性支持する。左側支持機構46は、二股部41の左前方に延びる一端部に直交して設け、支持ピン90を二股部41の内側に向けて進退可能に弾性支持する。故に右側支持機構45が支持する支持ピン90と左側支持機構46が支持する支持ピン90は、互いに対向し、工具ホルダ101のフランジ部102を支持できる。
図7を参照し、左側支持機構46の構造を具体的に説明する。右側支持機構45は左側支持機構46と同じ構造であるので説明を省略する。左側支持機構46は、外筒部47、内筒部51、筒状体52、圧縮コイルバネ59、支持ピン90等を備える。
外筒部47は二股部41の左前方に延びる一端部に一体して設け、該一端部に対して直交する方向に延びる略円筒状に形成する。尚、以下説明では、外筒部47の二股部41の内側に対向する一端側に外筒部47の先端側、その反対側の他端側を後端側とする。その他の部品の向きもこれに倣うものとする。
内筒部51は筒部51Aとフランジ部51Bを備える。筒部51Aは外筒部47よりも径が小さい略円筒状に形成し、外筒部47の先端側から内側に挿入固定する。筒部51Aの後端は外筒部47の後端と面一である。フランジ部51Bが筒部51Aの先端部から径方向外側に延出して設け、外筒部47の先端側の開口端に密着して固定する。内筒部51は外筒部47の内周面と筒状体52との摺動性を良好にする為に用いる。
筒状体52は筒部52Aとフランジ部52Bを有する。筒部52Aは内筒部51よりも径が小さく、内筒部51よりも軸方向長さの長い略円柱状に形成する。筒部52Aは開口部44、ピン支持孔53、段部54、底板74を備える。各筒部52Aは中心軸線が同一軸線上となる位置に配置する。各筒部52Aは互いに対向する部分に開口部44を有し、支持ピン90は開口部44から突出する。ピン支持孔53は筒部52Aの軸方向に沿って貫通する。段部54はピン支持孔53を形成する内周面の軸方向中央部よりも開口部44側にずれた位置に設け、径方向内側に縮径して形成する。底板74は環状に形成し、筒部52Aの後端部に設けることで、ピン支持孔53の底部となる。ピン支持孔53における段部54から開口部44に、円筒状のカラー64を装着する。カラー64は開口部44と後述する支持ピン90との隙間を閉鎖するのに加えて開口部44の内周面と支持ピン90と摺動性を良好にする為に用いる。
環状のフランジ部52Bは筒部52Aの先端部から後端側に少し離間した位置に、径方向外側に延出して設ける。フランジ部52Bの直径は内筒部51の筒部51Aの直径よりも長い。故に筒状体52は内筒部51の内側から二股部41の外側に向けて抜けることがない。
上記構造からなる筒状体52は、筒部52Aを内筒部51の先端側から内側に摺動自在に挿入するので、外筒部47に対して移動自在となる。筒部52Aの後端側は、外筒部47の後端側の開口端から外側に突出する。該突出した部分は外周面に係合溝55を備える。係合溝55は筒部52Aの外周面の周方向に延びる。C軸止め輪56は係合溝55に外方から係合する。係合溝55に係止したC軸止め輪56は内筒部51の後端部に係止する。故に筒状体52は内筒部51の内側から二股部41の内側に向けて抜けることがない。
圧縮コイルバネ59は筒部52Aのピン支持孔53に収納する。圧縮コイルバネ59の一端部は支持ピン90のフランジ部91に後方から係止する。後述する支持ピン90の後端部92は圧縮コイルバネ59の一端部の内側に配置する。圧縮コイルバネ59の他端部は底板74と当接する。底板74はピン支持孔53内面に形成した係合溝に内側から係合するC軸止め輪57により固定する。故に圧縮コイルバネ59は支持ピン90を開口部44に向けて常時付勢できる。圧縮コイルバネ59の外部付勢による圧縮量は支持ピン90の移動量となる。
図8、図9を参照し、支持ピン90の構造を説明する。支持ピン90は棒状に形成し、後端側から先端側にかけて順に、後端部92、フランジ部91、本体部90A、先端部90Bを備える。後端部92は円柱状に形成する。フランジ部91は、後端部92の先端側端部に径方向外側に延出して設ける。本体部90Aは円柱状に形成し、後端部92と同軸上に形成する。先端部90Bは本体部90Aの先端側の端部に設ける。図7に示す如く、筒状体52の内側において、支持ピン90のフランジ部91から後端部92迄の部分は、ピン支持孔53における段部54と底板74の間に収納する。フランジ部91は、段部54に対して筒部52Aの後端側から係止する。故に支持ピン90は筒部52Aの開口部44から二股部41の内側に向けて抜けることがない。
先端部90Bは、円錐の頂点側を軸線に直交する平面で切断した略円錐状で且つ、側面視台形状に形成する。先端部90Bは、後端側から先端側にかけて順に、境界テーパ面93、主テーパ面94、先端テーパ面95、先端面96を有する。主テーパ面94は、外側に向けて円弧状に湾曲する丸みを帯びている。主テーパ面94は、グリップアーム30の揺動により、二股部41の内側に工具ホルダ101が進入した時、溝部103の内面107に摺動する。主テーパ面94は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)被膜を有する。DLCはアモルファス構造の炭素で、高硬質で、耐摩耗性に優れる。本実施形態では、数マイクロメートルの膜厚で成膜され、算術平均粗さ(Ra)は数ナノメートルから数10ナノメートル程度である。膜厚は2〜4マイクロメートル、硬度は1500〜4000HVが好ましい。
主テーパ面94の曲率半径は、例えば、本体部90Aの中心軸線と、本体部90Aと先端部90Bの境界面との交点を中心とする半球の円弧面よりも大きいことが望ましい。主テーパ面94の曲率半径の最大値は、例えば以下のように決定するとよい。仮に主テーパ面94の曲率半径を大きくすると、主テーパ面94は直線状に近づく。主テーパ面94と溝部103の内面107との接触点は、主テーパ面94と本体部90Aの境界部分の角部及び主テーパ面94と先端面96の境界部分の角部に近づく。角部は、主テーパ面94より曲率半径が小さい。故に内面107に角部が接触すると、角部は内面107に対して強く押し当てられる。内面107に対する角部の接触面圧は大きいので、内面107は摩耗し易い。故に主テーパ面94の曲率半径の最大値は、主テーパ面94と内面107との接触点が、本体部90A及び先端面96との境界部分の角部に達しないように決定するのがよい。
先端面96は先端部90Bの先端部に形成し、軸線方向から見た形状は円形状である。境界テーパ面93は、主テーパ面94と本体部90Aの境界部分に形成した曲面である。先端テーパ面95は、主テーパ面94と先端面96の境界部分に形成した曲面である。
図10〜図12を参照し、右側支持機構45と左側支持機構46の動作を説明する。工具交換装置20が把持部32に工具ホルダ101を装着する時、グリップアーム30の揺動により、工具ホルダ101は二股部41の前方から内側に向けて進入する。図10に示す如く、溝部103の内面107は、右側支持機構45が支持する支持ピン90の主テーパ面94に対し、グリップアーム30の前方から当接する。具体的に言うと、主テーパ面94は、内面107を形成する上側の斜面と下側の斜面の両方に同時に接触する。左側支持機構46も同様である。内面107は、主テーパ面94に対して、最初に接触点P1で接触する。接触点P1は、主テーパ面94のうち前側に対向する部分であって、本体部90A側にある境界テーパ面93に近接する位置である。
工具ホルダ101が二股部41の内側に更に進入するに連れ、溝部103の内面107は、支持ピン90の主テーパ面94を摺動する。内面107は、右側支持機構45の支持ピン90と、左側支持機構46の支持ピン90の間を押し広げる。上記の通り、主テーパ面94はDLC被膜を有する。DLC被膜は主テーパ面94を保護するので、内面107が主テーパ面94に繰り返し摺動しても、主テーパ面94が摩耗するのを軽減できる。主テーパ面94の摩耗を軽減できるので、主テーパ面94と内面107との摺動抵抗が大きくなることを軽減できる。故にグリップアーム30は、二股部41にかかる負荷を軽減できるので、二股部41の損傷を防止でき、把持部32において工具ホルダ101を正常に保持できる。
主テーパ面94と溝部103の内面107との接触点は、P1からグリップアーム30の後方且つ先端面96側に向けて斜めに移動する。図11に示す如く、工具ホルダ101の中心部が、右側支持機構45と左側支持機構46の夫々の支持ピン90の軸線とを結ぶII−II線上まで移動した時、右側支持機構45及び左側支持機構46の夫々の圧縮コイルバネ59(図13参照)は最も縮む。内面107は主テーパ面94に対して、接触点P2で接触する。接触点P2は、主テーパ面94のうち、II−II線上で、先端面96側である先端テーパ面95に近接する位置である。
図12に示す如く、工具ホルダ101が二股部41の内側の奥まで移動すると、フランジ部102の溝部103は、二股部41の係合リブ42に係止する。溝部103の内面107は主テーパ面94に対して、接触点P3で接触する。接触点P3は、主テーパ面94のうち後ろ側に対向する部分であって、本体部90A側である境界テーパ面93に近接する位置である。各支持ピン90は、溝部103に対して両側から挟み込むようにして当接する。故に把持部32は工具ホルダ101を安定して保持できる。
把持部32から工具ホルダ101を抜く時、右側支持機構45と左側支持機構46では、装着時と同様に支持ピン90は動作する。故にグリップアーム30は工具ホルダ101を把持部32から外側に正常に抜くことができる。
図10〜図12に示す如く、把持部32が工具ホルダ101を把持する時、主テーパ面94における内面107との接触点はP1、P2、P3の順で移動する。逆に把持部32から工具ホルダ101を抜く時、接触点は逆順で移動する。即ち、図14に示す如く、主テーパ面94における溝部103との摺動領域Q1は、主テーパ面94のほぼ全域を占める。
図14、図15を参照し、支持ピン90の円錐形状による摺動効果を従来品と比較して説明する。図15に示す支持ピン190は従来品の一例である。支持ピン190は、本体部190Aと先端部190Bを備える。先端部190Bは、テーパ面194と先端面196を備える。テーパ面194は、本体部190Aの中心軸線と、本体部190Aと先端部190Bの境界面Hとの交点を中心とする半球の円弧面で形成する。テーパ面194の曲率半径の一例はSR4である。
支持ピン190を筒状体52の内側に備えるグリップアーム(図示略)を用いて工具交換を行った場合を想定する。先端部190Bのテーパ面194は半球の円弧面で曲率半径が小さいことから、二股部41の内側に工具ホルダ101が進入する時、テーパ面194は、工具ホルダ101の内面107に対して強く押し当てられる。故に内面107に対するテーパ面194の接触面圧は大きくなるので、テーパ面194は摩耗し易い。
図15に示す如く、先端部190Bのテーパ面194上に図示したQ2の領域は、先端部190Bのテーパ面194における内面107との摺動領域である。摺動領域Q2は、テーパ面194の先端側と後端側の中央部に位置し、幅の細い帯状である。故に内面107は、支持ピン190のテーパ面194のうち幅の狭い帯状の領域のみを局所的に摺動するので、テーパ面194は摩耗し易い。
本実施形態の支持ピン90における先端部90Bは円錐状に形成し、主テーパ面94は、外側に向けて円弧状に湾曲する丸みを帯びている。即ち、主テーパ面94は、テーパ面194の円弧に比べて緩やかで直線に近い円弧である。故に工具ホルダ101が二股部41の前方から内側に向けて進入する時、溝部103の内面107に押し当てられる主テーパ面94は直線に近い円弧である。故に支持ピン90は、曲率半径の小さい円弧面である従来のテーパ面194に比べ、主テーパ面94を内面107に沿わせることができる。即ち内面107に対する主テーパ面94の接触面積は大きくなるので、内面107に対する主テーパ面94の接触面圧は低下する。故に支持ピン90及び工具ホルダ101が互いに繰り返し摺動しても、主テーパ面94及び内面107に生じる摩耗を軽減できる。
先述の通り、主テーパ面94における内面107との摺動領域は、主テーパ面94のほぼ全域にあたるQ1である。Q1は支持ピン190の摺動領域であるQ2よりも広い。内面107は、主テーパ面94のほぼ全域に亘って摺動するので、主テーパ面94が局所的に摩耗するのを防止できる。以上より主テーパ面94と内面107との摺動抵抗が大きくなることを軽減できる。故にグリップアーム30は、二股部41にかかる負荷を軽減できるので、二股部41の損傷を防止でき、把持部32において工具ホルダ101を正常に保持できる。
主テーパ面94と本体部90Aとの境界部分、主テーパ面94と先端面96との境界部分は角部を形成する。摺動領域Q1はこれら各境界部分の間であって、各境界部分に達しない。故に溝部103の内面107は、支持ピン90の各境界部分を摺動しないので、内面107が削れて摩耗するのを軽減できる。本実施形態は、主テーパ面94と本体部90Aとの境界部分に、境界テーパ面93を形成し、主テーパ面94と先端面96との境界部分に、先端テーパ面95を形成する。故に、仮に溝部103の内面107が各境界部分に接触した場合でも、内面107が削れて摩耗するのを軽減できる。
本実施形態では、先端部90Bは、円錐の頂点側を軸線に直交する平面で切断した略円錐状で且つ、側面視台形状に形成し、先端面96を有する。仮に先端部90Bが頂点を有する単純な円錐状の場合、工具ホルダ101の内壁面106に干渉する場合がある。先端面96を有することで、先端部90Bは、内壁面106とのクリアランスを確保でき、内壁面106に干渉しない(図13参照)。
上記DLC被膜の効果を実証する為、支持ピン90のDLC被膜の有無によるグリップアームの耐久試験を行った。耐久試験の試料は、支持ピンA、支持ピンB、支持ピンCの3種類で行った。支持ピンAは、支持ピン190である。支持ピンAのテーパ面194の曲率半径は、SR4である。支持ピンBは、支持ピンAと同形状で且つテーパ面194にDLC被膜を有する。支持ピンCは、本実施形態の支持ピン90であり、主テーパ面94の曲率半径はR30である。支持ピンCは、主テーパ面94にDLC被膜を有する。試験方法は、各試料を備えたグリップアームに工具ホルダ101を繰り返し着脱させ、グリップアームの二股部41が破損に至った回数を計測した。尚、支持ピンの摺動に係るグリップアームの筒状体52の内側、工具ホルダ101の溝部103、及び各支持ピンは脱脂した。
図16を参照し、耐久試験の結果を説明する。支持ピンAを備えたグリップアームの二股部41が破損に至った回数は、約2万回であった。支持ピンBを備えたグリップアームの二股部41が破損に至った回数は、約15万3千回であった。支持ピンCを備えたグリップアームの二股部41が破損に至った回数は、約21万4千回であった。支持ピンAと支持ピンBの結果から、支持ピンのテーパ面がDLC被膜を有することにより、該二股部41が破損に至った回数が増加した。故に支持ピンBの方が、支持ピンAよりも耐久性が高いことが分かった。故にDLC被膜を支持ピンのテーパ面に形成したことによる効果を実証できた。また、支持ピンBと支持ピンCの結果から、支持ピンの先端部の形状を変更することにより、該二股部41が破損に至った回数が増加した。故に支持ピンCの方が、支持ピンBよりも耐久性が高いことが分かった。故にDLC被膜を支持ピンのテーパ面に形成し且つ支持ピンのテーパ面の曲率半径を半球状に形成した円弧面の曲率半径よりも大きくしたことによる効果を実証できた。
以上説明の如く、本実施形態の工作機械1における工具交換装置20のグリップアーム30は、把持部32を備える。把持部32は二股部41を備え、該二股部41の左右両側の各先端部には、右側支持機構45と左側支持機構46を夫々備える。右側支持機構45と左側支持機構46 は、二股部41の内側に向けて棒状の支持ピン90を進退可能に支持する機構である。右側支持機構45と左側支持機構46は、外筒部47、筒状体52、支持ピン90、圧縮コイルバネ59を少なくとも備える。外筒部47は二股部41の左右両側の各先端部に直交して一体して設ける。筒状体52は、外筒部47の内側に内筒部51を介して移動可能に設ける。筒状体52は、二股部41の内側に対向する先端側に設けた開口部44から支持ピン90を進退可能に支持する。圧縮コイルバネ59は、筒状体52の内側に収納し、支持ピン90を開口部44に向けて付勢する。
本実施形態の支持ピン90における先端部90Bの主テーパ面94はDLC被膜を有する。DLC被膜は主テーパ面94を保護するので、工具ホルダ101の内面107が主テーパ面94に繰り返し摺動しても、主テーパ面94が摩耗するのを軽減できる。仮に主テーパ面94が削れて摩耗すると、内面107に対する主テーパ面94の摺動抵抗は増加することから、内面107も摩耗してしまう。本実施形態の支持ピン90の主テーパ面94はDLC被膜で保護するので、内面107の摩耗も軽減できる。内面107に対する主テーパ面94の摺動抵抗の増加を軽減できるので、グリップアーム30は、二股部41にかかる負荷を軽減できる。故にグリップアーム30は二股部41の損傷を防止できるので、把持部32において工具ホルダ101を正常に把持できる。
本実施形態の支持ピン90の先端部90Bは円錐状に形成し、主テーパ面94は、外側に向けて円弧状に湾曲する丸みを帯びている。故にグリップアーム30は、工具ホルダ101の溝部103に対する主テーパ面94の接触面圧を低下できる。故に支持ピン90と溝部103が互いに繰り返し摺動しても、主テーパ面94と溝部103に生じる摩耗を更に軽減できる。
上記説明にて、右側支持機構45と左側支持機構46は本発明の支持機構の一例である。外筒部47は、本発明の筒状体の一例である。圧縮コイルバネ59は本発明の弾性体の一例である。主テーパ面94はテーパ面の一例である。
本発明は上記実施形態に限らず種々の変更が可能である。本実施形態のグリップアーム30は、支持ピン90における先端部90Bの主テーパ面94がDLC被膜を有しているが、少なくとも主テーパ面94がDLC被膜を有していればよく、支持ピン90全体がDLC被膜を有していてもよい。DLCの成膜方法に制限はなく、一例としてCVD法(化学蒸着法)やスパッタリング法等がある。DLCの膜厚、添加物についての制限もない。
本実施形態では、支持ピン90における先端部90Bの主テーパ面94の曲率半径はR30としたが、他の曲率半径でも良い。主テーパ面94の曲率半径は、本体部90Aの中心軸線と、本体部90Aと先端部90Bの境界面との交点を中心とする半球の円弧面で形成する曲率半径よりも大きければよい。但し、主テーパ面94と溝部103の接触点が本体部90A及び先端面96との境界部分の角部に達しないようにするのが望ましい。
本実施形態では、支持ピン90の先端部90Bは、円錐の頂点側を軸線に直交する平面で切断した略円錐状で且つ、側面視台形状に形成し、先端面96を有するが、内壁面106と干渉しなければ先端部90Bの形状に制約はない。
グリップアーム30の把持部32は、工具ホルダ101を把持するものであるが、工具と工具ホルダが一体形状となった工具を把持してもよい。その場合、把持部32は工具のうち工具ホルダの部分を把持する。
本実施形態では、本発明の弾性体の一例として、圧縮コイルバネ59を用いて支持ピン90を付勢したが、弾性を有するものであればよく、一例として板バネやゴム等で付勢してもよい。
右側支持機構45(及び左側支持機構46)は、内筒部51とカラー64は省略してもよい。
本実施形態では、マガジン本体71の所定位置に位置決め後、マガジン本体71の外周に設け、グリップアーム30の一端部と他端部の間を軸支した支点台78を中心にグリップアーム30が搖動する。これにより、把持部32が主軸9に近接する近接位置と、主軸9から離間する退避位置との間を往復移動するが、マガジン本体71が揺動してグリップアーム30の往復移動を行ってもよい。また、マガジン本体が回転することなく、マガジン本体の周囲に設けた複数のグリップアームが周回するものでもよい。
本実施形態のグリップアーム30は支点台78を中心に揺動するが、グリップアームは揺動するのではなく、一方向に移動するものでもよい。該場合、マガジン本体にグリップアームを固定し、マガジン本体が移動する構成でもよい。
本実施形態の機械本体3はテーブル10が左右前後に移動するものであるが、テーブルを固定、又は鉛直軸周りに回転する回転テーブルで構成し、主軸ヘッドを前後左右に移動できる構成でもよい。
外筒部47は、例えば、角柱状といった略円筒状以外の形状でもよい。
90 支持ピン
90A 本体部
90B 先端部
94 主テーパ面

Claims (3)

  1. 工作機械の主軸に装着する工具ホルダを把持する把持部を一端に有し、前記把持部が、前記主軸に近接する近接位置と、前記主軸から離間する退避位置との間を往復移動する工具交換装置のグリップアームにおいて、
    前記把持部は、
    前記工具ホルダを内側に係合させる二股部と、
    前記二股部の一対の端部に夫々設け、前記二股部の内側に向けて円柱状の支持ピンを進退可能に支持する支持機構と
    を備え、
    前記支持機構は、
    筒状に形成し、且つ中心軸線が同一軸線上となる位置に配置し、互いに対向する側の端部の開口部から前記支持ピンを進退可能に支持する筒状体と、
    前記筒状体の内側に収納し、前記支持ピンを前記開口部に向けて付勢する弾性体と
    を備え、
    前記支持ピンは、
    円柱状の本体部と、
    前記本体部における前記二股部の内側に対向する側の一端部に設け、当該一端部から前記二股部の内側に向かう方向に従って縮径するテーパ面を有し、前記二股部の内側に向けて前記工具ホルダが進入するときに、前記工具ホルダの外周面に形成し、該外周面から径方向内側に向かって溝幅が狭くなる溝部に対し、前記テーパ面を摺動しながら係合可能な先端部と
    を備え、
    前記支持ピンにおける少なくとも前記テーパ面がDLC被膜を有すること
    を特徴とする工具交換装置のグリップアーム。
  2. 前記先端部は円錐状に形成し、前記テーパ面は、径方向外側に膨らむ丸みを帯びていることを特徴とする請求項1に記載の工具交換装置のグリップアーム。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載の工具交換装置のグリップアームを備えたことを特徴とする工作機械。
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