JP2019520380A - N−(ヘテロアリール)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンの合成 - Google Patents

N−(ヘテロアリール)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンの合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、腫瘍及び癌を含むが、これらに限定されない細胞増殖の異常に関係する障害の治療に有用なピリミジン系化合物を合成する分野にある。【選択図】図4

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年7月1日付で出願された米国仮特許出願第62/357,797号の利益を主張する。この出願の全体が全ての目的で引用することにより本明細書の一部をなす。
本発明は、腫瘍及び癌を含むが、これらに限定されない細胞増殖の異常に関係する障害の治療に有用なピリミジン系化合物を合成する分野にある。
Tavares及びStrumによって出願され、G1 Therapeuticsへと譲渡された特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献1、特許文献6、特許文献7、特許文献8、及び特許文献9は、(そこに定義される変項と共に)式:
Figure 2019520380
のものを含む、或る種のN−(ヘテロアリール)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンサイクリン依存性キナーゼ阻害剤を記載する。
同じくG1 Therapeuticsに譲渡されている特許文献10、特許文献11、及び特許文献12は、癌の治療における上記ピリミジン系薬剤の使用を記載する。
これらの特許は、中心二置換アミンを形成するための縮合クロロピリミジンのヘテロアリールアミンとのカップリング反応に基づく、上記化合物の一般的な合成を提供する。かかるカップリング反応は、バックウォルドカップリング(特許文献13の段落127を参照されたい;参照特許文献14)と称されることがある。縮合クロロピリミジンのラクタム、例えば以下に示される中間体K等の2−クロロ−スピロシクロ−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−オンは、対応するカルボン酸の脱水によって作製され得る。中間体1Kを作製するための報告される方法は7工程を必要とする。
Figure 2019520380
Tavaresによって出願され、同じくG1 Therapeuticsに譲渡された「ラクタムキナーゼ阻害剤」と表題が付けられた特許文献15(特許文献16)は、同様に、中心二置換アミンを形成するための縮合クロロピリミジンのヘテロアリールアミンとのカップリング反応を経る、N−(ヘテロアリール)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンの合成を記載している。
特許文献17(特許文献18)「ラクタムの合成」は、ラクタム作製工程において、共に強酸無水物として1つの部分に存在し得る強酸と脱水剤の存在下でカルボン酸を保護アミンで環化することができる変法と共に、この種の化合物を合成する方法を記載している。主張される改善は、環化の前にアミン上の保護基を失わずに環化が起こり得るということである。典型的な脱離基は「tBOC」(t−ブトキシカルボニル)である。上記出願(特許文献17の2頁目)は、強酸が、例えばトリフルオロ酢酸無水物、トリブロモ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、又は混合無水物であることを教示している。N−保護基を除去するため、追加工程を必要とする場合がある。脱水剤は、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、又はDIC(N,N−ジイソプロピルカルボジイミド)等のカルボジイミド系化合物であってもよい。DCC及びDICは、同種のカルボジイミドの試薬である。DICは、室温で液体であり、反応を促進することから、より良好とされることもある。
また、Tavaresによって出願され、G1 Therapeuticsに実施権が認められた(licensed to)特許文献19も、中心二置換アミンを形成するための縮合クロロピリミジンのヘテロアリールアミンとのカップリングを経るこれらの化合物の合成を記載している。特許文献19は、ラクタム生成工程に注目し、特に、これらの化合物の縮合ラクタムは、アミドを形成する閉環工程の間にアミン上の脱離基が除去されないように、酸及び脱水剤でカルボン酸を処理することによって作製され得ることを記載している。
この一般的な種類の化合物を記載している他の刊行物として以下が挙げられる。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献20は、ピリミジン系CDK4/6阻害剤を使用する、化学療法中に正常な細胞を保護する化合物及び方法を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献21はピリミジン系CDK4/6阻害剤を使用する、電離放射線に対して造血幹細胞及び前駆細胞を保護する化合物及び方法を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献22は、ピリミジン系CDK4/6阻害剤を使用する、異常な細胞増殖のHSPC温存治療を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献23は、非常に活性な抗新生物性及び抗増殖性のピリミジン系CDK4/6阻害剤を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献24は、放射線防護における使用に対する三環のピリミジン系CDK阻害剤を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献25は、化学療法中の細胞の保護に対する類似する三環のピリミジン系CDK阻害剤を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献26は、RB陽性の異常な細胞増殖のHSPC温存治療における使用に対する、類似する三環のピリミジン系CDK阻害剤を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献27は、抗新生物剤及び抗増殖剤としての使用に対する、類似する三環のピリミジン系CDK阻害剤を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献28は、他の抗新生物剤とのピリミジン系CDK4/6阻害剤の併用を記載している。Strum et al.によって出願され、G1 Therapeuticsに譲渡された特許文献29は、CDK4/6阻害剤及びトポイソメラーゼ阻害剤で特定のRb陰性癌を治療する化合物及び方法を記載している。
他の生物学的に活性な縮合スピロラクタム及びそれらの合成は、例えば以下の刊行物に記載されている。非特許文献1は、アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害に対して代謝的に安定であり、ラクタムが縮合環上に存在するスピロラクタムを記載する。Bell et al.によって出願された特許文献30は、CGRP受容体アンタゴニストとして、ラクタムがスピロ環上に存在する脂肪族スピロラクタムを記載している。Bell et al.によって出願された特許文献31は、CGRP受容体アンタゴニストとして、ラクタムがスピロ環上に存在するアリールスピロラクタムを記載している。Bell et al.によって出願された特許文献32は、CGRP受容体アンタゴニストとして、ラクタムがスピロ環上に存在する固定化(constrained)スピロラクタム化合物を記載している。Bell et al.によって出願された特許文献33は、CGRP受容体アンタゴニストとして、スピロラクタムがスピロ環上に存在するカルボキサミド スピロラクタム化合物を記載している。Bell et al.によって出願された特許文献34、特許文献35、及び特許文献36は、スピロラクタムがスピロ環上に存在するアニリドスピロラクタム化合物を記載している。Bhunai et al.によって出願された特許文献37は、ラクタムが任意に更に縮合されるスピロ環上に存在するスピロラクタム化合物を記載している。
米国特許第8,822,683号 米国特許第8,598,197号 米国特許第8,598,186号 米国特許第8,691,830号 米国特許第8,829,102号 米国特許第9,102,682号 米国特許第9,499,564号 米国特許第9,481,591号 米国特許第9,260,442号 米国特許第9,464,092号 米国特許第9,487,530号 米国特許第9,527,857号 WO’156 国際公開第2010/020675号 国際公開第2013/148748号 米国特許出願第61/617,657号 国際公開第2013/163239号 米国特許出願第61/638,491号 国際公開第2015/061407号 国際公開第2014/144326号 国際公開第2014/144596号 国際公開第2014/144847号 国際公開第2014/144740号 国際公開第2015/161285号 国際公開第2015/161287号 国際公開第2015/161283号 国際公開第2015/161288号 国際公開第2016/040858号 国際公開第2016/040848号 国際公開第2013/169574号 国際公開第2007/061677号 国際公開第2008/073251号 国際公開第2006/031606号 国際公開第2006/031610号 国際公開第2006/031491号 国際公開第2006/029153号 国際公開第2008/109464号
Griffith, D. A., et al. (2013). "Spirolactam-Based Acetyl-CoA Carboxylase Inhibitors: Toward Improved Metabolic Stability of a Chromanone Lead Structure." Journal of Medicinal Chemistry 56(17): 7110-7119
選択されたN−(ヘテロアリール)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2−アミンの治療活性を考慮すれば、それらの製造について更なる方法を持つことは有用であろう。また、この種の化合物を製造するのに使用され得る新たな中間体を持つことも有用であろう。
2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンは、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドで置換された縮合ピリミジンをヘテロアリールアミンとカップリングさせて約50%超の収率で中心二置換アミンを形成することにより、有利に製造されることが発見された。一実施の形態では、その反応は、約20℃、18℃、16℃、14℃、12℃又は10℃以下の温度で行われる。別の実施の形態では、アミン対スルホンの比は、少なくとも約2対1である。別の実施の形態では、アミン対スルホンの比は、少なくとも約3対1である。クロロ置換縮合ピリミジンに代わるアルキルスルホン又はアルキルスルホキシドで置換された縮合ピリミジンの使用は、カップリングされたジアミン生成物の収率を増加させる。
本発明の別の態様では、ヘテロアリールアミンとのカップリング反応に使用され得る、2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造に対する新たな方法を提供する。一実例として、本発明は、以下の構造の2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを提供する。
Figure 2019520380
本発明によれば、2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、エステル又はアルデヒドの出発材料のいずれかを使用して製造される。例えば、エステルは、エチル4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート等のアルキル4−クロロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートであってもよい。アルデヒドは、4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド等の4−クロロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドであってもよい。エステルから重要中間体である2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジンまでの反応は、典型的には7工程(それらの幾つかは、化合物の単離を伴わずに短縮され得る)を要し、それぞれ典型的には50%超の収率をもたらす。各工程を以下に詳述する。
2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの製造に関する方法は、いずれも結晶化による、わずか5回の単離を含む7工程からなる容易で効率的な経路である。カラムクロマトグラフィーは必要ではないことから、上記方法は大きな製造バッチに拡張可能である。さらに、この方法のワークアップ(work-up:後処理)条件により、工程5の後、大半のパラジウムのパージに成功し得る。観察される残留パラジウムのレベルは、重金属含有量に対してppm残留閾値未満である。
さらに、本発明は、式IVのラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを製造する方法に使用され得る、式IIの新たな中間体を含む。本発明の別の態様では、式I、式II、式III、及び式IVの化合物の合成が提供される。非限定的な一実施の形態では、式I、式II、及び式IIIの化合物は、式IVに対する合成前駆物質である。
Figure 2019520380
(式中、
Figure 2019520380
は二重結合の存在又は不在を表し、
Figure 2019520380
は、ラクタム環にスピロ様式で接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個、及び7個の炭素を独立して含み、特に、
Figure 2019520380
はシクロヘキシルである)炭素環を表し、ここで、スピロ環は任意に置換され、
は、アルキル、アリール、ハロアルキル、及びアリールアルキルから選択され、
及びRは、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから独立して選択され、
は、水素、シリル、ハロアルキル、−C(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)ハロアルキル、−S(O)アリール、及び−S(O)アリールアルキルから選択され、
は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)。
一実施の形態では、ヘテロアリールアミンを極性溶媒に溶解し、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドを、約20℃、18℃、16℃、14℃、12℃、又は10℃以下の温度で少量ずつ添加し、ここで、少なくとも約2対1のアミン対スルホンの比、及び少なくとも2対1の塩基対スルホンの比を使用して、約50%超の収率で中心二置換アミンを得る。
別の実施の形態では、ヘテロアリールアミンを極性溶媒に溶解し、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドを少量ずつ添加し、ここで、少なくとも約2対1のアミン対スルホンの比、及び少なくとも2対1の塩基対スルホンの比を使用して、約50%超の収率で中心二置換アミンを得る。
一実施の形態では、ヘテロアリールアミンを極性溶媒に溶解し、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドを、約20℃、18℃、16℃、14℃、12℃、又は10℃以下の温度で少量ずつ添加し、ここで、少なくとも約3対1のアミン対スルホンの比、及び少なくとも2対1の塩基対スルホンの比を使用して、約50%超の収率で中心二置換アミンを得る。
別の実施の形態では、ヘテロアリールアミンを極性溶媒に溶解し、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドを、約20℃、18℃、16℃、14℃、12℃、又は10℃以下の温度で少量ずつ添加し、ここで、少なくとも約3対1のアミン対スルホンの比、及び少なくとも3対1の塩基対スルホンの比を使用する。添加の完了後、反応混合物を塩化アンモニウムでクエンチして、約50%超の収率で中心二置換アミンを回収する。
一実施の形態では、反応が完了した後、反応混合物を塩化アンモニウムでクエンチして、約50%超の収率で中心二置換アミンを回収する。
一実施の形態では、塩基はLiHMDSである。
非限定的な一実施の形態では、2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、エステル出発材料から製造され、この方法は、以下、
(i)ラクタムアミンによって式Vの化合物を求核攻撃して、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る工程と、
Figure 2019520380
(ii)アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを任意に保護する工程と、
(iii)アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを環化して、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る工程と、
(iv)5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのヒドロキシ基を脱離基へと変換する工程と、
(v)(iv)で生成された化合物を脱水して、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る工程と、
(vi)2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを任意に脱保護する工程と、そしてその後、
(vii)2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのメルカプト基を任意に酸化する工程と、
を含む。
代替的な実施の形態では、使用されている試薬及び基質に応じて、上の酸化、保護又は脱保護を並べ替える又は除外する。例えば、上の工程(i)のラクタムアミンが既に保護されている場合には、工程(ii)を省略する。
別の実施の形態では、工程(vi)及び工程(vii)を入れ替える。
非限定的な一実施の形態では、式IVの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式Iの化合物によって式Vの化合物を求核攻撃して、式IIの化合物を得る工程と、
(ii)式IIの化合物を任意に保護する工程と、
(iii)式IIの化合物を環化して、式III(式中、RはHである)の化合物を得る工程と、
(iv)後の脱水を促進する水素以外の基で水素Rを置換する工程と、
(v)式IIIの化合物を脱水して、式IVの化合物を得る工程と、
(vi)式IVの化合物を任意に脱保護する工程と、そしてその後、
(vii)式IVのメルカプト基を任意にスルホンへと酸化する工程と、
を含む。
別の実施の形態では、式IVの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式IIの化合物を環化して、式III(式中、RはHである)の化合物を得る工程と、
(ii)後の脱水を促進する水素以外の基で水素Rを置換する工程と、
(iii)式IIIの化合物を脱水して、式IVの化合物を得る工程と、
(iv)式IVの化合物を任意に脱保護する工程と、
(v)式IVのメルカプト基をスルホンへと任意に酸化する工程と、
を含む。
別の実施の形態では、式IVの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式IIIの化合物を脱水して、式IVの化合物を得る工程と、
(ii)式IVの化合物を任意に脱保護する工程と、そしてその後、
(iii)式IVのメルカプト基をスルホンへと任意に酸化する工程と、
を含む。
非限定的な一実施の形態では、アルデヒド出発材料から2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを合成する方法は、以下、
(i)ラクタムアミンによって式VIの化合物を求核攻撃して、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る工程と、
Figure 2019520380
(ii)アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを任意に保護する工程と、
(iii)アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを環化して、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る工程と、
(iv)2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを任意に脱保護する工程と、そしてその後、
(v)2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのメルカプト基を任意に酸化する工程と、
を含む。
代替的な実施の形態では、使用されている試薬及び基質に応じて、上の酸化、保護又は脱保護を並べ替える又は除外する。例えば、上の工程(i)のラクタムアミンが既に保護されている場合には、工程(ii)を省略する。
別の実施の形態では、工程(iv)及び工程(v)を入れ替える。
代替的な実施の形態では、式IVの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式Iの化合物によって式VIの化合物を求核攻撃して式IIの化合物を得る工程と、
(ii)式IIの化合物を任意に保護する工程と、
(iii)式IIの化合物を環化して、式IVの化合物を得る工程と、
(iv)式IVの化合物を任意に脱保護する工程と、
(v)式IVのメルカプト基をスルホンへと任意に酸化する工程と、
を含む。
非限定的な一実施の形態では、式IIIの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式Iの化合物によって式Vの化合物を求核攻撃して、式IIの化合物を得る工程と、
(ii)式IIの化合物を任意に保護する工程と、
(iii)式IIの化合物を環化して、式III(式中、RはHである)の化合物を得る工程と、
(iv)後の脱水を促進する水素以外の基で水素Rを任意に置換する工程と、そしてその後、
(v)式IIIのメルカプト基をスルホンへと任意に酸化する工程と、
を含む。
非限定的な一実施の形態では、式IIの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式Iの化合物によって式Vの化合物を求核攻撃する工程と、そしてその後、
(ii)式IIの化合物を単離する工程と、
を含む。
代替的な実施の形態では、式IIの化合物を合成する方法は、以下、
(i)式Iの化合物によって式VIの化合物を求核攻撃する工程と、そしてその後、
(ii)式IIの化合物を単離する工程と、
を含む。
代替的な実施の形態では、式Iの化合物を合成する方法は、以下、
(i)アルキル2−オキソアセテートを用いて、式VIIのアミンを還元的にアミノ化し、式VIIIの化合物を得る工程と、
(ii)式VIIIの化合物を任意に脱保護する工程と、
(iii)塩基を任意に付加する工程と、そしてその後、
(iv)式Iの化合物を単離する工程と、
を含む。
Figure 2019520380
別の代替的な実施の形態では、式Iの化合物を合成する方法は、以下、
(i)TMSCNの存在下で、アルキルグリシネートとシクロヘキサノンとを縮合して、式IXの化合物を得る工程と、
(ii)シアノ化合物のアミンへの還元に続いて、後の分子内環化を行う工程と、そしてその後、
(iii)式Iの化合物を単離する工程と、
を含む。
Figure 2019520380
本発明の非限定的な一例では、スルホンのヘテロアリールアミンとのカップリングは、式Xの化合物をもたらす:
Figure 2019520380
(式中、
Zは、−(CH−(ここで、xは1、2、3又は4である)、又は−O−(CH−(ここで、zは2、3又は4である)であり、
は、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル及びアリールアルキルから独立して選択され、
は、それぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル又はハロアルキルであり、ここで、上記のアルキル基、シクロアルキル基及びハロアルキル基はそれぞれ、任意に鎖中の炭素に代えてO又はNのヘテロ原子を含み、近接する環原子又は同じ環原子上の2つのRは、任意に付着されている環原子(複数の場合もある)と共に3員環〜8員環を形成し、
yは、0、1、2、3又は4であり、
12は、
Figure 2019520380
から選択され、
YはNH、O、S又はNR14であり、
、X、X、X及びXは独立してN又はCR13であり、ここで、X、X、X、X及びXの少なくとも1つはCR13であり、
13は、それぞれ独立して、R11及びRから選択され、ここで、1つのR13はRであり、
14は、−C(O)H、−C(O)アルキル、−C(S)アルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、及びヘテロアリールアルキルから選択され、
は、−(アルキレン)−ヘテロシクロ、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−NR、−(アルキレン)−C(O)−NR;−(アルキレン)−C(O)−O−アルキル;−(アルキレン)−O−R10、−(アルキレン)−S(O)−R10、又は−(アルキレン)−S(O)−NRであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、ここで、同じ又は近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、ここで、mは0又は1であり、nは0、1又は2であり、
及びRは、それぞれ独立して、
(i)水素、若しくは、
(ii)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、価数に応じて1以上のR基で任意に独立して置換されてもよく、ここで、同じ若しくは近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、又は、
及びRは、付着されている窒素原子と共に組み合わされて、価数に応じて1以上のR基で任意に独立して置換されたヘテロシクロ環を形成してもよく、ここで、同じ若しくは近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、
10及びR10*は、それぞれ、
(i)水素、又は、
(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、
は、それぞれ独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、−(アルキレン)−OR10、−(アルキレン)−O−アルキレン−OR10、−(アルキレン)−S(O)−R10、−(アルキレン)−NR、−(アルキレン)−CN、−(アルキレン)−C(O)−R10、−(アルキレン)−C(S)−R10、−(アルキレン)−C(O)−OR10、−(アルキレン)−O−C(O)−R10、−(アルキレン)−C(S)−OR10、−(アルキレン)−C(O)−(アルキレン)−NR、−(アルキレン)−C(S)−NR、−(アルキレン)−N(R)−C(O)−NR、−(アルキレン)−N(R)−C(S)−NR、−(アルキレン)−N(R)−C(O)−R10、−(アルキレン)−N(R)−C(S)−R10、−(アルキレン)−O−C(O)−NR、−(アルキレン)−O−C(S)−NR、−(アルキレン)−SO−NR、−(アルキレン)−N(R)−SO−R10、−(アルキレン)−N(R)−SO−NR、−(アルキレン)−N(R)−C(O)−OR10)−(アルキレン)−N(R)−C(S)−OR10、又は−(アルキレン)−N(R)−SO−R10であり、
ここで、上記のアルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、ヘテロシクロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基、ヘテロアリールアルキル基、シクロアルキルアルキル基、及びヘテロシクロアルキル基は、独立して、1以上の−(アルキレン)−CN、−(アルキレン)−OR10*、−(アルキレン)−S(O)−R10*、−(アルキレン)−NR8*9*、−(アルキレン)−C(O)−R10*、−(アルキレン)−C(=S)R10*、−(アルキレン)−C(=O)OR10*、−(アルキレン)−OC(=O)R10*、−(アルキレン)−C(S)−OR10*、−(アルキレン)−C(O)−NR8*9*、−(アルキレン)−C(S)−NR8*9*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(O)−NR8*9*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(S)−NR8*9*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(O)−R10*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(S)−R10*、−(アルキレン)−O−C(O)−NR8*9*、−(アルキレン)−O−C(S)−NR8*9*、−(アルキレン)−SO−NR8*9*、−(アルキレン)−N(R8*)−SO−R10*、−(アルキレン)−N(R8*)−SO−NR8*9*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(O)−OR10*、−(アルキレン)−N(R8*)−C(S)−OR10*、又は−(アルキレン)−N(R8*)−SO−R10*で更に置換されてもよく、
nは、0、1又は2であり、
mは、0又は1であり、
8*及びR9*は、それぞれ独立して、
(i)水素、若しくは、
(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、又は、
8*及びR9*は、付着されている窒素原子と共に組み合わされて、価数に応じて1以上のR基で任意に独立して置換されたヘテロシクロ環を形成してもよく、
11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニルシクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキルから選択される)。
本発明の追加の実施の形態では、スルホンのヘテロアリールアミンとのカップリングは、式X−aの化合物をもたらす:
Figure 2019520380
(式中、
Zは、−(CH−(ここで、xは1、2、3又は4である)、又は−O−(CH−(zは2、3又は4である)であり、
は、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから独立して選択され、
は、それぞれ独立して、アリール、アルキル、シクロアルキル、又はハロアルキルであり、ここで、上記のアルキル基、シクロアルキル基及びハロアルキル基はそれぞれ、任意に、鎖中の炭素に代えてO又はNのヘテロ原子を含み、近接する環原子又は同じ環原子上の2つのRは、付着されている環原子(複数の場合もある)と共に、任意に3員環〜8員環を形成し、
yは、0、1、2、3又は4であり、
12は、
Figure 2019520380
から選択され、
Yは、NH、O、S又はNR14であり、
、X、X及びXは、独立してN又はCR13であり、ここで、X、X、X及びXの少なくとも1つはCR13であり、
13は、それぞれ独立して、R11及びRから選択され、ここで、1つのR13はRであり、
14は、−C(O)H、−C(O)アルキル、−C(S)アルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、及びヘテロアリールアルキルから選択され、
は、−(アルキレン)−ヘテロシクロ、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−NR、−(アルキレン)−C(O)−NR;−(アルキレン)−C(O)−O−アルキル;−(アルキレン)−O−R10、−(アルキレン)−S(O)−R10、又は−(アルキレン)−S(O)−NRであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、ここで、同じ又は近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、
及びRは、それぞれ独立して、
(i)水素、若しくは、
(ii)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、同じ若しくは近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、又は、
及びRは、付着されている窒素原子と共に組み合わされて、価数に応じて1以上のR基で任意に独立して置換されたヘテロシクロ環を形成してもよく、ここで、同じ若しくは近接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、
10は、
(i)水素、又は、
(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、
は、それぞれ独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、
nは0、1、又は2であり、
mは0又は1であり、
11は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、又はヘテロアリールアルキルから選択される)。
追加の実施の形態では、R12は、
Figure 2019520380
から選択される。
追加の実施の形態では、R12は、
Figure 2019520380
から選択される。
追加の実施の形態では、R12は、
Figure 2019520380
である。
本発明の追加の実施の形態では、スルホンのヘテロアリールアミンとのカップリングは、式X−b:
Figure 2019520380
(式中、
12は、
Figure 2019520380
であり、他の変項は式X−aに定義される通りである)の化合物をもたらす。
したがって、本発明は、少なくとも以下の特徴を含む:
(i)アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから開始して、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを合成する方法;
(ii)4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドから開始して、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを合成する方法;
(iii)2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを合成する方法;
(iv)2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを合成する方法;
(v)式Iの化合物によるハロピリミジンの求核攻撃、得られる化合物の環化、ヒドロキシ基の脱離基への変換、得られる化合物の脱水、及びスルホキシド又はスルホンへの任意の酸化を含む、式IVの化合物を合成する方法;
(vi)式Iの化合物によるハロピリミジンの求核攻撃、及び得られる化合物の環化を含む、式IIIの化合物を合成する方法;
(vii)式Iの化合物によるハロピリミジンの求核攻撃を含む、式IIの化合物を合成する方法;
(viii)式Iの化合物を合成する方法;並びに、
(ix)式IIの化合物。
ベンジル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)カルバメートからの中間体1Kの合成を説明する図である。工程1では、ベンジル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)カルバメートをBoc保護する。工程2では、5−ブロモ−2,4−ジクロロピリミジンに対するBoc保護種による求核攻撃がクロリドを選択的に転位し、ジハロ種を得る。工程3では、ジハロ種を選択的にカップリングしてブロミドを転位し、内部アルキニル種を得る。工程4〜工程6では、内部アルキニル種を6−5ヘテロアリール種へと環化する。工程7〜工程9では、6−5ヘテロアリール種を更に環化して中間体1Kを得る。 CDK阻害剤を得るための適切に置換されたアニリノ種への中間体1KのSNArカップリングを説明する図である。 化合物10→化合物11→化合物19→19の塩へのppm(parts per million)で測定されたパラジウムレベルの段階的な減少を説明する図である。パラジウムの最終濃度は1.47%である。実施例3を参照されたい。 式I、式II、式III及び式IVの図である。
I. 専門用語
化合物は正式名称を用いて記載される。他に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書に記載されるいずれかの式の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、互変異性体、N−オキシド、回転異性体等の異性体を、それぞれが具体的に記載されるかのように包含する。
数量を特定しない用語(The terms "a" and "an")は量の限定を表すのではなく、言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。「又は」という用語は「及び/又は」を意味する。値の範囲の列挙は本明細書に他に指定されない限り、単にその範囲に含まれる各々の別個の値に個別に言及する簡単な方法としての役割を果たすことを意図するものであり、各々の別個の値は、それらが本明細書に個別に列挙されたかのように本明細書の一部をなす。全ての範囲の端点はその範囲内に含まれ、独立して組み合わせることができる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に他に指定されない又は文脈により明らかに否定されない限り、好適な順序で行うことができる。例又は例示的な言葉(例えば、「等(such as)」)の使用は単に本発明をよりよく説明することを意図するものであり、他に主張のない限り本発明の範囲の限定を示すものではない。他に規定のない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明は、同位体の天然存在度を超える量の、すなわち濃縮された少なくとも1つの所望の原子の同位体置換を有する式IIの化合物を含む。同位体は同じ原子番号を有するが質量数が異なる、すなわち同じ陽子数を有するが、中性子数が異なる原子である。
本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、及び125Iのそれぞれが挙げられる。非限定的な一実施形態では、同位体標識された化合物を代謝研究(14Cを用いる)、反応動態研究(例えばH又はHを用いる)、薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む検出若しくは画像化技法、例えば陽電子断層撮影(PET)若しくは単一光子放射断層撮影(SPECT)又は患者の放射線治療に使用することができる。特に、18F標識化合物がPET又はSPECT研究に特に望ましい場合がある。同位体標識した本発明の化合物及びそのプロドラッグは概して、非同位体標識試薬を容易に利用可能な同位体標識試薬に置き換えることで、スキーム又は下記の実施例及び調製に開示される手順を行うことによって調製することができる。
一般的な例として、限定されるものではないが、水素の同位体、例えば重水素(H)及び三重水素(H)を所望の結果が達成される記載の構造のいずれの部位にも使用することができる。代替的又は付加的に、炭素の同位体、例えば13C及び14Cを使用することができる。
同位体置換、例えば重水素置換は、部分的であってもよく、又は完全であってもよい。部分的な重水素置換は、少なくとも1つの水素が重水素で置換されることを意味する。特定の実施形態では、同位体は、目的の任意の位置に同位体が90%、95%又は99%以上濃縮される。非限定的な一実施形態では、重水素は所望の位置に90%、95%、又は99%濃縮される。
非限定的な一実施形態では、重水素原子に対する水素原子の置換は、A、C、L又はBのいずれかにおいて提供され得る。非限定的な一実施形態では、重水素原子に対する水素原子の置換は、R、R、R、R、R、R、R、R、R8*、R、R9*、R10、R10*、R11、R12、R13、R14及びRのいずれかから選択されるR基内で生じる。例えば、R基のいずれかが、例えば置換によって、メチル、エチル、又はメトキシであるか、それらを含む場合、アルキル残基は重水素化され得る(非限定的な実施形態では、CDH、CDH、CD、CHCD、CDCD、CHDCHD、CHCD、CHDCHD、OCDH、OCDH、又はOCD等)。特定の他の実施形態では、2つの置換基が組み合わされて環(cycle)を形成する場合、非置換の炭素が重水素化され得る。
本発明の化合物は溶媒(水を含む)とともに溶媒和物を形成し得る。したがって、非限定的な一実施形態では、本発明は溶媒和形態の化合物を含む。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物(その塩を含む)と1つ以上の溶媒分子との分子複合体を指す。溶媒の非限定的な例は水、エタノール、ジメチルスルホキシド、アセトン及び他の通常の有機溶媒である。「水和物」という用語は、本発明の化合物及び水を含む分子複合体を指す。本発明による薬学的に許容可能な溶媒和物には、溶媒が同位体置換され得るもの、例えばDO、d−アセトン、d−DMSOが含まれる。溶媒和物は液体形態又は固体形態であり得る。
2個の文字又は記号の間にない横線(「−」)は、置換基に対する付着点を示すために使用される。例えば、−(C=O)NHは、ケト(C=O)基の炭素によって付着される。
「アルキル」は、分岐鎖又は直鎖の飽和脂肪族炭化水素基である。非限定的な一実施形態では、アルキル基は、1個〜約12個の炭素原子、より一般的には1個〜約6個の炭素原子、又は1個〜約4個の炭素原子を含む。非限定的な一実施形態では、アルキルは1個〜約8個の炭素原子を含む。特定の実施形態では、アルキルはC〜C、C〜C、又はC〜Cである。本明細書で使用される指定範囲は、独立した種として記載される範囲の各メンバーを有するアルキル基を示す。例えば、本明細書で使用されるC〜Cアルキルの用語は、1個、2個、3個、4個、5個、又は6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、これらがそれぞれ独立した種として記載されることを意味することを意図する。例えば、本明細書で使用されるC〜Cアルキルの用語は、1個、2個、3個、又は4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、これらがそれぞれ独立した種として記載されることを意味することを意図する。アルキルの例として、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、及び2,3−ジメチルブタンが挙げられる。代替的な実施形態では、アルキル基は任意に置換される。
代替的な実施形態では、「アルキ(alk)」を含む用語が使用される場合には、文脈により明らかに除外されない限り、「シクロアルキル」又は「炭素環式(の)」がその定義の一部とされ得る。例えば、限定されずに、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル等の用語は、文脈により明らかに除外されない限り、いずれもアルキルの環状形態を含むとされ得る。
「アルコキシ」は、酸素架橋(−O−)によって共有結合された、上に定義されるアルキル基である。アルコキシの例として、限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、2−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、及び3−メチルペントキシが挙げられる。同様に、「アルキルチオ」又は「チオアルキル」基は、硫黄架橋(−S−)によって共有結合された指定の数の炭素原子を有する、上に定義されるアルキル基である。代替的な実施形態では、アルコキシ基は、上に記載される通り、任意に置換される。代替的な実施形態では、チオアルキル基は、上に記載される通り、任意に置換される。
「アミノ」は−NHである。
「アミド」又は「カルボキサミド」は−C(O)NRであり、ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素、アルキル、例えばC〜Cアルキル、アルケニル、例えばC〜Cアルケニル、アルキニル、例えばC〜Cアルキニル、−C〜Cアルキル(C〜Cシクロアルキル)、−C〜Cアルキル(C〜Cヘテロシクロアルキル)、−C〜Cアルキル(アリール)、及び−C〜Cアルキル(ヘテロアリール)から選択されるか、又は、結合される窒素と共に、R及びRはC〜C複素環を形成し得る。代替的な実施形態では、上に記載される通り、R基及びR基は、それぞれ独立して任意に置換される。
本明細書で使用される「カルボシクリル」、「炭素環式(の)」、「炭素環」又は「シクロアルキル」は、非芳香族環系に、全ての炭素環原子、及び3個〜14個の環炭素原子(「C3〜14カルボシクリル」)、及び0個のヘテロ原子を含む、飽和された又は部分的に不飽和の(すなわち、芳香族ではない)基である。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は3個〜10個の環炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は3個〜9個の環炭素原子(「C3〜9カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は3個〜8個の環炭素原子(「C3〜8カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は3個〜7個の環炭素原子(「C3〜7カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は3個〜6個の環炭素原子(「C3〜6カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は4個〜6個の環炭素原子(「C4〜6カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は5個〜6個の環炭素原子(「C5〜6カルボシクリル」)を有する。幾つかの実施形態では、カルボシクリル基は5個〜10個の環炭素原子(「C5〜10カルボシクリル」)を有する。例示的なC3〜6カルボシクリル基として、限定されず、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)等が挙げられる。例示的なC3〜8カルボシクリル基として、限定されず、上述のC3〜6カルボシクリル基と並んで、シクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)等が挙げられる。例示的なC3〜10カルボシクリル基として、限定されず、上述のC3〜8カルボシクリル基と並んで、シクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)等が挙げられる。上述の例で説明するように、特定の実施形態では、カルボシクリル基は飽和していても、又は1つ以上の炭素−炭素二重若しくは三重結合を含有していてもよい。代替的な実施形態では、「カルボシクリル」には、カルボシクリル環が上記に規定されるように1つ以上のヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリール基と縮合し、付着点がカルボシクリル環上にあり、そのような場合に、炭素数が炭素環式環系中の炭素数を指したままである、環系も含まれる。代替的な実施形態では、炭素環は、いずれの場合も1つ以上の置換基で任意に置換される。特定の実施形態では、カルボシクリル基は非置換C3〜14カルボシクリルである。特定の実施形態では、カルボシクリル基は置換C3〜14カルボシクリルである。
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子、最大許容数までのハロゲン原子で置換された分岐及び直鎖の両方のアルキル基を示す。ハロアルキルの例としては、トリフルオロメチル、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル及びペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
「ハロアルコキシ」は、酸素架橋(アルコールラジカルの酸素)によって付着した本明細書で規定のハロアルキル基を示す。
「ハロ」又は「ハロゲン」は、独立してフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードのいずれかを示す。
本明細書で使用される「アリール」は、芳香環系内に6個〜14個の環炭素原子及び0個のヘテロ原子を有する単環式又は多環式(例えば二環式又は三環式)の4n+2芳香環系(例えば6個、10個又は14個のπ電子が環状配置で共有される)のラジカルを指す。幾つかの実施形態では、アリール基は6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」、例えばフェニル)。幾つかの実施形態では、アリール基は10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば、1−ナフチル及び2−ナフチル等のナフチル)。幾つかの実施形態では、アリール基は14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」、例えばアントラシル(anthracyl))。「アリール」は、上に規定のアリール環が1つ以上のカルボシクリル又はヘテロシクリル基と縮合し、ラジカル又は付着点がアリール環上にある環系も含み、このような場合に炭素原子の数はアリール環系中の炭素原子の数を指定し続ける。1つ以上の縮合カルボシクリル又はヘテロシクリル基は、窒素、酸素、リン、硫黄、ケイ素及びホウ素から独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を任意に含有し、例えば3,4−メチレンジオキシフェニル基を形成する、4員〜7員又は5員〜7員の飽和した又は部分的に不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル基であってもよい。非限定的な一実施形態では、アリール基はペンダントである。ペンダント環の一例は、フェニル基で置換されたフェニル基である。代替的な実施形態では、アリール基が上記のように任意に置換される。特定の実施形態では、アリール基は非置換C6〜14アリールである。特定の実施形態では、アリール基は置換C6〜14アリールである。
「アリールアルキル」は、アルキル基によって付着される、本明細書で定義されるアリール基である。アリールアルキル基の非限定的な例として、以下が挙げられる:
Figure 2019520380
「アリールオキシ」は、−O−リンカーによって付着される、本明細書で定義されるアリール基である。アリールオキシ基の非限定的な例として、以下が挙げられる:
Figure 2019520380
本明細書で定義される「アルキルスルフィニル」及び「アルキルスルホキシド」は、
Figure 2019520380
によって表される。
本明細書で定義される「アルキルスルホニル」及び「アルキルスルホン」は、
Figure 2019520380
によって表される。
II.ヘテロアリールアミンのスルホン/スルホキシドへのカップリング
アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドで置換された縮合ピリミジンをヘテロアリールアミンとカップリングさせて中心二置換アミンを形成することによって、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが有利に作製されることが発見された。クロロ置換縮合ピリミジンに代えて、アルキルスルホン又はアルキルスルホキシドで置換された縮合ピリミジンを使用することは、カップリングされたジアミン生成物の収率を増加させ、必要な温度を減少し、結果としてより少ない副生成物、すなわち不純物をもたらす。
一般的には、反応を促進する塩基の存在下において、所望に応じて、低温の極性非プロトン性溶媒中でカップリングが起こり得る。例えば、カップリングは、LiHMDSの存在下、室温以下でスルホンをTHF中のヘテロアリールアミンの撹拌溶液に添加することによって達成され得る。同等の結果を達成するであろう様々な添加順序が可能であるが、アミンは、二量体化副反応の発生を減少させるため、最後に添加されることが好ましい。
非限定的な一実施形態では、ピリミジンはピロール/スピロ環式ラクタム環系に縮合される。例えば、スルホンは、2’−(メチルスルホニル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オン又はその誘導体であってもよい。
代替的な実施形態では、ピリミジンはピロール/環式ラクタム系に縮合される。例えば、スルホンは、2−(メチルスルホニル)−8,9−ジヒドロピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6(7H)−オン又はその誘導体であってもよい。
工程1:ヘテロアリールアミンをスルホン/スルホキシドにカップリングする方法
工程1では、塩基の存在下で、ヘテロアリールアミンを2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと反応させて、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。ヘテロアリールアミンを好適な溶媒、典型的には、両方の反応物が溶解される中性有機溶媒中で適切な塩基と混合する。次いで、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを1回以上添加する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、スルホン又はスルホキシド約1.0当量に対してヘテロアリールアミン約3当量の過剰なヘテロアリールアミンが有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。室温より低い温度で上記反応を行うことができることがわかっている。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な実例となる一実施形態では、ヘテロアリールアミンは5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−アミンであり、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは2’−(メチルスルホニル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オンであり、塩基はLiHMDSであり、溶媒はTHFであり、温度は約5℃であり、時間は約1時間である。
工程1で使用される塩基は、限定されるものではないが、LiHMDS、NaHMDS、NaH、KH、LDA、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DBU(1,8ジアザビシクロウンデカ−7−エン)、TEA(トリエチルアミン)、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、又はTrizmaを含む任意の好適な塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はLiHMDS、NaHMDS、NaH、KH、及びLDAから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程1で使用する。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)、DCM(ジクロロメタン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、ACN(アセトニトリル)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME(ジメトキシエタン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)、メタノール、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はTHF、ACN、DMAP、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程1で使用する。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
工程1で使用される温度は、例えば、約20℃〜約25℃、約15℃〜約30℃、約10℃〜約35℃、約5℃〜約40℃、又は約0℃〜約50℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は室温以下に維持される。或いは、反応は高温で行うことができるが、これはそれほど典型的なものでない。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程1において約10分間〜約10時間、約30分間〜約5時間、約45分間〜約3時間、又は約1時間〜約2時間進行させてもよい。
一実施形態では、粗製反応混合物を水でクエンチする。別の実施形態では、粗製反応混合物を飽和塩化アンモニウムでクエンチする。
一実施形態では、スルホンは、少なくとも約5分間、10分間、15分間、又は20分間の撹拌間隔で少量ずつ添加する。一実施形態では、スルホンは、少なくとも10分間の撹拌間隔で少量ずつ添加する。
一実施形態では、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを遊離塩基として使用する。別の実施形態では、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを塩に変換する(例えば工程2)。
一実施形態では、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、式Xの化合物である。
特許文献17及び特許文献19は、Cl、Br、I、−S−Me、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、SOMe、SOMe、SOアルキル、SOアルキル、SOシクロアルキル、SOシクロアルキル、SOアリール、SOアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、及びヒドロキシヘテロアリールから選択される脱離基による、ヘテロアリールアミンのラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンへのカップリングを記載している。
工程2:2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの塩を形成する方法
工程2では、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを酸と反応させて、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン塩を得る。2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを、好適な溶媒、典型的には両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で適切な酸と混合する。一実施形態では、溶媒は酸である。第1の溶媒及び酸に加えて、逆溶媒を使用することができる。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、過剰な酸が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。室温で反応を行うことが可能であることがわかっている。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン塩を得る。
一実施形態では、酸はHClである。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)、DCM(ジクロロメタン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、ACN(アセトニトリル)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME(ジメトキシエタン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)、メタノール、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、メタノール、アセトン、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
一実施形態では、溶媒は約6Mの水性HClである。別の実施形態では、溶媒はジオキサン中の約4MのHClである。別の実施形態では、溶媒は溶媒の混合物である。一実施形態では、溶媒の混合物はDCMとメタノールの混合物である。
追加の実施形態では、溶媒は約2Mの水性HClである。別の追加の実施形態では、溶媒は2Mの水性HClである。
工程2で使用される逆溶媒は、限定されるものではないが、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)、DCM(ジクロロメタン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、ACN(アセトニトリル)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME(ジメトキシエタン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)、メタノール、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、メタノール、アセトン、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
工程2で使用される温度は、例えば、約20℃〜約25℃、約15℃〜約30℃、約10℃〜約35℃、約5℃〜約40℃、約0℃〜約50℃、又は約0℃〜約70℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は室温以下に維持される。或いは、反応は高温で行うことができるが、これはそれほど典型的なものでない。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約10分〜約10時間、約30分〜約5時間、約45分〜約3時間、又は約1時間〜約2時間進行させてもよい。
一実施形態では、塩はジ−HCl塩である。
IIIA.ピリミジンエステルからスルホン/スルホキシドを作製する方法
2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、また同様にスルホキシド及びスルフィドの類縁体は、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから7工程又はそれよりも少ない工程で作製され得ることが発見された。非限定的な一実施形態では、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンはスピロ環、例えば2’−(メチルスルホニル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オンである。
工程1:アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートの作製
Figure 2019520380
工程1では、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートを、求核置換反応においてラクタムアミンと反応させ、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る。アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートとラクタムアミンを、好適な溶媒、典型的には、求核置換反応を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、カルボキシレート約1.0当量に対してラクタムアミン約1.1当量の小過剰モルのラクタムアミンが有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。最高で還流を含む加熱によって上記反応が促進され得ることがわかっている。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、バッチを任意に冷却し、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む任意の好適な手段によって精製して、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る。非限定的な実例となる一実施形態では、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートはエチル4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートであり、ラクタムアミンはスピロラクタムであり、塩基はDIPEAであり、溶媒はDMAcであり、温度は約95℃であり、時間は約60時間である。
工程1で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、DBU(1,8ジアザビシクロウンデカ−7−エン)、TEA(トリエチルアミン)、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、又はTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程1で使用する。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc(N,N−ジメチルアセトアミド)、DCM(ジクロロメタン)、THF(テトラヒドロフラン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、TFA(トリフルオロ酢酸)、ACN(アセトニトリル)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME(ジメトキシエタン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA(ヘキサメチルホスホルアミド)、メタノール、MTBE(メチルターシャリーブチルエーテル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDMAc、ACN、DMAP、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程1で使用する。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
工程1で使用される温度は、例えば、約50℃〜約150℃、約60℃〜約125℃、約70℃〜約110℃、約80℃〜約100℃、又は約90℃〜約100℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約80℃〜約100℃から選択される。代替的な実施の形態では、反応温度は、高い圧力を維持することができる反応槽の使用によって、溶媒還流より高くなる。或いは、反応は室温以下で行うことができるが、これはそれほど典型的なものでない。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程1において約5時間〜約110時間、約15時間〜約100時間、約25時間〜約90時間、約35時間〜約80時間、又は約50時間〜約70時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。
工程2:アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートの任意の保護
Figure 2019520380
工程2では、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを保護基試薬と反応させて、保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る。アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートと保護基試薬は、好適な溶媒、典型的には、保護基の導入を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレート約1.0当量に対して保護基試薬約1.5当量の小過剰モルの保護基試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る。非限定的な一実施形態では、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートはエチル2−(メチルチオ)−4−(3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−1−イル)ピリミジン−5−カルボキシレートであり、保護基試薬はBoc無水物であり、塩基はDMAPであり、溶媒はジクロロメタンであり、温度は約25℃であり、時間は約3時間である。
非限定的な一実施形態では、最初に使用されるラクタムアミンは既に保護されていた。代替的な実施形態では、ラクタム置換ピリミジンは保護基を必要とせずに、適切に反応する。
工程2で使用される保護基試薬は、Boc無水物(tert−ブチルオキシカルボニル無水物)、Boc−Cl、CBz−Cl(カルボキシベンジルクロリド)、クロロギ酸メチル、塩化ベンジル、塩化ベンゾイル、アリルクロリド(allylic chloride)、トリフル酸(triflic)無水物、Tf−Cl、トシル無水物、及びTs−Clを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の導入を可能とする、任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬はBoc無水物又はBoc−Clのいずれかである。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬はCBz−Clである。
工程2で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、及びTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程2で使用する。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
工程2で使用される温度は、例えば、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約0.1時間〜20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間、約1.5時間〜約5時間、又は約2時間〜約4時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物は少なくなる。
工程3:5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの作製
Figure 2019520380
工程3では、保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを分子内環化において塩基と反応させて、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートと塩基を、好適な溶媒、典型的には、反応物と試薬の両方が溶解される中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と試薬の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートはtert−ブチル1−(5−(エトキシカルボニル)−2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)−3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−カルボキシレートであり、塩基はDBUであり、溶媒はTHFであり、温度は約5℃であり、時間は約2時間である。
工程3で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、又はTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、DABCO、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程3で使用する。
工程3で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程3で使用する。
工程3で使用される温度は、例えば、約−50℃〜約50℃、約−35℃〜約40℃、約−10℃〜約30℃、約−5℃〜約20℃、又は約0℃〜約10℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約0℃〜約10℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程3において約0.1時間〜約20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間、約1.5時間〜約5時間、又は約2時間〜約3時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程4:5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの作製
Figure 2019520380
工程4では、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを脱離基試薬と反応させて、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと脱離基試薬を、好適な溶媒、典型的には、反応を促進する塩基と共に、両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して脱離基試薬約1.6当量の小過剰モルの保護基試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、tert−ブチル5’−ヒドロキシ−2’−(メチルチオ)−6’−オキソ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−7’(8’H)−カルボキシレートであり、脱離基試薬はトリフル酸無水物であり、塩基はTEAであり、溶媒はDCMであり、温度は約0℃であり、時間は約3時間である。
工程4で使用される脱離基試薬は、トリフル酸無水物、Tf−Cl、トシル無水物及びTs−Clを含むが、それらに限定されない、任意の好適な脱離基へのヒドロキシル基の変換を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はトリフレートであり、好適な試薬はトリフル酸無水物又はTf−Clのいずれかである。
工程4で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、又はTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、トリメチルアミン、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程4で使用する。
工程4で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジエチルエーテル、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程4で使用する。典型的には、溶媒又は溶媒の混合物は、脱離基試薬との反応を回避するように非プロトン性である。
工程4で使用される温度は、例えば、約−50℃〜約50℃、約−35℃〜約35℃、約−25℃〜約25℃、約−15℃〜約15℃、又は約−5℃〜約5℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約−5℃〜約5℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程4において約0.1時間〜20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間、約1.5時間〜約5時間、又は約2時間〜約4時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程5:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの作製
Figure 2019520380
工程5では、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを脱離基切断試薬と反応させて脱離基を除去し、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと脱離基切断試薬を、好適な溶媒、典型的には、反応を促進する触媒と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して、脱離基切断試薬約2.0当量のモル過剰の脱離基切断試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、tert−ブチル2’−(メチルチオ)−6’−オキソ−5’−(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−7’(8’H)−カルボキシレートであり、脱離基切断試薬はトリエチルシランであり、触媒はパラジウムテトラキスであり、溶媒はDMFであり、温度は約50℃であり、時間は約14時間である。
工程5で使用される脱離基切断試薬は、トリアルキルシランを含むが、それに限定されない、脱離基の除去を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、脱離基切断試薬は、トリエチルシランである。
工程5で使用される触媒は、Pd/C、パラジウムテトラキス、酢酸パラジウム、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、及びアリルパラジウム(II)クロリドを含むが、それらに限定されない、任意の好適な有機金属触媒であってもよい。代替的な実施形態では、複数の触媒、又は触媒及び共触媒を工程5で使用する。
工程5で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDMF、DMSO、ACN、及びNMPから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程5で使用する。典型的には、溶媒又は溶媒の混合物は、試薬との反応を回避するように非プロトン性である。
工程5で使用される温度は、例えば、約0℃〜約100℃、約15℃〜約85℃、約25℃〜約75℃、約35℃〜約65℃、又は約45℃〜約55℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約45℃〜約55℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程5において約1時間〜約30時間、約3時間〜約25時間、約6時間〜約20時間、約9時間〜約16時間、又は約12時間〜約15時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程6:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの任意の脱保護
Figure 2019520380
工程6では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを脱保護して、脱保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得る。2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと脱保護試薬を、好適な溶媒、典型的には、両方の反応物が溶解する有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と脱保護試薬の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して脱保護試薬約5当量の大過剰モルの脱保護試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、脱保護された2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンはtert−ブチル2’−(メチルチオ)−6’−オキソ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−7’(8’H)−カルボキシレートであり、脱保護試薬はTFAであり、溶媒はジクロロメタンであり、温度は約25℃であり、時間は約2時間である。
非限定的な一実施形態では、保護基のない状態が先の反応に適していたため、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは既に脱保護されていた。代替的な実施形態では、保護基は残されて、後の工程で除去される。
工程6で使用される脱保護試薬は、TFA、酢酸、アミノメタンスルホン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ギ酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、コハク酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、ホスフィン酸、リン酸、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わないパラジウム炭素、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わない白金炭素、トリエチルシラン、TBAF及びHFを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の脱保護を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬はTFAである。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬は水素ガスを伴うパラジウム炭素である。
付加的な実施形態では、工程6で使用される脱保護試薬は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、NaOH、tBuOK、NaH、KH、又はTrizmaを含む塩基性脱保護試薬である。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、DABCO、TEA、及びtBuOKから選択される。
追加の実施形態では、工程6で使用される脱保護試薬はNaOMeである。
別の追加の実施形態では、脱保護は、塩基としてのNaOMeと共に溶媒としてMeOHを使用する。一実施形態では、上記反応を、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間又は8時間に亘って加熱する。一実施形態では、上記反応を、単離の前に室温より低い温度に冷却する。一実施形態では、上記反応を約3時間還流し、約0℃に冷却し、単離し、MeOHで洗浄する。
工程6で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はTFA、DCM、THF、及びクロロホルムから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程6で使用する。別の代替的な実施形態では、脱保護試薬を溶媒として使用する。
工程6で使用される温度は、例えば、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程6において約1時間〜約40時間、約3時間〜約35時間、約5時間〜約30時間、約10時間〜約25時間、又は約13時間〜約20時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程7:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの任意の酸化
Figure 2019520380
工程7では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを酸化剤と反応させて、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと酸化剤を、好適な溶媒、典型的には両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と酸化剤の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して酸化剤約5当量の大過剰モルの酸化剤が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのいずれかを得る。非限定的な一実施形態では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは2’−(メチルチオ)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オンであり、酸化剤はオキソンであり、溶媒は水及びアセトニトリルの混合物であり、温度は約25℃であり、時間は約2時間である。
工程7で使用される酸化剤は、オキソン、過酸化水素、mCPBA、次亜塩素酸ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを含むが、それらに限定されない、スルホン又はスルホキシドの酸化状態のいずれかへの酸化を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、生成物はスルホンであり、酸化剤はオキソンである。
追加の実施形態では、使用される酸化剤は、添加剤によって触媒される。一実施形態では、添加剤はNaWOである。一実施形態では、添加物はNaWOであり、酸化剤は過酸化水素である。一実施形態では、添加物はNaWOであり、酸化剤は過酸化水素であり、反応は加熱しながらHOとEtOHの混合物中で行われる。一実施形態では、添加物はNaWOであり、酸化剤は過酸化水素であり、反応は約60℃にて、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間又は9時間に亘ってHOとEtOHの混合物中で行われる。
追加の実施形態では、酸化剤を反応混合物に徐々に添加する。一実施形態では、酸化剤を、約10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、70分間、80分間、90分間又は100分間に亘って添加する。一実施形態では、酸化剤を約50分に亘って添加する。一実施形態では、50分に亘る添加は、10分間に亘る添加等のより速い添加よりも高い収率をもたらす。
工程7で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はACN、水、及びジオキサンから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物、例えば水及びACNを工程7で使用する。
工程7で使用される温度は、例えば、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程7において約1時間〜約40時間、約3時間〜約35時間、約5時間〜約30時間、約10時間〜約25時間、又は約13時間〜約20時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
本明細書に指示される工程の順序は、同じ最終生成物に到達する限り、入れ替えられてもよいことが、当業者によって認識されるべきである。例えば、酸化は、工程3と工程4の間、工程4と工程5の間、又は工程5と工程6の間に行われてもよく、保護工程は、工程1の前、工程3と工程4の間、又は工程4と工程5の間に行われてもよく、脱保護工程は、工程3と工程4の間、工程4と工程5の間、又は工程7の後に行われてもよい。
非限定的な一実施形態では、ラクタムアミンは既に適切に保護されており、工程2は必要ではない。別の実施形態では、選択される試薬及び出発材料は、所望の生成物へと進行するため保護を必要せず、工程2及び工程6は必要ではない。
別の実施形態では、ラクタムアミンは式Iの化合物であり、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートは式IIの化合物であり、5’−ヒドロキシ−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン及び5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは式IIIの化合物であり、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは式IVの化合物である。
IIIB.ピリミジンアルデヒドからスルホン/スルホキシドを作製する方法
2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、また同様にそれらのスルホキシド及びスルフィドの類縁体は、4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドから5工程又はそれよりも少ない工程で作製され得ることが発見された。非限定的な一実施形態では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは、スピロ環、例えば2’−(メチルスルホニル)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オンである。
工程1:2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドの作製
Figure 2019520380
工程1では、4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドを求核置換反応においてラクタムアミンと反応させて、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを得る。4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドとラクタムアミンを、好適な溶媒、典型的には、求核置換反応を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、カルバルデヒド約1.0当量に対してラクタムアミン約1.1当量の小過剰モルのラクタムアミンが有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。最高で還流を含む加熱によって上記反応が促進され得ることがわかっている。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、バッチを任意に冷却し、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によって精製して、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを得る。非限定的な一実施形態では、4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドは4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒドであり、ラクタムアミンはスピロラクタムであり、塩基はDIPEAであり、溶媒はtert−ブタノールであり、温度は約85℃であり、時間は約24時間である。
工程1で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、又はTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程1で使用する。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDMAc、tert−ブタノール、DMAP、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程1で使用する。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
非限定的な例における工程1で使用される温度は、約50℃〜約150℃、約60℃〜約125℃、約70℃〜約110℃、約80℃〜約100℃、又は約90℃〜約100℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約80℃〜約100℃から選択される。代替的な実施の形態では、反応温度は、高い圧力を維持することができる反応槽の使用によって、溶媒還流より高くなる。或いは、反応は室温以下で行うことができるが、これはそれほど典型的なものでない。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程1において約1時間〜約65時間、約7時間〜約55時間、約12時間〜約45時間、約17時間〜約35時間、又は約22時間〜約25時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。
工程2:2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドの任意の保護
Figure 2019520380
工程2では、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを保護基試薬と反応させて、保護された2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを得る。2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドと保護基試薬を、好適な溶媒、典型的には、保護基の導入を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒド約1当量に対して保護基試薬約7当量の大過剰モルの保護基試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、保護された2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを得る。非限定的な一実施形態では、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドは2−(メチルチオ)−4−(3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−1−イル)ピリミジン−5−カルバルデヒドであり、保護基試薬はBoc無水物であり、塩基はDMAPであり、溶媒はジクロロメタンであり、温度は約25℃であり、時間は約3時間である。
非限定的な一実施形態では、最初に使用されるラクタムアミンは、既に保護されていた。代替的な実施形態では、ラクタム置換ピリミジンは保護基を必要とすることなく、適切に反応する。
工程2で使用される保護基試薬は、Boc無水物、Boc−Cl、CBz−Cl、クロロギ酸メチル、塩化ベンジル、塩化ベンゾイル、アリルクロリド、トリフル酸無水物、Tf−Cl、トシル無水物、及びTs−Clを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の導入を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬はBoc無水物又はBoc−Clのいずれかである。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬はCBz−Clである。
工程2で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、及びTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、TEA、及びピリジンから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程2で使用する。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
非限定的な例における工程2で使用される温度は、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約0.1時間〜約20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間、約1.5時間〜約5時間、又は約2時間〜約4時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程3:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの作製
Figure 2019520380
工程3では、任意に保護された2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドを、分子内環化において塩基と反応させ、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。保護されたアルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドと塩基を、好適な溶媒、典型的には反応物と試薬の両方が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と試薬の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、保護された2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドはtert−ブチル2’−(メチルチオ)−6’−オキソ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−7’(8’H)−カルボキシレートであり、塩基はtBuOKであり、溶媒はTHFであり、温度は約5℃であり、時間は約2時間である。
工程3で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、NaOH、tBuOK、NaH、KH、又はTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、DABCO、TEA、及びtBuOKから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程3で使用する。
工程3で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程3で使用する。
非限定的な例における工程3で使用される温度は、約−50℃〜約50℃、約−35℃〜約40℃、約−10℃〜約30℃、約−5℃〜約20℃、又は約0℃〜約10℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約0℃〜約10℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程3において約0.1時間〜約20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程4:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの任意の脱保護
Figure 2019520380
工程4では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを脱保護して、脱保護された2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。保護された2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと脱保護試薬を、好適な溶媒、典型的には、両方の反応物が溶解する有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と脱保護試薬の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して脱保護試薬約5当量の大過剰モルの脱保護試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化及びカラムクロマトグラフィーを含む任意の好適な手段によってバッチを精製して、脱保護された2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。非限定的な一実施形態では、保護された2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンはtert−ブチル2’−(メチルチオ)−6’−オキソ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−7’(8’H)−カルボキシレートであり、脱保護試薬は塩酸であり、溶媒は水であり、温度は約25℃であり、時間は約2時間である。
非限定的な一実施形態では、保護基のない状態が先の反応に好適であったため、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは既に保護されていなかった。代替的な実施形態では、保護基は残され、後の工程で除去される。
工程4で使用される脱保護試薬は、TFA、酢酸、アミノメタンスルホン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ギ酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、コハク酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、ホスフィン酸、リン酸、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わないパラジウム炭素、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わない白金炭素、トリエチルシラン、TBAF及びHFを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の脱保護を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬は塩酸である。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬は水素ガスを伴うパラジウム炭素である。
工程4で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、及び水から選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程4で使用する。別の代替的な実施形態では、脱保護試薬を溶媒として使用する。
非限定的な例における工程4で使用される温度は、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程4において約1時間〜約40時間、約3時間〜約35時間、約5時間〜約30時間、約10時間〜約25時間、又は約13時間〜約20時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程5:2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの任意の酸化
Figure 2019520380
工程5では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを酸化剤と反応させて、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得る。2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンと酸化剤を、好適な溶媒、典型的には、両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と酸化剤の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン約1.0当量に対して酸化剤約5当量の大過剰モルの酸化剤が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化及びカラムクロマトグラフィーを含む任意の好適な手段によってバッチを精製して、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン又は2’−(アルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンのいずれかを得る。非限定的な一実施形態では、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは2’−(メチルチオ)−7’,8’−ジヒドロ−6’H−スピロ[シクロヘキサン−1,9’−ピラジノ[1’,2’:1,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’−オンであり、酸化剤はオキソンであり、溶媒は水及びアセトニトリルの混合物であり、温度は約25℃であり、時間は約2時間である。
工程5で使用される酸化剤は、オキソン、過酸化水素、mCPBA、次亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸ナトリウムを含むが、それらに限定されない、スルホン又はスルホキシドの酸化状態のいずれかへの酸化を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、生成物はスルホンであり、酸化剤はオキソンである。
工程5で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はACN、水及びジオキサンから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物、例えば水及びACNを工程5で使用する。
非限定的な例における工程5で使用される温度は、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程5において約1時間〜約40時間、約3時間〜約35時間、約5時間〜約30時間、約10時間〜約25時間、又は約13時間〜約20時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
本明細書に指示される工程の順序は、同じ最終生成物に到達する限り、入れ替えられてもよいことは、当業者によって認識されるべきである。
非限定的な一実施形態では、ラクタムアミンは既に適切に保護されており、工程2を必要としない。別の実施形態では、選択される試薬及び出発材料は、所望の生成物まで進行するために保護を必要せず、工程2及び工程4は必要ではない。
別の実施形態では、ラクタムアミンは式Iの化合物であり、2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルバルデヒドは式IIの化合物であり、2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンは式IVの化合物である。
IIIC.シクロヘキサノンから1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを作製する方法
シクロヘキサノンから1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを作製され得ることが発見された。非限定的な一実施形態では、1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンは、最初は保護されておらず、後の合成工程の間に任意に保護される。
工程1:アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネートの作製
Figure 2019520380
工程1では、TMSCNの存在下で適切に置換されたアルキルグリシネート又はその塩をシクロヘキサノンと反応させて、アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネートを得る。シクロヘキサノンとアルキルグリシネートを好適な溶媒、典型的には、反応を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。次いで、TMSCNを混合物に徐々に添加する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。反応の発熱を伴う性質により、規模が大きい場合は温度を制御する。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む任意の好適な手段によってバッチを精製して、アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネートを得る。非限定的な一実施形態では、アルキルグリシネートはメチルグリシネート又はその塩であり、塩基はTEAであり、溶媒はDCMであり、温度は約35℃以下であり、時間は約4時間である。
工程1で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、NaOH、tBuOK、NaH、KH、炭酸カリウム、又はTrizmaを含む任意の好適な塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、TEA、DBU、DABCO、炭酸カリウム、及びtBuOKから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程1で使用する。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はTEA、ACN、DCM、及びDMSOから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程1で使用する。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
非限定的な例における工程1で使用される温度は、約−20℃〜約50℃、約−10℃〜約40℃、約0℃〜約35℃、又は約10℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約10℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。
工程2:4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンの作製
Figure 2019520380
工程2では、アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネート又はその塩を、水素化物の供給源及び好適な触媒によって還元し、その後、分子内環化を経て、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネートを好適な溶媒に溶解する。次いで、還元剤を、任意に触媒の存在下で添加して、シアノ基をアミンへと還元させる。その後、アミンは、後の分子内環化において求核分子として作用し、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。非限定的な一実施形態では、アルキル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネートはメチル(1−シアノシクロヘキシル)グリシネート又はその塩であり、溶媒はMeOHであり、水素化物の供給源は水素ガスであり、触媒は酸化白金であり、温度は約40℃であり、時間は約3時間である。
工程2で使用される水素化物の供給源は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素ガス、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素、及びアンモニアギ酸エステルを含むが、それらに限定されない、任意の好適な水素化物の供給源であってもよい。代替的な実施形態では、水素化物の供給源は、触媒を伴わずに化学量論的に使用され、例えば白金炭素を含まないトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが使用される。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はメタノール、水、及びエタノールから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
非限定的な例における工程2で使用される温度は、約−10℃〜約90℃、約0℃〜約80℃、約10℃〜約70℃、約20℃〜約60℃、又は約30℃〜約50℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約30℃〜約50℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
IIID.アルキル2−オキソアセテートから1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを作製する方法
1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンは、任意に保護され得る、アルキル2−オキソアセテート及び1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンから作製され得ることが発見された。非限定的な一実施形態では、1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンは、保護された、例えば、tert−ブチル3−オキソ−1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−4−カルボキシレートである。
工程1:アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートの作製
Figure 2019520380
工程1では、1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンを、還元的アミノ化反応においてアルキル2−オキソアセテートと反応させ、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを得る。1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンとアルキル2−オキソアセテートを好適な溶媒、典型的には、還元的アミノ化反応を促進する触媒及び水素化物の供給源と共に、両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを得る。非限定的な一実施形態では、1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンはtert−ブチル((1−アミノシクロヘキシル)メチル)カルバメートであり、アルキル2−オキソアセテートはエチル2−オキソアセテートであり、触媒は白金炭素であり、水素化物の供給源は水素ガスであり、溶媒はDCMであり、温度は約25℃であり、時間は約24時間である。
工程1で使用される水素化物の供給源は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素ガス、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素、及びアンモニアギ酸エステルを含むが、これらに限定されない、任意の好適な水素化物の供給源であってもよい。代替的な実施形態では、水素化物の供給源は、触媒を伴わずに化学量論的に使用され、例えば白金炭素を含まないトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが使用される。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、EtOAc、エタノール、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程1で使用する。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
非限定的な例における工程1で使用される温度は、約−50℃〜約50℃、約−35℃〜約40℃、約−10℃〜約30℃、約−5℃〜約20℃、又は約0℃〜約10℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約0℃〜約10℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程1において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程2:アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートの任意の脱保護
Figure 2019520380
工程2では、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを脱保護して、脱保護されたアルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを得る。アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートと脱保護試薬を好適な溶媒、典型的には、両方の反応物が溶解する溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と脱保護試薬の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、保護アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネート約1.0当量に対して脱保護試薬約5当量の大過剰モルの脱保護試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、脱保護されたアルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを得る。非限定的な一実施形態では、保護アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートはエチル(1−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)グリシネートであり、脱保護試薬は塩酸であり、溶媒は水であり、温度は約25℃であり、時間は約2時間である。
非限定的な一実施形態では、保護基のない状態が先の反応に好適であったため、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートは既に脱保護されていた。代替的な実施形態では、保護基は残され、後の工程で除去される。
工程2で使用される脱保護試薬は、TFA、酢酸、アミノメタンスルホン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ギ酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、コハク酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、ホスフィン酸、リン酸、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わないパラジウム炭素、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わない白金炭素、トリエチルシラン、TBAF及びHFを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の脱保護を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬は塩酸である。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬は水素ガスを伴うパラジウム炭素である。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、及び水から選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。別の代替的な実施形態では、脱保護試薬を溶媒として使用する。
非限定的な例における工程2で使用される温度は、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、約0℃〜約60℃、約10℃〜約40℃、又は約20℃〜約30℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約20℃〜約30℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約1時間〜約40時間以内、約3時間〜約35時間以内、約5時間〜約30時間以内、約10時間〜約25時間以内、又は約13時間〜約20時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程3:4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンの作製
Figure 2019520380
工程3では、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートを分子内環化において塩基と反応させ、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートと塩基を好適な溶媒、典型的には反応物と試薬の両方が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と試薬の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。非限定的な一実施形態では、アルキル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートは、エチル(1−(アミノメチル)シクロヘキシル)グリシネートであり、溶媒はTHFであり、温度は約5℃であり、時間は約2時間である。
工程3で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、NaOH、tBuOK、NaH、KH、又はTrizmaを含む任意の好適な塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はDIPEA、DMAP、DBU、DABCO、TEA、及びtBuOKから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程3で使用する。
工程3で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程3で使用する。
非限定的な例における工程3で使用される温度は、約−50℃〜約50℃、約−35℃〜約40℃、約−10℃〜約30℃、約−5℃〜約20℃、又は約0℃〜約10℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約0℃〜約10℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程3において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
IIID.シクロヘキサノンから1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを作製する代替法
追加の実施形態では、シアノ中間体を利用してシクロヘキサノンから1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを作製することができる。
工程1:1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルの作製
Figure 2019520380
工程1では、環状ケトンを、シアニド及びアンモニアの供給源、また任意に追加の試薬又は触媒と反応させて、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルを得る。環状ケトン、シアニド供給源及びアンモニア供給源を、好適な溶媒、典型的には両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルを得る。非限定的な一実施形態では、環状ケトンはシクロヘキサノンであり、シアニド供給源はTMSCNであり、アンモニア供給源はアンモニアであり、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルは1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンであり、触媒はチタンイソプロポキシドである。一実施形態では、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルの単離に遠心分離を使用する。別の実施形態では、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルの単離にセライト濾過を使用する。
工程1で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、EtOAc、エタノール、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を使用する。一実施形態では、溶媒を使用しない。
追加の実施形態では、工程1で使用される溶媒はジオキサンである。別の追加の実施形態では、溶媒は、DCM、EtOAc、エタノール、ジオキサン、tert−ブチルアルコール及びTHFから選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程1において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程2:1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンの作製
Figure 2019520380
工程2では、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルを還元して、1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを得る。1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルと還元試薬を好適な溶媒、典型的には両方の反応物が溶解する溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と還元試薬の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリル約1.0当量に対して還元試薬約2当量のモル過剰の還元試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを得る。非限定的な一実施形態では、1−アミノシクロアルキル−1−カルボニトリルは1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンであり、還元試薬は水素化アルミニウムリチウム(LAH)であり、温度は約45℃であり、時間は約30分間である。
工程2で使用される還元剤は、LAH、BH−THF、BHSMe、H、ラネーニッケルを伴うH、及びPd/Cを伴うHを含むが、それらに限定されない、シアノ基を還元させる、任意の好適な試薬であってもよい。
工程2で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、及び水から選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程2で使用する。
非限定的な例における工程2で使用される温度は、約−20℃〜約100℃、約−10℃〜約90℃、約0℃〜約80℃、約10℃〜約70℃、又は約20℃〜約60℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約30℃〜約50℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程2において約10分間〜約3時間以内、約10分間〜約2時間以内、約10分間〜約1時間以内、約10分間〜約50分間以内、又は約20分間〜約40分間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程3:保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンの作製
Figure 2019520380
工程3では、1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを保護基試薬と反応させて、保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを得る。1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンと保護基試薬を好適な溶媒、典型的には保護基の導入を促進する塩基と共に両方の反応物が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する2つの反応物の任意のモル比を使用することができる。典型的には、例えば1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミン約1当量に対して保護基試薬約0.6当量、0.7当量、0.8当量、0.9当量、1当量、又は1.1当量のモル不足(molar deficiency)又はモル当量の保護基試薬が有用である。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを得る。非限定的な一実施形態では、1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンは1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンであり、保護基試薬はBoc無水物であり、保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンはtert−ブチル((1−アミノシクロヘキシル)メチル)カルバメートであり、塩基は使用されず、温度は約−70℃である。
工程3で使用される保護基試薬は、Boc無水物、Boc−Cl、CBz−Cl、クロロギ酸メチル、塩化ベンジル、塩化ベンゾイル、アリルクロリド、トリフル酸無水物、Tf−Cl、トシル無水物、及びTs−Clを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の導入を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬はBoc無水物又はBoc−Clのいずれかである。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬はCBz−Clである。
一実施形態では、工程3は塩基を添加せずに行われる。塩基が使用される場合、塩基は限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、及びTrizmaを含む任意の好適な有機塩基であり得る。
工程3で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程3で使用する。
非限定的な例における工程3で使用される温度は、約−100℃〜約20℃、約−90℃〜約0℃、約−80℃〜約−10℃、約−80℃〜約−40℃、又は約−80℃〜約−60℃であってもよい。非限定的な一実施形態では、温度は約−80℃〜約−60℃から選択される。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程3において約0.1時間〜約20時間、約0.5時間〜約15時間、約1時間〜約10時間、約1.5時間〜約5時間、又は約2時間〜約4時間進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程4:アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートの作製
Figure 2019520380
工程4では、保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンを塩基及びアルキル2−ブロモ酢酸と反応させて、アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートを得る。保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンと塩基を好適な溶媒、典型的には反応物と試薬の両方が溶解する中性有機溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と試薬の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートを得る。非限定的な一実施形態では、保護された1−(アミノメチル)シクロアルキル−1−アミンはtert−ブチル((1−アミノシクロヘキシル)メチル)カルバメートであり、溶媒はアセトニトリルであり、塩基はKCOであり、アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートはメチル(1−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)グリシネートである。
工程4で使用される塩基は、限定されるものではないが、DIPEA、DMAP、DBU、TEA、ピリジン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、ピリジン、アザジュロリジン、ベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジメチルベンジルアミン、DABCO、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、2,6−ルチジン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、プロトンスポンジ、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、トリペレナミン、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、エタノールアミン、NaOH、tBuOK、NaH、KH、又はTrizmaを含む任意の好適な塩基であり得る。非限定的な一実施形態では、塩基はKCO、NaCO、及びMgCOから選択される。代替的な実施形態では、複数の塩基を工程4で使用する。
工程4で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はアセトニトリル、ジオキサン、水、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程4で使用する。
非限定的な例における工程3で使用される温度は、約0℃〜約100℃、約0℃〜約90℃、約0℃〜約80℃、約20℃〜約80℃、又は約30℃〜約80℃であってもよい。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程4において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
工程5:4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンの作製
Figure 2019520380
工程5では、アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートを脱保護試薬で脱保護し、次いで酸で処理して分子内環化を引き起こし、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートと脱保護試薬を好適な溶媒、典型的には反応物と試薬の両方が溶解する溶媒中で混合する。所望の結果を達成する反応物と試薬の任意のモル比を使用することができる。反応を起こさせることが可能であれば、どのような温度で上記反応を行ってもよい。所望の収率をもたらすのに十分な時間反応させ、その後、濾過、結晶化、及びカラムクロマトグラフィーを含む、任意の好適な手段によってバッチを精製して、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを得る。非限定的な一実施形態では、アルキル(1−(((保護基)アミノ)メチル)シクロアルキル)グリシネートはメチル(1−(((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)メチル)シクロヘキシル)グリシネートであり、溶媒はDCEであり、酸はTFAであり、脱保護剤はTFAであり、温度はおよそ還流温度(about reflux)であり、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンは1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンである。
工程5で使用される脱保護試薬は、TFA、酢酸、アミノメタンスルホン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ギ酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、コハク酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、ホスフィン酸、リン酸、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わないパラジウム炭素、水素ガスを伴う又は水素ガスを伴わない白金炭素、トリエチルシラン、TBAF及びHFを含むが、それらに限定されない、任意の好適な保護基の脱保護を可能とする任意の好適な試薬であってもよい。非限定的な一実施形態では、保護基はBocであり、好適な試薬は塩酸である。代替的な実施形態では、保護基はCBzであり、好適な試薬は水素ガスを伴うパラジウム炭素である。
工程5で使用される酸は、TFA、酢酸、アミノメタンスルホン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ギ酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、サリチル酸、コハク酸、スルファミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホウ酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、フッ化水素酸、ヨウ素酸、硝酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、ホスフィン酸、及びリン酸を含むが、それらに限定されない、分子内環化を可能とする、任意の好適な酸であってもよい。非限定的な一実施形態では、酸はTFAである。
工程5で使用される溶媒は、限定されるものではないが、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ジグリム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンを含む任意の好適な有機溶媒であり得る。非限定的な一実施形態では、溶媒はDCM、DCE、TFA、及びTHFから選択される。代替的な実施形態では、溶媒の混合物を工程5で使用する。
非限定的な例における工程5で使用される温度は、約30℃〜約100℃、約35℃〜約90℃、約50℃〜約85℃、約55℃〜約85℃、又は約60℃〜約85℃であってもよい。
所望の収率の生成物を得るのに十分な時間、上記反応を進行させることができる。例えば、反応は工程5において約0.1時間〜約20時間以内、約0.5時間〜約15時間以内、約1時間〜約10時間以内、約1.5時間〜約5時間以内、又は約2時間〜約3時間以内で進行させてもよい。反応の時間と温度が関連づけられることは当業者に理解されるべきである。例えば、より高い温度を使用する場合、より短い反応時間で所望の収率が得られる可能性がある。或いは、より低い温度を使用する場合、所望の収率を得るためにより長い反応時間を必要とするが、存在し得る副生成物が少なくなる。
一実施形態では、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを塩として単離する。別の実施形態では、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンを遊離塩基として単離する。
一実施形態では、4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オン塩を溶媒に溶解又は懸濁し、次いで塩基に供する。一実施形態では、溶媒はエタノールである。一実施形態では、溶媒はDCMである。一実施形態では、塩基はKCOである。一実施形態では、溶媒はエタノールであり、塩基はKCOである。一実施形態では、溶媒はDCMであり、塩基はKCOである。
IV.新たな中間体
非限定的な一実施形態では、本明細書に記載される作製の方法で使用される多くの化合物は新たなものである。これらの幾つかを以下に記載する。
一実施形態では、式IIの化合物:
Figure 2019520380
及びその塩が提供される。式IIは、スピロ環式ラクタムに結合したヘテロアリールである。
式IIに含まれる化合物の非限定的な例を以下に説明する。本開示は、安定な化合物が生じる限りこれらの定義の全ての組み合わせを含む。
Figure 2019520380
一態様では、本開示は、式IIA:
Figure 2019520380
(式中、Rは本明細書に定義される通りである)の化合物及び塩を含む。Rの非限定的な例は、水素、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素、−CF、−OEt、−OMe、−NCHOMe、及び−OC(O)CHである。
一態様では、本開示は、式IIB:
Figure 2019520380
(式中、Rは本明細書に定義される通りである)の化合物及び塩を含む。Rの非限定的な例は、水素、−Boc、−CBz、−Bn、カルバミン酸メチル、及びメチルである。
一態様では、本開示は、式IIC:
Figure 2019520380
(式中、Rは本明細書に定義される通りである)の化合物及び塩を含む。Rの非限定的な例は、メチル、−CF、−Bn、−Ph、−Et、プロピル、及びイソプロピルである。
一態様では、本開示は、式IID:
Figure 2019520380
(式中、Rは本明細書に定義される通りである)の化合物及び塩を含む。Rの非限定的な例は、メチル、−CF、−Bn、−Ph、−Et、プロピル、及びイソプロピルである。
本発明にて提示された方法によって合成され得る化合物の非限定的な例として、
Figure 2019520380
Figure 2019520380
Figure 2019520380
Figure 2019520380
が挙げられる。
V.実例
本発明によれば、式I、式II、式III又は式IVの化合物:
Figure 2019520380
及びそれらの塩を作製する方法が提供される。非限定的な一実施形態では、上の式の化合物をCDK阻害剤の合成に使用する。
略語
ACN アセトニトリル
AUC 曲線下面積
Boc tert−ブチルオキシカルボニル
BocO ジ−tert−ブチルジカーボネート
CBZ カルボキシベンジル
DABCO 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DBU 1,8ジアザビシクロウンデカ−7−エン
DCM、CHCl ジクロロメタン
DIEA、DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA、DMAc N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Et エチル
h、hr 時間
HMPA ヘキサメチルホスホラミド
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
CO 炭酸カリウム
mCPBA メタ−クロロペルオキシ安息香酸
MTBE メチルターシャリーブチルエーテル
NMP N−メチル−2−ピロリドン
NMR 核磁気共鳴
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Pt 白金
RT 室温
TEA トリメチルアミン
TfO トリフルオロメタンスルホン酸無水物
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
一般法
出発材料、中間体及び最終生成物の構造を、NMR分光法及び質量分析を含む標準的な分析技術によって確認した。特に明記されない限り、試薬及び溶媒を商業的な供給者から受け取ったまま使用した。プロトン核磁気共鳴スペクトルを、DMSO−d中、500MHzのBrukerのAVANCE 500により得た。HPLC分析を、下記のHPLC法を使用して、WatersのHPLCにより行った。
HPLC法
カラム:Atlantis T3(150×4.6、3μm)
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出:275nmのUV
分析時間:36分
移動相A:水(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)
移動相B:アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸を含む)
試料作製:
湿潤固体又は乾燥固体(約1mgの活性化合物)であるIPC試料をアセトニトリル/水(1/1)に溶解させ、完全な溶解を達成する。
HPLC法 勾配
Figure 2019520380
実施例1.一般的な合成経路
Figure 2019520380
スキーム1−1:適切に置換されたハロピリミジンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換されたハロピリミジンを、塩基及び熱の存在下で1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンに供して、置換スピロラクタムを得る。工程2では、適切に置換されたスピロラクタムをRから選択される基で保護する。工程3では、保護されたスピロラクタムを塩基の存在下で環化して、縮合スピロラクタムを得る。縮合スピロラクタムは、工程3、工程4、工程5又は工程6の後にスルホキシド又はスルホンへと任意に酸化され得る。工程3に先立つ酸化は、望ましくない副生成物をもたらす。工程4では、縮合スピロラクタムのヒドロキシル基を脱離基へと変換する。工程5では、脱離基を脱水して式IVの化合物を得る。工程6では、式IVの化合物を任意に脱保護する。
Figure 2019520380
スキーム1−2:適切に置換されたハロピリミジンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換されたハロピリミジンを、塩基及び熱の存在下で1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンに供して、置換スピロラクタムを得る。工程2では、適切に置換されたスピロラクタムをRから選択される基で保護する。工程3では、保護されたスピロラクタムを塩基の存在下で環化して、式IVの縮合スピロラクタムを得る。縮合スピロラクタムは、工程3又は工程4の後にスルホキシド又はスルホンに任意に酸化され得る。工程3に先立つ酸化は、望ましくない副生成物をもたらす。工程4では、式IVの化合物を任意に脱保護する。
Figure 2019520380
スキーム1−3:適切に置換されたアルキルグリシネートから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換されたアルキルグリシネートを、塩基の存在下でシクロヘキサノン及びTMSCNに供して、シアノ種を得る。工程2では、適切に置換されたシアノ種を還元した後、環化して、式Iの化合物を得る。
Figure 2019520380
スキーム1−4:適切に置換された1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換された1−(アミノメチル)シクロヘキサン−1−アミンをアルデヒドによって還元的にアミノ化する。工程2では、適切に置換されたシクロヘキサンアミンを任意に脱保護する(すなわち、Rから選択される基がHではない場合、Hによって任意に置き換えられる)。工程3では、シクロヘキサンアミンを環化して式Iの化合物を得る。工程4では、式Iの化合物を任意に保護する。
Figure 2019520380
スキーム1−5:適切に置換されたハロピリミジンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換されたハロピリミジンを、塩基及び熱の存在下で1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンに供して、置換スピロラクタムを得る。工程2では、保護されたスピロラクタムを塩基の存在下で環化して、縮合スピロラクタムを得る。縮合スピロラクタムは、工程2、工程3、工程4又は工程5の後にスルホキシド又はスルホンに任意に酸化され得る。工程2に先立つ酸化は、望ましくない副生成物をもたらす。工程3では、縮合スピロラクタムのヒドロキシル基を脱離基へと変換する。工程4では、脱離基を脱水して式IVの化合物を得る。工程5では、式IVの化合物を任意に脱保護する。
Figure 2019520380
スキーム1−6:適切に置換されたハロピリミジンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、適切に置換されたハロピリミジンを、塩基及び熱の存在下で1,4−ジアザスピロ[5.5]ウンデカン−3−オンに供して、置換スピロラクタムを得る。工程2では、保護されたスピロラクタムを塩基の存在下で環化して、式IVの縮合スピロラクタムを得る。縮合スピロラクタムは、工程2又は工程3の後にスルホキシド又はスルホンに任意に酸化され得る。工程2に先立つ酸化は、望ましくない副生成物をもたらす。工程3では、式IVの化合物を任意に脱保護する。
Figure 2019520380
スキーム1−7:式IVの化合物から開始して、CDK4/6阻害剤を作製することができる。工程1では、ヘテロアリールアミンを塩基に供し、式IVの化合物を冷却条件下で徐々に添加して、求核置換反応を得る。本明細書においてスキームに記載される通り、式IVの化合物を先に作製してもよい。
実施例2.代表的な合成経路
Figure 2019520380
スキーム2−1:エステル経路は本発明の一実施形態である。理想的には、最も良好な合成スキームは、カラムクロマトグラフィーによらず一貫した純度の物質を提供するための結晶性中間体をもたらし、また可能であれば安全で費用効率の高い試薬を使用しながら収率の高い工程を与えるものである。
エステル経路の第1の工程は、スピロラクタム4を使用する、商業的に入手可能なエステル3におけるCl基のSAr求核置換である。4の反応性が低いため、85℃〜95℃の反応温度を必要とした。温度要求性のため、DIPEA及びジメチルアセトアミドをそれぞれ塩基及び溶媒として選択した。上記反応は二次速度論に従い、通常、約85%変換後に止まる。したがって、上記反応を、典型的には最初に、固体形成が観察される室温まで冷却することによって、60時間後に停止した。次いで、その混合物をMTBEと水の間で分割し、その生成物を優れた純度で濾過して収率約53%の所望の生成物5を得た。得られた化合物5を、Boc無水物並びに触媒としてのDMAP及び溶媒としてのジクロロメタンを使用してBoc基で保護した。中間体6を定量的収率で得た。化合物6の半固形の性質のため、上記物質をそれ以上の精製を行わずに次の工程に利用した。ディークマン縮合を、最初にLiHMDS及びtBuOK等の強塩基により行った。アルデヒド経路(スキーム2−2)と同様の結果が得られ、すなわち、カラムクロマトグラフィーを必要とするBoc基の部分的な脱保護が観察された。しかしながら、塩基としてDBU、及び溶媒としてTHFを使用した場合に、最も良好な結果が得られた。反応結果は、6から7への完全で純度の高い(clean)変換であった。さらに、シーディング(seeding)により反応混合物から生成物が結晶化し、定量的収率が2工程に対して得られた。
7のヒドロキシル基を、2段階処理によって除去した。最初に、ジクロロメタン中のトリフル酸無水物及びトリエチルアミンを使用して、化合物7をトリフレート8に完全に変換した。上記反応は、0℃で十分進行することがわかった。トリフレート中間体の潜在的不安定性により、単離を行わなかった。トリフレート中間体を直ちに次の工程で利用し、トリエチルシラン及びパラジウムテトラキスで還元して、酢酸エチルで結晶化した後、約70%の収率で生成物9を得た。9のBoc基をジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸を使用して除去し、10を得た。中間体10をアセトニトリル/水溶媒系のオキソン(商標)を使用して、最終スルホン11へと変換した。
得られたスルホン11をカップリング工程で使用試験すると、問題なく作用することがわかった。結論として、全ての工程で良好から優れた収率を有する、カラムクロマトグラフィーの使用が排除された、スルホン11への経路が開発された。
Figure 2019520380
スキーム2−2:スキーム2−2の第1の工程は、相当な量で見られる1つの主要な不純物で汚染された生成物13を一貫して得た。LC−MS及び2D NMRによる反応不純物プロファイルの徹底的な評価を行ったところ、不純物は、構造上2分子のアルデヒド12と1分子のラクタム4との縮合物であったことを示した。したがって、化合物13を精製するためカラムクロマトグラフィーを必要とし、一貫して30%の中程度の収率をもたらした。溶媒スクリーンによって、sec−ブタノール、アミルアルコール、ジオキサン及びtert−ブタノールはいずれも反応に使用可能であり、それぞれの場合で同様の変換が観察されたことが明らかとなった。しかしながら、tert−ブタノールが最も純度の高い反応プロファイルを提供したことから、反応に対する溶媒としてこれを選択した。また、反応結果に対する4及び12の化学量論比を変化させる影響の評価も調査した。不純物の2:1アルデヒド/アミンの組成を壊そうと、4当量のアミン4により上記反応を行った。結果は、生成物13の形成のわずかな増加に過ぎなかった。次に、反応結果に対する温度の影響を評価した。アルデヒド12及び4のカップリングを2つの異なる温度、すなわち、50℃及び40℃にて1:1のアルデヒド/アミンの比で調査した。反応を2時間及び4時間、その後12時間毎に確認した。反応の進行は50℃において遅く、他の不純物の成長が付随した。40℃の反応はより一層純度が高かったが、その変換は同じ期間ではより低かった。さらに、反応混合物へのアルデヒド12又はアミン4のいずれかの80℃でのゆっくりとした添加(6時間超)にて、試薬を添加する様式を調査した。生成物の分布は変化せず、還流しているアルデヒド12及びDIPEAを含む反応混合物にアミン4を徐々に添加した場合、生成物と不純物の間に約1対1の比が観察された。生成物の分布は、アルデヒド12をアミン4及びDIPEAの混合物に徐々に添加した場合に変化した。しかしながら、上記反応の主な生成物は望ましくない不純物であった。他の有機塩基を、種々の比のDIPEAと同様に試した。炭酸カリウムを塩基として使用した場合、生成物は観察されなかった。実験の結果を下記表1に提示する。
Figure 2019520380
化合物13は、3つの例、すなわちトリエチルアミン、2,6−ルチジン及びDIPEAの場合に成功裡に形成され、DIPEAの場合に結果が最も良好であった。Boc保護スピロラクタム4の使用は、不純物形成に対して同様に効果がなかった。Boc保護スピロラクタム4の利用は、以下の化合物14の作製工程と共に、カップリング工程を行う際に有益であると推測された。
スキーム2−2の工程1の間に形成された主な不純物は以下の通りである。
Figure 2019520380
第2の工程(遊離ラクタムのBoc保護)は、室温にてジクロロメタン中、触媒としてDMAPを使用することにより十分に進行した。生成物14は濃い油であるため、結晶化によって精製することができない。Boc保護中間体14は、LiHMDS又はtBuOK等の強塩基による処理で所望の五員環構造物10へと成功裡に環化された。驚いたことに、Boc基は、反応の間に部分的に除去された。脱保護のレベルは、内部反応温度とは無関係であり、使用される過剰な塩基と正の相関があった。したがって、所望の生成物10及び10−Boc化合物の混合物を酸で処理して、完全にBoc基を脱保護した。最終スルホン11への硫化メチルの変換を、オキソン(商標)により行った。最初に、メタノールと水の混合物を反応に使用した。結果として、メトキシ基によるスルホンの部分的な転位を検出した。メタノールをアセトニトリルで置き換え、スルホン転位を排除した。
要約すると、エステル経路(スキーム2−1)は、以下の理由で好ましい:
1.スキーム2−2の第1の工程の間の不純物の形成は避けられず、結果として35%未満の収率をもたらした。
2.中間体14を単離するため、カラム精製が必要であった。
3.アルデヒド出発材料は商業的に入手可能でなく、対応するエステルからの2つの合成工程を必要とした。
Figure 2019520380
スキーム2−3:シクロヘキサノンから開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、メチルグリシネートをDCM中のトリエチルアミンの存在下でシクロヘキサノン及びTMSCNに供して、15を得る。工程2では、触媒酸化白金の存在下で水素ガスにより15を水素化し、その後分子内環化を経て、上のスキームで使用される化合物16を得る。
Figure 2019520380
スキーム2−4:化合物17から開始して、本発明の化合物を作製することができる。工程1では、化合物17を、白金炭素及び水素ガスの存在下でエチル2−オキソアセテートに供して、化合物18を得る。工程2では、化合物18を塩酸でBoc脱保護する。工程3では、化合物18を環化して、上のスキームで使用される化合物16を得る。
Figure 2019520380
スキーム2−5:化合物11から開始して、CDK4/6阻害剤19を作製することができる。工程1では、5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−アミンをLiHMDSに供し、化合物11を冷却条件下で徐々に添加して求核置換反応及び化合物19を得る。化合物11は、本明細書において上記スキームに記載される通りに作製され得る。
Figure 2019520380
スキーム2−6:化合物11から開始して、CDK4/6阻害剤20を作製することができる。工程1では、5−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−アミンをLiHMDSに供し、化合物11を冷却条件下で徐々に添加して求核置換反応及び化合物20を得る。化合物11は、本明細書において上記スキームに記載される通りに作製され得る。
化合物5の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレット、及び環流冷却器を備える500mL容の三口フラスコに、エチル4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート3(49.2g、0.21mol、1.00当量)、スピロラクタム4(39.2g、0.23mol、1.10当量)、DIPEA(54.7g、0.42mol、2.00当量)、及びDMAc(147.6mL、3容量)を入れた。バッチを90℃〜95℃に加熱し、60時間後、IPCにより、エチル4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレート約14%(AUC)が残存することを確認した。バッチを室温に冷却し、沈殿物の形成を観察した。その懸濁液をMTBE(100mL、2容量)及び水(442mL、9容量)で希釈し、室温で2時間撹拌した。生成物を真空濾過によって単離し、MTBE(49mL、1容量)で洗浄した。固体ケーキを1時間調整し(conditioned)、40℃にて16時間真空下で乾燥させて、AUC99%超の純度で灰白色固体として化合物5を得た(41.0g、収率53%)。H NMR(CDCl):δ8.76(d,J=2.0Hz,1H)、6.51〜6.29(br,1H)、4.33(q,J=7.0Hz,2H)、3.78(s,2H)、3.58(s,2H)、2.92(s,2H)、2.53(s,3H)、1.63〜1.37(m,12H)。LCMS(ESI,m/z=365.3[M+H])。
化合物6の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、5(41.0g、0.11mol、1.00当量)、Boc無水物(36.8g、0.17mol、1.50当量)、DMAP(1.37g、0.01mol、0.10当量)、及びジクロロメタン(287mL、7容量)を入れた。バッチを室温で3時間撹拌した。IPCにより、出発材料が残存していないことを確認した(AUC)。バッチを減圧下で残留物中に濃縮し、次の工程(定量的収率はこの工程に対して仮定される)に利用した。アリコート(200mg)をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル0%→100%)によって精製し、化合物6を得た。H NMR(CDCl):δ8.64(s,1H)、4.31(q,J=7.0Hz,2H)、4.07(s,2H)、3.83(S,2H)、3.15(m,2H)、2.56(s,3H)、172(m,3H)、1.59(m,15H)、1.42(t,J=7.0Hz,3H)。LCMS(ESI,m/z=465.2[M+H])。
化合物7の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、化合物6(先の工程からの残留物、定量的収率が仮定される、52.2g、0.11mol、1.00当量)、及びTHF(261mL、5容量)を入れた。バッチを0℃に冷却し、内部温度を0℃〜10℃の範囲に維持しながら、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン−デカ−7−エン(17.1g、0.11mmol、1.00当量)を添加した。添加が完了した後、冷却浴を取り除き、反応混合物を室温まで温め、2時間後にIPCにより出発材料が残存しないことを確認した。バッチを生成物(1.0g)でシードし、0℃まで冷却した。スラリーを0℃で2時間撹拌した。生成物を真空濾過によって単離し、冷たい(0℃)THF(50mL、1容量)で洗浄した。固体ケーキを1時間調整し、40℃にて真空下で16時間乾燥させて、AUC99%超の純度で淡橙色の固体として7(47g、定量的収率)を得た。時間を延長して(約1日)バッチを空気に曝露すると、生成物の色は黄色に変わった。プロトンNMRに従って、相当量のDBUで物質を単離した。しかしながら、それは次の工程と干渉しなかった。H NMR(CDCl):δ8.71(s,1H)、4.03(s,2H)、2.57(s,3H)、1.85(m,10H)、1.51(s,9H)。LCMS(ESI,m/z=419.2[M+H])。
化合物8の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、7(40.8g、0.10mol、1.00当量)、トリエチルアミン(31.5g、0.31mol、3.20当量)、及びジクロロメタン(408mL、10容量)を入れた。バッチをNで15分間パージし、0℃に冷却した。内部温度を0℃〜10℃の範囲に維持しながら、トリフル酸無水物(44.0g、0.16mol、1.60当量)を添加した。バッチを0℃で撹拌し、3時間後、IPCにより約7.0%(AUC)の7が残存することを確認した(生成物が分析の間に加水分解されて出発材料に戻ったと推測された)。一旦反応が完了したことが認められたら、バッチを1Lの分液漏斗に移し、50%飽和重炭酸ナトリウム(200mL、5容量)(飽和重炭酸ナトリウム(100mL)と水(100mL)とを混合することにより作製した)で洗浄した。水層を分離し、DCM(40mLで2回、1容量)で抽出した。有機層を合わせ、減圧下で残留物中に濃縮し、次の工程に利用した。LCMS(ESI,m/z=551.6[M+H])。
化合物9の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、化合物8(先の工程からの残留物、定量的収率が仮定される、53.7g、0.10mol、1.00当量)、及びTHF(110mL、2容量)を入れた。溶媒を真空蒸留下で除去し、この手順を2回繰り返した。フラスコにトリエチルシラン(22.7g、0.20mol、2.00当量)、及びDMF(268mL、5容量)を入れた。バッチを5サイクルの排気によって脱気した後、窒素でバックフィルを行った。上記フラスコに、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(11.3g、0.01mol、0.1当量)を入れた。バッチを45℃〜50℃に加熱し、14時間後、IPCにより出発材料が残存していないことを確認した。バッチを温かいうちに500mL容の分液漏斗に移した。反応物を水(5容量)と酢酸エチル(5容量)の間で分割した。水層を酢酸エチル(3容量で3回)で抽出した。有機層を合わせて、2容量まで濃縮した。沈殿物を濾過し、酢酸エチル(1容量で2回)で洗浄した。固体ケーキを1時間調整し、40℃にて真空下で16時間乾燥させて、AUC約98%の純度で黄色固体として9(27.5g、収率70%)を得た。プロトンNMRは、幾つかのトリフェニルホスフィン酸化物が存在することを示した。H NMR(DMSO−d):δ9.01(s,1H)、7.40(s,1H)、4.30(s,2H)、2.58(m,2H)、2.58(s,3H)、1.81(m,5H)、1.51(s,9H)。LCMS(ESI,m/z=403.4[M+H])。
スキーム2−1経路からの化合物10の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、9(12.8g、31.8mmol、1.00当量)、及びジクロロメタン(64mL、5容量)を入れた。トリフルオロ酢酸(18.2g、159mmol、5.00当量)を、20分間に亘って添加し、溶液を室温で2時間撹拌した。IPCにより、反応が完了したことを確認した。バッチを500mL容の分液漏斗に移し、飽和重炭酸ナトリウム(200mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(3容量で3回)で抽出した。有機層を合わせて、1容量まで濃縮した。沈澱物を濾過し、1時間調整し、40℃にて16時間、真空下で乾燥させて、AUC99.1%の純度で灰白色固体として9(6.72g、収率70%)を得た。H NMR(DMSO−d):δ8.95(s,1H)、8.32(s,1H)、7.15(s,1H)、3.68(d,J=1.0Hz,2H)、2.86(m,2H)、2.57(s,3H)、1.92(m,2H)、1.73(m,3H)、1.39(m,3H)。LCMS,ESI,m/z=303.2[M+H])。
スキーム2−2経路からの化合物10の作製:
マグネチックスターラーバー、熱電対、Nインレットを備える50mL容の三口フラスコに、14(680mg、1.62mmol、1.00当量)、及びTHF(6.8mL、10容量)を入れた。THF中のカリウムtert−ブトキシド(3.2mL、3.24mmol、2.00当量)の1M溶液を10分間に亘って添加し、その溶液を室温で2時間撹拌した。IPCにより、反応が完了したことを確認した。バッチをジオキサン中の4Nの塩化水素溶液(2.4mL、9.72mmol、6.00当量)で酸性化し、更に1時間撹拌した。バッチを500mL容の分液漏斗に移し、飽和重炭酸ナトリウム(100mL)で洗浄した。水層を酢酸エチル(20容量で3回)で抽出した。有機層を合わせて、3容量まで濃縮し、生成物を沈澱させた。沈殿物を濾過し、1時間調整し、40℃で16時間、真空下で乾燥させて、灰白色固体として9(489mg、定量的収率)を得た。
化合物11の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、10(9.00g、29.8mmol、1.00当量)、及びアセトニトリル(180mL、20容量)を入れた。水(180mL、20容量)中のオキソン(商標)(45.9g、0.15mol、5.00当量)の溶液を20分間に亘ってバッチに添加した。バッチを2時間撹拌し、IPCにより反応が完了したことを確認した。バッチを当初の容量の1/2まで濃縮し、ジクロロメタンDCM(10容量で4回)で抽出した。有機層を合わせ、ポリッシュ濾過(polish filtered)し、DCM約10容量まで濃縮した。生成物をヘプタン(約30容量)の添加によって徐々に晶出させた。混合物を0℃に冷却し、生成物を濾過し、40℃にて16時間、真空下で乾燥させて、AUC99%超の純度で灰白色固体として11(9.45g、収率95%)を得た。H NMR(CDCl):δ9.24(s,1H)、7.78(s,1H)、7.46(s,1H)、3.89(d,J=2.0Hz,2H)、3.43(s,3H)、2.98(m,2H)、2.10(m,2H)、1.86(m,3H)、1.50(m,3H)。LCMS(ESI,m/z=335.2[M+H])。
化合物13の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレット、及び環流冷却器を備える250mL容の一口フラスコに、4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(2.00g、10.6mmol、1.00当量)、スピロラクタム4(1.96g、11.7mmol、1.10当量)、DIPEA(2.74g、21.2mmol、2.00当量)、及びtert−ブタノール(20mL、10容量)を入れた。バッチを80℃〜85℃に加熱し、24時間後、IPCによりアルデヒド12が残存しないことを確認した。バッチを室温まで冷却し、残留物中に濃縮し、それをシリカゲルカラムにロードした。酢酸エチル/ヘプタン(0%→100%)で生成物を溶出した。生成物を含有する画分を取り出し、濃縮して、灰白色の固体として13(0.98g、収率29%)を得た。
化合物14の作製:
機械的オーバーヘッドスターラー、熱電対、Nインレットを備える500mL容の三口フラスコに、13(0.98g、3.00mmol、1.00当量)、Boc無水物(4.90g、21.5mmol、7.00当量)、DMAP(36mg、0.30mmol、0.10当量)、及びジクロロメタン(7mL、7容量)を入れた。バッチを、室温で3時間撹拌した。IPCにより出発材料が残存しないことを確認した。バッチを室温まで冷却し、残留物中に濃縮し、それをシリカゲルカラムにロードした。生成物を酢酸エチル/ヘプタン(0%→100%)で溶出した。生成物を含有する画分を取り出し、濃縮して、灰白色固体として14(0.98g、収率29%)を得た。
化合物15の作製:
DCM(10L)の中のメチルグリシネート(500g、3.98mol、1当量)の懸濁液に窒素雰囲気下、室温でTEAを滴加し、続いて、15分間に亘ってシクロヘキサノン(781g、7.96mol、2当量)を滴加した。内部反応温度を35℃未満に維持しながら、得られた混合物に1時間に亘ってTMSCN(591g、5.97mol、1.5当量)を滴加した。室温で2時間撹拌すると、懸濁液は透明な溶液になった。反応の進行をH−NMRによってモニターした。
H−NMR分析によってメチルグリシネートが完全に消費されたことが示された場合、上記反応を水(5L)によってクエンチした。層を分離した。水層をDCM(1L)で抽出した。合わせた有機相を水(5Lで2回)で洗浄し、NaSO(1.5kg)上で乾燥させた。濾過及び濃縮の後、1.24kgの粗製物15を油として得た。
粗製物15をIPA(4L)に溶解した。室温にて、HCl/IPA溶液(4.4mol/L、1.1L)で溶液を処理した。添加の間、大量の固体が沈殿した。得られた懸濁液を2時間撹拌した。固体生成物を真空濾過によって収集し、MTBE(800mL)で濯いだ。819gの純粋な15を白色固体として得た。収率は88.4%であった。H−NMR(300MHz,CDOD)4.20(s,2H)、3.88(s,3H)、2.30〜2.40(d,J=12Hz,2H)、1.95〜2.02(d,J=12Hz,2H)、1.55〜1.85(m,5H)、1.20〜1.40(m,1H)。
化合物16の作製:
MeOH(100mL)中の15(10g、43mmol)の溶液に、メタノール性塩酸溶液(2.44mol/L、35.3mL、2当量)及びPtO(0.5g、5重量%)を添加した。反応懸濁液を40℃で6時間、水素気泡により撹拌した。H−NMR分析は、15の消費を示した。その反応混合物に、KCO(15g、108mmol、2.5当量)を添加し、その混合物を3時間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾液を濃縮乾固した。残留する油をDCM(100mL)で希釈し、得られた懸濁液を3時間撹拌した。濾過の後、濾液を濃縮して油として粗製物16(6.6g)を得た。粗製物16を室温で2時間に亘ってEtOAc/ヘキサン(1:1、18mL)で希釈した。濾過の後、16(4g)を単離した。得られた16をDCM(16.7mL)に溶解し、ヘキサン(100mL)を滴加して生成物を沈澱させた。更に1時間の撹拌の後、2.8gの純粋な16を白色固体として単離した。収率は39%であった。HPLC純度は98.3%であった。MS(ESI):169.2(MH+);1H−NMR(300MHz,DO)3.23(s,3H)、3.07(s,3H)、1.37〜1.49(m,10H)。
化合物19の作製:
5−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−アミン(803.1g;スルホン11に基づいて3.0当量)を22L容のフラスコに入れた。フラスコをNでブランケットし、無水THF(12.4kg)を添加した。得られた黒紫色の溶液を氷浴で5℃未満に冷却した。1MのLiHMDS(4.7L;スルホン11に基づいて1.2当量)を10℃未満の温度を維持するため、添加漏斗によって等しく3回に分けて添加した。添加の完了に際して、反応混合物を16℃に温めた。スルホン11(455.1g;1.00当量)を5回に分けて添加した。IPC試料のHPLC解析が、残存するスルホン11が3%未満であることを示すまで、反応を進行した。反応をクエンチするため、水を含む100L容のフラスコに22L容のフラスコの内容物を移した。30℃未満で30分間撹拌した後、粗生成物を濾過によって収集し、水で洗浄し、乾燥して19(387g、純度99.1%、収率63.7%)を得た。
化合物20の作製:
5−(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ピリジン−2−アミン(1976.2g;スルホン11に基づいて3.0当量)を50L容のフラスコに入れた。フラスコをNでブランケットし、無水THF(10.7kg)を添加した。得られた黒紫色の溶液を氷浴で5℃未満まで冷却した。1MのLiHMDS(9.6kg;スルホンに基づいて3.6当量)を、10℃未満の温度を維持する速度で添加漏斗によって添加した。添加の完了に際して、氷浴を取り除くことで反応混合物を120分間かけて16℃に温めた。スルホン(1000g;1.00mol)を5回に分けて添加した。IPC試料のHPLC解析が、残存するスルホン11が1%未満であることを示すまで、反応を進行した。反応の完了後、塩化アンモニウムを反応混合物に添加した。混合物を少なくとも30分間32℃未満で撹拌し、濾過によって固体を収集して20(900g、純度99.1%、収率64.2%)を得た。
シクロヘキサノンを経るスピロラクタムへの代替経路:
Figure 2019520380
一実施形態では、スピロラクタムは上の合成スキームによって作製される。グリシネート基を付加する前にニトリル基を還元することにより、一連の反応はより高い収率で進行する。工程1で使用される化学は、文献(J. Org. Chem. 2005, 70, 8027-8034)に記載され、キログラムスケールで行われた。化合物24をスピロラクタムに変換する化学反応もキログラムスケールで実証された。ジ−Boc保護生成物の形成を制限するため、化合物23のBoc保護を−70℃で行う。実行された200gのパイロット実験の詳細を以下に記載する。
Figure 2019520380
Ti(Oi−Pr)/TMSCN/NHを使用して、200gのシクロヘキサノン21を22に変換した。ワークアップ後、213gの22を得た。H−NMRは純粋(clean)であった。収率は84%であった。チタン塩を真空濾過によって除去した。一実施形態では、チタン塩は遠心分離又はCelite濾過によって除去される。
Figure 2019520380
190gの22を45℃で30分間、MTBE中のLAH(2当量)と混合した。ワークアップの後、148gの粗製物23を得た。
Figure 2019520380
工程2による136gの粗製物23を、−70℃にて0.9当量のBocOを使用して24へと変換した。上記反応を完了し、ワークアップした。濃縮後、188gの24を得た。収率は86%であった。H−NMR及びC−NMRのスペクトルにより、化合物が純粋であることを確認した。
Figure 2019520380
188gの24をアセトニトリル中のメチル2−ブロモ酢酸及びKCOに供して25を得た。247gの粗製物25を得た。
Figure 2019520380
247gの25を加熱還流されたDCE中のTFAに供して、26を得た。ワークアップの後、TFA塩として112gの6を得た。H−NMRは純粋であった。
Figure 2019520380
化合物26を室温で一晩、EtOHの存在下で撹拌して、27を得た。一実施形態では、EtOHに代えてDCMを溶媒として使用する。
実施例3.スキーム2−1の工程5からの残留パラジウムのパージ:
パラジウムがスキーム2−1の工程5で使用されたため、その後の合成工程に存在する残留Pdのレベルを特定した。下記表2及び図3は、単離された固体におけるパラジウムレベルを示す。
Figure 2019520380
工程5の後、残留パラジウム1.47%(14700ppm)を含む上記物質を単離した。このデータは、最悪のシナリオでの最も高いレベルのパラジウムを表す。後者の工程のワークアップ条件は、ほぼ全てのパラジウムをパージし、最終生成物である19ビスHCl塩は、標準的な20ppmガイドラインを下回る、14ppmのPdを含有した。一旦触媒充填を工程5において最適化すれば、おそらくPdレベルは更に低くなるであろう。
Figure 2019520380
この経路で開発された方法は、第一世代合成に使用されたものに対する著しい改善であった。全体として、上記スキームは、いずれも結晶化による5回の単離を含む7工程からなる。シリカカラムクロマトグラフイーは合成で使用されず、上記方法を高度に拡張可能なものとする。上記方法のワークアップ条件は、スキーム2−1の工程5の後に、残留パラジウム1.47%を成功裡にパージすることができる。
本明細書は本発明の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることが当業者には理解される。したがって、本明細書は限定的意味ではなく例示的意味で考えられ、全てのかかる修正が本発明の範囲に含まれることが意図される。

Claims (49)

  1. 2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを製造する方法であって、2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンをヘテロアリールアミンと反応させることを含み、ここで、ヘテロアリールアミン対2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンの比が少なくとも約2対1であり、前記2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを得る前記反応の収率が約50%超である、方法。
  2. 前記2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンをが少なくとも約30分間に亘って添加される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが少量ずつ添加さえる、請求項1に記載の方法。
  4. 溶媒又は溶媒の混合物中、酸化剤で2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを選択的に酸化することによって、前記2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを作製することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジン及び2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、式IV:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    は二重結合の存在又は不在を表し、
    Figure 2019520380
    は、スピロ様式でラクタム環に接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個及び7個の炭素を独立して含む)炭素環を表し、ここで、前記スピロ環が任意に置換され、
    は、アルキル、アリール、ハロアルキル及びアリールアルキルから選択され、
    は、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル及びアリールアルキルから選択される)の化合物である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記酸化剤が、オキソン、過酸化水素、mCPBA、次亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸ナトリウムから選択される、請求項4に記載の方法。
  7. 前記酸化剤がオキソンである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記溶媒又は溶媒の混合物が、DMAc、DCM、THF、DMF、TFA、ACN、DMAP、水、酢酸、アセトン、ジオキサン、ベンゼン、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、四塩化炭素、クロロホルム、シクロヘキサン、ヘキサン、ジエチルエーテル、ダイグライム、DME、DMSO、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、HMPA、メタノール、MTBE、NMP、ペンタン、ピリジン、トルエン、塩酸、及びトリエチルアミンから選択される、請求項4に記載の方法。
  9. 前記溶媒又は溶媒の混合物が、ACN、水及びジオキサンから選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記溶媒の混合物が水及びACNである、請求項9に記載の方法。
  11. 好適な試薬により、5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから脱離基を除去することによって、前記2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを作製することを更に含む、請求項4に記載の方法。
  12. 前記2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが式IVの化合物であり、前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式III:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380

    Figure 2019520380
    、R及びRは前記の通りであり、
    は、水素、シリル、ハロアルキル、−C(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)ハロアルキル、−S(O)アリール、及び−S(O)アリールアルキルから選択される)の化合物である、請求項11に記載の方法。
  13. パラジウム触媒を更に含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記脱離基がトシレート(−OTs)である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記脱離基がトリフレート(−OTf)である、請求項11に記載の方法。
  16. 前記好適な試薬がトリアルキルシランである、請求項11に記載の方法。
  17. 前記トリアルキルシランがトリエチルシランである、請求項16に記載の方法。
  18. 好適な試薬により、5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを作製することを更に含む、請求項11に記載の方法。
  19. 前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン及び5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式IIIの化合物である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記脱離基がトシレート(−OTs)である、請求項18に記載の方法。
  21. 前記脱離基がトリフレート(−OTf)である、請求項18に記載の方法。
  22. 前記好適な試薬が、トリフリン酸無水物、Tf−Cl、トシル無水物、又はTs−Clである、請求項20に記載の方法。
  23. 分子内環化によって、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを作製することを更に含む、請求項18に記載の方法。
  24. 前記5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式IIIの化合物であり、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートが式II:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    、R及びRは前記の通りであり、
    は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)の化合物である、請求項23に記載の方法。
  25. ラクタムアミンの求核攻撃によって、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを作製することを更に含む、請求項23に記載の方法。
  26. 前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5カルボキシレートが式IIの化合物であり、前記ラクタムアミンが式I:
    Figure 2019520380
    (式中、
    及びRは、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから選択される)の化合物である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記2’−(アルキルスルホニル又はアルキルスルフィニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、2’−(アルキルスルホニル)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンである、請求項1に記載の方法。
  28. 前記2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、式:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Zは、−(CH−(ここで、xは1、2、3又は4である)、又は−O−(CH−(ここで、zは2、3又は4である)であり、
    は、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから独立して選択され、
    は、それぞれ独立してアリール、アルキル、シクロアルキル、又はハロアルキルであり、ここで、前記アルキル基、シクロアルキル基及びハロアルキル基は、それぞれ任意に前記鎖中の炭素に代えてO又はNのヘテロ原子を含み、近接する環原子上又は同じ環原子上の2つのRは、任意に、付着されている環原子(複数の場合もある)と共に3員環〜8員環を形成し、
    yは0、1、2、3又は4であり、
    12は、
    Figure 2019520380
    であり、
    は、−(アルキレン)−ヘテロシクロ、−(アルキレン)−ヘテロアリール、−(アルキレン)−NR、−(アルキレン)−C(O)−NR;−(アルキレン)−C(O)−O−アルキル;−(アルキレン)−O−R10、−(アルキレン)−S(O)−R10、又は−(アルキレン)−S(O)−NRであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、ここで、同一又は隣接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、
    及びRは、それぞれ独立して、
    (i)水素、若しくは、
    (ii)アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、ここで、同一若しくは隣接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、又は、
    及びRは、付着されている窒素原子と共に組み合わされて、価数に応じて1以上のR基で任意に独立して置換されるヘテロシクロ環を形成してもよく、ここで、同一若しくは隣接する原子に結合された2つのR基は、任意に組み合わされて環を形成してもよく、
    10は、
    (i)水素、又は、
    (ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、若しくはヘテロアリールアルキルであり、それらのいずれかは、任意に独立して、価数に応じて1以上のR基で置換されてもよく、
    は、それぞれ独立して、ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、
    nは0、1、又は2であり、
    mは0又は1である)の化合物である、請求項1に記載の方法。
  29. が水素である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、
    Figure 2019520380
    から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、
    Figure 2019520380
    である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記2’−(ヘテロアリール)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが、
    Figure 2019520380
    である、請求項30に記載の方法。
  33. 式II:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    は、前記ラクタム環にスピロ様式で接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個、及び7個の炭素を独立して含む)炭素環を表し、ここで、前記スピロ環は任意に置換され、
    は、アルキル、アリール、ハロアルキル、及びアリールアルキルから選択され、
    は、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから選択され、
    は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)の化合物。
  34. Figure 2019520380
    から選択される、請求項33に記載の化合物。
  35. 2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを製造する方法であって、
    a.5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを好適な試薬と反応させて前記脱離基を除去し、前記2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを得ること、
    b.好適な試薬を用いて、5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンから前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを作製すること、
    c.分子内環化によって、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを作製すること、及び
    d.ラクタムアミンの求核攻撃によって、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを作製すること、
    を含む、方法。
  36. 前記2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[3,2−d]ピリミジンが式IVの化合物であり、前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、及び5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式IIIの化合物であり、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートが式IIの化合物であり、前記ラクタムアミンが、式Iの化合物である、請求項35に記載の方法:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    は二重結合の存在又は不在を表し、
    Figure 2019520380
    は、前記ラクタム環にスピロ様式で接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個、及び7個の炭素を独立して含み、特に、
    Figure 2019520380
    はシクロヘキシルである)炭素環を表し、前記スピロ環は任意に置換され、
    は、アルキル、アリール、ハロアルキル及びアリールアルキルから選択され、
    及びRは、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル及びアリールアルキルから独立して選択され、
    は、水素、シリル、ハロアルキル、−C(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)ハロアルキル、−S(O)アリール、及び−S(O)アリールアルキルから選択され、
    は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)。
  37. 5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを製造する方法であって、
    a.5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを好適な試薬と反応させて、前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得ること、
    b.分子内環化によって、アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを作製すること、及び
    c.ラクタムアミンの求核攻撃によって、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを作製すること、
    を含む、方法。
  38. 前記5’−脱離基−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジン及び5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式IIIの化合物であり、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートが式IIの化合物であり、前記ラクタムアミンが式Iの化合物である、請求項37に記載の方法:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    は二重結合の存在又は不在を表し、
    Figure 2019520380
    は、前記ラクタム環にスピロ様式で接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個、及び7個の炭素を独立して含み、特に、
    Figure 2019520380
    はシクロヘキシルである)炭素環を表し、ここで、前記スピロ環は任意に置換され、
    は、アルキル、アリール、ハロアルキル、及びアリールアルキルから選択され、
    及びRは、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから独立して選択され、
    は、水素、シリル、ハロアルキル、−C(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)ハロアルキル、−S(O)アリール、及び−S(O)アリールアルキルから選択され、
    は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)。
  39. 5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを製造する方法であって、
    a.アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを分子内環化して、5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを得ること、及び
    b.ラクタムアミンの求核攻撃によって、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートから前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを作製すること、
    を含む、方法。
  40. 前記5’−ヒドロキシル−2’−(アルキルチオ)−ラクタム−ピロロ[2,3−d]ピリミジンが式IIIの化合物であり、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートが式IIの化合物であり、前記ラクタムアミンが式Iの化合物である、請求項39に記載の方法:
    Figure 2019520380
    (式中、
    Figure 2019520380
    は二重結合の存在又は不在を表し、
    Figure 2019520380
    は、前記ラクタム環にスピロ様式で接続された3個〜8個の炭素の(3個、4個、5個、6個、及び7個の炭素を独立して含み、特に、
    Figure 2019520380
    はシクロヘキシルである)炭素環を表し、ここで、前記スピロ環は任意に置換され、
    は、アルキル、アリール、ハロアルキル、及びアリールアルキルから選択され、
    及びRは、水素、カルバメート、アリール、アルキル、アリル、及びアリールアルキルから独立して選択され、
    は、水素、シリル、ハロアルキル、−C(O)アルキル、−S(O)アルキル、−S(O)ハロアルキル、−S(O)アリール、及び−S(O)アリールアルキルから選択され、
    は、水素、ハロゲン、−N(アルキル)(アルコキシ)、−NCHOMe、アルコキシ、アリールオキシ、−OCHアリール、−OC(O)アルキル、−OC(O)アリール、及び−OC(O)アリールアルキルから選択される)。
  41. アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを製造する方法であって、
    a.式Iの化合物によって、アルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートを求核攻撃して、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得ること、及び
    b.分子内環化によって、式VIIIの化合物から前記式Iの化合物を作製することと、
    c.2−オキソ酢酸メチルを用いた式VIIの化合物の還元的アミノ化によって前記式VIIIの化合物を作製すること、
    を含む、方法:
    Figure 2019520380
  42. アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを製造する方法であって、
    a.式Iの化合物によってアルキル4−ハロ−2−(アルキルチオ)ピリミジン−5−カルボキシレートを求核攻撃して、前記アルキル2−(アルキルチオ)−4−(ラクタム)ピリミジン−5−カルボキシレートを得ること、
    b.アミンへのシアノ基の還元に続く分子内環化によって、式IXの化合物から前記式Iの化合物を作製すること、
    c.TMSCNの存在下でのアルキルグリシネートとシクロヘキサノンとの縮合によって前記式IXの化合物を作製すること、
    を含む、方法:
    Figure 2019520380
  43. 式Iの化合物を製造する方法であって、
    a.式VIIIの化合物を分子内環化して前記式Iの化合物を得ること、
    b.2−オキソ酢酸メチルを用いた式VIIの化合物の還元的アミノ化によって前記式VIIIの化合物を作製すること、
    を含む、方法。
  44. 式Iの化合物を製造する方法であって、
    a.式IXの化合物を還元した後、分子内環化すること、
    b.TMSCNの存在下でのアルキルグリシネートとシクロヘキサノンとの縮合によって前記式IXの化合物を作製すること、
    を含む、方法。
  45. 温度が18℃以下に維持される、請求項1に記載の方法。
  46. 温度が16℃以下に維持される、請求項1に記載の方法。
  47. 温度が14℃以下に維持される、請求項1に記載の方法。
  48. 温度が12℃以下に維持される、請求項1に記載の方法。
  49. 温度が10℃以下に維持される、請求項1に記載の方法。
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