JP2019500424A - 糖尿病性腎症を予防及び治療するための方法 - Google Patents

糖尿病性腎症を予防及び治療するための方法 Download PDF

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Abstract

プラスミノゲンを用いた糖尿病腎症を予防及び/または治療する方法に係る。現在のその他の糖尿病腎症治療薬と比較して、プラスミノゲンは顕著に腎臓微小血管の損傷を改善し、糸球体基底膜及びメサンギウムの厚み増大を減少させるなどの作用を有する。【選択図】なし

Description

本発明はプラスミノゲンの糖尿病によってもたらされる腎臓疾患を予防、治療及び/または解消することにおける作用に係り、さらには異なるタイプの糖尿病性腎症及びその関連疾患に対して全く新しい治療ストラテジーを提供する。
糖尿病(diabetes mellitus)は体内インスリンの相対的不足または絶対的不足またはターゲット細胞のインスリンに対する感受性の低下、またはインスリン自身に構造上の欠陥が存在することによってもたらされる炭水化物、脂肪及びタンパク質代謝の乱れが生じる慢性疾患である(非特許文献1)。糖尿病性腎症(diabetic nephropathy,DN)は糖尿病の主な合併症の一つであり、約20−40%の糖尿病患者がDNに進行する(非特許文献2−4)。糖尿病性腎症は臨床において最もよく見られる及び多発的な糖尿病合併症であり、それは高血圧、タンパク尿、むくみ及び腎臓機能不全として現れ、これは主に糖尿病の代謝異常によってもたらされる糸球体の硬変により、腎機能障害及び損傷がもたらされるからである(非特許文献5,6)。糖尿病性腎症は糸球体の肥大、糸球体の基底膜の厚み増加、糸球体間質の厚み増大として現れ、最終的には糸球体の繊維化、硬変を引き起こす(非特許文献7)。
通常、糸球体の過剰濾過及び腎肥大は糖尿病の発症後の一年目に発生し、糸球体の濾過率上昇として現れる(例えば、人類の正常な糸球体の濾過率は約120ml/分から約150ml/分である)。糖尿病の当初5年中においては糸球体の肥大、糸球体の基底膜の厚み増大及び糸球体間質の体積拡張などの病理的変化が見られる。糸球体の濾過率は徐々に正常に回復する。糖尿病になってから5−10年後、個体は尿液中において微量のアルブミン尿を排出するようになる。微量アルブミン尿は顕性の糖尿病性腎症(一部は大量のアルブミン尿を特徴とする)にまで進行した重要な指標である。疾患の早期で見られる基底膜の厚み増大及び糸球体の体積拡張は末期糖尿病性腎症でも蓄積され、これにより毛細血管の血管腔の閉塞をもたらし、最終的に糸球体の硬変をもたらす。一旦顕性糖尿病性腎症が見られれば、糸球体の濾過率は安定的に低下し、約半数の患者は7〜10年以内に末期腎症にまで進行する。
糖尿病性腎症の進行ステージは臨床上において十分観察されている。I期の糖尿病性腎症と糸球体の濾過増大(即ち過剰濾過、腎臓及び糸球体に流れる血液の増加によって起こる)、糸球体の濾過率上昇、糸球体肥大及び腎腫大に関連する。II期の糖尿病性腎症は継続的な過剰濾過及び腎肥大に関連する臨床上のサイレントステージである。糸球体基底膜の厚み増大及び糸球体間質の拡張が起きる。III期の糖尿病性腎症(初期糖尿病性腎症とも呼ばれる)は微量アルブミン尿と関連する。腎臓は徐々に老廃物を濾過する能力を失い、同時にクレアチニン及び尿素窒素の血液中レベルが上昇する。糸球体基底膜の厚み増大及び糸球体間質の拡張は病状の進行に伴って継続的に発生する。IV期の糖尿病性腎症(顕性糖尿病性腎症とも呼ばれる)は大量アルブミン尿(即ち臨床的アルブミン尿)及び血液中のクレアチニン及び血中尿素窒素レベルの継続的な上昇と関連するものである。V期糖尿病性腎症は末期腎臓疾患及び腎不全に伴って発生する。
糖尿病性腎症の発症メカニズムは複雑で、現在の糖尿病性腎症に対する治療方法は主に飲食のコントロール、血糖のコントロール、インスリン注射、透析及び腎移植等の方法であり、しかしこれらの治療手段はコストが高すぎて且つ合併症がひどく且つ現在糖尿病性腎症に対する薬物は極めて少なく、そのため治療用の薬物の開発が切実に望まれている。
プラスミンはプラスミノゲン活性化系(PA系)の重要な成分である。プラスミンは広スペクトルのプロテアーゼであり、細胞外基質(ECM)の幾つかの成分を加水分解でき、これらの成分はフィブリン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン及びプロテオグリカンを含む(非特許文献8)。これ以外に、プラスミンは金属プロテアーゼ前駆体(pro−MMP)を活性化させて活性を有する金属プロテアーゼ(MMP)とするものである。そのためプラスミンは細胞外タンパク加水分解作用の一つの重要な上流調節因子であると考えられている(非常特許文献9,10)。プラスミンはプラスミノゲンが二種類の生理性のPA:組織型プラスミノゲン活性化剤(tPA)またはウロキナーゼ型プラスミノゲン活性化剤(uPA)のタンパク質加水分解によって形成されるものである。プラスミノゲンが血漿及びその他の体液中において比較的レベルが高く、従来ではPA系の調整は主にPAの合成及び活性レベルによって実現すると考えられている。PA系成分の合成は異なる要素の厳格な調節を受け、これらは例えばホルモン、成長因子及びサイトカインである。また、プラスミン及びPAの特定の生理的阻害剤が存在する。プラスミンの主な阻害剤はα2−抗プラスミン(α2−antiplasmin)である。一部の細胞表面には直接加水分解活性を有するuPA特異性の細胞表面受容体が存在する(非特許文献11,12)。
プラスミノゲン(plasminogen,plg)は単一鎖の糖タンパクであり、791個のアミノ酸からなり、分子量は約92kDaである(非特許文献13,14)。プラスミノゲンは主に肝臓で合成され、大量に細胞外液に存在している。血漿中に含まれるプラスミノゲンの含有量は約2μMである。そのためプラスミノゲンは組織及び体液中のタンパク質加水分解活性の大きな潜在的なソースである(引用文献15、16)。プラスミノゲンには二種類の分子形式が存在する:グルタミン酸−プラスミノゲン(Glu−plasminogen)及びリジン−プラスミノゲン(Lys−plasminogen)である。天然的に分泌され及び断裂していない形のプラスミノゲンは一つのアミノ基末端(N−末端)を有するグルタミン酸であり、そのためグルタミン酸−プラスミノゲンと呼ばれる。しかし、プラスミンが存在する場合、グルタミン酸−プラスミノゲンはLys76−Lys77において加水分解されてリジン−プラスミノゲンとなる。グルタミン酸−プラスミノゲンと比較した場合、リジン−プラスミノゲンとフィブリンはより高い親和力を有し、さらにより高い速度でPAによって活性化されることができる。この二つの形式のプラスミノゲンのArg560−Val561ペプチド結合はuPAまたはtPAによって切断され、これによりジスルフィド結合によって接続された二重鎖プロテアーゼプラスミンが形成される(非特許文献17)。プラスミノゲンのアミノ基末端には五つの同由来トリサイクルを含み、即ちいわゆるkringleであり、カルボキシル末端部分はプロテアーゼドメインを含む。一部のkringleはプラスミノゲンとフィブリン及びその阻害剤α2−APの特異性相互作用を介在するリジン結合部位を有する。最新的に、38kDaのプラスミノゲンフラグメントで、そのうちにkringle1−4を含み、血管生成の効果的な阻害剤であることが発見されている。このフラグメントはアンギオスタチンと命名され、いくつかのプロテアーゼがプラスミノゲンを加水分解することによって生成されることができる。
プラスミンの主な基質はフィブリンであり、フィブリンの溶解は病理性の血栓の形成を予防する重要な点である(非特許文献18)。プラスミンはさらにECMのいくつかの成分に対して基質特異性を有し、ラミニン、フィブロネクチン、プロテオグリカン及びゼラチンを含み、これはプラスミンがECM再建中において需要な作用を有することを示している(非特許文献14、19、20)。間接的に、プラスミンはさらにいくつかのプロテアーゼ前駆体を活性プロテアーゼに変換することによりECMのその他の成分を分解し、MMP−1、MMP−2、MMP−3及びMMP−9を含む。そのため、以下のように提唱する人がいる。プラスミンは細胞外タンパク加水分解の重要な上流調節因子である(非特許文献21)。また、プラスミンはいくつかの潜在的な形の成長因子を活性化させる能力を有する(非特許文献22−24)。体外において、プラスミンはさらに補体系の成分を加水分解させて走化性の補体フラグメントを放出することができる。
糖尿病性腎症は糖尿病のよく見られる合併症であり、糖尿病による全身性微小血管病変の表れの一つであり、臨床的特徴は徐々に進行する腎機能ダメージ、高血圧、むくみ、タンパク尿であり、末期には重度な腎不全が現れ、糖尿病患者の主な死亡原因の一つである。近年の中国の人口平均寿命の延長、生活における飲食習慣、構造の変化により、糖尿病の疾患率も急な上昇傾向を示し、且つ治療方法の改善により、生存時間が長くなり、腎臓及びその他の合併症もそれに伴って増加している。
現在の糖尿病性腎臓損傷を治療する方法には主に薬物治療及び透析治療がある。薬物は主に血圧降下薬、スタチン系薬、抗凝固薬及び抗酸化薬等を含む。
降圧系薬は主にACEI(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)系薬及びARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)系薬、及びACER系薬があり、例えばエナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、リシノプリル等である。これらの薬物は味覚の混乱、白血球の減少、皮疹、味覚喪失及び刺激性の空咳などの合併症が起きる。ARB系薬物はロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン等である。ARB系薬は合併症が比較的少ないが、価格が高い。
スタチン系薬物はヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害剤であり、主にロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン等を含み、この系の薬物は主に血中脂質に対する降下作用により腎臓を保護するものである。スタチン系薬は使用中において筋肉の痛み及び肝臓の酵素異常などの副作用が現れる。
現在使用する抗凝固系薬は、ヘパリン、ワルファリン、及びウロキナーゼ等を含み、このような薬物は出血、アレルギー等の合併症が現れることがある。
抗酸化性薬はビタミンE及びタウリン等を含む。
透析治療は腸透析、腹膜透析及び血液透析等を含む。結腸透析は腸管粘膜の半透過膜特性及び天然の広大な透析面積を利用して能動的に体内の毒素を排除し、これにより血液浄化の作用が得られるものである。腹膜透析は優れた血糖コントロールを必要とし且つ血管瘻を設ける必要がないが、腹膜炎となりやすく、感染及びタンパク質の損失をもたらしやすい。血液の透析は比較的簡単で、治療時間が短く、しかし血管瘻を設ける必要があり、透析過程において中心血管に対する負担が比較的重い。
以上をまとめると、現在の薬物は主に血圧降下、血中脂質の低下、抗凝固、抗酸化等である。しかし、これらの薬物はいずれも糖尿病の腎臓自身に対するダメージを根本から変えにくい。
研究により、本発明は意外にもプラスミノゲンは腎臓のダメージを修復する作用を有し、各ステージの糖尿病性腎症の治療に用いることができることを見出した。
我々の研究において、糖尿病マウスに対してプラスミノゲンを31日間注射した後に、マウスの糸球体間質は明らかに減少している;フィブリンの沈着が明らかに減少している;アポトーシス阻害タンパクの発現が明らかに上昇している。これらの指標の変化はマウス腎臓の損傷が顕著に修復されていることを示し、これはプラスミノゲンが糖尿病性腎臓損傷、糖尿病性腎症に対して顕著な治療作用を有することを示している。
これとともに、プラスミノゲンの糖尿病によってもたらされるその他の組織器官の損傷及び病変に対しても明らかな修復及び治療作用を有し、例えば糖尿病によってもたらされる神経損傷、心筋損傷、肝臓損傷及び網膜損傷に対する修復及び治療作用である。プラスミノゲンは糖尿病合併症の治療に新しいアプローチを提供している。
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一方において、本発明は糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消する方法に係り、被験者にプラスミノゲンまたはプラスミンを投与することを含む。一方において、本発明はプラスミノゲンの、被験者の糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消することにおける用途に係り、被験者に対してプラスミノゲンまたはプラスミンを投与することを含む。
一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は、糸球体硬変、糸球体間質増殖を含む糸球体病変;腎細管間質病変;腎間質繊維化、腎細管萎縮、糸球体輸出細動脈透明変性、腎微小血管硬変を含む腎微小血管病変を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症関連疾患は腎臓体積の増大、早期糸球体の高濾過率、間欠性タンパク尿、微量アルブミン尿、大量アルブミン尿、持続性タンパク尿、糸球体濾過率低下、腎細胞損傷、腎臓繊維化、腎臓機能不全、腎不全、尿毒症を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は糖尿病によって引き起こされる大血管、小血管、微小血管の病変によってもたらされるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有する。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは例えば、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、ガイドチューブ施用、局所注射、または直腸投与によって全身または局所にて投与される。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは一種類または複数種類の他の薬物と共に投与される。一つの実施形態において、前記他の薬物とは以下を含む:抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬。
一つの実施形態において、前記被験者は哺乳動物で、好ましくはヒトである。
一つの実施形態において、前記被験者のプラスミンまたはプラスミノゲンが低下している。具体的に、前記低下は先天的、継発的及び/または局所的である。
一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有する。一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12に基づいて、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を追加、削除及び/または置換したもので、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは以下から選ばれる保存的(conservative)な置換バリアントである:Glu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはマイクロプラスミノゲン。一つの実施形態において、プラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンであり、例えば配列2が示すプラスミノゲンのオルソログであり、例えば、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するプラスミノゲンのオルソログであり、例えばゴリラ、アカゲザル、マウス、ウシ、ウマ、イヌに由来するプラスミノゲンのオルソログである。もっとも好ましくは、本発明のプラスミノゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである。
一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて使用する。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは毎日0.0001−2000mg/kg、0.001−800mg/kg、0.01−600mg/kg、0.1−400mg/kg、1−200mg/kg、1−100mg/kg、10−100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001−2000mg/cm、0.001−800mg/cm、0.01−600mg/cm、0.1−400mg/cm、1−200mg/cm、1−100mg/cm、10−100mg/cm(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは毎日投与する。局所投与の場合、前記用量はさらに状況に応じて調整することができる。
前記プラスミノゲンは単独で使用することもでき、その他の薬物と共に使用することもできる。前記他の薬物は以下を含むがこれに限られない:抗糖尿病薬物、例えばインスリン、アカルボース、メトホルミン、レパグリニド、ロシグリタゾン、アトルバスタチン等である。
一方において、本発明はプラスミノゲンまたはプラスミンの被験者の糖尿病性腎症及び/またはその他の関連疾患を予防、治療及び/または解消する薬物における用途に係る。一方において、本発明は製薬方法に係り、プラスミノゲンまたはプラスミンと薬学上許容し得る担体と共に糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消する薬物に製造することを含む。
一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は、糸球体硬変、糸球体間質増殖を含む糸球体病変;腎細管間質病変;腎間質繊維化、腎細管萎縮、糸球体輸出動脈透明変性、腎微小血管硬変を含む腎微小血管病変を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症関連疾患は腎臓体積の増大、早期糸球体の高濾過率、間欠性タンパク尿、微量アルブミン尿、大量アルブミン尿、持続性タンパク尿、糸球体濾過率低下、腎細胞損傷、腎臓繊維化、腎臓機能不全、尿毒症を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は糖尿病によって引き起こされる大血管、小血管、微小血管の病変によってもたらされるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有する。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは例えば、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、ガイドチューブ施用、局所注射、または直腸投与によって全身または局所にて投与される。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは一種類または複数種類の他の薬物と共に投与される。一つの実施形態において、前記他の薬物とは以下を含む:抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬。
一つの実施形態において、前記被験者は哺乳動物で、好ましくはヒトである。
一つの実施形態において、前記被験者のプラスミンまたはプラスミノゲンが低下している。具体的に、前記低下は先天的、継発的及び/または局所的である。
一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12に基づいて、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を追加、削除及び/または置換したもので、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは以下から選ばれる保存的な置換バリアントである:Glu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはマイクロプラスミノゲン。一つの実施形態において、プラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンであり、例えば配列2が示すプラスミノゲンのオルソログであり、例えば、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するプラスミノゲンのオルソログであり、例えばゴリラ、アカゲザル、マウス、ウシ、ウマ、イヌに由来するプラスミノゲンのオルソログである。もっとも好ましくは、本発明のプラスミノゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである。
一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて投与される。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは毎日0.0001−2000mg/kg、0.001−800mg/kg、0.01−600mg/kg、0.1−400mg/kg、1−200mg/kg、1−100mg/kg、10−100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001−2000mg/cm、0.001−800mg/cm、0.01−600mg/cm、0.1−400mg/cm、1−200mg/cm、1−100mg/cm、10−100mg/cm(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは毎日投与する。局所投与の場合、前記用量はさらに状況に応じて調整することができる。
前記プラスミノゲンは単独で投与することもでき、その他の薬物と組み合わせて投与することもできる。前記他の薬物は以下を含むがこれに限られない:抗糖尿病薬物、例えばインスリン、アカルボース、メトホルミン、レパグリニド、ロシグリタゾン、アトルバスタチン等である。
一方において、本発明は糖尿病性腎症及び/またはその他の関連疾患を予防、治療及び/または解消するプラスミノゲンまたはプラスミンに係り、及び糖尿病性腎症及び/またはその他の関連疾患を予防、治療及び/または解消する、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物に係る。
一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は、糸球体硬変、糸球体間質増殖を含む糸球体病変;腎細管間質病変;腎間質繊維化、腎細管萎縮、糸球体輸出動脈透明変性、腎微小血管硬変を含む腎微小血管病変を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症関連疾患は腎臓体積の増大、早期糸球体の高濾過率、間欠性タンパク尿、微量アルブミン尿、大量アルブミン尿、持続性タンパク尿、糸球体濾過率低下、腎細胞損傷、腎臓繊維化、腎臓機能不全、尿毒症を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は糖尿病によって引き起こされる大血管、小血管、微小血管の病変によってもたらされるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは例えば、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、ガイドチューブ施用、局所注射、または直腸投与によって全身または局所にて投与される。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは一種類または複数種類の他の薬物と組み合わせて投与できる。一つの実施形態において、前記他の薬物とは以下を含む:抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬。
一つの実施形態において、前記被験者は哺乳動物で、好ましくはヒトである。
一つの実施形態において、前記被験者のプラスミンまたはプラスミノゲンが低下している。具体的に、前記低下は先天的、継発的及び/または局所的である。
一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有する。一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12に基づいて、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を追加、削除及び/または置換したもので、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは以下から選ばれる保存的な置換バリアントである:Glu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはマイクロプラスミノゲン。一つの実施形態において、プラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンであり、例えば配列2が示すプラスミノゲンのオルソログであり、例えば、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するプラスミノゲンのオルソログであり、例えばゴリラ、アカゲザル、マウス、ウシ、ウマ、イヌに由来するプラスミノゲンのオルソログである。もっとも好ましくは、本発明のプラスミノゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである。
一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて投与できる。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは毎日0.0001−2000mg/kg、0.001−800mg/kg、0.01−600mg/kg、0.1−400mg/kg、1−200mg/kg、1−100mg/kg、10−100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001−2000mg/cm、0.001−800mg/cm、0.01−600mg/cm、0.1−400mg/cm、1−200mg/cm、1−100mg/cm、10−100mg/cm(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは毎日投与する。局所投与の場合、前記用量はさらに状況に応じて調整することができる。
前記プラスミノゲンは単独で使用することもでき、その他の薬物と共に使用することもできる。前記その他の薬物は以下を含むがこれに限られない:抗糖尿病薬物、例えばインスリン、アカルボース、メトホルミン、レパグリニド、ロシグリタゾン、アトルバスタチン等である。
一方において、本発明は被験者の糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消することに用いる、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物の製品または薬物キットに係る。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は、糸球体硬変、糸球体間質増殖を含む糸球体病変;腎細管間質病変;腎間質繊維化、腎細管萎縮、糸球体輸出動脈透明変性、腎微小血管硬変を含む腎微小血管病変を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症関連疾患は腎臓体積の増大、早期糸球体の高濾過率、間欠性タンパク尿、微量アルブミン尿、大量アルブミン尿、持続性タンパク尿、糸球体濾過率低下、腎細胞損傷、腎臓繊維化、腎臓機能不全、尿毒症を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病性腎症は糖尿病によって引き起こされる大血管、小血管、微小血管の病変によってもたらされるものである。一つの実施形態において、前記フィブリンプラスノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてフィブリンプラスミノゲン活性を有するものである。一つの実施形態において、前記フィブリンプラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、さらに依然としてフィブリンプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは例えば、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、ガイドチューブ施用、局所注射、または直腸投与によって全身または局所にて投与される。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは一種類または複数種類の他の薬物と共に投与される。一つの実施形態において、前記他の薬物とは以下を含む:抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬。
一つの実施形態において、前記被験者は哺乳動物であり、好ましくはヒトである。
一つの実施形態において、前記被験者フィブリンプラスミンまたはプラスミノゲンは低下している。具体的に、前記低下は先天的、続発的及び/または局所的である。
一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12に基づいて、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を追加、削除及び/または置換したもので、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは以下から選ばれる保存的な置換バリアントである:Glu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはマイクロプラスミノゲン。一つの実施形態において、プラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンであり、例えば配列2が示すプラスミノゲンのオルソログであり、例えば、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するプラスミノゲンのオルソログであり、例えばゴリラ、アカゲザル、マウス、ウシ、ウマ、イヌに由来するプラスミノゲンのオルソログである。もっとも好ましくは、本発明のプラスミノゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである。
一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは適切なポリペプチド担体または安定剤と組み合わせて施用できる。一つの実施形態において、前記プラスミノゲンは毎日0.0001−2000mg/kg、0.001−800mg/kg、0.01−600mg/kg、0.1−400mg/kg、1−200mg/kg、1−100mg/kg、10−100mg/kg(体重一キロあたりで計算)または0.0001−2000mg/cm、0.001−800mg/cm、0.01−600mg/cm、0.1−400mg/cm、1−200mg/cm、1−100mg/cm、10−100mg/cm(体表面積平方センチメートルあたりで計算)の用量を投与し、好ましくは少なくとも一回繰り返し、好ましくは毎日投与する。局所投与の場合、前記用量はさらに状況に応じて調整することができる。
前記プラスミノゲンは単独で使用することもでき、その他の薬物と組み合わせて施用することもできる。前記他の薬物は以下を含むがこれに限られない:抗糖尿病薬物、例えばインスリン、アカルボース、メトホルミン、レパグリニド、ロシグリタゾン、アトルバスタチン等である。
一つの実施形態において、前記製品または薬物キットは有効量のプラスミノゲン/プラスミンを含有する容器を含む。好ましくは、該製品または薬物キットはさらに一種類または複数種類の他の薬物を含有する容器を含む。該薬物キットはさらにプロトコル(使用説明書)を含むことができ、これは前記プラスミノゲンを糖尿病によって引き起こされる腎症及びその関連疾患の予防及び/または治療に用いることを説明するものであり、さらには以下のように説明できる。即ち、前記プラスミノゲンまたはプラスミンは前記他の薬物を投与する前、投与と同時、及び/または後に投与できる。
一方において、本発明はプラスミノゲンまたはプラスミンの、被験者の糖尿病によってもたらされる生体組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)を予防及び/または治療するための薬物、製品、薬物キットの製造における用途に係るものである。一つの実施形態において、前記組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)は大脳、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、神経、網膜、皮膚、胃腸管の損傷(ダメージ)を含む。一方において、本発明はプラスミノゲンの被験者の糖尿病合併症を予防及び/または治療するための薬物、製品、薬物キットにおける用途に係る。一つの実施形態において、前記糖尿病合併症は糖尿病によって引き起こされる糖尿病性大脳病変、糖尿病性心臓病変、糖尿病性肝臓病変、糖尿病性腎臓病変、糖尿病性肺臓病変、糖尿病性神経病変、糖尿病網膜症、糖尿病性皮膚病変である。
一方において、本発明は製薬方法に係り、プラスミノゲンまたはプラスミンと薬学的に許容し得る担体を、被験者の糖尿病によってもたらされる生体組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)を予防及び/または治療するための薬物、製品、薬物キットに製造することを含む。一つの実施形態において、前記組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)は大脳、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、神経、網膜、皮膚、胃腸管の損傷(ダメージ)を含む。一方において、本発明は製薬方法に係り、プラスミノゲンまたはプラスミンと薬学的に許容し得る担体を、被験者の糖尿病合併症を予防及び/または治療するための薬物、製品、薬物キットに製造することを含む。一つの実施形態において、前記糖尿病合併症は糖尿病によって引き起こされる糖尿病性大脳病変、糖尿病性心臓病変、糖尿病性肝臓病変、糖尿病性腎臓病変、糖尿病性肺臓病変、糖尿病性神経病変、糖尿病網膜症、糖尿病性皮膚病変である。
一方において、本発明は被験者の糖尿病によってもたらされる生体組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)を予防及び/または治療するためのプラスミノゲンまたはプラスミン、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する組成物、製品、薬物キットに係るものである。一つの実施形態において、前記組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)は大脳、心臓、肝臓、腎臓、肺臓、神経、網膜、胃腸管、皮膚の損傷(ダメージ)を含む。一方において、本発明は被験者の糖尿病合併症を予防及び/または治療するプラスミノゲン、プラスミノゲンを含有する薬物組成物、製品または薬物キットに係る。一つの実施形態において、前記糖尿病合併症は糖尿病によって引き起こされる糖尿病性大脳病変、糖尿病性心臓病変、糖尿病性肝臓病変、糖尿病性肺臓病変、糖尿病性腎臓病変、糖尿病性神経病変、糖尿病網膜症、糖尿病性皮膚病変である。
一方において、本発明は被験者の糖尿病によってもたらさる生体組織及び内臓臓器損傷(ダメージ)を予防及び/または治療する方法に係り、被験者にプラスミノゲンまたはプラスミン、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物、製品、薬物キットを投与することを含む。本発明はさらにプラスミノゲンまたはプラスミン、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物、製品、薬物キットの被験者の糖尿病によってもたらされる生体組織及び内臓臓器損傷(ダメージ)を予防及び/または治療する用途に係るものである。一つの実施形態において、前記組織及び内臓臓器の損傷(ダメージ)は大脳、心臓、肝臓、肺臓、腎臓、神経、網膜、胃腸管、皮膚に対する損傷(ダメージ)を含む。一方において、本発明は被験者の糖尿病合併症を予防及び/または治療する方法に係り、被験者にプラスミノゲンまたはプラスミン、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物、製品または薬物キットを投与することを含む。本発明はさらにプラスミノゲンまたはプラスミン、プラスミノゲンまたはプラスミンを含有する薬物組成物、製品または薬物キットの、被験者の糖尿病合併症を予防及び/治療することにおける用途を含む。一つの実施形態において、前記糖尿病合併症は糖尿病によって引き起こされた糖尿病性大脳病変、糖尿病性心臓病変、糖尿病性肝臓病変、糖尿病性肺臓病変、糖尿病性腎臓病変、糖尿病性神経病変、糖尿病網膜症、糖尿病性皮膚病変である。
一つの実施形態において、前記被験者プラスミンまたはプラスミノゲンは低下している。具体的には、前記低下は先天的、継発的、及び/または局所的なものである。
一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有する。一つの実施形態において、プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12に基づいて、1−100、1−90、1−80、1−70、1−60、1−50、1−45、1−40、1−35、1−30、1−25、1−20、1−15、1−10、1−5、1−4、1−3、1−2、1個のアミノ酸を追加、削除及び/または置換したもので、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質である。一つの実施形態において、プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選ばれるものである。一つの実施形態において、プラスミノゲンは以下から選ばれる保存的な置換バリアントである:Glu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、δ−プラスミノゲンまたはマイクロプラスミノゲン。一つの実施形態において、プラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンであり、例えば配列2が示すプラスミノゲンのオルソログであり、例えば、霊長類動物またはげっ歯類動物に由来するプラスミノゲンのオルソログであり、例えばゴリラ、アカゲザル、マウス、ウシ、ウマ、イヌに由来するプラスミノゲンのオルソログである。もっとも好ましくは、本発明のプラスミノゲンのアミノ酸配列は配列2、6、8、10または12に示される通りである。
本発明は本発明の実施形態どうしの技術的特徴のすべての組み合わせを明確にカバーし、且つこれらの組み合わせ後の技術構成は本出願で明確に開示され、前記技術構成が単独且つ明確に開示されているのと一緒である。また、本発明はさらに各実施形態及び要素のすべてのサブの組み合わせをカバーし、さらに本明細書中において開示され、それぞれのサブの組み合わせが単独且つ明確に本明細書中において開示されているのと一緒である。
図1は14−15週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを投与した後の体重の変化を示したものである。 図2は14−15週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に11日間投与した後の腎臓PAS染色の観察結果を示したものである。 図3は24−25週齢のdb/dbマウスに対して予プラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の体重変化を示したものである。 図4は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の腎臓PAS染色の観察結果を示したものである。 図5は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の腎臓HE染色の観察結果を示したものである。 図6は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の腎臓フィブリン免疫染色の観察結果を示したものである。 図7は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の腎臓Bcl−2免疫染色の観察結果を示したものである。 図8は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の腎臓IgM免疫染色の観察結果を示したものである。 図9は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の肝臓フィブリン免疫染色の観察結果を示したものである。 図10は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の肝臓F4/80免疫染色の観察結果を示したものである。 図11は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に31日間投与した後の網膜PAS染色の観察結果を示したものである。 図12は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを連続的に15日間投与した後の血清中D−二量体の含有量の測定結果を示したものである。 図13は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲン投与後の0、4、7、11、16日目に機械的接触によって誘発される疼痛に対する応答能力の測定結果を示したものである。 図14は24〜25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを投与した後の0、4、7、11、16日目に行った冷刺激に対する感知能力の測定結果を示したものである。 図15は24−25週齢のdb/dbマウスに対してプラスミノゲンを31日間投与後の血清心筋トロポニンIの濃度の測定結果を示したものである。 図16は24−25週の糖尿病後期神経損傷マウスに対してプラスミノゲンを15日間投与した後の坐骨神経フィブリンの免疫組織染色の観察結果を示したものである。 図17は24−25週の糖尿病マウスに対してプラスミノゲンを31日間投与した後の血清グルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素ALTの測定結果を示したものである。
1.定義
「糖尿病」は遺伝的要素、免疫機能の乱れ、微生物感染及びその毒素、フリーラジカル毒素、精神要因などの各種病気誘発因子が生体に作用することによってもたらされる、インスリン機能減退、インスリン抵抗などによって引き起こされる糖、タンパク質、脂肪、水及び電解質等の一連の代謝に乱れが生じる症候群であり、臨床的には高血糖を主な特徴とする。
「糖尿病合併症」は糖尿病プロセスにおける血糖のコントロール不良によってもたらされる身体のその他の臓器または組織のダメージまたは機能障害であり、そのうちの臓器とは肝臓、腎臓、心臓、網膜、神経系のダメージまたは機能障害等を含む。世界保健機関(WHO)の統計によれば、糖尿病合併症は100種類以上あり、現在における合併症が最も多い疾患である。
「糖尿病性微小血管障害」とは糖尿病患者の生体の各臓器または組織の微小循環において異なる程度の異常がもたらす微小血管障害である。微小血管障害が形成するプロセスは概ね以下である:微小循環の機能性改変、内皮損傷、基膜の厚み増大、血液粘度の上昇、赤血球の凝集、血小板の粘着及び凝集、最終的には微小血栓形成及び/または微小血管閉塞をもたらす。
前記の二種類の「糖尿病性血管病変」は組織または器官の局所の血管損傷、血流不順、細胞の酸素欠、血液凝塊の形成、血栓及び炎症をもたらし、さらに周辺の組織及び器官の機能を影響し、これにより「糖尿病合併症」をもたらす。そのため、本発明の「糖尿病性血管病変」及び「糖尿病合併症」という用語は糖尿病によって引き起こされる血栓及び微小血栓、及びそれが引き起こす器官、組織病変をカバーしている。
糖尿病は全世界における発病率及び死亡率の主な原因であり、約40%の糖尿病患者が糖尿病性腎症にまで進行し、腎臓透析または腎臓移植を必要とする。糖尿病は末期腎臓障害の主な原因であり、そのため、どの糖尿病患者も糖尿病性腎症にまで進行するリスクを有する。
「糖尿病性腎症」は「糖尿病腎症」とも呼ばれ、糖尿病微小血管合併症であり、主に糖尿病性糸球体硬化症といい、これは血管損傷を主とする糸球体の病変であり、タンパク尿、高血圧、むくみ、糸球体硬化症、血管構造変化及び細管間質性疾患(tubulointerstitial disease)を含むことを特徴とする。
「プラスミン」は血液中に存在する非常に重要な酵素であり、フィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD−二量体に加水分解する。
「プラスミノゲン」はプラスミンの酵素前駆体の形であり、swiss prot中の配列に基づいて、シグナルペプチドの天然ヒト由来プラスミノゲンのアミノ酸配列(配列4)は計算によれば810個のアミノ酸からなり、分子量は約92kDであり、主に肝臓において合成され且つ血液中で循環できる糖タンパク質であり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列3に示される通りである。フルサイズのプラスミノゲンは七つのドメインを含む:C末端に位置するセリンプロテアーゼドメイン、N末端に位置するPan Apple(PAp)ドメイン及び5つのKringleドメイン(Kringle1−5)を含む。swiss prot中の配列を参照すれば、そのシグナルペプチドは残基Met1−Gly19を含み、Papは残基Glu20−Val98を含み、Kringle1は残基Cys103−Cys181を含み、Kringle2は残基Glu184−Cys262を含み、Kringle3は残基Cys275−Cys352を含み、Kringle4は残基Cys377−Cys454を含み、Kringle5は残基Cys481−Cys560を含む。NCBIデータによれば、セリンプロテアーゼドメインは残基Val581−Arg804を含む。
Glu−プラスミノゲンは天然のフルサイズのプラスミノゲンであり、791個のアミノ酸からなる(19個のアミノ酸からなるシグナルペプチドを含まない)。該配列をコードするcDNA配列は配列1に示される通りであり、そのアミノ酸配列は配列2に示される通りである。体内において、さらにGlu−プラスミノゲンの第76−77位のアミノ酸の位置で加水分解することにより形成されたLys−プラスミノゲンが存在し、例えば配列6に示されるものであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列5が示す通りである。δ−プラスミノゲン(δ−plasminogen)はフルサイズのプラスミノゲンにKringle2−Kringle5構造の欠損が生じているフラグメントであり、Kringle1及びセリンプロテアーゼドメインしか含有せず(非特許文献25,26)、δ−プラスミノゲンのアミノ酸配列(配列8)を報告している文献があり(非特許文献26)、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は例えば配列7である。ミニプラスミノゲン(Mini−plasminogen)はKringle5及びセリンプロテアーゼドメインからなり、残基Val443−Asn791(シグナルペプチドGlu−プラスミノゲン配列を含まないGlu残基を開始アミノ酸とする)について文献が報告しており(非特許文献27)、そのアミノ酸配列は配列10に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列9が示す通りである。しかしマイクロプラスミノゲン(Micro−plasminogen)はセリンプロテアーゼドメインのみ含有し、そのアミノ酸配列は残基Ala543−Asn791(シグナルペプチドを含まないGlu−プラスミノゲン配列のGlu残基は開始アミノ酸である)と文献が報告し(非特許文献28)、特許文献CN102154253Aはそれが残基Lys531−Asn791を含むと開示し(シグナルペプチドを含まないGlu−プラスミノゲン配列のGlu残基を開始アミノ酸とする)、本特許の配列は特許文献CN102154253Aを参照でき、そのアミノ酸配列は配列12に示される通りであり、該アミノ酸配列をコードするcDNA配列は配列11に示される通りである。
本発明の「プラスミン」と「フィブリンプラスミン」、「繊維タンパクプラスミン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。「プラスミノゲン」と「フィブリンプラスミノゲン」、「繊維タンパクプラスミノゲン」は互いに置き換えて使用でき、その意味は同じである。
当業者は以下のように理解できる。本発明のプラスミノゲンのすべての技術構成はプラスミンに適用でき、そのため、本発明に記載の技術構成はプラスミノゲン及びプラスミンをカバーするものである。
循環プロセスにおいて、プラスミノゲンは閉鎖した非活性コンフォメーションであるが、血栓または細胞表面に結合した際、プラスミノゲン活性化剤(plasminogen activator,PA)の介在下において、開放性のコンフォメーションを有する活性プラスミンとなる。活性を有するプラスミンはさらにフィブリン凝塊をフィブリン分解生成物及びD−二量体に加水分解させ、これにより血栓を溶解させる。そのうちプラスミノゲンのPapドメインはプラスミノゲンを非活性閉鎖コンフォメーションにする重要な決定クラスターであり、しかしKRドメインは受容体及び基質上のリジン残基と結合できるものである。プラスミノゲン活性化剤としての酵素は、既に複数種類知られ、以下を含む:組織プラスミノゲン活性化剤(tPA)、ウロキナーゼプラスミノゲン活性化剤(uPA)、カリクレイン及び凝結因子XII(ハーゲマン因子)などである。
「プラスミノゲン活性フラグメント」とはプラスミノゲンタンパク質において、基質中のターゲット配列と結合してタンパク質加水分解機能を発揮できる活性フラグメントである。本発明はプラスミノゲンの技術構成に係り、プラスミノゲン活性フラグメントでプラスミノゲンの代替とする技術構成を含む。本発明に記載のプラスミノゲン活性フラグメントはプラスミノゲンのセリンプロテアーゼドメインを含むタンパク質であり、好ましくは、本発明に記載のプラスミノゲン活性フラグメントは配列14、配列14と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の同一性のアミノ酸配列を含有するタンパク質を含むものである。そのため、本発明に記載のプラスミノゲンは該プラスミノゲン活性フラグメントを含み、且つ依然として該プラスミノゲン活性を有するタンパク質を含む。
現在、血液中のプラスミノゲン及びその活性測定方法は以下を含む:組織フィブリンプラスミノゲン活性化剤の活性に対する測定(t−PAA)、血漿組織プラスミノゲン活性化剤抗原に対する測定(t−PAAg)、血漿組織プラスミノゲン活性に対する測定(plgA)、血漿組織プラスミノゲン抗原に対する測定(plgAg)、血漿組織プラスミノゲン活性化剤の阻害物活性に対する測定、血漿組織プラスミノゲン活性化剤の阻害物抗原に対する測定、血漿プラスミン−抗プラスミン複合物に対する測定(PAP)。最もよく見られる測定方法は発色基質法である:測定対象の血漿中にストレプトキナーゼ(SK)と発光基質を添加し、測定対象の血漿中のPLGはSKの作用下においてプラスミンとなり、後者は発光基質に作用し、それから分光光度計で測定し、吸光度の増加はプラスミノゲンの活性と正比例関係となる。この他にも免疫化学法、ゲル電気泳動法、免疫比濁法、放射免疫拡散法などを用いて血液中のフィブリンプラスミノゲン活性に対して測定を行うことができる。
「オルソロジー(orthology)」とは異なる種どうしのオルソログ(ortholog)であり、タンパク質の相同物もDNAの相同物も含む。それは具体的に異なる種どうしの同じ祖先の遺伝子から進化して得られるタンパク質または遺伝子を言う。本発明のプラスミノゲンはヒト天然プラスミノゲンを含み、さらには異なる種に由来する、プラスミノゲン活性を有するプラスミノゲン直系同源物または直系同系物を含む。
「保存的置換バリアント」とはそのうちの一つの指定されたアミノ酸残基が改変されたがタンパク質または酵素の全体のコンフォメーション及び機能を変えないものであり、これは類似の特性(例えば酸性、アルカリ性、疎水性など)のアミノ酸でペアレントタンパク質中のアミノ酸配列中のアミノ酸を置換するものを含むがこれらに限られない。類似の性質を有するアミノ酸は知られている通りである。例えば、アルギニン、ヒスチジン及びリジンは親水性のアルカリ性アミノ酸であり且つ互いに置き換えることができる。同じように、イソロイシンは疎水アミノ酸であり、ロイシン、メチオニンまたはバリンによって置換されることができる。そのため、機能の類似する二つのタンパク質またはアミノ酸配列の類似性は異なる可能性もある。例えば、MEGALIGNアルゴリズムに基づいて70%〜99%の類似性(同一性)を有する。「保存的置換バリアント」はさらにBLASTまたはFASTAアルゴリズムに基づいて60%以上のアミノ酸同一性を有するポリペプチドまたは酵素であり、75%以上に達すればさらによく、最も好ましくは85%以上に達し、さらには90%以上に達するのが最も好ましく、さらに天然またはペアレントタンパク質または酵素と比較して同じまたは基本的に類似する性質または機能を有する。
「分離された」プラスミノゲンとは天然環境から分離及び/または回収されたプラスミノゲンタンパク質である。いくつかの実施形態において、前記プラスミノゲンは(1)90%を超える、95%を超える、または98%を超える純度(重量で計算した場合)になるまで精製し、例えばLowry法によって決まるもので、例えば99%(重量で計算した場合)を超えるまで精製する、(2)少なくともスピニングカップ配列分析装置によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15個の残基が得られる程度になる精製する、または(3)同質性になるまで精製する。該同質性はクマシーブリリアントブルーまたは銀染色により還元性または非還元性条件下のドデシル硫酸ナトリウムーポリアクリルアミノゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって決まるものである。分離されたプラスミノゲンはバイオエンジニアリング技術により組み換え細胞から製造することができ、さらに少なくとも一つの精製ステップで分離されたプラスミノゲンを含む。
用語の「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書において互いに置き換えて使用でき、いかなる長さのアミノ酸の重合体をも指し、遺伝的にコードされた及び非遺伝的にコードされたアミノ酸、化学的または生化学的に修飾されまたは派生したアミノ酸、及び修飾されたペプチド主鎖を有するポリペプチドを含む。該用語は融合タンパク質を含み、異種性アミノ酸配列を有する融合タンパク質を含むがこれに限られず、異種性と同種性由来のリーダー配列(N端メチオニン残基を有するか有しない)を含む融合物;等々である。
参照ペプチド配列の「アミノ酸配列同一性パーセンテージ(%)」の定義は、必要な時にギャップを導入することで最大のパーセンテージ配列の同一性を実現した後、如何なる保存的な置換も配列同一性の一部として見なさない場合、候補配列中における参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同じアミノ酸残基のパーセンテージである。パーセンテージのアミノ酸配列の同一性を測定することを目的とした比較は本分野の技術範囲における複数種類の方式によって実現でき、例えば公衆が入手できるコンピュータソフトウエア、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウエアによって実現できる。当業者は引用配列の適切なパラメータを決めることができ、比較対象の配列のフルサイズを比較することで最大比較の要求を実現するための如何なるアルゴリズムも含む。しかし、本発明の目的のために、アミノ酸配列の同一性パーセンテージは配列比較コンピュータソフトウエアALIGN−2により得られるものである。
ALIGN−2を用いることによりアミノ酸配列を比較する場合、アミノ酸配列Aと所定のアミノ酸配列Bのアミノ酸配列同一性%(または所定のアミノ酸配列Bのあるアミノ酸配列と同一性を有する所定のアミノ酸配列Aの占める%)は以下のように計算される:
分数X/Y×100
そのうちXは配列比較プログラムALIGN−2において該プログラムのA及びBの比較において同一でマッチングすると評価したアミノ酸残基の数であり、且つそのうちYはBにおけるアミノ酸残基の総数である。以下のように理解するべきである:アミノ酸配列Aの長さとアミノ酸配列Bの長さが等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列の同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%とは異なる。明確に説明した場合を除き、本文中において使用するすべてのアミノ酸配列同一性値%は前記の段落に記載の通りであり、ALIGN−2コンピュータプログラムによって得られるものである。
本文において使用されているように、用語の「治療」及び「処理」は期待される薬理及び/または生理的効果が得られることを言う。前記効果は疾患またはその症状を完全または一部予防すること、及び/または疾患及び/またはその症状を一部または完全に治癒するものとすることができる。さらに以下を含む:(a)疾病が被験者の体内で発生することを予防し、前記被験者は疾患の要因を持っているが、該疾患を有すると診断されていない状況である;(b)疾患を抑制し、その形成を阻害する;及び(c)疾患及び/またはその症状を減軽し、即ち疾患及び/またはその症状を減退させる。
用語の「個体」、「被験者」及び「患者」は本明細書中において互いに置き換えて使用でき、哺乳動物を指し、ネズミ(ラット、マウス)、ヒト以外の霊長類、ヒト、イヌ、ネコ、有蹄動物(例えばウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ)などを含むがこれらに限られない。
「治療上有効量」または「有効量」とは、哺乳動物またはその他の被験者に投与して疾患の治療に用いられる際に疾患の前記予防及び/または治療を実現できるプラスミノゲンの量である。「治療上有効量」は使用するプラスミノゲン、治療しようとする被験者の疾患及び/または症状の重症度及び年齢、体重などに従って変化するものである。
2.本発明のプラスミノゲンの製造
プラスミノゲンは自然界から分離及び精製され、治療の用途に用いられるものであり、さらには標準的な化学ペプチド合成技術によって合成することができる。化学的手法によりポリペプチドを合成する際、液相または固相で合成を行うことができる。固相ポリペプチド合成(SPPS)(配列のC末端アミノ酸を不溶性支持体に附着させ、順番に配列中の残りのアミノ酸を添加する)はプラスミノゲンの化学的合成に適したものである。各種形式のSPPS、例えばFmoc及びBocは、プラスミノゲンの合成に用いることができる。固相合成に用いられる技術は以下に記載されている:Barany及びSolid−Phase Peptide Synthesis;3−284ページ、The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology.第二巻:Special Methods in Peptide Synthesis,Part A.,Merrifield,tら J.Am.Chem.Soc.,85:2149−2156(1963);Stewartら,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd ed.Pierce Chem.Co.,Rockford,Ill.(1984);及びGanesan A.2006Mini Rev.Med Chem.6:3−10及びCamarero JAら 2005Protein Pept Lett.12:723−8。簡単に言えば、その上にペプチド鎖が構築されている機能性ユニットにより不溶性の多孔ビーズを処理する。カップリング/脱保護の繰り返し循環後に、附着した固相の遊離N末端アミンと単一のN保護を受けているアミノ酸ユニットをカップリングさせる。それから、該ユニットを脱保護し、他のアミノ酸と接続する新しいN末端アミンを露出させる。ペプチドを固相上に固定したままにし、それからそれを切除する。
標準的な組み換え方法により本発明のプラスミノゲンを生産する。例えば、プラスミノゲンをコードする核酸を発現ベクター中に挿入し、それと発現ベクター中の制御配列を操作可能に接続させる。発現制御配列はプロモーター(例えば天然に関連されているプロモーター、または異種由来のプロモーター)、シグナル配列、エンハンサー素子及び転写終了配列を含むが、これらに限られない。発現の制御はベクター中の真核プロモーター系とすることができ、前記ベクターは真核宿主細胞(例えばCOSまたはCHO細胞)を形質転換またはトランスフェクションさせる。一旦ベクターを適切な宿主に導入すれば、ヌクレオチド配列の高レベル発現及びプラスミノゲンの収集及び精製の条件下において宿主を維持できる。
適切な発現ベクターは通常宿主体内において附加体または宿主染色体DNAの整合部分として複製される。通常、発現ベクターは選択マーカー(例えばアンピシリン耐性、ハイグロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性またはネオマイシン耐性)を含み、外部由来に期待されるDNA配列によって形質転換されたそれらの細胞に対して測定を行うことに有用である。
大腸菌(Escherichia coli)はターゲット抗体をコードするポリヌクレオチドをクローンする原核宿主細胞の例である。その他の使用に適した微生物宿主は桿菌を含み、例えばバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)及びその他の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、例えばサルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、及び各種シュードモナス属(Pseudomonas)種である。これらの原核宿主において、発現ベクターを生成でき、通常は宿主細胞と許容する発現制御配列(例えば複製開始点)を含むものである。また、多くの公知のプロモーターが存在し、例えば乳糖プロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、β−ラクタマーゼプロモーター系、またはファージλ由来のプロモーター系である。プロモーターは通常発現を制御し、遺伝子配列を操縦する場合、さらにリボソームの結合位置配列を有し、転写及び翻訳を起動させてもよい。
その他の微生物、例えば酵母も発現に用いることができる。酵母(例えば出芽酵母(S.cerevisiae))及びピキア(Pichia)が適した酵母宿主細胞の例であり、そのうちの適切な担体は必要に応じて発現制御配列(例えばプロモーター)、複製開始点、終止配列など含む。典型的なプロモーターは3−ホスホグリセリン酸キナーゼ及びその他の糖分解酵素を含む。誘導型酵母はエタノール脱水素酵素、イソ細胞色素C、及び麦芽糖とガラクトースの利用のための酵素のプロモーターによって起動される。
微生物以外に、哺乳動物細胞(例えば体外細胞培養物中において培養された哺乳動物細胞)も本発明のプラスミノゲンの発現に用いることができる(例えばターゲット−Tau抗体をコードするポリヌクレオチド)。例えばWinnacker,From Genes to Clones,VCH Publishers,N.Y.,N.Y.(1987)参照。適した哺乳動物宿主細胞はCHO細胞系、各種Cos細胞系、HeLa細胞、骨髄腫細胞系、及び形質転換されたB細胞またはハイブリドーマを含む。これらの細胞に用いられる発現ベクターは発現制御配列、例えば複製開始点、プロモーター、及びエンハンサー(Queenら,Immunol.Rev.89:49(1986))、及び必要とされる加工情報位置、例えばリボソームの結合位置、RNAの切断位置、ポリアデノシン酸化位置、及び転写終止子配列を含むことができる。適切な発現制御配列の例はウサギ免疫グロブリン遺伝子、SV40、アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウィルス、サイトメガロウイルスなどの派生のプロモーターである。Coら、J.Immunol.148:1149(1992)を参照すること。
一旦合成(化学または組み換え式)されれば、本分野の標準的な手順、例えば硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティカラム、カラムクロマトグラフィー、高速液相クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル電気泳動などにより本発明に記載のプラスミノゲンを精製することができる。該プラスミノゲンは基本的に純粋なものであり、例えば少なくとも約80%から85%の純度で、少なくとも約85%〜90%の純度で、少なくとも約90%〜95%の純度で、または98%〜99%の純度またはさらに純度が高いものであり、例えば汚染物を含まず、前記汚染物は例えば細胞砕片、ターゲット抗体以外の大分子などである。
3.薬物配合剤
必要とする純度のプラスミノゲンと選択可能な薬用担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences,第16版,Osol,A.ed.(1980))を混合して凍結乾燥製剤または水溶液を形成して治療用の配合剤を得る。許容可能な担体、賦形剤、安定剤は所要の用量及び濃度下において被験者に対して毒性がなく、さらに例えばリン酸塩、クエン酸塩及びその他の有機酸などの緩衝剤を含む。抗酸化剤はアスコルビン酸和メチオニンを含む;防腐剤(例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド水和物;塩化ヘキサメチレンジアミン;塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブタノールまたはベンジルエタノール;アルキルパラヒドロキシ安息香酸エステル、例えばメチルまたはプロピルのパラヒドロキシ安息香酸エステル;ピロカテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンチルエタノール;m−クレゾール);低分子量ポリペプチド(少なくとも10個の残基を有するもの);タンパク質例えば血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性重合体、例えばポリゼニールピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン酸、ヒスチジン、アルギニンまたはリシンである;単糖、二糖及びその他の炭水化物はブドウ糖、マンノース、またはデキストリンを含む;キレート剤は例えばEDTAである;糖類は例えばショ糖、マンニトール、フコースまたはソルビトールである;塩形成イオン、例えばナトリウム;金属複合体(例えば亜鉛−タンパク複合体);及び/または非イオン界面活性剤、例えばTWEENTM、PLURONICSTMまたはポリエチレングリコール(PEG)である。好ましくは凍結乾燥された抗−VEGF抗体配合剤であり、WO 97/04801に記載されているとおりであり、本明細書において参考とされるものである。
本発明の配合剤は治療を必要とする具体的な症状の必要とする一種類以上の活性化合物を含有してもよく、好ましくは活性が相補的で互いに副作用を有しないものである。例えば、血圧降下薬、抗不整脈薬、糖尿病治療薬等である。
本発明のプラスミノゲンは例えば凝集技術または界面重合によって作られるマイクロカプセル中に内包することができ、例えば、膠質薬物輸送系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン剤、ナノ粒子及びナノカプセル)中に入れまたはエマルジョン状液中のヒドロキシメチルセルロースまたはゲルーマイクロカプセル及びポリ―(メタアクリル酸メチル)マイクロカプセル中に入れることができる。これらの技術は以下に開示されている。Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)。
体内に投与することに用いられる本発明のプラスミノゲンは必ず無菌である必要がある。これは凍結乾燥及び再度配合する前または後に除菌濾過膜で濾過することで容易に実現できる。
本発明のプラスミノゲンは緩衝製剤を調製できる。緩衝製剤の適切な実例は一定の形状を有し且つ糖タンパクを含む固体の疎水性重合体の半透過基質を含み、例えば膜またはマイクロカプセルである。緩衝基質の実例はポリエステル、水性ゲル(例えばポリ(2−ヒドロキシエチル−メタアクリル酸エステル)(Langerら,J.Biomed.Mater.Res.,15:167−277(1981);Langer,Chem.Tech.,12:98−105(1982))またはポリ(ビニールエタノール)、ポリラクチド(米国特許3773919,EP 58,481)、L−グルタミン酸とγメチル−L−グルタミン酸の共重合体(Sidman,ら,Biopolymers 22:547(1983)),分解できないエチレン−ビニルアセテート(ethylene−vinyl acetate)(Langer,ら,出所は前記と同じ)、または分解可能な乳酸−ヒドロキシ酢酸共重合体、例えばLupron DepotTM(乳酸−ヒドロキシ酢酸共重合体及びリュープロレリン(leuprolide)酢酸エステルからなる注射可能なミクロスフェア体)、及びポリD−(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。重合体、例えばエチレン−酢酸エチル及び乳酸−ヒドロキシ酢酸は、持続的に100日間以上分子を放出することができ、しかしいくつかの水性ゲルがタンパク質を放出する時間は比較的短い。関連のメカニズムに応じてタンパク質を安定化させる合理的なストラテジーにより設計できる。例えば、凝集のメカニズムが硫化ジスルフィド結合の交換によって分子間S−S結合を形成するであれば、メルカプト基残基を修飾することにより、酸性溶液中から凍結乾燥させ、湿度を制御し、適切な添加剤を用いて、及び特定の重合体基質組成物を開発することで安定化を実現できる。
4.投与及び使用量
異なる方式、例えば静脈内、腹膜内、皮下、頭蓋骨内、髄腔内、動脈内(例えば頸動脈)、筋肉内、鼻内、体表または皮内投与または脊髄または脳内輸送により本発明の薬物組成物の投与を実現できる。エアロゾル製剤例えば鼻噴霧製剤は活性剤を含有する精製した水性またはその他の溶液及び防腐剤と等張剤を含有する。このような製剤を鼻粘膜と許容し得るpH及び等張状態に調整する。
一部の場合において、以下の方式により本発明のプラスミノゲン薬物組成物を修飾または配合することができ、これにより血液脳関門を通過できる能力を提供する。各種の腸内及び胃腸外の投与経路、内服、静脈内等を用いて患者に対して血栓及び/または血栓関連疾患を患っている個体に対してこのようなプラスミノゲンの組成物を投与することを含む。
胃腸外での投与に用いられる製造物は無菌水性または非水性溶液、懸濁液及び乳剤を含む。非水性溶媒の例はプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、例えばオリーブオイルのような植物油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルである。水性担体は水、エタノール性/水性溶液、乳剤または懸濁液を含み、食塩水及び緩衝媒介を含む。胃腸外媒介物は塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、または固定油である。静脈内媒介物は液体及び栄養補充物、電気分解補充物などを含む。されには防腐剤及びその他の添加剤、例えば抗微生物製剤、抗酸化剤、キレート剤、不活性ガスなども存在してもよい。
いくつかの実施形態において、本発明のプラスミノゲンは血液脳関門の通過を促進する薬剤と配合されている。いくつかの場合において、本発明のプラスミノゲンは直接またはアダプターにより血液脳関門の通過を促進する担体分子、ペプチドまたはタンパク質と融合する。一部の実施形態において、本発明のプラスミノゲンは内在性血液脳関門(BBB)受容体に結合するポリペプチドと融合する。プラスミノゲンと内在性血液脳関門受容体に結合するポリペプチドは、BBBの通過を促進する。内在性血液脳関門(BBB)受容体に結合するポリペプチドは抗体、例えばモノクローナル抗体、またはその抗原結合フラグメントを含み、それは特異的に内在性BBB受容体に結合する。適切な内在性BBB受容体はインスリン受容体を含むがこれに限られず、抗体はリポソームに内包されたものである。例えば米国特許公開書類No.2009/0156498を参照すること。
医療関係者は各種臨床的要素により用量案を決めることができる。例えば医学分野で公知のように、任意の患者の用量は複数の要素によって決められ、これらの要素は患者の体型、体表面積、年齢、投与される具体的な化合物、性別、投与回数及び経路、全体の健康度、及び同時に投与するその他の薬物を含む。本発明が含有するプラスミノゲンの薬物組成物の用量の範囲は例えば被験者体重に対して毎日約0.0001〜2000mg/kgであり、または約0.001〜500mg/kg(例えば0.02mg/kg,0.25mg/kg,0.5mg/kg,0.75mg/kg,10mg/kg,50mg/kgなど)とすることができる。例えば、用量は1mg/kg体重または50mg/kg体重または1−50mg/kgの範囲とすることができ、または少なくとも1mg/kgである。この例示性の範囲より高いまたは低い用量もカバーされ、特に前記の要素を考慮した場合である。前記範囲中の中間用量も本発明の範囲内に含まれるものである。被験者は毎日、隔日、毎週または経験分析によって決められた任意のスケジュール表に従ってこのような用量を投与できる。例示的な用量のスケジュール表は連続数日1−10mg/kg投与することである。本発明の薬物の投与過程において血栓及びその関連疾患の治療効果及び安全性はリアルタイムに評価、定期的に評価すべきである。
5.治療の効力
本発明の一つの実施形態はプラスミノゲンを用いて被験者を治療した後、治療効力及び治療安全性に対して判断を行うことに係る。その臨床上における治療効力を判断する方法は以下の指標を測定することにより腎臓機能を評価することを含むが、これらに限られない:血清クレアチニンレベル、クレアチニン除去率、24−時間尿タンパク排出率(UAER)、糸球体濾過率、尿アルブミン/クレアチニン比、アルブミン分泌率及び腎臓生検等である。例えば、糸球体濾過率は糸球体の過剰濾過及び過剰灌流の状況を示すことができ、これは糖尿病性腎症の早期症状の緩和の程度を示すものである。糸球体濾過率は腎臓から1分間に生じる濾液の体積であり、各種方法によって決めることができ、例えばプロテオグリカン、イオタラム酸塩またはイオヘキソールのような濾過マーカーの尿除去率を測定することで測定できる。最もよく見られる方法は、クレアチニン(筋肉によって生じさらに血液中に放出されるタンパク質)の除去率を知ることによって糸球体濾過率を予測することである。クレアチニン除去率(通常はml/分と示される)は所定時間(例えば12時間または24時間)内の尿液中で収集されたクレアチニンレベル及び血液中のクレアチニンレベルを比較することによって知ることができる。成人男性の典型的なクレアチニン除去率は約97−137ml/分であり、成人女性は約88−128ml/分である。クレアチニン除去率と尿クレアチニン排泄は正比例関係であり、血清クレアチニン濃度と逆比例関係である。
通常はクレアチニン除去率/糸球体濾過率または尿アルブミン排出率を主な効力評価指標とする。これとともにその他の二次的な指標を加えて本発明の薬物の対応の合併症に対する効力を評価し、例えばトリグリセリド、総コレステロール、低密度ポリタンパク等を用いて血中脂質変化を評価し、治療前後の収縮圧、拡張圧のレベルを測定することを増やすことによって高血圧状況の緩和の程度などについて評価する。
6.製品または薬物キット
本発明の一つの実施形態は製品または薬物キットに係るものであり、糖尿病腎症を治療するための本発明のプラスミノゲンを含有する。前記製品は好ましくは一つの容器、ラベルまたはパンフレットを含む。適切な容器はボトル、小瓶、注射器などである。容器は各種材料例えばガラスまたはプラスチックから作られることができる。前記容器は組成物を含有し、前記組成物は本発明の疾患または症状を有効に治療し且つ無菌の入口を有する(例えば前記容器は静脈輸液用パックまたは小瓶であり、皮下注射針によって貫通される栓を含む)。前記組成物中の少なくとも一種類の活性化剤がプラスミノゲンである。前記容器上にあるまたは添付されているラベルは前記組成物を本発明の前記糖尿病によって引き起こされる糖尿病性腎症及びその関連疾患の治療に用いられると説明するものである。前記製品はさらに薬用緩衝液を含有する第二容器を含み、前記薬用緩衝液は例えばリン酸塩緩衝の食塩水、リンガー溶液及びブドウ糖溶液を含む。さらには商業及び使用者の角度から見ると必要とされるその他の物質、即ちその他の緩衝液、希釈剤、濾過物、針及び注射器を含むことができる。また、前記製品は使用説明を有するパンフレットを含み、これは例えば前記組成物の使用者にプラスミノゲン組成物及び疾患の治療に伴うその他の薬物を患者に投与することを指示するものである。
<実施例>
実施例1はプラスミノゲンの糖尿病早期のマウス体重に対する影響に関するものである。
14−15週齢のdb/dbオスマウスを10匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループであり、各グループ5匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。プラスミノゲン投与グループに対して1mg/0.1mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。0、3、6、12日目にそれぞれ体重を測定する。
結果はプラスミノゲン投与グループ及び溶媒PBS投与対照グループは0、3、6、12日目に体重に顕著な差異がないことを示し(図1)、これはプラスミノゲンが動物の体重に対して影響が大きくないことを示している。
実施例2はプラスミノゲンの糖尿病早期マウス糸球体メサンギウム基質及び基底膜の増殖に対する影響に関するものである。
14−15週齢のdb/dbオスマウスを10匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ5匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与してさらに1日目と記録する。プラスミノゲン投与グループに対して1mg/0.1mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。12日目に、マウスを殺処分してから左腎臓を取り、Carnoy固定液にて24時間固定させる。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和してからヘマトキシリン及びSchiff氏液で染色させ(PAS染色)、1%塩酸エタノールで分化させ、アンモニア水で安定化させ、さらにエタノールで段階的に脱水させて封入し、切片を顕微鏡下において400倍下にて観察を行う。
結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図2B)に比較して、溶媒PBS投与対照グループ(図2A)は糸球体基底膜が明らかに厚くなり、メサンギウム基質が明らかに増殖し、毛細血管腔が狭くなっている。定量分析は以下を示している。溶媒PBS投与対照グループの糸球体メサンギウム基質が顕著に増大し、且つ統計的差異が顕著である(図2C)。これはプラスミノゲンを注射することで糸球体メサンギウム基質成分の沈着が顕著に減少し、プラスミノゲンは糖尿病マウスの腎臓ダメージの修復を顕著に促進できることを示している。
実施例3はプラスミノゲンの糖尿病末期マウス体重に対する影響に関するものである。
24−25週齢db/dbのオスマウス20匹を準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ10匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。0、4、7、11、16、21、26、31日目にそれぞれ体重を計測する。
結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ及び溶媒PBS投与対照グループの0、4、7、11、16、21、26、31日目の体重に顕著な差異がなく(図3)、これはプラスミノゲンの動物体重に対する影響が大きくないことを示している。
実施例4はプラスミノゲンの糖尿病末期のマウス糸球体メサンギウム基質及び基底膜の増殖に対する影響に関するものである。
24−25の週齢db/dbオスマウスを20匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ10匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目にマウスを殺処分してから左腎臓を取り、Carnoy固定液にて24時間固定させる。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和してからヘマトキシリン及びSchiff氏液で染色させ(PAS染色)、1%塩酸エタノールで分化させ、アンモニア水で安定化させ、さらにエタノールで段階的に脱水させて封入し、切片を顕微鏡下において400倍下にて観察する。
結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図4B)と比較して、溶媒PBS投与対照グループ(図4A)の糸球体基底膜が明らかに厚くなり、メサンギウム基質が明らかに増殖され、毛細血管腔が狭くなり、これはプラスミノゲンを注射することで糸球体メサンギウム基質成分の沈着が顕著に減少し、プラスミノゲンが糖尿病マウス腎臓損傷に対して顕著な修復機能を有することを示している。
実施例5はプラスミノゲンの糖尿病末期のマウス腎臓に対する保護作用に関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウスを20匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ10匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目に、マウスを殺処分してから腎臓を取り、10%中性ホルマリン固定液にて24時間固定する。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和してからヘマトキシリン及びエオジンで染色させ(HE染色)、1%塩酸エタノールで分化させ、アンモニア水で安定化させ、さらにエタノールで段階的に脱水させて封入する。切片を顕微鏡下において200倍下にて観察する。
HE染色結果は以下を示している。溶媒PBS投与対照グループ(図5A)及びプラスミノゲン投与グループ(図5B)においていずれも少量の糸球体萎縮、発育不良、腎細管上皮細胞の空胞化現象及び少量の炎症性細胞浸潤が見られる(↑)。しかし溶媒PBS投与対照グループのマウスにはさらに比較的大きい面積の腎間質充血が観察され(*)、糸球体壁層基底膜増殖(▲)が観察され、且つプラスミノゲン投与グループの壁層の基底膜増殖は溶媒PBS投与対照グループより軽い。また、解剖時に1匹の溶媒PBS投与対照グループのマウスに右腎臓のむくみが見られる。これはプラスミノゲンを投与した後に腎臓の損傷の程度が改善されていることを示している。
実施例6はプラスミノゲンの糖尿病末期マウス腎臓フィブリン加水分解の促進に関するものである。
24−25週齢db/dbオスマウスを20匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループであり、各グループ10匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目にマウスを殺処分してから腎臓を取り、10%中性ホルマリン固定液にて24時間固定する。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させ及びキシレンで透明化処理した後にパラフィンで包埋処理を行う。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和して1回水洗いする。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、2回水洗いし、毎回5分間である。10%の正常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で1時間封止する;時間になった後に、ヒツジ血清液を廃棄し、PAPマーカーで組織を囲む。ウサギ抗マウスフィブリン(フィブリノーゲン)抗体(Abcam)4℃で終夜インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間流す。透明になるよう段階的に脱水してから封止させ、顕微鏡下で200倍にて切片を観察する。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体であり、組織に損傷が存在する状況下において、有機体の損傷に対する刺激応答反応として、フィブリノーゲンは加水分解してフィブリンとなる(非特許文献29〜31)。そのためフィブリノーゲンレベルを損傷の程度の一つの指標とすることができる。
結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図6B)は溶媒PBS投与対照グループ(図6A)と比較した場合、フィブリノゲンの陽性着色が浅い。これはプラスミノゲンを注射することで顕著に糖尿病マウスの腎臓フィブリン沈着を低下させることができ、プラスミノゲンは糖尿病マウスの腎臓ダメージに対して顕著な修復作用を有することを示している。
実施例7はプラスミノゲンの糖尿病末期マウスの腎臓アポトーシス阻害タンパクBcl−2の発現促進に関するものである。
24−25週齢db/dbオスマウスを20匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ10匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部静脈から注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目にマウスを殺処分し、腎臓を取り10%中性ホルマリン固定液中において24時間固定させる。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させ及びキシレンで透明化処理した後にパラフィンで包埋処理を行う。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和して1回水洗いする。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、2回水洗いし、毎回5分間である。10%の正常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で1時間封止する;時間になった後に、ヒツジ血清液を廃棄し、PAPマーカーで組織を囲む。ウサギ抗マウスBcl−2抗体(Abcam)4℃で終夜インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間流す。透明になるよう段階的に脱水させてから封止を行い、顕微鏡下で200倍下にて切片を観察する。
Bcl−2は細胞アポトーシス阻害タンパクであり、アポトーシス刺激因子の作用下において発現が減少するように制御される(非特許文献32,33)。結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図7B)の腎細管上皮細胞の陽性発現着色は明らかに溶媒PBS投与対照グループ(図7A)より深く、且つ前者の着色範囲がより広い。定量分析結果は観察結果と一致し、且つ顕著な差異を有する(図7Cに示す通り)。これは、プラスミノゲンは糖尿病マウス腎臓アポトーシス阻害分子Bcl−2的の発現を促進させ、これにより糖尿病マウス腎臓組織細胞のアポトーシスを阻害することを示している。
実施例8はプラスミノゲンの糖尿病末期マウスの腎臓損傷の低下に関するものである。
24−25週齢db/dbオスマウスを8匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ4匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目に、生理的指標の測定を完了してから、マウスを殺処分してから腎臓を取り、10%中性ホルマリン固定液にて24時間固定する。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせてから再水和して1回水洗いする。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、2回水洗いし、毎回5分間である。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間流す。透明になるよう段階的に脱水してから封止させ、顕微鏡下で400倍下にて切片を観察する。
IgM抗体はアポトーシス及び壊死細胞を除去する過程において重要な役割を発揮し、組織器官の損傷局所のIgM抗体のレベルは損傷の程度と正比例関係を有する(非特許文献34〜36)。組織器官の局所IgM抗体のレベルを測定することで該組織器官の損傷状況を反映できる。
結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図8B)のマウス糸球体IgMの陽性着色は溶媒PBS投与対照グループより薄く、且つ対照グループより範囲が狭い(図8A)。定量分析は観察結果と一致し、且つ統計的差異が顕著で、これはプラスミノゲンを注射した後糸球体の損傷が明らかに改善され、プラスミノゲンが糖尿病マウスの腎臓損傷に対して顕著な修復作用を有することを示している。
実施例9はプラスミノゲンの糖尿病末期肝臓組織フィブリンレベルを低減させることに関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウス10匹を準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ5匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目にマウスを殺処分してから肝臓を取り、10%中性ホルマリン固定液にて24時間固定する。固定後の腎臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和して1回水洗いする。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、2回水洗いし、毎回5分間である。10%の正常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で1時間封止する;時間になった後に、ヒツジ血清液を廃棄し、PAPマーカーで組織を囲む。ウサギ抗マウスフィブリン(フィブリノーゲン)抗体(Abcam)4℃で終夜インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間洗い流す。透明になるよう段階的に脱水してから封止を行い、顕微鏡下で200倍下にて切片を観察する。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体であり、組織に損傷が存在する状況下において、有機体の損傷に対する刺激応答反応として、フィブリノーゲンは加水分解してフィブリンとなる(非特許文献29〜31)。そのためフィブリノーゲンレベルを損傷の程度の一つの指標とすることができる。
研究により以下が示されている。溶媒PBS投与対照グループ(図9A)と比較して、プラスミノゲン投与グループ(図9B)のマウス肝臓組織のフィブリンの陽性着色が浅く、これはプラスミノゲンを注射することで顕著に糖尿病マウス肝臓フィブリンの沈着を低減し、プラスミノゲンが糖尿病マウスの肝臓損傷に対して顕著な修復効果を有する。
実施例10はプラスミノゲンの糖尿病末期マウス肝臓組織の炎症修復に関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウス10匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループで、各グループ5匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。プラスミノゲンを31日間投与した後にマウスを殺処分してから肝臓組織を取り、10%中性ホルマリン固定液中にて24時間固定する。固定後の肝臓組織をエタノールで段階的に脱水させてさらにキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmであり、切片を脱パラフィンさせさらに再水和して1回水洗いする。3%過酸化水素水で15分間インキュベーションし、2回水洗いし、毎回5分間である。10%の健常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で1時間封止する;時間になった後に、ヒツジ血清を遠心により廃棄し、PAPマーカーで組織を囲む。F4/80のウサギポリグローナル抗体(Abcam)4℃で終夜インキュベーションし、TBSで2回洗い、毎回5分間である。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで2回洗う。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間洗い流す。透明になるよう段階的に脱水してから封止させ、切片を顕微鏡下で400倍にて観察する。
F4/80はマクロファージマーカーである。マクロファージは炎症段階の主なマクロファージ細胞であり、生体の損傷箇所及び細胞の壊死砕片及び病原体などの清掃を行う。そのため、局所マクロファージの量は炎症反応の程度及びステージを表している。
実験は以下を示している。プラスミノゲン投与グループ(図10B)と溶媒PBS投与対照グループ(図10A)を比較した場合、プラスミノゲン投与グループのF4/80陽性レベルは明らかに低下し、これはプラスミノゲンを投与した後の肝臓組織の炎症の程度が減軽されていることを示している。図10CはF4/80免疫組織陽性発現数の定量分析の結果であり、プラスミノゲン投与グループのF4/80の発現量が顕著に減少され、且つ統計学的差異を有し、プラスミノゲンは糖尿病マウスの肝臓炎症の修復を顕著に促進できることを示している。
実施例11はプラスミノゲンの糖尿病末期マウス網膜損傷に対する改善に関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウスを20匹準備し、ランダムで二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミン投与グループであり、各グループ10匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してからグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して1日目と記録する。連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じてプラスミノゲンを尾部から静脈注射を行い、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目にマウスを殺処分してから左側眼球を取り、パラホルムアルデヒド固定液中で24時間固定する。固定後の眼球から網膜を分離した後に、1ml 3%パンクレアチン(Solarbio)のEPチューブ中に入れ、振動テーブルにおいて37℃で2〜3h振動消化させる。網膜に軟化、脱落の現象が現れてからていねいに網膜を蒸留水の入ったEPチューブ中に移し、振動テーブルにおいて37℃で2〜3h振動させ、網膜上の余分な組織を脱落させる。優しく網膜を処理し、血管層のみが残るようにしてからスライド上にサンプルを広げて載せ、自然乾燥させる。網膜をSchiff氏液で染色させ(PAS染色)、1%塩酸エタノールで分化させ、アンモニア水で安定化させ、さらにエタノールで段階的に脱水させてキシレンで透明にしてから封入を行い、顕微鏡下で400倍下にて観察を行う。
関連の研究が示すように、糖尿病は網膜の病変を引き起こし、網膜血管内皮細胞の増殖、周細胞の損失及び無細胞血管の形成をもたらす(非特許文献37,38)。
実験結果から分かるように、プラスミノゲン投与グループ(図11B)と比較して、溶媒PBS投与対照グループ(図11A)のdb/dbマウス網膜毛細血管の管径の太さが不均一で、血管の管壁が厚くなり深く染色させ、血管内皮細胞(▲)が増殖し、周細胞(↓)が明らかに減少し、これに対してプラスミノゲン投与グループ(図11B)は病理的に改変が明らかに減軽されている;定量分析により、プラスミノゲン投与グループと溶媒PBS投与対照グループを比較した場合、無細胞血管の長さ(図11C)が顕著に低下し、且つ統計学的分析結果から顕著な差異があると示されている。これはプラスミノゲンが糖尿病後期のマウス網膜損傷の修復を顕著に促進できることを示している。
実施例12はプラスミノゲンの糖尿病による微小血栓の溶解促進に関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウス10匹を取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループとプラスミノゲン投与グループで、各グループ5匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重計測してグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、15日間連続的に投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部静脈からプラスミノゲンを注射し、溶媒PBS投与グループに対して同じ体積のPBSを投与する。16日目に眼球を摘出して採血し、全血を静置した後に血清を用いて血液中のD−二量体の含有量を測定する。
結果は以下を示している。投薬15日後に、血清中のD−二量体の含有量が顕著に上昇した(図12)。これはプラスミノゲンを投与した後に、糖尿病によってもたらされる網膜微小血栓が顕著に溶解していることを示している。
実施例13はプラスミノゲンの糖尿病後期神経損傷マウスの機械性接触によって誘発される疼痛に対する応答能力修復の促進に関するものである。
24〜25週齢のdb/dbオスマウスを10匹取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミノゲン投与グループで、各グループ5匹ずつである。実験開始当日を0日目として体重測定してグループ分けを行い、生理実験を開始し、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、連続的に15日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部からプラスミノゲンを静脈注射し、溶媒PBS投与グループに対して同じ体積のPBSを投与する。プラスミノゲン投与後の0、4、7、11、16日目にVon−Freyファイバー(Stoelting,USA)を用いて動物の機械性損傷に関する感受度を測定する。2.0gの力を開始力として、まずその左足を測定する。5回の刺激中に2回の足を引っ込める反応があれば陽性で、陽性であれば、1ランク小さい力でその右足に対して刺激を行う;陰性であれば、1ランク大きい力でその右足を刺激し、このように左右足を交互に刺激し、刺激の間隔は5分間であり、全部で6回刺激し、それからS.R.Chaplan et al.(1994)(非特許文献39)で紹介した方法によりその50%足の引っ込めが生じる閾値を計算する。
研究により、溶媒PBS投与対照グループと比較して、プラスミノゲン投与グループの糖尿病マウスの機械的接触により誘発される疼痛に対する反応の均一性に増加し、且つ16日目測定した際に溶媒PBS投与対照グループに比較して極めて顕著な差異が見られている(図13)。これはプラスミノゲンが神経損傷末期の糖尿病マウスの機械的接触に誘発される疼痛(mechanical allodynia)に対する応答能力を修復していることを示している。
実施例14はプラスミノゲンの糖尿病後期の神経損傷マウスの冷刺激感知に対する修復に関するものである。
24〜25週齢のdb/dbオスマウスを10匹取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミノゲン投与グループで、各5匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、連続的に15日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部からプラスミノゲンを静脈注射し、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。投薬後の0、4、7、11、16日目に針注射器で一滴のアセトン液滴を押し出してさらにdb/dbマウスの足裏に接触させ、それが足裏全体を覆うようにする。左足から始め、3分間間隔で交互にその左右足を刺激し、全部で10回刺激し、その足を引っ込める反応の回数を統計する。反応パーセンテージ=足を引っ込めた回数/刺激回数×100のパーセンテージである。
実験結果は以下を示している。0及び4日目に、プラスミノゲン投与グループ及び溶媒PBS投与対照グループはアセトン刺激に対して顕著な差異がなく、7日目から顕著な差異が観察され、16日目に極めて顕著な差異が観察され、P値<0.0001である(図14)。これは投薬15日後に、糖尿病マウスがほぼ完全に冷刺激に対する反応を回復したことを示し、これはプラスミノゲンが糖尿病後期の神経の冷刺激に対する応答能力を極めて顕著に修復したことを示している。
実施例15はプラスミノゲンの糖尿病末期の心筋損傷に対する修復の促進に関するものである。
24−25週齢のdb/dbオスマウス28匹を取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ12匹、プラスミノゲン投与グループ16匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部静脈からプラスミノゲンを注射し、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。32日目に眼球を摘出して採血を行い、3500r/minにて15−20分間遠心させ、さらに上澄みを取って心肌トロポニンIの濃度測定を行う。
心肌トロポニンI(cardiac troponin,CTNI)は心筋損傷の重要なマーカーであり、その血清濃度は心筋損傷の程度を反映できる(非特許文献40)。結果は以下を示している。プラスミノゲン投与グループの心筋トロポニンIの濃度は明らかに溶媒PBS対照グループより低く、且つ極めて顕著な統計学差異を有する(図15)。これはプラスミノゲンが顕著に糖尿病後期のマウスの心筋損傷の修復を促進できることを示している。
実施例16はプラスミノゲンが糖尿病後期の神経損傷マウスの神経組織のフィブリンレベルを減少させることに関するものである。
24〜25週齢のdb/dbオスマウスを10匹取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ及びプラスミノゲン投与グループで、各5匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、連続的に15日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部静脈からプラスミノゲンを注射し、溶媒PBS投与対照グループに対して同じ体積のPBSを投与する。16日目にマウスを殺処分して坐骨神経を取り10%中性ホルマリン固定液中において24時間固定する。固定後の坐骨神経をエタノールで段階的に脱水させ及びキシレンで透明にした後にパラフィンで包埋させる。組織切片の厚みは5μmで、切片を脱パラフィンさせて再水和した後にさらに1回水洗いし、それからPAPマーカーで組織を囲む。3%TBSで希釈した過酸化水素水で15分間インキュベーションし、3回水洗いする。10%の正常ヒツジ血清液(Vector laboratories,Inc.,USA)で1時間封止し、余分な血清を除去する。ウサギ抗マウスフィブリン(フィブリノーゲン)抗体(Abcam)4℃で終夜インキュベーションし、TBSで3回洗う。ヤギ抗ウサギIgG(HRP)抗体(Abcam)二次抗体を室温で1時間インキュベーションし、TBSで3回洗う。DABキット(Vector laboratories,Inc.,USA)で顕色させ、3回水洗いした後にヘマトキシリンで30秒再染色して、流水で5分間洗い流す。透明になるよう段階的に脱水してから封止を行い、顕微鏡下で400倍下にて切片を観察する。
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆体であり、組織に損傷が存在する状況において、生体の損傷に対する刺激応答反応として、フィブリノーゲンは加水分解されてフィブリンとなり、そのためフィブリンレベルを損傷の程度の一つの指標とすることができる。フィブリンは組織損傷後に血栓を形成する主な成分であり、そのため、フィブリンレベルを血栓の一つの指標とすることができる。
研究により、溶媒PBS投与対照グループ(図16A)と比較した場合、プラスミノゲン投与グループ(図16B)のマウスの坐骨神経フィブリンのレベルが低下している。これは、プラスミノゲンはフィブリンレベルを低下させる機能を有し、損傷がある程度修復されていることを示している。また、プラスミノゲンは神経組織周囲の血栓の溶解を促進できることを示している。
実施例17はプラスミノゲンの糖尿病マウスの肝臓損傷の修復促進に関するものである。
25−28週齢のdb/dbオスマウス9匹を取り、ランダムに二つのグループに分け、溶媒PBS投与対照グループ3匹、プラスミノゲン投与グループ6匹である。実験開始当日を0日目として体重測定してグループ分けを行い、実験2日目からプラスミノゲンまたはPBSを投与して且つ1日目と記録し、連続的に31日間投与する。プラスミノゲン投与グループのマウスに対して2mg/0.2mL/匹/日に応じて尾部からプラスミノゲンを静脈注射し、溶媒PBS投与グループに対して同じ体積のPBSを投与する。プラスミノゲンを31日間投与した後に眼球を摘出して全血を採取し、血清が析出してから4℃、3500r/minにて10分間遠心させ、上澄み液を取って測定を行う。本実験はグルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素測定薬物キット(南京建成生物工程研究所、品番C009−2)を使用して、ライトマン−フランケル法(Reitman−Frankel)を用いて血清中のグルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素(ALT)の含有量を測定する。
グルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素は肝臓の健康状態を示す重要な指標であり(非特許文献41、42)、グルタミン酸ピルビン酸アミノ基転移酵素の正常参考値の範囲は9〜50U/Lである。測定結果は以下を示している。溶媒PBS投与対照グループの血清中のALTの含有量は明らかに正常な生理的数値より高く、プラスミノゲン投与グループは既に体内の正常レベルに戻り、且つプラスミノゲン投与グループは溶媒PBS投与対照グループより顕著に低く、且つ統計学的差異を有する(図17)。これは糖尿病末期モデルマウスにおいて、プラスミノゲンを注射することでより効果的に肝損傷を修復できることを示している。

Claims (14)

  1. 被験者に有効量のプラスミノゲンを投与することを含む、前記被験者の糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消するための方法。
  2. 前記糖尿病性腎症は、糸球体硬変、糸球体間質増殖を含む糸球体病変;腎細管間質病変;腎間質繊維化、腎細管萎縮、糸球体輸出細動脈透明変性、腎微小血管硬変を含む腎微小血管病変を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記糖尿病性腎症関連疾患は、早期腎臓体積増大、早期糸球体の高濾過率、間欠性タンパク尿、微量アルブミン尿、大量アルブミン尿、持続性タンパク尿、糸球体濾過率低下、腎細胞損傷、腎臓繊維化、腎機能不全、腎不全、尿毒症を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記糖尿病性腎症は糖尿病によって引き起こされる大血管、小血管、微小血管の病変によってもたらされるものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記プラスミノゲンは配列2、6、8、10または12と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記プラスミノゲンはプラスミノゲン活性フラグメントを含み、且つ依然としてプラスミノゲン活性を有するタンパク質であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記プラスミノゲンはGlu−プラスミノゲン、Lys−プラスミノゲン、ミニプラスミノゲン、マイクロプラスミノゲン、δ(delta)−プラスミノゲンまたはそれらの任意の組み合わせから選択されるものであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記プラスミノゲンは例えば、静脈内、筋肉内、皮下、吸入、ガイドチューブ投与、局所注射、または直腸投与によって全身または局所にて投与される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記プラスミノゲンは一種類または複数種類の他の薬物と組み合わせて投与できることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記他の薬物は抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 有効用量のプラスミノゲンを含有する容器、及び被験者の糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患の予防、治療及び/または解消における製品の投与を指導するプロトコルを含むことを特徴とする、前記被験者の糖尿病性腎症及び/またはその関連疾患を予防、治療及び/または解消するための製品。
  12. さらに一種類または複数種類の他の薬物を含有する容器を含むことを特徴とする、請求項11に記載の製品。
  13. 前記他の薬物は抗糖尿病薬、抗血栓薬、血圧降下薬、高脂血症治療薬、抗心脳血管疾患薬、抗感染薬であることを特徴とする、請求項12に記載の製品。
  14. 前記プロトコルはさらに前記プラスミノゲンは前記他の薬物を投与する前、投与と同時及び/または後に投与できることを説明するものであることを特徴とする、請求項12または13に記載の製品。
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