JP2019215446A - 感光性ペースト、それを用いた硬化膜、焼成体および電子部品とその製造方法 - Google Patents

感光性ペースト、それを用いた硬化膜、焼成体および電子部品とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微細パターンを形成することができ、ダイシング工程における粘着を抑制することができる感光性ペーストを提供すること。【解決手段】無機粉末(a)、光反応性官能基を有さず、酸価が200〜300mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂(b−1)、反応性化合物(c)および光反応開始剤(d)を含む感光性ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性ペースト、それを用いた硬化膜、焼成体および電子部品とその製造方法に関する。
スマートフォンやタブレットなどの通信機器が普及するに伴い、それらに搭載される電子部品の小型化・高収率化が進められており、電子部品を形成する配線パターンを、より微細に、生産性よく形成することが要求されている。
フォトリソグラフィーによるパターン形成に用いられる感光性ペーストとして、例えば、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー、オキシムエステル系光重合開始剤、セルロース樹脂、および導電粉を含有する感光性導電ペースト(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、近年の電子部品の小型化・高収率化に伴い、より微細なパターンが求められていた。
そこで、微細パターンを形成可能な感光性ペーストとして、例えば、無機粉末、アルカリ可溶性樹脂、イソシアヌル酸構造またはマレイミド構造を有する反応性化合物、感光剤および溶剤を含有する感光性ペースト(例えば、特許文献2参照)や、光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体と、ガラス転移温度が70〜150℃であり、炭素−窒素結合を有さない高分子量体と、光重合性官能基を有する低分子量体と、光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2013−80020号公報 国際公開第2018/038074号 特開2017−181960号公報
しかしながら、特許文献2〜3に記載された感光性ペーストや感光性樹脂組成物は、電子部品の小型化に伴うパターン積層数の増加に対して、ダイシング(形成したパターンを加熱しながら割断する)工程において粘着しやすい課題があった。ダイシング工程における粘着は、ダイシング装置の汚染や生産効率の低下の原因となることから、粘着性を低減することが求められている。
そこで本発明は、微細パターンを形成することができ、ダイシング工程における粘着を抑制することができる感光性ペーストを提供することを目的とする。
上記課題は、以下技術手段によって達成される。
無機粉末(a)、光反応性官能基を有さず、酸価が200〜300mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂(b−1)、反応性化合物(c)および光反応開始剤(d)を含む感光性ペースト。
本発明の感光性ペーストによれば、微細パターンを形成することができ、ダイシング工程における粘着を抑制することができる。
本発明の感光性ペーストは、無機粉末(a)、光反応性官能基を有さず、酸価が200〜300mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂(b−1)(以下、「アルカリ可溶性樹脂(b−1)」と記載する場合がある)、反応性化合物(c)および光反応開始剤(d)を含有する。無機粉末(a)は、加熱焼成により溶融または融着し、導電性、誘電性、磁性などの機能を有する無機焼結体となる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)を含有することにより、アルカリ現像液への溶解性を付与し、さらに、ダイシング工程における粘着を抑制することができる。反応性化合物(c)および光反応開始剤(d)を含有することにより、光硬化性を付与し、フォトリソグラフィー法によるパターン形成を可能とする。本発明においては、前記アルカリ可溶性樹脂(b−1)が、光反応性官能基を有しないことおよび酸価が200〜300mgKOH/gであることが重要である。前述のとおり、従来公知の感光性ペーストは、パターン積層数の増加に伴い、ダイシング工程における粘着が発生しやすい課題があった。本発明者らは、前記特定のアルカリ可溶性樹脂(b−1)を含有することにより、ダイシング工程における粘着を抑制することができることを見出した。本発明においては、光反応性官能基を有しないアルカリ可溶性樹脂の酸価に着目した。光反応性官能基を有するアルカリ可溶性樹脂は、露光により架橋し、硬化後に酸価が増大するのに対して、光反応性官能基を有しないアルカリ可溶性樹脂は、露光による架橋を生じないため、硬化前後の酸価の変動が少なく、酸価の数値限定による所望の効果を容易に得ることができる。光反応性官能基を有しないアルカリ可溶性樹脂の酸価を200mgKOH/g以上とすることにより、アルカリ可溶性樹脂同士の水素結合による相互作用によって樹脂の自由度を小さくして、ダイシング工程における粘着を抑制することができる。一方、光反応性官能基を有しないアルカリ可溶性樹脂の酸価を300mgKOH/g以下とすることにより、現像工程におけるパターン剥がれを抑制し、微細パターンを形成することができる。
無機粉末(a)とは、無機成分からなる粉末をいう。無機粉末(a)としては、例えば、銀、銅、金、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン、スズ、ニッケル、アルミニウム、ルテニウム、ケイ素、チタン、インジウム、鉄、コバルト、クロム、カーボン、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディライト(5SiO・2Al・2MgO)、スピネル(MgO・Al)、フォルステライト(2MgO・SiO)、アノーサイト(CaO・Al・2SiO)、セルジアン(BaO・Al・2SiO)、窒化アルミ(AlN)、フェライト(ガーネット型:YFe12系、スピネル型:MeFe系)などの金属や金属化合物やこれらの合金の粉末;ガラス−セラミックス系複合粉末などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これらの中でも、加熱焼成後に導電性を付与するためには、導電性粉末が好ましく、加熱焼成後に誘電性を付与するためには、誘電性粉末が好ましく、加熱焼成後に磁性を付与するためには、磁性粉末が好ましい。導電性粉末としては、銀、銅、金、白金、パラジウム、タングステン、モリブデンなどの粉末が好ましく、銀粉末がより好ましい。誘電性粉末としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどの粉末や、ガラス−セラミックス系複合粉末などが好ましい。磁性粉末としては、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、フェライトなどの粉末が好ましい。これらの中でも、導電性粉末がより好ましく、銀粉末がさらに好ましい。
無機粉末(a)の粒度分布(個数基準)におけるメジアン径(D50)は、1.0〜3.5μmが好ましい。無機粉末(a)のD50を1.0μm以上とすることにより、後述する露光・現像工程において露光した光を効率よく透過させ、底部まで十分に硬化を進行させることができ、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。無機粉末(a)のD50は、1.3μm以上がより好ましく、1.6μm以上がさらに好ましい。一方、無機粉末(a)のD50を3.5μm以下とすることにより、露光・現像工程における残渣を抑制し、より微細なパターンを形成することができる。無機粉末(a)のD50は、2.7μm以下がより好ましく、2.4μm以下がさらに好ましい。なお、無機粉末(a)のD50は、Microtrac HRA(Model No.9320−X100;日機装(株)製)を用いたレーザー光散乱法により測定することができる。
感光性ペースト中の無機粉末(a)の含有量は、全固形分中、85〜92重量%が好ましい。無機粉末(a)の含有量を85重量%以上とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。また、後述する焼成工程において、無機粉末(a)同士の接触確率を向上させ、パターンの断線を抑制することができる。無機粉末(a)の含有量は、87重量%以上がより好ましい。一方、無機粉末(a)の含有量を92重量%以下とすることにより、露光・現像工程におけるパターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。無機粉末(a)の含有量は、90重量%以下がより好ましい。ここで、感光性ペーストの全固形分とは、有機溶剤を除く、感光性ペーストの全構成成分をいう。
感光性ペースト中の無機粉末(a)の含有量は、感光性ペーストを塗布・乾燥して有機溶剤を除去したペースト乾燥膜の重量を測定した後、乾燥膜面に垂直な断面を、透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子(株)製「JEM−4000EX」)により観察し、像の濃淡により無機粉末(a)とその他の成分を区別して画像解析を行うことにより無機粉末(a)の体積分率を算出し、無機粉末(a)とその他の成分の密度との積から求めることができる。このとき、透過型電子顕微鏡による観察面積は20μm×100μm程度、倍率は1,000〜3,000倍程度とする。また、感光性ペーストの各成分の配合量が既知の場合は、配合量から無機粉末(a)の含有量を算出することもできる。
本発明の感光性ペーストにおいて、アルカリ可溶性樹脂とは、アルカリ可溶性基を有する樹脂をいう。アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などが挙げられる。アルカリ現像液への溶解性が高いことから、カルボキシル基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(b−1)は、光反応性官能基を有しない。光反応性官能基を有しないことにより、露光による架橋を生じないため、硬化前後の酸価の変動が少なく、酸価の数値限定による所望の効果を容易に得ることができる。ここで、光反応性官能基とは、ラジカル重合性を有する官能基をいう。光反応性官能基としては、例えば、(メタ)アクリル基、アリル基、ビニル基、メルカプト基などが挙げられる。これらを2種以上有してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(b−1)の酸価は、200〜300mgKOH/gであることが重要である。酸価が200mgKOH/g未満であると、アルカリ可溶性樹脂(b−1)同士の水素結合による相互作用が小さくなり、樹脂の自由度が大きくなるため、ダイシング工程において粘着が発生しやすい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の酸価は220mgKOH/g以上が好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−1)の酸価が300mgKOH/gを超えると、後述する露光・現像工程においてアルカリ可溶性樹脂(b−1)の溶出速度が大きく、パターン剥がれが生じやすいことから、微細パターンの形成が困難となる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の酸価は、280mgKOH/g以下が好ましい。なお、アルカリ可溶性樹脂(b−1)の酸価は、水酸化カリウム水溶液を用いた中和滴定により求めることができる。
アルカリ可溶性樹脂(b−1)の重量平均分子量(Mw)は、20,000〜50,000が好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)のMwを20,000以上とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。また、露光・現像工程におけるパターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)のMwは、23,000以上がより好ましく、32,000以上がさらに好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−1)のMwを50,000以下とすることにより、露光・現像工程における現像液への溶解性を向上させ、残渣を抑制し、より微細なパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)のMwは、45,000以下がより好ましく、42,000以下がさらに好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)のMwは、ポリスチレン換算値であり、高速液体クロマトグラフィー(Alliance 2695;日本ウォーターズ(株)製)等を用いて測定することができる。
アルカリ可溶性樹脂(b−1)としては、アクリル樹脂が好ましく、炭素−炭素二重結合を有するアクリル系モノマーとその他のモノマーとの共重合体が好ましい。炭素−炭素二重結合を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、アリルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどの炭素数1〜18の鎖状脂肪族炭化水素基を有するアクリレート;ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレートなどの炭素数6〜10の環状芳香族炭化水素基を有するアクリレート;シクロへキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレートなどの炭素数6〜15の環状脂肪族炭化水素基を有するアクリレートや、これらのアクリレートをメタクリレートに換えたものなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルが好ましい。アクリル系モノマー以外の共重合成分としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸などの不飽和カルボン酸やこれらの酸無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂(b−1)としては、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸メチル/スチレン共重合体が好ましく、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。
感光性ペースト中におけるアルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量は、全固形分中、0.5〜5.0重量%が好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量を0.1重量%以上とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量は、1.0重量%以上がより好ましく、1.3重量%以上がさらに好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量を5.0重量%以下とすることにより、現像工程におけるアルカリ可溶性樹脂(b−1)の過剰な溶出に起因するパターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量は、4.0重量%以下がより好ましく、3.0重量%以下がさらに好ましい。
本発明の感光性ペーストは、さらに、光反応性官能基を有するアルカリ可溶性樹脂(b−2)(以下、「アルカリ可溶性樹脂(b−2)」と記載する場合がある。)を含むことが好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)に加えてアルカリ可溶性樹脂(b−2)を含むことにより、後述する露光工程における硬化を促進し、現像工程におけるパターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。光反応性官能基としては、アルカリ可溶性樹脂(b−1)において説明したとおりである。
アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点は、80〜160℃が好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点を80℃以上とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点は、100℃以上がより好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点を160℃以下とすることにより、熱分解性を向上させ、焼成時の残存有機成分に起因する焼成欠陥を抑制し、より微細なパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点は、140℃以下がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−2)としてガラス転移点の異なる2種以上を含有する場合、全てのアルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点が上記範囲にあることが好ましい。なお、アルカリ可溶性樹脂(b−2)のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC−50;(株)島津製作所)を用いた、示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
ガラス転移点が80〜160℃であるアルカリ可溶性樹脂として、例えば、“サイクロマー”(登録商標)P(ACA)Z200M、P(ACA)Z230AA、P(ACA)Z250、P(ACA)Z251、P(ACA)Z300、P(ACA)Z320、P(ACA)Z254F(以上ダイセル・オルネクス(株)製)などが挙げられる。
感光性ペースト中におけるアルカリ可溶性樹脂(b−2)の含有量は、全固形分中、1.0〜10.0重量%が好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−2)の含有量を1.0重量%以上とすることにより、露光・現像工程における架橋が促進され、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−2)の含有量は、2.0重量%以上がより好ましく、3.5重量%以上がさらに好ましい。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−2)の含有量を10.0重量%以下とすることにより、ダイシング工程での粘着をより抑制することができる。アルカリ可溶性樹脂(b−2)の含有量は8.0重量%以下がより好ましく、6.0重量%以下がさらに好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂(b−1)とアルカリ可溶性樹脂(b−2)の合計100重量部に対して、アルカリ可溶性樹脂(b−1)を20〜40重量部含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量を20重量部以上とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。一方、アルカリ可溶性樹脂(b−1)の含有量を40重量部以下とすることにより、現像工程におけるアルカリ可溶性樹脂(b−1)の過剰な溶出に起因するパターン剥がれをより抑制し、より微細なパターンを形成することができる。
本発明における反応性化合物(c)とは、炭素−炭素二重結合を有するモノマーまたはオリゴマーをいう。炭素−炭素二重結合を有する構造としては、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、マレイミド環などが挙げられる。ダイシング工程における粘着をより抑制する観点から、マレイミド環がより好ましい。アクリル基を有する反応性化合物(c)としては、例えば、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートなどが挙げられる。メタクリル基を有する反応性化合物(c)としては、例えば、これらのアクリレートをメタクリレートに換えたものなどが挙げられる。ビニル基を有する反応性化合物(c)しては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリアリルイソシアヌレートなどが挙げられる。マレイミド環を有する反応性化合物(c)としては、例えば、“イミレックス”(商標登録)P(N−フェニルマレイミド)、“イミレックス”C(N−シクロヘキシルマレイミド)(以上、商品名、(株)日本触媒製)、BMI−1000(4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド)、BMI−2000(フェニルメタンマレイミド)、BMI−4000(ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド)、BMI−7000(4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド)(以上、商品名、大和化成工業(株)製)などが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、ダイシング工程における粘着をより抑制する観点と、現像工程における残渣を抑制してより微細なパターンを形成する観点から、N−フェニルマレイミドがより好ましい。
感光性ペースト中における反応性化合物(c)の含有量は、全固形分中、0.5〜5.0重量%が好ましい。反応性化合物(c)の含有量を0.5重量%以上とすることにより、露光・現像工程においてパターンの硬化を促進し、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。反応性化合物(c)の含有量は、1.0重量%以上がより好ましい。一方、反応性化合物(c)の含有量を5.0重量%以下とすることにより、感光性ペーストの感度を適度に保ち、現像工程における残渣をより抑制し、より微細なパターンを形成することができる。反応性化合物(c)の含有量は、3.5重量%以下がより好ましい。
本発明における光反応開始剤(d)とは、紫外線等の短波長の光を吸収して分解する、または、水素引き抜き反応によりラジカルを生じる化合物をいう。紫外線等の光を吸収して分解する光反応開始剤(d)としては、例えば、1,2−オクタンジオン、ベンゾフェノン、オルト−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノンなどのアルキルフェノン系光反応開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系光反応開始剤;1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−2(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシムのオキシムエステル系光反応開始剤などが挙げられる。水素引き抜き反応によりラジカルを生じる光反応開始剤(d)としては、例えば、ベンゾフェノン、アントラキノン、チオキサントン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステルなどが挙げられる。これらを2種以上含んでもよい。これらの中でも、露光時の感度を向上させ、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成する観点から、オキシムエステル系光反応開始剤が好ましい。
感光性ペースト中の光反応開始剤(d)の含有量は、0.1〜5.0重量%が好ましい。光反応開始剤(d)の含有量を0.1重量%以上とすることにより、露光・現像工程における感度を向上させ、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができる。光反応開始剤の含有量は、0.5重量%以上がより好ましい。一方、光反応開始剤(d)の含有量を5.0重量%以下とすることにより、露光・現像工程における乾燥膜表面の光吸収を適度に抑制し、残渣を抑制し、より微細なパターンを形成することができる。光反応開始剤(d)の含有量は、3.5重量%以下がより好ましい。
本発明の感光性ペーストは、さらに有機溶剤(e)を含有することが好ましい。有機溶剤(e)としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルトリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アセト酢酸エチル、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノールアセテート、2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オールなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
残渣をより抑制し、より微細なパターンを形成する観点から、有機溶剤(e)のSP値は、20.5〜24.6(J/cm1/2が好ましい。SP値が20.5〜24.6(J/cm1/2である有機溶剤(e)としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールプロピルエーテル、ジアセトンアルコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、プロピレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、γ−ブチロラクトン、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、プロピレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルがより好ましい。なお、有機溶剤(e)のSP値は、有機溶剤(e)の分子構造から、Fedorsの計算方法を用いて算出することができる。
本発明の感光性ペーストにおける有機溶剤(e)の含有量は、5〜20重量%が好ましい。有機溶剤(e)の含有量を5重量%以上とすることにより、塗布工程における粘度上昇を抑制することができる。一方、有機溶剤(e)の含有量を20重量%以下とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制し、より微細なパターンを形成することができる。
有機溶剤(e)は、沸点150℃〜200℃の範囲である低沸点有機溶剤(e−1)と、沸点201℃〜250℃の範囲である高沸点有機溶剤(e−2)をそれぞれ含むことが好ましい。低沸点有機溶剤(e−1)を含むことにより、乾燥後の残存有機溶剤を低減し、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。一方高沸点有機溶剤(e−2)を含むことにより、塗布工程における有機溶剤の過剰な揮発を抑制して、粘度が上昇することを抑制することができる。ここで、有機溶剤(e)の沸点は、各種文献に開示されており、小数点第一位を四捨五入するものとする。低沸点有機溶剤(e−1)として、例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテルなどが挙げられる。高沸点有機溶剤(e−2)としては、例えば、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オールなどが挙げられる。
本発明の感光性ペーストにおける低沸点有機溶剤(e−1)の含有量は、1.0〜15.0重量%が好ましい。低沸点有機溶剤(e−1)の含有量を1.0重量%以上とすることにより、乾燥後の有機溶剤(e)の残存量を低減し、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。一方、低沸点有機溶剤(e−1)の含有量を15.0重量%以下とすることにより、塗布工程における有機溶剤(e)の過剰な揮発に起因する粘度上昇を抑制することができる。
本発明の感光性ペーストにおける高沸点有機溶剤(e−2)の含有量は、1.0〜15.0重量%が好ましい。高沸点有機溶剤(e−2)の含有量を1.0重量%以上とすることにより、塗布工程における有機溶剤(e)の過剰な揮発に起因する粘度上昇を抑制することができる。一方、高沸点有機溶剤(e−2)の含有量を15.0重量%以下とすることにより、乾燥後の有機溶剤(e)の残存量を低減し、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。
また、感光性ペースト中の低沸点有機溶剤(e−1)と高沸点有機溶剤(e−2)の合計100重量部に対して、低沸点有機溶剤(e−1)を25〜65重量部含有することが好ましい。低沸点有機溶剤(e−1)の含有量を25重量部以上とすることにより、乾燥後の有機溶剤(e)の残存量を低減し、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。低沸点有機溶剤(e−1)の含有量は、35重量部以上がより好ましい。一方、低沸点有機溶剤(e−1)の含有量を65重量部以下とすることにより、塗布工程における連続印刷時の有機溶剤(e)の過剰な揮発に起因する粘度上昇を抑制し、連続印刷性を向上させることができる。低沸点有機溶剤(e−1)の含有量は、55重量部以下がより好ましい。
本発明の感光性ペーストは、所望の特性を損なわない範囲で、可塑剤、レベリング剤、増感剤、分散剤、シランカップリング剤、消泡剤、顔料等の添加剤を含有してもよい。
本発明の感光性ペーストは、例えば、前述の(a)〜(e)成分、必要に応じてその他添加剤を、混合および/または分散させることにより得ることができる。混合および/または分散させる装置としては、例えば、三本ローラー、ボールミル等の分散機や混練機などが挙げられる。
次に、本発明の硬化膜について説明する。本発明の硬化膜は、本発明の感光性ペーストを硬化してなる膜であり膜厚は、5〜30μmが好ましい。硬化膜の膜厚を5μm以上とすることにより、焼成時の断線をより抑制することができる。一方、硬化膜の膜厚を30μm以下とすることにより、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。
本発明の硬化膜は、所定のパターン形状を有していてもよい。パターン形状としては、例えば、直線形状、渦巻形状などが挙げられる。パターン形状について、最小幅は、10〜30μmが好ましい。パターン幅を10μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、パターン幅を30μm以下とすることにより、より微細なパターンを形成することができる。
本発明の硬化膜は、例えば、本発明の感光性ペーストを基材上に塗布して乾燥し、露光により光硬化させることにより得ることができる。パターン形状の硬化膜を製造する場合には、パターン露光した後、現像することによりパターンを形成してもよい。
塗布工程における塗布方法としては、例えば、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷や、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーターを用いた塗布方法などが挙げられる。塗布膜の膜厚は、塗布方法、感光性ペーストの固形分濃度や粘度等に応じて適宜選択することができる。
乾燥方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線等の加熱装置を用いた加熱乾燥や、真空乾燥などが挙げられる。加熱温度は、50〜100℃が好ましい。乾燥温度を50℃以上とすることにより、有機溶剤(e)を効率良く揮発除去することができ、ダイシング工程における粘着をより抑制することができる。一方、乾燥温度を100℃以下とすることにより、感光性ペーストの熱架橋を抑制し、露光・現像工程における非露光部の残渣をより抑制し、より微細なパターンを形成することができる。加熱時間は、3分間〜数時間が好ましい。
露光方法としては、フォトマスクを介して露光する方法、フォトマスクを用いずに露光する方法があり、フォトマスクを用いない露光方法としては、全面露光する方法、レーザー光等を用いて直接描画する方法などが挙げられる。露光装置としては、例えば、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機などが挙げられる。露光する活性光線としては、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光等が挙げられ、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが挙げられ、超高圧水銀灯が好ましい。
アルカリ現像を行う場合の現像液としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの水溶液が挙げられる。これらの水溶液に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等の極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン;メチルイソブチルケトン等のケトン類;界面活性剤などを添加してもよい。
現像方法としては、例えば、露光後の硬化膜を形成した基材を静置または回転させながら現像液をスプレーする方法、露光後の硬化膜を形成した基材を現像液中に浸漬する方法、露光後の硬化膜を形成した基材を現像液中に浸漬しながら超音波をかける方法などが挙げられる。
現像により得られた硬化膜に、リンス液によるリンス処理を施してもよい。リンス液としては、例えば、水;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の水溶液;乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類の水溶液などが挙げられる。
本発明の硬化膜を積層して積層体とすることもできる。積層数は、1〜30層が好ましい。積層数を1層以上とすることにより、所定のパターンの厚みを大きくすることができる。一方、積層数を30層以下とすることにより、層間のアライメントずれの影響を小さくすることができる。
次に、本発明の焼成体について説明する。本発明の焼成体は、本発明の硬化膜を焼成してなるものであり、その形状は問わない。焼成体の厚みは、2〜20μmが好ましい。焼成体の厚みを2μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、焼成体の厚みを20μm以下とすることにより、焼成時の膨れを抑制することができる。
本発明の焼成体の線幅は、5〜20μmが好ましい。焼成体の線幅を5μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、焼成体の線幅を20μm以下とすることにより、より微細なパターンを形成することができる。
本発明の焼成体は、例えば、前述の本発明の硬化膜やその積層体を焼成することにより得ることができる。焼成方法としては、例えば、300〜600℃で5分間〜数時間熱処理した後、さらに850〜900℃で5分間〜数時間熱処理する方法などが挙げられる。
本発明の電子部品は、焼成体、絶縁性セラミックス層および端子電極を有することが好ましい。焼成体としては、前述の本発明の焼成体が好ましく、絶縁性セラミックス層としては、セラミックグリーンシートを焼成してなるものが好ましい。絶縁性セラミックス層を有することにより、焼成体間における意図しない短絡を抑制することができる。端子電極は、焼成体と絶縁性セラミックス層の外部に設置されることが好ましい。端子電極を構成する材料としては、例えば、ニッケルやスズなどが挙げられる。
本発明の電子部品の製造方法は、感光性ペーストを塗布する工程、乾燥する工程、露光・現像する工程を含むことが好ましい。本発明の電子部品の製造方法の一例として、積層チップインダクタの製造方法を以下に説明する。
まず、セラミックグリーンシートにビアホールを形成し、ビアホールに導体を埋め込むことにより、層間接続配線を形成する。ビアホール形成方法としては、例えば、レーザー照射などが挙げられる。ビアホールに導体を埋め込む方法としては、例えば、スクリーン印刷法により導体ペーストを埋め込み、乾燥する方法などが挙げられる。導体ペーストとしては、例えば、銅、銀、銀−パラジウム合金を含有するペーストが挙げられる。層間接続配線と内部配線とを一度に形成してプロセスを簡略化できることから、前述の本発明の感光性ペーストが好ましい。
層間接続配線を形成したセラミックグリーンシート上に、内部配線を形成する。内部配線の形成方法としては、例えば、感光性ペーストを用いたフォトリソグラフィー法などが挙げられる。感光性ペーストとしては、ダイシング工程における粘着を抑制できることから、前述の本発明の感光性ペーストを好ましく用いることができる。必要に応じて、さらに誘電体パターンまたは絶縁体パターンを形成する。誘電体パターンおよび絶縁体パターンの形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法などが挙げられる。
次に、層間接続配線および内部配線を形成したセラミックグリーンシートを複数枚積層して熱圧着し、積層体を得る。積層方法としては、例えば、ガイド孔を用いてセラミックグリーンシートを積み重ねる方法などが挙げられる。熱圧着装置としては、例えば、油圧式プレス機などが挙げられる。熱圧着温度は90〜130℃が好ましく、熱圧着圧力は5〜20MPaが好ましい。
得られた積層体を所望のチップサイズにダイシングし、焼成し、端子電極を塗布し、めっき処理をすることにより、積層チップインダクタを得ることができる。ダイシング装置としては、例えば、ダイス切断機などが挙げられる。ダイシングする際の温度は80℃〜110℃が好ましい。焼成方法としては、例えば、300〜600℃で5分間〜数時間熱処理した後、さらに850〜900℃で5分間〜数時間熱処理する方法などが挙げられる。端子電極の塗布方法としては、例えば、スパッタ法などが挙げられる。めっき処理に用いる金属としては、例えば、ニッケル、スズなどが挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<感光性ペーストの原料>
用いた原料は以下のとおりである。
<無機粉末>
(a−1)無機粉末:D50が2.0μmのAg粉末
(a−2)無機粉末:D50が2.4μmのAg粉末
(a−3)無機粉末:D50が1.6μmのAg粉末
(a−4)無機粉末:D50が2.7μmのAg粉末
(a−5)無機粉末:D50が1.3μmのAg粉末
(a−6)無機粉末:D50が3.5μmのAg粉末
(a−7)無機粉末:D50が1.0μmのAg粉末
(a−8)無機粉末:D50が4.2μmのアルミナ粉末
(a−9)無機粉末:D50が0.8μmのシリカ粉末
なお、無機粉末(a)のD50については、粒度分布測定装置(Microtrac HRA Model No.9320−X100;日機装(株)製)を用いて、レーザー散乱法により粒度分布(個数基準)におけるメジアン径測定した。
<アルカリ可溶性樹脂>
(b−1a)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/23/23として共重合したアクリル樹脂
なお、高速液体クロマトグラフィー(Alliance 2695;日本ウォーターズ(株)製)を用いて測定した(b−1a)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は35,000であった。また、メタノール/水=50/50(重量比)の水溶液中に(b−1a)アルカリ可溶性樹脂を溶解させ、1重量%の水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定して測定した酸価は250mgKOH/gであった。以下(b−1)および(b−2)アルカリ可溶性樹脂についても同様にMwと酸価を測定した。
(b−1b)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=50/27/23として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価220mgKOH/g)
(b−1c)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=58/19/23として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価280mgKOH/g)
(b−1d)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=46/31/23として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価200mgKOH/g)
(b−1e)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=62/19/19として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価300mgKOH/g)
(b−1f)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=30/35/35として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価100mgKOH/g)
(b−1g)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=85/8/7として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価400mgKOH/g)
(b−1h)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/20/26として共重合したアクリル樹脂(Mw32,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1i)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/26/20として共重合したアクリル樹脂(Mw42,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1j)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/16/30として共重合したアクリル樹脂(Mw22,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1k)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/30/16として共重合したアクリル樹脂(Mw46,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1l)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/6/46として共重合したアクリル樹脂(Mw16,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1m)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/40/6として共重合したアクリル樹脂(Mw66,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1n)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/メタクリル酸メチル=54/46として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価250mgKOH/g)
(b−1o)アルカリ可溶性樹脂:モル比率を、メタクリル酸/スチレン=54/46として共重合したアクリル樹脂(Mw35,000、酸価250mgKOH/g)
(b−2a)アルカリ可溶性樹脂:“サイクロマー”(登録商標)P(ACA)Z250(アクリル樹脂、Mw22,000、酸価35mgKOH/g;ダイセル・オルネクス(株)製)
(b−2b)アルカリ可溶性樹脂:“サイクロマー”P(ACA)Z320(アクリル樹脂、Mw23,000、酸価126mgKOH/g;ダイセル・オルネクス(株)製)。
<反応性化合物>
(c−1)反応性化合物:“イミレックス”(登録商標)P(N−フェニルマレイミド;(株)日本触媒製)
(c−2)反応性化合物:“イミレックス”C(N−シクロヘキシルマレイミド;(株)日本触媒製)
(c−3)反応性化合物:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート;ダイセル・オルネクス(株)製)
(c−4)反応性化合物:M−315(イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート;東亞合成(株)製)
(c−5)反応性化合物:BMI−1000(4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド;大和化成工業(株)製)。
<光反応開始剤>
(d−1)光反応開始剤:OXE−01(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)];BASFジャパン(株)製)
(d−2)光反応開始剤:OXE−02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム);BASFジャパン(株)製)
(d−3)光反応開始剤:IC−819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド;BASFジャパン(株)製)。
<有機溶剤>
(e−1a)ハイソルブDPM(ジプロピレングリコールメチルエーテル、沸点188℃、SP値21.9(J/cm1/2;東邦化学工業(株)製)
(e−1b)ハイソルブDM(ジエチレングリコールメチルエーテル、沸点193℃、SP値23.0(J/cm1/2;東邦化学工業(株)製)
(e−1c)アセト酢酸エチル(アセト酢酸エチル、沸点188℃、SP値21.5(J/cm1/2;東京化成工業(株)製)
(e−2a)ハイソルブDB(ジエチレングリコールブチルエーテル、沸点230℃、SP値21.5(J/cm1/2;東邦化学工業(株)製)
(e−2b)“セルトール”(商標登録)DPNB(ジプロピレングリコールブチルエーテル、沸点230℃、SP値20.9(J/cm1/2;(株)ダイセル製)
(e−2c)ターピネオール(2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、沸点217℃、SP値21.7(J/cm1/2;日本香料薬品(株)製)
(e−2d)GBL(γ−ブチロラクトン、沸点204℃、SP値21.5(J/cm1/2
(e−2e)“セルトール”DPMA(ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、沸点213℃、SP値18.5(J/cm1/2
なお、溶媒のSP値は、分子構造から、Fedorsの計算方法を用いて算出した。
各実施例および比較例における評価方法を以下に示す。
<ダイシング工程における粘着>
PETフィルム(S10“ルミラー”(商標登録)#125;東レ(株)製)上に、各実施例および比較例により得られた感光性ペーストを、乾燥後膜厚が12μmとなるように、スクリーン印刷法により複数枚塗布し、それぞれ55℃の熱風乾燥機で10分間燥して、PETフィルム上の乾燥膜を得た。これら乾燥膜をそれぞれ1cm幅の短冊状に切り、塗布面を重ね合わせて、50gのステンレス板を上部より設置した。その状態で、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃に加熱した熱風乾燥機で1分間加熱した。その後塗膜表面を目視観察し、粘着の有無により、以下の通り評価した。
塗膜表面の粘着が認められない:○
塗膜表面の粘着が認められる:×
本評価においてより高温の条件において塗膜表面の粘着が認められないほど、粘着が抑制されている。
<連続印刷性>
PETフィルム(S10“ルミラー”#125;東レ(株)製)上に、各実施例および比較例により得られた感光性ペーストを、25℃の恒温槽を用いて3分間温調した後、大気圧下において、B型粘度計(ブルックフィールド粘度計、型式HB DV−I;英弘精機(株)製)を用いて、回転数10rpmにおいて粘度を測定した。
各実施例および比較例により得られた感光性ペーストを、スクリーン印刷法で塗布することを繰返し、100回、200回、500回印刷後のペーストを回収した。それぞれのペーストについて前記方法により粘度を測定し、印刷前の粘度に対する比(印刷後粘度/印刷前粘度)を算出した。本評価において粘度比が1に近いほど、連続印刷性が良好である。
<微細パターン形成>
PETフィルム(S10ルミラー(商標登録)#125;東レ(株)製)上に、各実施例および比較例により得られた感光性ペーストを、乾燥後膜厚が12μmとなるようにスクリーン印刷法により複数枚塗布し、それぞれ55℃の熱風乾燥機で10分間乾燥して、PETフィルム上に感光性ペーストの乾燥膜を得た。得られた乾燥膜に、コイル状パターンのライン幅/スペース幅(以下、「L/S」)が25μm/35μm、25μm/28μm、20μm/30μm、20μm/23μm、15μm/25μm、15μm/18μmの6種類の露光マスクを、GAP50μm幅を開けた状態でそれぞれ介して、いずれも21mW/cmの出力の超高圧水銀灯により照射量500mJ/cmの露光(波長365nm換算)を行った。
その後、0.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、非露光部が全て溶解する時間までシャワー現像し、L/Sが異なる6種類のパターン形成シートを製造した。
L/Sが異なる6種のパターン形成シートを、それぞれ光学顕微鏡を用いて倍率10倍で拡大観察し、パターンの断線・短絡、パターン間の埋まり・残渣の有無から、下記の基準により評価した。
パターンの断線・短絡およびパターン間の埋まり・残渣が認められない:○
パターンの断線および短絡が認められる:剥がれ
パターン間の埋まり・残渣が認められる:残渣。
<焼成欠陥>
各実施例および比較例により得られた感光性ペーストを、グリーンシート(GCS71F;山村フォトニクス(株)製)上に塗布する以外は前述の<微細パターン形成評価>に記載の方法により、L/Sが異なる6種のパターン形成シートを各10枚作製した。ガイド孔を用いてそれらパターン形成シートを10枚積み重ね、油圧式プレス機を用いて、温度90℃、圧力15MPaの条件で圧着し、10層積層シートを製造した。得られた10層積層シートを、350℃で10時間熱処理した後、さらに880℃で10分間熱処理して焼成し、10層積層焼成シートを製造した。
積層焼成シートの断面を、走査型電子顕微鏡(S2400;(株)日立製作所製)を用いて、倍率500倍で拡大観察し、下記の基準により評価した。
層内に亀裂等の欠陥が認められない:○
層内に亀裂等の断線欠陥が認められる:断線。
焼成後に断線が認められないと、電子部品へ用いた際の焼成時の欠陥発生を抑制して生産性を向上させることができる。
(実施例1)
ガラスフラスコに、表1記載の組成比になるように、アルカリ可溶性樹脂(b)、反応性化合物(c)、光反応開始剤(d)、および有機溶剤(e)を入れ、60℃で2時間撹拌し、感光性有機成分溶液を得た。この感光性有機成分溶液に、さらに表1記載の組成比になるように、無機粉末(a)を添加し、撹拌した後、3本ローラー(EXAKT M−50;EXAKT社製)を用いて混練し、感光性ペーストP−1を製造した。得られた感光性ペーストP−1について、前述の方法により評価した結果を表8に示す。
(実施例2−75、比較例1−3)
感光性ペーストの組成を表1〜7に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、感光性ペーストP−2〜P−78を得た。得られた感光性ペーストP−2〜P−78を用いて、実施例1と同様に、前述の方法により評価した結果を表8〜15に示す。
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(実施例76)
ビアホール形成済みのグリーンシート(GCS71F;山村フォトニクス社製)上に、実施例1により得られた感光性ペーストP−1を、乾燥後膜厚が12μmになるようにスクリーン印刷法により塗布し、塗布膜を得た。得られた塗布膜を、55℃の熱風乾燥機を用いて10分間乾燥して、ビアホールへ感光性ペーストを埋め込みながら、グリーンシート上に乾燥膜P−1を形成した。乾燥膜P−1に、コイル状パターンのL/Sが15/18μmの露光マスクを介して、21mW/cmの出力の超高圧水銀灯により照射量500mJ/cmの露光(波長365nm換算)を行った。その後、0.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として、全溶解時間までシャワー現像し、パターン形成シートP−1を製造した。このパターン形成シートP−1を10枚用意し、ガイド孔を用いて積み重ね、油圧式プレス機を用いて、温度90℃、圧力15MPaの条件で圧着し、10層積層シートP−1を製造した。得られた10層積層シートP−1を、ダイス切断機を用いて温度90℃の条件で、0.2mm×0.4mm×0.2mmのサイズに切断し、350℃で10時間熱処理した後、さらに880℃で10分間保持して焼成し、10層積層焼成シートP−1を製造した。
得られた10層積層焼成シートP−1に、スパッタで端子電極を塗布した後、ニッケルおよびスズによりめっき処理を行い、積層チップインダクタを製造した。この積層チップインダクタについて、端子電極両端にはんだで銅配線を接続し、デジタルマルチメータ(CDM−16D;カスタム社製)を用いて問題なく導通することを確認した。
本発明の感光性ペーストは、電子部品等の内部配線パターンの製造のために好適に利用することができる。

Claims (18)

  1. 無機粉末(a)、光反応性官能基を有さず、酸価が200〜300mgKOH/gであるアルカリ可溶性樹脂(b−1)、反応性化合物(c)および光反応開始剤(d)を含む感光性ペースト。
  2. 前記アルカリ可溶性樹脂(b−1)の重量平均分子量(Mw)が20,000〜50,000である請求項1に記載の感光性ペースト。
  3. 前記アルカリ可溶性樹脂(b−1)が(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸メチル/スチレン共重合体を含む請求項1または2に記載の感光性ペースト。
  4. さらに(b−2)光反応性官能基を有するアルカリ可溶性樹脂を含む請求項1〜3いずれかに記載の感光性ペースト。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂(b−1)およびアルカリ可溶性樹脂(b−2)の合計100重量部に対して、アルカリ可溶性樹脂(b−1)を20〜40重量部含有する請求項4に記載の感光性ペースト。
  6. さらに、SP値が20.5〜24.6(J/cm1/2である有機溶剤(e)を含有する請求項1〜5いずれかに記載の感光性ペースト。
  7. 前記有機溶剤(e)が、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、2−(4−メチルシクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、プロピレングリコールブチルエーテル、および/またはエチレングリコールブチルエーテルを含有する請求項6に記載の感光性ペースト。
  8. 前記有機溶剤(e)が、沸点が150℃〜200℃である低沸点有機溶剤(e−1)と沸点が201℃〜250℃である高沸点有機溶剤(e−2)を含有する請求項6または7に記載の感光性ペースト。
  9. 前記低沸点有機溶剤(e−1)と高沸点有機溶剤(e−2)の合計100重量部に対して、低沸点有機溶剤(e−1)を25〜65重量部含有する請求項8に記載の感光性ペースト。
  10. 全固形分中、前記無機粉末(a)を85〜92重量%含有する請求項1〜9いずれかに記載の感光性ペースト。
  11. 前記無機粉末(a)が銀、銅、金、白金、パラジウム、タングステンおよび/またはモリブデンを含有する請求項1〜10いずれかに記載の感光性ペースト。
  12. 前記無機粉末(a)の粒度分布におけるD50が1.0〜3.5μmである請求項1〜11いずれかに記載の感光性ペースト。
  13. 前記反応性化合物(c)がマレイミド環を有する請求項1〜12いずれかに記載の感光性ペースト。
  14. 前記反応性化合物(c)がN−フェニルマレイミドを含有する請求項1〜13いずれかに記載の感光性ペースト。
  15. 請求項1〜14いずれかに記載の感光性ペーストを硬化してなる硬化膜。
  16. 請求項15に記載の硬化膜を焼成してなる焼成体。
  17. 請求項16に記載の焼成体を含む電子部品。
  18. 請求項1〜14いずれかに記載の感光性ペーストを塗布する工程、乾燥する工程、露光する工程および現像する工程を有する電子部品の製造方法。
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