JP2023134944A - 感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、硬化膜、焼成体の製造方法、焼成体および電子部品 - Google Patents

感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、硬化膜、焼成体の製造方法、焼成体および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性に優れ、収縮を抑制した微細配線が形成可能な感光性導電ペーストを提供することを目的とする。【解決手段】導電性粉末(A)、感光性有機成分(B)、溶剤(C)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)を含有し、ガラス粉末(E)の軟化点が620~850℃であり、かつ、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計が導電性粉末(A)100質量部に対して0.7~5.0質量部である、感光性導電ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、硬化膜、焼成体の製造方法、焼成体および電子部品に関する。
近年、電子部品は小型化、高性能化の要求に伴い、内部配線の微細化、高アスペクト化(コイル導体層の延伸方向に直交する断面における、(コイル導体層の軸方向の厚み)/(コイル導体層の幅))が求められている。インダクター部品は、セラミックからなる絶縁体とその内部にコイル状の内部電極を含む。絶縁体は、複数の絶縁層を含み、内部電極は、絶縁層上に平面に巻き線状に形成され、それらを組み合わせることでコイルを形成する。そのため、内部配線の微細化が可能な感光性導電ペースト(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
ところで、インダクター部品は、セラミック及び樹脂を含む絶縁性シート上に、内部電極を形成し、これら複数のシートを重ね合わせることでコイルを形成する方法や、セラミック及び樹脂を含む絶縁性シート上に、内部電極、セラミック及び樹脂を含む絶縁層を交互に繰り返し形成させることで、コイルを形成する方法がある。
特開2019-215446号公報
しかしながら、特許文献1に記載される感光性導電ペーストを用いる方法では、微細な配線や高アスペクト比の電極を形成するために、感光性導電ペーストに含有する導電粒子を増やすことができなかった。これは、導電粒子を増やすことで乾燥膜の光透過性が低下し、パターン形成が困難になるためである。一方、導電粒子が少ないと焼成した際の収縮が大きくなり、絶縁シートや絶縁層との間で空隙や気泡が発生する課題があった。
本発明は、微細配線が形成可能で、収縮を抑制し、導電性に優れた特性を持つインダクター部品に用いられる感光性導電ペースト、導電パターン付き基材の製造方法、硬化膜、焼成体の製造方法、焼成体および電子部品を提供することを目的とする。
本発明は、導電性粉末(A)、感光性有機成分(B)、溶剤(C)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)を含有し、ガラス粉末(E)の軟化点が620~850℃であり、かつ、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計が導電性粉末(A)100質量部に対して0.7~5.0質量部である、感光性導電ペーストである。
本発明によれば、微細配線が形成可能で、収縮を抑制し、導電性に優れた感光性導電ペースト、および、硬化膜、焼成体、電子部品を得ることができる。
露光マスクのマスクパターン。
本発明の感光性導電ペーストは、導電性粉末(A)、感光性有機成分(B)、溶剤(C)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)を含有し、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計が導電性粉末(A)100質量部に対して0.7~5.0質量部である。
導電性粉末(A)は、加熱焼成により、溶融、融着し、導電性を有する無機焼結体となる。感光性有機成分(B)を含むことで、感光性導電ペーストの乾燥膜に感光性を付与し、フォトリソグラフィ法により微細配線を形成することができる。セラミック粉末(D)は、導電性粉末が加熱焼成時に、過焼結により断線するのを抑制し、かつ、焼成時に残存するため配線電極の収縮を抑制することができる。ガラス粉末(E)は、焼成時に溶融するため、導電粒子の過焼結抑制効果は小さいが、残存することにより配線電極の収縮を抑制することができる。
本発明において、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計が導電性粉末(A)100質量部に対して0.7~5.0質量部であることが重要である。(D)と(E)の合計を0.7質量部以上とすることで、微細なパターンを形成することができる。一方、(D)と(E)の合計を5.0質量%以下とすることで、配線電極中の導電性粉末の比率が小さくなり、導電性が低下することを抑制することができる。セラミックのみを用いた場合では、焼成時にパターンの収縮が大きく、配線電極を形成した際に空隙を生じる。一方、ガラスのみの場合は、ガラスが軟化するために導電性粉末の過焼結が進行し断線不良が発生するとともに、微細なパターンを形成することが困難である。そこで、本発明者らは、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)を組み合わせることで、導電性粉末の過焼結による断線不良を抑制し、かつ、収縮を抑制し導電性に優れた配線電極が得られることを見出した。セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計は、導電性粉末(A)100質量部に対して0.9~3.8質量部であることがより好ましい。
導電性粉末(A)100質量部に対するセラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計量は、感光性導電ペーストを850℃、10分間焼成することで、有機成分を取り除き、ICP発光分光分析装置(例えば、日立ハイテクサイエンス製「PS3520DDII」)を用いて分析することで求めることができる。また、各成分の配合量が既知の場合は、配合量から求めることができる。
導電性粉末(A)は、加熱焼成により溶融または融着し、導電性を発現するものである。導電性粉末(A)としては、例えば、銀、金、銅、白金、パラジウム、スズ、ニッケル、アルミニウム、タングステン、モリブデン、ルテニウム、クロム、チタン、インジウムなどの金属やこれらの合金、これらの酸化物の粉末などが挙げられる。これらを2種類以上用いてもよい。これらの中でも導電性の観点から銀、銅、金が好ましく、コストの観点から銀、銅がより好ましく、安定性の観点から銀がさらに好ましい。
導電性粉末(A)の粒度分布(個数基準)におけるメジアン径(D50)は、0.3~6.0μmが好ましい。導電性粉末(A)のD50を0.3μm以上とすることにより、後述する露光・現像工程において露光した光を効率よく透過させ、底部まで十分に硬化を進行させることができるので好ましい。また、パターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができるので好ましい。導電性粉末(A)のD50は、0.8μm以上がより好ましく、1.3μm以上がさらに好ましい。一方、導電性粉末(A)のD50を6.0μm以下とすることにより、形成後のパターンのがたつきを抑制し、より微細なパターンを形成することができるので好ましい。導電性粉末(A)のD50は、5.5μm以下がより好ましく、5.0μm以下がさらに好ましい。なお、導電性粉末(A)のD50は、Microtrac HRA(Model No.9320-X100;日機装(株)製)を用いたレーザー光散乱法により測定することができる。
感光性導電ペースト中の導電性粉末(A)の含有量は、60~90質量%が好ましく、68~85質量%がさらに好ましい。導電性粉末(A)の含有量を60質量%以上とすることにより、後述する焼成工程において、導電性粉末(A)同士の接触確率を向上させ、パターンの断線を抑制することができるので好ましい。導電性粉末(A)の含有量は、68質量%以上がより好ましい。一方、導電性粉末(A)の含有量を90質量%以下とすることにより、露光・現像工程におけるパターン剥がれを抑制し、より微細なパターンを形成することができるので好ましい。導電性粉末(A)の含有量は、85質量%以下がより好ましい。
感光性導電ペースト中の導電性粉末(A)の含有量は、感光性導電ペーストを850℃、10分間焼成することで、焼成前後での質量変化から、有機成分と無機成分の比率を算出し、さらに、残留した無機成分をICP発光分光分析装置(例えば、日立ハイテクサイエンス製「PS3520DDII」)を用いて分析することで求めることができる。また、各成分の配合量が既知の場合は、配合量から求めることができる。
感光性有機成分(B)は、アルカリ可溶性樹脂、および、感光剤を含む有機成分をいう。アルカリ可溶性樹脂とは、アルカリ可溶性基を有する樹脂をいう。アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基などが挙げられる。中でも、アルカリ現像液への溶解性が高いことから、カルボキシル基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、アクリル樹脂が好ましく、炭素-炭素二重結合を有するアクリル系モノマーとその他のモノマーとの共重合体が好ましい。炭素-炭素二重結合を有するアクリル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-ペンチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2-エチルへキシルアクリレート、アリルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレートなどの炭素数1~18の鎖状脂肪族炭化水素基を有するアクリレート;ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、1-ナフチルアクリレート、2-ナフチルアクリレート、などの炭素数6~10の環状芳香族炭化水素基を有するアクリレート;シクロへキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、イソボルニルアクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレートなどの炭素数6~15の環状脂肪族炭化水素基を有するアクリレートや、これらのアクリレートをメタクリレートに換えたものなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。アクリル系モノマー以外の共重合成分としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸などの不飽和カルボン酸やこれらの酸無水物などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
アクリル樹脂は、側鎖または分子末端に炭素-炭素二重結合を有することが好ましく、露光時の硬化反応速度を向上させることができる。炭素-炭素二重結合を有する構造としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。これらを2種以上有してもよい。アクリル樹脂に炭素-炭素二重結合を導入する方法としては、例えば、アクリル樹脂中のメルカプト基、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基に対して、グリシジル基またはイソシアネート基と炭素-炭素二重結合とを有する化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド、アリルクロライドなどを反応させる方法などが挙げられる。
グリシジル基と炭素-炭素二重結合とを有する化合物としては、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル、グリシジルエチルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、“サイクロマー(登録商標)”M100、A200(以上、ダイセル化学工業(株)製)などが挙げられる。イソシアネート基と炭素-炭素二重結合とを有する化合物としては、例えば、アクリロイルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、アクリロイルエチルイソシアネート、メタクリロイルエチルイソシアネートなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
感光剤としては、光重合開始剤、溶解抑制剤が挙げられる。より厚膜の導電パターンを形成する観点から光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤は、紫外線等の短波長の光を吸収して分解する、または、水素引き抜き反応によりラジカルを生じることで、光硬化性を付与しネガ型のフォトリソグラフィ法によるパターン形成を可能とする。紫外線等の光を吸収して分解する光重合開始剤としては、例えば、1,2-オクタンジオン、ベンゾフェノン、オルト-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、ミヒラーケトン、2-メチル-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-1-プロパノン、4-アジドベンザルアセトフェノン、2,6-ビス(p-アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、6-ビス(p-アジドベンジリデン)-4-メチルシクロヘキサノンなどのアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-2(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(O-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-プロパンジオン-2-(O-ベンゾイル)オキシム、1,3-ジフェニル-プロパントリオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシ-プロパントリオン-2-(O-ベンゾイル)オキシムのオキシムエステル系光重合開始剤などが挙げられる。水素引き抜き反応によりラジカルを生じる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アントラキノン、チオキサントン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステルなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶解抑制剤は、露光された箇所の現像液に対する溶解性を増大させ、ポジ型のフォトリソグラフィ法によるパターン形成を可能とする。溶解抑制剤としては、露光エネルギーにより酸が発生するものが好ましい。例えば、ジアゾジスルホン化合物、トリフェニルスルフォニウム化合物、キノンジアジド化合物などが挙げられる。ジアゾジスルホン化合物としては、例えば、ビス(シクロヘキシルスルフォニル)ジアゾメタン、ビス(ターシャルブチルスルフォニル)ジアゾメタン、ビス(4-メチルフェニルスルフォニル)ジアゾメタンなどが挙げられる。トリフェニルスルフォニウム化合物としては、例えば、ジフェニル-4-メチルフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネート、ジフェニル-2,4,6-トリメチルフェニルスルフォニウムp-トルエンスルフォネート、ジフェニル(4-メトキシフェニル)スルフォニウムトリフルオロメタンスルフォネートなどが挙げられる。キノンジアジド化合物としては、例えば、ポリヒドロキシ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステルで結合したもの、ポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がスルホンアミド結合したもの、ポリヒドロキシポリアミノ化合物にキノンジアジドのスルホン酸がエステル結合および/またはスルホンアミド結合したものなどが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
溶剤(C)は、室温にて液体であって、感光性導電ペーストを構成する成分を湿潤または溶解させ、塗布性に優れる液体とする。溶剤(C)の沸点は180~300℃であることが好ましい。沸点を300℃以下とすることで、焼成時の脱バインダー性を向上させることができる。沸点は230℃以下がより好ましく、230℃以下とすることで、後述する乾燥工程にて、容易に乾燥させることができる。また、沸点を180℃以上とすることで、塗布工程の粘度上昇を抑制できる。なお、溶剤の沸点は、1013.25hPaにおける沸点をいう。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプリピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル-nプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジイソブチレート、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルが挙げられる。
溶剤(C)は、感光性導電ペースト中に5~20質量%含むことが好ましい。5質量%以上とすることで、感光性導電ペーストの粘度を下げ、後述する塗布工程で塗布性が向上する。20質量%以下とすることで、後述する乾燥工程で、乾燥が容易となり生産性を向上させることができる。
セラミック粉末(D)は、チタニア、アルミナ、シリカ、コーディエライト、ムライト、スピネル、チタン酸バリウムおよびジルコニアからなる群から選ばれた少なくとも一つを含有することが好ましい。この中でも特に、アルミナ、チタニア、シリカが好ましく用いられ、微細加工性の観点からシリカがさらに好ましい。
セラミック粉末(D)の粒度分布(個数基準)におけるメジアン径(D50)としては、5~100nmであることが好ましい。5nm以上とすることで、感光性導電ペースト中の分散性が向上する。100nm以下とすることで、導電性粉末の過焼結を抑制する効果が大きくなる。なお、セラミック粉末(D)のメジアン径は、Nanotrac WaveII-UZ251(MicrotracBEL社製)を用いて、動的光散乱法により求めることができる。
セラミック粉末(D)の含有量は、導電性粉末(A)100質量部に対し、0.2~3.1質量部が好ましい。セラミック粉末(D)の含有量を0.2質量部以上とすることで、過焼成をより抑制することができる。セラミック粉末(D)の含有量を3.1質量部以下とすることで、焼結阻害が大きくなり導電性が低下することを抑制することができる。
ガラス粉末(E)は、軟化点は620~850℃であり、720~850℃がより好ましい。620℃以上とすることで、脱バインダー性を向上させ、導電性を向上させることができる。850℃以下とすることで、導電性粉末の焼結阻害を抑制することができる。ガラス粉末(E)の軟化点は、示差熱分析法(DTA)により測定することができる。
ガラス粉末(E)の粒度分布(個数基準)におけるメジアン径(D50)は、0.5~5.0μmが好ましく、0.7~3.0μmがより好ましい。0.5μm以上とすることで、粉末の粉砕、分級が容易で簡便に作製することができる。5.0μm以下とすることで、微細配線を形成した際に、配線のがたつきを抑えることができる。なお、ガラス粉末(E)の粒径(D50)は、Microtrac HRA(Model No.9320-X100;日機装(株)製)を用いたレーザー光散乱法により測定することができる。
ガラス粉末(E)の含有量は、導電性粉末(A)100質量部に対し、0.3~5.0質量部が好ましく、0.3~1.9質量部がより好ましく、0.5~1.9質量部がさらに好ましい。0.3質量部以上とすることで、配線電極の収縮をより抑制することができる。5.0質量部以下とすることで、配線電極中のガラス粉末(E)の比率が増加して導電性が低下することを抑制することができる。
セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の質量比率(ガラス粉末(E)/セラミック粉末(D))は、0.5~15.0であることが好ましい。0.5以上とすることで、セラミック粉末(D)による過剰な焼結阻害を抑制して導電性を向上させることができる。ガラス粉末(E)/セラミック粉末(D)を15.0以下とすることで、セラミック粉末の比率が低下し過焼結により断線することを抑制することができる。ガラス粉末(E)/セラミック粉末(D)は10.0以下がより好ましい。セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の質量比は、感光性導電ペーストを塗布、乾燥して溶剤を除去した乾燥膜の膜面に垂直な断面を透過型電子顕微鏡(例えば、日本電子(株)製「JEM-4000EX」)により観察し、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の面積比から体積比を求め、組成により計算される比重から質量比に換算して求めることができる。セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)はEDX等の組成分析により、分けることができる。また、セラミック粉末(D)がナノ粒子である場合、ガラス粉末(E)と導電粉末の質量比を同様の方法で求め、前述の導電性粉末(A)に対するセラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計量の値から、セラミック粉末(D)の質量比を計算し求めることができる。また、各成分の配合量が既知の場合は、配合量から求めることができる。
セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の屈折率差の絶対値は0.14以下であることが好ましい。0.14以下とすることで、後述する露光工程にて、光の散乱を抑制し、微細な配線を形成することが可能となる。屈折率差の絶対値は0.10以下であることがより好ましい。セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の屈折率はベッケ線検出法により測定することができる。ここでの屈折率は、25℃での波長436nm(g線)における値を示す。なお、セラミック粉末(D)の組成が既知の場合は、文献値を用いることができる。
本発明の感光性導電ペーストは、その所望の特性を損なわない範囲で感光性モノマー、増感剤、分散剤、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、安定剤等を含有してもよい。
感光性モノマーとは、炭素-炭素二重結合を有するモノマーまたはオリゴマーをいう。炭素-炭素二重結合を有する構造は前述の通りである。
分散剤とは、導電性粒子(A)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)から選ばれる1種または複数を分散、安定化する成分である。分散剤としては、例えば、アミン系の分散剤、カルボン酸またはカルボン酸エステル系分散剤が挙げられる。
本発明の感光性導電ペーストは、例えば、前述の(A)~(E)成分、必要に応じてその他添加剤を、混合および/または分散させることにより得ることができる。混合および/または分散させる装置としては、例えば、三本ローラー、ボールミル等の分散機や混練機などが挙げられる。
次に、本発明の硬化膜について説明する。本発明の硬化膜は、本発明の感光性導電ペーストを硬化してなる膜であり、膜厚は5~30μmが好ましい。硬化膜の膜厚を5μm以上とすることにより、焼成時の断線をより抑制することができるので好ましい。一方、硬化膜の膜厚を30μm以下とすることにより、より微細な配線を形成することができるので好ましい。
本発明の硬化膜は、所定のパターン形状を有していてもよい。パターン形状としては、例えば、直線形状、渦巻形状などが挙げられる。パターン形状について、最小幅は、10~50μmが好ましい。パターン幅を10μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、パターン幅を50μm以下とすることにより、パターンのアスペクト比が大きくなり、内部配線のシート抵抗を低下させることができる。
本発明の硬化膜は、例えば、本発明の感光性導電ペーストを基材上に塗布し塗布膜を形成、該塗布膜を乾燥し乾燥膜を形成、該乾燥膜を露光により光硬化させることにより得ることができる。パターン形状の硬化膜を製造する場合には、乾燥膜を露光および現像しパターンを形成してもよい。
上述した本発明の感光性導電ペーストを用いた塗布膜は、基材上に、無機粒子(F)および有機成分(G)を含む樹脂組成物を乾燥して膜を形成した後に形成してもよい。
塗布工程における塗布方法としては、例えば、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーターを用いた塗布方法などが挙げられる。塗布膜の膜厚は、塗布方法、感光性導電ペーストの固形分濃度や粘度等に応じて適宜選択することができる。
乾燥方法としては、例えば、オーブン、ホットプレート、赤外線等の加熱装置を用いた加熱乾燥や、真空乾燥などが挙げられる。加熱温度は、40~80℃が好ましい。乾燥温度を40℃以上とすることにより、溶剤を効率良く揮発除去することができ、乾燥膜のタック性を抑制させることができる。一方、乾燥温度を80℃以下とすることにより、基材の反りを抑制することができる。加熱時間は、2~60分間が好ましい。
露光方法としては、フォトマスクを介して露光する方法、フォトマスクを用いずに露光する方法があり、フォトマスクを用いない露光方法としては、レーザー光等を用いて直接描画する方法などが挙げられる。露光装置としては、例えば、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機などが挙げられる。露光する活性光線としては、例えば、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光等が挙げられ、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが挙げられ、超高圧水銀灯が好ましい。
現像として、アルカリ現像が例示される。
アルカリ現像を行う場合の現像液としては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの水溶液が挙げられる。これらの水溶液に、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン等の極性溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン;メチルイソブチルケトン等のケトン類;界面活性剤などを添加してもよい。
現像方法としては、例えば、露光後の硬化膜を形成した基材を静置、搬送、または回転させながら現像液をスプレーする方法、露光後の硬化膜を形成した基材を現像液中に浸漬する方法、露光後の硬化膜を形成した基材を現像液中に浸漬しながら超音波をかける方法などが挙げられる。
現像により得られた硬化膜に、リンス液によるリンス処理を施してもよい。リンス液としては、例えば、水;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類の水溶液;乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類の水溶液などが挙げられる。さらに、硬化膜の残存溶剤を乾燥させる工程を含んでもよい。残存溶剤を乾燥させることで、後述する焼成工程にて、収縮率を低下させることができる。乾燥方法としては、上記の乾燥方法と同様の乾燥装置を用いることができる。
本発明の硬化膜を積層して積層体とすることもできる。積層数は、1~30層が好ましい。積層数を1層以上とすることにより、所定のパターンの厚みを大きくすることができる。一方、積層数を30層以下とすることにより、層間のアライメントずれの影響を小さくすることができる。
次に、本発明の焼成体について説明する。本発明の焼成体は、本発明の硬化膜を焼成してなるものであり、その形状は問わない。焼成体の厚みは、2~20μmが好ましい。焼成体の厚みを2μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、焼成体の厚みを20μm以下とすることにより、焼成時の膨れを抑制することができる。
本発明の焼成体の線幅は、5~40μmが好ましい。焼成体の線幅を5μm以上とすることにより、焼成時の断線を抑制することができる。一方、焼成体の線幅を40μm以下とすることにより、よりアスペクト比の高い導電パターンを形成することができる。
本発明の焼成体は、例えば、前述の本発明の硬化膜やその積層体を焼成することにより得ることができる。焼成方法としては、例えば、300~600℃で5分間~数時間熱処理した後、さらに850~900℃で5分間~数時間熱処理する方法などが挙げられる。
本発明の電子部品について、その製造方法は、感光性導電ペーストを塗布する工程、乾燥する工程、露光・現像する工程を含むことが好ましい。本発明の電子部品の製造方法の一例として、積層チップインダクタの製造方法を以下に説明する。
まず、無機粒子(F)および有機成分(G)を含む樹脂組成物を塗布、乾燥させた基材(以下、セラミックグリーンシートと記載する)にビアホールを形成し、ビアホールに導体を埋め込むことにより、層間接続配線を形成する。ビアホール形成方法としては、例えば、レーザー照射などが挙げられる。有機成分(G)が感光性有機成分である場合は、塗布、乾燥後にビア形状をもつマスクを介して、露光、現像することで、精度よくビアを形成することが可能である。
ビアホールに導体を埋め込む方法としては、例えば、スクリーン印刷法により導体ペーストを埋め込み、乾燥する方法などが挙げられる。導体ペーストとしては、例えば、銅、銀、銀-パラジウム合金を含有するペーストが挙げられる。層間接続配線と内部配線とを一度に形成してプロセスを簡略化できることから、本発明の感光性導電ペーストが好ましい。
層間接続配線を形成したセラミックグリーンシート上に、内部配線を形成する。内部配線の形成方法としては、例えば、感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィ法などが挙げられる。感光性導電ペーストとしては、配線電極の収縮を抑制し、導電性に優れた特性を付与する観点から、前述の本発明の感光性導電ペーストを好ましく用いることができる。必要に応じて、さらに誘電体パターンまたは絶縁体パターンを形成する。誘電体パターンおよび絶縁体パターンの形成方法としては、例えば、スクリーン印刷法などが挙げられる。
次に、層間接続配線および内部配線を形成したセラミックグリーンシートを複数枚積層して熱圧着し、積層体を得る。積層方法としては、例えば、ガイド孔を用いてセラミックグリーンシートを積み重ねる方法などが挙げられる。熱圧着装置としては、例えば、油圧式プレス機などが挙げられる。熱圧着温度は90~130℃が好ましく、熱圧着圧力は5~20MPaが好ましい。
得られた積層体を所望のチップサイズにダイシングし、焼成し、端子電極を塗布し、メッキ処理をすることにより、積層チップインダクタを得ることができる。ダイシング装置としては、例えば、ダイス切断機、レーザー切断機などが挙げられる。焼成方法としては、例えば、300~600℃で5分間~数時間熱処理した後、さらに850~900℃で5分間~数時間熱処理する方法などが挙げられる。
焼成の最高温度は、ガラス粉末(E)の軟化点より100~300℃高い温度がよい。100℃以上とすることで、ガラスの流動性を向上させ、電極の導電性を阻害するのを防ぐことができる。300℃以下とすることで、ガラスの流動により、電極と分離されるのを防ぐことができる。
端子電極の塗布方法としては、例えば、スパッタ法、電解メッキ法などが挙げられる。メッキ処理に用いる金属としては、例えば、ニッケル、スズなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(感光性導電ペースト)
感光性導電ペーストに用いた原料は、以下の通りである。
導電性粉末(A)
導電性粉末(A-1):粒径(D50)が2.1μmのAg粉末
なお、導電性粉末の粒径(D50)は、粒度分布測定装置(Microtrac HRA Model No.9320-X100;日機装(株)製)を用いて、レーザー光散乱法により測定した。
感光性有機成分(B)
アルカリ可溶性樹脂:メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=54/23/23(モル比)の共重合体のカルボキシル基100モル部に対して、40モル部のグリシジルメタクリレートを付加反応させたアクリル樹脂(重量平均分子量30,000、ガラス転移点110℃、酸価100mgKOH/g)
光重合開始剤:アデカオプトマーN-1919((株)ADEKA製)。
溶剤(C)
溶剤1:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
溶剤2:ジエチレングリコールジブチルエーテル。
セラミック粉末(D)
セラミック粉末(D-1):“AEROSIL”130(日本アエロジル(株)製)、粒径21nm、屈折率1.46
セラミック粉末(D-2):“Silica Plain (Hydrophillic)Microspher 1.0μm”(Bangs Laboratories社製)、粒径1.0μm、屈折率1.46。
ガラス粉末(E)
ガラス粉末(E-1):二酸化ケイ素(75.8質量%)、酸化ホウ素(20.1質量%)、酸化カリウム(4.1質量%)の成分比を持ち、粒径(D50)が1.1μm、ガラス軟化点が730℃、屈折率が1.52のもの
ガラス粉末(E-2):酸化ビスマス(48.1質量%)、二酸化ケイ素(27.5質量%)、酸化ホウ素(14.2質量%)、酸化亜鉛(2.6質量%)の成分比を持ち、粒径(D50)が1.1μm、ガラス軟化点が510℃、屈折率が1.60のもの
なお、ガラス粉末(E)の粒径(D50)は、粒度分布測定装置(Microtrac HRA Model No.9320-X100;日機装(株)製)を用いて、レーザー光散乱法により測定した。ガラス粉末(E)の軟化点は、示差熱分析法(DTA)により測定し、屈折率はベッケ線検出法により、25℃での波長436nm(g線)における値を測定した。
感光性モノマー:NKオリゴUA-122P(エステル構造含有ウレタンアクリレート、粘度7.0Pa・s、重量平均分子量1,100、新中村化学工業(株)製)
レベリング剤:“ディスパロン(登録商標)”L-1980N(楠本化成(株)製)
分散剤:フローレンG-700(共栄社化学(株)製)。
(実施例1)
<感光性導電ペーストの作製>
50.0gのアルカリ可溶性樹脂、24.0gのNKオリゴUA-122P(感光性モノマー)、5.0gのアデカオプトマーN-1919(光重合開始剤)、1.0gの“ディスパロン”L-1980N(レベリング剤)、1.0gのフローレンG-700(分散剤)、59.0gのエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(溶剤1)および59.0gのジエチレングリコールジブチルエーテル(溶剤2)を混合し、199.0gの感光性樹脂溶液を得た。
得られた199.0gの感光性樹脂溶液、616.0gのAg粉末(A-1)、2.5gのセラミック粉末(D-1)、11.7gのガラス粉末(E-1)を混ぜ合わせ、3本ローラーを用いて混練し、感光性導電ペーストP-1を得た。
<感光性誘電体ペーストの作製>
<感光性導電ペーストの作製>と同様の方法で、感光性樹脂溶液を作製した。得られた199.0gの感光性樹脂溶液に、80.0gのセラミック粉末(D-2)、120.0gのガラス粉末(E-1)を混ぜ合わせ、3本ローラーを用いて混練し、感光性誘電体ペーストを得た。
<微細加工性評価>
アルミナ基板上に、感光性導電ペーストを乾燥後膜厚が10μmとなるようにスクリーン印刷し、60℃にて10分間乾燥することで作製した。得られた乾燥膜を、露光装置(PEM-6M;ユニオン光学株式会社製)を用いて、マスクの開口幅が1μm単位で5~40μmである露光マスクを介して、365nmの波長換算で300mJ/cm全線露光を行い、0.2質量%のNaCO溶液に基板を浸漬させた後、超純水によるリンス処理を施して行った。断線、剥がれがない最小線幅(μm)を解像限界線幅とした。なお、導電パターンの線幅は、光学顕微鏡を用いて倍率1000倍で拡大観察し測定し、導電パターンの膜厚は、触針式段差計(例えば、“サーフコム(登録商標)”1400;(株)東京精密製)を用いて測定した。
<導電性評価>
アルミナ基板上に<微細加工性評価>と同様の方法で、導電パターンを形成した。ただし、露光マスクは図1で示すマスクパターンとし、開口幅は40μm、長さは4.0cmとした。得られた導電パターン付き基板を880℃で10分間焼成処理し、導電パターン焼成体を得た。デジタルマルチメータ(CDM-16D;カスタム社製)を用いて、上記抵抗測定用の導電パターン焼成体の抵抗値Rを測定した。次に、導電パターン焼成体の線幅と膜厚を前記と同様の方法で測定し、比抵抗値を次式にて算出した。なお、パターンは10点測定し、平均値とした。
比抵抗値(μΩ・cm)=導電パターン抵抗値(μΩ)×線幅(cm)×膜厚(cm)÷導電パターン長さ(cm)。
<断線確率評価>
アルミナ基板上に<導電性評価>と同様の方法で、パターンを100個形成し、断線している確率を次式にて計算した。
断線確率=断線個数(%)。
<空隙評価>
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、感光性誘電体ペーストを乾燥後10μmとなるように、スクリーン印刷し、60℃にて10分乾燥した。さらに、マスクを介さずに露光した。これを繰り返すことで50μmの第一誘電体層を形成した。続いて、基材以外、<微細加工性評価>と同様の方法で、感光性導電ペーストの乾燥膜を形成し、開口が25μmであるコイルパターンを持つ露光マスクを介して露光し現像することで、第一コイルパターンを得た。さらに、乾燥後膜厚が10μmとなるように感光性誘電体ペーストを印刷、乾燥し、マスクを介して所定のビア部以外を露光し、現像することで、第一コイルパターン上に第二誘電体層を形成した。さらに、同様の方法で感光性導電ペーストを印刷、露光、現像することで第二コイルパターンを得た。この際、第二誘電体層に形成したビア部を介して、第一コイルパターンと第二コイルパターンが接続される。これらを交互に繰り返すことで、各10層の誘電体層とコイルパターンを形成する。さらに、誘電体層を繰り返し形成することで、200μmの第11誘電体層を形成する。この積層体を500μm角サイズにレーザーにてカットし、チップ形状にする。得られた積層体を、880℃で10分間焼成処理し、内部にコイル電極を持つ焼成体を得た。作製した焼成体の中心部を積層方向に対して垂直に割断し、電極と誘電体層の間の空隙の有無を評価した。評価は、走査型電子顕微鏡(S2400;(株)日立製作所製)を用いて、倍率250倍で拡大観察し、10μm以上の空隙が1つ以上ある場合を「空隙有り」と評価した。10個の焼成体を評価し、「空隙有り」が0個の場合を「良」、1個の場合を「可」、2個以上の場合を「不可」とした。
(実施例2~10、比較例1~6)
表1に示す導電性粉末(A)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)を表1に示す比率で混合したこと以外、実施例1と同様の方法で感光性導電ペーストP-2~10、R-1~6を作製した。続いて、作製した感光性導電ペーストを実施例1と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023134944000001
本発明の感光性導電ペーストは、電子部品等の内部配線パターンの製造のために好適に利用することができる。
L 開口幅

Claims (11)

  1. 導電性粉末(A)、感光性有機成分(B)、溶剤(C)、セラミック粉末(D)、ガラス粉末(E)を含有し、ガラス粉末(E)の軟化点が620~850℃であり、かつ、セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の合計が導電性粉末(A)100質量部に対して0.7~5.0質量部である、感光性導電ペースト。
  2. ガラス粉末(E)が導電性粉末(A)100質量部に対して0.3~1.9質量部である、請求項1に記載の感光性導電ペースト。
  3. セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の屈折率差の絶対値が0.14以下である、請求項1または2に記載の感光性導電ペースト。
  4. セラミック粉末(D)が、粒径5~100nmのシリカである、請求項1~3のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
  5. セラミック粉末(D)とガラス粉末(E)の質量比(ガラス粉末(E)/セラミック粉末(D))が0.5~10.0である、請求項1~4のいずれかに記載の感光性導電ペースト。
  6. 基材上に、無機粒子(F)および有機成分(G)を含む樹脂組成物を乾燥して膜を形成した後に、
    請求項1~5のいずれかに記載の感光性導電ペーストを塗布し塗布膜を形成する工程、
    前記塗布膜を乾燥し乾燥膜を形成する工程、前記乾燥膜を露光および現像しパターンを形成する工程
    を含む、導電パターン付き基材の製造方法。
  7. 有機成分(G)が感光性有機成分である、請求項6記載の導電パターン付き基材の製造方法。
  8. 請求項1~5のいずれかに記載の感光性導電ペーストを硬化してなる、硬化膜。
  9. 請求項8に記載の硬化膜を、ガラス粉末(E)の軟化点より100~300℃高い温度で焼成する工程を含む、焼成体の製造方法。
  10. 請求項8に記載の硬化膜を焼成した、焼成体。
  11. 請求項10に記載の焼成体を含む、電子部品。
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