JP2019215064A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019215064A
JP2019215064A JP2018113706A JP2018113706A JP2019215064A JP 2019215064 A JP2019215064 A JP 2019215064A JP 2018113706 A JP2018113706 A JP 2018113706A JP 2018113706 A JP2018113706 A JP 2018113706A JP 2019215064 A JP2019215064 A JP 2019215064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction surface
armature
rotor
inner peripheral
peripheral side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018113706A
Other languages
English (en)
Inventor
謙大 中
Yoshihiro Naka
謙大 中
陽介 中村
Yosuke Nakamura
陽介 中村
聡 川上
Satoshi Kawakami
聡 川上
悟史 伊波
Satoshi Inami
悟史 伊波
智之 水口
Tomoyuki Mizuguchi
智之 水口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2018113706A priority Critical patent/JP2019215064A/ja
Priority to PCT/JP2019/020447 priority patent/WO2019239837A1/ja
Publication of JP2019215064A publication Critical patent/JP2019215064A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D27/00Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor
    • F16D27/10Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings
    • F16D27/108Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members
    • F16D27/112Magnetically- or electrically- actuated clutches; Control or electric circuits therefor with an electromagnet not rotating with a clutching member, i.e. without collecting rings with axially movable clutching members with flat friction surfaces, e.g. discs

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

【課題】伝達トルクの低下を抑えつつ、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着の成長を抑制可能な動力伝達装置を提供する。【解決手段】動力伝達装置10は、ロータ11と、アーマチュア14と、電磁石12と、を備える。ロータ11は、電磁石12への通電時にアーマチュアに当接するロータ摩擦面110を有する。アーマチュア14は、電磁石12への通電時にロータ摩擦面110に当接するアーマチュア摩擦面140を有する。ロータ摩擦面110およびアーマチュア摩擦面140それぞれには、電磁石12への通電時に生ずる磁束の流れを遮断する磁気遮断部115、141が設けられている。そして、アーマチュア摩擦面140には、アーマチュア摩擦面115における内周側から磁気遮断部であるアーマチュア側遮断部141の手前まで延びる複数のスリット溝部142が形成されている。【選択図】図7

Description

本開示は、駆動源から出力される回転駆動力を駆動対象装置に伝達する動力伝達装置に関する。
従来、駆動源から出力される回転駆動力によって回転するロータ、当該ロータに対向配置されてロータと同一の磁性材料で構成されたアーマチュア、通電によりアーマチュアの摩擦面をロータの摩擦面に吸着させる電磁石を備える動力伝達装置が知られている。
この種の動力伝達装置では、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との滑りが発生すると、滑りに伴って生じた熱でロータの摩擦面の一部に埋め込まれた摩擦材(すなわち、フェーシング材)が固着してしまうことがある。摩擦材の固着は、ロータとアーマチュアとの滑り時間が増大したり、摩擦材の摩擦係数の低下が生じたりする要因となることから好ましくない。
これに対して、摩擦材の固着成分を削り取る構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、アーマチュアの摩擦面に溝を形成し、当該溝によって摩擦材の固着成分を削り取る技術が開示されている。
特開2003−240018号公報
ところで、特許文献1には、ロータの摩擦面に埋め込まれた摩擦材の固着を防止する技術が開示されているものの、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着について何ら検討されていない。
ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着によって生ずる溶融物が大きく成長すると、アーマチュアがロータに張り付き易くなり、アーマチュアをロータから適切に切り離すことができなくなる可能性がある。なお、凝着現象は、磁性材料で構成されたロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との接触部の一部が溶融する現象(いわゆる、ともがね現象)であり、ロータの摩擦面に埋め込まれた摩擦材の固着現象とは異なる現象である。
また、特許文献1では、アーマチュアの摩擦面に形成された複数の溝が、アーマチュアの周方向に延びる磁束遮断部に跨るように内周側の端部から外周側の端部まで延びている。このため、アーマチュアの摩擦面とロータの摩擦面との接触面積が小さくなる。
アーマチュアは、電磁石への通電時にロータの摩擦面との間に磁気回路を形成するものであり、複数の溝部によってアーマチュアの摩擦面とロータの摩擦面と接触面積が小さくなると、磁気回路を流れる磁束が大きく制限される。これにより、伝達トルクが大幅に低下してしまう。
本開示は、伝達トルクの低下を抑えつつ、ロータの摩擦面とアーマチュアの摩擦面との凝着の成長を抑制可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、
駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置であって、
磁性材料で構成され、回転駆動力によって駆動対象装置のシャフト(20)の軸心(CL)を中心に回転するロータ(11)と、
磁性材料で構成され、駆動対象装置に対して連結されるとともにロータに対して所定の隙間をあけて配置されるアーマチュア(14)と、
通電時にロータとアーマチュアとを経由する磁気回路(MC)を形成してアーマチュアをロータに吸引させる電磁吸引力を発生させる電磁石(12)と、を備える。
ロータは、電磁石への通電時にアーマチュアに当接するロータ摩擦面(110)を有している。アーマチュアは、電磁石への通電時にロータ摩擦面に当接するアーマチュア摩擦面(140)を有している。ロータ摩擦面およびアーマチュア摩擦面それぞれには、軸心を中心とする円周方向に沿って延びるとともに電磁石への通電時に生ずる磁束の流れを遮断する磁気遮断部(115、141)が設けられている。そして、ロータ摩擦面およびアーマチュア摩擦面のうち少なくとも一方の摩擦面には、一方の摩擦面における内周側から一方の摩擦面に設けられた磁気遮断部の手前まで延びる複数のスリット溝部(116、142)が形成されている。
このように、複数のスリット溝部は、ロータ摩擦面およびアーマチュア摩擦面のうち少なくとも一方の摩擦面における凝着が生じ易い領域、すなわち、摩擦面における内周側に形成されている。これによると、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との周方向の接触が複数のスリット溝部によって途切れるため、各摩擦面に凝着が生ずることを抑えることができる。また、各摩擦面の間に凝着が生じたとしても、凝着によって生じた溶融物が複数のスリット溝部で分断されるため、各摩擦面の凝着によって生ずる溶融物が、各摩擦面の間で大きく成長することを抑制できる。
加えて、複数のスリット溝部は、磁気遮断部を跨がないように少なくとも一方の摩擦面の内周側から磁気遮断部の手前まで延びるように形成されている。これによると、複数のスリット溝部に起因する磁気抵抗の増大が抑えられるので、複数のスリット溝部を設けることに伴う伝達トルクの低下を抑制することができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る動力伝達装置が適用された冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態に係る動力伝達装置および圧縮機の模式図である。 第1実施形態に係るロータの模式的な正面図である。 図3のIV−IV断面図である。 第1実施形態に係る従動側回転体の模式的な正面図である。 図5のVI−VI断面図である。 図2における動力伝達装置の断面で示す部分を模式的に拡大した拡大図である。 駆動源から出力された回転駆動力が伝達された際のロータの状態を説明するための断面図である。 第1実施形態の比較例となる動力伝達装置の磁気回路を説明するための説明図である。 第1実施形態の変形例となる従動側回転体の模式的な正面図である。 第2実施形態に係る従動側回転体の模式的な正面図である。 図11のXII−XII断面図である。 第3実施形態に係るロータの模式的な正面図である。 図13のXIV−XIV断面図である。 第3実施形態に係る動力伝達装置の磁気回路を説明するための説明図である。 第4実施形態に係るロータの模式的な正面図である。 図16のXVII−XVII断面図である。 第5実施形態に係る動力伝達装置の断面の一部を模式的に拡大した拡大図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。本実施形態では、図1に示す蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置1の圧縮機2に対して、動力伝達装置10を適用した例について説明する。
冷凍サイクル装置1は、車室内の空調を行う車両用空調装置において車室内へ送風する空気の温度を調整する装置として機能する。冷凍サイクル装置1は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱させる放熱器3、放熱器3から流出した冷媒を減圧する膨張弁4、膨張弁4で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器5が環状に接続された閉回路で構成されている。
圧縮機2には、動力伝達装置10を介してエンジン6から出力される回転駆動力がVベルト7および動力伝達装置10を介して伝達される。本実施形態では、エンジン6が回転駆動力を出力する駆動源を構成し、圧縮機2が駆動対象装置を構成している。
圧縮機2としては、例えば、斜板式可変容量型の圧縮機を採用することができる。なお、圧縮機2としては、冷凍サイクル装置1の冷媒を圧縮して吐出可能なものであれば、他の形式の可変容量型の圧縮機や、スクロール型、ベーン型などの固定容量型の圧縮機が採用されていてもよい。
ここで、図2は、第1実施形態の動力伝達装置10および圧縮機2の双方を模式的に図示した模式図である。図2では、動力伝達装置10の内部構成を図示するために動力伝達装置10について片側断面図で示している。図2に示すDRaxは、圧縮機2のシャフト20の軸心CLに沿って延びるシャフト20の軸方向を示している。また、図2に示すDRrは、軸方向DRaxと直交するシャフト20の径方向を示している。なお、これらのことは、図2以外の図面においても同様である。
図2に示すように、圧縮機2は、シャフト20の一端側が、圧縮機2の外殻を構成するハウジング21の外側に露出している。そして、動力伝達装置10は、シャフト20におけるハウジング21の外側に露出した部位に取り付けられている。シャフト20には、ハウジング21の内部の冷媒がシャフト20とハウジング21との隙間から漏れないように、図示しないリップシール等のシール部材が取り付けられている。シール部材は、シャフト20とハウジングとの間において高いシール性が得られるように材料、形状等が最適化されている。
動力伝達装置10は、車両走行用の駆動源であるエンジン6から出力される回転駆動力を駆動対象装置である圧縮機2へ断続的に伝達する装置である。動力伝達装置10は、図1に示すように、Vベルト7を介してエンジン6の回転出力部6aに接続されている。
図2に示すように、動力伝達装置10は、ロータ11、ロータ11に連結されることによってシャフト20とともに回転する従動側回転体13、従動側回転体13とロータ11とを連結させる電磁吸引力を発生させる電磁石12を有する。
ロータ11は、エンジン6から出力される回転駆動力によって回転する駆動側回転体を構成する。ロータ11は、図3および図4に示すように、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113を有する。
外側円筒部111は、円筒形状に構成されており、シャフト20に対して同軸となるように配置されている。内側円筒部112は、円筒形状に構成されており、外側円筒部111の内周側に配置されるとともに、シャフト20に対して同軸となるように配置されている。
端面部113は、外側円筒部111と内側円筒部112の軸方向DRaxの一端側同士を結ぶ連結部である。端面部113は、円環形状に構成されている。すなわち、端面部113は、シャフト20の径方向DRrに広がるとともに、その中央部に表裏を貫通する円形状の貫通穴が形成されている。
ロータ11は、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113によってシャフト20の軸方向DRaxの断面がC字形状となっている。そして、外側円筒部111と内側円筒部112との間には、端面部113を底面部とする空間が形成されている。外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間は、シャフト20に対して同軸となる円環状の空間になっている。
外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間には、電磁石12が配置されている。電磁石12は、通電時にロータ11と後述するアーマチュア14とを経由する磁気回路MCを形成してアーマチュア14をロータ11に吸引させる電磁吸引力を発生させるものである。具体的には、電磁石12は、ステータ121、およびステータ121の内部に配置されたコイル122等を有する。ステータ121は、鉄等の強磁性材料で環状に形成されている。コイル122は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂材料でモールディングされた状態でステータ121に固定されている。なお、電磁石12への通電は、図示しない制御装置から出力される制御電圧によって行われる。
ロータ11は、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113が金属製の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で一体的に形成されている。外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、電磁石12に通電することによって生じる磁気回路MCの一部を構成する。
図2および図4に示すように、外側円筒部111の外周側には、複数のV字状の溝が形成されたV溝部114が形成されている。V溝部114には、エンジン6から出力される回転駆動力を伝達するVベルト7が掛け渡されている。なお、V溝部114は、金属製の強磁性材料ではなく、樹脂等で形成されていてもよい。
内側円筒部112の内周側には、図2に示すように、ボールベアリング19の外周側が固定されている。そして、ボールベアリング19の内周側には、圧縮機2の外殻を構成するハウジング21から動力伝達装置10側へ向けて突出した円筒状のボス部22が固定されている。これにより、ロータ11は、圧縮機2のハウジング21に対して回転自在に固定されている。なお、ボス部22は、シャフト20におけるハウジング21の外側に露出した根元部分を覆っている。
また、端面部113における軸方向DRaxの一端側の外側面は、ロータ11と後述する従動側回転体13のアーマチュア14とが連結された際に、アーマチュア14に当接するロータ摩擦面110を構成している。
ロータ摩擦面110には、図3および図4に示すように、電磁石12への通電時に生ずる磁束の流れを遮断する磁気遮断部115が設けられている。磁気遮断部115は、シャフト20の軸心CLを中心とする円周方向に沿って延びている。
具体的には、ロータ摩擦面110には、磁気遮断部115として、外周側遮断部115aおよび外周側遮断部115aよりも内周側に位置付けられた内周側遮断部115bが設けられている。外周側遮断部115aは、軸方向DRaxに貫通するとともにロータ11の円周方向に沿って延びる円弧状の形状を有しており、ロータ摩擦面110に対して複数個形成されている。同様に、内周側遮断部115bは、軸方向DRaxに貫通するとともにロータ11の円周方向に沿って延びる円弧状の形状を有しており、ロータ摩擦面110に対して複数個形成されている。なお、外周側遮断部115aおよび内周側遮断部115bには、非磁性材で構成される部材が配置されていてもよい。
ロータ摩擦面110は、外周側遮断部115aの外周側に位置するロータ外周部位110a、内周側遮断部115bの内周側に位置するロータ内周部位110b、外周側遮断部115aと内周側遮断部115bとの間に介在する中間部位110cを有している。
ロータ外周部位110a、ロータ内周部位110b、および中間部位110cは、電磁石12への通電時に磁束が流れる磁気回路MCを構成する部位である。ロータ外周部位110aおよび中間部位110cは、外周側遮断部115aによって径方向DRrにおける磁束流れが遮断される。また、中間部位110cおよびロータ内周部位110bは、内周側遮断部115bによって径方向DRrにおける磁束流れが遮断される。
続いて、従動側回転体13は、図5および図6に示すように、アーマチュア14、ハブ15、板バネ16を含んで構成されている。アーマチュア14は、径方向DRrに広がるとともに、その中央部に表裏を貫通する貫通穴が形成された円環状の板部材である。
アーマチュア14は、ロータ11と同種の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で形成されている。アーマチュア14は、ロータ11とともに、電磁石12に通電された際に生じる磁気回路の一部を構成する。
アーマチュア14は、所定の微小間隙(例えば、0.5mm程度)を隔ててロータ摩擦面110に対向配置されている。アーマチュア14のうち、ロータ摩擦面110に対向する平坦部は、ロータ11とアーマチュア14とが連結された際に、ロータ摩擦面110に当接するアーマチュア摩擦面140を形成している。
アーマチュア摩擦面140には、電磁石12への通電時に生ずる磁束の流れを遮断する磁気遮断部としてアーマチュア側遮断部141が設けられている。このアーマチュア側遮断部141は、シャフト20の軸心CLを中心とする円周方向に沿って延びている。具体的には、アーマチュア側遮断部141は、軸方向DRaxに貫通するとともにアーマチュア14の円周方向に沿って延びる円弧状の形状を有しており、アーマチュア摩擦面140に対して複数個形成されている。
アーマチュア側遮断部141は、アーマチュア摩擦面140のうちロータ摩擦面110の中間部位110cに対向する中間対向部位140aに形成されている。この中間対向部位140aは、アーマチュア摩擦面140に向かってロータ摩擦面110の中間部位110cを軸方向DRaxに投影させた際の投影領域となる部位である。
アーマチュア摩擦面140は、アーマチュア側遮断部141の外周側に位置するアーマチュア外周部位140bおよびアーマチュア側遮断部141の内周側に位置するアーマチュア内周部位140cを有している。なお、中間対向部位140aは、アーマチュア外周部位140bおよびアーマチュア内周部位140cの双方に跨っている。
アーマチュア外周部位140bおよびアーマチュア内周部位140cは、電磁石12への通電時に磁束が流れる磁気回路MCを構成する部位である。アーマチュア外周部位140bおよびアーマチュア内周部位140cは、アーマチュア側遮断部141によって径方向DRrにおける磁束流れが遮断される。なお、アーマチュア外周部位140bは、リベット等の締結部材144により板バネ16の外周側に連結されている。
ハブ15は、板バネ16等を介してアーマチュア14を圧縮機2のシャフト20に連結する連結部材である。ハブ15は、鉄系の金属材料にて形成されている。本実施形態のハブ15は、図2、図6に示すように、円筒形状の筒状部151および連結用フランジ部152を有する。
筒状部151は、シャフト20に対して同軸となるように配置されている。筒状部151には、シャフト20の一端側を挿入可能な挿入穴が形成されている。この挿入穴は、シャフト20の軸方向DRaxに沿って延びる貫通穴で構成されている。本実施形態のハブ15およびシャフト20は、軸方向DRaxの一端側が筒状部151の挿入穴に挿入された状態でネジ等の締結部材によって連結されている。
筒状部151には、軸方向DRaxの一端側から径方向DRrの外側に広がる連結用フランジ部152が一体に形成されている。連結用フランジ部152は、径方向DRrに広がる円盤形状に構成されている。連結用フランジ部152は、図示しないリベット等の締結部材により後述する板バネ16の内周側に連結されている。
板バネ16は、アーマチュア14に対してロータ11から離れる方向に付勢力を作用させる部材である。動力伝達装置10では、電磁石12が非通電状態となっていて電磁吸引力を発生させていないときに、板バネ16の付勢力によって、アーマチュア摩擦面140とロータ摩擦面110との間に隙間が生ずる。板バネ16は、鉄系の金属材料にて形成された円形の板状部材で構成されている。
また、図示しないが、板バネ16とアーマチュア14との間には、板状の弾性部材が介在されている。板バネ16およびアーマチュア14は、弾性部材が介在された状態で締結部材144によって一体に連結されている。弾性部材は、板バネ16とアーマチュア14との間のトルク伝達機能を果たすとともに、振動抑制作用を果たす。弾性部材は、例えば、ゴム系の弾性材料で形成されている。
このように構成される動力伝達装置10は、電磁石12が非通電状態になっている場合、電磁石12の電磁吸引力が生じない。このため、アーマチュア14は、板バネ16の付勢力によってロータ11の端面部113から所定間隔離れた位置に保持される。
これにより、エンジン6からの回転駆動力は、Vベルト7を介してロータ11に伝達されるだけで、アーマチュア14およびハブ15へは伝達されず、ロータ11だけがボールベアリング19上で空転する。この結果、駆動対象装置である圧縮機2は停止した状態となる。
一方、動力伝達装置10は、電磁石12が通電状態になっている場合、図7に示すようにロータ11とアーマチュア14との間に極数が4極となる磁気回路MCが形成される。この磁気回路MCは、ロータ外周部位110aとアーマチュア外周部位140bとの間に第1極P1が形成され、中間部位110cとアーマチュア外周部位140bとの間に第2極P2が形成される。また、磁気回路MCは、中間部位110cとアーマチュア内周部位140cとの間に第3極P3が形成され、ロータ内周部位110bとアーマチュア内周部位140cとの間に第4極P4が形成される。
これにより、アーマチュア14は、磁気回路MCによって生ずる電磁吸引力によって板バネ16の付勢力に抗してロータ11の端面部113側に吸引され、ロータ11に吸着される。
この際、圧縮機2にシャフト20がロックする等の異常がなければ、ロータ11の回転がアーマチュア14および板バネ16を介してハブ15に伝達されることで、ハブ15が回転する。そして、ハブ15の回転が、圧縮機2のシャフト20に伝達されることで、圧縮機2が作動する。すなわち、エンジン6から出力された回転駆動力が、動力伝達装置10を介して圧縮機2に伝達されることで、圧縮機2が作動する。
一方、例えば、圧縮機2のシャフト20がロックしている場合には、シャフト20に連結されたハブ15が回転不能となるので、ロータ11だけが回転することになる。この際、ロータ11とアーマチュア14との間に生ずる摩擦熱によって、磁性材料で構成されたロータ摩擦面110およびアーマチュア摩擦面140に凝着が生じてしまうことがある。そして、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着によって生ずる溶融物が大きく成長すると、アーマチュア14がロータ11に張り付き易くなり、アーマチュア14をロータ11から切り離すことができなくなる可能性がある。
本発明者らの調査検討によれば、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着は、摩擦面同士が周方向において連続的に接する部位で特に生じ易いことが判っている。また、本発明者らは、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着によって生ずる溶融物が大きく成長する要因について検討した。この結果、図8に示すように、ロータ11に過大な圧縮荷重が作用した際、ロータ11の内周側がアーマチュア14に向かって膨出し、各摩擦面110、140の面圧が局所的に高くなることで、溶融物が内周側に偏ることが1つの要因となっていることが判った。また、各摩擦面110、140の内周側が外周側に比べて遅くなることで、各摩擦面110、140の内周側で溶融物が分断され難いことも1つの要因であることが判った。
これらを鑑み、本実施形態の動力伝達装置10では、図5に示すように、アーマチュア摩擦面140に対して内周側から外周側に向かって延びる複数のスリット溝部142を設けている。複数のスリット溝部142は、アーマチュア摩擦面140の周方向において等間隔に並ぶように放射状に形成されている。アーマチュア摩擦面140は、複数のスリット溝部142によって、周方向におけるロータ摩擦面110との接触が分断されている。
具体的には、アーマチュア摩擦面140には、24個のスリット溝部142が形成されている。これらのスリット溝部142は、ロータ摩擦面110から離れるように窪んだ有底溝で構成されている。スリット溝部142は、例えば、プレス加工によって形成される。なお、スリット溝部142の数は、24個に限らず、例えば、25個以上形成されていてもよい。
複数のスリット溝部142は、シャフト20の径方向DRrに沿って直線状に延びている。なお、複数のスリット溝部142は、一部または全体がシャフト20の径方向DRrと交差する方向に直線状に延びていたり、一部または全体が湾曲した形状となったりしてもよい。
また、複数のスリット溝部142は、溝幅および溝深さが略一定となっている。なお、複数のスリット溝部142は、溝幅および溝深さが外周側と内周側とで異なる寸法になっていてもよい。
さらに、複数のスリット溝部142は、その断面形状が矩形状となっている。なお、複数のスリット溝部142の断面形状は、矩形状に限らず、例えば、V字状または円弧状になっていてもよい。
ここで、図9は、本実施形態の比較例となる動力伝達装置CEの一部の断面を示す断面図である。図9に示す比較例の動力伝達装置CEは、アーマチュア摩擦面140に形成された複数のスリット溝部SGの形状が本実施形態と異なっている。なお、図9では、比較例の動力伝達装置CEにおける本実施形態の動力伝達装置10と同様の構成については本実施形態と共通の符号を付している。
図9に示すように、比較例の動力伝達装置CEでは、複数のスリット溝部SGがアーマチュア摩擦面140においてアーマチュア側遮断部141に跨るように、アーマチュア摩擦面140の内周側の端部から外周側の端部まで延びている。これによると、磁性材料で構成されたロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触が、複数のスリット溝部SGによって途切れるため、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着を抑えることが可能となる。
しかしながら、複数のスリット溝部SGがアーマチュア摩擦面140においてアーマチュア側遮断部141に跨るように形成されているため、磁気回路MCの各極P1〜P4それぞれにおけるロータ摩擦面110との接触面積が小さくなる。また、磁気回路MCの各極P1〜P4それぞれにおいてアーマチュア14の板厚が小さくなる。これにより、各極P1〜P4それぞれで磁束の流れが阻害される。すなわち、比較例の動力伝達装置CEでは、磁気回路MCにおける磁気抵抗が増大する。このことは、伝達トルクの大幅な減少を招く要因となることから好ましくない。
そこで、本実施形態では、複数のスリット溝部142を、アーマチュア摩擦面140のうち凝着が生じ易い領域であるアーマチュア内周部位140cに形成している。すなわち、複数のスリット溝部142は、アーマチュア摩擦面140の内側の端部を構成する内側端部143からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びている。換言すれば、複数のスリット溝部142は、その外側の端部である溝外端部142aが、アーマチュア摩擦面140のうちアーマチュア側遮断部141よりも内側に位置している。
具体的には、図7に示すように、複数のスリット溝部142は、アーマチュア摩擦面140において、内側端部143から中間対向部位140aの手前まで延びている。すなわち、複数のスリット溝部142は、その外側の端部である溝外端部142aが、アーマチュア摩擦面140のうち中間対向部位140aよりも内側に位置している。
このように構成される本実施形態の動力伝達装置10は、磁性材料で構成されたロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触が、複数のスリット溝部142によって途切れる。このため、動力伝達装置10では、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着を抑えることができる。また、動力伝達装置10は、各摩擦面110、140の間に凝着が生じたとしても、凝着によって生じた溶融物が複数のスリット溝部142で分断される。このため、各摩擦面110、140の凝着によって生ずる溶融物が各摩擦面110、140の内周側で大きく成長することを抑制できる。この結果、各摩擦面110、140の凝着の成長を抑制することができる。
加えて、本実施形態の動力伝達装置10では、複数のスリット溝部142は、アーマチュア摩擦面140において、内側端部143から中間対向部位140aの手前まで延びている。これによると、複数のスリット溝部142がアーマチュア摩擦面140においてアーマチュア側遮断部141を跨がない。このため、図7に示すように、アーマチュア外周部位140bとロータ摩擦面110との接触面積が確保されるとともに、アーマチュア外周部位140bの板厚についても充分に確保される。したがって、本実施形態の動力伝達装置10は、比較例の動力伝達装置CEと異なり、磁気回路MCの第1極P1、第2極P2、第3極P3で磁気抵抗が増大しない。この結果、本実施形態の動力伝達装置10は、比較例の動力伝達装置CEに比べて、伝達トルクの低下を抑制することができる。
以上説明した本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142がアーマチュア摩擦面140の内周側からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びている。これによると、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触が複数のスリット溝部142によって途切れるため、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えることができる。
加えて、アーマチュア摩擦面140におけるアーマチュア外周部位140bにおけるロータ摩擦面110との接触面積および板厚を充分に確保することができるので、複数のスリット溝部142に起因する磁気抵抗の増大が抑えられる。このため、アーマチュア摩擦面140に複数のスリット溝部142を設けることに伴う伝達トルクの低下を抑制することができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142が、アーマチュア摩擦面140の内周側から中間対向部位140aの手前まで延びている。これによると、磁気回路MCの第1極P1、第2極P2、第3極P3で磁気抵抗が増大しないので、複数のスリット溝部142に起因する磁気抵抗の増大を充分に抑えることができる。
ここで、アーマチュア摩擦面140における外周側の領域は、内周側の領域に比べて周速が速いため、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着による張り付きが生じ難い領域となる。逆に、アーマチュア摩擦面140における内周側の領域は、外周側の領域に比べて周速が遅いため、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着による張り付きが生じ易い領域となる。
これらを鑑みて、本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142が、アーマチュア摩擦面140の内側端部143からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びている。これによると、凝着が生じ易いロータ摩擦面110の内周側とアーマチュア摩擦面140の内周側との周方向の接触が複数のスリット溝部142によって途切れ易くなる。このため、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを充分に抑えることができる。
また、本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142をアーマチュア摩擦面140の内周側に偏って設けているので、アーマチュア14全体としての板厚を確保することができる。このため、複数のスリット溝部142をプレス加工等の簡易な加工手法によって形成することが可能となる。また、アーマチュア14全体としての板厚を確保可能となることで、プレス加工等を行う際のアーマチュア14の変形を充分に抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
上述の第1実施形態では、複数のスリット溝部142が、アーマチュア摩擦面140の内側端部143からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びるものを例示したが、これに限定されない。複数のスリット溝部142は、例えば、図10に示すように、アーマチュア摩擦面140の内側端部143の外側からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びように形成されていてもよい。
また、上述の第1実施形態の如く、複数のスリット溝部142が、アーマチュア摩擦面140の内周側から中間対向部位140aの手前まで延びているものを例示したが、これに限定されない。複数のスリット溝部142は、アーマチュア摩擦面140の内周側からアーマチュア側遮断部141の手前まで延びていれば、その一部が中間対向部位140aに存在していてもよい。これによっても、アーマチュア外周部位140bにおけるロータ摩擦面110との接触面積、およびアーマチュア外周部位140bの板厚を充分に確保することができ、少なくとも磁気回路MCの第1極P1および第2極P2で磁気抵抗が増大しない。このため、比較例の動力伝達装置CEに比べて伝達トルクの低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図11、図12を参照して説明する。本実施形態では、複数のスリット溝部142に異種材料17が配置されている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図12および図13に示すように、アーマチュア摩擦面140には、スリット溝部142の内部に、アーマチュア摩擦面140を構成する磁性材料とは異なる材料で構成された異種材料17が配置されている。なお、説明の便宜上、図11および図12では、異種材料17に対してドット柄のハッチングを付している。
異種材料17は、ロータ11およびアーマチュア14の凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤170で構成されている。凝着抑制剤170としては、例えば、極圧添加剤が添加されたグリスを採用することができる。なお、極圧添加剤は、摩擦熱によって極端に温度が上昇すると各摩擦面110、140と反応して潤滑膜を形成する添加剤である。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1実施形態と同様の構成を備えており、第1実施形態と同様の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142に異種材料17が配置されている。これによると、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触がアーマチュア14およびロータ11とは異なる異種材料17によって途切れるため、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えることができる。
また、異種材料17は、ロータ11およびアーマチュア14の凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤170で構成されている。これによると、複数のスリット溝部142が凝着抑制剤170を貯める貯留空間として機能するので、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えることができる。特に、凝着抑制剤170は、流動性を有しているので、慣性力やアーマチュア14の回転時の遠心力によってアーマチュア摩擦面140に拡がり易くなるので、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを充分に抑えることができる。また、複数のスリット溝部142は、アーマチュア側遮断部141に跨っていないので、凝着抑制剤170がアーマチュア側遮断部141から外部に漏れ出し難い。
(第2実施形態の変形例)
上述の第2実施形態では、複数のスリット溝部142に対して、異種材料17である流動性を有する凝着抑制剤170が配置されるものを例示したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142に対して、例えば、硬い金属、非金属、ワックス等の異種材料17が埋設される構成になっていてもよい。なお、各摩擦面110、140に形成される磁気回路MCの磁気抵抗を低減する観点では、異種材料17としてロータ11およびアーマチュア14を構成する磁性材料とは異なる磁性材料が採用されていることが望ましい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。本実施形態では、複数のスリット溝部116がロータ11側に設けられ、アーマチュア14側に設けられていない点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図13および図14に示すように、ロータ11は、ロータ摩擦面110に対して内周側から外周側に向かって延びる複数のスリット溝部116が設けられている。複数のスリット溝部116は、ロータ摩擦面110の周方向において等間隔に並ぶように放射状に形成されている。ロータ摩擦面110は、複数のスリット溝部116によって、周方向におけるアーマチュア摩擦面140との接触が分断されている。
具体的には、ロータ摩擦面110には、24個のスリット溝部116が形成されている。これらのスリット溝部116は、アーマチュア摩擦面140から離れるように窪んだ有底溝で構成されている。スリット溝部116は、例えば、プレス加工によって形成される。なお、スリット溝部116の数は、24個に限らず、例えば、25個以上形成されていてもよい。
複数のスリット溝部116は、シャフト20の径方向DRrに沿って直線状に延びている。なお、複数のスリット溝部116は、一部または全体がシャフト20の径方向DRrと交差する方向に直線状に延びていたり、一部または全体が湾曲した形状となったりしてもよい。
また、複数のスリット溝部116は、溝幅および溝深さが略一定となっている。なお、複数のスリット溝部116は、溝幅および溝深さが外周側と内周側とで異なる寸法になっていてもよい。
さらに、複数のスリット溝部116は、その断面形状が矩形状となっている。なお、複数のスリット溝部116の断面形状は、矩形状に限らず、例えば、V字状または円弧状になっていてもよい。
より具体的には、複数のスリット溝部116は、ロータ摩擦面110のうち凝着が生じ易い領域であるロータ内周部位110bに形成されている。すなわち、複数のスリット溝部116は、ロータ摩擦面110の内側の端部を構成する内側端部117から内周側遮断部115bの手前まで延びている。換言すれば、複数のスリット溝部116は、その外側の端部である溝外端部116aが、ロータ摩擦面110のうち内周側遮断部115bよりも内側に位置している。
ここで、図示しないが、本実施形態のアーマチュア14は、複数のスリット溝部142が省略されている。すなわち、本実施形態のアーマチュア摩擦面140には、複数のスリット溝部142が設けられていない。
このように構成される本実施形態の動力伝達装置10は、磁性材料で構成されたロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触が、複数のスリット溝部116によって途切れる。このため、動力伝達装置10では、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との凝着を抑えることができる。また、動力伝達装置10は、各摩擦面110、140の間に凝着が生じたとしても、凝着によって生じた溶融物が複数のスリット溝部116で分断される。このため、各摩擦面110、140の凝着によって生ずる溶融物が各摩擦面110、140の内周側で大きく成長することを抑制できる。この結果、各摩擦面110、140の凝着の成長を抑制することができる。
加えて、本実施形態の動力伝達装置10では、複数のスリット溝部116は、ロータ摩擦面110において、内側端部117から内周側遮断部115bの手前まで延びている。これによると、複数のスリット溝部116がロータ摩擦面110において内周側遮断部115bを跨がない。このため、本実施形態の動力伝達装置10では、図15に示すように、磁気回路MCの第1極P1、第2極P2、第3極P3で磁気抵抗が増大しないので、伝達トルクの低下を抑制することができる。
以上説明した本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部116がロータ摩擦面110の内周側から内周側遮断部115bの手前まで延びている。これによると、第1実施形態と同様に、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えつつ、複数のスリット溝部116に起因する伝達トルクの低下を充分に抑制することができる。
特に、動力伝達装置10は、複数のスリット溝部116が、ロータ摩擦面110の内側端部117から内周側遮断部115bの手前まで延びている。これによると、凝着が生じ易いロータ摩擦面110の内周側とアーマチュア摩擦面140の内周側との周方向の接触が複数のスリット溝部116によって途切れ易くなる。このため、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを充分に抑えることができる。
(第3実施形態の変形例)
上述の第3実施形態では、複数のスリット溝部116が、ロータ摩擦面110の内側端部117から内周側遮断部115bの手前まで延びるものを例示したが、これに限定されない。複数のスリット溝部116は、例えば、ロータ摩擦面110の内側端部117の外側から内周側遮断部115bの手前まで延びように形成されていてもよい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図16、図17を参照して説明する。本実施形態では、複数のスリット溝部116に異種材料18が配置されている点が第3実施形態と相違している。本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について主に説明し、第3実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図16および図17に示すように、ロータ摩擦面110には、スリット溝部116の内部に、ロータ摩擦面110を構成する磁性材料とは異なる材料で構成された異種材料18が配置されている。なお、説明の便宜上、図16および図17では、異種材料18に対してドット柄のハッチングを付している。
異種材料18は、第2実施形態と同様に、ロータ11およびアーマチュア14の凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤180で構成されている。なお、凝着抑制剤180としては、例えば、極圧添加剤が添加されたグリスを採用することができる。
その他の構成は、第3実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第3実施形態と同様の構成を備えており、第3実施形態と同様の構成から奏される作用効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、複数のスリット溝部142に異種材料17が配置されている。これによると、ロータ摩擦面110とアーマチュア摩擦面140との周方向の接触がアーマチュア14およびロータ11とは異なる異種材料18によって途切れるため、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えることができる。
また、異種材料18は、ロータ11およびアーマチュア14の凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤180で構成されている。これによると、複数のスリット溝部142が凝着抑制剤180を貯める貯留空間として機能するので、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを抑えることができる。特に、凝着抑制剤180は、流動性を有しているので、慣性力やアーマチュア14の回転時の遠心力によってロータ摩擦面110に拡がり易くなるので、各摩擦面110、140に凝着が生ずることを充分に抑えることができる。また、複数のスリット溝部116は、外周側遮断部115aや内周側遮断部115bに跨っていないので、凝着抑制剤180が各遮断部115a、115bから外部に漏れ出し難い。
(第4実施形態の変形例)
上述の第4実施形態では、複数のスリット溝部116に対して、異種材料18である流動性を有する凝着抑制剤180が配置されるものを例示したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、複数のスリット溝部116に対して、例えば、硬い金属、非金属、ワックス等の異種材料18が埋設される構成になっていてもよい。なお、各摩擦面110、140に形成される磁気回路MCの磁気抵抗を低減する観点では、異種材料18としてロータ11およびアーマチュア14を構成する磁性材料とは異なる磁性材料が採用されていることが望ましい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、図18を参照して説明する。本実施形態では、ロータ摩擦面110およびアーマチュア摩擦面140の双方に複数のスリット溝部116、142が設けられている点が第1実施形態と相違している。本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
図18に示すように、動力伝達装置10には、ロータ摩擦面110およびアーマチュア摩擦面140の双方に複数のスリット溝部116、142が設けられている。ロータ摩擦面110に設けられた複数のスリット溝部116は、第3実施形態で説明したものと同様に構成されている。また、アーマチュア摩擦面140に設けられた複数のスリット溝部142は、第1実施形態で説明したものと同様に構成されている。
本実施形態の動力伝達装置10は、ロータ摩擦面110およびアーマチュア摩擦面140の双方に複数のスリット溝部116、142が設けられているので、伝達トルクの低下を抑えつつ、各摩擦面110、140の凝着を抑制することができる。
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、ロータ摩擦面110に第3実施形態で説明した複数のスリット溝部116が設けられ、アーマチュア摩擦面140に第1実施形態で説明した複数のスリット溝部142が設けられている例について説明したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、第2実施形態や第4実施形態で説明したように複数のスリット溝部116、142に異種材料17、18が配置されていてもよい。
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の実施形態では、複数のスリット溝部116、142が有底溝で構成される例について説明したが、これに限定されない。複数のスリット溝部116、142は、例えば、ロータ11およびアーマチュア14の表裏を貫通する貫通溝で構成されていてもよい。なお、複数のスリット溝部116、142を貫通溝で構成する場合、複数のスリット溝部116、142を有底溝で構成する場合に比べて、ロータ11およびアーマチュア14のうち磁気回路MCを形成する部位の体積が減少する。このため、複数のスリット溝部116、142は、有底溝で構成することが望ましい。
上述の実施形態では、アーマチュア14が単一の円環状の板部材で構成される例について説明したが、これに限定されない。アーマチュア14は、複数の部材を組み合せたもので構成されていてもよい。例えば、アーマチュア14は、扇形状の板材を円環状となるように継ぎ合わせたもので構成することも可能である。この場合、板材同士の継ぎ目のうち、内周側に隙間が生ずる構成とし、当該隙間によってアーマチュア摩擦面140に複数のスリット溝142が形成される構成になっていてもよい。
同様に、ロータ11の端面部113は、複数の部材を組み合せたもので構成されていてもよい。例えば、ロータ11の端面部113は、扇形状の板材を円環状となるように継ぎ合わせたもので構成することも可能である。この場合、板材同士の継ぎ目のうち、内周側に隙間が生ずる構成とし、当該隙間によってロータ摩擦面110に複数のスリット溝116が形成される構成になっていてもよい。
上述の実施形態では、アーマチュア14とハブ15とが板バネ16を介して連結される構成について説明したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、例えば、ゴム等の弾性部材を介してアーマチュア14とハブ15とが連結される構成となっていてもよい。
上述の実施形態では、本開示の動力伝達装置10をエンジン6から圧縮機2への回転駆動力の断続に適用した例について説明したが、これに限定されない。本開示の動力伝達装置10は、例えば、エンジン6や電動モータ等の駆動源と回転駆動力によって作動する発電機との動力伝達の断続させる装置にも適用可能である。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、動力伝達装置は、ロータ摩擦面およびアーマチュア摩擦面のうち少なくとも一方の摩擦面に、内周側から磁気遮断部の手前まで延びる複数のスリット溝部が形成されている。
第2の観点によれば、動力伝達装置は、複数のスリット溝部が、一方の摩擦面における内周側の端部から磁気遮断部の手前まで延びている。このように、複数のスリット溝部を一方の摩擦面における内周側の端部から磁気遮断部の手前まで延びるように形成すれば、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との周方向の接触が複数のスリット溝部によって途切れ易くなる。このため、各摩擦面に凝着が生ずることを充分に抑えることができる。
第3の観点によれば、動力伝達装置は、複数のスリット溝部がアーマチュア摩擦面に形成され、アーマチュア摩擦面における内周側からアーマチュア摩擦面に設けられた磁気遮断部の手前まで延びている。このように、アーマチュア摩擦面に対して複数のスリット溝部が設けられていれば、伝達トルクの低下を抑えつつ、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との凝着を抑制することができる。
第4の観点によれば、動力伝達装置は、ロータ摩擦面に磁気遮断部として外周側遮断部および外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部が設けられるとともに、外周側遮断部と内周側遮断部との間に中間部位が介在している。アーマチュア摩擦面には、中間部位に対向する中間対向部位に磁気遮断部を構成するアーマチュア側遮断部が設けられている。そして、複数のスリット溝部は、アーマチュア摩擦面における内周側から中間対向部位の手前まで延びている。
このように、複数のスリット溝部をアーマチュア摩擦面における内周側から中間対向部位の手前まで延びる形状とすれば、複数のスリット溝部に起因する磁気抵抗の増大を充分に抑えられる。この結果、複数のスリット溝部を設けることに伴う伝達トルクの低下を抑制することができる。
第5の観点によれば、動力伝達装置は、複数のスリット溝部が、ロータ摩擦面に形成され、ロータ摩擦面における内周側からロータ摩擦面に設けられた磁気遮断部の手前まで延びている。このように、ロータ摩擦面に対して複数のスリット溝部が設けられていれば、伝達トルクの低下を抑えつつ、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との凝着を抑制することができる。
第6の観点によれば、動力伝達装置は、ロータ摩擦面に磁気遮断部として外周側遮断部および外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部が設けられるとともに、外周側遮断部と内周側遮断部との間に中間部位が介在している。アーマチュア摩擦面には、中間部位に対向する中間対向部位に磁気遮断部を構成するアーマチュア側遮断部が設けられている。複数のスリット溝部は、ロータ摩擦面における内周側から内周側遮断部の手前まで延びている。
このように、複数のスリット溝部をロータ摩擦面における内周側から内周側遮断部の手前まで延びる形状とすれば、複数のスリット溝部に起因する磁気抵抗の増大を充分に抑えられる。この結果、複数のスリット溝部を設けることに伴う伝達トルクの低下を抑制することができる。
第7の観点によれば、動力伝達装置は、ロータ摩擦面に磁気遮断部として外周側遮断部および外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部が設けられている。アーマチュア摩擦面には、磁気遮断部としてアーマチュア側遮断部が設けられている。複数のスリット溝部は、ロータ摩擦面およびアーマチュア摩擦面の双方に形成されている。ロータ摩擦面に形成された複数のスリット溝部は、ロータ摩擦面における内周側から内周側遮断部の手前まで延びている。そして、アーマチュア摩擦面に形成された複数のスリット溝部は、アーマチュア摩擦面における内周側からアーマチュア側遮断部の手前まで延びている。このように、ロータ摩擦面に対して複数のスリット溝部が設けられていれば、伝達トルクの低下を抑えつつ、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との凝着を抑制することができる。
第8の観点によれば、動力伝達装置は、複数のスリット溝部にアーマチュアを構成する磁性材料およびロータを構成する磁性材料とは異なる異種材料が配置されている。これによっても、ロータ摩擦面とアーマチュア摩擦面との周方向の接触がアーマチュアおよびロータとは異なる異種材料によって途切れるため、各摩擦面に凝着が生ずることを抑えることができる。
第9の観点によれば、動力伝達装置は、異種材料がロータおよびアーマチュアの凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤で構成されている。これによると、ロータおよびアーマチュアとの各摩擦面に凝着が生ずることを抑えることができる。また、複数のスリット溝部は、磁気遮断部に跨っていないので、凝着抑制剤が磁気遮断部から漏れ出し難い。
10 動力伝達装置
11 ロータ
110 ロータ摩擦面
115 磁気遮断部
12 電磁石
14 アーマチュア
140 アーマチュア摩擦面
141 アーマチュア側遮断部
142 複数のスリット溝部
MC 磁気回路

Claims (9)

  1. 駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置であって、
    磁性材料で構成され、前記回転駆動力によって前記駆動対象装置のシャフト(20)の軸心(CL)を中心に回転するロータ(11)と、
    磁性材料で構成され、前記駆動対象装置に対して連結されるとともに前記ロータに対して所定の隙間をあけて配置されるアーマチュア(14)と、
    通電時に前記ロータと前記アーマチュアとを経由する磁気回路(MC)を形成して前記アーマチュアを前記ロータに吸引させる電磁吸引力を発生させる電磁石(12)と、を備え、
    前記ロータは、前記電磁石への通電時に前記アーマチュアに当接するロータ摩擦面(110)を有しており、
    前記アーマチュアは、前記電磁石への通電時に前記ロータ摩擦面に当接するアーマチュア摩擦面(140)を有しており、
    前記ロータ摩擦面および前記アーマチュア摩擦面それぞれには、前記軸心を中心とする円周方向に沿って延びるとともに前記電磁石への通電時に生ずる磁束の流れを遮断する磁気遮断部(115、141)が設けられており、
    前記ロータ摩擦面および前記アーマチュア摩擦面のうち少なくとも一方の摩擦面には、前記一方の摩擦面における内周側から前記一方の摩擦面に設けられた前記磁気遮断部の手前まで延びる複数のスリット溝部(116、142)が形成されている動力伝達装置。
  2. 前記複数のスリット溝部は、前記一方の摩擦面における内周側の端部(117、143)から前記一方の摩擦面に設けられた前記磁気遮断部の手前まで延びている請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記複数のスリット溝部(142)は、前記アーマチュア摩擦面に形成され、前記アーマチュア摩擦面における内周側から前記アーマチュア摩擦面に設けられた前記磁気遮断部の手前まで延びている請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記ロータ摩擦面には、前記磁気遮断部として外周側遮断部(115a)および前記外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部(115b)が設けられるとともに、前記外周側遮断部と前記内周側遮断部との間に中間部位(110c)が介在しており、
    前記アーマチュア摩擦面には、前記中間部位に対向する中間対向部位(140a)に前記磁気遮断部を構成するアーマチュア側遮断部(141)が設けられており、
    前記複数のスリット溝部は、前記アーマチュア摩擦面における内周側から前記中間対向部位の手前まで延びている請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記複数のスリット溝部(116)は、前記ロータ摩擦面に形成され、前記ロータ摩擦面における内周側から前記ロータ摩擦面に設けられた前記磁気遮断部の手前まで延びている請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  6. 前記ロータ摩擦面には、前記磁気遮断部として外周側遮断部(115a)および前記外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部(115b)が設けられるとともに、前記外周側遮断部と前記内周側遮断部との間に中間部位(110c)が介在しており、
    前記アーマチュア摩擦面には、前記中間部位に対向する中間対向部位(140a)に前記磁気遮断部を構成するアーマチュア側遮断部(141)が設けられており、
    前記複数のスリット溝部(116)は、前記ロータ摩擦面における内周側から前記内周側遮断部の手前まで延びている請求項5に記載の動力伝達装置。
  7. 前記ロータ摩擦面には、前記磁気遮断部として外周側遮断部(115a)および前記外周側遮断部よりも内周側に位置付けられた内周側遮断部(115b)が設けられており、
    前記アーマチュア摩擦面には、前記磁気遮断部としてアーマチュア側遮断部(141)が設けられており、
    前記複数のスリット溝部は、前記ロータ摩擦面および前記アーマチュア摩擦面の双方に形成され、
    前記ロータ摩擦面に形成された前記複数のスリット溝部(116)は、前記ロータ摩擦面における内周側から前記内周側遮断部の手前まで延びており、
    前記アーマチュア摩擦面に形成された前記複数のスリット溝部(142)は、前記アーマチュア摩擦面における内周側から前記アーマチュア側遮断部の手前まで延びている請求項1または2に記載の動力伝達装置。
  8. 前記複数のスリット溝部には、前記アーマチュアを構成する磁性材料および前記ロータを構成する磁性材料とは異なる異種材料(17、18)が配置されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の動力伝達装置。
  9. 前記異種材料は、前記ロータおよび前記アーマチュアの凝着を抑える流動性を有する凝着抑制剤(170、180)で構成されている請求項8に記載の動力伝達装置。
JP2018113706A 2018-06-14 2018-06-14 動力伝達装置 Pending JP2019215064A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018113706A JP2019215064A (ja) 2018-06-14 2018-06-14 動力伝達装置
PCT/JP2019/020447 WO2019239837A1 (ja) 2018-06-14 2019-05-23 動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018113706A JP2019215064A (ja) 2018-06-14 2018-06-14 動力伝達装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019215064A true JP2019215064A (ja) 2019-12-19

Family

ID=68842552

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018113706A Pending JP2019215064A (ja) 2018-06-14 2018-06-14 動力伝達装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2019215064A (ja)
WO (1) WO2019239837A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS636224A (ja) * 1986-06-24 1988-01-12 Taiho Kogyo Co Ltd 電磁クラツチ装置
JPH0519671U (ja) * 1991-08-22 1993-03-12 株式会社ゼクセル マグネツトクラツチ
JP2003314584A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電磁クラッチ
JP2015203462A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社デンソー クラッチ

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS636224A (ja) * 1986-06-24 1988-01-12 Taiho Kogyo Co Ltd 電磁クラツチ装置
JPH0519671U (ja) * 1991-08-22 1993-03-12 株式会社ゼクセル マグネツトクラツチ
JP2003314584A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 電磁クラッチ
JP2015203462A (ja) * 2014-04-15 2015-11-16 株式会社デンソー クラッチ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019239837A1 (ja) 2019-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014076867A1 (ja) クラッチ機構
JP6260423B2 (ja) クラッチ
WO2019239837A1 (ja) 動力伝達装置
WO2019216070A1 (ja) 電磁クラッチ
JP6645415B2 (ja) 動力伝達装置
WO2018110167A1 (ja) 動力伝達装置
JP6256119B2 (ja) 摩擦クラッチ
JP6680272B2 (ja) 動力伝達装置
JP6569600B2 (ja) クラッチおよびその製造方法
JP5910472B2 (ja) クラッチ機構
JP2020176710A (ja) 動力断続装置
JPH1047383A (ja) 電磁クラッチ
JP2019124267A (ja) トルク伝達装置
JP2008025598A (ja) 電磁クラッチ
JP5949500B2 (ja) クラッチ機構
JP6747399B2 (ja) 動力伝達装置
JP6606972B2 (ja) 動力伝達装置
JP5974864B2 (ja) クラッチ機構
WO2016103665A1 (ja) 電磁クラッチおよびその製造方法
JP2020118183A (ja) クラッチの製造方法
JP2018132105A (ja) 動力伝達装置
JP2019124304A (ja) 電磁クラッチ
JP2017219092A (ja) 動力伝達装置
JP2017207090A (ja) 動力伝達装置
JP2016121802A (ja) 電磁クラッチおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210420

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211116