JP2017219092A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動側回転体の外形状によらず従動側回転体の脱落を防止可能としつつ、従動側回転体およびシャフトの摩耗を防止可能な動力伝達装置を提供する。
【解決手段】動力伝達装置10は、従動側回転体13を構成するインナーハブ15に、プーリ11から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して従動側回転体13をシャフト20から切り離す破断部155が設けられている。また、シャフト20には、破断部155の破断によってシャフト20から切り離された従動側回転体13を保持する脱落防止部材であるハブホルダ24が連結されている。そして、ハブホルダ24と従動側回転体13との間には、従動側回転体13を回転可能に支持する軸受部25が設けられている。
【選択図】図2
【解決手段】動力伝達装置10は、従動側回転体13を構成するインナーハブ15に、プーリ11から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して従動側回転体13をシャフト20から切り離す破断部155が設けられている。また、シャフト20には、破断部155の破断によってシャフト20から切り離された従動側回転体13を保持する脱落防止部材であるハブホルダ24が連結されている。そして、ハブホルダ24と従動側回転体13との間には、従動側回転体13を回転可能に支持する軸受部25が設けられている。
【選択図】図2
Description
本発明は、駆動源から出力される回転駆動力を駆動対象装置に伝達する動力伝達装置に関する。
従来、車両用空調装置の圧縮機は、駆動源であるエンジンからの駆動力の断続を、動力伝達装置である電磁クラッチを用いて行うものがある。この種の動力伝達装置は、駆動源から出力される回転駆動力によって回転する駆動側回転体、駆動側回転体と連結されることによって回転する従動側回転体、および駆動側回転体と従動側回転体とを連結する電磁力を発生させる電磁石を有している。
このように構成される動力伝達装置において、従動側回転体に対して圧縮機のシャフトがロックした際に破断するリミッタを設けると共に、リミッタが破断した際に従動側回転体の脱落を防止するカバーを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、特許文献1に記載の動力伝達装置では、従動側回転体の脱落を防止するカバーを駆動側回転体の外周側に対して固定する構成となっており、駆動側回転体の外形状に合わせた形状のカバーを用意する必要がある。このため、駆動側回転体の外形状(例えば、外径、溝形状)が変更されると、それに合わせてカバーの形状を変更する必要がある。このことは、製造コストが高くなる要因となることから好ましくない。
さらに、特許文献1に記載の動力伝達装置では、リミッタが破断した際に、従動側回転体が駆動側回転体に連結されている場合、従動側回転体とシャフトとの回転差によって、従動側回転体およびシャフトの双方が摩耗してしまうことが懸念される。このような摩耗は、意図しない不具合の発生要因となることから好ましくない。
本発明は上記点に鑑みて、駆動側回転体の外形状によらず従動側回転体の脱落を防止可能としつつ、従動側回転体およびシャフトの摩耗を防止可能な動力伝達装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置を対象としている。
請求項1に記載の動力伝達装置は、回転駆動力によって回転する駆動側回転体(11)と、駆動側回転体に連結されることによって駆動対象装置のシャフト(20)と共に回転する従動側回転体(13)と、を備える。また、動力伝達装置は、従動側回転体を駆動側回転体に連結させる電磁力を発生させる電磁石(12)を備える。
従動側回転体には、駆動側回転体から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して従動側回転体をシャフトから切り離す破断部(155)が設けられている。また、シャフトには、破断部の破断によってシャフトから切り離された従動側回転体を保持する脱落防止部材(24)が連結されている。そして、脱落防止部材と従動側回転体との間には、従動側回転体を回転可能に支持する軸受部(25)が設けられている。
これによると、破断部が破断した際に従動側回転体を保持する脱落防止部材をシャフトに連結する構成としているので、駆動側回転体の外形状によらず、従動側回転体の脱落を防止することができる。
さらに、本構成では、脱落防止部材と従動側回転体との間に、従動側回転体を回転可能に支持する軸受部を設けている。このため、破断部が破断した際に従動側回転体が駆動側回転体に連結されていたとしても、従動側回転体が軸受部にて回転可能に支持されるので、従動側回転体およびシャフトの摩耗を防止することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
以下、発明を実施する形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。本実施形態では、図1に示す蒸気圧縮式の冷凍サイクル1の圧縮機2に対して、動力伝達装置10を適用した例について説明する。
本実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。本実施形態では、図1に示す蒸気圧縮式の冷凍サイクル1の圧縮機2に対して、動力伝達装置10を適用した例について説明する。
冷凍サイクル1は、車室内の空調を行う車両用空調装置において車室内へ送風する空気の温度を調整する装置として機能する。冷凍サイクル1は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱させる放熱器3、放熱器3から流出した冷媒を減圧する膨張弁4、膨張弁4で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器5が環状に接続された閉回路で構成されている。
圧縮機2には、動力伝達装置10を介してエンジン6から出力される回転駆動力が伝達される。圧縮機2としては、例えば、斜板式可変容量型の圧縮機を採用することができる。なお、圧縮機2としては、回転駆動力の伝達により冷凍サイクル1の冷媒を圧縮して吐出するものであれば、他の形式の可変容量型の圧縮機や、スクロール型、ベーン型などの固定容量型の圧縮機が採用されていてもよい。
本実施形態の圧縮機2は、シャフト20の一端側が、図示しないハウジングの外側に露出している。そして、動力伝達装置10は、シャフト20における外側に露出した部位に取り付けられている。シャフト20は、圧縮機2の外殻を構成する図示しないハウジングとの間に、ハウジングの内部の冷媒がシャフト20とハウジングとの隙間から漏れないように、リップシール等のシール部材が介在されている。シール部材は、シャフト20とハウジングとの間において高いシール性が得られるように材料、形状等が最適化されている。
続いて、動力伝達装置10は、車両走行用の駆動源であるエンジン6から出力される回転駆動力を駆動対象装置である圧縮機2へ断続的に伝達する装置である。動力伝達装置10は、Vベルト7を介してエンジン6の回転出力部6aに接続されている。
図2は、動力伝達装置10を圧縮機2のシャフト20の軸方ADに沿って切断した際の断面図である。図2では、説明の便宜上、シャフト20における二点鎖線で囲む部分について断面形状を図示し、シャフト20における二点鎖線で囲む部分以外について外形状を図示している。なお、図2に示すADは、シャフト20の軸心CLに沿って延びる方向として規定した軸方向を示している。また、図2に示すRDは、軸方向ADと直交する方向として規定した径方向を示している。なお、これらのことは、図2以外の図面においても同様である。
図2に示すように、動力伝達装置10は、プーリ11、プーリ11に連結されることによって圧縮機2のシャフト20と共に回転する従動側回転体13、従動側回転体13とプーリ11とを連結させる電磁力を発生させる電磁石12を有する。
プーリ11は、エンジン6から出力される回転駆動力によって回転する駆動側回転体を構成する。本実施形態のプーリ11は、外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113を有する。
外側円筒部111は、円筒形状に構成されており、シャフト20に対して同軸上に配置されている。内側円筒部112は、円筒形状に構成されており、外側円筒部111の内周側に配置されると共に、シャフト20に対して同軸上に配置されている。
端面部113は、外側円筒部111と内側円筒部112の軸方向ADの一端側同士を結ぶ連結部である。端面部113は、円盤形状に構成されている。すなわち、端面部113は、シャフト20の径方向RDに広がると共に、その中央部に表裏を貫通する円形状の貫通穴が形成されている。
本実施形態のプーリ11は、シャフト20の軸方向ADの断面がC字形状となっている。そして、外側円筒部111と内側円筒部112との間には、端面部113を底面部とする円環状の空間が形成されている。
外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間は、シャフト20に対して同軸上となっている。外側円筒部111と内側円筒部112との間に形成される空間には、電磁石12が配置されている。
ここで、電磁石12は、ステータ121、およびステータ121の内部に配置されたコイル122等を有する。ステータ121は、鉄等の強磁性材料で環状に形成されている。コイル122は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂材料でモールディングされた状態でステータ121に固定されている。なお、電磁石12への通電は、図示しない空調制御装置から出力される制御電圧によって行われる。
外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、鉄等の強磁性材料で一体的に形成されている。外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、電磁石12に通電することによって生じる磁気回路の一部を構成する。
外側円筒部111の外周側には、複数のV字状の溝が形成された樹脂製のV溝部114が形成されている。V溝部114には、エンジン6から出力される回転駆動力を伝達するVベルト7が掛け渡されている。
内側円筒部112の内周側には、ボールベアリング17の外周側が固定されている。そして、ボールベアリング17の内周側には、図示しない圧縮機2の外殻を構成するハウジングから動力伝達装置10側へ向けて突出した円筒状のボス部22が固定されている。これにより、プーリ11は、圧縮機2のハウジングに対して回転自在に固定されている。なお、ボス部22は、シャフト20におけるハウジングの外側に露出した根元部分を覆っている。
また、端面部113における軸方向ADの一端側の外側面は、プーリ11と後述する従動側回転体13のアーマチュア14が連結された際に、アーマチュア14と接触する摩擦面を形成している。
本実施形態では、図示しないが、端面部113の表面の一部に、端面部113の摩擦係数を増加させるための摩擦部材を配置している。この摩擦部材は、非磁性材料で形成される。摩擦部材としては、アルミナを樹脂で固めたものや、アルミニウム等の金属粉末の焼結体等を採用することができる。
続いて、従動側回転体13は、アーマチュア14、インナーハブ15、板バネ16等を有している。アーマチュア14は、径方向RDに広がると共に、その中央部に表裏を貫通する貫通穴が形成された円環状の板部材である。
アーマチュア14は、鉄等の強磁性材料で形成されている。アーマチュア14は、プーリ11と共に、電磁石12に通電された際に生じる電磁力の磁気回路の一部を構成する。
アーマチュア14は、所定の微小間隙(例えば、0.5mm程度)を隔ててプーリ11の端面部113に対向配置されている。アーマチュア14のうち、プーリ11の端面部113に対向する平坦部は、プーリ11とアーマチュア14とが連結された際に、端面部113と接触する摩擦面を形成している。
また、本実施形態のアーマチュア14は、径方向RDの中間部分に磁気遮断用の溝部141が形成されている。この溝部141は、アーマチュア14の円周方向に沿って延びる円弧状の形状で複数個形成されている。本実施形態のアーマチュア14は、溝部141の外周側に位置する外周部142と、溝部141の内周側に位置する内周部143とに区分される。アーマチュア14の外周部142は、リベット等の締結部材18により後述する板バネ16の外周環状部162に接続されている。
インナーハブ15は、アーマチュア14と圧縮機2のシャフト20とを連結する連結部材を構成する。インナーハブ15は、鉄系の金属材料にて形成されている。本実施形態のインナーハブ15は、円筒形状の筒状部151および連結用フランジ部152を有する。
筒状部151は、シャフト20に対して同軸上に配置されている。筒状部151には、シャフト20の一端側の連結用端部21を挿入可能な挿入穴151aが形成されている。挿入穴151aは、シャフト20の軸方向ADに沿って延びる貫通穴で構成されている。
本実施形態のインナーハブ15およびシャフト20は、シャフト20の軸方向ADの一端側の連結用端部21が筒状部151の挿入穴151aに挿入された状態でネジ部30によって連結されている。本実施形態のネジ部30は、駆動側回転体であるプーリ11の回転方向と同一方向のトルクによって締まるように構成されている。なお、インナーハブ15およびシャフト20の締結構造については、後述する。
筒状部151には、筒状部151の軸方向ADの一端側から径方向RDの外側に広がる連結用フランジ部152が一体に形成されている。連結用フランジ部152は、シャフト20の径方向RDに広がる円盤形状に構成されている。連結用フランジ部152は、リベット等の締結部材19により後述する板バネ16の内周環状部161に接続されている。
板バネ16は、アーマチュア14に対してプーリ11から離れる方向に付勢力を作用させる部材である。この付勢力によって、電磁石12が非通電状態となっていて電磁力を発生させていないときには、アーマチュア14の平坦部とプーリ11の端面部113との間に隙間が生ずる。
板バネ16は、鉄系の金属材料にて構成される円形の板状部材である。板バネ16は、中心部が開口した内周環状部161、内周環状部161の径方向RDの外側に配置された外周環状部162を有する。前述の如く、板バネ16は、内周環状部161がインナーハブ15の連結用フランジ部152に接続され、外周環状部162がアーマチュア14の外周部142に接続されている。
内周環状部161と外周環状部162との間には、複数の開口窓部163が形成されている。複数の開口窓部163は、板バネ16の円周方向に等間隔に形成されている。なお、図示しないが、板バネ16のうち、複数の開口窓部163それぞれの間には、シャフト20の径方向RDに延びる連結部が形成される。この連結部によって、内周環状部161と外周環状部162とが一体に連結されている。
また、図示しないが、板バネ16とアーマチュア14との間には、板状の弾性部材が介在されている。この弾性部材および締結部材18によって、板バネ16の外周環状部162とアーマチュア14の外周部142との間が一体に結合されている。弾性部材は、板バネ16とアーマチュア14との間のトルク伝達機能を果たすと共に、振動抑制作用を果たすゴム系の弾性材である。
次に、従動側回転体13を構成するインナーハブ15とシャフト20との締結構造について、図3を参照して説明する。図3は、図2におけるインナーハブ15およびシャフト20の締結箇所を拡大させた軸方向断面図である。
図3に示すように、本実施形態のネジ部30は、インナーハブ15の筒状部151の挿入穴151aにおける内周側に形成された雌ネジ31、およびシャフト20の連結用端部21の外周側に形成されて雌ネジ31に螺合する雄ネジ32で構成されている。雄ネジ32が形成されたシャフト20の連結用端部21は、所定の締付トルクで雌ネジ31が形成されたインナーハブ15の筒状部151に締結されている。
本実施形態の筒状部151の挿入穴151aは、雌ネジ31が形成された雌ネジ形成部位151bと雌ネジ形成部位151bよりも根元側の根元部位151cとの間に、内径が縮小された縮小部151dが設けられている。なお、本実施形態の挿入穴151aにおける根元部位151cは、連結用フランジ部152側の部位である。
本実施形態の縮小部151dは、雌ネジ形成部位151bに連なる段差面151eが、シャフト20の連結用端部21の先端部位211の先端面211aに対向するように、その内径がシャフト20の連結用端部21の外径よりも小さくなっている。本実施形態では、縮小部151dの段差面151eが、ネジ部30を締め付けた際に連結用端部21に当接する当接部を構成している。
また、インナーハブ15の連結用フランジ部152は、筒状部151の根元部位151cからシャフト20の径方向外側に延びている。連結用フランジ部152は、ネジ部30を締め付ける際の六角ナットとして機能するように、その外形状が六角形状に形成されている。
続いて、本実施形態のシャフト20は、連結用端部21の外周側に、雌ネジ31に螺合する雄ネジ32が形成されている。本実施形態の連結用端部21は、雄ネジ32が形成された雄ネジ形成部位212よりも先端側の先端部位211が筒状部151の挿入穴151aから突き出ない長さに構成されている。そして、連結用端部21は、先端部位211の先端面211aが、筒状部151の縮小部151dの段差面151eに対向している。
本実施形態の連結用端部21の先端面211aには、シャフト20の軸方向ADに窪んだ有底円柱状の凹部213が形成されている。この凹部213は、シャフト20に対して後述するハブホルダ24を連結するために設けられている。
本実施形態のインナーハブ15およびシャフト20は、ネジ部30を締め付けた際に、連結用端部21の先端面211aが、後述するシム23を介して筒状部151の縮小部151dの段差面151eに当接する構造となっている。そして、本実施形態のシャフト20は、雄ネジ32が形成された連結用端部21の先端面211aにて、ネジ部30を締め付ける際に生ずる軸力を受ける構造となっている。
具体的には、ネジ部30を締め付ける際に生ずる軸力は、雄ネジ32が形成された連結用端部21を圧縮するように作用し、雌ネジ31が形成された筒状部151を引っ張るように作用する。これにより、本実施形態のインナーハブ15およびシャフト20は、シャフト20がロックした際に、シャフト20の連結用端部21に圧縮応力が作用しつつ、インナーハブ15の筒状部151に引張応力が作用する構造となっている。本実施形態では、連結用端部21の先端面211aがネジ部30を締め付ける際に生ずる軸力を受ける軸力受部を構成している。
また、本実施形態では、連結用端部21の先端面211aと筒状部151の縮小部151dの段差面151eとの間に、円環板状のシム23が挟み込まれている。シム23は、アーマチュア14におけるシャフト20の軸方向ADの位置を調整する調整部材として機能する。シム23の厚みは、電磁石12が非通電状態となった際にプーリ11とアーマチュア14との間に適切な隙間が形成され、電磁石12が通電状態となった際にプーリ11とアーマチュア14とが連結されるように設定されている。シム23は、例えば、SK5等の合金鋼を焼き入れ、焼き戻し等によって硬化させたものが採用されている。
さらに、本実施形態の従動側回転体13には、駆動側回転体であるプーリ11から伝達されるトルクが所定トルク以上となった際に、軸力によって破断して従動側回転体13をシャフト20から切り離す破断部155が設けられている。
本実施形態の破断部155は、従動側回転体13のインナーハブ15の筒状部151のうち、ネジ部30を締め付けた際に引張応力が作用する部位に形成されている。より具体的には、本実施形態の破断部155は、ネジ部30を締め付けた際に引張応力が作用する縮小部151dと雌ネジ形成部位151bとの間に形成されている。本実施形態の破断部155は、その外径が雌ネジ形成部位151bの外径に比べて小さい薄肉部で構成されている。
ここで、本実施形態のシャフト20には、インナーハブ15の破断部155の破断した際に、従動側回転体13が脱落することを防止するハブホルダ24が連結されている。本実施形態では、ハブホルダ24が、インナーハブ15の破断部155が破断してシャフト20から切り離された従動側回転体13を保持する脱落防止部材を構成している。
ハブホルダ24は、図4に示すように、シャフト20の軸方向ADに延びると共にシャフト20に対して連結された連結部241、および連結部241からシャフト20の径方向RDの外側に延びるストッパ部242を有している。
図3に戻り、ハブホルダ24は、連結部241がシャフト20の連結用端部21に形成された凹部213に挿入された状態でネジ締結されることで、シャフト20に対して連結されている。なお、ハブホルダ24は、ネジ締結に限らず、連結部241がシャフト20の連結用端部21に形成された凹部213に対して圧入されることで、シャフト20に対して連結されていてもよい。
ハブホルダ24の連結部241には、連結部241の軸方向ADの一端側から径方向RDの外側に広がるストッパ部242が一体に形成されている。ストッパ部242は、インナーハブ15の破断部155の破断によってシャフト20から切り離された従動側回転体13とシャフト20の軸方向ADに当接するようにシャフト20の軸方向において従動側回転体13に対向配置されている。具体的には、ストッパ部242は、インナーハブ15の外側壁面に対向するように連結部241に対して立設されている。
本実施形態のハブホルダ24は、図5に示すように、ストッパ部242の中央部分に、シャフト20の軸方向ADに窪んだ凹部242aが設けられている。この凹部242aの内形状は、ハブホルダ24をシャフト20に締結する際に利用する六角棒レンチ等の締め付け工具が係合可能な六角形状に形成されている。
また、本実施形態のハブホルダ24の連結部241とインナーハブ15の根元部位151cとの間には、従動側回転体13を回転可能に支持する軸受部25が設けられている。この軸受部25は、インナーハブ15の破断部155が破断した際に、従動側回転体13とシャフト20との回転差によって、従動側回転体13およびシャフト20の双方が摩耗することを抑えるために設けられている。
本実施形態の軸受部25は、シャフト20の径方向RDにおいて、連結部241および従動側回転体13それぞれに重なり合うように、連結部241およびインナーハブ15の根元部位151cの間に設けられている。本実施形態の軸受部25は、インナーハブ15の根元部位151cの内周側、またはハブホルダ24の連結部241の外周側に圧入固定されている。
本実施形態の軸受部25は、表面が潤滑性を有する材料で構成された円環状のすべり軸受けで構成されている。なお、軸受部25は、すべり軸受けに限らず、転がり軸受けで構成されていてもよい。
次に、本実施形態の動力伝達装置10の作動を説明する。電磁石12が非通電状態になっている場合には、電磁石12の電磁力が生じない。このため、アーマチュア14は、板バネ16の付勢力によってプーリ11の端面部113から所定間隔離れた位置に保持される。
これにより、エンジン6からの回転駆動力はVベルト7を介してプーリ11に伝達されるだけで、アーマチュア14およびインナーハブ15へは伝達されず、プーリ11だけがボールベアリング17上で空転する。このため、駆動対象装置である圧縮機2は停止した状態となる。
これに対して、電磁石12が通電状態になっている場合には、電磁石12の電磁力が発生する。当該電磁力によって、アーマチュア14が板バネ16の付勢力に抗してプーリ11の端面部113側に吸引されることで、アーマチュア14がプーリ11に吸着される。これにより、プーリ11の回転がアーマチュア14へ伝達されて、板バネ16、インナーハブ15を構成する従動側回転体13が回転する。
この際、圧縮機2のシャフト20がロックしていなければ、インナーハブ15の回転が、圧縮機2のシャフト20に伝達されることで、圧縮機2が作動する。すなわち、エンジン6から出力された回転駆動力が、動力伝達装置10を介して圧縮機2に伝達されることで、圧縮機2が作動する。
一方、圧縮機2のシャフト20がロックしている場合には、インナーハブ15が回転することで、ネジ部30に過大なトルクが発生して過度に締め付けられる。そして、シャフト20とインナーハブ15には、過大な軸力が作用する。
この際、インナーハブ15の筒状部151には、圧縮応力ではなく、図6の白抜き矢印で示すように引張応力Ftが作用する。また、シャフト20の連結用端部21には、引張応力ではなく、図6の黒矢印で示すように圧縮応力Fcが作用する。
このように、本実施形態の動力伝達装置10は、圧縮機2のシャフト20がロックしたとしても、雄ネジ32が形成された連結用端部21に対して引張応力が作用しない構造となっている。
また、圧縮機2のシャフト20がロックしてインナーハブ15に対して過大な引張応力が作用すると、図7に示すように、インナーハブ15の筒状部151の破断部155が破断する。
この際、破断部155の破断によってシャフト20から切り離されたインナーハブ15は、シャフト20から離れるように移動したとしても、ハブホルダ24のストッパ部242に当接する。すなわち、本実施形態の動力伝達装置10は、破断部155が破断したとしても従動側回転体13が脱落しない構造となっている。
また、破断部155の破断によってシャフト20から切り離されたインナーハブ15は、ハブホルダ24の連結部241との間に設けられた軸受部25によって回転可能に支持される。このため、破断部155が破断した際に従動側回転体13と駆動側回転体であるプーリ11とが連結されていたとしても、従動側回転体13が軸受部25に回転可能に支持されるので、従動側回転体13およびシャフト20の摩耗を防止することができる。
以上説明した本実施形態の動力伝達装置10は、インナーハブ15の筒状部151における引張応力が作用する部位に破断部155を設ける構成としている。これによると、シャフト20がロックした際に破断部155に引張応力が作用するので、シャフト20がロックした際に、従動側回転体13をシャフト20から適切に切り離すことができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、破断部155が破断した際に従動側回転体13を保持するハブホルダ24をシャフト20に対して連結している。これによると、駆動側回転体であるプーリ11の外形状によらず、従動側回転体13の脱落を防止することができる。
また、本実施形態の動力伝達装置10では、ハブホルダ24と従動側回転体13との間に、従動側回転体13を回転可能に支持する軸受部25を設けている。このため、破断部155が破断した際に従動側回転体13がプーリ11に連結されていたとしても、従動側回転体13が軸受部25にて回転可能に支持されるので、従動側回転体13およびシャフト20の摩耗を防止することができる。
さらに、本実施形態の動力伝達装置10は、シャフト20がロックした際にネジ部30が締め付けられたとしても、ネジ部30の締め付けに伴う引張応力が、雄ネジ32が形成された連結用端部21ではなく、雌ネジ31が形成された筒状部151に作用する。
このように、本実施形態の動力伝達装置10では、シャフト20がロックした際にシャフト20に引張応力が作用しない構造となっているので、シャフト20がロックした際に生ずる引張応力からシャフト20を保護することができる。
ここで、従来の動力伝達装置は、連結用端部21における雄ネジ形成部位212の外径を雄ネジ形成部位212よりも根元側の部位の外径に比べて小さくし、雄ネジ形成部位212と根元側の部位とを繋ぐ段部で軸力を受ける構成となっていた。
このように構成される従来の動力伝達装置では、連結用端部21に作用する軸力に対する強度を高くするために、雄ネジ形成部位212の外径を大きくすると、雄ネジ形成部位212よりも根元側の部位の外径をさらに大きくする必要がある。すなわち、従来の動力伝達装置では、連結用端部21に作用する軸力に対する強度を高くするために、雄ネジ形成部位212の外径を大きくすると、シャフト20全体の外径が大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、連結用端部21の先端面211aが軸力を受ける軸力受部となっており、従来の動力伝達装置の如く、雄ネジ形成部位212と根元側の部位との間に段部を設ける必要がない。
このため、本実施形態の動力伝達装置10では、軸力が作用する連結用端部21の雄ネジ形成部位212の外径を雄ネジ形成部位212よりも根元側の部位の外径と同程度とすることができる。つまり、本実施形態の動力伝達装置10では、シャフト20全体の外径を大きくすることなく、従来の動力伝達装置に比べて、連結用端部21に作用する軸力に対する強度を高くすることが可能となっている。
ところで、前述したように、圧縮機2のハウジングとシャフト20との間には、シール性を高めるために、材料、形状等が最適化されたリップシール等のシール部材が介在されている。
このため、圧縮機2では、引張応力に対する強度を高めるために、シャフト20の外径を大きくすると、それに合わせてハウジングとシャフト20との隙間が変化してしまうことで、シール部材のシール性を新たに最適化する必要が生ずる。すなわち、シャフト20の外径を大きくすると、それに伴って駆動対象装置である圧縮機2の構成要素も再設計する必要があり、ロバスト性に欠けてしまう。
これに対して、本実施形態の動力伝達装置10は、シャフト20全体の外径を大きくすることなく、連結用端部21の強度を高くすることが可能となっている。このため、本実施形態の動力伝達装置10は、圧縮機2の構成要素(例えば、シール部材)における変更箇所が増加してしまうことを抑えることができる。
また、本実施形態の動力伝達装置10は、連結用端部21の先端部位211の先端面211aで軸力受部を構成しているので、新たな部材を追加することなく、簡素な構成でシャフト20がロックした際に生ずる引張応力からシャフト20を保護可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態のインナーハブ15およびシャフト20の締結箇所を拡大させた軸方向断面図である。なお、図8では、説明の便宜上、ハブホルダ24について断面形状ではなく外形状を図示している。
次に、第2実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態のインナーハブ15およびシャフト20の締結箇所を拡大させた軸方向断面図である。なお、図8では、説明の便宜上、ハブホルダ24について断面形状ではなく外形状を図示している。
本実施形態の動力伝達装置10は、従動側回転体13とハブホルダ24との間に形成される隙間を介して、異物や水等が軸受部25に侵入することを抑えることが可能な構造となっている。
本実施形態のインナーハブ15の連結用フランジ部152には、シャフト20の軸方向ADにおいて、ハブホルダ24のストッパ部242に対向する部位に、シャフト20の軸方向ADに窪んだ円環状の溝部152aが形成されている。
また、本実施形態のハブホルダ24のストッパ部242には、連結用フランジ部152の溝部152aに対向する部位に、溝部152aと接触しないようにシャフト20の軸方向ADに突出する円環状の突起部242bが形成されている。
そして、本実施形態の従動側回転体13とハブホルダ24との間には、連結用フランジ部152の溝部152aおよびストッパ部242の突起部242bによって、ラビリンス状の隙間が形成されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
特に、本実施形態の動力伝達装置10は、従動側回転体13とハブホルダ24との間に、連結用フランジ部152の溝部152aおよびストッパ部242の突起部242bによって、ラビリンス状の隙間が形成されている。このため、本実施形態の動力伝達装置10では、異物や水等の侵入を防止するための専用部品を追加することなく、軸受部25に異物や水等が侵入してしまうことを抑えることができる。
ここで、本実施形態では、連結用フランジ部152に形成された溝部152a、およびストッパ部242に形成された突起部242bによって、軸受部25への異物や水等の侵入を抑える構造を例示したが、これに限定されない。軸受部25への異物や水等の侵入を抑える構造は、例えば、連結用フランジ部152に形成された突起部、ストッパ部242に形成された溝部によって構成されていてもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図9、図10を参照して説明する。図9、図10に示すように、本実施形態のハブホルダ24のストッパ部242は、連結部241をシャフト20の凹部213に連結する際の六角ナットとして機能するように、その外形状が六角形状に形成されている。なお、本実施形態のストッパ部242には、第1実施形態で説明した凹部242aが設けられていない。
次に、第3実施形態について、図9、図10を参照して説明する。図9、図10に示すように、本実施形態のハブホルダ24のストッパ部242は、連結部241をシャフト20の凹部213に連結する際の六角ナットとして機能するように、その外形状が六角形状に形成されている。なお、本実施形態のストッパ部242には、第1実施形態で説明した凹部242aが設けられていない。
その他の構成は、第1、第2実施形態と同様である。本実施形態の動力伝達装置10は、第1、第2実施形態と共通の構成から奏される作用効果を第1、第2実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、ハブホルダ24が、シャフト20に連結された連結部241、および連結部241からシャフト20の径方向RDの外側に延びるストッパ部242を有する構成となっている例を説明したが、これに限定されない。
動力伝達装置10は、例えば、シャフト20の連結用端部21が連結用フランジ部152から突き出る長さに設定されている場合、ハブホルダ24を、連結用端部21の外周に設けられてシャフト20の径方向RDの外側に延びる円環状の部材で構成してもよい。
上述の各実施形態の如く、動力伝達装置10は、シャフト20がロックした際にネジ部30の締め付けに伴う引張応力が、雌ネジ31が形成されたインナーハブ15側に作用する構造とすることが望ましいが、これに限定されない。
動力伝達装置10は、例えば、シャフト20がロックした際にネジ部30の締め付けに伴う引張応力が、雄ネジ32が形成されたシャフト20側に作用する構造となっていてもよい。
上述の各実施形態では、アーマチュア14とインナーハブ15とが板バネ16で連結された構成について説明したが、これに限定されない。動力伝達装置10は、例えば、ゴム等の弾性部材によってアーマチュア14とインナーハブ15とが連結された構成となっていてもよい。
上述の各実施形態では、本発明の動力伝達装置10をエンジン6から圧縮機2への回転駆動力の断続に適用した例について説明したが、これに限定されない。本発明の動力伝達装置10は、例えば、エンジン6や電動モータ等の駆動源と回転駆動力によって作動する発電機との動力伝達の断続させる装置に適用してもよい。
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、動力伝達装置は、従動側回転体に、駆動側回転体から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して従動側回転体をシャフトから切り離す破断部が設けられている。
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、動力伝達装置は、従動側回転体に、駆動側回転体から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して従動側回転体をシャフトから切り離す破断部が設けられている。
また、第2の観点によれば、動力伝達装置は、脱落防止部材が、シャフトの軸方向に延びると共にシャフトに連結された柱状の連結部、連結部からシャフトの径方向外側に延びるストッパ部を有している。そして、ストッパ部は、破断部の破断によってシャフトから切り離された従動側回転体とシャフトの軸方向に当接するように、シャフトの軸方向において従動側回転体に対向配置されている。
これによると、破断部の破断によってシャフトから切り離された従動側回転体は、シャフトの軸方向においてストッパ部に当接するので、従動側回転体の脱落を防止することができる。
また、第3の観点によれば、動力伝達装置は、軸受部が、シャフトの径方向において連結部および従動側回転体それぞれに重なり合うように、連結部と従動側回転体との間に設けられている。そして、従動側回転体およびストッパ部は、一方の部材における他方の部材に対向する部位にシャフトの軸方向に窪んだ溝部が設けられ、他方の部材における溝部に対向する部位に、溝部と接触しないようにシャフトの軸方向に突出する突起部が設けられている。
これによると、従動側回転体とストッパ部との間には、溝部および突起部によってラビリンス状の隙間が形成されるので、異物や水の侵入を防止するための専用部品を追加することなく、軸受部に異物や水が侵入してしまうことを抑えることができる。
また、第4の観点によれば、動力伝達装置は、従動側回転体が、電磁力によって駆動側回転体側に吸入されるアーマチュアと、アーマチュアからシャフトにトルクを伝達するインナーハブと、を有している。
シャフトは、インナーハブに設けられた筒状部の内部に挿入された状態で、駆動側回転体の回転方向と同一方向のトルクによって締まるネジ部によって連結されている。また、ネジ部は、筒状部の内周側に形成された雌ネジ、およびシャフトの外周側に形成されて雌ネジと螺合する雄ネジを含んで構成されている。
さらに、シャフトには、インナーハブに設けられた当接部に当接すると共にネジ部が締まることで生ずる軸力を受ける軸力受部が設けられている。そして、軸力受部は、シャフトがロックした際にネジ部が締まることによってシャフトに圧縮応力が作用しつつ筒状部に引張応力が作用するように、シャフトにおける雄ネジが形成された雄ネジ形成部位よりも先端側の先端部位に設定されている。
これによれば、シャフトがロックした際にネジ部が締め付けられたとしても、ネジ部の締め付けに伴う引張応力が、シャフトではなく、インナーハブの筒状部に作用する。このため、シャフト全体の外径を大きくすることなく、シャフトがロックした際に生ずる引張応力からシャフトを保護することができる。
また、第5の観点によれば、動力伝達装置は、破断部が、筒状部における引張応力が作用する部位に形成されている。これによると、シャフトがロックした際に破断部に引張応力が作用する構成となっているので、シャフトがロックした際に従動側回転体をシャフトから適切に切り離すことができる。
11 プーリ(駆動側回転体)
12 電磁石
13 従動側回転体
155 破断部
2 圧縮機(駆動対象装置)
20 シャフト
24 ハブホルダ(脱落防止部材)
25 軸受部
12 電磁石
13 従動側回転体
155 破断部
2 圧縮機(駆動対象装置)
20 シャフト
24 ハブホルダ(脱落防止部材)
25 軸受部
Claims (5)
- 駆動源(6)から出力される回転駆動力を駆動対象装置(2)に伝達する動力伝達装置であって、
前記回転駆動力によって回転する駆動側回転体(11)と、
前記駆動側回転体に連結されることによって前記駆動対象装置のシャフト(20)と共に回転する従動側回転体(13)と、
前記従動側回転体を前記駆動側回転体に連結させる電磁力を発生させる電磁石(12)と、を備え、
前記従動側回転体には、前記駆動側回転体から伝達されるトルクが所定トルク以上となったときに軸力によって破断して前記従動側回転体を前記シャフトから切り離す破断部(155)が設けられており、
前記シャフトには、前記破断部の破断によって前記シャフトから切り離された前記従動側回転体を保持する脱落防止部材(24)が連結されており、
前記脱落防止部材と前記従動側回転体との間には、前記従動側回転体を回転可能に支持する軸受部(25)が設けられている動力伝達装置。 - 前記脱落防止部材は、前記シャフトの軸方向に延びると共に前記シャフトに連結された柱状の連結部(241)、前記連結部から前記シャフトの径方向外側に延びるストッパ部(242)を有しており、
前記ストッパ部は、前記破断部の破断によって前記シャフトから切り離された前記従動側回転体と前記シャフトの軸方向に当接するように、前記シャフトの軸方向において前記従動側回転体に対向配置されている請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記軸受部は、前記シャフトの径方向において前記連結部および前記従動側回転体それぞれに重なり合うように、前記連結部と前記従動側回転体との間に設けられており、
前記従動側回転体および前記ストッパ部のうち、一方の部材には、他方の部材に対向する部位に前記シャフトの軸方向に窪んだ溝部(152a)が設けられており、
前記他方の部材には、前記溝部に対向する部位に、前記溝部と接触しないように前記シャフトの軸方向に突出する突起部(242b)が設けられている請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記従動側回転体は、前記電磁力によって前記駆動側回転体側に吸入されるアーマチュア(14)と、前記アーマチュアから前記シャフトにトルクを伝達するインナーハブ(15)と、を有しており、
前記シャフトは、前記インナーハブに設けられた筒状部の内部に挿入された状態で、前記駆動側回転体の回転方向と同一方向のトルクによって締まるネジ部(30)によって連結されており、
前記ネジ部は、前記筒状部の内周側に形成された雌ネジ(31)、および前記シャフトの外周側に形成されて前記雌ネジと螺合する雄ネジ(32)を含んで構成されており、
前記シャフトには、前記インナーハブに設けられた当接部(151e)に当接すると共に前記ネジ部が締まることで生ずる軸力を受ける軸力受部(211a)が設けられており、
前記軸力受部は、前記シャフトがロックした際に前記ネジ部が締まることによって前記シャフトに圧縮応力が作用しつつ前記筒状部に引張応力が作用するように、前記シャフトにおける前記雄ネジが形成された雄ネジ形成部位(212)よりも先端側の先端部位(211)に設定されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の動力伝達装置。 - 前記破断部は、前記筒状部における前記引張応力が作用する部位に形成されている請求項4に記載の動力伝達装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016112948A JP2017219092A (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 動力伝達装置 |
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JP2016112948A JP2017219092A (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 動力伝達装置 |
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Family Applications (1)
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JP2016112948A Pending JP2017219092A (ja) | 2016-06-06 | 2016-06-06 | 動力伝達装置 |
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JP (1) | JP2017219092A (ja) |
-
2016
- 2016-06-06 JP JP2016112948A patent/JP2017219092A/ja active Pending
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