JP2020176710A - 動力断続装置 - Google Patents

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謙大 中
Yoshihiro Naka
謙大 中
智之 水口
Tomoyuki Mizuguchi
智之 水口
陽介 中村
Yosuke Nakamura
陽介 中村
聡 川上
Satoshi Kawakami
聡 川上
悟史 伊波
Satoshi Inami
悟史 伊波
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Abstract

【課題】動力伝達を行う摩擦面に発生しうる錆による不具合を防止することが可能な動力断続装置を提供する。【解決手段】アーマチュア14の従動側摩擦面140には、クラッチ径方向の内側から従動側摩擦面140の外周端146まで延伸したアーマチュア溝147aが形成されている。そして、アーマチュア溝147aは、駆動側摩擦面と従動側摩擦面140とが密着した状態では、クラッチ径方向の外側へ向けて開放された空洞になる。そのため、動力断続装置の係合作動時または解放作動時における従動側摩擦面140と駆動側摩擦面とが相対回転しつつ接触する瞬間に、アーマチュア14の溝形成部147で、駆動側摩擦面に発生した錆を削り取ることができる。従って、アーマチュア溝147aを設けるといった簡素な構造で、駆動側摩擦面に発生しうる錆に起因した例えば伝達トルクの低下等の不具合を防止することが可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、動力伝達を断続する動力断続装置に関するものである。
この種の動力断続装置として、例えば特許文献1に記載された動力伝達装置が従来から知られている。この特許文献1に記載された動力伝達装置は、空調用の圧縮機とエンジンとの間で動力を伝達するクラッチである。また、特許文献1の動力伝達装置は、電磁石とロータとアーマチュアとを備えている。
特許文献1の動力伝達装置において、アーマチュアは、電磁石への通電時にはその電磁石の電磁吸引力によってロータに連結され、その一方で、電磁石への非通電時にはロータから切り離される。また、アーマチュアにはアーマチュア側摩擦面が形成されており、そのアーマチュア側摩擦面は、電磁石への通電時に、ロータに形成されたロータ側摩擦面に当接する。
更に、アーマチュア側摩擦面には、内周側から外周側に向かってスリット状に延びる複数の溝部が形成されている。そして、その複数の溝部にはそれぞれ、アーマチュア側摩擦面を構成する材料とは異なる材料で構成された異種材が充填されている。この異種材もアーマチュア側摩擦面と共に、電磁石への通電時にはロータ側摩擦面に当接する。
特開2018−96524号公報
近年、エンジンの燃費向上を目的として、フロントグリルからタイヤハウスに風が抜ける流路が形成されておりエンジンが強制的に冷却される車両が増加している。また、コストダウンを目的として、アンダーカバーが廃止または簡素化された車両も増加している。
これらの車両では、空調用の圧縮機とエンジンとの間で動力を伝達するクラッチなどの動力断続装置が、被水しやすい環境に置かれる場合がある。そのように動力断続装置が被水しやすい環境に置かれると、動力断続装置のうち動力伝達を行う摩擦面が腐食しやすくなると考えられる。要するに、その摩擦面が被水に起因して錆びやすくなると考えられる。
そして、その摩擦面の腐食が進行すると、動力断続装置において互いに摩擦接触する部材間の係合トルクが低下し、それに伴って、例えばクラッチ滑りと呼ばれるような不具合が発生する可能性がある。しかしながら、上述した特許文献1は、これに対し有効な技術を提供するものではなかった。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものであり、動力伝達を行う摩擦面に発生しうる錆による不具合を防止することが可能な動力断続装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の動力断続装置は、
駆動源(93)から駆動対象装置(91)への動力伝達を断続する動力断続装置であって、
回転軸心(CL)まわりに回転可能に支持され、回転軸心の軸方向(Dax)の一方側を向いた駆動側摩擦面(110)を有し、回転軸心の周方向(Dc)の一方側へ駆動源によって回転させられる駆動側回転部(11)と、
回転軸心まわりに回転可能に支持され、駆動側摩擦面に対向する従動側摩擦面(140)を有し、駆動対象装置を回転させる従動側回転部(13)とを備え、
駆動側回転部は、従動側摩擦面が駆動側摩擦面に摩擦接触させられることで従動側回転部に対して動力伝達可能になる一方で、従動側摩擦面が駆動側摩擦面から離されることで従動側回転部に対して動力伝達不能になり、
従動側摩擦面は、回転軸心の径方向(Dr)の外側に外周端(146)を有し、
従動側摩擦面には、径方向の内側から外周端まで延伸した溝(147a)が形成されており、
上記溝は、径方向に沿って直線的に延伸し、または、径方向の外側ほど周方向の一方側とは反対の他方側へずれるように径方向の内側から外側へ延伸しており、
上記溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では、径方向の外側へ向けて開放された空洞になる。
これにより、従動側摩擦面が駆動側摩擦面に接触させられる接触作動時および従動側摩擦面が駆動側摩擦面から離される遮断作動時に、従動側回転部のうち溝が形成された溝形成部で、駆動側摩擦面に発生した錆を削り取ることができる。従って、溝を設けるといった簡素な構造で、駆動側摩擦面に発生しうる錆に起因した不具合を防止することが可能である。
そして、従動側摩擦面の溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では、上記径方向の外側へ向けて開放された空洞になるので、削り取られた錆を溝にある程度溜めることができる。更に、従動側回転部の回転による遠心力を利用して上記径方向の外側へ向けて、溝内に溜まった錆を排出することができる。
また、上述のように、従動側摩擦面の溝は、上記径方向に沿って直線的に延伸し、または、径方向の外側ほど上記周方向の他方側へずれるように径方向の内側から外側へ延伸している。従って、例えば溝が上記径方向の外側ほど上記周方向の一方側へずれるように径方向の内側から外側へ延伸した形状である場合と比較して、溝内に溜まった錆が従動側回転部の回転による遠心力によって上記径方向の外側へ送られる作用を大きく得ることができる。すなわち、溝内に溜まった錆を上記径方向の外側へ向けて排出するという作用効果を大きく得ることができる。
また、請求項3に記載の動力断続装置は、
駆動源(93)から駆動対象装置(91)への動力伝達を断続する動力断続装置であって、
回転軸心(CL)まわりに回転可能に支持され、回転軸心の軸方向(Dax)の一方側を向いた駆動側摩擦面(110)を有し、回転軸心の周方向(Dc)の一方側へ駆動源によって回転させられる駆動側回転部(11)と、
回転軸心まわりに回転可能に支持され、駆動側摩擦面に対向する従動側摩擦面(140)を有し、駆動対象装置を回転させる従動側回転部(13)とを備え、
駆動側回転部は、従動側摩擦面が駆動側摩擦面に摩擦接触させられることで従動側回転部に対して動力伝達可能になる一方で、従動側摩擦面が駆動側摩擦面から離されることで従動側回転部に対して動力伝達不能になり、
駆動側摩擦面は、回転軸心の径方向(Dr)の外側に外周端(117)を有し、
駆動側摩擦面には、径方向の内側から外周端まで延伸した溝(118a)が形成されており、
上記溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では空洞になる。
これにより、上記接触作動時および遮断作動時に、駆動側回転部のうち溝が形成された溝形成部で、従動側摩擦面に発生した錆を削り取ることができる。従って、溝を設けるといった簡素な構造で、従動側摩擦面に発生しうる錆に起因した不具合を防止することが可能である。
そして、駆動側摩擦面の溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では空洞になるので、削り取られた錆を溝にある程度溜めることができる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態において動力断続装置とエンジンとの接続関係を模式的に図示した模式図である。 第1実施形態の動力断続装置と圧縮機とを模式的に図示した模式図である。 第1実施形態においてロータを抜粋して示した模式的な正面図であって、クラッチ軸方向の一方側から他方側へ向かう方向視でロータを示した図である。 図3のIV−IV断面を示した断面図である。 第1実施形態において従動側回転部を抜粋して示した模式的な正面図であって、クラッチ軸方向の他方側から一方側へ向かう方向視で従動側回転部を示した図である。 図5のVI−VI断面を示した断面図である。 図5のVII−VII断面を示した断面図である。 第1実施形態において、電磁石の非通電状態でのアーマチュア溝およびその周辺を示した断面図であって、駆動側摩擦面に錆が発生した状況を模式的に示した図である。 第1実施形態において、電磁石の通電状態でのアーマチュア溝およびその周辺を示した断面図であって、図8の錆が削り取られアーマチュア溝内に溜まった状況を模式的に示した図である。 第2実施形態において、クラッチ軸方向の他方側から一方側へ向かう方向視で従動側回転部を模式的に示した図であって、図5に相当する図である。 第3実施形態において、クラッチ軸方向の一方側から他方側へ向かう方向視でロータを模式的に示した図であって、図3に相当する図である。 図11のXII−XII断面を示した断面図である。 第4実施形態において、クラッチ軸方向の一方側から他方側へ向かう方向視でロータを模式的に示した図であって、図11に相当する図である。 車両のうちエンジンルームを含む前方部分を模式的に示した図であって、エンジンルーム下部にアンダーカバーが設けられた車両を示した図である。 車両のうちエンジンルームを含む前方部分を模式的に示した図であって、エンジンルーム下部のアンダーカバーが廃止された車両を示した図である。
実施形態の説明に先立って、先ず、近年の車両90の構成について説明する。図14、図15に示すように、空調用の圧縮機91と、その圧縮機91とエンジン93との間の動力伝達を断続する動力断続装置10は、エンジン93と共にエンジンルーム94内に配置される。
従来の車両90では、図14に示すように、アンダーカバー901がエンジンルーム94の下部にも設けられ、路面側から動力断続装置10への被水がそのアンダーカバー901によって防止されていた。
しかし、近年、図15に示すように、エンジンルーム94の下部のアンダーカバー901がコストダウン等を目的として廃止または簡素化された車両90が増加している。そして、そのようにアンダーカバー901が廃止または簡素化された車両90では、動力断続装置10が被水しやすい環境に置かれる場合がある。その場合、動力断続装置10には、動力伝達を行う摩擦面の錆に対する対策が必要であると考えられる。
このような点に鑑みて、以下に説明する実施形態の動力断続装置10は構成されている。
以下、図面を参照しながら、実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本実施形態の動力断続装置10は、圧縮機91とエンジン93との間の動力伝達経路の一部を構成している。その圧縮機91は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルに含まれ、その冷凍サイクルにおいて循環する冷媒を圧縮する。
その圧縮機91を含む冷凍サイクルは、車室内の空調を行う車両用空調装置において車室内へ送風する空気の温度を調整する装置として機能する。冷凍サイクルは、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機91、その圧縮機91から吐出された冷媒を放熱させる放熱器、その放熱器から流出した冷媒を減圧する膨張弁、その膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器が環状に接続された閉回路で構成されている。
圧縮機91には、エンジン93から出力される動力すなわち回転駆動力が、Vベルト932と動力断続装置10とを介して伝達される。本実施形態では、エンジン93が、回転駆動力を出力する駆動源であり、圧縮機91が、その回転駆動力を受ける駆動対象装置である。
圧縮機91としては、例えば、斜板式可変容量型の圧縮機を採用することができる。なお、圧縮機91としては、冷凍サイクルの冷媒を圧縮して吐出するものであれば、他の形式の可変容量型の圧縮機や、スクロール型、ベーン型などの固定容量型の圧縮機が採用されてもよい。
圧縮機91は、圧縮機回転軸911と、圧縮機91の外殻を構成するハウジング912とを有している。その圧縮機回転軸911の一端側は、ハウジング912の外側に露出している。そして、動力断続装置10は、圧縮機回転軸911におけるハウジング912の外側に露出した部位に取り付けられている。その圧縮機回転軸911には、ハウジング912の内部の冷媒が圧縮機回転軸911とハウジング912との隙間から漏れないように、図示しないリップシール等のシール部材が取り付けられている。
動力断続装置10は、車両走行用の駆動源でもあるエンジン93から駆動対象装置としての圧縮機91への動力伝達を断続する装置である。要するに、動力断続装置10は、エンジン93と圧縮機91との間で動力を伝達するクラッチである。動力断続装置10は、Vベルト932を介してエンジン93の回転出力部931に接続されている。
ここで、図2では、動力断続装置10の内部構成を図示するために動力断続装置10について片側断面図で示している。図2の矢印Daxは、動力断続装置10の回転軸心CLの軸方向Daxを示し、図2の矢印Drは、その軸方向Daxと直交する回転軸心CLの径方向Drを示している。これらのことは、図2以外の図面においても同様である。
また、圧縮機回転軸911は、動力断続装置10の回転軸心CLまわりに回転するので、その回転軸心CLは圧縮機回転軸911の回転軸心でもある。また、本実施形態では、クラッチである動力断続装置10の回転軸心CLはクラッチ軸心CLとも称され、その回転軸心CLの軸方向Daxはクラッチ軸方向Daxとも称され、その回転軸心CLの径方向Drはクラッチ径方向Drとも称される。
図2に示すように、動力断続装置10は、ロータ11と、そのロータ11に連結されることによって圧縮機回転軸911と共に回転する従動側回転部13と、その従動側回転部13とロータ11とを連結させる電磁吸引力を発生させる電磁石12とを有している。動力断続装置10は、その電磁石12への通電と非通電とが切り替えられることにより動力伝達を断続する電磁クラッチである。
図1および図3に示すように、ロータ11は、クラッチ軸心CLの周方向Dcの一方側へエンジン93によって回転させられる駆動側回転部を構成する。本実施形態のロータ11は、図3および図4に示すように、外側円筒部111と内側円筒部112と端面部113とを有している。
なお、図3は、図4のIII方向の矢視図である。また、図3の矢印Rtは、ロータ11の回転方向Rt(すなわち、ロータ回転方向Rt)を示している。また、図3に示すように、クラッチ軸心CLの周方向Dcの一方側がロータ回転方向Rtであり、その周方向Dcの他方側がロータ回転方向Rtの反対側である。また、本実施形態では、クラッチ軸心CLの周方向Dc(別言すれば、クラッチ軸心CLまわりの周方向Dc)はクラッチ周方向Dcとも称される。
図3および図4に示すように、外側円筒部111と内側円筒部112はそれぞれ、クラッチ軸心CLを中心とした円筒形状に構成されているので、圧縮機回転軸911に対して同軸上に配置されている。また、内側円筒部112は、外側円筒部111に対しクラッチ径方向Drの内側に配置されている。
端面部113は、クラッチ軸方向Daxにおける内側円筒部112の一方側の端部と外側円筒部111とを結ぶ連結部である。端面部113は、円盤形状に構成されている。詳細には、端面部113は、クラッチ径方向Drに拡がると共に、その中央部に表裏を貫通する円形状の貫通穴が形成されている。
外側円筒部111および内側円筒部112は何れも、端面部113からクラッチ軸方向Daxの他方側へ延設された延設部分を有している。従って、クラッチ径方向Drにおけるその外側円筒部111の延設部分と内側円筒部112の延設部分との間には、端面部113を底面部とする円環状の空間である電磁石配置空間11aが形成されている。
その電磁石配置空間11aは、圧縮機回転軸911に対して同軸上となっている。そして、図2に示すように、その電磁石配置空間11aには、電磁石12が配置されている。
電磁石12は、ステータ121、およびステータ121の内部に配置されたコイル122等を有している。ステータ121は、鉄等の強磁性材料で環状に形成されている。コイル122は、エポキシ樹脂等の絶縁性の樹脂材料でモールディングされた状態でステータ121に固定されている。なお、電磁石12への通電は、図示しない制御装置から出力される制御電圧によって行われる。
ロータ11の外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、金属製の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で一体的に形成されている。すなわち、ロータ11は単一の部品として構成されている。そして、その外側円筒部111、内側円筒部112、および端面部113は、電磁石12への通電によって生じる磁気回路の一部を構成する。
図2および図4に示すように、外側円筒部111は、クラッチ径方向Drにおける外側円筒部111の外側すなわち外側円筒部111の外周側に、複数のV字状の溝が形成されたV溝部114を有している。そのV溝部114には、エンジン93から出力される回転駆動力を伝達するVベルト932(図1参照)が掛け渡されている。なお、確認的に述べるが、上記した「外周側」とは、クラッチ径方向Drの外側と同じ意味であり、「内周側」とは、クラッチ径方向Drの内側と同じ意味である。
クラッチ径方向Drにおける内側円筒部112の内側すなわち内側円筒部112の内周側には、図2に示すように、ボールベアリング19の外周側が固定されている。そして、ボールベアリング19の内周側には、圧縮機91のハウジング912からクラッチ軸方向Daxの一方側(すなわち、動力断続装置10側)へ向けて突出した円筒状のボス部913が固定されている。これにより、ロータ11は、非回転部材であるハウジング912に対して回転自在となっている。すなわち、ロータ11は、ハウジング912によって、クラッチ軸心CLまわりに回転可能に支持されている。なお、ボス部913は、圧縮機回転軸911のうちハウジング912の外側に露出した部分を覆っている。
また、図2〜図4に示すように、ロータ11の端面部113は、クラッチ軸方向Daxの一方側を向いた駆動側摩擦面110(言い換えれば、ロータ摩擦面110)を有している。具体的に、端面部113におけるクラッチ軸方向Daxの一方側の外側面が、その駆動側摩擦面110を構成している。この駆動側摩擦面110は、ロータ11と従動側回転部13に含まれる後述のアーマチュア14とが連結された際に、アーマチュア14に当接する。
図3および図4に示すように、駆動側摩擦面110には、クラッチ径方向Drの中間部分の内側および外側に磁気遮断用のスリット穴部115が形成されている。このスリット穴部115は、クラッチ周方向Dcに沿って延びる円弧状の形状であり、駆動側摩擦面110に対して複数個形成されている。
また、駆動側摩擦面110は、クラッチ径方向Drの内側に配置された内周端116と、クラッチ径方向Drの外側に配置された外周端117とを有している。
図2に示すように、従動側回転部13は、圧縮機回転軸911に対し相対回転不能に連結されている。これにより、従動側回転部13は、その圧縮機回転軸911と共にクラッチ軸心CLまわりに回転可能に支持されている。そして、従動側回転部13は、ロータ11から伝達される回転駆動力によって、圧縮機回転軸911を回転させる。要するに、従動側回転部13は、その回転駆動力によって圧縮機91を回転させる。
具体的には、図5および図6に示すように、従動側回転部13は、アーマチュア14とハブ15と板バネ16とを含んで構成されている。なお、図5は、図6のV方向の矢視図である。
アーマチュア14は、クラッチ径方向Drに拡がると共に、その中央部に表裏を貫通する貫通穴が形成された円環状の板部材である。このアーマチュア14は、ロータ11と同種の強磁性材料(例えば、鉄鋼材料)で形成されている。アーマチュア14は、ロータ11と共に、電磁石12に通電された際に生じる磁気回路の一部を構成する。
また、アーマチュア14は、クラッチ軸方向Daxの他方側を向いた従動側摩擦面140(言い換えれば、アーマチュア摩擦面140)を有している。詳細には、アーマチュア14におけるクラッチ軸方向Daxの他方側の外側面が、その従動側摩擦面140を構成している。
この従動側摩擦面140は、ロータ11の駆動側摩擦面110に対しクラッチ軸方向Daxに対向しており、電磁石12の非通電時には、その駆動側摩擦面110に対しクラッチ軸方向Daxに例えば0.5mm程度の所定の微小間隙を空けて離れている。この従動側摩擦面140は、ロータ11とアーマチュア14とが連結された際に、ロータ11の駆動側摩擦面110に当接する。
本実施形態のアーマチュア14には、クラッチ径方向Drの中間部分に磁気遮断用のスリット穴部141が形成されている。このスリット穴部141は、クラッチ周方向Dcに沿って延びる円弧状の形状であり、アーマチュア14に対して複数個形成されている。
アーマチュア14は、スリット穴部141に対しクラッチ径方向Drの外側に位置する外周部142と、スリット穴部141に対しクラッチ径方向Drの内側に位置する内周部143とに区分される。アーマチュア14の外周部142は、リベット等の締結部材144により板バネ16の外周側に連結されている。
アーマチュア14の従動側摩擦面140は、アーマチュア14の外周部142と内周部143との両方にわたるように拡がっている。そして、従動側摩擦面140は、クラッチ径方向Drの内側に配置された内周端145と、クラッチ径方向Drの外側に配置された外周端146とを有している。
また、従動側摩擦面140には、クラッチ径方向Drに沿って直線的に延伸した複数本の溝であるアーマチュア溝147aが形成されている。すなわち、アーマチュア14は、そのアーマチュア溝147aが形成された複数の溝形成部147を有している。
その複数本のアーマチュア溝147aは、クラッチ軸心CLを中心として放射状に配置されている。例えば本実施形態では、アーマチュア溝147aは合計12本設けられており、クラッチ周方向Dcに等角度ピッチで互いに並ぶように配置されている。
また、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ、従動側摩擦面140においてクラッチ径方向Drの内側から外周端146まで延伸している。本実施形態では、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ従動側摩擦面140の内周端145にまで達しているので、従動側摩擦面140の内周端145から外周端146まで延伸している。
また、図7に示すように、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ、そのアーマチュア溝147aの延伸方向に直交する平面で切断して得られる断面形状が矩形状となるように形成されている。また、アーマチュア溝147a内には何も充填されていないので、アーマチュア溝147a内は、クラッチ径方向Drに延びた通路状になっている。従って、その通路状のアーマチュア溝147aは、アーマチュア14において従動側摩擦面140の内周端145の位置から外周端146の位置まで貫通している。
ここで、電磁石12に通電されると、図6の従動側摩擦面140は図4の駆動側摩擦面110に密着させられる。その駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では、アーマチュア溝147aは、クラッチ径方向Drの内側と外側とのそれぞれへ向けて開放された空洞になる。なぜなら、上述したようにアーマチュア溝147a内には何も充填されておらず、そのアーマチュア溝147aは従動側摩擦面140の内周端145と外周端146とのそれぞれにまで達しているからである。
図2および図6に示すように、ハブ15は、板バネ16等を介してアーマチュア14を圧縮機91の圧縮機回転軸911に連結する連結部材を構成している。ハブ15は、鉄系の金属材料で構成されている。本実施形態のハブ15は、円筒形状の筒状部151と、連結用フランジ部152とを有している。
ハブ15の筒状部151は、圧縮機回転軸911に対して同軸上に配置されている。筒状部151には、圧縮機回転軸911の一端側を挿入可能な挿入穴151aが形成されている。この挿入穴151aは、クラッチ軸方向Daxに沿って延びる貫通穴として形成されている。
本実施形態のハブ15は、圧縮機回転軸911の一端側が筒状部151の挿入穴151aに挿入された状態でネジ等の締結技術によって、圧縮機回転軸911に対し相対回転不能に連結されている。これにより、ハブ15は、その圧縮機回転軸911と共にクラッチ軸心CLまわりに回転可能に支持されている。そして、ハブ15は、ロータ11から伝達される回転駆動力によって、圧縮機回転軸911を回転させる。
ハブ15の筒状部151と連結用フランジ部152は一体に形成されている。連結用フランジ部152は、クラッチ軸方向Daxにおける筒状部151の一方側の端部からクラッチ径方向Drの外側へ拡がるように形成されている。そのため、連結用フランジ部152は、クラッチ径方向Drに拡がる円盤形状に構成されている。また、連結用フランジ部152は、図示しないリベット等の締結部材によって板バネ16の内周側に接続されている。
板バネ16は、アーマチュア14に対してロータ11から離れる方向に付勢力を作用させる部材である。板バネ16は、鉄系の金属材料にて形成された円形の板状部材で構成されている。動力断続装置10では、電磁石12が非通電状態となっていて電磁吸引力を発生させていないときに、板バネ16の付勢力によって、従動側摩擦面140と駆動側摩擦面110との間に隙間が生ずる。すなわち、電磁石12が通電されることで電磁吸引力を発生させている場合には、アーマチュア14がその電磁吸引力に引張られているので、板バネ16は、これに対向して、アーマチュア14をクラッチ軸方向Daxの一方側へ付勢する付勢力を発揮する。
また、図示しないが、板バネ16とアーマチュア14との間には、板状の弾性部材が介在されている。板バネ16およびアーマチュア14は、弾性部材が介在した状態で締結部材144によって一体に連結されている。その弾性部材は、例えばゴム系の弾性材料で構成されており、板バネ16とアーマチュア14との間のトルク伝達機能を果たすと共に、振動抑制作用を果たす。
次に、本実施形態の動力断続装置10の作動について説明する。図1、図2、図4、図6に示すように、動力断続装置10では、電磁石12が非通電状態になっている場合、電磁石12の電磁吸引力が生じない。このため、アーマチュア14は、板バネ16の付勢力によってロータ11の端面部113から所定間隔離れた位置に保持される。
これにより、エンジン93からの回転駆動力は、Vベルト932を介してロータ11に伝達されるだけで、アーマチュア14およびハブ15へは伝達されず、ロータ11だけがボールベアリング19上で空転する。すなわち、ロータ11は、従動側摩擦面140が駆動側摩擦面110からクラッチ軸方向Daxに離されることで、従動側回転部13に対して動力伝達不能になる。この結果、駆動対象装置である圧縮機91は停止した状態となる。
一方、動力断続装置10は、電磁石12が通電状態になっている場合、電磁石12の電磁吸引力が発生する。アーマチュア14は、電磁石12の電磁吸引力によって板バネ16の付勢力に抗してロータ11の端面部113側に吸引されることで、ロータ11に吸着される。すなわち、アーマチュア14の従動側摩擦面140は、その電磁石12の電磁吸引力によってロータ11の駆動側摩擦面110に密着させられる。
これにより、ロータ11の回転がアーマチュア14および板バネ16を介してハブ15に伝達されることで、ハブ15が回転する。すなわち、ロータ11は、従動側摩擦面140が駆動側摩擦面110に摩擦接触させられることで、従動側回転部13に対して動力伝達可能になる。
そして、ハブ15の回転が圧縮機回転軸911に伝達されることで、圧縮機91が作動する。このように、エンジン93から出力された回転駆動力が動力断続装置10を介して圧縮機91に伝達されることで、その圧縮機91は作動する。
上述したように、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、アーマチュア14の従動側摩擦面140には、クラッチ径方向Drの内側から従動側摩擦面140の外周端146まで延伸したアーマチュア溝147aが形成されている。そして、アーマチュア溝147aは、駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では、クラッチ径方向Drの外側へ向けて開放された空洞になる。
ここで、従動側摩擦面140が駆動側摩擦面110に接触させられる接触作動時および従動側摩擦面140が駆動側摩擦面110から離される遮断作動時には、その従動側摩擦面140と駆動側摩擦面110とが相対回転しつつ接触する瞬間が生じる。そのため、例えば図8に示すように駆動側摩擦面110に錆が発生している場合、上記接触作動時および遮断作動時に、アーマチュア14の溝形成部147で、その駆動側摩擦面110に発生した錆を削り取ることができる。例えば、錆発生の初期段階でその錆を削り取ることができる。従って、アーマチュア溝147aを設けるといった簡素な構造で、駆動側摩擦面110に発生しうる錆に起因した例えば伝達トルクの低下等の不具合を防止することが可能である。なお、図8および後述の図9に記載された符号SBは錆を示している。
そして、上述したようにアーマチュア溝147aは、駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では、クラッチ径方向Drの外側へ向けて開放された空洞になる。従って、アーマチュア溝147aは、図9に示すように削り取られた錆をアーマチュア溝147a内にある程度溜めることができる。更に、アーマチュア14の回転による遠心力を利用してクラッチ径方向Drの外側へ向けて、アーマチュア溝147a内に溜まった錆を排出することができる。
また、本実施形態によれば、図5に示すように、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ、クラッチ径方向Drに沿って直線的に延伸している。従って、例えばそのアーマチュア溝147aがクラッチ径方向Drの外側ほどクラッチ軸方向Daxの一方側へずれるようにクラッチ径方向Drの内側から外側へ延伸した形状である場合と比較して、次のようなことが言える。すなわち、その場合と比較して、アーマチュア溝147a内に溜まった錆がアーマチュア14の回転による遠心力によってクラッチ径方向Drの外側へ送られる作用を大きく得ることができる。
また、本実施形態によれば、図5に示すように、アーマチュア溝147aは、クラッチ径方向Drの内側から従動側摩擦面140の外周端146まで延伸している。従って、ロータ11の駆動側摩擦面110のうち動力伝達への寄与度が大きい径方向外側部分の錆を削り取ることができる。
また、本実施形態によれば、図5および図6に示すように、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ、従動側摩擦面140の内周端145から外周端146まで延伸している。これにより、駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態において、アーマチュア溝147aは長手方向の両端それぞれで開放されるので、アーマチュア溝147a内を空気が通り抜けやすくなる。従って、例えばアーマチュア溝147aの内周側の端が塞がれている場合と比較して、アーマチュア溝147a内に溜まった錆をアーマチュア14の回転に伴いクラッチ径方向Drの外側へ向けて排出するという作用効果を大きく得ることができる。
また、アーマチュア溝147aは、アーマチュア14において従動側摩擦面140の内周端145の位置から外周端146の位置まで貫通している。すなわち、そのアーマチュア溝147aは、アーマチュア14の内周側のアーマチュア内端148からアーマチュア14の外周側のアーマチュア外端149まで、アーマチュア14をクラッチ径方向Drに貫通している。そのため、従動側摩擦面140が被水した場合にその従動側摩擦面140に水が溜まらず、アーマチュア溝147aを通して排水することが可能である。
また、従動側摩擦面140のうち動力断続装置10の伝達トルクに影響する表面積が、アーマチュア溝147aの分、減少するので、それに伴い、従動側摩擦面140のうち錆が影響する部分も減少する。
また、アーマチュア溝147aには、グリース状または液状の凝着防止剤が貯油されるので、例えばアーマチュア溝147aが無い場合と比較して、凝着防止効果が著しく長く持続される。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図10に示すように、本実施形態のアーマチュア溝147aは、第1実施形態と同様に、従動側摩擦面140の内周端145から外周端146まで延伸している。しかし、本実施形態では、アーマチュア溝147aの延伸する軌跡が第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態のアーマチュア溝147aは、クラッチ径方向Drの外側ほどクラッチ周方向Dcの他方側へずれるようにクラッチ径方向Drの内側から外側へ延伸している。
従って、例えば第1実施形態のようにアーマチュア溝147aがクラッチ径方向Drに沿って直線的に延伸した形状である場合と比較して、次のようなことが言える。すなわち、その場合と比較して、アーマチュア溝147a内に溜まった錆がアーマチュア14の回転による遠心力によってクラッチ径方向Drの外側へ送られる作用を大きく得ることができる。
また、図10に示すように、本実施形態のアーマチュア溝147aは、クラッチ周方向Dcの他方側へ曲りながらクラッチ径方向Drの内側から外側へ延伸している。これにより、アーマチュア溝147aがそのように延伸した形状でない場合よりも更に、アーマチュア溝147a内に溜まった錆が遠心力によってクラッチ径方向Drの外側へ送られる作用を大きく得ることができる。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
本実施形態では、アーマチュア溝147aは設けられていないが、図11および図12に示すように、クラッチ径方向Drに沿って直線的に延伸した複数本の溝であるロータ溝118aが駆動側摩擦面110に形成されている。すなわち、ロータ11は、そのロータ溝118aが形成された複数の溝形成部118を有している。この点において、本実施形態は第1実施形態と異なっている。
具体的に、複数本のロータ溝118aは、クラッチ軸心CLを中心として放射状に配置されている。例えば本実施形態では、ロータ溝118aは合計12本設けられており、クラッチ周方向Dcに等角度ピッチで互いに並ぶように配置されている。
また、複数本のロータ溝118aはそれぞれ、駆動側摩擦面110においてクラッチ径方向Drの内側から外周端117まで延伸している。本実施形態では、複数本のロータ溝118aはそれぞれ駆動側摩擦面110の内周端116にまで達しているので、駆動側摩擦面110の内周端116から外周端117までクラッチ径方向Drに沿って直線的に延伸している。
また、図12に示すように、複数本のロータ溝118aはそれぞれ、そのロータ溝118aの延伸方向に直交する平面で切断して得られる断面形状が矩形状となるように形成されている。また、ロータ溝118a内には何も充填されていないので、ロータ溝118a内は、クラッチ径方向Drに延びた通路状になっている。
ここで、電磁石12に通電されると、アーマチュア14の従動側摩擦面140は図11の駆動側摩擦面110に密着させられる。その駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では、ロータ溝118aは、クラッチ径方向Drの内側へ向けて開放された空洞になる。なぜなら、上述したようにロータ溝118a内には何も充填されておらず、そのロータ溝118aは駆動側摩擦面110の内周端116にまで達しているからである。なお、本実施形態のロータ溝118aは、駆動側摩擦面110の外周端117の位置では、外側円筒部111に突き当たって、クラッチ径方向Drの外側向きには開放されていない。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態によれば、図11および図12に示すように、ロータ11の駆動側摩擦面110には、クラッチ径方向Drの内側から駆動側摩擦面110の外周端117まで延伸したロータ溝118aが形成されている。そして、そのロータ溝118aは、駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では空洞になる。
そのため、例えば従動側摩擦面140に錆が発生している場合、上記接触作動時および遮断作動時に、ロータ11の溝形成部118で、その従動側摩擦面140に発生した錆を削り取ることができる。例えば、錆発生の初期段階でその錆を削り取ることができる。従って、ロータ溝118aを設けるといった簡素な構造で、従動側摩擦面140に発生しうる錆に起因した例えば伝達トルクの低下等の不具合を防止することが可能である。
そして、上述したようにロータ溝118aは、駆動側摩擦面110と従動側摩擦面140とが密着した状態では空洞になるので、削り取られた錆をロータ溝118a内にある程度溜めることができる。
また、従動側摩擦面140が駆動側摩擦面110から離されている動力遮断中においてもロータ11は回転し、ロータ溝118aは、その動力遮断中にはクラッチ軸方向Daxの一方側へ開放されている。そのため、ロータ溝118a内に溜まった錆をロータ溝118aから、動力遮断中にロータ11の回転を利用して排出することができる。
また、本実施形態によれば、図11に示すように、ロータ溝118aは、クラッチ径方向Drの内側から駆動側摩擦面110の外周端117まで延伸している。従って、アーマチュア14の従動側摩擦面140のうち動力伝達への寄与度が大きい径方向外側部分の錆を削り取ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第3実施形態と異なる点を主として説明する。
図13に示すように、本実施形態のロータ溝118aは、第3実施形態と同様に、駆動側摩擦面110の内周端116から外周端117まで延伸している。しかし、本実施形態では、ロータ溝118aの延伸する軌跡が第3実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態のロータ溝118aは、クラッチ径方向Drの外側ほどクラッチ周方向Dcの他方側へずれるように駆動側摩擦面110の内周端116から外周端117まで延伸している。
また、図13に示すように、本実施形態のロータ溝118aは、クラッチ周方向Dcの他方側へ曲りながらクラッチ径方向Drの内側から外側へ延伸している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第3実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第3実施形態と共通の構成から奏される効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態では、例えば図5に示すように、複数本のアーマチュア溝147aはそれぞれ従動側摩擦面140の内周端145にまで達しているが、これは一例である。例えば、そのアーマチュア溝147aは、従動側摩擦面140においてクラッチ径方向Drの内側から外周端146まで延伸していればよく、内周端145にまで達していなくても差し支えない。このことは、第2実施形態以降の実施形態におけるアーマチュア溝147aおよびロータ溝118aについても同様である。
(2)上述の第1実施形態では、例えば図7に示すように、アーマチュア溝147aの断面形状は矩形状になっているが、これに限らず、半円形状やV字形状になっていても差し支えない。このことは、第2実施形態以降の実施形態におけるアーマチュア溝147aおよびロータ溝118aについても同様である。
(3)上述の第3実施形態では、図11に示すように、ロータ溝118aは、駆動側摩擦面110の外周端117の位置では、外側円筒部111に突き当たって、クラッチ径方向Drの外側向きには開放されていないが、これは一例である。例えば、ロータ溝118aが駆動側摩擦面110の外周端117の位置で外側円筒部111に突き当たらないようにロータ11が構成され、そのロータ溝118aが、クラッチ径方向Drの外側向きに開放されていても差し支えない。
(4)上述の第3および第4実施形態では、アーマチュア14の従動側摩擦面140にアーマチュア溝147a(図5、図10参照)は設けられていないが、例えば図5または図10のアーマチュア溝147aが設けられていても差し支えない。
(5)上述の第1実施形態では、図5に示すように、アーマチュア14の従動側摩擦面140には、複数本のアーマチュア溝147aが形成されているが、そのアーマチュア溝147aの本数は複数本である必要はなく、例えば1本であっても差し支えない。このことは、第2実施形態以降の実施形態におけるアーマチュア溝147aおよびロータ溝118aについても同様である。
(6)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、駆動側回転部は、回転軸心の周方向の一方側へ駆動源によって回転させられる。駆動側回転部は、従動側摩擦面が駆動側摩擦面に摩擦接触させられることで従動側回転部に対して動力伝達可能になる一方で、従動側摩擦面が駆動側摩擦面から離されることで従動側回転部に対して動力伝達不能になる。また、従動側摩擦面は、回転軸心の径方向の外側に外周端を有し、従動側摩擦面には、上記径方向の内側から外周端まで延伸した溝が形成されている。その溝は、上記径方向に沿って直線的に延伸し、または、上記径方向の外側ほど上記周方向の一方側とは反対の他方側へずれるように上記径方向の内側から外側へ延伸している。そして、上記溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では、上記径方向の外側へ向けて開放された空洞になる。
また、第2の観点によれば、従動側摩擦面は、上記径方向の内側に内周端を有し、上記溝は、その内周端から外周端まで延伸している。これにより、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態において、上記溝は長手方向の両端それぞれで開放されるので、溝内を空気が通り抜けやすくなる。従って、例えば上記溝の内周側の端が塞がれている場合と比較して、溝内に溜まった錆を従動側回転部の回転に伴い上記径方向の外側へ向けて排出するという作用効果を大きく得ることができる。
また、第3の観点によれば、駆動側摩擦面は、回転軸心の径方向の外側に外周端を有する。また、駆動側摩擦面には、上記径方向の内側から外周端まで延伸した溝が形成されており、その溝は、駆動側摩擦面と従動側摩擦面とが密着した状態では空洞になる。
また、第4の観点によれば、駆動側摩擦面は、上記径方向の内側に内周端を有する。そして、上記溝は、内周端から外周端まで上記径方向に沿って直線的に延伸し、または、上記径方向の外側ほど上記周方向の一方側とは反対の他方側へずれるように内周端から外周端まで延伸している。
また、第5の観点によれば、上記溝は、上記径方向の外側ほど上記周方向の他方側へずれるように、且つ上記周方向の他方側へ曲りながら、上記径方向の内側から外側へ延伸している。
10 動力断続装置
11 ロータ(駆動側回転部)
13 従動側回転部
91 圧縮機(駆動対象装置)
93 エンジン(駆動源)
110 駆動側摩擦面
140 従動側摩擦面
146 従動側摩擦面の外周端
147a アーマチュア溝(従動側摩擦面の溝)
CL クラッチ軸心(回転軸心)

Claims (5)

  1. 駆動源(93)から駆動対象装置(91)への動力伝達を断続する動力断続装置であって、
    回転軸心(CL)まわりに回転可能に支持され、前記回転軸心の軸方向(Dax)の一方側を向いた駆動側摩擦面(110)を有し、前記回転軸心の周方向(Dc)の一方側へ前記駆動源によって回転させられる駆動側回転部(11)と、
    前記回転軸心まわりに回転可能に支持され、前記駆動側摩擦面に対向する従動側摩擦面(140)を有し、前記駆動対象装置を回転させる従動側回転部(13)とを備え、
    前記駆動側回転部は、前記従動側摩擦面が前記駆動側摩擦面に摩擦接触させられることで前記従動側回転部に対して動力伝達可能になる一方で、前記従動側摩擦面が前記駆動側摩擦面から離されることで前記従動側回転部に対して動力伝達不能になり、
    前記従動側摩擦面は、前記回転軸心の径方向(Dr)の外側に外周端(146)を有し、
    前記従動側摩擦面には、前記径方向の内側から前記外周端まで延伸した溝(147a)が形成されており、
    前記溝は、前記径方向に沿って直線的に延伸し、または、前記径方向の外側ほど前記周方向の前記一方側とは反対の他方側へずれるように前記径方向の内側から外側へ延伸しており、
    前記溝は、前記駆動側摩擦面と前記従動側摩擦面とが密着した状態では、前記径方向の外側へ向けて開放された空洞になる、動力断続装置。
  2. 前記従動側摩擦面は、前記径方向の内側に内周端(145)を有し、
    前記溝は、前記内周端から前記外周端まで延伸している、請求項1に記載の動力断続装置。
  3. 駆動源(93)から駆動対象装置(91)への動力伝達を断続する動力断続装置であって、
    回転軸心(CL)まわりに回転可能に支持され、前記回転軸心の軸方向(Dax)の一方側を向いた駆動側摩擦面(110)を有し、前記回転軸心の周方向(Dc)の一方側へ前記駆動源によって回転させられる駆動側回転部(11)と、
    前記回転軸心まわりに回転可能に支持され、前記駆動側摩擦面に対向する従動側摩擦面(140)を有し、前記駆動対象装置を回転させる従動側回転部(13)とを備え、
    前記駆動側回転部は、前記従動側摩擦面が前記駆動側摩擦面に摩擦接触させられることで前記従動側回転部に対して動力伝達可能になる一方で、前記従動側摩擦面が前記駆動側摩擦面から離されることで前記従動側回転部に対して動力伝達不能になり、
    前記駆動側摩擦面は、前記回転軸心の径方向(Dr)の外側に外周端(117)を有し、
    前記駆動側摩擦面には、前記径方向の内側から前記外周端まで延伸した溝(118a)が形成されており、
    前記溝は、前記駆動側摩擦面と前記従動側摩擦面とが密着した状態では空洞になる、動力断続装置。
  4. 前記駆動側摩擦面は、前記径方向の内側に内周端(116)を有し、
    前記溝は、前記内周端から前記外周端まで前記径方向に沿って直線的に延伸し、または、前記径方向の外側ほど前記周方向の前記一方側とは反対の他方側へずれるように前記内周端から前記外周端まで延伸している、請求項3に記載の動力断続装置。
  5. 前記溝(118a、147a)は、前記径方向の外側ほど前記周方向の前記他方側へずれるように、且つ前記周方向の前記他方側へ曲りながら、前記径方向の内側から外側へ延伸している、請求項1、2、4のいずれか1つに記載の動力断続装置。
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