JP6373051B2 - 電磁クラッチ及び気体圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁クラッチ、及び車両などに搭載された空調装置に設置される、駆動力伝達を断接する電磁クラッチを備えた気体圧縮機に関する。
例えば、自動車などの車両には、車室内の温度調整を行うための空調装置が設けられている。このような空調装置は、冷媒(冷却媒体)を循環させるようにしたループ状の冷媒サイクルを有しており、この冷媒サイクルは、蒸発器、気体圧縮機、凝縮器、膨張弁が順に設けられている。前記空調装置の気体圧縮機は、蒸発器で蒸発されたガス状の冷媒を圧縮して高圧の冷媒ガスとし、凝縮器へ送出するものである。
このような気体圧縮機のうち外部から動力を受けて動作するものは、その動力の入力の受け入れと入力の停止とを切り替えるために、電磁クラッチを備えている(例えば、特許文献1参照)。
この電磁クラッチは、円環状に形成された電磁石への電流印加によって発生した磁束によって、アーマチュアの摩擦面をプーリの摩擦面に吸着させる吸着力を発生させる。アーマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面に吸着すると、プーリの回転がアーマチュアを介して圧縮機本体の回転軸へ伝達される。プーリには、エンジンからの回転駆動力がベルトを介して伝達されている。
電磁石は、コイルとコイルケースとを有しており、プーリ内に形成した電磁石収容空間に所定の隙間を設けて設置されている。コイルケースの端面は、圧縮機本体を収納したハウジング側に固定されている。
特開平8−159171号公報
コイルケースとプーリとアーマチュアは、磁性材(例えば、鉄)で形成されており、電磁コイルへ通電されると、コイルケースとプーリ(前記電磁石収容空間側の内周面側付近)とアーマチュア(摩擦面付近)との間を磁束線が循環して流れるような磁気回路が形成され、アーマチュアの摩擦面をプーリの摩擦面に吸着させる吸着力が発生される。
ところで、磁束線の流れ量は、この流れ方向に対する断面積に比例する。このため、電磁石のコイルへの通電によって所定の吸着力を発生させるためには、例えばコイルケースの肉厚を全域にわたって所定の厚み以上にして、多くの磁束線を流す必要がある。
近年、電磁クラッチ全体の軽量化のために、電磁石の軽量化が求められているが、上記したように従来では電磁石のコイルケースの肉厚が全域にわたって所定の厚み以上にして形成されているので、コイルケースが重いものとなり、電磁石の軽量化を図ることが難しかった。
そこで、本発明は、所定の吸着力を発生させるための磁束線の流れ量を確保しつつ、電磁石等の軽量化を図ることができる電磁クラッチ及び気体圧縮機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の電磁クラッチは、駆動源からの回転駆動力が伝達されて回転するとともに、摩擦面を有するプーリと、このプーリの摩擦面に対して対向配置された摩擦面を有するとともに、この摩擦面と反対側が回転軸に弾性部材を介して固定されたアーマチュアと、前記プーリの内側に設けた円環状の電磁石収容空間に設置され、前記アーマチュアに対して磁気吸着力を作用させる円環状の電磁石とを備え、前記電磁石の電磁力によって前記アーマチュアを、前記弾性部材の弾性力に抗して前記プーリの摩擦面側に吸引して、前記プーリと前記アーマチュアの各摩擦面同士を吸着させ、前記プーリに伝達された回転駆動力を前記アーマチュアを介して前記回転軸に伝達させる電磁クラッチであって、前記電磁石収容空間は、前記プーリの内側に設けた略円筒状の外側収容部と略円筒状の内側収容部との間に形成され、前記電磁石は、コイルと、前記コイルの外面側に設けたコイルケースとを有し、前記コイルケースのコイルケース外周部の外周面が前記外側収容部の内周面と所定の隙間を設けて対向し、前記コイルケースのコイルケース内周部の外周面が前記内側収容部の内周面と所定の隙間を設けて対向しており、前記外側収容部の前記アーマチュアと反対側が、該外側収容部の前記アーマチュア側よりも肉厚が薄くなるように、記アーマチュア側と反対側の端部から前記アーマチュア側の端部の全長に亘って、前記外側収容部の内周面が傾斜したテーパ状に形成され、前記外側収容部と対向する前記コイルケース外周部の前記アーマチュア側が、該コイルケース外周部の前記アーマチュアと反対側よりも肉厚が薄くなるように、記アーマチュア側の端部から前記アーマチュアと反対側の端部の全長に亘って、前記コイルケース外周部の外周面が、前記外周収容部の内周面とは逆方向に傾斜したテーパ状に形成され、前記外側収容部の内周面と前記コイルケース外周部の外周面との間の隙間が、前記回転軸の軸方向について一定に形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る気体圧縮機は、供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の駆動軸に対して駆動源からの回転駆動力を断接する電磁クラッチとを備えた気体圧縮機において、前記電磁クラッチは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁クラッチであることを特徴としている。
本発明に係る電磁クラッチによれば、プーリの外側収容部のアーマチュアと反対側が、外側収容部のアーマチュア側よりも肉厚が薄く形成され、外側収容部と対向するコイルケースのコイルケース外周部のアーマチュア側が、コイルケース外周部のアーマチュアと反対側よりも肉厚が薄く形成されている。
このように、電磁石への通電時に磁束線の流れ量が少ない部分に対応して、上記のように肉厚を薄くしたことにより、磁気抵抗が大きくなることを抑制して、所定の吸着力を発生させるための磁束線の流れ量を確保しつつ、電磁石、プーリの軽量化を図ることができる。よって、電磁クラッチの性能を低下させることなく、電磁クラッチ全体の軽量化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る気体圧縮機(ベーンロータリー型の気体圧縮機)を示す図。 この気体圧縮機の分解斜視図。 図1のA−A線断面図。 本発明の実施形態1に係る電磁クラッチを示す断面図。 実施形態1における電磁クラッチの電磁石付近を示す拡大断面図。 実施形態2における電磁クラッチの電磁石付近を示す拡大断面図。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る電磁クラッチを備えた気体圧縮機の一例としてのベーンロータリー型の気体圧縮機(以下、「コンプレッサ」という)を示す図、図2は、このコンプレッサの分解斜視図である。
(コンプレッサ1の全体構成)
図示のコンプレッサ1は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、「空調システム」という)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する)とともに冷却媒体の循環経路上に設けられている。なお、このような空調システムとしては、例えば、車両(自動車など)の車室内の温度調整を行うための空調装置が挙げられる。
コンプレッサ1は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は圧縮された冷媒ガスを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。そして、高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
コンプレッサ1は、図1、図2に示すように、一端側(図1の左側)が開口し他端側が塞がれた略円筒状の本体ケース2と、この本体ケース2の一端側の開口を塞ぐフロントヘッド3と、本体ケース2とフロントヘッド3からなるハウジング4内に収納される圧縮機本体5と、駆動源である車両(自動車)のエンジン(不図示)からの駆動力を圧縮機本体5に伝達するための電磁クラッチ6を備えている。なお、図1では、本体ケース2を断面形状で示している。
フロントヘッド3は、本体ケース2の開口端面を塞ぐ蓋状に形成されており、本体ケース2の開口端部周囲にボルト締結で固定されている。フロントヘッド3には、空調システムの蒸発器(不図示)から配管を通して低圧の冷媒ガスを吸入する吸入ポート7を有し、本体ケース2には、圧縮機本体5で圧縮された高圧の冷媒ガスを空調システムの凝縮器(不図示)に吐出する吐出ポート8を有している。
圧縮機本体5は、図3に示すように、回転軸10と一体的に回転する略円柱状のロータ11と、このロータ11をその外周面(以下、「ロータ外周面」という)11aの外方から取り囲む略楕円形状の内周面(以下、「シリンダ内周面」という)12aを有するシリンダ12と、ロータ外周面11aからシリンダ内周面12aに向けて突出自在に設けられた複数枚(図では5枚)の板状のベーン13と、ロータ11及びシリンダ12の両端面を塞ぐ2つのサイドブロック(フロントサイドブロック14、リアサイドブロック15(図2参照))とを備えている。
圧縮機本体5は、フロントサイドブロック14側がフロントヘッド3にボルト締結で固定され、リアサイドブロック15側が本体ケース2の内周面に嵌合されるようにして保持される。図3は、図1のA−A線断面図である。なお、図3では、圧縮機本体5の外周面側の本体ケース2は省略している。
フロントヘッド3の内側凹部とフロントサイドブロック14の間には吸入室(不図示)が形成され、リアサイドブロック15側の本体ケース2内には吐出室16が形成されている。リアサイドブロック15の外側端面には、油分離器17が吐出室16内に位置するようにして設置されている。
電磁クラッチ6は、フロントヘッド3の外面側に設置されており、車両エンジンの回転駆動力がベルト(不図示)を介してプーリ30に伝達される。回転軸10の一端側(図1の左側)は、電磁クラッチ6のアーマチュア31の中心貫通孔に嵌合されている。なお、回転軸10は、フロントサイドブロック14とリアサイドブロック15の中心貫通孔に回転可能に軸支されている。
そして、コンプレッサ1(圧縮機本体5)の運転時に、プーリ30の内側に設けた電磁石32(図4参照)の励磁によってアーマチュア31がプーリ30の端面に吸着(連結)されることにより、ベルト(不図示)を介してプーリ30に伝達されている車両エンジンの駆動力が、アーマチュア31を介して回転軸10(ロータ11)に伝達される。なお、本発明の特徴である電磁クラッチ6(電磁石32)の詳細については後述する。
(圧縮機本体5の構成、動作)
図3に示したように、シリンダ内周面12aとロータ外周面11aと両サイドブロック14,15(図1参照)との間の空間には、等間隔で設置された5つのベーン13によって仕切られた複数の圧縮室20が形成される。
各ベーン13は、ロータ11内に形成されたベーン溝21に摺動可能に設置されていて、ベーン溝21の底部21aに供給される冷凍機油による背圧により、ロータ外周面11aから外方向に突出する。
シリンダ12は、ロータ外周面11aの外方を取り囲む断面輪郭が略楕円形状のシリンダ内周面12aを有している。各圧縮室20は、ロータ11の回転にともなう冷媒ガスの吸入工程及び圧縮工程で、それぞれ容積の増大及び減少を繰り返す。なお、本実施形態のコンプレッサ1(圧縮機本体5)は、ロータ11が1回転する間に2回の吸入工程と圧縮工程を有している。
シリンダ12には、各圧縮室20へ冷媒ガスG1を吸入するための各吸入孔(不図示)と、各圧縮室20で圧縮された冷媒ガスG2を吐出するための各吐出孔22a,22bが設けられている。
具体的には、圧縮室20の容積が増加する行程において、低圧の冷媒ガスをフロントサイドブロック14とシリンダ12に形成された吸入孔を通して圧縮室20内に吸入し、容積が減少する行程において、圧縮室20内に閉じこめられた冷媒ガスを圧縮し、これによって冷媒ガスは高温、高圧となる。そして、この高温、高圧の冷媒ガスG2は、各吐出孔22a,22bを通して、シリンダ12、ハウジング2及び両サイドブロック14,15で囲まれて区画された空間である吐出チャンバ23a,23bに吐出される。
各吐出チャンバ23a,23bには、冷媒ガスの圧縮室20側への逆流を阻止する吐出弁24と、吐出弁24の過大な変形(反り)を阻止する弁サポート25が設けられている。吐出孔22a,22bから吐出チャンバ23a,23bに吐出された高温、高圧の冷媒ガスG2は、リアサイドブロック15に形成された吐出口26a,26bを通して、吐出室16内に設けた油分離器17に導入される。なお、図1に示すように、吐出孔22a(吐出孔22b側も同様)は、シリンダ12の長手方向(回転軸10の軸方向)に沿って並設されている。
油分離器17は、冷媒ガスと混ざった冷凍機油(ロータ11に形成されたベーン溝21から圧縮室20に漏れたベーン背圧用の油など)を、遠心力を利用して冷媒ガスから分離するものである。詳細には、圧縮室20から高圧の冷媒ガスG2が、各吐出孔22a,22bに吐出されて、吐出チャンバ23a,23b、吐出口26a,26b等を通して油分離器17内に導入されると、油分離器17の内周面に沿って冷媒ガスが螺旋状に旋回され、冷媒ガスに混ざっている冷凍機油を遠心分離するように構成されている。
そして、図1のように、油分離器17内で冷媒ガスから分離された冷凍機油Rは吐出室16の底部に溜まり、冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒ガスG2は、吐出室16から吐出ポート8を通して凝縮器(不図示)に吐出される。
なお、吐出室16の底部に溜まる冷凍機油Rは、吐出室16に吐出された高圧の冷媒ガスによる高圧雰囲気により、両サイドブロック14,15に形成された油路、サライ溝27(図3参照)等を通してベーン溝21の底部21aに供給され、ベーン13を外方に突出される背圧となる。なお、図3では、リアサイドブロック15側のサライ溝27を示しているが、フロントサイドブロック14側にも同様にサライ溝が形成されている。
(電磁クラッチ6、電磁石32の構成)
この電磁クラッチ6は、図4に示すように、フロントヘッド3に対しベアリング33を介して回転可能に支持されたプーリ30と、該プーリ30の内側に配置された円環状の電磁石32と、プーリ30の前面側に設けたアーマチュア31とを有している。
アーマチュア31は、回転軸10の先端側(図4の左側)に固定されたストッパプレート34に、3つの金属製のリング状の板バネ35(図2参照)を介して接続されており、アーマチュア31の摩擦面40がプーリ30の摩擦面41に対して、所定のギャップを設けて対向配置されている。なお、図4は、アーマチュア31の摩擦面40がプーリ30の摩擦面41から離れて、所定のギャップが設けられている状態である。
電磁石32は、コイルケース36とコイル37を有しており、コイル37への電流印加によって励磁されると、この励磁によって発生する磁束(磁束線)よってアーマチュア31の摩擦面40が、板バネ35のバネ力に抗してプーリ30の摩擦面41に吸着(連結)される。これによって、ベルト(不図示)を介してプーリ30に伝達されているエンジンの駆動力が、アーマチュア31を介して回転軸10(ロータ11)に伝達され、上記したコンプレッサ1が運転される(圧縮機本体4による冷媒ガスの吸入、圧縮動作が行われる)。
また、コイル37への電流印加を停止すると、コイル37の励磁が停止され(消磁され)、板バネ35のバネ力によってアーマチュア31の摩擦面40が、プーリ30の摩擦面41から離れる。これにより、回転軸10に対してエンジンからの駆動力伝達が断絶され、コンプレッサ1の運転が停止される。
プーリ30は、ベルト(不図示)が掛けられるV溝を有する略円筒状の表面部30aと、電磁石32の収容空間を形成する略円筒状の外側収容部30b及び内側収容部30cと、表面部30aを外側収容部30bに接続する接続部30dと、前記摩擦面41を端面に有する端面部30eとを備えており、外側収容部30bと内側収容部30cとの間に形成される収容空間に、所定の隙間を設けて電磁石32が設置されている。なお、プーリ30の表面部30aと外側収容部30bとの間は、重量軽減のために空洞化されている。
電磁石32のコイル37は、断面形状が略U字状のコイルケース36内に固定されており、コイルケース36の一端側(図4の右側)はフロントヘッド3側に固定されている。コイルケース36は、外側収容部30bと対向するコイルケース外周部36aと、内側収容部30cと対向するコイルケース内周部36bを有している。このように、プーリ30の外側収容部30bと内側収容部30cとの間に形成される収納空間に、所定の隙間を設けて電磁石32が設置されているので、プーリ30は電磁石32と接することなく回転可能である。
プーリ30、アーマチュア31、及び電磁石32のコイルケース36は、磁性材(例えば、鉄)で形成されており、電磁石32のコイル37に通電して励磁すると、磁束線が流れる磁気回路(磁束循環経路)Mが、コイルケース36、外側収容部30b、端面部30e、アーマチュア31、内側収容部30cの間に形成される。なお、図4に示した磁気回路Mは、単に磁束線の流れ方向を示しているだけである。
ところで、本願発明者の実験によれば、図4に示した磁気回路Mにおいて、外側収容部30b及び内側収容部30cのフロントヘッド3側の各開口端部付近の領域a1,b1と、コイルケース外周部36a及びコイルケース内周部36bのアーマチュア31側の各開口端部付近の領域a2,b2では、磁束線の流れ量が他の領域よりも少ないことが分かった。
磁束線の流れ量は、流れ方向に対する断面積に比例するため、磁束線の流れ量が少ない部分では断面積を小さくしても磁気抵抗が大きくなることがない。即ち、上記の領域a1,b1付近と領域a2,b2付近では、外側収容部30b及び内側収容部30cと、コイルケース外周部36a及びコイルケース内周部36bの肉厚を薄くしても磁気抵抗が大きくなることはなく、電磁石32のコイル37への通電によって所定の吸着力を発生させることができる。
そこで、図4、図5に示すように、本実施形態では、プーリ30の外側収容部30bのフロントヘッド3側(開口端部付近の領域a1側)が、外側収容部30bのアーマチュア31側よりも肉厚が薄くなるような傾斜面としている。そして、外側収容部30bと対向するコイルケース外周部36aのアーマチュア31側(開口端部付近の領域a2側)が、コイルケース外周部36aのフロントヘッド3側よりも肉厚が薄くなるような傾斜面としている。対向する外側収容部30bの内周面とコイルケース外周部36aの外周面は、互いに逆方向に沿って肉厚が薄くなるようにテーパ状に傾斜しているので、両者の間の隙間(間隔)は一定である。
このように、本実施形態では、磁気抵抗が大きくならないように磁気回路Mのうちの磁束線の流れ量が少ない部分(外側収容部30bの領域a1付近、コイルケース外周部36aの領域a2付近)の肉厚を薄くしているので、所定の吸着力を発生させるための磁束線の流れ量を確保しつつ、電磁石32、プーリ30の軽量化を図ることができる。よって、電磁クラッチ6の性能を低下させることなく、電磁クラッチ6全体の軽量化を図ることができる。
なお、磁気回路Mのうちの、プーリ30の内側収容部30cの領域b1付近、コイルケース内周部36bの領域b2付近)においても磁束線の流れ量が少なく、前記同様に肉厚を薄くすることができる。しかしながら、この領域b1、b2がある内側収容部30cの内周面側とコイルケース内周部36bの外周面側は、電磁石32を外側収容部30bと内側収容部30cとの間に形成される収容空間に設置するときの位置決め基準とするために、内側収容部30cの内周面側とコイルケース内周部36bの外周面側は、回転軸10(プーリ30)の軸方向に沿って平行な面としている。
<参考例>
本発明の実施形態ではない参考例は、図6に示すように、プーリ30の外側収容部30bのフロントヘッド3側(開口端部付近の領域a1側)が、外側収容部30bのアーマチュア31側よりも肉厚が薄くなるように、フロントヘッド3側に向けて段部30fを設けている。即ち、外側収容部30bのフロントヘッド3側(開口端部付近の領域a1側)の内周面直径が、外側収容部30bのアーマチュア31側の内周面直径よりも大きく設定されている。
そして、外側収容部30bと対向するコイルケース外周部36aのアーマチュア31側(開口端部付近の領域a2側)が、コイルケース外周部36aのフロントヘッド3側よりも肉厚が薄くなるように、アーマチュア31側に向けて段部36cを設けている。即ち、コイルケース外周部36aのアーマチュア31側(開口端部付近の領域a2側)の外周面直径が、コイルケース外周部36aのフロントヘッド3側(開口端部付近の領域a1側)の外周面直径よりも小さく設定されている。対向する外側収容部30bの内周面とコイルケース外周部36aの外周面の各段部30f,36cは、逆方向に向けて同じ段差を有しているので、両者の間の隙間(間隔)は一定である。他の構成は実施形態1と同様である。
このように、参考例では、対向する外側収容部30bの内周面とコイルケース外周部36aの外周面に段部30f,36cをそれぞれ設けて、磁気抵抗が大きくならないように、磁気回路のうちの磁束線の流れ量が少ない部分(外側収容部30bの領域a1付近、コイルケース外周部36aの領域a2付近)の肉厚を薄くしているので、所定の吸着力を発生させるための磁束線の流れ量を確保しつつ、電磁石32、プーリ30の軽量化を図ることができる。よって、電磁クラッチ6の性能を低下させることなく、電磁クラッチ6全体の軽量化を図ることができる。
更に、参考例では、対向する外側収容部30bの内周面とコイルケース外周部36aの外周面に、逆方向に向けて同じ段差の段部30f,36cを設けているので、この段部30f,36cの段差分だけ外側収容部30bの内周面をコイルケース外周部36aの外周面に近づけることができる。これにより、段部30f,36cの段差分だけ接続部30dの長さを短くしてプーリ30の外径を小さくできるので、電磁クラッチ6全体の小型化が可能となる。
1 コンプレッサ(気体圧縮機)
2 本体ケース
3 フロントヘッド
4 ハウジング
5 圧縮機本体
6 電磁クラッチ
10 回転軸
11 ロータ
12 シリンダ
13 ベーン
17 油分離器
30 プーリ
30b 外側収容部
30c 内側収容部
30f 段部
31 アーマチュア
32 電磁石
35 板バネ(弾性部材)
36 コイルケース
36a コイルケース外周部
36b コイルケース内周部
36c 段部
37 コイル

Claims (4)

  1. 駆動源からの回転駆動力が伝達されて回転するとともに、摩擦面を有するプーリと、
    このプーリの摩擦面に対して対向配置された摩擦面を有するとともに、この摩擦面と反対側が回転軸に弾性部材を介して固定されたアーマチュアと、
    前記プーリの内側に設けた円環状の電磁石収容空間に設置され、前記アーマチュアに対して磁気吸着力を作用させる円環状の電磁石とを備え、
    前記電磁石の電磁力によって前記アーマチュアを、前記弾性部材の弾性力に抗して前記プーリの摩擦面側に吸引して、前記プーリと前記アーマチュアの各摩擦面同士を吸着させ、前記プーリに伝達された回転駆動力を前記アーマチュアを介して前記回転軸に伝達させる電磁クラッチであって、
    前記電磁石収容空間は、前記プーリの内側に設けた略円筒状の外側収容部と略円筒状の内側収容部との間に形成され、
    前記電磁石は、コイルと、前記コイルの外面側に設けたコイルケースとを有し、
    前記コイルケースのコイルケース外周部の外周面が前記外側収容部の内周面と所定の隙間を設けて対向し、前記コイルケースのコイルケース内周部の外周面が前記内側収容部の内周面と所定の隙間を設けて対向しており、
    前記外側収容部の前記アーマチュアと反対側が、該外側収容部の前記アーマチュア側よりも肉厚が薄くなるように、記アーマチュア側と反対側の端部から前記アーマチュア側の端部の全長に亘って、前記外側収容部の内周面が傾斜したテーパ状に形成され、
    前記外側収容部と対向する前記コイルケース外周部の前記アーマチュア側が、該コイルケース外周部の前記アーマチュアと反対側よりも肉厚が薄くなるように、記アーマチュア側の端部から前記アーマチュアと反対側の端部の全長に亘って、前記コイルケース外周部の外周面が、前記外周収容部の内周面とは逆方向に傾斜したテーパ状に形成され、
    前記外側収容部の内周面と前記コイルケース外周部の外周面との間の隙間が、前記回転軸の軸方向について一定に形成されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記プーリの外側収容部の前記アーマチュアと反対側の内周面直径を、該外側収容部の前記アーマチュア側の内周面直径よりも大きく設定して、前記外側収容部の前記アーマチュアと反対側を、該外側収容部の前記アーマチュア側よりも肉厚が薄くなるようにし、
    前記コイルケース外周部の前記アーマチュア側の外周面直径を、該コイルケース外周部の前記アーマチュアと反対側の外周面直径よりも小さく設定して、前記コイルケース外周部の前記アーマチュア側を、該コイルケース外周部の前記アーマチュアと反対側よりも肉厚が薄くなるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記内側収容部の内周面側と前記コイルケースのコイルケース内周部の外周面側とが、前記電磁石が前記電磁石収容空間に設置されるときの位置決め基準として、前記軸方向に平行な面で形成されている請求項2に記載の電磁クラッチ。
  4. 供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の回転軸に対して駆動源からの回転駆動力を断接する電磁クラッチとを備えた気体圧縮機において、
    前記電磁クラッチは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁クラッチであることを特徴とする気体圧縮機。
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