JP2015132275A - 電磁クラッチ及び気体圧縮機 - Google Patents

電磁クラッチ及び気体圧縮機 Download PDF

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川村 誠
Makoto Kawamura
誠 川村
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Abstract

【課題】ゴムダンパーのような緩衝性が得られない金属バネを用いた構成でも、電磁石の磁力よって、アマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面に吸着されるときの吸着音を低減することができる電磁クラッチ及び気体圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】電磁石22の電磁力によってアマチュア23を、板バネ25のバネ力に抗してプーリ23の摩擦面23a側に吸引して、プーリ21とアマチュア23の各摩擦面21a,23a同士を吸着させる電磁クラッチ5であって、電磁クラッチ5の起動時は、電磁石22で発生される初期起磁力が、電磁石22の通常の起磁力よりも小さくなるように制御され、プーリ21とアマチュア23の各摩擦面21a,23a同士が吸着された後、又は各摩擦面21a,23a同士が吸着される所定時間前に、電磁石22の初期起磁力が通常の起磁力に切り替わるように制御される。
【選択図】図4

Description

本発明は、電磁クラッチ、及び車両などに搭載された空調装置に設置される、駆動力伝達を断接する電磁クラッチを備えた気体圧縮機に関する。
例えば、自動車などの車両には、車室内の温度調整を行うための空調装置が設けられている。このような空調装置は、冷媒(冷却媒体)を循環させるようにしたループ状の冷媒サイクルを有しており、この冷媒サイクルは、蒸発器、気体圧縮機、凝縮器、膨張弁が順に設けられている。前記空調装置の気体圧縮機は、蒸発器で蒸発されたガス状の冷媒を圧縮して高圧の冷媒ガスとし、凝縮器へ送出するものである。
この気体圧縮機のうち外部から動力を受けて動作するものは、その動力の入力の受け入れと入力の停止とを切り替えるために、電磁クラッチを備えている(例えば、特許文献1参照)。
この電磁クラッチは、電磁石のコイル励磁による電磁石の磁力によってアマチュアの摩擦面を、ゴムダンパーの弾性力に抗してロータ(プーリ)の摩擦面に吸着させるように構成されている。アマチュアの摩擦面がロータの摩擦面に吸着すると、ロータ(プーリ)の回転が圧縮機本体の駆動軸へ伝達される。ロータ(プーリ)には、エンジンの回転駆動力がベルトを介して伝達されている。なお、コイルへの電圧印加が停止されると消磁され、ゴムダンパーの弾性力によってアマチュアの摩擦面がロータの摩擦面から離れる。
また、この電磁クラッチでは、電磁石(コイル)への電圧印加よってアマチュアの摩擦面がロータの摩擦面に吸着(連結)されるときに、ゴムダンパーの緩衝性(弾力性)を利用して吸着音が低減されるようにしている。
特開平10−184729号公報
ところで、上記したゴムダンパーよりもコスト的に有利な金属バネを用い、電磁石のコイル励磁による電磁石の磁力によって、アマチュアの摩擦面を、金属バネのバネ力に抗してプーリの摩擦面に吸着させ、電磁石のコイルへの電圧印加が停止されると、金属バネのバネ力によってアマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面から離すようにした構造の電磁クラッチが知られている。
金属バネを用いることで、ゴムダンパーを用いる場合よりもコスト的には有利となるが、ゴムダンパーのような緩衝性が得られないため、電磁石(コイル)への電圧印加よってアマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面に吸着されるときの吸着音が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、ゴムダンパーのような緩衝性が得られない金属バネを用いる構成でも、電磁石の磁力よって、アマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面に吸着されるときの吸着音を低減することができる電磁クラッチ及び気体圧縮機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る電磁クラッチは、駆動源からの回転駆動力が伝達されて回転するとともに、摩擦面を有するプーリと、このプーリの摩擦面に対して対向配置された摩擦面を有するとともに、この摩擦面と反対側が駆動軸に板バネを介して固定されたアマチュアと、前記アマチュアに対して電磁力を作用させる電磁石とを備え、前記電磁石の電磁力によって前記アマチュアを、前記板バネのバネ力に抗して前記プーリの摩擦面側に吸引して、前記プーリと前記アマチュアの各摩擦面同士を吸着させ、前記プーリに伝達された回転駆動力を前記アマチュアを介して前記駆動軸に伝達させ、前記電磁石の電磁力をオフにすることで、前記板バネのバネ力で前記アマチュアの摩擦面をプーリと摩擦面から離間させる電磁クラッチであって、前記電磁クラッチの起動時は、前記電磁石で発生される初期起磁力が、前記電磁石の通常の起磁力よりも小さくなるように制御され、前記プーリと前記アマチュアの各摩擦面同士が吸着された後、又は前記各摩擦面同士が吸着される所定時間前に、前記電磁石の前記初期起磁力が通常の起磁力に切り替わるように制御されることを特徴としている。
また、本発明に係る気体圧縮機は、供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の駆動軸に対して駆動源からの回転駆動力を断接する電磁クラッチとを備えた気体圧縮機において、前記電磁クラッチは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁クラッチであることを特徴としている。
本発明に係る電磁クラッチ及び気体圧縮機によれば、電磁クラッチの起動時には、電磁石で発生される初期起磁力が、電磁石の通常の起磁力よりも小さくなるように制御され、プーリとアマチュアの各摩擦面同士が吸着された後、又は各摩擦面同士が吸着される所定時間前に、電磁石の初期起磁力が通常の起磁力に切り替わるように制御される。
これにより、電磁石の電磁力よってアマチュアの摩擦面が、板バネのバネ力に抗してプーリの摩擦面に吸着されるときの吸着力が小さくなるので、アマチュアの摩擦面がプーリの摩擦面に衝突するときの衝突速度の低減によって衝突音が低減され、その結果として吸着音が低減される。
本発明の実施形態に係る電磁クラッチを備えた気体圧縮機(ベーンロータリー型の気体圧縮機)の本体ケース側を断面で示した図。 このコンプレッサの分解斜視図。 図1のA−A線断面図。 本実施形態における電磁クラッチを示す断面図。 (a)は、電磁石(コイル)へ10Vを印加したときの、ギャップと磁気吸引力の関係を示した図、(b)は、電磁石(コイル)へ12Vを印加したときの、ギャップと磁気吸引力の関係を示した図。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁クラッチを備えた気体圧縮機の一例としてのベーンロータリー型の気体圧縮機(以下、「コンプレッサ」という)を示す図、図2は、このコンプレッサの分解斜視図である。
(コンプレッサ1の全体構成)
図示のコンプレッサ1は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、「空調システム」という)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する)とともに冷却媒体の循環経路上に設けられている。なお、このような空調システムとしては、例えば、車両(自動車など)の車室内の温度調整を行うための空調装置が挙げられる。
コンプレッサ1は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は圧縮された冷媒ガスを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。そして、高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
コンプレッサ1は、図1、図2に示すように、一端側(図1、図2の左側)が開口し他端側が塞がれた略円筒状の本体ケース2と、この本体ケース2の一端側の開口を塞ぐフロントヘッド3と、本体ケース2とフロントヘッド3からなるハウジング6内に収容される圧縮機本体4と、駆動源である車両(自動車)のエンジン(不図示)からの駆動力を圧縮機本体4に伝達するための電磁クラッチ5を備えている。本発明の特徴である電磁クラッチ5の詳細については後述する。
フロントヘッド3は、本体ケース2の開口端面を塞ぐ蓋状に形成されており、本体ケース2の開口端部周囲にボルト締結で固定されている。フロントヘッド3には、空調システムの蒸発器(不図示)から低圧の冷媒ガスを吸入する吸入ポート7を有し、本体ケース2には、圧縮機本体4で圧縮された高圧の冷媒ガスを空調システムの凝縮器(不図示)に吐出する吐出ポート8を有している。
圧縮機本体4は、図3に示すように、駆動軸10と一体的に回転する略円柱状のロータ11と、このロータ11をその外周面11aの外方から取り囲む略楕円形状の内周面12aを有するシリンダ12と、ロータ11の外周面11aからシリンダ12の内周面12aに向けて突出自在に設けられた5枚の板状のベーン13と、ロータ11及びシリンダ12の両端面を塞ぐ2つのサイドブロック(フロントサイドブロック14、リアサイドブロック15(図2参照))とを備えている。図3は、図1のA−A線断面図である。なお、図3では、圧縮機本体4の外周面側の本体ケース2は省略している。
フロントサイドブロック14とリアサイドブロック15の外周面には、それぞれシール部材としてのOリング16が全周にわたって設置されており(フロントサイドブロック14側のOリングは不図示)、フロントサイドブロック14側のフロントヘッド3と本体ケース2間に形成された吸入室(不図示)と、リアサイドブロック15側の本体ケース2内に形成された吐出室17との間を気密性よく仕切っている。
リアサイドブロック15の外側端面15aには、油分離器18が吐出室17内に位置するようにして設置されている。
フロントサイドブロック14は、フロントヘッド3の開口端部周囲の内周面にボルト締結で固定されている。一方、リアサイドブロック15は、図1に示すように、その外周面の端部側(外周面に沿って設置したOリング16よりも油分離器18側)が、本体ケース2の内周面2aに圧入(嵌合)されている。このように、ハウジング6内に収容された圧縮機本体4は、フロントサイドブロック14側がフロントヘッド3にボルトで締結固定され、リアサイドブロック15側が本体ケース2の内周面2aに圧入(嵌合)されるようにして保持されている。
(圧縮機本体4の構成、動作)
図3に示すように、シリンダ12の内周面12aとロータ11の外周面11aと両サイドブロック14,15(図2参照)との間の空間には、等間隔で設置された5つのベーン13によって仕切られた複数の圧縮室22a,22bが形成されている。
各ベーン13は、ロータ11内に形成されたベーン溝23に摺動可能に設置されていて、ベーン溝23の底部に供給される冷凍機油による背圧により、ロータ11の外周面11aから外方向に突出する。なお、図3では、シリンダ12の内周面12aとロータ11の外周面11aとの間の上部側の空間に形成される圧縮室を圧縮室22aとし、下部側の空間に形成される圧縮室を圧縮室22bとしている。
シリンダ12は、ロータ11の外周面11aの外方を取り囲む断面輪郭が略楕円形状の内周面12aを有している。各圧縮室22a,22bは、ロータ11の回転にともなう冷媒ガスの吸入工程及び圧縮工程で、それぞれ容積の増大及び減少を繰り返す。なお、本実施形態のコンプレッサ1(圧縮機本体4)は、ロータ11が1回転する間に2回の吸入工程と圧縮工程を有している。
シリンダ12には、各圧縮室22a,22bへ冷媒ガスG1を吸入するための各吸入孔(不図示)と、各圧縮室22a,22bで圧縮された冷媒ガスG2を吐出するための各吐出孔24a,24bが設けられている。
具体的には、圧縮室22a,22bの容積が増加する行程において、低圧の冷媒ガスをフロントサイドブロック14に形成された各吸入孔(不図示)を通して圧縮室22a,22b内に吸入し、容積が減少する行程において、圧縮室22a,22b内に閉じこめられた冷媒ガスを圧縮し、これによって冷媒ガスは高温、高圧となる。そして、この高温、高圧の冷媒ガスb1,b2は、各吐出孔24a,24bを通して、シリンダ12、ハウジング2及び両サイドブロック14,15で囲まれて区画された空間である吐出チャンバ25a,25bに吐出される。
各吐出チャンバ25a,25bには、冷媒ガスの圧縮室22a,22b側への逆流を阻止する吐出弁26と、吐出弁26の過大な変形(反り)を阻止する弁サポート27が設けられている。吐出孔24a,24bから吐出チャンバ25a,25bに吐出された高温、高圧の冷媒ガスは、リアサイドブロック15に形成された吐出口28a,28bを通して、吐出室17内に設けた油分離器18に導入される。なお、図1に示すように、吐出孔24a(吐出孔24bも同様)は、シリンダ12の長手方向(駆動軸10の軸方向)に沿って並設されている。
油分離器18は、冷媒ガスと混ざった冷凍機油(ロータ11に形成されたベーン溝23から圧縮室22a,22bに漏れたベーン背圧用の油など)を、遠心力を利用して冷媒ガスから分離するものである。詳細には、圧縮室22a,22bから高圧の冷媒ガスが、各吐出孔24a,24bに吐出されて、吐出チャンバ25a,25b、吐出口28a,28b、吐出ガス通路29a,29bを通して油分離器18内に導入されると、油分離器18の内周面に沿って冷媒ガスが螺旋状に旋回され、冷媒ガスに混ざっている冷凍機油を遠心分離するように構成されている。
そして、図1のように、油分離器18内で冷媒ガスから分離された冷凍機油Rは吐出室17の底部に溜まり、冷凍機油が分離された後の高圧の冷媒ガスG2は、吐出室17から吐出ポート8(図2参照)を通して凝縮器(不図示)に吐出される。
なお、吐出室17の底部に溜まる冷凍機油Rは、吐出室17に吐出された高圧の冷媒ガスによる高圧雰囲気により、両サイドブロック14,15に形成された油路、サライ溝(不図示)等を通してベーン溝23にベーン背圧用として供給される。
(電磁クラッチ5の構成、動作)
図4は、電磁クラッチ5の縦断面図である。
この電磁クラッチ5は、図4に示すように、フロントヘッド3に対しベアリング20を介して回転可能に支持されたプーリ21と、該プーリ21の内側に配置された電磁石22と、プーリ21の前面側に設けたアマチュア23とを有している。
アマチュア23は、駆動軸10の先端側(図4の左側)に固定されたストッパプレート24に、3つの金属製のリング状の板バネ25(図2参照)を介して接続されており、アマチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに対して、所定のギャップCを設けて対向配置されている。なお、図4は、アマチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aから離れて、所定のギャップC(例えば0.4〜0.6mm程度)が設けられている状態である。
電磁石22は、コア26とコイル27を有しており、制御部28からコイル27への電圧印加によってコイル27が励磁されると、この励磁による電磁石22の磁力よってアマチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着される。これによって、ベルト(不図示)を介してプーリ21に伝達されているエンジンの駆動力が、アマチュア23を介して駆動軸10(ロータ11)に伝達され、上記したコンプレッサ1が運転される(圧縮機本体4による冷媒ガスの圧縮動作が行われる)。
また、コイル27への電圧印加を停止すると、コイル27の励磁が停止され(消磁され)、板バネ25のバネ力によってアマチュア23の摩擦面23aが、プーリ21の摩擦面21aから離れる。これにより、駆動軸10に対してエンジンからの駆動力伝達が断絶され、コンプレッサ1の運転が停止される。
コンプレッサ1の運転開始時における電磁クラッチ5の起動時には、上記したように、制御部28から電磁石22のコイル27へ電圧印加して励磁し、この励磁による電磁石22の磁力よってアマチュア23の摩擦面23aを、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着させる。この際、アマチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに衝突するように吸着されるため、吸着音が発生する。なお、本実施形態でいう吸着音は、アマチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに衝突するときの衝突音、衝突後の回転初期のスリップ音等がすべて合体された音のことである。
(電磁クラッチ5の起動時における、電磁クラッチ5の制御)
以下、コンプレッサ1の運転開始時における電磁クラッチ5の起動時において、アマチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着するときの吸着音を低減させるための、電磁クラッチ5の制御について説明する。なお、本実施形態のコンプレッサ1は、車両(自動車)に搭載されているものとして説明しているので、電磁クラッチ5の電磁石22(コイル27)に印加される規定電圧は、車両バッテリ電圧であるDC12Vである。
本実施形態の電磁クラッチ5の起動時における、電磁クラッチ5の制御では、制御部28にコンプレッサ1の運転開始信号が入力されると、制御部28は、最初に電磁石22のコイル27へ規定電圧12Vよりも低い初期電圧(本実施形態では、10V)を印加し、コイル27を励磁する。
この際、コイル27への印加電圧が、規定電圧(12V)よりも低い初期電圧(本実施形態では、10V)であると、電磁石22の起磁力が、規定電圧12Vが印加されるときの通常起磁力よりも小さくなる。このため、電磁石22の磁力よって、アマチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着(連結)されるときの吸着力(磁気吸着力)が小さくなる。
即ち、マチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着されるときの衝突速度が、規定電圧(12V)を印加するときよりも低減される。このように、コンプレッサ起動時において、マチュア23(摩擦面23a)の衝突速度が低減されると、プーリ21(摩擦面21a)に対する衝突力が小さくなるので、このときの衝突音が低減され、その結果として吸着音も低減される。
本実施形態では、コイル27への初期電圧を10Vとしたが、ギャップCの距離等に応じて、例えば8V程度でもよい。なお、コイル27への初期電圧が小さすぎると、電磁石22の磁力よって、アマチュア23の摩擦面23aを、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着されるための所定の吸着力(磁気吸着力)が得られなくなる。
図5(a)は、電磁石22(コイル27)へ規定電圧12Vよりも低い10Vを印加したときの、ギャップC(mm)と磁気吸引力(N)の関係を示した実験結果であり、図5(b)は、電磁石22(コイル27)へ規定電圧12Vを印加したときの、ギャップC(mm)と磁気吸引力(N)の関係を示した実験結果である。なお、ギャップCは、アマチュア23の摩擦面23aとプーリ21の摩擦面21a間の隙間であり、磁気吸引力は、電磁石22の磁力よって、アマチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着されるときの吸着力である。
これらの実験結果から明らかなように、電磁石22(コイル27)へ10Vを印加したときの方が、磁気吸引力が小さく、また、ギャップCが大きくなるほど、磁気吸引力が小さくなる。
そして、制御部28は、マチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着されたことを、検知センサ(不図示)からの検知信号によって検知すると、電磁石22のコイル27に通常の規定電圧(12V)に切り替えて印加し、コイル27を励磁する。よって、マチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着された後は、電磁石22は通常の起磁力となり、両者の摩擦面23a,21aは通常の磁気吸引力によって良好に吸着(連結)された状態となる。
マチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着されると、ベルト(不図示)を介してプーリ21に伝達されているエンジンの駆動力が、アマチュア23を介して駆動軸10(ロータ11)に伝達され、コンプレッサ1が運転される。
このように、コンプレッサ1の運転開始時における電磁クラッチ5の起動時には、電磁石22のコイル27へ規定電圧12Vよりも低い初期電圧(例えば、10V)を印加し、電磁石22の起磁力を、規定電圧12Vが印加されるときの通常起磁力よりも小さくする。これによって、電磁石22の磁力よって、アマチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着(結合)されるときの吸着力が小さくなり(衝突速度が低減され)、吸着音をゴムダンパーを用いた場合と同程度まで低減することができる。
なお、上記した実施形態では、電磁クラッチ5の起動時に、マチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着された後において、電磁石22のコイル27へ印加する電圧を初期電圧10Vから規定電圧12Vに上げたが、マチュア23の摩擦面23aがプーリ21の摩擦面21aに吸着される直前に規定電圧12Vに上げるようにしてもよい。
また、電磁石22(コイル27)へ印加する複数の電圧値と、その印加電圧に対応した電磁石22の磁力よってアマチュア23の摩擦面23aが、板バネ25のバネ力に抗してプーリ21の摩擦面21aに吸着されるまでの時間との関係が予め記憶されている場合には、コンプレッサ起動時に、所定時間の間(例えば、初期電圧印加時から0.06sec間)は、電磁石22のコイル27へ規定電圧12Vよりも低い初期電圧(例えば、10V)を印加し、その後から吸着されるまでの時間内に、例えば2段階又は多段階、もしくは連続的に通常の規定電圧12Vまで上げるようにしてもよい。
上記した実施形態では、電磁クラッチ5の起動時に、電磁石22のコイル27へ規定電圧12Vよりも低い初期電圧(例えば、10V)を印加し、電磁石22の起磁力を、規定電圧12Vが印加されるときの通常起磁力よりも小さくするようにしていたが、電磁石22のコイル27への電流印加を同様に制御するようにしてよい。
1 コンプレッサ(気体圧縮機)
2 本体ケース
3 フロントヘッド
4 圧縮機本体
5 電磁クラッチ
10 駆動軸
21 プーリ
21a 摩擦面
22 電磁石
23 アマチュア
23a 摩擦面
25 板バネ
28 制御部
C ギャップ

Claims (4)

  1. 駆動源からの回転駆動力が伝達されて回転するとともに、摩擦面を有するプーリと、
    このプーリの摩擦面に対して対向配置された摩擦面を有するとともに、この摩擦面と反対側が駆動軸に板バネを介して固定されたアマチュアと、
    前記アマチュアに対して電磁力を作用させる電磁石とを備え、
    前記電磁石の電磁力によって前記アマチュアを、前記板バネのバネ力に抗して前記プーリの摩擦面側に吸引して、前記プーリと前記アマチュアの各摩擦面同士を吸着させ、前記プーリに伝達された回転駆動力を前記アマチュアを介して前記駆動軸に伝達させ、
    前記電磁石の電磁力をオフにすることで、前記板バネのバネ力で前記アマチュアの摩擦面をプーリと摩擦面から離間させる電磁クラッチであって、
    前記電磁クラッチの起動時は、前記電磁石で発生される初期起磁力が、前記電磁石の通常の起磁力よりも小さくなるように制御され、
    前記プーリと前記アマチュアの各摩擦面同士が吸着された後、又は前記各摩擦面同士が吸着される所定時間前に、前記電磁石の前記初期起磁力が通常の起磁力に切り替わるように制御されることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記電磁石の前記初期起磁力が通常の起磁力に切り替わる際に、2段階又は多段階又は連続的に起磁力を上げるようにすることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 前記電磁クラッチの起動時に、前記電磁石に対して通常の規定電圧よりも低い電圧を印加することで、前記電磁石で発生される初期起磁力を通常の起磁力よりも小さくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  4. 供給された媒体を圧縮して、圧縮された高圧の媒体を吐出する圧縮機本体と、前記圧縮機本体の駆動軸に対して駆動源からの回転駆動力を断接する電磁クラッチとを備えた気体圧縮機において、
    前記電磁クラッチは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁クラッチであることを特徴とする気体圧縮機。
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WO2018230485A1 (ja) * 2017-06-15 2018-12-20 カルソニックカンセイ株式会社 気体圧縮機の電磁クラッチに対する制御装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6124832A (ja) * 1984-07-13 1986-02-03 Diesel Kiki Co Ltd 電磁クラツチの駆動回路

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