JP2016121802A - 電磁クラッチおよびその製造方法 - Google Patents

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Yoshinori Fukumura
佳紀 福村
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Abstract

【課題】断面L字状のステータを用いた電磁クラッチにおいて、伝達トルク能力の低下を抑制する。【解決手段】断面L字状のステータ30は、ステータ円筒部31とステータ壁部32とを有する。電磁コイル34は、ステータ円筒部31の径方向外側に配置されている。電磁コイル34が配置された断面L字状のステータ30に対して、アームサポート40のサポート円筒部42を、電磁コイル34の外周を覆うように、電磁コイル40の外側に配置する。サポート円筒部42をロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向させる。これによれば、ステータ壁部32の径方向端面32bをロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向させた場合と比較して、実質的に、ロータ10の外側円筒部11とステータ30との対向面積を広くできるので、伝達トルク能力の低下を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁クラッチおよびその製造方法に関するものである。
特許文献1に、ロータと、ステータと、電磁コイルとを備える電磁クラッチが記載されている。ロータは、回転中心線を中心とする内側円筒部および外側円筒部と、これらの端部に連なるロータ壁部とを有する断面U字形状である。ステータは、ロータの回転中心線を中心とする円筒部と、ロータ壁部から離れた側の円筒部の端部から円筒部の径方向外側に向かって延伸するステータ壁部とを有する断面L字形状である。電磁コイルは、断面U字形状のスプール(コイルボビンとも呼ばれる)に巻回されており、このスプールを介して、ステータの円筒部に固定されている。
ステータは、電磁コイルが固定された状態で、ロータの外側円筒部、内側円筒部およびロータ壁部によって囲まれたロータの内部空間に配置されており、ステータの円筒部がロータの内側円筒部と空隙を介して対向し、ステータ壁部の径方向端面がロータの外側円筒部と空隙を介して対向している。
特開2008−64258号公報
ところで、従来、ロータと同様の断面U字形状のステータを用いた電磁クラッチがある。しかし、この電磁クラッチでは、ステータをプレス加工で製造すると、ステータの形状が複雑であるため、プレス加工が難しく、工程数が多くなったり、高い寸法精度を得るためには手間がかかったりする。この結果、電磁クラッチの製造コストが増大してしまう。例えば、ステータの内側円筒部と外側円筒部は、絞り加工で成形する必要があり、高い寸法精度を得ようとするとプレス荷重が大きくなり、製造コストが増大してしまう。
これに対して、上記した特許文献1のように、断面L字形状のステータを用いることで、断面U字形状のステータを用いる場合と比較して、ステータの形状が簡略化されるため、プレス加工によるステータの製造が容易になる。この結果、電磁クラッチの製造コストを低減できる。
さらに、断面L字形状のステータを用いることで、電磁コイルをステータに直接巻回(直巻)することができる。これにより、電磁コイルを巻回したスプールをステータに組み付ける場合と比較して、スプールの電磁コイルが巻回される部分の肉厚分、ステータ径方向におけるコイルスペースの径方向寸法を拡大できる。
しかし、電磁コイルを直巻した断面L字形状のステータを、特許文献1のように、ステータ壁部の径方向端面をロータの外側円筒部に空隙を介して対向させて、ロータの内部空間に配置した場合、断面U字形状のステータを用いた場合と比較して、伝達トルク能力が低下するという問題が生じることがわかった。
なお、この問題の発生は、断面L字状のステータに電磁コイルを直巻して、電磁コイルをステータに固定した電磁クラッチに限られない。断面L字形状のステータにおける円筒部の径方向外側に介在部材を介して電磁コイルを配置して、電磁コイルをステータに固定した電磁クラッチにおいても、この問題が生じる。
本発明は上記点に鑑みて、断面L字状のステータを用いた電磁クラッチにおいて、伝達トルク能力の低下を抑制することを第1の目的とする。また、本発明は、断面L字状のステータに電磁コイルを直巻した電磁クラッチにおいて、伝達トルク能力の低下を抑制することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
通電時に電磁吸引力を発生する電磁コイル(34)と、
駆動源からの回転駆動力を受けて回転中心線(O)を中心に回転するロータ(10)と、
電磁コイルの通電時に電磁吸引力によってロータに連結されるとともに、電磁コイルの非通電時にロータから切り離されるアーマチュア(20)と、
ロータの内部空間(100)に配置されるとともに、電磁コイルを保持するステータ(30)と、
ステータとは別体の部材で構成された別体部材(40、50、60)とを備え、
ロータ、アーマチュア、ステータおよび別体部材は、磁性材料で構成されており、
ロータは、回転中心線を中心とする外側円筒部(11)と、外側円筒部の内側に配置され、回転中心線を中心とする内側円筒部(12)と、外側円筒部および内側円筒部のアーマチュア側の端部同士を結ぶ壁部(13)とを有し、ロータの外側円筒部、内側円筒部および壁部によって囲まれた空間がロータの内部空間であり、
ステータは、回転中心線を中心とする円筒部(31)と、ステータの円筒部のアーマチュアから離れた側の端部からステータの円筒部の径方向外側に向かって延伸する壁部(32)とを有し、
電磁コイルは、ステータの円筒部に対して、ステータの円筒部の径方向外側に配置されており、
別体部材は、回転中心線を中心とする別体円筒部(42、51、62)を少なくとも有するとともに、ステータの壁部と接触しており、
別体円筒部は、電磁コイルの外周を覆うように、ステータの円筒部の径方向における電磁コイルの外側に配置されているとともに、ロータの外側円筒部に空隙を介して対向していることを特徴としている。
上記第2の目的を達成するため、請求項3に記載の発明では、
通電時に電磁吸引力を発生する電磁コイル(34)と、
駆動源からの回転駆動力を受けて回転中心線(O)を中心に回転するロータ(10)と、
電磁コイルの通電時に電磁吸引力によってロータに連結されるとともに、電磁コイルの非通電時にロータから切り離されるアーマチュア(20)と、
ロータの内部空間(100)に配置されるとともに、電磁コイルを保持するステータ(30)と、
ステータとは別体の部材で構成された別体部材(40、50、60)とを備え、
ロータ、アーマチュア、ステータおよび別体部材は、磁性材料で構成されており、
ロータは、回転中心線を中心とする外側円筒部(11)と、外側円筒部の内側に配置され、回転中心線を中心とする内側円筒部(12)と、外側円筒部および内側円筒部のアーマチュア側の端部同士を結ぶ壁部(13)とを有し、ロータの外側円筒部、内側円筒部および壁部によって囲まれた空間がロータの内部空間であり、
ステータは、回転中心線を中心とする円筒部(31)と、ステータの円筒部のアーマチュアから離れた側の端部からステータの円筒部の径方向外側に向かって延伸する壁部(32)とを有し、
電磁コイルは、ステータの円筒部に直巻されており、
別体部材は、回転中心線を中心とする別体円筒部(42、51、62)を少なくとも有するとともに、ステータの壁部と接触しており、
別体円筒部は、電磁コイルの外周を覆うように、ステータの円筒部の径方向における電磁コイルの外側に配置されているとともに、ロータの外側円筒部に空隙を介して対向していることを特徴としている。
ここで、断面U字形状のステータを用いた従来の電磁クラッチでは、ステータがロータの内部空間に配置された状態において、ステータの外側円筒部がロータの外側円筒部に空隙を介して対向している。
一方、断面L字形状のステータを用い、特許文献1のように、ステータ壁部の径方向端面をロータの外側円筒部に空隙を介して対向させた場合、断面U字形状の場合と比較して、ロータの外側円筒部とステータとの対向面積が小さくなってしまう。これが原因となって、電磁コイルの通電時にアーマチュアに作用する磁気吸引力が低下し、伝達トルク能力が低下してしまう。
これに対して、請求項1、3に記載の発明では、断面L字形状のステータと別体円筒部をロータの内部空間に配置し、別体円筒部をロータの外側円筒部に空隙を介して対向させている。別体円筒部は、ステータと接触しているので、ステータから離れている部材よりも、ステータとの間の磁気抵抗が低く、ステータの一部とみなすことができる。
これにより、断面L字形状のステータを用い、特許文献1のように、ステータ壁部の径方向端面をロータの外側円筒部に空隙を介して対向させた場合と比較して、実質的に、ロータの外側円筒部とステータとの対向面積を大きくできる。換言すると、ロータの外側円筒部とステータとの対向面積を、断面U字形状のステータを用いる場合の対向面積に近づけることができる。
したがって、請求項1、3に記載の発明によれば、断面U字形状のステータを用いる場合と比較した伝達トルク能力の低下を抑制できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における電磁クラッチの構成を示す断面図である。 図1の電磁クラッチの分解斜視図である。 図1中の電磁コイル、ステータおよびアームサポートの拡大図である。 図1中のステータの正面図であって、図5のIV矢印方向からステータを見た図である。 図4中のV−V線矢視断面図である。 図1中のアームサポートの正面図であって、図7のVI矢印方向からアームサポートを見た図である。 図6中のVII−VII線矢視断面図である。 比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第1実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第1実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第1実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 比較例1における電磁クラッチの磁場解析結果である。 比較例2における電磁クラッチの磁場解析結果である。 第1実施形態における電磁クラッチの磁場解析結果である。 第2実施形態における電磁クラッチの電磁コイル、ステータ、別体部材およびアームサポートの断面図である。 第3実施形態における電磁クラッチの電磁コイル、ステータ、別体部材およびアームサポートの断面図である。 第4実施形態における電磁クラッチの電磁コイル、ステータおよびアームサポートの断面図である。 第4実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第4実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第4実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第5実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。 第5実施形態におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1に示す第1実施形態の電磁クラッチ1は、車両走行用駆動力を出力する駆動源としてのエンジンから回転駆動力を得て、圧縮機構を回転駆動させる圧縮機2のクラッチ機構に本発明の原理を適用したものである。したがって、本実施形態では、エンジンが駆動源であり、圧縮機2が従動側機器である。
圧縮機2は、冷媒を吸入して圧縮するものであり、圧縮機2からの吐出冷媒を放熱させる放熱器、放熱器からの流出冷媒を減圧膨張させる膨張弁、および、膨張弁にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器とともに、車両用空調装置の冷凍サイクル装置を構成する。
電磁クラッチ1は、エンジンからの回転駆動力を受けた際に回転中心線Oを中心に回転する駆動側回転体を構成するロータ10と、圧縮機2の回転軸2aに連結された従動側回転体を構成するアーマチュア20とを有する。このロータ10とアーマチュア20とを連結したり、切り離したりすることで、エンジンから圧縮機2への回転駆動力の伝達を断続する。なお、図1は、ロータ10とアーマチュア20とを互いに切り離した状態を示している。
つまり、電磁クラッチ1がロータ10とアーマチュア20とを連結すると、エンジンの回転駆動力が圧縮機2に伝達されて、冷凍サイクル装置が作動する。一方、電磁クラッチ1がロータ10とアーマチュア20とを切り離すと、エンジンの回転駆動力が圧縮機2に伝達されることはなく、冷凍サイクル装置も作動しない。なお、電磁クラッチ1は、冷凍サイクル装置の各種構成機器の作動を制御する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
以下、電磁クラッチ1の具体的な構成について説明する。図1、2に示すように、電磁クラッチ1は、ロータ10、アーマチュア20、ステータ30およびアームサポート40を備えている。
ロータ10は、アーマチュア20から離れた側である反アーマチュア側(図1では右側)が開口した断面U字形状の二重円筒構造である。すなわち、ロータ10は、回転中心線Oを中心とする外側円筒部11と、この外側円筒部11の内周側に配置され、回転中心線Oを中心とする内側円筒部12と、外側円筒部11および内側円筒部12のアーマチュア20側の端部同士を結ぶように回転中心線Oに直交する方向に延伸する壁部13とを有している。外側円筒部11、内側円筒部12および壁部13は、鉄等の磁性材料で構成されている。外側円筒部11と内側円筒部12は、回転中心線Oの軸線方向長さが同じである。
外側円筒部11および内側円筒部12は、圧縮機2の回転軸2aに対して同軸上に配置されている。すなわち、図1に示す回転中心線Oは、外側円筒部11および内側円筒部12の回転中心線であるとともに、回転軸2aの回転中心線でもある。外側円筒部11の外周側には、Vベルトが掛けられるV溝11aが形成されている。内側円筒部12の内周側には、ボールベアリング14の外側レースが固定されている。
ボールベアリング14は、圧縮機2の外殻を形成するハウジングに対して、ロータ10を回転自在に固定するものである。そのため、ボールベアリング14の内側レースは、圧縮機2のハウジングに設けられたハウジングボス部2bに固定されている。
壁部13は、回転中心線Oの軸線方向における一方の側および他方の側にそれぞれ配置された一方の端面13aおよび他方の端面13bを有し、これらの端面13a、13bは、軸線方向において互いに離間するとともに、軸線方向に直交する方向にそれぞれ延設されている。壁部13には、軸線方向から見たときに径方向に2列に並んだ円弧状の複数の断磁スリット13c、13dが形成されている。この断磁スリット13c、13dは、壁部13を軸線方向に貫通して延びている。壁部13の一方の端面13aは、アーマチュア20に対向しており、ロータ10とアーマチュア20が連結された際に、アーマチュア20と接触するロータ10の摩擦面となる。したがって、以下では、壁部13の一方の端面13aを摩擦面13aとも称する。
本実施形態では、壁部13の摩擦面13aの一部に、壁部13の摩擦係数を増加させるための摩擦部材15を配置している。この摩擦部材15は、非磁性材料で形成されており、具体的には、アルミナを樹脂で固めたものや、アルミニウム粉末等の金属粉末の焼結材を採用できる。
アーマチュア20は、鉄等の磁性材料で構成されている。アーマチュア20は、回転中心線Oに直交する方向に広がるとともに、中心部にその表裏を軸線方向に貫通する貫通穴が形成された円板状部材である。アーマチュア20は、回転中心線Oの軸線方向における一方の側および他方の側にそれぞれ配置された一方の端面20aおよび他方の端面20bを有している。このアーマチュア20の回転中心は、圧縮機2の回転軸2aに対して同軸上に配置されている。すなわち、アーマチュア20の回転中心線は、回転中心線Oと一致している。
アーマチュア20には、ロータ10の壁部13と同様に、軸線方向から見たときに円弧状の複数の断磁スリット20cが形成されている。この断磁スリット20cは、アーマチュア20の一方の端面20aと他方の端面20bを貫通している。この断磁スリット20cは、壁部13の径方向内側の断磁スリット13cと壁部13の径方向外側の断磁スリット13dとの間に位置付けられている。
また、アーマチュア20の一方の端面20aは、ロータ10の摩擦面13aに対向しており、ロータ10とアーマチュア20が連結された際に、ロータ10と接触する摩擦面を形成している。したがって、以下では、アーマチュア20の一方の端面20aをアーマチュア20の摩擦面20aとも称する。さらに、アーマチュア20の他方の端面20bには、略円盤状のアウターハブ21が固定されている。
アウターハブ21は、後述するインナーハブ22とともに、アーマチュア20と圧縮機2の回転軸2aとを連結する連結部材を構成している。アウターハブ21とインナーハブ22は、それぞれ回転中心線Oの軸線方向に延びる円筒部21a、22aを有しており、アウターハブ21の円筒部21aの内周面およびインナーハブ22の円筒部22aの外周面には、弾性材料(エラストマー)からなる弾性部材である円筒状のゴム23が加硫接着されている。
さらに、インナーハブ22は、圧縮機2の回転軸2aに設けられたネジ穴にボルト24によって締め付けられることによって固定されている。すなわち、インナーハブ22は圧縮機2の回転軸2aに連結可能に構成されている。
これにより、アーマチュア20、アウターハブ21、ゴム23、インナーハブ22、および圧縮機2の回転軸2aが連結される。そして、ロータ10とアーマチュア20が連結されると、アーマチュア20、アウターハブ21、ゴム23、インナーハブ22、および圧縮機2の回転軸2aがロータ10とともに回転する。
また、ゴム23は、アウターハブ21に対してロータ10から離れる方向に弾性力を作用させている。この弾性力により、ロータ10とアーマチュア20が切り離された状態では、アウターハブ21に連結されたアーマチュア20の摩擦面20aとロータ10の摩擦面13aとの間に予め定めた所定間隔の隙間が形成される。
ステータ30は、非回転体、本実施形態では圧縮機2に固定されており、回転しないものである。ステータ30は、ロータ10の外側円筒部11、内側円筒部12および壁部13によって囲まれたロータ10の内部空間100に配置されている。このため、ステータ30は、壁部13の他方の端面13bに対向しており、壁部13の他方の端面13bとの間に空間101を形成している。
図3、4、5に示すように、ステータ30は、回転中心線Oを中心とする円筒形状のステータ円筒部31と、ステータ円筒部31の反アーマチュア側(図3、5では右側)の端部からステータ円筒部31の径方向外側に向かって回転中心線Oに直交する方向に延伸するステータ壁部32とを備え、断面形状がL字形状となっている。この断面は、ステータ30の半径方向に沿って、ステータ30を切断した断面である。ステータ円筒部31とステータ壁部32は、一体に、すなわち、同じ材料で連続して形成されており、鉄等の磁性材料で構成されている。
図3に示すように、ステータ30は、電磁コイル34を保持している。具体的には、ステータ円筒部31のアーマチュア側(図3では左側)の端部において、ステータ円筒部31の外周面に、回転中心線Oに垂直な円環板状のスプール33が圧入等によって固定されている。ここでいうスプール33は、巻回された電磁コイル34の側面を抑えるものである。ステータ円筒部31に電磁コイル34が直接巻回(直巻)されている。電磁コイル34は、ステータ円筒部31と、ステータ壁部32と、スプール33とによって囲まれた空間300に配置されている。すなわち、電磁コイル34は、ステータ円筒部31に対して、ステータ円筒部31の径方向外側に配置されている。
このように、本実施形態では、電磁コイル34は、ステータ円筒部31に直巻されることによって、ステータ30に固定されている。
なお、図示しないが、電磁コイル34にはコネクタが接続されている。図4に示すように、ステータ30には、このコネクタを取り出すためのコネクタ取り出し部321が形成されている。
アームサポート40は、ステータ30を圧縮機2に固定するための固定部材であり、圧縮機2に固定されるとともに、ステータ30を支持している。
図3、6、7に示すように、アームサポート40は、円環板状の板部41と、回転中心線Oを中心とする円筒形状のサポート円筒部42とを有し、断面形状が逆L字形状となっている。この断面は、アームサポート40の半径方向に沿って、アームサポート40を切断した断面である。板部41とサポート円筒部42は、一体に形成されており、鉄等の磁性材料で構成されている。本実施形態では、アームサポート40がステータ30と別体の部材で構成された別体部材を構成しており、サポート円筒部42が本発明の別体円筒部を構成している。
板部41は、回転中心線Oに直交する方向に延伸しており、ステータ壁部32と平行である。板部41は、ステータ壁部32の回転中心線Oの軸線方向における反アーマチュア側の端面に32aに、リベット等の締結部材によって固定されている。板部41は、圧縮機2のハウジングに固定されている。なお、圧縮機2のハウジングは、従動側機器の一部を構成している。したがって、板部41は、従動側機器に直接固定されている。また、図7に示すように、板部41には、電磁コイル34に接続される図示しないコネクタを取り出すためのコネクタ取り出し部411が形成されている。
サポート円筒部42は、板部41の端部からステータ壁部32よりもアーマチュア側に延伸している。このため、サポート円筒部42は、図3に示すように、電磁コイル34の外周を覆うように、ステータ円筒部31の径方向における電磁コイル34の外側に配置されている。サポート円筒部42とステータ30との間に、電磁コイル34を封止する樹脂部材35が設けられている。樹脂部材35は、ポリアミド樹脂等で構成されている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、板部41がステータ壁部32の軸線方向端面32aと接触しているとともに、サポート円筒部42がステータ壁部32の径方向外側の径方向端面32bと接触している。軸線方向端面32aは、回転中心線Oの軸線方向におけるステータ壁部32のアーマチュアから離れた側の端面である。
また、本実施形態では、図1に示すように、ステータ30とサポート円筒部42とが、互いに組み合わされた状態で、ロータ10の内部空間100に配置されている。ステータ円筒部31は、ロータ10の内側円筒部12に空隙を介して対向している。サポート円筒部42は、ロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向している。
次に、上記構成の電磁クラッチ1の作動について説明する。電磁コイル34の通電時では、電磁コイル34が発生する電磁吸引力によって、アーマチュア20がロータ10の摩擦面13aに吸着され、ロータ10とアーマチュア20とが連結する。これにより、エンジンからの回転動力が圧縮機2へ伝達される。
一方、電磁コイル34の通電が遮断されると、すなわち、電磁コイル34の非通電時では、ゴム23の弾性力によって、アーマチュア20がロータ10の摩擦面13aから切り離される。これにより、エンジンからの回転動力は圧縮機2へ伝達されない。
次に、本実施形態におけるステータ30と電磁コイル34の組付け工程と、比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程とを説明する。ステータ30と電磁コイル34の組付け工程は、本実施形態の電磁クラッチ1の製造方法の一部である。図8A、8B、8C、8Dは、比較例1におけるステータと電磁コイルの組付け工程を示している。比較例1は、断面U字形状のステータJ30を用いた従来例である。
比較例1では、図8Aに示すように、ステータJ30とスプールJ34を用意する工程を行う。ステータJ30は、本実施形態のステータ円筒部31に対応する内側円筒部J31と、本実施形態のステータ壁部32に対応するステータ壁部J32と、内側円筒部J33の外側に配置された外側円筒部J33とを有している。外側円筒部J33は、内側円筒部J31およびステータ壁部J32と一体に形成されている。ステータ壁部J32には、円環板状のアームサポートJ40が予め固定されている。
スプールJ34は、円筒形状の筒部J341と、筒部の両端に連なる一対の側壁J342、J343とを有している。筒部J341が、電磁コイルJ35が巻回される部分である。一方の側壁J342が、本実施形態のスプール33に対応している。スプールJ34は、樹脂製である。
続いて、図8Bに示すように、スプールJ34に電磁コイルJ35を巻回する工程を行う。
続いて、図8Cに示すように、スプールJ34をステータJ30の内部空間J300に挿入する工程を行う。内部空間J300は、内側円筒部J31と、ステータ壁部J32と、外側円筒部J33によって囲まれた空間である。
続いて、図8Dに示すように、樹脂部材J36によって電磁コイルJ35を封止する工程を行う。このようにして、ステータJ30への電磁コイルJ35の組付けが完了する。
これに対して、本実施形態では、図9A、9B、9Cに示す工程を順に行う。
すなわち、図9Aに示すように、ステータ30と、アームサポート40とを用意する工程を行う。このとき、ステータ30には、スプール33が予め固定されている。
続いて、図9Bに示すように、ステータ30のステータ円筒部31に、電磁コイル34を直巻する工程を行う。
続いて、図9Cに示すように、電磁コイル34が巻回されたステータ30をアームサポート40のサポート円筒部42の内部に挿入する。
その後、図示しないが、リベットを用いてステータ壁部32とアームサポート40の板部41とを固定し、さらに、樹脂部材35で電磁コイル34を封止する。これにより、図3に示すように、ステータ30への電磁コイル34の組付けが完了する。すなわち、ステータ30の製造が完了する。そして、ロータ10、アーマチュア20等の他の部品も製造されることで、電磁クラッチ1が製造される。
このように、比較例1では、スプールJ34に電磁コイルJ35を巻回した後、そのスプールJ34をステータJ30の内部空間J300に挿入するのに対して、本実施形態では、ステータ30に電磁コイル34を直巻した後、そのステータ30をアームサポート40に組み付ける点において、比較例1と本実施形態は異なっている。
次に、本実施形態の主な効果について説明する。
(1)本実施形態では、断面L字形状のステータ30を用いている。これにより、比較例1のように、断面U字形状のステータJ30を用いた場合と比較して、ステータ30の形状が簡略化されるため、プレス加工によるステータ30の製造が容易になる。この結果、電磁クラッチ1の製造コストを低減できる。
(2)本実施形態では、断面L字形状のステータ30とサポート円筒部42を有する断面逆L字形状のアームサポート40とを用いており、電磁コイル34の外側の円筒部をステータ30とは別体の部材で構成している。
これにより、ステータ30のステータ円筒部31に電磁コイル34を直巻することができる。ステータ円筒部31に電磁コイル34を直巻した後に、アームサポート40を組み付けることができる。
(3)本実施形態では、ステータ円筒部31に電磁コイル34を直巻している。これにより、従来のように、電磁コイルをスプールの円筒部に巻回し、電磁コイルが巻回されたスプールをステータに組み付けた場合と比較して、電磁コイルが巻回されるスプールの円筒部の肉厚分、ステータの径方向におけるコイルスペースの径方向寸法を拡大できる。
また、従来のように、電磁コイルをスプールの円筒部に巻回した場合、スプールは一般的に樹脂製のため、電磁コイルの放熱性が悪くなる。これに対して、本実施形態では、ステータ円筒部31に電磁コイル34を直巻しているので、電磁コイル34からステータ30への放熱がスムーズになり、コイル放熱性が向上する。
(4)図10、11、12のそれぞれに、比較例1の電磁クラッチJ1、比較例2の電磁クラッチJ2、第1実施形態の電磁クラッチ1のそれぞれの磁場解析結果を示す。なお、図10、11、12では、電磁コイルの図示を省略している。また、比較例1、2におけるロータ10の形状は、本実施形態と同じである。
比較例1は、上述の図8Dに示されるものであり、断面U字形状のステータを用いたものである。比較例1では、ステータJ30がロータ10の内部空間100に配置された状態において、ステータJ30の外側円筒部J33が、ロータ10の外側円筒部11に対して、空隙を介して対向している。
比較例2は、断面L字形状のステータ30を用いている点は、本実施形態と同じであるが、アームサポート40のサポート円筒部42を有していない点が、本実施形態と異なるものである。比較例2では、ステータ30がロータ10の内部空間100に配置された状態において、ステータ壁部32の径方向端面32bが、ロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向している。
比較例2によれば、比較例1と比較して、断面U字形状のステータJ30における外側円筒部J33をなくした分、コイルスペースの径方向寸法を拡大できる。
しかし、比較例2の場合、比較例1と比較して、ロータ10の外側円筒部11とステータ30との対向面積が小さくなってしまう。
ここで、図10、11に示すように、電磁コイル34、J35の通電時では、図中の太線矢印のように、ロータ10、アーマチュア20およびステータ30に磁束が流れる磁気回路が形成される。このとき、ロータ10の外側円筒部11とステータ30との間では、空隙を介して、磁束が受け渡される。このため、ロータ10の外側円筒部11とステータ30の対向面積が小さくなると、ロータ10の外側円筒部11とステータ30の間の空隙の磁気抵抗が増大する。この結果、電磁コイルの通電時に、磁気回路全体を流れる磁束量が減少し、アーマチュア20に作用する磁気吸引力が低下し、伝達トルク能力が低下してしまう。
すなわち、図10に示すように、比較例1では、ロータ10の外側円筒部11と、これに対向するステータJ30の外側円筒部J33との間の空隙(図10中の破線の円で囲まれた範囲)における磁束密度は、0.3Tであった。
一方、図11に示すように、比較例2では、ロータ10の外側円筒部11と、ステータ壁部32との間の空隙(図11中の破線の円で囲まれた範囲)における磁束密度は、1.0Tであった。また、比較例1の磁気回路全体の磁束量をφとすると、比較例2の磁気回路全体の磁束量は0.85φであった。
このように、比較例2は、比較例1と比較して、ロータ10の外側円筒部11とステータ壁部32との間の空隙において、磁束密度が増大、すなわち、磁気抵抗が増大し、磁気回路全体を流れる磁束量が15%減少していた。このため、ロータ10の摩擦面13aとアーマチュア20の摩擦面20aを流れる磁束量(図11中の摩擦面13a、20aを含む領域の磁束密度)も15%減少していた。
ここで、吸引力Fは、F=B2S(S:摩擦面13aの断面積、B:摩擦面13aの磁束密度)で表される。
したがって、比較例2の吸引力F’は、次式で表される。F’=(0.85×B)2S≒0.7×B2S=0.7Fとなり、吸引力Fは約30%低下してしまう。このため、比較例2の場合、比較例1と比較して、伝達トルク能力が低下する。
これに対して、本実施形態では、断面L字形状のステータ30とサポート円筒部42をロータ10の内部空間100に配置し、サポート円筒部42をロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向させている。サポート円筒部42を含むアームサポート40は、ステータ30と接触しているので、ステータ30から離れている部材よりも、ステータ30との間の磁気抵抗が低い。したがって、サポート円筒部42をステータ30の一部とみなすことができる。
これにより、実質的に、比較例2と比較して、ロータ10の外側円筒部11とステータ30との対向面積を大きくできる。換言すると、実質的に、ロータ10の外側円筒部11とステータ30との対向面積を、比較例1のロータ10の外側円筒部11とステータJ30の外側円筒部J33の対向面積に近づけることができる。
この結果、本実施形態では、図12に示すように、ロータ10の外側円筒部11とそれに対向するサポート円筒部42との間の空隙(図12中の破線の円で囲まれた範囲)における磁束密度は、比較例1の空隙の磁束密度に対して低下しておらず、本実施形態の磁気回路全体の磁束量は、比較例1の磁束量φとほぼ同じであり、比較例1に対して低下していなかった。
したがって、本実施形態によれば、断面L字形状のステータ30を採用しても、断面U字形状のステータJ30を採用していたときと比較して、伝達トルク能力の低下を抑制できる。
(5)本実施形態では、サポート円筒部42をロータ10の内部空間100に配置し、サポート円筒部42をロータ10の外側円筒部11に空隙を介して対向させている。このため、サポート円筒部42が、比較例1のステータJ30の外側円筒部J33に対応しており、本実施形態の電磁クラッチ1は、比較例1の電磁クラッチJ1と類似の構造を有している。したがって、本実施形態の電磁クラッチ1を採用した場合、比較例1の電磁クラッチJ1に対する変更点が少なく済む。
なお、伝達トルク能力の低下を抑制するという観点では、本実施形態と異なり、サポート円筒部42をステータ壁部32よりも反アーマチュア側に配置し、かつ、ロータ10の外側円筒部11を反アーマチュア側に延長させるか、外側円筒部11の反アーマチュア側に外側円筒部11に連結される円筒部を別途追加することが考えられる。しかし、この場合、ロータ10の外側円筒部11との対向面積を十分に確保しようとすると、ロータ10の軸線方向長さが長くなってしまう等の問題が生じる。
これに対して、本実施形態では、アームサポート40にサポート円筒部42を設け、サポート円筒部42をロータ10の内部空間100に配置した構成であるため、このような問題の発生を回避できる。
(6)本実施形態では、電磁コイル34の外側の円筒部(サポート円筒部)42を、アームサポート40の一部として構成しているので、この円筒部42をアームサポート40と別体として構成する場合と比較して、部品点数の増大を抑制でき、ステータ30の組付けにおいて、工程数の増大を抑制できる。
(第2実施形態)
本実施形態は、電磁コイル34の外側の円筒部をアームサポート40とは別の部材で構成したものであり、その他の構成は第1実施形態と同じである。
図13に示すように、本実施形態では、アームサポート40の形状を、第1実施形態のアームサポート40の板部41のみを有する形状に変更している。アームサポート40は、ステータ壁部32の軸線方向端面に32aに図示しないリベット等の締結部材によって固定されているとともに、圧縮機2のハウジングに固定されている。
また、アームサポート40とは別に別体部材50を設けている。別体部材50は、円筒部51のみを有する形状である。別体部材50は、鉄等の磁性材料で構成されている。円筒部51は、第1実施形態のサポート円筒部42に対応するものであり、本発明の別体円筒部を構成している。
円筒部51は、円筒部51の内部にステータ30が圧入されることで、ステータ30に固定されている。このため、円筒部51は、ステータ壁部32の径方向端面32bと接触している
本実施形態では、第1実施形態で説明した図9A、9B、9Cに示す工程において、第1実施形態のアームサポート40にかえて、本実施形態の別体部材50を用いることで、ステータ30への電磁コイル34の組付けを行う。ステータ30へのアームサポート40の組付けについては、電磁コイル34を巻回する前や、ステータ30と別体部材50の組付け後のいずれに行ってもよい。
本実施形態においても、断面L字形状のステータ30と円筒部51とを用いているので、第1実施形態で説明した(1)〜(5)の効果を奏する。
(第3実施形態)
本実施形態は、電磁コイル34の外側の円筒部をアームサポート40とは別の部材で構成したものであり、その他の構成は第1実施形態と同じである。
図14に示すように、本実施形態では、アームサポート40とは別に、板状の板部61と円筒状の円筒部62とを有する形状の別体部材60を設けている。別体部材60は、鉄等の磁性材料で構成されている。円筒部62は、第1実施形態のアームサポート40のサポート円筒部42に対応するものであり、本発明の別体円筒部を構成している。板部61は、円筒部62と一体に形成され、回転中心線Oに直交する方向に延伸している。
アームサポート40の形状は、第2実施形態と同じである。アームサポート40は、図示しないリベット等の締結部材によって、ステータ壁部32および板部61に固定されている。
本実施形態では、第1実施形態で説明した図9A、9B、9Cに示す工程において、第1実施形態のアームサポート40にかえて、本実施形態の別体部材60を用いることで、ステータ30への電磁コイル34の組付けを行う。ステータ30へのアームサポート40の組付けについては、ステータ30と別体部材60の組付け後に行う。
本実施形態においても、断面L字形状のステータ30と円筒部62とを用いているので、第1実施形態で説明した(1)〜(5)の効果を奏する。
また、本実施形態の別体部材60は、ステータ壁部32の径方向端面32bと軸線方向端面32aの両方に接触しており、ステータ壁部32の径方向端面32bのみと接触している第2実施形態の別体部材50と比較して、接触面積が広くなっている。ここで、接触面には、微小な凹凸が存在するため、対向する接触面同士の間には、微小な隙間が存在する。この微小な隙間によって接触部の磁気抵抗が増大してしまう。本実施形態によれば、接触面積を広くすることで、ステータ30と別体部材60との間の磁気抵抗を低減できる。
なお、第1実施形態においても、アームサポート40が、ステータ壁部32の径方向端面32bと軸線方向端面32aの両方に接触しているので、同様のことが言える。
(第4実施形態)
図15に示すように、本実施形態は、電磁コイル34とステータ30との間にスプール36を配置したものであり、その他の構成は第1実施形態と同じである。
スプール36は、電磁コイル34が巻回される被巻回部材である。スプール36は、樹脂材料で構成されている。スプール36は、電磁コイル34とステータ30とを絶縁する絶縁部材として機能する。
スプール36は、回転中心線Oを中心とする円筒形状のスプール円筒部361と、スプール円筒部361の両端に連なる一対の側壁362、363とを有している。側壁362、363は、スプール円筒部361の径方向外側に延びている。スプール36は、断面U字形状である。この断面は、スプール36の半径方向に沿って、スプール36を切断した断面である。
スプール36は、スプール円筒部361がステータ円筒部31の径方向外側に配置された状態で、ステータ30に固定されている。電磁コイル34は、スプール円筒部361に巻回されている。したがって、電磁コイル34は、スプール36を介して、ステータ円筒部31に巻回されている。
電磁コイル34を構成する導線は、樹脂材料等の絶縁材料で構成された被覆材で被覆されている。このため、電磁コイル34は、ステータ30に対して絶縁されている。
次に、本実施形態におけるステータ30と電磁コイル34の組付け工程について説明する。本実施形態では、図16A、16B、16Cに示す工程を順に行う。
すなわち、図16Aに示すように、ステータ30と、アームサポート40とを用意する工程を行う。このとき、ステータ30には、スプール36が固定されている。スプール36は、ステータ30に圧入された状態で固定されている。スプール36は、ステータ30に対して一体に樹脂成形されていてもよい。
続いて、図16Bに示すように、スプール36に、電磁コイル34を巻回する工程を行う。これにより、ステータ円筒部31に対して、ステータ円筒部31の径方向外側に電磁コイル34を配置する。電磁コイル34をステータ30に固定する。
続いて、図16Cに示すように、電磁コイル34が巻回されたステータ30をアームサポート40のサポート円筒部42の内部に挿入する。その後は、第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、断面L字形状のステータ30とアームサポート40とを用いている。これにより、本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)、(4)、(5)、(6)を奏する。さらに、本実施形態によれば、次の効果を奏する。
本実施形態では、スプール36をステータ円筒部31で補強した状態で巻線を行う。このため、図8A、8B、8C、8Dに示す断面U字形状のステータJ30を用いた従来の電磁クラッチと比較して、スプール36の強度を下げることができる。すなわち、スプール円筒部361の薄肉化ができる。これにより、ステータ30の径方向におけるコイルスペースの径方向寸法を拡大できる。なお、図15では、スプール36を図示するために、スプール36の肉厚を実際の肉厚よりも厚く示している。
また、本実施形態では、スプール円筒部361が、電磁コイル34とステータ円筒部31との間に介在している。側壁363が、電磁コイル34とステータ壁部32との間に介在している。このように、電磁コイル34とステータ30との間にスプール36が介在している。これにより、電磁コイル34のステータ30に対する絶縁性を高めることができる。
なお、本実施形態では、電磁コイル34とステータ30とを絶縁する絶縁部材として、樹脂材料で構成された樹脂部材を用いたが、樹脂材料以外の材料で構成された部材を用いてもよい。
(第5実施形態)
本実施形態は、第4実施形態に対して、ステータ30と電磁コイル34の組付け工程の一部を変更したものである。
まず、図17Aに示すように、電磁コイル34が巻回されたスプール36と、ステータ30と、アームサポート40とを用意する工程を行う。本実施形態においては、スプール36の肉厚については、断面U字形状のステータを用いた従来の電磁クラッチにおけるスプールと同じ厚さとしてもよい。
続いて、図17Bに示すように、電磁コイル34が巻回されたスプール36をステータ30に固定する工程を行う。このとき、スプール円筒部361の内側にステータ円筒部31を挿入する。これにより、ステータ円筒部31に対して、ステータ円筒部31に対して、ステータ円筒部31の径方向外側に電磁コイル34を配置する。電磁コイル34をステータ30に固定する。
その後、第4実施形態の図16Cに示す工程を行う。
本実施形態においても、断面L字形状のステータ30とアームサポート40とを用いている。これにより、本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)、(4)、(5)、(6)を奏する。さらに、本実施形態においても、電磁コイル34とステータ30との間にスプール36が介在している。これにより、第4実施形態と同様に、電磁コイル34のステータ30に対する絶縁性を高めることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。例えば、第1実施形態では、アームサポート40の板部41とサポート円筒部42の両方がステータ壁部32と接触していたが、板部41とサポート円筒部42の一方のみがステータ壁部32と接触していてもよい。
また、第4実施形態では、電磁コイル34とステータ30との間に円筒状のスプール36を介在させていた。すなわち、第4実施形態では、ステータ円筒部31およびステータ壁部32の周方向の全域にわたって、ステータ30と電磁コイル34との間に絶縁部材を介在させていたが、これに限定されない。ステータ円筒部31およびステータ壁部32の周方向の一部のみにおいて、ステータ30と電磁コイル34との間に絶縁部材を介在させてもよい。
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
1 電磁クラッチ
10 ロータ
11 ロータの外側円筒部
12 ロータの内側円筒部
13 ロータの壁部
20 アーマチュア
30 ステータ
31 ステータの円筒部
32 ステータの壁部
34 電磁コイル
40 アームサポート
42 サポート円筒部(別体円筒部)

Claims (8)

  1. 通電時に電磁吸引力を発生する電磁コイル(34)と、
    駆動源からの回転駆動力を受けて回転中心線(O)を中心に回転するロータ(10)と、
    前記電磁コイルの通電時に前記電磁吸引力によって前記ロータに連結されるとともに、前記電磁コイルの非通電時に前記ロータから切り離されるアーマチュア(20)と、
    前記ロータの内部空間(100)に配置されるとともに、前記電磁コイルを保持するステータ(30)と、
    前記ステータとは別体の部材で構成された別体部材(40、50、60)とを備え、
    前記ロータ、前記アーマチュア、前記ステータおよび前記別体部材は、磁性材料で構成されており、
    前記ロータは、前記回転中心線を中心とする外側円筒部(11)と、前記外側円筒部の内側に配置され、前記回転中心線を中心とする内側円筒部(12)と、前記外側円筒部および前記内側円筒部の前記アーマチュア側の端部同士を結ぶ壁部(13)とを有し、前記ロータの外側円筒部、内側円筒部および壁部によって囲まれた空間が前記ロータの内部空間であり、
    前記ステータは、前記回転中心線を中心とする円筒部(31)と、前記ステータの円筒部の前記アーマチュアから離れた側の端部から前記ステータの円筒部の径方向外側に向かって延伸する壁部(32)とを有し、
    前記電磁コイルは、前記ステータの円筒部に対して、前記ステータの円筒部の径方向外側に配置されており、
    前記別体部材は、前記回転中心線を中心とする別体円筒部(42、51、62)を少なくとも有するとともに、前記ステータの壁部と接触しており、
    前記別体円筒部は、前記電磁コイルの外周を覆うように、前記ステータの円筒部の径方向における前記電磁コイルの外側に配置されているとともに、前記ロータの外側円筒部に空隙を介して対向していることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. さらに、前記ステータと前記電磁コイルとの間に配置され、前記電磁コイルと前記ステータとを絶縁する絶縁部材(36)を備え、
    前記電磁コイルは、前記絶縁部材を介して、前記ステータの円筒部に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 通電時に電磁吸引力を発生する電磁コイル(34)と、
    駆動源からの回転駆動力を受けて回転中心線(O)を中心に回転するロータ(10)と、
    前記電磁コイルの通電時に前記電磁吸引力によって前記ロータに連結されるとともに、前記電磁コイルの非通電時に前記ロータから切り離されるアーマチュア(20)と、
    前記ロータの内部空間(100)に配置されるとともに、前記電磁コイルを保持するステータ(30)と、
    前記ステータとは別体の部材で構成された別体部材(40、50、60)とを備え、
    前記ロータ、前記アーマチュア、前記ステータおよび前記別体部材は、磁性材料で構成されており、
    前記ロータは、前記回転中心線を中心とする外側円筒部(11)と、前記外側円筒部の内側に配置され、前記回転中心線を中心とする内側円筒部(12)と、前記外側円筒部および前記内側円筒部の前記アーマチュア側の端部同士を結ぶ壁部(13)とを有し、前記ロータの外側円筒部、内側円筒部および壁部によって囲まれた空間が前記ロータの内部空間であり、
    前記ステータは、前記回転中心線を中心とする円筒部(31)と、前記ステータの円筒部の前記アーマチュアから離れた側の端部から前記ステータの円筒部の径方向外側に向かって延伸する壁部(32)とを有し、
    前記電磁コイルは、前記ステータの円筒部に直巻されており、
    前記別体部材は、前記回転中心線を中心とする別体円筒部(42、51、62)を少なくとも有するとともに、前記ステータの壁部と接触しており、
    前記別体円筒部は、前記電磁コイルの外周を覆うように、前記ステータの円筒部の径方向における前記電磁コイルの外側に配置されているとともに、前記ロータの外側円筒部に空隙を介して対向していることを特徴とする電磁クラッチ。
  4. 前記別体部材(40、60)は、前記別体円筒部と一体に形成され、前記回転中心線に直交する方向に延伸する板部(41、61)を有し、
    前記別体円筒部は、前記ステータの壁部の径方向端面(32b)と接触し、
    前記板部は、前記ステータの壁部の前記回転中心線の軸線方向における前記アーマチュアから離れた側の端面(32a)と接触していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッチ。
  5. 前記アーマチュアは、従動側機器(2)の回転軸(2a)に連結されるものであり、
    前記別体部材(40)は、前記ステータを前記従動側機器に固定する固定部材であり、
    前記板部(41)は、前記ステータの壁部を支持するとともに、前記従動側機器に直接固定されていることを特徴する請求項4に記載の電磁クラッチ。
  6. 請求項1に記載の電磁クラッチの製造方法であって、
    前記ステータおよび前記別体部材を用意する工程と、
    前記ステータの円筒部に対して前記ステータの円筒部の径方向外側に前記電磁コイルを配置する工程と、
    前記電磁コイルが配置された前記ステータを前記別体部材の前記別体円筒部の内部に配置して、前記ステータと前記別体部材とを組み付ける工程とを行うことを特徴とする電磁クラッチの製造方法。
  7. 前記ステータおよび前記別体部材を用意する工程では、前記ステータの円筒部の径方向外側に絶縁部材が配置された状態の前記ステータを用意し、
    前記電磁コイルを前記ステータに配置する工程では、前記絶縁部材を介して、前記ステータの円筒部に前記電磁コイルを巻回することを特徴とする請求項6に記載の電磁クラッチの製造方法。
  8. 請求項3に記載の電磁クラッチの製造方法であって、
    前記ステータおよび前記別体部材を用意する工程と、
    前記ステータの円筒部に前記電磁コイルを直巻する工程と、
    前記電磁コイルを直巻した前記ステータを前記別体部材の前記別体円筒部の内部に配置して、前記ステータと前記別体部材とを組み付ける工程とを行うことを特徴とする電磁クラッチの製造方法。
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