JP2019209529A - 熱転写シート - Google Patents

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純子 廣川
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Abstract

【課題】熱溶融転写画像の形成と共に、極めて鮮明な潜像画像を、被転写体に形成でき、熱溶融転写画像における印字情報が欠落及び改竄されてしまった場合であっても、その潜像画像から正しい印字情報を読み取ることができる熱転写シートの提供する。【手段】本発明の熱転写シートは、被転写体が備えるポリオレフィン層上に、転写層を転写するためのものであり、基材と、転写層とを備え、転写層が、樹脂材料、油溶性染料及び顔料を含む着色層を、最外層として少なくとも備え、油溶性染料の分子量が、650以下であり、そのI/O値が、2.50以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は熱転写シートに関する。
従来、熱転写シートに対して、サーマルヘッド等を用いてエネルギーを印加し、紙や樹脂フィルム等の被転写体上に、顔料及び樹脂材料を含む層を転写し、画像形成を行うことにより印画物を作製する、熱溶融転写方式が知られている。
熱溶融転写方式により形成される画像(以下、熱溶融転写画像という。)は、高濃度で鮮鋭性に優れているため、該方式は、文字パターンや線画等の2値画像の記録に適している。また、熱溶融転写方式によれば、宛名、顧客情報、ナンバリング及びバーコード等の可変印字情報を、コンピューター及び熱溶融転写型プリンターを用いて、被転写体に記録できる。
ところで、熱溶融転写画像は、保管時や輸送時等における擦過や衝撃等により剥離し、印字情報が欠落し、正しい印字情報の読み取りが困難となってしまう場合がある。
そのため、特許文献1等においては、擦過や衝撃等による印字情報の欠落防止を目的として、熱溶融転写画像上への保護層形成が提案されている。
また、熱溶融転写画像は、第三者により、その一部又は全部について剥離された後、印字情報が改竄されてしまうおそれがあり、そのセキュリティ性には改善の余地があった。
特開2017−087669号公報
今般、本発明者らは、驚くべきことに、熱転写シートが備える転写層の最外層に、分子量及びI/O値が特定数値範囲の油溶性染料を含有させることにより、被転写体が備えるポリオレフィン層に、極めて鮮明な潜像画像を形成できることを見出した。
本発明は、上記問題及び知見に基づきなされたものであり、その解決しようとする課題は、熱溶融転写画像の形成と共に、極めて鮮明な潜像画像を、被転写体に形成でき、熱溶融転写画像における印字情報が欠落及び改竄されてしまった場合であっても、その潜像画像から正しい印字情報を読み取ることができる熱転写シートを提供することである。
第1の態様において、本発明の熱転写シートは、被転写体が備えるポリオレフィン層上に、転写層を転写するためのものであり、基材と、転写層とを備え、転写層が、樹脂材料、油溶性染料及び顔料を含む着色層を、最外層として少なくとも備え、油溶性染料の分子量が、650以下であり、そのI/O値が、2.50以下であることを特徴とする。
一実施形態において、着色層における油溶性染料の含有量は、5質量%以上40質量%以下である。
第2の態様において、本発明の熱転写シートは、被転写体が備えるポリオレフィン層上に、転写層を転写するためのものであり、
基材と、転写層とを備え、
転写層が、樹脂材料及び顔料を含む顔料層と、最外層として油溶性染料を含む染料層とを備え、
油溶性染料の分子量が、650以下であり、
油溶性染料のI/O値が、2.50以下であることを特徴とする。
一実施形態において、染料層における油溶性染料の含有量は、5質量%以上40質量%以下である。
一実施形態において、油溶性染料は、蛍光染料である。
一実施形態において、転写層は、最内層として、剥離層を備える。
本発明の熱転写シートによれば、熱溶融転写画像の形成と共に、極めて鮮明な潜像画像を、被転写体に形成できるため、熱溶融転写画像における印字情報が欠落及び改竄されてしまった場合であっても、その潜像画像から正しい印字情報を読み取ることができる熱転写シートを提供できる。
第1の態様における本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 第1の態様における本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 第2の態様における本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 第2の態様における本発明の熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。
(第1の態様における熱転写シート)
第1の態様において、熱転写シート10は、図1に表すように、基材11と、転写層12とを備え、該転写層12は、最外層として、着色層13を少なくとも備える。
また、一実施形態において、図2に表すように、転写層12は、最内層として、剥離層14を備える。
また、一実施形態において、図1及び2に表すように、熱転写シート10は、背面層15を備える。
さらに、一実施形態において、転写層は、着色層下に保護層を備える(図示せず)。
なお、本発明において、転写層における「最外層」とは、転写の際、被転写体が備えるポリオレフィン層と接する層のことを指す。また、転写層における「最内層」とは、基材と接する層のことを指す。
以下、第1の態様における本発明の熱転写シートが備える各層及び被転写体について説明する。
(基材)
基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、基材上に設けられる層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体及びテレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリスチレン、並びにセロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、PET及びPEN等のポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。
また、上記した樹脂フィルムの積層体を基材として使用することもできる。該積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法又はエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましい。
また、隣接する層との密着性の向上及び耐ブロッキング性の向上という観点から、基材は、その表面に凹凸を有することが好ましい。
基材表面への凹凸形成手段としては、例えば、マット材練り込み加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング加工及びケミカルエッチング加工等が挙げられる。マット材練り込み加工は、無機物又は有機物を練り込んだ樹脂により、基材を形成する加工法である。マットコーティング加工は、基材表面に、有機物又は無機物を含むコート材をコーティングし、基材表面に凹凸を付与する加工法である。
基材の厚さは、2.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以上6.0μm以下であることがより好ましい。基材の厚さを上記数値範囲とすることにより、基材の機械的強度と、熱転写時の熱エネルギーの伝達を良好なものとできる。
(転写層)
第1の態様において、転写層は、樹脂材料、油溶性染料及び顔料を含む着色層を、最外層として備える。また、該転写層は、最内層として、剥離層を備えることができる。さらに、該転写層は、着色層下に保護層を備えることができる。
着色層に含まれる樹脂材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド、ポリスチレン及びセルロース樹脂等が挙げられ、これらの中でも、被転写体との密着性、および熱溶融転写画像の鮮明性の向上という観点から、ポリオレフィンが好ましく、PEおよびPPがより好ましく、PPが特に好ましい。着色層は、これら樹脂材料を2種以上含むことができる。
着色層における樹脂材料の含有量は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、質量10%以上60質量%以下であることがより好ましい。これにより、良好な転写性を維持しつつ十分に目視可能が潜像画像を形成できる。
第1の態様において、着色層は、分子量(Mw)が800以下であり、I/O値が2.50以下である油溶性染料を含む。
なお、本発明において、「油溶性」とは、25℃において、トルエンおよびメチルエチルケトンへ50質量%以上溶解するものを意味する。
油溶性染料の分子量(Mw)は、50以上750以下であることが好ましく、100以上600以下であることがより好ましい。これにより、油溶性染料のポリオレフィン層への移行性を向上でき、潜像画像形成性をより向上できる。
また、本発明において、「分子量(Mw)」は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JIS−K−7252−1(2008年発行)に準拠した方法で測定する。
油溶性染料のI/O値は、2.3以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。これにより、油溶性染料のポリオレフィン層への移行性を向上でき、潜像画像形成性をより向上できる。また、油溶性染料のI/O値は、0.01以上であることが好ましい。
また、本発明において、「I/O値」とは、無機性値(I値)を有機性値(O値)で除することにより得られるものであり、「有機概念図−基礎と応用(甲田善生著、三井出版(株)、13頁、89頁、昭和59年5月10日初版第1刷)」に詳細が記載される。
染料を構成する単量体の分子構造を考え、単量体が有する官能基の性質を、イオン結合性を表すI値と、共有結合性を表すO値とに分け、さらにそれらの比を取ることにより、染料のI/O値を算出する。
I値とは、有機化合物が有している種々の置換基や結合等の沸点への影響力を、水酸基を基準に数値化したものである。例えば、−COOHのI値は150であり、二重結合のI値は2である。
また、O値とは、分子内のメチレン基を単位とし、そのメチレン基を代表する炭素原子の沸点への影響力を基準に数値化したものである。すなわち、直鎖飽和炭化水素化合物の炭素数5〜10付近で炭素1個が加わることによる沸点上昇の平均値は20℃であるから、これを基準に炭素原子1個のO値を20と定め、これを基礎として各種置換基や結合等の沸点への影響力を数値化したものをO値という。例えば、−NOのO値は70である。
染料のI値、O値とは、染料が有している置換基及び結合のI値の総和、O値の総和をそれぞれ表す。
本発明において使用することのできる油溶性染料としては、上記分子量及びI/O値の条件を満たすものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ピラゾロメチン化合物及びピリドンメチン化合物等のメチン染料、ベンゼンアゾ化合物、ピリドンアゾ化合物、チオフェンアゾ化合物、チアゾールアゾ化合物、イソチアゾールアゾ化合物、ピロールアゾ化合物、ピラゾールアゾ化合物、イミダゾールアゾ化合物、チアジアゾールアゾ化合物、トリアゾールアゾ化合物及びジスアゾ化合物等のアゾ染料、アセトフェノンアゾメチン化合物、ピラゾロアゾメチン化合物、ピラゾロンアゾメチン化合物、ピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物、イミダゾルアゾメチン化合物、イミダゾアゾメチン化合物及びピリドンアゾメチン化合物等のアゾメチン染料、インドアニリン染料、インドナフトール染料、キサンテン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アジン染料及びアクリジン染料等が挙げられる。
なお、着色層は、上記油溶性染料を2種以上含むことができる。
また、油溶性染料として、スチルベン染料、クマリン染料、イミダゾール染料、トリアゾール染料、ビフェニル染料、オキサゾール染料、フルオレセイン染料、ピラゾリン染料、チアゾール染料、スピロピラン染料及びローダミン染料等の蛍光染料を使用することもできる。
上記のような油溶性蛍光染料を使用することにより、可視光下において視認できない潜像画像を形成できるため、熱溶融転写画像における印字情報を改竄した第三者は潜像画像の存在に気付くことができず、潜像画像の改竄を防止できるため、そのセキュリティ性をより一層向上できる。
なお、着色層は、上記油溶性蛍光染料を2種以上含むことができる。
着色層における油溶性染料の含有量は、5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。これにより、着色層の成形性を維持しつつ、油溶性染料のポリオレフィン層への移行性を向上でき、潜像画像形成性をより向上できる。
着色層に含まれる顔料は、特に限定されるものではなく、無機顔料であっても、有機顔料であってもよく、これらを併用してもよい。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、クロムチタンイエロー、カドミウムレッド、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン及び硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料及び縮合アゾ顔料)、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、キノフタロン顔料、フラバントロン顔料、アントラピリミジン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジブロムアンザントロン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、フタロシアニン顔料及びインダントロン顔料等が挙げられる。
着色層は、これら顔料を2種以上含むことができる。
顔料の平均粒径は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。これにより、熱溶融転写画像の画像形成性を向上できる。
なお、本発明において、顔料の平均粒径は、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(日機装(株)製、ナノトラック粒度分布測定装置)を用いて測定する。
着色層における顔料の含有量は、15質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。これにより、鮮明な熱溶融転写画像を形成できると共に、油溶性染料のポリオレフィン層への移行性を向上でき、潜像画像形成性をより向上できる。
一実施形態において、着色層は、本発明の特性を損なわない範囲において、充填材、可塑剤、帯電防止剤及び紫外線吸収剤等の添加材を含んでいてもよい。
着色層の厚みは、0.3μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上3.0μm以下であることがより好ましい。これにより、鮮明かつ高濃度な印刷画像を形成しかつ潜像を形成するのに十分な染料を含むことができる。
着色層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、最外層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(剥離層)
第1の態様において、転写層は、最内層として、剥離層を備えることができる。これにより、転写層の転写性を向上できる。
一実施形態において、剥離層はワックスを含む。使用することのできるワックスとしては蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス及びモンタンワックス等の天然ワックス、並びにパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス及びポリエチレンワックス等の合成ワックスが挙げられる。
なお、剥離層は、上記ワックスを2種以上含むことができる。
剥離層におけるワックスの含有量は、70質量%以上99質量%以下であることが好ましく、80質量%以上97質量%以下であることがより好ましい。これにより、転写層の転写性をより向上できる。
剥離層は樹脂材料を含むことができ、樹脂材料としては、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロース樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。剥離層は、これら樹脂材料を2種以上含むことができる。
剥離層における樹脂材料の含有量は、特に限定されるものではなく、1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
剥離層の厚みは、特に限定されるものではなく、例えば、0.1μm以上3.0μm以下とすることができる。
剥離層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、剥離層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(保護層)
一実施形態において、転写層は、着色層下(具体的には、基材と着色層との間、又は着色層と剥離層との間)に保護層を備えることができる。これにより、熱溶融転写画像の耐擦過性及び耐衝撃性等の耐久性を向上できる。
本発明においては、熱溶融転写画像が剥離し、印字情報が欠落してしまった場合であっても、正しい印字情報を読み取ることができるため、保護層は必須の構成要素ではなく、該保護層を設けないことにより、印画物作製のコストを低減できる。
一実施形態において、保護層は、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、セルロース樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート及び活性光線硬化樹脂等を含む。
なお、本発明において、「活性光線硬化樹脂」とは、活性光線硬化性樹脂に対して活性光線を照射し、活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを意味する。
また、本発明において、「活性光線」とは、活性光線硬化性樹脂に対して化学的に作用させて重合を促進せしめる放射線を意味し、具体的には、可視光線、紫外線、X線、電子線、α線、β線及びγ線等が挙げられる。
一実施形態において、保護層は、重合開始剤を含む。重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、チオキサントン化合物、フォスフィンオキシド化合物及びパーオキシド化合物等の化合物を使用できる。
保護層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm以上3.0μm以下とすることができる。
保護層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、剥離層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材等上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(背面層)
一実施形態において、本発明の熱転写シートは、転写層が設けられていない基材の面に、背面層を備える。熱転写シートが背面層を備えることにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワ等の発生を防止できる。
一実施形態において、背面層は、樹脂材料を含み、例えば、セルロース樹脂、ポリスチレン、ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン変性ポリウレタン、シリコーン、フッ素変性ポリウレタン及び(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。
背面層の厚みは、0.01μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.03μm以上2μm以下であることがより好ましい。これにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワ等の発生をより効果的に防止できる。
背面層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、背面層形成用塗工液とし、これをロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、バーコーター及びロッドコーター等の公知の手段により、基材上に塗布して塗膜を形成させ、次いでこれを乾燥させることにより形成できる。
(被転写体)
被転写体は、ポリオレフィン層を少なくとも備え、該ポリオレフィン層上に、本発明の熱転写シートが備える転写層が転写される。被転写体は、該ポリオレフィン層からなるものであってもよく、該ポリオレフィン層下にその他の層を備えていてもよい。
ポリオレフィン層には、ポリオレフィンが含まれ、本発明において、「ポリオレフィン」とは、α−オレフィンを主成分とする重合体及び共重合体のことを指す。
α−オレフィンの炭素数は、2以上10以下であることが好ましく、2以上5以下であることがより好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げられる。これらの中でも、エチレン及びプロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。
また、ポリオレフィンは、上記α−オレフィン同時の共重合体及びα−オレフィンとその他のモノマーとの共重合体であってもよく、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。この場合、α−オレフィンの含有量は、全構成単位に対して、50モル%以上であることが好ましく、60モル%以上であることがより好ましく、70モル%以上であることがさらに好ましい。
ポリオレフィン層におけるポリオレフィンの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、油溶性染料の移行性を向上でき、より鮮明な潜像画像を形成できる。
ポリオレフィン層は、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリオレフィン以外の樹脂材料を含んでいてもよく、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミドおよびセルロース樹脂等が挙げられる。
一実施形態において、ポリオレフィン層は、ポリオレフィンを含む樹脂フィルムからなる。この場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、潜像画像形成性という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましい。
樹脂フィルムは、インフレーション法やT−ダイ法等の従来公知の方法により作製されたものであってもよく、市販されるものであってもよい。
ポリオレフィン層の厚さは、5μm以上200μm以下であることが好ましく、10μm以上150μm以下であることがより好ましい。これにより、潜像画像形成性をより向上できる。
被転写体は、その用途に応じ、ポリオレフィン層下にその他の層を備えていてもよい。例えば、上記基材に使用できる樹脂フィルムや、コンデンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、合成紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙及び板紙等の紙材を、ドライラミネーション、ウェットラミネーション及びエクストリュージョン等の従来公知の方法により、ポリオレフィン層下に積層できる。
(第2の態様における熱転写シート)
第2の態様において、熱転写シート20は、図3に表すように、基材21と、転写層22とを備え、該転写層22は、顔料層23と、最外層として、染料層24とを備える。
また、一実施形態において、図4に表すように、転写層22は、最内層として、剥離層25を備える。
また、一実施形態において、図3及び4に表すように、熱転写シート20は、背面層26を備える。
さらに、一実施形態において、転写層は、顔料層下に保護層を備える(図示せず)。
以下、第2の態様における本発明の熱転写シートが備える各層について説明するが、基材、剥離層、保護層、及び背面層については、第1の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。また、被転写体についても同様に記載を省略する。
(転写層)
第2の態様において、転写層は、樹脂材料及び顔料を含む顔料層と、最外層として、油溶性染料を含む染料層とを備える。また、転写層は、最内層として、剥離層を備えることができる。さらに、転写層は、顔料層下に保護層を備えることができる。
(顔料層)
顔料層は、樹脂材料及び顔料を含み、該樹脂材料及び顔料としては、上記第1の態様における着色層の形成に使用できるものと同様のものを使用できる。
顔料層における樹脂材料の含有量は、50質量%以上99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。これにより、熱溶融転写画像の鮮明性を維持しつつ、その成形性を向上できる。
また、顔料層における顔料の含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。これにより、鮮明な熱溶融転写画像を形成できる。
一実施形態において、顔料層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含んでいてもよい。
顔料層の厚みは、0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3.0μm以下であることがより好ましい。これにより、熱溶融転写画像の鮮明性およびその成形性を向上できる。
(染料層)
染料層は、油溶性染料を含み、上記第1の態様における着色層の形成に使用できるものと同様のものを使用できる。分子量、I/O値の好ましい数値範囲についても同様である。
染料層における油溶性染料の含有量は、5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、10質量%以上35質量%以下であることがより好ましい。これにより、油溶性染料のポリオレフィン層への移行性を向上でき、潜像画像形成性をより向上できる。
また、一実施形態において、染料層は、樹脂材料を含み、上記第1の態様における着色層の形成に使用できるものと同様のものを使用できる。第1の態様同様、樹脂材料の中でも、ポリオレフィン好ましく、PEおよびPPがより好ましく、PPが特に好ましい。
染料層における樹脂材料の含有量は、10質量%以上70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。これにより、良好な転写性を維持しつつ十分に目視可能が潜像画像を形成できる。
一実施形態において、染料層は、本発明の特性を損なわない範囲において、上記添加材を含んでいてもよい。
染料層の厚みは、0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3.0μm以下であることがより好ましい。これにより、良好な転写性を維持しつつ十分に目視可能が潜像画像を形成できる。
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
なお、濃度や固形分等の記載があるものについては、すべて換算後の質量部を記載した。
実施例1−1
厚さ4.0μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面に、下記組成の背面層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.06μmの背面層を形成させた。
(背面層形成用塗工液)
・アクリル変性シリコーン樹脂 10質量部
(ナトコ(株)製、ポリアロイ(登録商標)NSA−X55)
・メチルエチルケトン(MEK) 20質量部
・トルエン 20質量部
次に、PETフィルムの他方の面に、下記組成の剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.7μmの剥離層を形成させた。
(剥離層形成用塗工液)
・カルナバワックス 100質量部
(中京油脂(株)製、トラソルO-102)
・水 25質量部
・イソプロピルアルコール(IPA) 75質量部
上記のようにして形成した剥離層上に、下記組成の着色層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.7μmの着色層を形成させ、熱転写シートを得た。
(着色層形成用塗工液)
・油溶性蛍光染料 30質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL製、Doubletex OB、Mw430、I/O値=0.45)
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 15質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 15質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例1−2
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・油溶性蛍光染料 10質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL製、Doubletex OB、Mw430、I/O値=0.45)
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例1−3
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・油溶性アントラキノン染料 10質量部
(大同化成(株)社製、Disperse Red 60、Mw331、I/O値=1.10)
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例1−4
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性メチン染料(Mw331、I/O値=0.52) 10質量部
Figure 2019209529
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例1−5
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性アゾ染料(Mw501、I/O値=0.46) 10質量部
Figure 2019209529
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例1−1
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性アゾ染料(Mw668、I/O値=0.39) 30質量部
Figure 2019209529
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例1−2
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・油溶性アゾ染料 30質量部
(東京化成工業(株)社製、Acid Orange 7、Mw350、I/O値=3.00)
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 25質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例1−3
着色層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(着色層形成用塗工液)
・非油溶性蛍光染料 10質量部
(BASFジャパン(株)製、Tinopal(登録商標)NFW liq、Mw563、I/O値=0.50)
・墨インキ 37.8質量部
(富士色素(株)製、SPブラック8990)
・ポリオレフィン 15質量部
(住友精化(株)製、セポルジョン(登録商標)VA406)
・水 10質量部
・IPA 50質量部
<<潜像画像形成性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シート、被転写体として二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムと無軸延伸ポリプロピレン(CPP)フィルムとの積層フィルム(以下、OPP−CPP積層フィルムという。)、及び解像度300dpiのサーマルヘッドを備える溶融熱転写型プリンター(Markem Imaje社製、SD3C)を準備した。
OPP−CPP積層フィルムのOPPフィルム面側に、印字スピード30m/分、印字濃度(Darkness)130%の条件で、熱転写シートが備える転写層を転写した。
転写層を転写した被転写体を、25℃、湿度50%の環境下において24時間静置した後、エタノールにより、転写層を剥離した。剥離後の被転写体表面を目視により観察し、潜像画像の形成性を下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1にまとめた。なお、蛍光染料を使用したものについては、ハンディUVライト(アズワン(株)製、SLUV-4)により、波長365nmの紫外線を照射し、潜像画像の形成性を評価した。
(評価基準)
A:被転写体に潜像画像が鮮明に形成されていた。
B:潜像画像に多少のかすれが発生していたが、印字情報を読み取ることができ、実用上問題のない程度であった。
NG:潜像画像から印字情報を読み取ることができなかった。
Figure 2019209529
実施例2−1
厚さ4.0μmの二軸延伸PETフィルムの一方の面に、上記背面層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.06μmの背面層を形成させた。
次に、PETフィルムの他方の面に、上記剥離層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.7μmの剥離層を形成させた。
上記のようにして形成した剥離層上に、下記組成の顔料層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.5μmの顔料層を形成させた。
(顔料層形成用塗工液)
・カーボンブラック 40質量部
(三菱ケミカル(株)製、C/B#44)
・アクリル樹脂 60質量部
(三菱ケミカル(株)製、BR80)
・MEK 10質量部
・トルエン 50質量部
・シクロヘキサン 50質量部
上記のようにして形成した顔料層上に、下記組成の染料層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.3μmの染料層を形成し、熱転写シートを得た。
(染料層形成用塗工液)
・油溶性蛍光染料 30質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL製、Doubletex OB、Mw430、I/O値=0.45)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 25質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 45質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例2−2
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・油溶性蛍光染料 10質量部
(DOUBLE BOND CHEMICAL製、Doubletex OB、Mw430、I/O値=0.45)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例2−3
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・油溶性アントラキノン染料 10質量部
(大同化成(株)社製、Disperse Red 60、Mw331、I/O値=1.10)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例2−4
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性メチン染料(Mw331、I/O値=0.52) 10質量部
Figure 2019209529
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
実施例2−5
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性アゾ染料(Mw501、I/O値=0.46) 10質量部
Figure 2019209529
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例2−1
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・下記化学式の油溶性アゾ染料(Mw668、I/O値=0.39) 30質量部
Figure 2019209529
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例2−2
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・油溶性アゾ染料 30質量部
(東京化成工業(株)社製、Acid Orange 7、Mw350、I/O値=3.00)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体 30質量部
(三井デュポンケミカル(株)製、エバフレックス(登録商標)EV250)
・ポリオレフィン 60質量部
(昭和インク(株)製、OLF12ワニス)
・MEK 10質量部
・トルエン 200質量部
比較例2−3
染料層形成用塗工液の組成を下記のように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、熱転写シートを作製した。
(染料層形成用塗工液)
・非油溶性蛍光染料 10質量部
(BASFジャパン(株)製、Tinopal(登録商標)NFW liq、Mw563、I/O値=0.50)
・ポリオレフィン 50質量部
(住友精化(株)製、セポルジョン(登録商標)VA406)
・カルナバワックス 40質量部
(中京油脂(株)製、トラソルR−260)
・水 10質量部
・IPA 50質量部
<<潜像画像形成性評価>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シート、OPP−CPP積層フィルム及び上記溶融熱転写型プリンターを準備し、上記同様、OPP−CPP積層フィルムのOPPフィルム面側に、転写層を転写した。
転写層を転写した被転写体を、25℃、湿度50%の環境下において24時間静置した後、エタノールにより、転写層を剥離した。剥離後の被転写体表面を目視により観察し、潜像画像の形成性を下記評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表2にまとめた。なお、蛍光染料を使用したものについては、ハンディUVライト(アズワン(株)製、SLUV-4)により、波長365nmの紫外線を照射し、潜像画像の形成性を評価した。
(評価基準)
A:被転写体に潜像画像が鮮明に形成されていた。
B:潜像画像に多少のかすれが発生していたが、印字情報を読み取ることができ、実用上問題のない程度であった。
NG:潜像画像から印字情報を読み取ることができなかった。
Figure 2019209529
符合の説明
10、20:熱転写シート、11、21:基材、12、22:転写層、13:着色層、14、25:剥離層、15、26:背面層、23:顔料層、24:染料層

Claims (6)

  1. 被転写体が備えるポリオレフィン層上に、転写層を転写するための熱転写シートであって、
    基材と、転写層とを備え、
    前記転写層が、樹脂材料、油溶性染料及び顔料を含む着色層を、最外層として少なくとも備え、
    前記油溶性染料の分子量が、650以下であり、そのI/O値が、2.50以下であることを特徴とする、熱転写シート。
  2. 前記着色層における油溶性染料の含有量が、5質量%以上40質量%以下である、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 被転写体が備えるポリオレフィン層上に、転写層を転写するための熱転写シートであって、
    基材と、転写層とを備え、
    前記転写層が、樹脂材料及び顔料を含む顔料層と、最外層として油溶性染料を含む染料層とを備え、
    前記油溶性染料の分子量が、650以下であり、そのI/O値が、2.50以下であることを特徴とする、熱転写シート。
  4. 前記染料層における油溶性染料の含有量が、5質量%以上40質量%以下である、請求項3に記載の熱転写シート。
  5. 前記油溶性染料が、蛍光染料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  6. 前記転写層が、最内層として、剥離層を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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