JP2019209388A - チップ付き回転鋸及びその研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】側面向心角を大きくしても強度が低下し難いチップを実現する。その結果、直進安定性が良好で且つ被削材との間の摩擦抵抗が小さいチップを強度を確保しながら実現できる。【解決手段】チップ付き回転鋸10において、チップ30をチップ付き回転鋸10の切削方向の前方から見たとき、チップ30の左右の側面36L、36Rが所定の曲率半径にて凹み、且つチップ30の刃厚が、チップの先端にて最も大きくなるように形成されており、チップ30をチップ付き回転鋸10の半径方向の外側から見たとき、チップの逃げ面の左右端が切削方向と平行に形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、金属又は樹脂の切断に使用されるチップ付き回転鋸及びチップ研磨方法に関する。
従来から、刃先にチップが取り付けられ、金属及び樹脂等からなる材料の切断・切削に用いられる回転鋸が知られている。チップが取り付けられた回転鋸(チップ付き回転鋸)の一つは、チップの側面が、すくい面から歯背部に向かって徐々に刃厚方向の中心に近付くように形成されている(例えば、特許文献1を参照)。つまり、チップの刃厚が後方に向かうほど小さくなっている。このように形成された側面の切削方向に対する角度は側面逃げ角と称呼される。
特開平10−263926号公報
ところで、側面逃げ角を大きくするほど、チップと被削材との間の摩擦抵抗を低くすることができるが、その一方で、回転鋸の直進安定性が低下する虞がある。そこで、側面逃げ角を小さくしたまま側面向心角(すくい面視におけるチップ側面の、回転鋸の半径方向に対する角度)を大きくすることにより、被削材との間の摩擦抵抗を低下させる方法が考えられる。ところが、一般的に、チップの先端における刃厚が最大の刃厚に設定されているので、チップの刃厚は回転鋸の半径方向内側に向かうほど小さくなる。従って、側面向心角を大きく設定するほどチップの強度が低下する虞がある。
本発明は、上記課題に対処するために為されたものである。即ち、本発明の目的の一つは、強度が十分に確保され、摩擦抵抗が低く且つ直進安定性に優れたチップ付き回転鋸及びそのチップの研磨方法を提供することにある。
そこで、上記の問題を解決するため、本発明のチップ付き回転鋸は、円板状の台金(20)と、前記台金の外周部に、前記台金の円周方向に所定の間隔にて形成された複数の刃台(22)と、前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップ(30)と、を備える。
更に、前記複数のチップのそれぞれを前記チップ付き回転鋸の切削方向の前方から見たとき、前記複数のチップの左右の側面(36L、36R)が所定の曲率半径にて凹み、且つ前記複数のチップの刃厚(L1)が前記複数のチップの先端(32a)にて最も大きくなるように形成されている。
加えて、前記複数のチップのそれぞれを前記チップ付き回転鋸の半径方向の外側から見たとき、前記複数のチップの逃げ面(37)の左右端(38L、38R)が、前記切削方向と平行に形成されている。
上記構成において、切削方向とは、刃(チップ)が被削材を切削する方向である。刃(チップ)はチップ付き回転鋸(以下、単に「回転鋸」とも称呼する)の台金の外周部に配置されるので、切削方向とは、被削材を切削しているチップ位置における外周部の接線方向であると言える。チップの先端は、回転鋸の半径方向の最も外側に位置する部分である。また、チップのそれぞれを回転鋸の切削方向の前方から見ることは、所謂すくい面視と同義である。
この態様によれば、チップの左右の側面は、すくい面視において所定の曲率半径にて凹んでおり、これらの側面の先端がそれぞれ左右に突出している。チップの左右の側面がそれぞれ左右に突出している角度(突出角;側面の接線方向と回転鋸の半径方向とのなす角)はチップの先端に近付くほど大きくなる。この形状によれば、チップの先端における刃厚(即ち、最大の刃厚)及び突出角が等しいチップであっても、例えば、左右の側面が平坦に加工されているチップ(以下、「従来チップ」と称呼する)の形状と比較すると、チップの下側(回転鋸の半径方向内側)における刃厚が大きくなる。言い換えると、チップの下側における刃厚が等しいチップであっても、本発明に係るチップの場合、従来チップに比べてチップの先端における突出角は大きくされる。突出角はJIS規格において規定されている「側面向心角」に実質的に等しい。従って、この態様によれば、従来チップと比べて、チップの強度を大きく低下させることなく側面向心角を大きく設定できるので、チップと被削材との間の摩擦抵抗をより低減させることができる。言い換えると、チップの強度を確保しつつ、チップと被削材との間の摩擦抵抗を低減させることができる。更に、この態様によれば、チップの側面を所定の曲率半径にて凹ませた形状とすることによりチップと被削材との間の摩擦抵抗を低減させた結果、チップの側面逃げ角をゼロとすることが許容され得る。即ち、チップの逃げ面の左右端を逃げ面視にて切削方向と平行にすることが許容され得る。従って、回転鋸の直進安定性を向上させることができる。このように、本発明によれば、刃厚を変えずに、チップの側面向心角を大きくした場合であっても、チップの強度が低下し難いチップ付き回転鋸を実現することができる。
本発明の一態様において、前記複数のチップのそれぞれを前記切削方向の前方から見たときの前記側面の先端における前記側面の接線方向と、前記チップ付き回転鋸の半径方向と、のなす角である突出角は1.0°〜10.0°に設定されることが好ましい。
本発明の一態様において、チップ付き回転鋸の特徴は、前記突出角が、3.0°〜10.0°に設定されるとともに、前記複数のチップのそれぞれが負のすくい角を有し、前記逃げ面に切り屑分断用の溝を有し、前記逃げ面と前記左右の側面とが交差する端部にそれぞれ面取りが施されていることにある。
本発明の一態様における特徴は、前記左右の側面が、回転軸が前記切削方向と平行となるように前記左右の側面を挟んで左右対称に配置された互いに同径の2つの外周砥石の外周部によって研磨されることにより形成されていることにある。
本発明のチップ付き回転鋸のチップの研磨方法は、円板状の台金(20)と、前記台金の外周部に、前記台金の円周方向に所定の間隔にて形成された複数の刃台(22)と、前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップ(30)と、を備えたチップ付き回転鋸(10)における前記チップ研磨方法である。
この研磨方法は、次の通りである。
外周面(511a)に砥粒部(512)が設けられている互いに同径の2つの外周砥石(51A、51B)を、前記2つの外周砥石の回転軸(A2、A3)が、前記チップ付き回転鋸の切削方向と平行で、且つ少なくとも研磨部位に位置する前記チップの先端(32a)よりも前記チップ付き回転鋸の半径方向内側に位置するように、及び前記2つの外周砥石の前記砥粒部の外周部(512a)が前記チップの左右の側面(36L、36R)にそれぞれ当接するように前記チップ付き回転鋸に対して左右対称に配置し、
前記2つの外周砥石を、同時に互いに反対方向に回転させるとともに、
前記チップ付き回転鋸を前記チップ付き回転鋸の回転軸を中心に回転させることにより、前記左右の側面を研磨する。
この態様によれば、2つの外周砥石は、研磨部位に位置するチップの左右の側面にそれぞれ砥粒部が接するようにチップを挟み込んで配置される。更に、2つの外周砥石は、2つの外周砥石の回転軸が回転鋸の切削方向と平行で、且つ少なくとも研磨部位に位置するチップの先端よりも回転鋸の半径方向内側に位置するように配置される。このような外周砥石の配置により、チップの先端に突出角(側面向心角に相当する角度)を与えることができる。2つの外周砥石は、同時に互いに反対方向に回転させられ、更に、回転鋸はその回転軸を中心に回転させられる。これにより、回転している2つの外周砥石の間を複数のチップが、次々と通過することにより各チップの側面が研磨される。これにより、各チップの側面は、すくい面視にて所定の曲率半径にて凹んだ形状に形成され、且つ逃げ面視にて逃げ面の左右端は切削方向と平行(側面逃げ角が0°)に形成される。更に、このようにして研磨されると、複数のチップの側面を個別に研磨する方法と比較して、加工の均一性に優れ、より短時間に全てのチップの研磨を完了することができる。従って、この研磨方法により、チップが研磨されたチップ付き回転鋸は、チップの強度を確保しつつ直進安定性に優れた特性を有する。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、本発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係るチップ付き回転鋸を示した側面図である。 図2は、図1に示したチップ付き回転鋸の刃台に固定された超硬質チップの一つを示した図であり、図2(A)は正面図、図2(B)は側面図、図2(C)は上面図である。 図3は、図1に示したチップ付き回転鋸の刃台に固定された超硬質チップの一つを示した図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は側面図、図3(C)は上面図である。 図4は、図1に示したチップ付き回転鋸の刃台に固定された超硬質チップの側面を外周砥石を用いて研磨する様子を示した図であり、図4(A)は、正面図、図4(B)は側面図、図4(C)は正面拡大図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係るチップ付き回転鋸を示した側面図である。 図6は、図5に示したチップ付き回転鋸の刃台に固定された超硬質チップの一つを示した図であり、図6(A)は正面図、図6(B)は側面図、図6(C)は上面図である。 図7は、図5に示したチップ付き回転鋸の刃台に固定された超硬質チップの一つを示した図であり、図7(A)は正面図、図7(B)は側面図、図7(C)は上面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係るチップ付き回転鋸(以下、「第1回転鋸」とも称呼する)10の側面を示している。第1回転鋸10は、図示しない切断機等の回転支軸に組み付けられ、被削材を切断及び切削するために用いられる。第1回転鋸10は、図1において、時計周り(右回り)に回転することにより、被削材を切断及び切削することができる。なお、以下の説明においては、前後の方向は、第1回転鋸10の回転方向に基づいた方向とする。即ち、第1回転鋸10の回転方向を前側と、回転方向と反対方向を後側と称呼する。更に、第1回転鋸10を構成する各部品の説明で用いる方向は、第1回転鋸10の径方向における外周側を外側又は上側と、内周側を内側又は下側と称呼する。第1回転鋸10の回転軸A1方向を左右方向とし、図1の紙面表側を左側と、紙面裏側を右側と、と称呼する。図1に一点鎖線Lrにより示した線は第1回転鋸10の基準面の一つを表している。基準面(一点鎖線)Lrは第1回転鋸10の回転軸A1とチップ30の前面外側(図1においてチップ30Aの前面外側P1)とを含む面として定義される。この一点鎖線Lrは以下、「基準線Lr」とも称呼される。この基準線Lrに沿った方向は第1回転鋸10の半径方向と一致する。
第1回転鋸10は、台金20と、台金20に固定される複数のチップ30と、により構成されている。台金20は、台金基部21と、台金基部21の外周部に形成された複数の刃台22と、から構成される。複数の刃台22には、それぞれ刃固定部23が円周方向に一定のピッチにて設けられる。複数のチップ30は、各刃固定部23にそれぞれ接合されている。複数のチップ30は、第1のチップ30A及び第2のチップ30Bにより構成される。第1のチップ30Aと第2のチップ30Bは、後で詳しく述べるように、形状が異なっている。第1のチップ30Aと第2のチップ30Bは、各刃固定部23に円周方向に交互に接合される。
台金基部21の中心部には、軸穴24が形成されている。第1回転鋸10は、軸穴24を介して切断機等の回転支軸に組み付けられる。台金20は、SK85、SKS5、SAE1074及びDIN75Cr1等の炭素鋼又は合金工具鋼からなる鋼板材であり、台金基部21及び複数の刃台22は一体的に形成されている。
刃台22は、台金基部21の外周部に、凹部からなる歯室22aと、凸部からなる歯背部22bとを交互に配置することにより構成される。歯室22aの後部と歯背部22bの前部との間に、側方から見た縁部の形状が略L字形の刃固定部23が形成されている。歯背部22bの外側に位置する縁部22cは、外側前端から内側後端に傾斜しながら延びたのちに滑らかに凸部を描くように湾曲して後方の歯室22aの前部に連続している。歯室22aの縁部は、略半円状の凹部を描くようにして後方に延びて、刃固定部23の内側前端に連続している。
チップ30は、炭化タングステンとコバルトとを混合して焼結した超硬合金であり、以下、超硬質チップ30とも称呼される。超硬質チップ30は、刃固定部23の大きさに対応した小さな部材である。超硬質チップ30は、金型成型により形成された研磨前の超硬質チップが各刃固定部23にろう付けによって固定され、所定の寸法に研磨されることにより形成される。超硬質チップ30の硬度は、HRA88〜95程度であるが、特に、金属を切断するためには、HRA88〜93程度が好ましい。
次に、このように構成された各部材を用いて、第1回転鋸10を製造する方法を説明する。この場合、先ず、台金20を構成する鋼板材と、複数個の研磨前の超硬質チップを準備する。台金20を構成する鋼板材には、前述したように予め複数の刃台22及び複数の刃固定部23が形成されている。研磨前の超硬質チップが、それぞれの刃固定部23に1個ずつ、ろう付けによって接合される。そして、研磨前の超硬質チップに対して研磨加工を施すことにより、各部分が仕上げ寸法となった超硬質チップ30A及び30Bを備えた第1回転鋸10が得られる。
次に、仕上げ寸法に加工された第1のチップ30A及び第2のチップ30Bについて、図2及び図3をそれぞれ参照しながら詳細に説明する。第1のチップ30Aは、図2(A)に示したように、その前方から見た(すくい面視の)形状が、上下方向に長く、左右の辺31L及び31Rがそれぞれ円弧状に凹んだ形状である。第1のチップ30Aの全体的な形状は、一点鎖線C1を中心に左右対称の形状となっている。この一点鎖線C1は、各刃台にそれぞれ固定された超硬質チップ30の、第1回転鋸10の回転軸A1(図1を参照)方向における長さの中点をそれぞれ通る平面(以下、「中心面」と称呼する)の断面を表しており、以下、「中心線C1」と称呼される。左右の辺31L及び31Rの曲率半径は何れも40mmである。
チップ先端(上端)32aから32bまでの面33は第1のすくい面を形成しており、32bから32cまでの面34は第2のすくい面を形成している。第1のすくい面33の左右端上部、即ち、先端32aと左右の辺31L及び31Rとの交差する部分32dは45°に面取りされている。以下、部分32dは「面取り部32d」と称呼される。第1のすくい面33の左右方向の長さ(刃厚)L1は、第1のチップ30Aの最大の刃厚に相当し、その長さL1は2.0mmに設定されている。
第1のすくい面33には、中心線C1よりも右側に、正面視による縁部の形状がV形又はU形の切り屑分断用の溝(チップブレーカ)35が形成されている。この溝35の前端部の左右方向の長さ(溝幅)L2は0.4mm、溝35の深さL3は0.2mmに設定されている。左の辺31Lの上端における接線方向と、中心線C1と平行な方向と、のなす角(即ち、突出角)θ1は、4.0°に設定されている。前述したように、この突出角θ1は、所謂「側面向心角」に実質的に等しい。右の辺31Rの上端における突出角も左の辺31Lと同様に4.0°に設定されている。
図2(B)に示したように、第1のすくい面33は平坦な面であり、先端32aよりも下端32bが前方に突出している。即ち、第1のすくい面33は負のすくい角を有している。第1のすくい面のすくい角θ2は−27°に設定されている。第1のすくい面33の上下方向の長さL4は、0.2mmに設定されている。第1のすくい面33は研磨された面である。第2のすくい面34は下端32bから下後方に向かって延び、基準面Lrを横切ると滑らかに屈曲して下前方に向かい、再び基準面Lrを横切って辺32cに達するように形成される。従って、第2のすくい面34は正のすくい角を有する。第2のすくい面34のすくい角θ3は10°に設定されている。
左側面36Lは、前述したように曲率半径40mmの滑らかな面で構成されており、その面は研磨された面である。右側面36Rも同様に曲率半径40mmの滑らかな面で構成されており、その面は研磨された面である。第1のチップ30Aの上面である逃げ面37は、先端32aから下後方に向かって延びる平坦な面であり、逃げ面の延びる方向と切削方向(基準面Lrの法線方向)とのなす角である逃げ角θ4は、10°に設定されている。なお、前述した溝35は、前後に真っ直ぐに延びているが、逃げ面37に逃げ角θ4が設けられていることによって、前部から後部にいくにしたがって、徐々に幅は狭く、深さは浅くなっている。
図2(C)に示したように、左側面36Lの上端(左上端)38L及び右側面36Rの上端(右上端)38Rは直線状に形成されている。左上端38Lの延びる方向と切削方向(中心線C2と平行な方向)とのなす角である側面逃げ角θ5は、0°に設定されている。反対側の側面逃げ角(右上端38Rの延びる方向と切削方向とのなす角)も同様に0°に設定されている。これら左上端38L及び右上端38Rは、面取り部32dがなければ実質的に逃げ面37の左右端に相当する部分であると言える。つまり、逃げ面37の左右端と切削方向とのなす角も側面逃げ角θ5と同様に0°であると言える。なお、逃げ面37は研磨された面である。中心線C2は上記中心面を逃げ面視にて見た線である。
第2のチップ30Bが、図3(A)、(B)及び(C)に図示される。図3において、第1のチップ30Aと同一の形状の部位には、図2にて付された符号と同一の符号が付されている。図3から理解されるように、第1のチップ30Aとの相違点は、溝35Aの形成された位置である。溝35Aは、中心線C1に対して左側に形成されている。より具体的に述べると、溝35Aの形成された位置は、中心線C1を中心として、超硬質チップ30Aに形成された溝35と左右対称の位置である。
上記形状を有する左側面36L及び右側面36Rは、後で詳細に述べる研磨工具を用いて研磨されている。簡単に述べると、左側面36L及び右側面36Rは、回転軸が第1回転鋸10の切削方向と平行となるように左側面36L及び右側面36Rを挟んで左右対称に配置された互いに同径の2つの外周砥石51A,51B(図4参照)の外周部によって研磨される。これにより、左側面36L及び右側面36Rは外周砥石51A,51Bの外周部の半径と等しい曲率半径によって凹んだ形状に形成される。更に、外周砥石51A,51Bを回転させているときに同時に第1回転鋸10も回転軸A1を中心に回転させるので、側面逃げ角が0°に設定され、複数の超硬質チップ30の側面を均一に仕上げることができる。
なお、第1回転鋸10の直径(第1回転鋸10が回転するときの外周縁部の直径)は285mmに設定されている。更に、台金基部21の厚み及び刃台22の厚みは1.7mmに設定されている。刃台22は、円周方向に一定間隔(ピッチ)で60個形成されている。軸穴24の直径は32mmに設定されている。超硬質チップ30の刃丈L5は3.62mmに設定され、第2のすくい面34の刃丈方向の長さL6は2.06mmに設定されている。超硬質チップ30の奥行き(逃げ面の長さ)L7は、1.97mmに設定されている。
第1回転鋸10の直径は、250mm〜500mmに設定することが好ましい。超硬質チップ30の刃丈は、2.0mm〜15.0mmに設定することが好ましい。超硬質チップ30の刃厚は、1.2mm〜10.0mmに設定することが好ましい。左側面36L及び右側面36Rの曲率半径は20mm〜100mmに設定することが好ましい。なお、すくい角は−5°〜−30°に設定することが好ましい。突出角(側面向心角)θ1は3°〜10°に設定することが好ましい。逃げ面37の逃げ角は5°〜15°に設定することが好ましい。
次に、側面の研磨に用いられる研磨工具について、図4を参照しながら説明する。研磨工具50は、2つの外周砥石51A、51B及びフランジ52を含んでいる。外周砥石51A及び51Bは互いに同径(同形状)の砥石である。外周砥石51A及び51Bは、円板状の基材511の外周に円環状の砥粒部512が固定されている。基材511は、鉄材、アルミニウム及びアルミニウム合金等でできている。基材511の外周面511aは半径方向に垂直な面で構成されている。砥粒部512は、ダイヤモンドの砥粒を備えている。外周砥石51A及び51Bは、図示しない研磨機の砥石固定部(回転支軸)に固定され、それぞれの回転軸A2及びA3を中心にそれぞれの砥石固定部とともに一体的に回転するようになっている。砥粒部512の外周面512aは半径方向に垂直な面で構成されている。
フランジ52は回転軸A4を中心に回転可能な2枚の円板52A及び52Bを回転軸A4方向に並置した部材であり、第1回転鋸10の台金基部21を、第1回転鋸10の中心と回転軸A4とを一致させ、両側から挟み込んで固定する。フランジ52の半径は、外周砥石51A及び51Bと干渉しない程度において、できる限り大きく設定される。
図4(B)に示したように、外周砥石51Aは、外周砥石51Aの回転軸A2が第1回転鋸10の切削方向と平行となるように配置される。更に、外周砥石51Aは、その回転軸A2が少なくとも超硬質チップ30の先端よりも第1回転鋸10の半径方向内側に位置するように配置される。このような配置により研磨が行われると、超硬質チップ30の先端はすくい面視にて突出角を有するように切削される。つまり、側面向心角が正の値に設定され得る。より好ましくは、本例のように、外周砥石51Aは、その回転軸A2が、超硬質チップ30の刃丈の中心よりも第1回転鋸10の半径方向内側に位置するように配置される。図4(C)に示したように、外周砥石51A及び51Bの回転軸A2及びA3の上下方向の位置(高さ)Hが二点鎖線にて示される。このような配置により、超硬質チップ30の先端はすくい面視にてより大きな突出角を有し、その先端における刃厚が超硬質チップ30の最大の刃厚に設定される。図示しないが、外周砥石51Bも、中心線C1を中心に外周砥石51Aと左右対称位置に配置される。
外周砥石51Aの厚さD1は、超硬質チップ30が配置されるピッチ(刃台22が配置されるピッチ)以下に設定されることが好ましい。本例において、刃台22が配置されるピッチは約15mmであるので、外周砥石51Aの厚さD1は10mmに設定されている。なお、砥粒部512の幅は、外周砥石51Aの厚さと同一に設定されている。外周砥石51Bについても外周砥石51Aと同様に厚さは10mmに設定される。外周砥石51A及び51Bの、砥粒部512も含めた半径は何れも40mmである。なお、外周砥石51A及び51Bの半径は20mm〜100mmに設定することが好ましい。
<研磨工程>
次に、超硬質チップ30の左側面36L及び右側面36Rを研磨工具50を用いて研磨する工程について説明する。前述したように、外周砥石51A及び51Bは、それらの回転軸A2及びA3が切削方向と平行且つ超硬質チップ30の刃丈の中心よりも第1回転鋸10の半径方向内側に位置するように配置される。そして、外周砥石51A及び51Bは、左右方向にはそれぞれの外周面512aが超硬質チップ30の側面36L及び36Rに当接するようにフランジ52に固定された第1回転鋸10を挟んで左右対称に配置される。
外周砥石51Aは超硬質チップ30の右側面に押し付けられるとともに、時計と反対回り(左回り)に所定の回転速度にて回転させられる。一方、外周砥石51Bは超硬質チップ30Aの左側面に押し付けられるとともに、時計回り(右回り)に所定の回転速度(外周砥石51Aの回転速度と等しい回転速度)にて回転させられる。つまり、超硬質チップ30Aの両側面において、砥粒部512は第1回転鋸10の半径方向外側(チップ上側)から第1回転鋸10の半径方向内側(チップ下側)に向かう方向に移動する。なお、回転軸A2及びA3は左右方向に微動できるようになっており、側面の研磨の進行に伴って中心面Lr方向に移動することができるようになっている。外周砥石51A及び51Bが上記の方向に回転することにより、チップ先端におけるバリの発生量を小さくすることができる。
更に、外周砥石51A及び外周砥石51Bが回転させられているときに、図4(B)に、幅広の矢印で示したように、左側方から見た状態で第1回転鋸10(フランジ52)は時計と反対回り(左回り)に所定の回転速度にて回転させられる。従って、超硬質チップ30A及び30Bは、回転している外周砥石51Aと外周砥石51Bとの間に、すくい面とは反対側(チップの後部/背部)から侵入する。砥石と砥石の間にチップを侵入させる場合、チップの侵入側に近い部分が多く削られる傾向がある。仮に、すくい面側からチップを侵入させた場合、すくい面に近い方の側面がより多く削られる虞がある。従って、この仮定において、側面逃げ角が0°に設定されていても、僅かに負の側面逃げ角に仕上がる可能性がある。以上の点を考慮して、本例においては、チップをすくい面とは反対側から砥石に侵入させるようにしている。なお、第1回転鋸10の回転速度は、外周砥石51A及び51Bの回転速度より低く設定される。
以上説明したように、本発明の一実施形態に係るチップ付き回転鋸10におけるチップ30の左右の側面36L、36Rは、チップ30のそれぞれをチップ付き回転鋸10の切削方向の前方から見たとき(すくい面視にて)、所定の曲率半径にて凹み、且つチップ30の刃厚L1がチップ30の先端32aにて最も大きくなるように形成されており、チップ30のそれぞれをチップ付き回転鋸10の半径方向の外側から見たとき(逃げ面視にて)、チップの逃げ面37の左右端が、切削方向と平行に形成されている。
これによれば、チップの側面の突出角(側面向心角)を大きくすることにより、チップと被削材との間の摩擦抵抗を大きくすることなく、直進安定性に優れた形状(側面逃げ角を0°とする形状)に設定することができる。
更に、本発明の一実施形態に係るチップ付き回転鋸10のチップ研磨方法は、以下のように行われる。
外周面511aに砥粒部512が設けられている互いに同径の2つの外周砥石51A、51Bを、2つの外周砥石51A、51Bの回転軸A2、A3が、チップ付き回転鋸10の切削方向と平行で、且つ少なくとも研磨部位に位置するチップの先端32aよりもチップ付き回転鋸10の半径方向内側に位置するように配置する。
更に、このチップ研磨方法は、2つの外周砥石51A及び51Bの砥粒部512の外周部512aがチップ30の左右の側面36L、36Rにそれぞれ当接するようにチップ付き回転鋸10に対して左右対称に配置する。
そして、2つの外周砥石51A、51Bを、同時に互いに反対方向に回転させるとともに、チップ付き回転鋸10をチップ付き回転鋸の回転軸A1を中心に回転させることにより、左右の側面36L、36Rを研磨する。
これによれば、チップの左右の側面を所定の曲率半径(外周砥石の半径)にて凹ませ、チップ先端の突出角(側面向心角)を大きくすることができるとともに側面逃げ角を0°に設定することができる。従って、チップの強度を確保しつつ摩擦抵抗の小さい直進安定性に優れたチップ付き回転鋸を実現することができる。更に、この研磨方法によれば、複数のチップの側面を個別に研磨する方法と比較して、加工の均一性に優れ、より短時間に全てのチップの研磨を完了することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るチップ付き回転鋸(以下、「第2回転鋸」と称呼される)について説明する。第2回転鋸70は、超硬質チップが正のすくい角を有する点において第1回転鋸10と相違している。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
図5に示したように、第2回転鋸70は、台金80と、台金80に固定される複数のチップ90と、により構成されている。台金80は、台金基部81と、台金基部81の外周部に形成された複数の刃台82と、から構成される。複数の刃台82には、それぞれ刃固定部83が円周方向に一定のピッチにて設けられる。複数のチップ90は、各刃固定部83にそれぞれ接合されている。複数のチップ90は、第1のチップ90A及び第2のチップ90Bにより構成される。第1のチップ90Aと第2のチップ90Bは、後で詳しく述べるように、形状が異なっている。第1のチップ90Aと第2のチップ90Bは、各刃固定部83に円周方向に交互に接合される。
台金基部81の中心部には、軸穴84が形成されている。第2回転鋸70は、軸穴84を介して切断機等の回転支軸に組み付けられる。台金80は、SK85、SKS5、SAE1074及びDIN75Cr1等の炭素鋼又は合金工具鋼からなる鋼板材であり、台金基部81及び複数の刃台82は一体的に形成されている。
刃台82は、台金基部81の外周部に、凹部からなる歯室82aと、凸部からなる歯背部82bとを交互に配置することにより構成される。歯室82aの後部と歯背部82bの前部との間に、側方から見た縁部の形状が略L字形の刃固定部83が形成されている。
チップ90(第1のチップ90A及び第2のチップ90B)は、炭化タングステンとコバルトとを混合して焼結した超硬合金であり、以下、超硬質チップ90とも称呼される。超硬質チップ90は、刃固定部83の大きさに対応した小さな部材である。超硬質チップ90は、金型成型により形成された研磨前の超硬質チップが各刃固定部83にろう付けによって固定され、所定の寸法に研磨されることにより形成される。超硬質チップ30の硬度は、HRA88〜95程度であるが、特に、金属を切断するためには、HRA88〜93程度が好ましい。
次に、このように構成された各部材を用いて、回転鋸70を製造する方法を説明する。研磨前の超硬質チップが、それぞれの刃固定部83に1個ずつ、ろう付けによって接合される。そして、研磨前の超硬質チップに対して研磨加工を施すことにより、各部分が仕上げ寸法となった第1のチップ90A及び第2のチップ90Bを備えた回転鋸70が得られる。
次に、仕上げ寸法に加工された超硬質チップ90A及び90Bについて、図6及び図7をそれぞれ参照しながら詳細に説明する。第1のチップ90Aは、図6(A)に示したように、前方から見た(すくい面視の)形状が、上下方向に長く、左右の辺91L及び91Rがそれぞれ円弧状に凹んだ形状である。左右の辺91L及び91Rの曲率半径は何れも50mmである。
チップ先端(すくい面93の上端)92aから92bまでの面93はすくい面を形成している。先端92aにおける左右方向の長さL11は、第1のチップ90Aの最大の刃厚に相当し、その長さL11は3.2mmに設定されている。左の辺91Lの上端における接線方向と、中心線C1と平行な方向と、のなす角(即ち、突出角)θ11は、6.0°に設定されている。右の辺91Rの上端における突出角も左の辺91Lと同様に6.0°に設定されている。突出角θ11は1.0°〜10.0°の範囲であることが好ましい。
図6(B)に示したように、すくい面93は平坦であり、下端92bよりも先端92aが前方に突出している。即ち、すくい面93は正のすくい角を有している。すくい面93のすくい角θ12は13.0°に設定されている。すくい面93の上下方向の長さL12は、5.37mmに設定されている。すくい面93は研磨された面である。左側面94Lは、前述したように曲率半径50mmの滑らかな面で構成されており、その面は研磨された面である。図示しない右側面も曲率半径50mmの滑らかな面で構成されており、その面は研磨された面である。第1のチップ90Aの上面である逃げ面95は、先端92aから下後方に向かって延びる平坦な面であり、逃げ面の延びる方向と切削方向(基準面Lrの法線方向)とのなす角である逃げ角θ14は、15°に設定されている。
図6(C)に示したように、逃げ面95の左右端(左上端96L及び右上端96R)は直線状に形成されている。左上端96Lの延びる方向と切削方向(中心線C2)とのなす角である側面逃げ角θ15は、0°に設定されている。反対側の側面逃げ角(右上端96Rの延びる方向と切削方向とのなす角)も同様に0°に設定されている。逃げ面95は研磨された面である。なお、面97は、研磨されず被覆層が残った面である。
第2のチップ90Bが図7(A)、(B)及び(C)に示される。図7において、第1のチップ90Aと同一の形状の部位には、図6にて付された符号と同一の符号が付されており、形状が一部変更されている部位には図6にて付された符号に「’」を加えた符号が付されている。第1のチップ90Aとの相違点は、逃げ面95の左右両端部が大きく切り欠かれ、切り欠き面98L及び98Rが形成されている点及び刃丈が僅かに長い点である。
図7(B)に示したように、第2のチップ90Bの切り欠き面98Lは第1のチップ90Aのすくい面93からチップ後部にわたって、第1のチップ90Aから取り除かれる部分である略三角柱状の立体の断面積(略三角形状の断面の面積)が一定となるように切り取られて形成される。切り欠き面98Rも同様に、中心線C1を中心に切り欠き面98Lと左右対称に形成される(図7(C)を参照)。この切り欠きの角度θ16は45°に設定されている(図7(A)を参照)。チップの最大の刃厚L13は3.06mmに設定され、先端92a’の長さL14は1.2mmに設定されている。
第2回転鋸70の第1のチップ90A及び第2のチップ90Bにおいて、すくい面93及び93’の下端である92bにおけるチップの厚みが最小の厚みである。即ち、側面94L、94R、94L’、94R’を研磨するとき、研磨に用いられる外周砥石の回転軸の位置(図4のHに相当)は、下端92bの位置に設定される。側面94L’の上端99Lにおける突出角θ17は5.2°に設定される。側面94R’の上端99Rにおける突出角も同様に5.2°に設定される。
図7(C)に示したように、逃げ面視にて、側面94L’の左上端99Lと切削方向とのなす角である側面逃げ角θ15は0°に設定される。側面94R’の右上端99Rと切削方向とのなす側面逃げ角も同様に0°に設定される。
第2回転鋸70は、第1のチップ90Aと第2のチップ90Bが円周方向に交互に配置される。このような構成により、被削材のバリの発生を低減させることができる。
なお、第2回転鋸70の直径(第2回転鋸70が回転するときの外周縁部の直径)は355mmに設定されている。更に、台金基部81の厚み及び刃台82の厚みは2.0mmに設定されている。刃台82は、円周方向に一定間隔(ピッチ)で100個形成されている。軸穴84の直径は25.4mmに設定されている。超硬質チップ90Aの刃丈L16は7.55mmに設定され、超硬質チップ90Bの刃丈L17は7.76mmに設定されている。
第2回転鋸70の直径は、250mm〜500mmに設定することが好ましい。超硬質チップ90A及び90Bの刃丈は、3.5mm〜15.0mmに設定することが好ましい。超硬質チップ90Aの刃丈と超硬質チップ90Bの刃丈との間の差(L17−L16)は0.1mm〜0.5mmに設定することが好ましい。超硬質チップ90A及び90Bの刃厚は、1.2mm〜10.0mmに設定することが好ましい。超硬質チップ90Aの左側面94L及び右側面94R、並びに超硬質チップ90Bの左側面94L’及び右側面94R’の曲率半径は20mm〜100mmに設定することが好ましい。すくい角は0°〜20°に設定することが好ましい。突出角(側面向心角)θ11,θ17は1°〜10°に設定することが好ましい。逃げ面37の逃げ角は5°〜20°に設定することが好ましい。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、以下に述べるように、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
第1実施形態の超硬質チップ30Aの側面を研磨する工程において、外周砥石51A及び51Bは、超硬質チップ30Aの側面に所定の圧力にて押し付けられ、超硬質チップ30Aの側面が所定の寸法に研磨される(研磨が完了する)まで、徐々に中心面に向かって移動させられるように構成されていた。しかし、外周砥石51A及び51Bは、第1回転鋸10が所定回数回転する毎に中心面に向かって微小な所定距離だけ移動するように構成されてもよい。
第1実施形態の超硬質チップ30Aの側面を研磨する工程において、第1回転鋸10の回転速度は、外周砥石51A及び51Bの回転速度よりも低く設定されていたが、第1回転鋸10、外周砥石51A及び51Bの回転速度はそれぞれ任意に設定されてもよい。また、研磨条件によっては、第1回転鋸10の回転方向を逆転して、すくい面側からチップを侵入させる方法を採用してもよい。
10…第1回転鋸(チップ付き回転鋸)、20…台金、21…台金基部、22…刃台、23…刃固定部、30…超硬質チップ、32a…チップの先端、32d…面取り部、35…切り屑分断用の溝、36L…左側面、37…逃げ面、38L…左端、38R…右端、51A…外周砥石、51B…外周砥石、511a…外周面、512…砥粒部、512a…外周部、A1…回転鋸の回転軸、A2…外周砥石の回転軸、A3…外周砥石の回転軸、L1…刃厚、θ1…突出角、θ2…すくい角。

Claims (5)

  1. 円板状の台金と、
    前記台金の外周部に、前記台金の円周方向に所定の間隔にて形成された複数の刃台と、
    前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップと、
    を備えたチップ付き回転鋸であって、
    前記複数のチップのそれぞれを前記チップ付き回転鋸の切削方向の前方から見たとき、前記複数のチップの左右の側面が所定の曲率半径にて凹み、且つ前記複数のチップの刃厚が前記複数のチップの先端にて最も大きくなるように形成されており、
    前記複数のチップのそれぞれを前記チップ付き回転鋸の半径方向の外側から見たとき、前記複数のチップの逃げ面の左右端が、前記切削方向と平行に形成されている、ことを特徴とする、
    チップ付き回転鋸。
  2. 請求項1に記載のチップ付き回転鋸において、
    前記複数のチップのそれぞれを前記切削方向から見たときの前記側面の先端における前記側面の接線方向と、前記チップ付き回転鋸の半径方向と、のなす角である突出角が、1.0°〜10.0°に設定されている、
    チップ付き回転鋸。
  3. 請求項2に記載のチップ付き回転鋸において、
    前記突出角が、
    3.0°〜10.0°に設定されるとともに、
    前記複数のチップのそれぞれが負のすくい角を有し、
    前記逃げ面に切り屑分断用の溝を有し、
    前記逃げ面と前記左右の側面とが交差する端部にそれぞれ面取りが施されている、
    チップ付き回転鋸。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のチップ付き回転鋸において、
    前記左右の側面が、回転軸が前記切削方向と平行となるように前記左右の側面を挟んで左右対称に配置された互いに同径の2つの外周砥石の外周部によって研磨されることにより形成されている、
    チップ付き回転鋸。
  5. 円板状の台金と、
    前記台金の外周部に、前記台金の円周方向に所定の間隔にて形成された複数の刃台と、
    前記複数の刃台にそれぞれ固定された複数のチップと、
    を備えたチップ付き回転鋸における前記チップの研磨方法であって、
    外周面に砥粒部が設けられている互いに同径の2つの外周砥石を、
    前記2つの外周砥石の回転軸が、前記チップ付き回転鋸の切削方向と平行で、且つ少なくとも研磨部位に位置する前記チップの先端よりも前記チップ付き回転鋸の半径方向内側に位置するように、及び
    前記2つの外周砥石の前記砥粒部の外周部が前記チップの左右の側面にそれぞれ当接するように前記チップ付き回転鋸に対して左右対称に配置し、
    前記2つの外周砥石を、同時に互いに反対方向に回転させるとともに、
    前記チップ付き回転鋸を前記チップ付き回転鋸の回転軸を中心に回転させることにより、前記左右の側面を研磨する、
    研磨方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02279301A (ja) * 1989-04-21 1990-11-15 Hitachi Koki Co Ltd チップソー
JPH091422A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Toshio Aono 曲面チップソー
JP2002001614A (ja) * 2000-06-20 2002-01-08 Kanefusa Corp 金属切断用丸鋸

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