JPH068032A - 取付刃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 製造が簡単で、仕上げ用切削具としても使用
できる切削具用取付刃を提供する。 【構成】 切削具に取り付けられる取付刃であって、該
取付刃は台形状であり、実質的に平面である取付面、該
取付面と反対側の上方面、切削面と近接する隙間面を有
する少なくとも一対の切削刃の間で構成される側面とを
有し、切削面は上方面に形成された凹み溝によって構成
され、隙間面が該側面の１つによって構成されるものに
おいて、まっすぐな凹み溝２８、３０が、本体の前方か
ら後方に向かって、本体の中央長手方向に対して開いて
いる鋭角ｂで延びており、該凹み溝は後方から前方に向
かって連続的に増加する深さを有し、その溝の断面半径
は実質的に一定であることを特徴とする取付刃。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、等間隔に設けられる切
削用取付刃（アタッチメント）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】周囲に等間隔で設けられる切削用取付刃
は従来から知られている。それらは、平面状の取付面
と、少なくとも１つの切削刃を有する角柱体からなる。
その刃は切削面と、切削用取付刃の側面に沿った隙間面
との交差線に対応している。その取付刃は、切削具の頭
部が回転した時に切削刃が円を形成するように切削具取
付具に固定される。通常、切削刃は回転軸に関してある
角度を持って取り付けられている。この軸角度は、直
接、切削具と、切削刃の寿命に影響を与える。相対的に
大きな軸角度は、スムースな切削をもたらす。

【０００３】軸角度を０にしないように、且つ真っ直ぐ
な切削刃を得ようとしても、切削刃の先頭端部と後端部
が共通の筒状面に位置していないため、正確に９０°で
切削することはできない。更に、切削角度のサインと同
様、切削角度と隙間角度は、切削刃の長さ方向を横切っ
て変化する。それは、高い性能を要求する場合には有害
である。しかし、切り屑の除去を促進するため、最高の
寿命を得るためにはある角度を選ばなければならない。
その角度は、上記説明した観点から、切削刃を横切るよ
うに維持することができない。このため、切削用取付刃
タイプの切削具は周囲仕上げ用としては使用できない。
むしろ、螺旋状切削刃を持った切削具がそのために使用
されている。しかし、このタイプの切削具は、脱着可能
にすると比較的高価なものとなる。

【０００４】ヨーロッパ特許０３９２７２９と０３９２
７３０は、従来の取付刃の欠点をある程度解消する切削
用取付刃を開示している。切削刃は、例えば、シリンダ
ーを横切る平面の交差線に沿って、カーブしている。断
面の角度は軸角度に対応している。このことは、切削刃
が筒状面上に位置しやすく、且つ切削具がより確実に正
確に９０°になるということである。

【０００５】更に、従来の他の切削具は、切削面と隙間
面が連続的にカーブしている。一定の切削角度と一定の
隙間角度は互いに切削刃に沿うこととなる。

【０００６】この従来技術の利点は、相対的に大きな軸
角度が得られるということである。更に、切削角度や隙
間角度は、所望の切削幾何図形のために選択することが
できる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、公知の取付刃
は、それ自身あまり高価ではないが、切削、特に焼結工
程による切削なしで成形されているという欠点を有して
いる。しかし、焼結工程は許容誤差を越える場合があ
り、所謂同心円状にならないという欠点もある。更に、
それぞれの取付刃の幾何学的形状は、切削角度又は隙間
角度がわずかに変えようとした時にでも、別の成形具を
必要とする。また、多数の成形具を必要ともする。更に
他の欠点は、焼結した取付刃は、ＰＶＤ法による塗布方
法が適用できないということである。表面が硬化処理さ
れたものへのこの種の塗布工程は、ほとんど前段階での
切削具の研磨操作が必要である。

【０００８】本発明の目的の１つは、製造が簡単で、仕
上げ用切削具として使用できる高性能の切削用取付刃を
提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による切削用取付
刃は、好ましくは表面が焼結されたブランク（金属素
板）を用いたものを予め成形した台形で構成されてい
る。従来の切削具に関しては、ブランクは平面状の取付
面と、取付面と反対側で実質的に平面である前方面を有
しているが、切削刃に近接した表面エリアは平面である
ことが顕著であり、中央部での表面状態は十分でない。

【００１０】本発明は、公知のカーブした切削面及び隙
間面を有する等間隔に設けられた取付刃と同様の結果が
得られるという認識が基礎となっている。但し、切削面
は真っ直ぐな凹み溝によって前方面内に構成され、該凹
み溝は長手方向の中心軸に関して正確な角度を有してい
る。その角度は、先端部から後端部に向かって広がって
いる。その凹み溝は、後端部から先端部に向かって連続
的に深くなっている。この凹み溝は、研磨工程のみで製
造できる。研磨条件の選択により、切削刃の端部の切削
角度は、予め決定する軸角度については、切削刃の先端
部及び後端部において同じ値が得られるように、任意に
決定することができる。両端部間の切削角度は正確に同
一にすることはできないということは理解すべきであ
る。このため、上記した従来例からわかるように、切削
面をねじることが必要となる。切削刃エリア内の取付刃
の形状は、欠点が少なく利点の多い公知のものと幾何学
的に類似である。従って、所定のブランクにおける所望
の切削角度、（即ち、特定の切削具が要求する切削角度
に適合させる）が容易に得られる。切削装置の所定の固
定を基礎として、研磨条件を欠点を生じることなく変化
させることができる。製造工程は、焼結した取付刃では
得られないような同心円を得ることを容易にした。この
ようにして、等間隔に設けられた切削刃により、等間隔
に設けられた切削刃を用いない仕上げ装置によってのみ
得られるような正確性が得られる。更に本発明による取
付刃に、切削具を上記のように研磨するため低温で行わ
れるコーティングを施してもよい。

【００１１】凹み溝が切削刃に向かって延びている点に
おける角度は、所望の切削角度の関数であり、その傾き
が凹み溝のスロープと、また凹み溝を製造する研磨具の
半径と相互に関係がある。所定の半径に関しては、研磨
深さは切削面の傾きを決定する。また、凹み溝は切削刃
と、切削角度を持って直接つながっていることに注意し
なければならない。しかし、凹み溝を構成するための条
件を決定することは難しくない。凹み溝の深さの増加は
一定に変化するものではない。しかし、ほぼ一定の場合
には工作が容易である。

【００１２】切削角度が切削刃の長さを横切って一定で
ある時、切削刃の前方部と後端部での切削面の傾きは、
所定の軸角度に関して、これらの角度が上記と同様の値
を含むように選択する。両端部間の切削角度は、わずか
に変化した値を含む。

【００１３】正確な９０°を得るため、上記の従来例
は、筒状体の周囲表面に沿って延びており、軸角度に一
致して、筒状体を通る平面との交差線で限定される切削
刃を有している。このことから、研磨装置によって理論
的に製造可能な切削刃の長円形の湾曲となる。しかし、
本発明は、この費用は不要のものであり、またこれに反
して、切削刃がフランス特許２２７６８９２に開示され
ているある種の被覆を行なうと、十分であるという認識
を基礎としている。本発明の他の態様では、この被覆
は、切削刃に近接するフランク（刃の斜面の意：隙間
面）の断面の凸状研磨によって得られる。好ましくは、
斜面が大きな曲率半径の正確な円形状に研磨する。この
タイプの切削刃によって作られた面はほぼ９０°とな
る。研磨工程により、隙間角度を補正することができ、
追加のコストは不要である。

【００１４】要するに、本発明による等間隔に設けた切
削用取付刃によって、正確な同心円が得られ、平面操作
ができ、且つ正確な９０°が得られる。更に、本発明に
よる切削刃は大きな軸角度を可能にし、スムースな切削
及び優れた切削屑除去性を発揮する。

【００１５】

【実施例】実施例に従って本発明を詳細に説明する前
に、図に示す寸法は実際のものとは異なるし、相互のス
ケールも異なっていることを明示する。

【００１６】図１は、切削具固定具１２と３つの取付刃
１４からなる切削具１０を示す。その取付刃１４は、角
度ａで固定具に取り付けられている。

【００１７】図２は、図１に示すタイプの５つの取付刃
１４からなる類似の切削具１０a を示す。固定具１２又
は１２a の構造と、取付刃１４の取り付けについては従
来のものと同様であるため詳細は示していない。

【００１８】取付刃１４は、台形の焼結されたブランク
でできている。取付刃は、平面状に切削された取付面１
６と、該取付面１６と平行な、平面状の上方面１８を有
している。更に、取付刃は、固定具１２又は１２a に取
付刃１４を固定するための固定ネジ２２を受容する中央
筒状開口２０を有している。

【００１９】更に、取付刃１４は、互いに反対側の側面
に位置する切削刃２４、２６を有している。該切削刃
は、上方面１８内に構成されている凹み溝２８、３０の
近接面によって、また凸又は隙間面４０によって構成さ
れる。該凹み溝は、切削刃２４、２６又は、取付刃の軸
３２に対して、角度ｂを有している。凹み溝２８、３０
は、その長さ全体に渡って溝の断面が一定の半径を持つ
ように、研磨装置によって形成される。傾きの角度及び
凹み溝２８、３０の深さによって、取付刃１４の側面３
４、３６のくさび角度が変わる。図７に示すように溝の
１端が最大の深さを有し、他端に向かって連続的に浅く
なっている。該凹み溝２８、３０は、両切削刃２４、２
６が、取付刃を等間隔に取り付け、順次使用できるよう
に、鏡で反転したように位置している。

【００２０】研磨装置の所定の半径Ｒ１と凹み溝２８、
３０の所定の深さに関して、切削面が、その角度が切削
刃２４、２６の長さに渡って連続的に変化するように構
成されている。取付刃１４の取り付け位置で、より深い
溝を有する切削刃の端は前方端部に位置している。ま
た、浅い溝部は、後端部に位置している。従って、切削
刃２４、２６の長さに渡って、所定の軸角度と前方及び
後端部の所定の角度に関して、ほぼ一定の切削角度が得
られる。

【００２１】図３から図７に示すように、切削刃２４、
２６に近接する部分４０は、凸状になるように研磨され
ている。平面３４、３６を研磨する場合において、同じ
取付具を使用する同じ装置で可能なこの研磨工程は、相
対的に大きな半径Ｒ（図４）を使用して製造されてい
る。これにより、取付刃１４の上方面１８の平面内での
わずか凸にカーブした切削刃２４、２６が得られ、更に
同一の取り付けにおける隙間角度ｂの連続的な変化を有
する隙間面４０が得られる（平面３４、３６の隙間角度
は図６のＣで示す）。凸状のカーブによって、切削刃２
４、２６は高度に正確でなく、むしろほぼ筒状表面に位
置しているという事実から、十分に正確な９０°の面が
得られる。

【００２２】上記したように、カーブ面の研磨は、平面
３４、３６を研磨した後、同じ取付状態で行なう。研磨
後、取付刃１４に、表面硬度を増加するために、従来の
方法により、適当な物質をコーティングしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による取付刃の１例を３つ設けた切削具
の斜視図である。

【図２】図１と類似の切削頭部の拡大斜視図である。

【図３】図１に示す取付刃の斜視図である。

【図４】図３の取付刃の平面図である。

【図５】図４の矢印５から見た取付刃の側面図である。

【図６】図４の６−６線断面図である。

【図７】図４の矢印７から見た取付刃の側面図である。

【符号の説明】

１０ 切削具 １２ 固定具 １４ 取付刃 １６ 取付面 １８ 上方面 ２４、２６ 切削刃 ２８、３０ 凹み溝 ３４、３６ 側面

Claims (7)

【整理番号】 Ｐ９３０４２２１ 【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ０でない角度で切削具に、周囲に等間隔
   に取り付けられる取付刃であって、該取付刃は台形状で
   あり、実質的に平面である取付面、該取付面と反対側の
   上方面、切削面と近接する隙間面を有する少なくとも一
   対の切削刃の間で構成される側面とを有し、切削面は上
   方面に形成された凹み溝によって構成され、隙間面が該
   側面の１つによって構成されるものにおいて、まっすぐ
   な凹み溝２８、３０が、本体の前方から後方に向かっ
   て、本体の中央長手方向に対して開いている鋭角ｂで延
   びており、該凹み溝は後方から前方に向かって連続的に
   増加する深さを有し、その溝の断面半径は実質的に一定
   であることを特徴とする取付刃。
2. 【請求項２】 該凹み溝が本体の軸に対して５〜１０°
   の角度で延びているものである請求項１記載の取付刃。
3. 【請求項３】 該凹み溝の深さがほぼ一定に増加するも
   のである請求項１又は２記載の取付刃。
4. 【請求項４】 角度ｂ、凹み溝の深さ増加、溝の半径Ｒ
   １が、前端部と後端部において切削角度が軸角度に対し
   て同一になるように選ばれるものである請求項１乃至３
   記載の取付刃。
5. 【請求項５】 切削刃に近接する側面３４、３６の部分
   ４０が、切削刃が前方面１８の平面からわずかに凸であ
   り、切削刃が取付部において実質的に一定の隙間角度を
   有するように、湾曲した構造に研磨されているものであ
   る請求項１乃至４記載の取付刃。
6. 【請求項６】 湾曲部４０は正確に、相対的に大きな半
   径Ｒを有するように研磨されているものである請求項１
   乃至４記載の取付刃。
7. 【請求項７】 該凹み溝が、平らな台形状ブランクに形
   成されたものである請求項１乃至６記載の取付刃。